JP2014185285A - 半導体加工用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持シート1の片面に、接着性樹脂層2およびフィルム状粘着剤10を有し、フィルム状粘着剤が、接着性樹脂層の外周部に形成され、JIS Z0237;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のシリコンウエハ(鏡面)に対する粘着力が0.1N/25mm以上であり、JIS Z1528;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のクリープ試験による保持力が70000秒以上であり、フィルム状粘着剤が熱可塑性エラストマーを含む粘着剤組成物からなる、半導体加工用粘着シート100。
【選択図】図1
Description
特許文献1においては、接着シートと金属製治具との間の粘着剤層として、金属製治具側の粘着剤層と接着シート側の粘着剤層の接着力が異なる両面粘着シートを用い、金属製治具への糊残りを防止している。
また、特許文献2においては、接着シートと金属製治具との間の粘着剤層として、UV硬化型の粘着剤層を用い、粘着剤層と金属製治具の間の剥離力を、基材フィルムと接着剤層の間の剥離力よりも小さくすることで、金属製治具への糊残りを防止している。
すなわち、2枚の剥離シート(以下、第1の剥離シート、第2の剥離シートと呼ぶ)間で製膜された粘着剤層から、第2の剥離シートを剥がし、第1の剥離シート上の粘着剤層を金属製治具の内径と略同形状の円形に切り込み、切り込まれた円形の粘着剤層を除去し、開口部を有する粘着剤層を形成する。
次いで、別途用意した接着剤層を有する接着シートの接着剤層面に上記開口部を有する粘着剤層に貼り合せ、さらに接着シートと粘着剤層をリングフレームの外径と略同径に型抜きして、余剰部分を除去することで、第1の剥離シート上に半導体加工意用粘着シートが形成される。この製造工程は、ロールトゥロール(role to role)で連続して行われる。この際、粘着剤層には、湾曲と剥離と転写の工程が繰り返される。
また、特許文献2の粘着剤層を用い、上記工程により半導体加工用粘着シートを製造すると、円形の粘着剤層を除去する際に、粘着剤層が破断もしくは延伸し、半導体加工用粘着シートの製造効率が低下することがあった。
〔1〕支持シートの片面に、接着性樹脂層およびフィルム状粘着剤を有する半導体加工用粘着シートであって、
フィルム状粘着剤が、接着性樹脂層の外周部に形成され、
JIS Z0237;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のシリコンウエハ(鏡面)に対する粘着力が0.1N/25mm以上であり、
JIS Z1528;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のクリープ試験による保持力が70000秒以上であり、
フィルム状粘着剤が熱可塑性エラストマーを含む粘着剤組成物からなる、半導体加工用粘着シート。
ソフトセグメントの一部または全部が水素添加されている〔5〕または〔6〕に記載の半導体加工用粘着シート。
図1または図2に示すように、本発明に係る半導体加工用粘着シート100は第1または第2の構成とすることができ、支持シート1の少なくとも片面に、接着性樹脂層2およびフィルム状粘着剤10を有する。接着性樹脂層2やフィルム状粘着剤10は単層であっても複数層であってもよい。
本発明におけるフィルム状粘着剤10は、図1または図2に示すように、接着性樹脂層2の外周部に形成され、接着性樹脂層2と金属製治具5とを仮固定するために用いられる。本発明において「仮固定」とは、接着性樹脂層2が、フィルム状粘着剤10を介して金属製治具5に保持され、かつ、半導体装置を製造するための各工程(例えばダイシング工程、ピックアップ工程や各工程間における搬送等)では剥離しないが、工程前後においては容易に剥離できる状態をいう。
上記の粘着力が0.1N/25mm未満であると、フィルム状粘着剤と金属製治具(例えばリングフレーム等)との密着性が不十分となり、半導体装置の製造工程中に金属製治具とフィルム状粘着剤とがその界面で剥離し、該工程を円滑に行うことができない。
また、上記の粘着力が6N/25mmを超えると、フィルム状粘着剤と金属製治具との密着性は十分であるものの、金属製治具からフィルム状粘着剤を剥離する際に、金属製治具への糊残り(フィルム状粘着剤を構成する粘着剤組成物の残渣)が発生することがある。残渣が半導体装置内に混入すると、半導体装置の信頼性が低下するおそれがあり、また、残渣により半導体装置の製造工程間における搬送等に用いられる搬送アーム等の装置が汚染されることがある。
