JP2014185372A - 銀粉 - Google Patents

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啓祐 宮之原
Toshikazu Matsuyama
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Abstract

【課題】銀粉粒子を微粒化することなく、熱収縮開始温度をより低温にすることができる、新たな銀粉を提供せんとする。
【解決手段】走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られる一次粒子の平均径から算出した比表面積(SSA(SEM))に対する、BET法により測定される比表面積(SSA(BET))の比率(SSA(BET)/SSA(SEM))が1.2以上であり、炭素(C)量が0.01wt%より多いことを特徴とする銀粉を提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば焼結型導電性ペースト、一例としては結晶シリコン型太陽電池の作に用いる焼結型導電性ペーストなどの導電性材料として好適に用いることができる銀粉に関する。
導電性ペーストは、樹脂系バインダーと溶媒からなるビヒクル中に導電フィラーを分散させた流動性組成物であり、電気回路の形成や、セラミックコンデンサの外部電極の形成などに広く用いられている。この種の導電性ペーストには、樹脂の硬化によって導電性フィラーが圧着され導通を確保する樹脂硬化型と、高温焼成によって有機成分が揮発し導電性フィラーが焼結して導通を確保する焼結型とがある。
このうちの焼結型導電性ペーストは、一般に導電フィラー(金属粉末)とガラスフリットとを有機ビヒクル中に分散させてなるペースト状組成物であり、400〜800℃にて焼成することにより、有機ビヒクルが揮発し、さらに導電フィラーが焼結することによって導通性を確保するものである。この際、ガラスフリットは、この導電膜を基板に接着させる作用を有し、有機ビヒクルは、金属粉末およびガラスフリットを印刷可能にするための有機液体媒体として作用する。
このような焼結型導電性ペーストに用いる銀粉については、次のような発明が開示されている。
例えば特許文献1(特開2012−251208号公報)には、平均粒径が0.4μm〜1.5μm、タップ密度が4.0g/cm〜6.0g/cmであり、粒子断面の空孔率が5%〜20%である銀粉が開示されている。
特許文献2(特開2009−46708号公報)には、粒子内部が中空部である銀粉粒子が開示されている。
特許文献3(特開2007−291513号公報)には、溶液に分散させた後に沈降しない特性に優れた銀粒子として、形状が非粒状であり、中心粒径(D50)が0.05μm〜3.0μmであり、且つ、カーボン含有量が0.03〜3質量%である銀粒子が開示されている。
特開2012−251208号公報 特開2009−46708号公報 特開2007−291513号公報
銀の融点は約960℃であるが、一般的に500℃付近から微粒銀粉の粒子同士の焼結が始まり、それに伴って熱収縮が始まる。
導電性ペーストは、塗布する素地や用いる用途によって様々な温度で焼成される。この際、焼成温度での銀の熱収縮率と素地との相性が悪いと、素地と銀膜との間に剥離が生じたり、反りや変形、クラックなどが生じたりするなどの不具合が生じることになる。
例えば結晶シリコン型太陽電池の場合、一般的にシリコン基板(p型)にn型拡散層を形成してpn接合を形成し、シリコン基板(p型)の裏面側に酸化膜を介して裏面電極を積層する一方、n型拡散層の受光面側(表面側)には、反射防止膜を積層すると共に、銀ペーストを印刷及び焼成して銀電極を形成する構成のものが一般的である。シリコン基板の熱ダメージを考慮すると、できるだけ低温で銀ペーストを焼成して電極を形成するのが好ましい。
他方、電極や回路のファインライン化に対応するべく、或いは、上述したように焼結開始温度を低下させるべく、導電性ペーストに用いる銀粉については、一般的には銀粉粒子の微粒化が進められている。しかし、用途によっては、導電性粒子を充填した際の嵩高さを必要とする場合があり、そのためには銀粉粒子の粒径が比較的大きい方が好ましいこととなる。
そこで本発明は、銀粉粒子を微粒化することなく、熱収縮開始温度をより低温にすることができる、新たな銀粉を提供せんとするものである。
