JP2006257882A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Yuugo Mukai
有吾 向井
Kazuo Sekigami
和夫 関上
Kazumi Tamura
和巳 田村
Kazunori Tsukui
和則 津久井
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Abstract

【課題】 さまざまな圧力条件においても、旋回スクロールを固定スクロールに適正な力で押し付ける中間圧を設定できるようにする。
【解決手段】 旋回スクロール背面の吐出圧作用領域の旋回スクロール軸方向投影面積Adと、旋回スクロールの軸方向投影面積Asの比Ad/Asが、0.06から0.16の範囲になるような吐出圧作用領域を持つスクロール圧縮機。
【選択図】 図7

Description

本発明は、スクロール圧縮機に係り、特に、圧縮機効率の向上に配慮したスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機には、スクロールラップ先端の漏れ損失を低減するため、旋回スクロールの背面に中間圧室を形成し、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける構造のものがある。この中間圧室の圧力は高すぎるとスクロールラップ先端の摺動ロスが増え圧縮機効率が低下するので、適度の圧力に調整する必要がある。特許文献1は、旋回スクロールを固定スクロールに適度に押し付ける手段として、中間圧室と吸込室との間に差圧制御弁を設け、中間圧を吸込圧+一定値に制御し、さらに圧縮室内の圧力が吐出圧より大きくなったとき、バイパス弁により圧縮室から作動流体、例えば冷媒ガスを排出する方法を開示している。
特開平10−110688号公報
しかし、旋回スクロールの中央部には吐出圧が作用しており、この吐出圧の作用面積と中間圧の作用面積の割合が変わると、適正な中間圧も変わる。前記割合によっては、吸い込み圧力や吐出圧力などの圧力条件がかわると、旋回スクロールを固定スクロールに過剰に押し付けてしまう惧れがある。
本発明の課題は、さまざまな圧力条件においても、旋回スクロールを固定スクロールに適正な力で押し付ける中間圧を設定できるようにすることである。
上記課題を解決する本発明は、固定スクロールと、この固定スクロールに組み合わされて圧縮室を形成し、固定スクロールに対して偏心した旋回運動を行なう旋回スクロールと、前記固定スクロール及び旋回スクロールを収容する密閉容器と、この密閉容器壁面に固定されるとともに、旋回スクロールを間に旋回可能に挟んで前記固定スクロールを支持固定した固定スクロール固定手段と、を有してなり、前記圧縮室に吸い込まれた作動流体を圧縮して固定スクロールの吐出口から密閉容器内の吐出室に排出するスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールの背面側の中心部に形成され、旋回スクロールの背面側に吐出圧力を加える吐出圧作用領域と、前記旋回スクロールの背面側の前記吐出圧作用領域の周囲に形成され、旋回スクロールの背面側に吸込圧力よりも予め設定された一定圧力だけ高い圧力を加える中間圧作用領域と、を備え、前記吐出圧作用領域の旋回スクロール軸方向の投影面積Adと旋回スクロール軸方向の投影面積Asの比Ad/Asを、0.06乃至0.16の範囲内にあるようにしたものである。
Ad/Asが小さい場合、旋回スクロールを押し上げる力のうち吐出圧による押上げ力の割合が小さくなるので、中間圧による押上げ力の負担が大きくなり、その結果、吐出圧を上げると適正な中間圧は上がる傾向となる。Ad/Asが大きい場合、旋回スクロールを押し上げる力のうち吐出圧による押上げ力の割合が大きくなるので、中間圧による押上げ力の負担が小さくなり、その結果、吐出圧を上げると適正な中間圧は下がる傾向となる。
そして、発明者等が確認したところによれば、吐出圧が変化しても、適正な中間圧の変化が少なくなるAd/Asの領域が存在する。この傾向は、吸込圧が変わっても同じである。