上記のクリープ試験による保持力が70000秒未満であると、フィルム状粘着剤と金属製治具とを仮固定し縦置きにした状態での保管時にフィルム状粘着剤が変形し、所定の位置で仮固定された半導体加工用粘着シートと金属製治具において位置ずれが生じ、その後の半導体装置の製造工程において不具合が生じることや、金属製治具から半導体加工用粘着シートが脱離することがある。
フィルム状粘着剤のヤング率を上記範囲とすることで、半導体加工用粘着シートの製造工程中におけるフィルム状粘着剤の凝集破壊を防止できる。その結果、半導体加工用粘着シートの製造工程で用いる加工機の汚染が防止されるとともに、フィルム状粘着剤の加工性が向上する。
フィルム状粘着剤の破断エネルギーを上記範囲とすることで、半導体加工用粘着シートの製造工程中におけるフィルム状粘着剤の凝集破壊を防止できる。その結果、半導体加工用粘着シートの製造工程で用いる加工機の汚染が防止されるとともに、フィルム状粘着剤の加工性が向上する。
また、上記ブロック共重合体におけるハードセグメントの割合は、好ましくは28質量%以下、より好ましくは5〜25質量%、特に好ましくは10〜22質量%である。
上記のブロック共重合体を用いることにより、フィルム状粘着剤の物性の調整が容易になる。
本発明における接着性樹脂層は、シートの用途に応じて、後述する粘着剤層、フィルム状粘着剤層、粘接着剤層、保護膜形成層など様々な機能を有する樹脂の中から適宜に選択される。
本発明の半導体加工用粘着シートをバックグラインドシートなどの表面保護シートや、ダイシングシートとして用いる場合には、接着性樹脂層2は、感圧接着性を有する粘着剤層からなることが好ましい。
また、本発明の半導体加工用粘着シートにおいて、接着性樹脂層2は、フィルム状接着剤であってもよい。このようなフィルム状接着剤は、チップのダイボンド工程において近年多用されている。このようなフィルム状接着剤は、好ましくはエポキシ系接着剤またはポリイミド系接着剤を製膜、半硬化したもの(B−ステージ状態)であり、本発明の半導体加工用粘着シートの支持シート上に剥離可能に形成される。
さらに、本発明の半導体加工用粘着シートは、ダイシング時のウエハ固定機能とダイボンド時のダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンド兼用シートであってもよい。
さらに、本発明の半導体加工用粘着シートがチップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用シートとして用いられる場合には、接着性樹脂層は、チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成層であってもよい。
この場合、保護膜形成層に半導体ウエハを貼付し、保護膜形成層を硬化させ、保護膜とし、その後、半導体ウエハと保護膜をダイシングし、保護膜付チップを得ることができる。また、保護膜形成層に半導体ウエハを貼付し、半導体ウエハと保護膜形成層とをダイシングし、保護膜形成層付チップを得、その後、保護膜形成層を硬化して保護膜付チップを得てもよい。
このような保護膜形成用シートは、支持シート上に接着性樹脂層として、保護膜となる接着性の樹脂層(保護膜形成層)を有する。このような保護膜となる接着性樹脂層は、前記したアクリル系粘着剤と、エポキシ接着剤および硬化助剤を含み、また必要に応じフィラー等が含まれていてもよい。
支持シートとしては特に限定されず、剥離シートや粘着シートを用いることができる。
この態様においては、接着性樹脂層は、粘着剤層12上に積層される。粘着シートの基材11としては、剥離シートとして例示した上記のフィルムが挙げられる。粘着剤層は、接着性樹脂層を剥離できる程度の粘着力を有する弱粘着性のものを使用してもよいし、エネルギー線照射により粘着力が低下するエネルギー線硬化性のもの、あるいは加熱発泡性のものを使用してもよい。粘着剤層と接着性樹脂層との粘着力は、粘着剤層と基材との粘着力よりも小さいほうが好ましい。
半導体加工用粘着シートの構成がかかる構成であると、半導体加工用粘着シートが、ダイシング工程において被着体を支持するためのダイシングシートとして機能する場合に支持シートと接着性樹脂層の間の密着性が保たれ、ダイシング工程において接着性樹脂層付チップが支持シートから剥がれることを抑制するという効果が得られる。半導体加工用粘着シートが、ダイシング工程において被着体を支持するためのダイシングシートとして機能する場合、ダイシング工程において接着性樹脂層付ウエハに別途ダイシングシートを貼り合せてダイシングをする必要がなくなり、半導体装置の製造工程を簡略化できる。