本発明は、 走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られる一次粒子の平均径から算出した比表面積(SSA(SEM))に対する、BET法により測定される比表面積(SSA(BET))の比率(SSA(BET)/SSA(SEM))が1.2以上であって、且つ、JIS Z 2615(金属材料の炭素定量方法通則)に準拠して測定される炭素(C)量が0.01wt%より多いことを特徴とする銀粉を提案する。
本発明が提案する銀粉は、銀粉粒子を微粒化することなく、銀粉の熱収縮開始温度を低温側にシフトすることができる。そのため、例えば銀ペーストを基板の印刷及び焼成する際、基板側の熱ダメージを効果的に軽減することができる。しかもそれでいて、銀粉粒子を微粒化する必要がないから、導電性粉末として充填した際の嵩高さ(容量)を確保することができ、例えば導電性粉末の使用量を減らすことができるなどの利益を享受することができる。よって、本発明が提案する銀粉は、例えば焼結型導電性ペースト用、特に太陽電池の電極作製に使用する焼結型導電性ペースト用の銀粉として好適に使用することができる。
本発明が提案する銀粉を構成する銀粉粒子の断面状態の一例を示したモデル図である。 図1の銀粉粒子の比較対象とする銀粉粒子の断面状態の一例を示したモデル図である。
次に、実施の形態の一例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本銀粉>
本実施形態に係る銀粉(以下、「本銀粉」と称する)は、走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られる一次粒子の平均径から算出した比表面積(SSA(SEM))に対する、BET法により測定される比表面積(SSA(BET))の比率(SSA(BET)/SSA(SEM))が1.2以上であることが重要である。
SSA(BET)/SSA(SEM)が1.2以上であれば、例えばSSA(BET)/SSA(SEM)が0.80〜1.20である銀粉粒子からなる銀粉に比べて、熱収縮開始温度を低温側にシフトすることができる。
かかる観点から、本銀粉のSSA(BET)/SSA(SEM)は1.2以上であることが重要であり、中でも1.3以上或いは3.0以下、その中でも1.4以上或いは2.8以下、その中でも特に2.1以下であるのがさらに好ましい。
なお、本銀粉について上記のようにSSA(BET)/SSA(SEM)を1.2以上とするには、後述するように、粒子内部に有機物を含有した銀粉を用意しておき、この銀粉を所定昇温速度で加熱し、且つ所定温度で所定時間保持することで、銀粉粒子内部の有機物を粒子外に放出させ、銀粉粒子の内部から表面に至って開口してなる間隙を形成するようにすればよい。但し、このような方法に限定するものではない。
(BET比表面積)
本銀粉のBET比表面積(SSA(BET))は、0.10m2/g〜0.45m2/gであるのが好ましい。本銀粉のBET比表面積(SSA(BET))が0.10m2/g〜0.45m2/gであれば、粒子の分散性を大きく損なうことなく、低温焼結性を高めることができる。
かかる観点から、本銀粉のBET比表面積(SSA(BET))は、より好ましくは0.15m/g以上或いは0.40m/g以下、中でも0.18m/g以上或いは0.37m/g以下、その中でも特に0.22m/g以上或いは0.35m/g以下であるのがさらに好ましい。
本銀粉のBET比表面積の調整方法としては、錯体溶液に加えるステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸塩やゼラチンの量を調整したり、硝酸銀水溶液の濃度や液量を調整したり、還元剤溶液の濃度や液量を調整したりする方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
(湿式銀粉)
本銀粉は、湿式法で作製される湿式銀粉、乾式法で作製される銀粉のいずれも包含する。中でも、湿式銀粉であるのが好ましい。
湿式銀粉の特徴は、小さな結晶子が集まって一つの粒子を形成するため、乾式法で作製される銀粉に比べて、低温焼結し易い傾向がある。
(粒子形状)
本銀粉の特徴の一つは、粒子断面を電子顕微鏡(例えば8000倍)で観察した際に、例えば図1に示されるように、粒子内部から粒子表面に至って開口してなる間隙を有する銀粉粒子(「本銀粉粒子」と称する)を含有する点である。