発明者等は、前記適正な中間圧の変化が少なくなるAd/Asの領域は、比Ad/Asが、0.06乃至0.16の範囲内であること、すなわち、比Ad/Asが、0.06乃至0.16の範囲内にあれば、吐出圧が変化しても、適正な中間圧の変化が少なくなること、また、吸込圧が変化すると適正な中間圧は吸込圧の変化に伴って変化するが、前記適正な中間圧と吸込圧の差も、前記比Ad/Asが、0.06乃至0.16の範囲内にあれば、少なくなることを見出した。
したがって、前記比Ad/Asが、0.06乃至0.16の範囲内にある条件で、前記一定の圧力を設定すれば、圧力条件が変動しても、中間圧が適正な中間圧よりも過大になる恐れがなく、かつ、適正な中間圧よりも小さくなることのない、前記一定の圧力を設定することが可能になる。
本発明によると、さまざまな圧力条件においても、旋回スクロールを固定スクロールに適正な力で押し付ける中間圧を設定でき、圧縮機効率の向上が可能になる。
(第1の実施の形態)
以下、二酸化炭素対応ヒートポンプ式給湯機に使用した本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、構造を説明する。図1に示すスクロール圧縮機は、固定スクロール2と、この固定スクロール2に組み合わされて圧縮室3を形成し、固定スクロール2に対して偏心した旋回運動を行なう旋回スクロール1と、旋回スクロール1を駆動して偏心した旋回運動を行なわせるモータ12と、前記固定スクロール2、旋回スクロール1及びモータ12を収容する密閉容器22と、この密閉容器22の壁面に固定されるとともに、旋回スクロール1を間に旋回可能に挟んで前記固定スクロール2を支持固定した固定スクロール固定手段であるフレーム9と、を含んで構成され、前記圧縮室3に吸い込まれた作動流体を圧縮して固定スクロール2の吐出穴2dから密閉容器22内の吐出室である固定背面室17に排出する。
旋回スクロール1は、鏡板1aと、その腹側に立設されたスクロールラップ1bと、その背面中央部に軸方向に筒状に突出して形成された軸受保持部1dと、軸受保持部1d内周に挿入された旋回軸受1cと、同じく背面に半径方向に溝状に形成された旋回オルダム溝1eと、を含んで構成されている。旋回軸受1cには、シャフト11の偏心部11eが嵌めこまれている。
固定スクロール2は、図1、図2、図3に示されるように、鏡板の腹側に立設されたスクロールラップ2nと、スクロールラップ2nの外周側に環状に形成された、歯先面と同一面である非旋回基準面2aと、非旋回基準面2aに環状に形成された周囲溝2bと、鏡板中央付近に、鏡板を貫通して形成された吐出穴2dと、歯底に設けられた4個のバイパス穴2cと、歯底面の外縁側に設けられた吸込掘込2eと、吸込掘込2eの端部位置に鏡板を貫通して形成された吸込穴2fと、を含んで構成されている。吸込掘込2eと吸込穴2fで形成される空間を吸込室16と呼ぶ。また、固定スクロール2の背面側と密閉容器22の間に形成される空間を固定背面室17と呼ぶ。
バイパス穴2cを設けた理由は、圧縮室3の圧力が吐出圧以上になった場合にこのバイパス穴2cから冷媒ガスを抜くためで、バイパス穴2cを覆うようにリード弁板であるバイパス弁板4およびバイパス弁板4の開口度を制限するリテーナ4aがバイパスねじ5で固定されている。すなわち、バイパス穴2c、バイパス弁板4、リテーナ4a及びバイパスねじ5でバイパス弁が構成されている。
前記吸込穴2fには、背面から逆止弁ばね7bと弁体7aが挿入され、吸込側逆止弁7が形成されている。弁体7aの外面側(逆止弁ばね7bと反対側の面)に先端を当接させて吸込パイプ6が挿入されている。さらに、固定スクロール2の外周には、吐出ガスおよび油を軸線方向に流す複数個の流通溝2gが設けられている。