半導体加工用粘着シートは、支持シートの片面に接着性樹脂層およびフィルム状接着剤を有し、フィルム状粘着剤を接着性樹脂層の外周部に形成して得られる。半導体加工用粘着シートの形状は、枚葉のものに限られず、長尺の帯状のものであってもよく、これを巻収してもよい。
まず、フィルム状粘着剤を形成するための粘着剤組成物を準備する。粘着剤組成物は、上記各成分を適宜の割合で、適当な溶媒中で混合して得られ、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布、乾燥して粘着剤層を形成する。そして、粘着剤層に別の剥離シートを貼り合わせて、2枚の剥離シートに挟持された状態(剥離シート/粘着剤層/剥離シート)とする。
剥離シートとして、軽剥離タイプの剥離シートと重剥離タイプの剥離シートを用いて粘着剤層を挟持し、軽剥離タイプの剥離シートを剥離して、軽剥離タイプの剥離シートが貼付されていた側から抜き型を用いて、粘着剤層を円形に切り込み、円形に切り込んだ粘着剤層を取り除いて開口部を形成し、重剥離タイプの剥離シート上にフィルム状粘着剤を得る。
上記の製造方法により得られるフィルム状粘着剤10は環状の粘着剤層であり、環状の粘着剤層の内径(開口部の直径)は、金属製治具5の内径と略同一である。環状の粘着剤層の幅は、好ましくは1〜50mmである。
このような製造工程により得られる本発明の半導体加工用粘着シートは、所定の物性を有するフィルム状粘着剤を有することにより、フィルム状粘着剤と接着性樹脂層とを積層する工程において、剥離シートと半導体加工用粘着シートとの間に空気(気泡)が噛み込むことを抑制できる。そのため、気泡に起因した接着性樹脂層の変形を防止でき、その結果、平滑な接着性樹脂層を得ることができる。このような本発明の半導体加工用粘着シートによれば、半導体ウエハ等の被加工物に密着して貼付できるため、該粘着シートを用いて製造される半導体装置の信頼性に優れる。
JIS Z 0237;2009に準拠して、万能引張試験機(島津製作所社製オートグラフ)を用い、被着体としてシリコンウエハ(鏡面)に貼付して30分経過後における、測定温度23℃、相対湿度50%での180°引き剥がし法によるフィルム状粘着剤の粘着力を測定した。なお、引張速度は300mm/分、フィルム状粘着剤のサイズは250mm×25mmとした。また、実施例1〜8、比較例2〜5については、フィルム状粘着剤にリンテック社製PET25(A)PLシン11BLを裏打ちして測定した。
フィルム状粘着剤を、図1の態様で接着性樹脂層と積層し、リンテック社製RAD2700(フルオートモード)を用い、接着性樹脂層に8インチシリコンウエハ(厚み100μm)を貼付して、フィルム状粘着剤により、半導体加工用粘着シートと金属製リングフレームとを仮固定した状態を作成した。
その後、金属製リングフレームとフィルム状粘着剤とを剥離し、目視にて金属製リングフレームの表面における糊残りの有無を確認した。
なお、支持シート上に接着性樹脂層が形成された接着シートとして、リンテック社製LE5000を用いた。
フィルム状粘着剤を、図1の態様で接着性樹脂層と積層し、リンテック社製RAD2700(フルオートモード)を用い、接着性樹脂層に8インチシリコンウエハ(厚み100μm)を貼付して、フィルム状粘着剤により、半導体加工用粘着シートと金属製リングフレームとを仮固定した状態を作成した。なお、支持シート上に接着性樹脂層が形成された接着シートとして、リンテック社製LE5000を用いた。
その後、搬送を行い、目視にて、フィルム状粘着剤と金属製リングフレームとの界面において剥がれの有無を確認した。また、フィルム状粘着剤と接着性樹脂層との界面において剥がれの有無を確認した。両界面においてフィルム状粘着剤の剥がれが無ければ、半導体装置の製造工程において金属製リングフレームに仮固定できていることを示す。
JIS Z1528:2009に準拠して、幅25mm×100mmに切り出したフィルム状粘着剤を貼付面積が25mm×25mmとなるように被着体(SUS304)に貼付して試験サンプルとし、その後、保持力試験機を用い、40℃環境下、1kgの錘で荷重(9.8N)をかけてフィルム状粘着剤の保持力を測定した。また、実施例1〜8、比較例2〜5については、フィルム状粘着剤にリンテック社製PET25(A)PLシン11BLを裏打ちして測定した。なお、試験時間は70000秒とし、表1中の「70000秒以上」は70000秒でも貼付面のずれがなかったことを示す。