本銀粉は、本銀粉粒子のみからなるものであってもよいし、また、本銀粉粒子以外の銀粉粒子を含んでいてもよい。この際、本銀粉粒子が全粒子の60個数%以上、中でも80個数%以上、その中でも90個数%以上を占めるのが好ましい。
本銀粉は、粒子内部から粒子表面に至って開口してなる間隙を有する銀粉粒子を含有してなる銀粉であるがゆえに、後述するように、このような間隙を有しない銀粉粒子からなる銀粉に比べて、SSA(BET)/SSA(SEM)が大きくなる傾向を示し、銀粉粒子を微粒化することなく、銀粉の熱収縮開始温度を低くすることができる。
これに対し、例えば図2に示すように、粒子内部に空隙を有する銀粉粒子の場合には、見た目の大きさであるSSA(SEM)が本銀粉と同じでも、粒子の内部から表面に至って開口してなる間隙を有していないため、同程度の粒径を有する本銀粉に比べてSSA(BET)が小さく、本銀粉が規定するSSA(BET)/SSA(SEM)の範囲には入らない。
また、本銀粉は、真球状又は略真球状を呈し、且つ、粒子内部から粒子表面に至って開口してなる間隙を有する銀粉粒子を多く含んでいることが好ましい。このように、真球状又は略真球状の銀粉粒子を含有する銀粉であれば、特に優れた分散性を得ることができるからである。
この際、「真球状又は略真球状の銀粉粒子を含有する」とは、本銀粉を構成する銀粒子のうちの少なくとも60個数%以上、中でも80個数%以上、その中でも90個数%以上(100個数%を含む)が、真球状又は略真球状の銀粉粒子が占めるのが好ましい。
また、「略真球状」とは、完全な真球状ではないが、球状として認識可能な形状を意味するものである。
(炭素含有量)
本銀粉は、JIS Z 2615(金属材料の炭素定量方法通則)に準拠して測定される炭素(C)量が0.01wt%より多いことが好ましい。
本銀粉の炭素(C)量が0.01wt%より多ければ、粒子の分散性を大きく損なうことなく低温焼結性を高めることができる。但し、炭素量が多すぎると、強い凝集が生じ、ペーストとした際の流動性が損なわれる可能性がある。よって、かかる観点から、本銀粉の炭素(C)量は、特に0.02質量%以上或いは0.12質量%以下、その中でも0.03質量%以上或いは0.08質量%以下であるのがより一層好ましい。
なお、炭素含有量を調整する方法としては、銀粉への吸着が可能なカルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基などの官能基を有する有機物を添加剤とし、その種類と量を調整し、還元析出などにより銀粒子を形成する際に撹拌して有機物を粒子内部に含有させるようにして元粉となる銀粉を調整すると共に、この銀粉を所定昇温速度で加熱し、所定温度で所定時間保持することで、銀粉粒子内部の有機物を粒子外に放出させることで炭素含有量を調整する方法を挙げることができる。但し、このような方法に限定するものではない。
(semD50)
本銀粉においては、走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られるsemD50を2.0μm〜6.0μmにすることが可能である。
本銀粉のsemD50が2.0μm〜6.0μmであれば、粒子の分散性を大きく損なうことなく、低温焼結性を高めることができる。よって、かかる観点から、本銀粉のsemD50は、特に2.1μm以上或いは5.1μm以下、その中でも2.7μm以上或いは5.0μm以下であるのがより一層好ましい。
本銀粉のsemD50を調整する方法としては、錯体溶液に加えるステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸塩やゼラチンの量を調整したり、硝酸銀水溶液の濃度や液量を調整したり、還元剤溶液の濃度や液量を調整したりする方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
<製法>
次に、本銀粉の好ましい製造方法として、湿式法による具体的な製造方法について説明する。但し、上述のように湿式法に限定するものではない。
本銀粉は、先ず、粒子内部に有機物を含有する銀粉粒子を含有する銀粉(元粉)を用意し、この銀粉(元粉)を所定の温度で加熱して、銀粉粒子内部の有機物を粒子外に放出させることで、本銀粉を得ることができる。但し、この製法に限定するものではない。
(元粉の製造)