固定スクロールにはまた、図1に示すように、外縁に近い位置に、差圧制御弁8が設けられている。差圧制御弁8は、図2、図3、図4に示すように、周囲溝2bにかかる位置に鏡板を貫通して形成された弁穴2hと、弁穴2hの背面側部分に内径を拡大して形成された弁キャップ挿入部2lと、弁穴2hの非旋回基準面2a側に圧入されて弁穴2h内側に弁シール面2iを形成する部材と、弁穴2h内にあって前記弁シール面2iに差圧弁ばね8bで押し付けられている弁体8aと、前記弁キャップ挿入部2lに圧入され、ばね位置決具8cに前記差圧弁ばね8bの一端を挿入して支持した状態で固定された弁キャップ8dと、弁穴2hの側面とR溝2mを連通している吸込側導通路2kと、を含んで構成されている。R溝2mは、非旋回基準面2aの前記周囲溝2bの内周側に、前記吸込掘込2eから周囲溝2bに沿って吸込側導通路2kの開口位置まで形成された弧状の溝である。
上記構成により、差圧制御弁は、周囲溝2bの流体(具体的には潤滑油)の圧力が、R溝2mの流体の圧力、言い換えると吸込室16の圧力よりも差圧弁ばね8bの特性や弁シール面2iの流路断面積で決まる設定圧よりも高いとき、周囲溝2bの流体をR溝2mを経て吸込室16に送り出すように作用する。すなわち、差圧制御弁は、周囲溝2bの流体の圧力を吸込室16の圧力よりも前記設定圧だけ高い圧力に保持する。
フレーム9は、一方の面の中央部に軸方向筒状の突出部が、他方の面の外周部に沿って軸方向に環状に突出する囲壁が、それぞれ形成された円盤状をなしており、前記囲壁の軸方向端面が前記固定スクロール2を取り付ける固定取付面9aとなっている。そして前記囲壁の内周側に旋回はさみこみ面9bが設けられている。そのさらに内側の軸方向面には、フレームオルダム溝が半径方向に形成され、オルダムリング10がフレーム9と旋回スクロール1の間に配置されている。
また、前記軸方向筒状の突出部の内周面には軸シール9dと主軸受9eが圧入され、シャフト11が嵌めこまれている。そして、フレーム9の主軸受9eのスクロール側でフレーム9の主軸受9eが圧入されている軸方向の穴の径が拡大されてスラスト収納室9iが形成され、シャフト11のスラストを受けるシャフトスラスト面9fが設けられている。軸シール9dと主軸受9eの間の空間に向かってフレーム側面から図示されていない横穴が開口している。フレーム9外周面、つまり密閉容器22の内周面に対向している面には、作動流体及び油の軸方向流路となる複数の流通溝9hが設けられている。
オルダムリング10の一方の面にフレーム突起部(図示せず)が設けられ、他方の面には旋回突起部10bが設けられていて、フレーム突起部がフレームオルダム溝に、旋回突起部が旋回オルダム溝1eに、それぞれ嵌め込まれている。
なお、固定スクロール2の非旋回基準面2aとフレーム9と旋回スクロール1とで囲まれた領域を中間圧室23と呼ぶ。
シャフト11は、一方の端部に形成され旋回軸受1cに嵌め込まれた偏心部11eと、偏心部11eに隣接する位置に形成され主軸受9eに嵌め込まれた主軸受部と、他方の端部に形成され副軸受13に嵌め込まれた副軸受部と、主軸受部と副軸受部の間に形成されロータ12aが圧入された電動機部と、を含んで構成されている。シャフト11にはまた、内部に縦通するシャフト給油孔11aが形成され、シャフト給油孔11aから半径方向に、主軸受9eの位置に主軸受給油孔11bが、軸シール9dの位置に軸シール給油孔11cが、副軸受13の位置に副軸受給油孔11dが、それぞれ設けられている。シャフト11の電動機部には、先に述べたようにロータ12aが圧入されており、ロータ12aと密閉容器22に焼き嵌めされたステータ12bとでモータ12が形成されている。
副軸受13は外周が球面形状で内周が円筒形状になっており、副軸受支持板14に固定された副軸ハウジング15に組み込まれている。
副軸受支持板14は中央部がフレーム9側に向けて膨出した円盤状をなしており、周縁が密閉容器22に固定されて、図上、フレーム9より右側の密閉容器22を、モータ12を収容するモータ室18と貯油室21に区画している。副軸受支持板14の中央部にはシャフト11が貫通する開口が設けられ、この開口のフレーム9側と反対の面に前記副軸ハウジング15がシャフト11の端部を覆う形状で固定されている。副軸ハウジング15のシャフト11の端部に対向する位置に、給油パイプ24が接続されている。また、副軸受支持板14の、据付状態で下端になる位置には、モータ室18と貯油室21を連通する導油孔14bが開口し、据付状態で上端になる位置には、同様にモータ室18と貯油室21を連通する通気孔14aが開口している。
