JP2014185589A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボス部2dの内部空間2gと第1中間圧室5eとを連通させる第1減圧機構3rによって、第1中間圧室内の圧力がボス部2dの内部空間2gの圧力よりも低く、吸入圧よりも高い第1中間圧となるよう減圧し、第1中間圧室5eと第2中間圧室2iとを連通させる第2減圧機構3nによって、第2中間圧室内の圧力が第1中間圧室内の第1中間圧よりも低く、吸入圧よりも高い第2中間圧となるよう減圧し、コンプライアントフレーム3が、第1中間圧室内の第1中間圧を受けて揺動スクロール2を固定スクロール1に押し付けるとともに、第2中間圧室内の第2中間圧を受けて当該コンプライアントフレーム3のスラスト受け面3aにおける押付け力が軽減されるようにする。
【選択図】図1
Description
Pm1=Ps×β・・・・・(式1)
という関係になっている。
Pm2=Ps+α・・・・・(式2)
という関係になっている(Pm2:第2中間圧室の圧力、Ps:吸入圧、α:ばね力によって決まる係数)。このように、従来のスクロール圧縮機は圧縮機構部の漏れ損失を低減しつつ、摺動損失を軽減できる高効率の圧縮機を実現している(例えば、特許文献1,2参照)。
(a)運転時、圧縮室内の圧力変動に伴い、コンプライアントフレームが不安定な状態となった場合は、このコンプライアントフレームが揺動スクロールから離れてしまい、第1中間圧室への抽気が不安定になり、圧力が上昇せず、コンプライアントフレームの浮上安定性を得ることができない。
(b)コンプライアントフレームが不安定な状態では、圧縮室にて圧縮した冷媒が吸入空間へ抜けてしまい漏れ損失を生じる。
(c)定常運転時には、圧縮室内の圧力変動に伴い、第1中間圧室との差圧が生じ、冷媒が圧縮室と第1中間圧室とを行き来する、いわゆる呼吸損失が生じる。
(d)定常運転時、吐出圧が低く吸入圧が高い低圧縮比条件においては、第1中間圧は必要以上に大きな中間圧となりコンプライアントフレームを押し上げる力が大きくなり摺動損失が増加する。
圧縮機構部は、密閉容器10に固定された固定スクロール1と揺動スクロール2とから形成されている。駆動部は、密閉容器10に固定された電動機固定子7と電動機固定子7の内部に回転自在に配置された電動機回転子8とを有する。
図2は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の固定スクロール側のオルダムキーとオルダムキー溝を示す要部断面図である。
図1および図2において、固定スクロール1は、円盤状の固定台板1aの外周部がガイドフレーム5にボルト(図示せず)によって締結されている。そして、固定台板1aの一方の面(図1において下側)には、板状渦巻歯(以下「固定渦巻歯」と称す)1bが形成されている。固定渦巻歯1bの側面へは、冷媒ガスの吸入管10aが密閉容器10を貫通して圧入されている。固定台板1aの中央部には、圧縮されたガスを吐出する吐出ポート1eが設けられている。吐出ガスは、吐出ポート1eから密閉容器10内に吐出され、吐出管10bを経由して外部の冷凍サイクルに供給される。固定渦巻歯1bの外周部には、2個一対のオルダムキー溝1cがほぼ一直線上に形成されている。オルダムキー溝1cには、後述するオルダム機構9の一対の固定側オルダムキー9cが往復摺動自在に嵌入されている。
揺動スクロール2は、円盤状の揺動台板2aの一方の面(図1において上側)に、固定渦巻歯1bと実質的に同一形状の板状渦巻歯(以下「揺動渦巻歯」と称す)2bが形成されている。固定渦巻歯1bと揺動渦巻歯2bとの間には、相対的に容積が変化する圧縮室が形成されている。また、揺動台板2aの揺動渦巻歯2bと反対側の面(図1において下側)の中心部には、中空円筒状のボス部2dが形成され、ボス部2dの内側面に、揺動軸受2hが形成されている。
図1および図3において、揺動スクロール2の揺動台板2aの外周部には、固定スクロール1のオルダムキー溝1cとほぼ90度の位相差を持つ一対のオルダムキー溝2cがほぼ一直線上に形成されている。オルダムキー溝2cには、後述するオルダム機構9の一対の揺動側オルダムキー9bが往復摺動自在に係合されている。
図4は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部へ給油される冷凍機油の流れを示す要部断面図である。図5は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の第1中間圧室およびボス部の外部空間(第2中間圧室)を示す要部断面図である。
ガイドフレーム5は、揺動スクロール2の背面側に中間圧室を形成する。この中間圧室は、コンプライアントフレーム3によって上下2つの中間圧室、すなわち第2中間圧室(ボス部の外部空間2i)と第1中間圧室5eとに分割される。軸方向移動フレームであるコンプライアントフレーム3は、図1のように大径の筒状部と小径の筒状部とが組み合わさったものであって、大径の筒状部の上面にスラスト受け面3aが形成されている。また、スラスト受け面3aの外側、つまり大径の筒状部の外周には、フランジ状に突出した面(以下「突出面」と称す)3hが形成され、突出面3hにオルダム機構9のオルダム機構環状部9aが載置され、往復摺動運動する。
軸4の揺動スクロール2側(図1において下側)の端部には、クランク部4aが形成され、揺動スクロール2の揺動軸受2hの内周面と摺動自在に嵌合している。