幅15mm、長さ100mmに切り出したフィルム状粘着剤を、23℃環境下で万能引張試験機(島津製作所社製オートグラフ AG−IS)を用いて速度200mm/分で引っ張り、得られた応力−ひずみ曲線によりヤング率(MPa)を求めた。
幅15mm、長さ100mmに切り出したフィルム状粘着剤を、23℃環境下で万能引張試験機(島津製作所社製オートグラフ AG−IS)を用いて速度200mm/分で引っ張り、得られた応力−ひずみ曲線の下側の面積により破断エネルギー(J)を求めた。
半導体加工用粘着シートの支持シート側から、日本電測製NDH−5000を用いて可視光領域の全光線透過率測定(JIS K7361−1:1997に準拠)を行い、最小となる部分の測定値を求めた。
(1)加工性
フィルム状粘着剤の加工性は、半導体加工用粘着シートの製造工程において、フィルム状粘着剤が破断もしくは延伸しないか観察することにより行った。
具体的には、次のような製造工程を行った。
まず、フィルム状粘着剤を形成するための粘着剤組成物を、剥離シート(リンテック社製SP−PET382120)上に塗布し、乾燥(100℃、1分)して粘着剤層を形成し、該粘着剤層に別の剥離シート(リンテック社製SP−PET381031)を貼り合せ、2枚の剥離シートに挟持された粘着剤層を得た。
その後、一方の剥離シートを剥離し、次いで、露出した粘着剤層を円形(直径330mm)に切り込み、円形の粘着剤層を取り除いて開口部を形成し、剥離シート上にフィルム状粘着剤を得た。
円形の粘着剤層を取り除く際において、100枚のフィルム状粘着剤を加工した時に、フィルム状粘着剤が破断もしくは延伸しなかった場合をプリカット精度(加工性)に優れるとして「A」と評価した。また、破断もしくは延伸したフィルム状粘着剤の数が1〜30の場合を「B」、破断もしくは延伸したフィルム状粘着剤の数が30〜100の場合を「C」と評価した。
加工性の評価で得られたフィルム状粘着剤を、支持シート上に接着性樹脂層が形成された接着シート(リンテック社製LE5000)の接着性樹脂層に積層し、リングフレームに対する糊しろに合わせて、開口部と同心円状に円形(直径370mm)に型抜きし、剥離シートと半導体加工用粘着シートの積層体を得た。
得られた積層体についてフィルム状粘着剤を有する部分と、取り除かれた部分(開口部)を認識できるか視認性を評価した。視認性の評価は、100枚の積層体を加工した時に、加工装置により問題なく加工できた場合を「A」、1〜2枚認識できなかった場合を「B」、3枚以上認識できなかった場合を「C」と評価した。
エア噛み試験では、型抜き後の積層体を観察し、剥離シートと半導体加工用粘着シートとの間の気泡の有無を評価した。気泡の数を数え、気泡が目視できなかった場合を「A」、1〜50個の気泡が目視できた場合を「B」、51個以上の気泡が目視できた場合を「C」と評価した。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整
水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1052、スチレン比20質量%)99質量部に対して顔料(東洋インキ社製 マルチラックA903B(カーボンブラック))1質量部からなる粘着剤組成物を調整した。
上記粘着剤組成物をシリコーン処理された剥離シートA(リンテック社製 SP−PET3811(S))上に塗布、乾燥(オーブンにて100℃1分間)した。このようにして、厚み50μmの粘着剤層を作製した。
次いで、上記の粘着剤層に別の剥離シートB(リンテック社製 SP−PET3811(S))を貼り合せて、2枚の剥離シートに挟持された積層シート(剥離シートA/粘着剤層/剥離シートB)を得た。
得られた積層シートから、剥離シートBを除去し、次いで、粘着剤層に対して直径330mmの円形に抜き加工を行った。抜き加工は粘着剤層を完全に切り込み、剥離シートAは完全に切り込まないように行った。
その後、円形に切り込んだ粘着剤層を取り除き、開口部を形成し、剥離シートA上にフィルム状粘着剤を作製した。この際に、プリカット適性(加工性)の評価を行った。また、フィルム状粘着剤について、粘着力測定、ヤング率および破断エネルギーの測定を行った。
支持シート上に接着性樹脂層が形成された接着シートとして、ダイシング・ダイボンディングシート(リンテック社製 Adwill LE5000)を準備した。
室温にて、上記のフィルム状粘着剤と接着性樹脂層とを貼付した。
次いで、フィルム状粘着剤の開口部と同心円状に、直径370mmの円形に抜き加工を行い、剥離シートAが貼付された半導体加工用粘着シートを作製し、プリカット適性(視認性およびエア噛み)の評価を行った。
