JP2014185739A - アンギュラ玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状体の周面を径方向に貫通する複数のポケットを環状体の周方向に所定間隔で有する保持器を備えたアンギュラ玉軸受において、保持器をなす環状体の内周面に付着したグリースが玉に供給され易くする。
【解決手段】この発明のアンギュラ玉軸受は、外輪1と内輪2と玉3と保持器4と非接触シール5とを有し、これらにより形成される空間にグリースを配置して使用する。保持器4は、環状体の内周面に、軸方向両端部からポケット41に潤滑剤を向かわせるテーパ面(潤滑剤供給面)42を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、軸方向両端に非接触シールが取り付けられ、内部にグリースが封入されているアンギュラ玉軸受に関する。
近年、工作機械の主軸を回転支持するアンギュラ玉軸受として、グリースが予め封入され、シールにより密封されているシール付きアンギュラ玉軸受が使用されている。標準的な軸受寸法を有するアンギュラ玉軸受では、シールによって囲まれる内輪と外輪との間の軸受空間に、例えば、空間容積の15〜30%程度のグリースが封入されている。
このようなシール付きアンギュラ玉軸受では、グリースの封入量を多くすることでグリース寿命が向上できるため、軸受空間を大きくすることが提案されている。軸受空間を大きくする方法として、保持器の幅(軸方向寸法)を小さくする方法がある。しかし、この方法は、保持器が強度不足になる恐れがあるため、高速回転軸を支持する用途には不向きである。
特許文献1には、アンギュラ玉軸受における標準的な軸受幅の寸法を変更し、軸受の径方向断面寸法に対し軸方向断面寸法を大きく設定することにより、空間容積を従来よりも大きくすることが提案されている。このように設定することで、空間容積に対するグリース封入量の割合が従来と同等の場合でも、封入されるグリースの絶対量が多くなる。具体的には、アンギュラ玉軸受の内輪の内径寸法をd、外輪の外径寸法をD、玉径をDaとしたとき、軸受の軸方向断面寸法Xと、軸受の径方向断面寸法(D−d)/2と、玉径Daとの関係が(1) 式を満たすように構成している。
1.2≦(X/Da)/{(D−d)/2/Da}≦1.4…(1)
特許文献2には、大幅なグリース飛散を解消して軸受の回転トルク増加を極力抑えるとともに、グリースが徐々に外輪側へ供給されるようにして潤滑不足を防止することを目的として、冠形保持器の形状を工夫することが記載されている。具体的には、冠形保持器のポケット部を構成する爪部の背面間の環状体一側面に、環状体外径部から内径部に至り環状体他端面側に向かって傾斜する傾斜面を設け、前記傾斜面の最外径側が環状体の上記一側面で軸方向最外側となるようにしている。
特開2007−239801号公報 特許3751771号公報
上述のように、特許文献1には、標準的な軸受寸法から外れ、軸受の径方向寸法に対して軸方向寸法を大きく設定することにより、軸受空間を従来よりも大きくして、アンギュラ玉軸受のグリース封入量を多くする方法が記載されている。しかし、この方法では、特に、高速回転軸を支持する用途の場合、軸受空間の軌道面から離れている部分(内輪または外輪の軸方向両端部のシール取付溝肩部や、シールの近くなど)に存在するグリースが、その場に滞留して潤滑に寄与せず、グリースの封入量を多くした効果が十分に発揮できない恐れがある。
また、特許文献2に記載された保持器の形状では、保持器をなす環状体の内周面に付着したグリースを流動させる作用は得られない。特許文献2に記載された発明は、冠形保持器に関するものであり、環状体の周面を径方向に貫通する複数のポケットを周方向に所定間隔で有する保持器(かご形保持器)には適用できない。
この発明の課題は、環状体の周面を径方向に貫通する複数のポケットを環状体の周方向に所定間隔で有する保持器を備えたアンギュラ玉軸受において、保持器をなす環状体の内周面に付着したグリースが効率的に玉に供給されるようにすることである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様のアンギュラ玉軸受は、下記の構成(1) および(2) を有するアンギュラ玉軸受であって、下記の構成(3) を有することを特徴とする。
(1) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内周面に外輪軌道面を有する外輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に配置された複数の玉と、前記複数の玉を転動自在に保持する保持器と、軸方向両端部に取り付けられた非接触シールと、前記内輪、前記外輪、前記玉、前記保持器、および前記非接触シールで形成される空間(軸受空間)に配置されたグリースと、を有する。