元粉の製造方法の一例としては、先ず、硝酸銀などの銀水溶液に錯化剤を加え、必要に応じて脂肪酸塩やアミン系の添加剤を加えて撹拌させながら反応させて銀粒子を還元析出させ、その後、ろ過、洗浄、乾燥などの工程を経て銀粉(元粉)を得る方法を挙げることができる。
但し、元粉は、粒子内部に有機物を含有する銀粉粒子を含む銀粉であればよいから、製造方法は任意である。
(本銀粉の製造)
次に、前記銀粉(元粉)を、所定昇温速度で加熱し、所定温度で所定時間保持して、銀粉粒子内部の有機物を粒子外に放出させることで、銀粉のSSA(BET)/SSA(SEM)を1.2以上に調整すればよい。但し、この方法に限定するものではない。
この際、SSA(BET)/SSA(SEM)を1.2以上に調整するには、元粉の粒径や、銀粉(元粉)を作製する際に用いる添加剤の種類、炭素量などに応じて、昇温速度、加熱維持温度及び加熱維持時間を調整するのが好ましい。
一例としては、添加剤としてゼラチンを使用して調整した、炭素量が0.10質量%であって粒径(semD50)2.02μmである銀粉(元粉)を、昇温速度4℃/secにて昇温して325〜330℃を10秒間保持するように炉内温度を設定して加熱するのが好ましい。
なお、325〜330℃を10秒間保持した後は、加熱を停止し、炉内にエアーを流して急冷すればよい。
上記の製法において、硝酸銀などの銀水溶液は、硝酸銀、銀塩錯体、及び銀中間体のいずれかを含有する水溶液、又はスラリーを使用することができる。
また、錯化剤としては、例えばアンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物等を挙げることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化ホウ素金属塩、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどを含む水溶液を挙げることができる。
添加剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート剤、保護コロイド等を挙げることができる。
<形状加工>
本銀粉は、そのまま利用することも可能であるし、また、本銀粉を形状加工処理した上で、利用することもできる。
本銀粉、好ましくは真球状粒子粉末(:80%以上が真球状粒子からなる粉末)を、機械的に形状加工して、フレーク状、鱗片状、平板状などの非球状粒子粉末(:80%以上が非球状粒子からなる粉末)に加工することができる。
より具体的には、ビーズミル、ボールミル、アトライター、振動ミルなどを用いて機械的に偏平化加工(圧伸延または展伸)することにより、フレーク状粒子粉末(:80%以上がフレーク状粒子からなる粉末)に形状加工することができる。この際、粒子同士の凝集や結合を防止しながら各粒子を独立した状態で加工するために、例えば脂肪酸や、界面活性剤などの助剤を添加するのが好ましい。
そして、このような形状加工処理した銀粉を利用することもできるし、また、形状加工しない元粉とこれとを混合して利用することもできる。
<用途>
本銀粉は、導電ペースト用、特に焼結型導電性ペースト用の銀粉、例えば太陽電池の電極作製に使用する焼結型導電性ペースト用の銀粉として好適に使用することができる。
焼結型導電性ペーストは、例えば有機ビヒクル中に、本銀粉をガラスフリットと共に混合することで調製することができる。
この際、ガラスフリットとしては、例えば、鉛ボロシリケートガラスや、ジンクボロシリケート等の無鉛ガラスも挙げることができる。
また、樹脂バインダーとしては、例えば任意の樹脂バインダーを使用することができる。例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ケイ素樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂から選ばれる1種以上を含む組成を採用するのが望ましい。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。
実施例および比較例で得られた銀粉に関して、以下に示す方法で諸特性を評価した。
BET比表面積(SSA(BET)
Mountech社製の比表面積測定装置(Macsorb(HM model−1208)を用いて、JIS R 1626:1996(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)の「6.2流動法の(3.5)一点法」に準拠して、BET比表面積(SSA(BET))の測定を行った。その際、キャリアガスであるヘリウムと、吸着質ガスである窒素の混合ガスを使用した。