貯油室21を形成する密閉容器22の軸方向端面をなす壁面には、据付状態で油面よりも上になる位置に、吐出パイプ20が取り付けられている。
なお、本実施の形態では、旋回スクロール1の最外径面積(旋回スクロール1の軸方向投影面積)Asと旋回軸受1cの吐出圧が作用する面積(旋回軸受1cの外径で囲まれる領域の軸方向投影面積)Adの比Ad/Asが0.1になるように、旋回軸受1cの径を設定している。
次に上記構成のスクロール圧縮機の動作を説明する。モータ12に通電されるとロータ12aが回転する。ロータ12aの回転とともにシャフト11が回転し、偏心部11eに駆動されて旋回スクロール1が偏心旋回運動を行なう。ここで、前記オルダムリング10により旋回スクロール1の自転が防止される。旋回スクロール1の旋回運動に伴い、吸込室16内の冷媒ガスは両スクロールの間に形成される圧縮室3に入り、圧縮されて吐出穴2dから固定背面室17に吐出される。吐出される冷媒ガスは、潤滑油を微小な粒子として同伴している。
固定背面室17に吐出された冷媒ガスは、固定スクロール2およびフレーム9外周部にある流通溝2g、9hを通ってモータ室18に入る。モータ室18に入った冷媒ガスはモータ12、通気孔14aを経て貯油室21に流入するが、その過程で、ロータ12aやステータ12bに衝突し、その中に含まれる油粒子を分離する。分離された油はモータ室18の下部に落ちて溜り、副軸支持板14の導油孔14bを経て貯油室21に流入する。モータ12を通過した冷媒ガスは副軸支持板14に形成された通気孔14aを通って貯油室21の上部の気相部に入り、次いで吐出パイプ20より外部に送り出される。
冷媒ガスが通気孔14aを通るとき、流路抵抗により通気孔14aの入り側と出側で圧力差が生じ、貯油室21の圧力は前記モータ室18の圧力より低くなる。この結果、モータ室18の底部に落下して溜まった潤滑油19は、導油孔14bから貯油室21に押し出され、モータ室18の油面より貯油室21の油面が前記圧力差に相当する分だけ高くなる。
次に給油について説明する。固定スクロール2の非旋回基準面2aと旋回スクロール1とフレーム9により形成される中間圧室23の圧力は前記差圧制御弁8により吸込圧力と吐出圧力の間の圧力(以後、中間圧とする。)となる。吐出圧雰囲気にある貯油室21内の潤滑油19は、吐出圧と中間圧の差圧により、給油パイプ24からシャフト給油孔11aを通り、シャフト11の偏心部11eの軸方向端面と旋回スクロール1の軸受保持部1d底面の間を経て旋回軸受1cに給油される。このとき、旋回スクロール1の軸受保持部1d底面、すなわち旋回軸受1cの外径と同じ径の円形の領域には、給油された潤滑油19による吐出圧が、旋回スクロール1を固定スクロールに押し付ける方向に作用する。この領域を吐出圧作用領域と呼ぶ。
シャフト給油孔11aを通る潤滑油19は、また、シャフト11の回転による遠心力により、主軸受給油孔11b、軸シール給油孔11c、副軸受給油孔11dから各摺動部へ給油される。旋回軸受1cに給油された潤滑油19は、スラスト収納室9iを経て前記中間圧室23に漏れこみ、旋回スクロール1背面と旋回挟み込み面9bの間を通って固定スクロール2の非旋回基準面2aに形成された周囲溝2bに流入する。周囲溝2bに流入する潤滑油19の圧力は、旋回軸受1cを通過する段階で減圧されているが、吸込圧よりは高い圧力(中間圧)を保っている。旋回軸受1cを通過した潤滑油19が漏れ込む中間圧室23の圧力は云うまでもなく中間圧であり、旋回スクロール1の背面の、前記吐出圧作用領域を除く領域には、旋回スクロール1を固定スクロール2に押し付ける方向に作用する前記中間圧が加わっている。旋回スクロール1の背面の、中間圧が加わっている領域を中間圧作用領域という。