(2) 前記保持器は環状体からなり、前記環状体の周面を径方向に貫通する複数のポケットを周方向に所定間隔で有し、前記ポケットに前記玉が配置されている。
(3) 前記環状体の内周面は、軸方向両端部と前記ポケットの両側の柱部との少なくともいずれかから前記ポケットに潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面を有する。
この態様のアンギュラ玉軸受によれば、前記環状体の内周面が前記潤滑剤供給面を有することにより、これを有さないものと比較して、保持器をなす環状体の内周面に付着したグリースが玉に供給され易くなる。
この態様のアンギュラ玉軸受は、下記の構成(4) 、(5) 、または(6) を有することができる。
(4) 前記環状体の内周面は、軸方向端部から軸方向中央部に向けて拡径するテーパ面または軸方向に沿った断面が円弧である円弧状凹面を、前記潤滑剤供給面として有する。
前記環状体の内周面が前記テーパ面を前記潤滑剤供給面として有する場合、前記テーパ面の傾斜角度は0より大きく25°より小さいことが好ましい。
前記テーパ面の傾斜角度が大きいほどグリースが玉に供給され易くなるが、供給量が多すぎるとトルクが増大する。また、前記テーパ面の傾斜角度が大き過ぎると保持器強度が不十分となる。前記テーパ面の傾斜角度を0°より大きく25°以下にすることで、グリースが玉に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器強度が確保される。
前記環状体の内周面が前記円弧状凹面を前記潤滑剤供給面として有する場合、前記円弧状凹面の曲率半径が前記玉の直径の1.5倍以上であることが好ましい。
前記円弧状凹面の曲率半径が小さいほどグリースが玉に供給され易くなるが、供給量が多すぎるとトルクが増大する。また、前記円弧状凹面の曲率半径が小さ過ぎると保持器強度が不十分となる。前記円弧状凹面の曲率半径を前記玉の直径の1.5倍以上にすることで、グリースが玉に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器強度が確保される。
(5) 前記環状体の内周面は、前記ポケット毎に環状体の径方向に凹む凹部を前記潤滑剤供給面として有する。
前記凹部が前記ポケットの両側の柱部から前記ポケットの中心に向かう傾斜面を有する場合、その傾斜角度は0より大きく25°より小さいことが好ましい。
前記斜面の傾斜角度が大きいほどグリースが玉に供給され易くなるが、供給量が多すぎるとトルクが増大する。また、前記斜面の傾斜角度が大き過ぎると保持器強度が不十分となる。前記斜面の傾斜角度を0°より大きく25°以下にすることで、グリースが玉に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器強度が確保される。
前記凹部が円弧面状である(球面状を含む)場合、前記円弧面(球面)の曲率半径が前記玉の直径の1.5倍以上であることが好ましい。
前記円弧面状凹部の曲率半径が小さいほどグリースが玉に供給され易くなるが、供給量が多すぎるとトルクが増大する。また、前記円弧面状凹部の曲率半径が小さ過ぎると保持器強度が不十分となる。前記円弧面状凹部の曲率半径を前記玉の直径の1.5倍以上にすることで、グリースが玉に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器強度が確保される。
(6) 前記保持器の軸方向寸法が、前記両非接触シールの軸方向に沿った間隔の70%以上90%以下である。
この態様のアンギュラ玉軸受が前記構成(6) を有するものであれば、この構成を有さないものと比較して、保持器に付着するグリース量が多くなるため、下記の構成(7) または(8) を有する幅広軸受とした場合でも、軸受空間の軌道面から離れている部分に存在するグリースが流動し易くなる。
構成(1) および(2) を有する標準的なアンギュラ玉軸受において、保持器の軸方向寸法は両非接触シールの軸方向に沿った間隔の50%程度であるが、この態様のアンギュラ玉軸受では70%以上とすることで、保持器に付着するグリース量を増やしている。また、保持器の軸方向寸法を両非接触シールの軸方向に沿った間隔の90%以下とすることで、保持器が両非接触シールと干渉することが防止される。
(7) 標準的な軸受寸法から外れ、軸受の径方向寸法に対して軸方向寸法を大きく設定することにより、軸受空間が従来よりも大きくなり、グリース封入量が多くなっている。