(2)炭素(C)量
HORIBA製作所社製の炭素分析装置(EMIA−221V2)を用いて、JIS Z 2615(金属材料の炭素定量方法通則)に準拠して炭素分析を行なった。
(3)semD50及びSSA(SEM)(画像解析)
走査型電子顕微鏡(SEM)(PHILIPS社製 XL30)を用いて標本数150〜350となるよう1000〜3000倍程度で適宜撮影した任意の3視野の走査型電子顕微鏡(SEM)像を、BMPファイルに変換し、旭エンジニアリング株式会社製のIP−1000PCの統合アプリケーションであるA像くんで取り込み、円度しきい値50、重なり度30として円形粒子解析を行ない、手動補正をかけることなく、画像解析により得られるsemD50(中心粒径)を測定した。
得られたsemD50(中心粒径)を以下の式に当てはめて、SSA(SEM)(比表面積)を算出した。なお、真比重は銀粉であれば10.49であり、内部に含有された有機物の存在は計算上無視した。
SSA(SEM)=6/(真比重×粒子径(semD50))
=6/(10.49×粒子径(semD50))
=0.572/粒子径(semD50)
(4)焼結開始温度
銀粉(サンプル)0.2gを用い、493kgの加重をかけてφ3.8mmの円柱状に成形した。この成形体の縦方向の線収縮率(%)を、セイコーインスツルメンツ社製の熱機械分析装置(TMA)(EXSTAR6000TMA/SS6200)を用い、98mNの加重をかけながらAir雰囲気中20℃/分の昇温速度で測定し、該線収縮率(%)が−1%以下になった時点の温度(℃)を、焼結開始温度として測定した。
<元粉1>
銀濃度400g/Lの硝酸銀水溶液50mLを、純水1Lに溶解させて硝酸銀水溶液を調製し、濃度25質量%のアンモニア水60mLを添加して攪拌することにより、銀アンミン錯体水溶液を得た。
次いで、20〜30℃の銀アンミン錯体水溶液に、濃度10g/Lのアミン系の添加剤(平均分子量10000)水溶液15mLを添加し、攪拌しながら濃度11.9g/Lのヒドラジン水溶液1Lを混合することにより銀粒子を還元析出させた。
次いで、この銀粒子をろ過し、ろ液の伝導率が40μS/cm以下となるまで水洗後、乾燥させることにより銀粉(元粉1)を得た。
<比較例1>
上記のようにして得た元粉1を、加熱炉(山陽精工株式会社製のSMT Scope「SK−8000」)にて、炉内温度として昇温速度4℃/secで加熱して250℃を10秒間保持した後、加熱を停止し、エアーで急冷して銀粉(サンプル)を得た。
<実施例1>
加熱保持温度を260℃に変更した以外は、比較例1と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<実施例2>
加熱保持温度を270℃に変更した以外は、比較例1と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<実施例3>
加熱保持温度を280℃に変更した以外は、比較例1と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<元粉2>
銀濃度400g/Lの硝酸銀水溶液50mLを純水1Lに溶解させて硝酸銀水溶液を調製し、濃度25質量%のアンモニア水60mLを添加して攪拌することにより、銀アンミン錯体水溶液を得た。
次いで、20〜30℃の銀アンミン錯体水溶液に、濃度10g/Lのアミン系の添加剤(平均分子量10000)水溶液5mLを添加し、攪拌しながら濃度11.9g/Lのヒドラジン水溶液1Lを混合することにより銀粒子を還元析出させた。
次いで、この銀粒子をろ過し、ろ液の伝導率が40μS/cm以下となるまで水洗後、乾燥させることにより銀粉(元粉2)を得た。
<実施例4>
上記のようにして得た元粉2を、加熱炉(山陽精工株式会社製のSMT Scope「SK−8000」)にて、炉内温度として昇温速度4℃/secで加熱して250℃を10秒間保持した後、加熱を停止し、エアーで急冷して銀粉(サンプル)を得た。
<実施例5>
加熱保持温度を260℃に変更した以外は、実施例4と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<元粉3>