周囲溝2bには先に述べたように差圧制御弁8が開口しており、周囲溝2bに流入した潤滑油19の圧力と吸込室16の圧力の差は、差圧制御弁8の設定圧以上に大きいので、周囲溝2bの潤滑油19は、差圧制御弁8を経てR溝2mに流入する。つまり、周囲溝2bの流体の圧力、言い換えると中間圧室23の圧力は、吸込室16の圧力より差圧制御弁8の設定圧だけ高い圧力に保持される。R溝2mに流入した潤滑油19は吸込室16を経て圧縮室3に入り、冷媒ガスとともに圧縮されて吐出穴2dから前記固定背面室17に吐き出される。
次に図5を参照してバイパス弁の作用効果について説明する。図5はバイパス弁なしで設計容積比に対応する設計圧力比が運転圧力比よりも高い条件の圧縮室内圧力分布を示す。スクロール圧縮機では、スクロールラップ1bの中央部に近づくにつれ圧力が高くなり、圧縮室3と吐出穴2dが連通するまえに圧縮室内圧が吐出圧に達するとハッチングで示した過圧縮が生じる。これに対してバイパス弁を設置すると、圧縮室3と吐出穴2dが連通するまえに圧縮室内圧が吐出圧に達してもバイパス弁から冷媒ガスが固定背面室17に抜けるので、過圧縮がなくなり図示動力が低減し圧縮機効率が向上する。
以上、本実施の形態に係るスクロール圧縮機の構造と動作を説明したが、このように構成されたスクロール圧縮機の旋回スクロール1には図6に示す力が作用する。圧縮室3はスクロールラップ1bの中央部に近いほど圧力が高くなる。また、固定スクロール2の非旋回基準面2aと接触する旋回スクロール1の鏡板1aは最外径から吸込室にかけて中間圧から吸込圧になる圧力分布となる。これらの圧力分布により発生する力は旋回スクロール1を固定スクロール2から引き離す力となる。
これに対し、旋回スクロール1の背面側では、旋回軸受1cの領域(前記吐出圧作用領域)には吐出圧が作用し、この領域以外には中間圧が作用する。これらの圧力分布により発生する力は旋回スクロール1を固定スクロール2に押し付ける力となる。そして、この押付力は中間圧を変えることによって変更でき、この中間圧は前記差圧弁ばね8bのたわみ量を変えることにより任意の値に設定できる。すなわち、中間圧=吸込圧+一定値(差圧制御弁設定値)となる。
旋回スクロール1を固定スクロール2に押し付ける力が小さいと旋回スクロール1が固定スクロール2から離れてスクロールラップ1b先端のすき間が大きくなり、漏れ損失が増え圧縮機効率が低下する。また、逆に旋回スクロール1を固定スクロール2に押し付ける力が大き過ぎると摺動ロスが増えて圧縮機効率が低下する。
つまり、旋回スクロール1を固定スクロール2に押し付ける力には最適値が存在する。この最適値を旋回スクロール1が固定スクロール2から離脱しない最低押付力とし、これに対応する中間圧を適正中間圧とよぶ。
図7〜図9は本発明の対象となるスクロール圧縮機を二酸化炭素対応ヒートポンプ式給湯機に使用した場合に、吸込圧Ps、吐出圧Pd及び旋回スクロール1の最外径面積(旋回スクロール1の軸方向投影面積)Asと旋回軸受1cの吐出圧が作用する面積(前記吐出圧作用領域の軸方向投影面積)Adの比Ad/Asを種々変化させて適正中間圧を計算した結果を示すグラフである。横軸は前記比Ad/Asを、縦軸は適正中間圧(MPa)−吸込圧Psを、それぞれ示す。計算条件は、異なる5つのAd/Asについて、吸込圧Psとして、夏期条件における5MPa、中間期条件における3.8MPa、冬期条件における3MPaを用い、各吸込圧で吐出圧Pdを6.6MPa、8.1MPa、11MPa、14MPaに変え計算を行なった。
図示のように、いずれの吸込圧においても、Ad/Asが小さいときは吐出圧が高いほど適正中間圧が高く、Ad/Asが大きいときは吐出圧が高いほど適正中間圧は低くなり、その間で、適正中間圧の吐出圧による差が少なくなるAd/Asの値が存在する。
図7〜図9によれば、Ad/Asが0.06であれば、吸入圧力が低い場合に吐出圧が変動しても適正背圧−吸込圧Psの変化が少なく、Ad/Asが0.16であれば、吸入圧力が高い場合に吐出圧が変動しても適正背圧−吸込圧Psの変化が少ない。すなわち、Ad/Asが0.06から0.16の範囲にあれば、吸込圧が前記三つの値のいずれの場合であっても、吐出圧の変動に伴う適正中間圧−吸込圧Psの変動幅は、小さくなる。