(8) 軸受の軸方向寸法は、前記内輪の内径dと前記外輪の外径Dにより「Y=(D−d)/2」で表される軸受の径方向寸法Yの1.2倍以上1.4倍以下である。なお、内輪と外輪で軸方向寸法が異なる場合、いずれか小さい方の軸方向寸法を「軸受の軸方向寸法」とする。
このアンギュラ玉軸受が下記の構成(9) を有するものであると、下記の構成(9) を有さないもの(前記樹脂組成物中の繊維状充填剤の含有率が10質量%未満または40質量%超であるもの)と比較して、溶融成形時の流動性が良好でありながら、保持器の寸法安定性および機械的強度が確保される。
(9) 保持器は、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から選択される1以上の合成樹脂と、ガラス繊維または炭素繊維からなる繊維状充填剤とで構成された樹脂組成物を溶融成形することで得られたものである。樹脂組成物中の繊維状充填剤の含有率は10質量%以上40%以下である。
この発明のアンギュラ玉軸受によれば、保持器をなす環状体の内周面に付着したグリースが玉に供給され易くなるため、高速回転時の耐焼き付け性能が向上する。
また、この発明を、標準的な軸受寸法から外れ、軸受の径方向寸法に対して軸方向寸法を大きく設定することにより、軸受空間を従来よりも大きくしてグリース封入量を多くしたアンギュラ玉軸受に適用した場合に、軸受空間内でのグリースの流動性が改善されることで、グリース封入量を多くした効果が十分に発揮され易くなる。
第1実施形態のアンギュラ玉軸受を示す断面図である。 図1のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の断面図(保持器をなす環状体の軸方向に沿った断面図)である。 第1実施形態のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の変形例を示す断面図(保持器をなす環状体の軸方向に沿った断面図)である。 第2実施形態のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の断面図(保持器をなす環状体の軸方向に沿った断面図)である。 第3実施形態のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の断面図(軸に垂直な方向に沿った断面図)である。 第4実施形態のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の断面図(軸に垂直な方向に沿った断面図)である。 第5実施形態のアンギュラ玉軸受を構成する保持器の斜視図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。
[第1実施形態]
図1に示すように、この実施形態のアンギュラ玉軸受は、外輪1、内輪2、玉3、保持器4、および非接触シール5,6で構成されている。
外輪1の内周面に外輪軌道面10が形成されている。内輪2の外周面に内輪軌道面20が形成されている。
内輪2の軸方向片側(図1の右側)の溝肩が落とされている。すなわち、内輪2の内輪軌道面20を挟んだ両側は、肩落とし部21と肩部22になっている。外輪1の軸方向寸法X1は内輪2の軸方向寸法X2より小さく、内輪2の肩部22の軸方向端部が外輪1の軸方向端部より突出している。
外輪1の内径は、内輪2の肩落とし部21と対向する内周面11の内径が、内輪2の肩部22と対向する内周面12の内径より小さい。外輪1の内周面に、非接触シール5,6を取り付ける取付溝15,16が形成されている。
外輪1の軸方向寸法X1は、内輪2の内径dと外輪1の外径Dにより「Y=(D−d)/2」で表される軸受の径方向寸法Yの1.4倍である。内輪2の軸方向寸法X2は軸受の径方向寸法Yの1.5倍である。すなわち、このアンギュラ玉軸受の軸方向寸法は、径方向寸法Yの1.4倍である。
保持器4は、所定厚さの環状体からなり、環状体の周面を径方向に貫通する複数の円形のポケット41を、周方向に所定間隔で有する。各ポケット41に玉3が転動自在に配置されている。保持器4の軸方向寸法H1は、両非接触シール5,6の軸方向に沿った間隔Sの76%である。
図1および図2のラインLは玉3のPCD(ピッチ円の直径)の位置を示す。図1における保持器4の断面は、図2のA−A断面に相当する。
保持器4をなす環状体の内周面は、軸方向両端部から軸方向中央部に向けて拡径するテーパ面42を有する。図2に示すように、テーパ面42は、軸方向でポケット41の少し内側の位置まで形成され、保持器4をなす環状体の内周面の軸方向中央部は円柱面43のままである。テーパ面42の傾斜角度θ1は20°である。また、円柱面43の直径は玉3のPCDより小さい。