その後、剥離シートAを剥離し、半導体加工用粘着シートを作製し、金属製リングフレームの糊残り、フィルム状粘着剤の剥がれ、クリープ試験および全光線透過率を評価した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 アサプレンT412、スチレン比20質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1221、スチレン比12質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー[(旭化成社製 タフテックH1041、スチレン比30質量%)と(旭化成社製 タフテックH1052、スチレン比20質量%)との混合物(混合比1:1)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1052、スチレン比20質量%)80質量部に対して顔料(東洋インキ社製 マルチラックA903B(カーボンブラック))20質量部からなる粘着剤組成物を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤の作製において、厚みを30μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1052、スチレン比20質量%)100質量部からなる粘着剤組成物を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤の作製において、厚みを10μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
下記のフィルム状粘着剤用粘着剤組成物を用い、両面粘着シートを作製した。フィルム状粘着剤の代わりに両面粘着シートを用いて半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
ブチルアクリレートを主成分としたアクリル共重合体(日本合成化学工業株式会社製、コーポニールN−3327)100質量部に対して、芳香族性ポリイソシアナート(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL)2質量部、トルエン50質量部を加えて粘着剤組成物αを調製した。
ブチルアクリレートを主成分としたアクリル共重合体(綜研化学株式会社製、SKダイン1811L)100質量部に対して、芳香族性ポリイソシアナート(綜研化学株式会社製、TD−75)5質量部、トルエン30質量部を加えて粘着剤組成物βを調製した。
上記粘着剤組成物αをシリコーン処理された剥離シートA(リンテック株式会社製、SP−PET3811(S))上に塗布、乾燥(オーブンにて100℃1分間)した。このようにして厚み10μmの粘着剤層αを作製した。また、上記粘着剤組成物βをシリコーン処理された剥離シートB(リンテック株式会社製、SP−PET3811(S))上に塗布、乾燥(オーブンにて100℃1分 間)し、厚み10μmの粘着剤層βを作製した。
その後、円形に切り込んだ剥離シートBから粘着剤層αまでを取り除き、開口部を形成し、2枚の剥離シートに挟持された両面粘着シートを作製した。
支持シート上に接着性樹脂層が形成された接着シートとして、ダイシング・ダイボンディングシート(リンテック社製 Adwill LE5000)を準備した。
2枚の剥離シートに挟持された両面粘着シートについて、剥離シートBを剥離し、粘着剤層βを露出させ、室温にて、粘着剤層βと接着性樹脂層とを貼付した。
次いで、両面粘着シートの開口部と同心円状に、直径370mmの円形に抜き加工を行い、剥離シートAが貼付された半導体加工用粘着シートを作製した。
その後、剥離シートAを剥離して、半導体加工用粘着シートを作製した。
下記のフィルム状粘着剤用粘着剤組成物を用い、フィルム状粘着剤を作製し、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸 1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した 2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下して加え反応させて放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネート Lを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。
剥離シートとして厚さ38μmのPET系セパレータフィルムを準備した。剥離シートの中央に、直径330mmの開口部を形成するように上記粘着剤組成物をグラビアコーターで塗工し、熱風乾燥炉で乾燥し、乾燥後の厚さ10μmのフィルム状粘着剤を作製した。