本発明の対象となるスクロール圧縮機では中間圧=吸込圧+一定値となるので、吐出圧が変化すると適正中間圧が変わる場合、旋回スクロール1が固定スクロール2から離脱するのを防ぐには、その中でもっとも高い適正中間圧に設定する必要がある。そうすると適正中間圧が低い圧力条件では旋回スクロール1を固定スクロール2に過剰に押付け、機械損失が増えて圧縮機効率が低下する。したがって、吐出圧が変化しても、適正中間圧の変化の幅を少なくすることできれば、中間圧をその変化幅の最大値に設定することにより、さまざまな条件で高い圧縮機効率が得られることになる。具体的には、比Ad/Asを適正中間圧が最大値となる時の(適正中間圧−吸込圧)を差圧制御弁8に設定すればよい。
以上から本実施の形態のスクロール圧縮機は、Ad/Asを、吸込圧や吐出圧が変動しても適正中間圧があまり変わらない0.1とし、適正中間圧が最大値となる時の(適正中間圧−吸込圧)を差圧制御弁8に設定しているので、圧力条件によらず常に高い圧縮機効率が得られる。さらに、例えば一年間の中で冬期の消費電力量が多い場合は、冬期条件の適正中間圧が不変であるポイントにAd/Asを合わせるように設計し、差圧制御弁8の設定値を、その適正中間圧から冬期条件の吸込圧を差し引いた値に設定することにより、年間電気代をより安くすることができる。
また、ここでは適正中間圧を旋回スクロール1が固定スクロール2から離脱しない最低押付力とした。しかし、実際の圧縮機ではスクロールラップ1bの先端などから漏れが生じ、図6に示した上側の圧力分布が膨らみ、旋回スクロール1を固定スクロール2から引き離す力が大きくなるので、上記適正中間圧より高い中間圧が必要となるが、図7の適正中間圧のレベルを全体的に上にシフトさせて考えればよい。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図10、図11を参照して説明する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、副軸ハウジング15内部にシャフト11に駆動される給油ポンプ25が設けられている点と、軸受保持部1dの軸方向端面と対向するフレーム9の面にシールリング26を装着するとともに、軸受保持部1dの軸方向端面に、旋回運動によってスラスト収納室9iと中間圧室23を行き来する油ポケット1gを形成した点であり、他の構成は同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。第1の実施の形態と同じ符号のものは同一の部品であり同じ作用をなす。
本実施の形態では、図10に示すように、シャフト11の副軸受支持板14に装着された副軸ハウジング15内部にシャフト11に駆動される給油ポンプ25が設けられている。本実施の形態では給油ポンプ25としてトロコイド式給油ポンプが用いられている。シャフト11が回転すると、貯油室21の潤滑油19は前記給油ポンプ25によりシャフト11の中心まで汲み上げられ、シャフト給油孔11aを通って各摺動部に給油される。シャフト給油孔11aの先端から旋回軸受1cに供給された潤滑油19は、旋回軸受1cを経てシャフトスラスト面9fが収納されるスラスト収納室9iに入る。このスラスト収納室9iと中間圧室23の間は、図11に示すように、旋回スクロール1の軸受保持部端面1fに対向するフレーム9の中央部平面部9jに形成された環状のシールリング溝に装着されたシールリング26でシールされている。前記スラスト収納室9iに入った潤滑油19は、軸受保持部端面1fに設けられ旋回運動によってスラスト収納室9iと中間圧室23を行き来する溝状の油ポケット1gにより前記中間圧室23に供給される。
中間圧室23には油ポケット1gを介して供給される潤滑油19により、スラスト収納室9iの圧力が加わり、中間圧室23の圧力は、前記差圧制御弁8の作用により、吸込圧よりも前記差圧制御弁8の設定圧だけ高い圧力に保持される。
本実施の形態においても、吐出圧が作用するシールリング内周面積Adと中間圧が作用する旋回スクロール1の最外径面積Asとの比Ad/Asを0.1としているので、第1の実施の形態で説明した作用により圧力条件によらず常に高い圧縮機効率が得られる。