保持器4は外輪案内型であり、内輪2の肩落とし部21と対向する外輪1の内周面11で案内される。保持器4は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と炭素繊維からなる樹脂組成物(炭素繊維の含有率が30質量%)を溶融成形することで得られたものである。
非接触シール5,6は金属板のプレス加工により形成されている。
この実施形態のアンギュラ玉軸受は、軸受の軸方向寸法X1が内輪2の内径dと外輪2の外径Dにより「Y=(D−d)/2」で表される軸受の径方向寸法Yの1.4倍にすることにより、軸受空間が従来よりも大きく、グリース封入量が多くなっている。これに加えて、保持器4の軸方向寸法H1がシール間隔Sの76%で従来の保持器(50%程度)より大きいため、軸受空間内でのグリースの流動性が改善されている。
また、保持器4にテーパ面42が形成されていることにより、保持器4をなす環状体の内周面に付着したグリースが、図1に矢印で示したように、玉3に供給され易くなっている。すなわち、この実施形態では、保持器4をなす環状体の内周面に設けたテーパ面42が、環状体の軸方向両端部からポケット41に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面となっている。
このように、この実施形態のアンギュラ玉軸受によれば、グリース封入量を多くした効果が十分に発揮され易くなっているため、耐焼き付き性が向上する。
また、テーパ面42の傾斜角度θ1が20°(0°より大きく25°以下)であるため、グリースが玉3に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器4の強度が確保される。また、保持器4の最大内径である円柱面43の直径が玉3のPCDより小さいため、保持器4の最大内径が玉3のPCD以上である場合と比較して、ポケット41による玉3の保持機能が良好になる。
なお、図2の例では、保持器4をなす環状体の内周面が一対のテーパ面42を有し、テーパ面42の間が円柱面43となっているが、図3の保持器4Aのように、保持器4Aをなす環状体の内周面が一対のテーパ面42Aのみで形成されていてもよい。この例でも内周面の最大直径は玉3のPCD(ピッチ円の直径)より小さい。また、保持器4Aのテーパ面42Aの角度θ2は、図2の保持器4のテーパ面42の角度θ1より小さい。
図2の保持器4と図3の保持器4Aを比較すると、保持器4は保持器4Aより環状体の軸方向中央部の厚さが厚いため、保持器強度が高くなる。保持器4Aの内周面は円柱面43を有さないため、保持器4よりも環状体の軸方向中心にグリースが移動し易いことにより、グリースを玉3に供給され易くする効果が高い。
[第2実施形態]
この実施形態のアンギュラ玉軸受は、第1実施形態の保持器4に代えて図4に示す形状の保持器4Bを有している。これ以外の点は第1実施形態と同じである。図4のラインLは玉3のPCD(ピッチ円の直径)の位置を示す。
保持器4Bをなす環状体の内周面が球状凹面(円弧状凹面)42Bとなっている。球状凹面42Bの曲率半径は玉3の直径の1.8倍である。また、保持器4Bの球状凹面42Bからなる内周面の最大直径は玉3のPCD(ピッチ円の直径)より小さい。
この実施形態のアンギュラ玉軸受によれば、保持器4Bに球状凹面42Bが形成されていることにより、保持器4Bをなす環状体の内周面に付着したグリースが玉3に供給され易くなっている。すなわち、この実施形態では、保持器4Bをなす環状体の内周面に設けた球状凹面42Bが、環状体の軸方向両端部からポケット41の中心に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面となっている。
また、球状凹面42Bの曲率半径は玉3の直径の1.8倍(1.5倍以上)であるため、グリースが玉3に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器4Bの強度が確保される。また、保持器4Bの最大内径が玉3のPCDより小さいため、保持器4Bの最大内径が玉3のPCD以上である場合と比較して、ポケット41による玉3の保持機能が良好になる。
[第3実施形態]
この実施形態のアンギュラ玉軸受は、第1実施形態の保持器4に代えて図5に示す形状の保持器4Cを有している。これ以外の点は第1実施形態と同じである。図5のラインLは玉3のPCD(ピッチ円の直径)の位置を示す。
保持器4Cをなす環状体の内周面は、ポケット41毎に、環状体の径方向に凹むV字状凹部42Cを有している。V字状凹部42Cの深さは、玉3のPCDの位置より浅い。すなわち、保持器4Cをなす環状体の最大内径は、玉3のPCDより小さい。