図6は本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の軸のクランク部に設けられたスライダーと揺動スクロールの軸受を示す要部断面図である。図7及び図8はいずれも本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の軸のクランク部に設けられたスライダーと揺動スクロールの軸受部の動作を示す模式図である。既述したように電動機回転子8と共に、軸4が回転する際、クランク部4aが軸4と一体的に回転運動することによって、揺動スクロールに公転運動を与える。このとき、図6に示すように軸4のクランク部4aと揺動スクロール2の揺動軸受2hとの間に、摺動自在に嵌合するようにスライダー12を配置し、図7に示すようにクランク部4aとスライダー12との間に隙間gを設けてもよい。クランク部4aの回転運動は、スライダー12の内周部12bを介してスライダー12に伝達されるようにし、その回転運動によって、揺動スクロール2に公転運動を与える。
次に、本実施形態に係るスクロール圧縮機100の動作について説明する。
圧縮機構部は、既述したように固定スクロール1と揺動スクロール2とを有し、固定渦巻歯1bと揺動渦巻歯2bとによって圧縮室が形成されている。かかる圧縮室は、揺動スクロール2の揺動によって、外周側から内周側にその体積を減少させながら移動する。
Pm2=Ps+α2・・・・・(式3)
なお、コンプライアントフレーム外部空間の圧力(Ps)は吸入雰囲気圧力である。
Pm1=Pm2+α1・・・・・(式4)
一方、コンプライアントフレーム3には、第1中間圧室5eの第1中間圧(Pm1)に起因する力(F3)と、下嵌合円筒面3cにおける密閉容器空間10cの吐出圧雰囲気に露出している下端面部分に作用する吐出圧に起因する力(F4)とを合計した力(F3+F4)が、上向きの力として作用している。
そして、定常運転時には、前記下向きの力よりも前記上向きの力が大きくなる((F1+F2)<(F3+F4))ように設定されている。
端面シール材13は、既述したようにコンプライアントフレーム3の端面シール溝3sに収められており、定常運転時において、ボス部2dの内部空間2gの吐出圧が第2中間圧であるボス部2dの外部空間2iへ流入することを防止している。
Claims (6)
- 密閉容器内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する駆動部と、前記圧縮機構部を潤滑する冷凍機油とを収納し、前記圧縮機構部で圧縮された冷媒が、前記密閉容器内に吐出されてから外部に排出されるスクロール圧縮機において、
前記圧縮機構部は、
固定台板、および該固定台板の一方の面に形成された固定渦巻歯を具備する固定スクロールと、
前記固定スクロールの前記固定渦巻歯に対向して圧縮室を形成する揺動渦巻歯、該揺動渦巻歯が設置された揺動台板、該揺動台板の前記揺動渦巻歯が設置されない面である背面に形成されたボス部、および該ボス部の内側面に揺動軸受を具備する揺動スクロールと、
前記揺動スクロールの自転を防止するオルダム機構と、
軸方向に移動でき、前記揺動スクロールを支持し、該揺動スクロールの背面側に第2中間圧室を形成するコンプライアントフレームと、
前記コンプライアントフレームを支持し、かつ該コンプライアントフレームの背面側に第1中間圧室を形成するガイドフレームと、
前記密閉容器内に吐出された冷媒と共に前記冷凍機油が通過する給油穴が軸心部に形成されるとともに、主軸部の一端部に前記揺動スクロールの前記ボス部の前記揺動軸受に摺動自在に嵌合するクランク部が設けられ、かつ前記駆動部を構成する電動機回転子に固定された軸と、
前記ボス部の内部空間と前記第1中間圧室とを連通させ、かつ前記第1中間圧室内の圧力が前記ボス部の内部空間の圧力よりも低く、吸入圧よりも高い第1中間圧となるよう減圧する第1減圧機構と、
前記第1中間圧室と前記第2中間圧室とを連通させ、かつ前記第2中間圧室内の圧力が前記第1中間圧室内の前記第1中間圧よりも低く、前記吸入圧よりも高い第2中間圧となるよう減圧する第2減圧機構とを備え、
前記コンプライアントフレームが、前記第1中間圧室内の前記第1中間圧を受けて前記揺動スクロールを前記固定スクロールに押し付けるとともに、前記第2中間圧室内の前記第2中間圧を受けて当該コンプライアントフレームのスラスト受け面における押付け力が軽減されることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記揺動スクロールの前記ボス部の内部空間と前記第2中間圧室との間をシールするシール材を設けたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 前記第2中間圧室内の圧力が前記第2中間圧となったら吸入圧空間側に連通させる第3減圧機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のスクロール圧縮機。
- 前記軸の前記クランク部と前記揺動スクロールの前記揺動軸受との間にスライダーが配置され、該スライダーと前記クランク部との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
- 前記スライダーにおける前記クランク部の偏心方向にある端部と該クランク部との間に前記隙間があり、
前記スライダーは、前記隙間の分、前記クランク部の偏心方向にスライドできることを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。 - 前記スライダーにおける前記クランク部の偏心方向からその反回転方向に一定角度傾斜した方向にある端部と該クランク部との間に前記隙間があり、
前記スライダーは、前記隙間の分、前記クランク部の偏心方向からその反回転方向に一定角度傾斜した方向にスライドできることを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
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