なお、上記各実施の形態では、Ad/Asを0.1としたが、先にも述べたように、Ad/Asの値が、0.06から0.16の範囲であれば、圧力条件が変化しても、適正中間圧の変動幅は小さく、常に高い圧縮機効率が得られる。
また、上記各実施の形態では、横置スクロール圧縮機を例にとって説明したが、縦置型のスクロール圧縮機にも同様に適用できることは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係る横置スクロール圧縮機を示す縦断面図である。 図1に示す実施の形態の固定スクロールをバイパイ弁側からみた平面図である。 図1に示す実施の形態の固定スクロールをスクロールラップ側からみた平面図である。 図1に示す実施の形態の差圧制御弁を拡大して示す断面図である。 スクロール圧縮機の過圧縮運転時の圧縮室圧力分布を示す概念図である。 旋回スクロールに作用する力を説明する概念図である。 本発明の対象となるスクロール圧縮機を二酸化炭素対応ヒートポンプ式給湯機に使用した場合の、吸込圧が3MPaで吐出圧が変化するときの適正中間圧計算結果を示すグラフである。 本発明の対象となるスクロール圧縮機を二酸化炭素対応ヒートポンプ式給湯機に使用した場合の、吸込圧が3.78MPaで吐出圧が変化するときの適正中間圧計算結果を示すグラフである。 本発明の対象となるスクロール圧縮機を二酸化炭素対応ヒートポンプ式給湯機に使用した場合の、吸込圧が5MPaで吐出圧が変化するときの適正中間圧計算結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る横置スクロール圧縮機を示す縦断面図である。 図10に示す実施の形態におけるシールリング部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 旋回スクロール
2 固定スクロール
3 圧縮室
8 差圧制御弁
9 フレーム
10 オルダムリング
11 シャフト
12 モータ
14 副軸受支持板
15 副軸ハウジング
16 吸込室
17 固定背面室
18 モータ室
19 潤滑油
22 密閉容器
23 中間圧室
24 給油パイプ
25 給油ポンプ
26 シールリング

Claims (2)

  1. 固定スクロールと、この固定スクロールに組み合わされて圧縮室を形成し、固定スクロールに対して偏心した旋回運動を行なう旋回スクロールと、前記固定スクロール及び旋回スクロールを収容する密閉容器と、この密閉容器壁面に固定されるとともに、旋回スクロールを間に旋回可能に挟んで前記固定スクロールを支持固定した固定スクロール固定手段と、を有してなり、前記圧縮室に吸い込まれた作動流体を圧縮して固定スクロールの吐出口から密閉容器内の吐出室に排出するスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールの背面側の中心部に形成され、旋回スクロールの背面側に吐出圧力を加える吐出圧作用領域と、前記旋回スクロールの背面側の前記吐出圧作用領域の周囲に形成され、旋回スクロールの背面側に吸込圧力よりも予め設定された圧力だけ高い圧力を加える中間圧作用領域と、を備え、前記吐出圧作用領域の旋回スクロール軸方向の投影面積Adと旋回スクロール軸方向の投影面積Asの比Ad/Asが、0.06乃至0.16であるスクロール圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール圧縮機において、圧縮室内の圧力と前記吐出室内の吐出圧力の差圧が予め定められた値を超えたとき、圧縮室内の作動流体を前記吐出室にバイパスさせるバイパス手段と、前記中間圧作用領域の圧力と吸い込み圧力の差圧が予め定められた値よりも大きいとき、中間圧作用領域の作動流体を吸い込み側にバイパスさせる差圧制御手段と、を備えてなることを特徴とするスクロール圧縮機。
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