図5において、ラインL41は保持器4Cのポケット41の中心(環状体の周方向での中心)を示す。ラインL44は保持器4Cの柱部44の周方向中心を示す。ラインL40は、従来の保持器の内周面(保持器4Cをなす環状体がV字状凹部42Cを有さない場合の内周面)を示す。基準線L0は、ラインL41とラインL40との交点P41と、ラインL44とラインL40との交点P44を結んだ直線である。
V字状凹部42Cをなす一対の斜面420は、ポケット41の両側の柱部44からポケット41の中心に向かう傾斜面である。両斜面420の基準線L0に対する角度θ3は11°である。基準線L0に対する角度θ3が0のとき、傾斜面420は内周面L40の接線と略等しくなる。すなわち、保持器4Cをなす環状体に径方向に凹む凹部がない場合、角度θ3は0となる。
この実施形態のアンギュラ玉軸受によれば、保持器4CにV字状凹部42Cが形成されていることにより、保持器4Cをなす環状体の内周面に付着したグリースが玉3に供給され易くなっている。すなわち、この実施形態では、保持器4Cをなす環状体の内周面に設けたV字状凹部42Cが、ポケット41の両側の柱部44からポケット41の中心に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面となっている。
また、V字状凹部42Cをなす一対の斜面420の傾斜角度θ3が11°(0°より大きく25°以下)であるため、グリースが玉3に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器4Cの強度が確保される。また、保持器4のC最大内径が玉3のPCDより小さいため、保持器4Cの最大内径が玉3のPCD以上である場合と比較して、ポケット41による玉3の保持機能が良好になる。
[第4実施形態]
この実施形態のアンギュラ玉軸受は、第1実施形態の保持器4に代えて図6に示す形状の保持器4Dを有している。これ以外の点は第1実施形態と同じである。図6のラインLは玉3のPCD(ピッチ円の直径)の位置を示す。
保持器4Dをなす環状体の内周面は、ポケット41毎に、環状体の径方向に凹む円柱面状凹部(円弧面状凹部)42Dを有している。
図6において、ラインL41は保持器4Dのポケット41の中心(環状体の周方向での中心)を示す。ラインL44は保持器4Dの柱部44の周方向中心を示す。ラインL40は、従来の保持器の内周面(保持器4Dをなす環状体が円柱面状凹部42Dを有さない場合の内周面)を示す。ラインL42は、保持器4Dの外周円と同心の円であって、各円柱面状凹部42Dの最深部をつなぐ線(外接円)である。
円柱面状凹部42Dをなす円弧は、ポケット41の両側柱部44の周方向中心同士を結ぶ円弧である。円柱面状凹部42Dの曲率半径は玉3の直径の1.8倍である。円柱面状凹部42Dの深さは玉3のPCDの位置より浅い。すなわち、保持器4Dをなす環状体の最大内径は、玉3のPCDより小さい。
この実施形態のアンギュラ玉軸受によれば、保持器4Dに円柱面状凹部42Dが形成されていることにより、保持器4Dをなす環状体の内周面に付着したグリースが玉3に供給され易くなっている。すなわち、この実施形態では、保持器4Dをなす環状体の内周面にポケット41毎に設けた円柱面状凹部42Dが、ポケット41の両側の柱部44からポケット41の中心に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面となっている。
また、円柱面状凹部42Dの曲率半径は玉3の直径の1.8倍(1.5倍以上)であるため、グリースが玉3に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器4Dの強度が確保される。また、保持器4Dの最大内径が玉3のPCDより小さいため、保持器4Dの最大内径が玉3のPCD以上である場合と比較して、ポケット41による玉3の保持機能が良好になる。
[第5実施形態]
この実施形態のアンギュラ玉軸受は、第1実施形態の保持器4に代えて図7に示す形状の保持器4Eを有している。これ以外の点は第1実施形態と同じである。
保持器4Eをなす環状体の内周面は、ポケット41毎に、環状体の径方向に凹む球面状凹部42Eを有している。球面状凹部42Eの曲率半径は玉3の直径の1.8倍である。球面状凹部42Eの深さは玉3のPCDの位置より浅い。すなわち、保持器4Eをなす環状体の最大内径は、玉3のPCDより小さい。
この実施形態のアンギュラ玉軸受によれば、保持器4Eに球面状凹部42Eが形成されていることにより、保持器4Eをなす環状体の内周面に付着したグリースが玉3に供給され易くなっている。すなわち、この実施形態では、保持器4Eをなす環状体の内周面にポケット41毎に設けた球面状凹部42Eが、環状体の軸方向両端部とポケット41の両側の柱部44の両方から、ポケット41の中心に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面となっている。