銀濃度400g/Lの硝酸銀水溶液50mLを純水1Lに溶解させて硝酸銀水溶液を調製し、濃度25質量%のアンモニア水60mLを添加して攪拌することにより、銀アンミン錯体水溶液を得た。
次いで、20〜30℃の銀アンミン錯体水溶液に、濃度5g/Lのゼラチン水溶液8mLを添加し、攪拌しながら濃度11.9g/Lのヒドラジン水溶液1Lを混合することにより銀粒子を還元析出させた。
次いで、還元後のスラリーに、濃度5g/Lのゼラチン水溶液8mLを添加して攪拌した後、この銀粒子をろ過し、ろ液の伝導率が40μS/cm以下となるまで水洗後、乾燥させることにより銀粉(元粉3)を得た。
<実施例6>
上記のようにして得た元粉3を、加熱炉(山陽精工株式会社製のSMT Scope「SK−8000」)にて、炉内温度として昇温速度4℃/secで加熱して325℃を10秒間保持した後、加熱を停止し、エアーで急冷して銀粉(サンプル)を得た。
<実施例7>
加熱保持温度を330℃に変更した以外は、実施例6と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<元粉4>
銀濃度400g/Lの硝酸銀水溶液50mLを純水1Lに溶解させて硝酸銀水溶液を調製し、濃度25質量%のアンモニア水60mLを添加して攪拌することにより、銀アンミン錯体水溶液を得た。
次いで、20〜30℃の銀アンミン錯体水溶液に、濃度3g/Lのステアリン酸ナトリウム水溶液25mLを添加し、攪拌しながら濃度11.9g/Lのヒドラジン水溶液1Lを混合することにより銀粒子を還元析出させた。
次いで、還元後のスラリーに、濃度3g/Lのステアリン酸ナトリウム水溶液10mLを添加して攪拌した後、この銀粒子をろ過し、ろ液の伝導率が40μS/cm以下となるまで水洗後、乾燥させることにより銀粉(元粉4)を得た。
<比較例2>
上記のようにして得た元粉4を、加熱炉(山陽精工株式会社製のSMT Scope「SK−8000」)にて、炉内温度として昇温速度4℃/secで加熱して280℃を10秒間保持した後、加熱を停止し、エアーで急冷して銀粉(サンプル)を得た。
<比較例3>
加熱保持温度を290℃に変更した以外は、比較例2と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<実施例8>
加熱保持温度を295℃に変更した以外は、比較例2と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
<比較例4>
加熱保持温度を300℃に変更した以外は、比較例2と同様にして銀粉(サンプル)を得た。
Figure 2014185372
(考察)
上記実施例及び比較例の結果から、SSA(BET)/SSA(SEM)が1.2以上であり、炭素(C)量が0.01wt%より多い銀粉であれば、熱収縮開始温度を低温側にシフトすることができることが判明した。

Claims (6)

  1. 走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られる一次粒子の平均径から算出した比表面積(SSA(SEM))に対する、BET法により測定される比表面積(SSA(BET))の比率(SSA(BET)/SSA(SEM))が1.2以上であって、且つ、JIS Z 2615(金属材料の炭素定量方法通則)に準拠して測定される炭素(C)量が0.01wt%より多いことを特徴とする銀粉。
  2. 粒子内部から粒子表面に至って開口してなる間隙を有する銀粉粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の銀粉。
  3. 走査型電子顕微鏡(SEM)像の画像解析により得られるsemD50が2.0μm〜6.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粉。
  4. 焼結型導電性ペースト用の銀粉であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の銀粉。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の銀粉を形状加工処理してなる銀粉。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の銀粉を用いてなる焼結型導電性ペースト。
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