次に、アクリル酸メチルとメタクリル酸グリシジルとの共重合体(固形分含有率35質量%) :100質量部(固形分質量)、ビスフェノール系グリシジル型エポキシ樹脂(数平均分子量=500):600質量部、光重合性エポキシアクリレート系オリゴマー(二重結合を2個有する化合物):100質量部、および光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン):5質量部を混合して得た粘接着剤(1)を、厚さ100μmの表面改質を行っていないポリオレフィン系基材フィルムに塗布し、加熱乾燥して、厚さ25μmの粘接着剤層を形成してテープ(a)を得た。
この粘接着剤層テープ(a)の粘接着剤層とフィルム状粘着剤を貼り合わせて、フィルム状粘着剤の開口部と同心円状に、直径370mmの円形に抜き加工を行い、剥離シートが貼付された半導体加工用粘着シートを作製した。
その後、剥離シートを剥離し、半導体加工用粘着シートを作製した。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、比較例1で調整したフィルム状粘着用粘着剤組成物αを用い、厚み100μmのフィルム状粘着剤を作製したこと以外は、実施例1と同様にして半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1041、スチレン比30質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
フィルム状粘着剤用粘着剤組成物の調整において、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーの代わりに、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製 タフテックH1051、スチレン比48質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用粘着シートを作製した。各評価結果を表1に示す。
2 :接着性樹脂層
5 :金属製治具
10:フィルム状粘着剤
11:基材
12:粘着剤層
100:半導体加工用粘着シート
Claims (10)
- 支持シートの片面に、接着性樹脂層およびフィルム状粘着剤を有する半導体加工用粘着シートであって、
フィルム状粘着剤が、接着性樹脂層の外周部に形成され、
JIS Z0237;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のシリコンウエハ(鏡面)に対する粘着力が0.1N/25mm以上であり、
JIS Z1528;2009に準拠した、フィルム状粘着剤のクリープ試験による保持力が70000秒以上であり、
フィルム状粘着剤が熱可塑性エラストマーを含む粘着剤組成物からなる、半導体加工用粘着シート。 - フィルム状粘着剤の厚みが5〜100μmである請求項1に記載の半導体加工用粘着シート。
- フィルム状粘着剤のヤング率が0.1〜20MPaである請求項1または2に記載の半導体加工用粘着シート。
- フィルム状粘着剤の破断エネルギーが0.2J以上である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体加工用粘着シート。
- 熱可塑性エラストマーが、イソプレン、エチレンまたはブタジエンから選ばれる少なくとも一つを重合してなるソフトセグメントと、スチレンを重合してなるハードセグメントとから構成されるブロック共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の半導体加工用粘着シート。
- ブロック共重合体におけるハードセグメントの割合が28質量%以下である請求項5に記載の半導体加工用粘着シート。
- ブロック共重合体におけるソフトセグメントがブタジエンを重合してなり、
ソフトセグメントの一部または全部が水素添加されている請求項5または6に記載の半導体加工用粘着シート。 - フィルム状粘着剤が、ロジン、テルペン、染料、顔料またはフィラーから選ばれる少なくとも一つを含有する請求項1〜7のいずれかに記載の半導体加工用粘着シート。
- 熱可塑性エラストマーがトルエン溶液に可溶である請求項1〜8のいずれかに記載の半導体加工用粘着シート。
- JIS K7361−1;1997に準拠した全光線透過率の最小値が80%以下である請求項1〜9のいずれかに記載の半導体加工用粘着シート。
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