また、球面状凹部42Eの曲率半径は玉3の直径の1.8倍(1.5倍以上)であるため、グリースが玉3に供給され易い効果を有しながら、トルク増大が抑制され、保持器4Eの強度が確保される。また、保持器4Eの最大内径が玉3のPCDより小さいため、保持器4Eの最大内径が玉3のPCD以上である場合と比較して、ポケット41による玉3の保持機能が良好になる。
なお、第1〜第4実施形態は、保持器の環状体の内周面が有する潤滑剤供給面が、環状体の軸方向両端部からポケット41に潤滑剤を向かわせる例か、ポケット41の両側の柱部44からポケット41に潤滑剤を向かわせる例のいずれかである。第1実施形態のテーパ面と第3実施形態のV字状凹部を組み合わせることや、第2実施形態の円弧状凹面と第4実施形態の円柱面状凹部を組み合わせることでも、環状体の軸方向両端部とポケット41の両側の柱部44の両方から、ポケット41の中心に潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面を形成することができる。
1 外輪
10 外輪軌道溝
11 外輪の内周面(保持器の案内面)
12 外輪の内周面
15 取付溝
16 取付溝
2 内輪
20 内輪軌道溝
21 肩落とし部
22 肩部
3 玉
4 保持器
41 ポケット
42 テーパ面(潤滑剤供給面)
42A テーパ面(潤滑剤供給面)
42B 球状凹面(潤滑剤供給面)
42C V字状凹部(潤滑剤供給面)
42D 円柱面状凹部(潤滑剤供給面)
42E 球面状凹部(潤滑剤供給面)
420 V字状凹部をなす斜面(潤滑剤供給面)
43 円柱面
44 柱部
5 非接触シール
6 非接触シール

Claims (11)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に配置された複数の玉と、
    前記複数の玉を転動自在に保持する保持器と、
    軸方向両端部に取り付けられた非接触シールと、
    前記内輪、前記外輪、前記玉、前記保持器、および前記非接触シールで形成される空間に配置されたグリースと、
    を有し、
    前記保持器は環状体からなり、前記環状体の周面を径方向に貫通する複数のポケットを周方向に所定間隔で有し、前記ポケットに前記玉が配置され、
    前記環状体の内周面は、軸方向両端部と前記ポケットの両側の柱部との少なくともいずれかから前記ポケットに潤滑剤を向かわせる潤滑剤供給面を有するアンギュラ玉軸受。
  2. 前記環状体の内周面は、軸方向端部から軸方向中央部に向けて拡径するテーパ面または軸方向に沿った断面が円弧である円弧状凹面を、前記潤滑剤供給面として有する請求項1記載のアンギュラ玉軸受。
  3. 前記環状体の内周面は、前記ポケット毎に環状体の径方向に凹む凹部を前記潤滑剤供給面として有する請求項1記載のアンギュラ玉軸受。
  4. 前記環状体の内周面は前記テーパ面を前記潤滑剤供給面として有し、前記テーパ面の傾斜角度は0より大きく25°より小さい請求項2記載のアンギュラ玉軸受。
  5. 前記環状体の内周面は前記円弧状凹面を前記潤滑剤供給面として有し、前記円弧状凹面の曲率半径が前記玉の直径の1.5倍以上である請求項2記載のアンギュラ玉軸受。
  6. 前記凹部は前記ポケットの両側の柱部から前記ポケットの中心に向かう傾斜面を有し、その傾斜角度は0より大きく25°より小さい請求項3記載のアンギュラ玉軸受。
  7. 前記凹部は円弧面状であり、前記円弧面の曲率半径が前記玉の直径の1.5倍以上である請求項3記載のアンギュラ玉軸受。
  8. 前記凹部は球面状であり、前記球面の曲率半径が前記玉の直径の1.5倍以上である請求項3記載のアンギュラ玉軸受。
  9. 前記保持器の軸方向寸法が、前記両非接触シールの軸方向に沿った間隔の70%以上90%以下である請求項1記載のアンギュラ玉軸受。
  10. 請求項9記載のアンギュラ玉軸受であって、
    軸受の軸方向寸法は、前記内輪の内径dと前記外輪の外径Dにより「Y=(D−d)/2」で表される、軸受の径方向寸法Yの1.2倍以上1.4倍以下であるアンギュラ玉軸受。
  11. ポリアミド46、ポリアミド66、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から選択される1以上の合成樹脂と、ガラス繊維または炭素繊維からなる繊維状充填剤とで構成され、繊維状充填剤の含有率は10質量%以上40%以下である樹脂組成物を溶融成形することで得られたものである請求項1記載のアンギュラ玉軸受。
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