JP2014184784A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ装置を構成する部品の形状を簡素化する。
【解決手段】円筒状の内周面11と、当該内周面11よりも径方向外側に位置し、内周面11の軸線に対し直交する一対の側面13,14とを有する外輪10と、外輪10の径方向内側に配置されたブレーキ力発生部材(ブレーキカム20)および出力側回転部材30とを備える。外輪10は、一対の側面13,14の一方が、ブレーキ装置を支持するための板金部材(取付板85)に溶接されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用シートのハイトアジャスト機構などに使用されるブレーキ装置に関する。
車両用シートのハイトアジャスト機構には、入力側に設けられた上下に揺動させるレバーの操作によって出力軸が回転するが、シートおよび乗員の重みによってシートが下がろうとする力が出力軸に掛かっても、出力軸が回転しないように構成されたブレーキ装置が用いられている(特許文献1、特許文献2)。
そして、このようなブレーキ装置においては、ハウジングを構成する部材、例えば、外輪とカバー部材とは、カシメにより互いに固定されるのが一般的である(例えば、特許文献2の図1、図8の形状を参照)。
特表2002−511035号公報 特開2011−153675号公報
しかしながら、ハウジングを構成する部材をカシメにより互いに固定すると、カシメのための出っ張り形状や、出っ張りを受け入れるための凹み形状などを形成する必要があり、形状が複雑になるという問題がある。また、ブレーキ力を発生するときに大きな応力が掛かる外輪は、できるだけシンプルな形状にした方が強度面において有利であり、必要な強度を満たしつつ、軽量化することが可能となる。
そこで、本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、ハウジングを構成する部材同士を、カシメによらず固定して、ブレーキ装置を構成する部品の形状の簡素化や、軽量化の実現を可能にすることを目的とする。
前記した目的を達成するための本発明は、円筒状の内周面と、当該内周面よりも径方向外側に位置し、前記内周面の軸線に対し直交する一対の側面とを有する外輪と、前記外輪の径方向内側に配置されたブレーキ力発生部材および出力側回転部材とを備え、前記内周面と前記ブレーキ力発生部材との間で働く摩擦力により、前記出力側回転部材に回転トルクを与えても、少なくとも一方の回転方向については、前記ブレーキ力発生部材が回転しないように構成されたブレーキ装置であって、前記外輪は、前記一対の側面の一方が、前記ブレーキ装置を支持するための板金部材に溶接されていることを特徴とする。
このような構成によると、ハウジングの一部を構成する部品であるブレーキ装置を支持するための板金部材と外輪とをカシメではなく、溶接により固定することで、外輪の形状を簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪を、力学的に有利な形状として軽量化を図ることができる。
前記したブレーキ装置において、前記側面と前記板金部材とは、レーザ溶接されている構成とすることができる。
このように、レーザ溶接により外輪の側面と板金部材とが溶接されていることで、溶接時の熱による形状の歪みを抑制して効率良くブレーキ力を発生することが可能となるとともに、熱による強度の低下を抑制して、外輪に強度的な余裕を持たせることができる。
前記したブレーキ装置において、前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面の全周に渡って連続して溶接された構成とすることができる。
このように、側面の全周に渡って溶接されていることで、溶接の強度を高めることができる。
また、前記したブレーキ装置において、前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面において断続的に溶接された構成とすることもできる。
このように、側面において断続的に溶接することで、コストダウンを図ることができる。
前記したブレーキ装置において、前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面における最外周部分に沿って溶接されていることが望ましい。
このように、外輪の側面における最外周部分に沿って溶接されていることで、回転方向の力に対する溶接の保持力を高くすることができる。
前記したブレーキ装置において、前記側面と前記板金部材とは、前記板金部材の前記外輪が配置された側において溶接されていることが望ましい。
このように、板金部材の外輪が配置された側において溶接されていると、溶接により発生した出っ張り(溶接ビード)が板金部材の外側の面(外輪と反対側の面)から突出しにくい。そのため、溶接ビードの除去が不要であり、もしくは、溶接ビードの出っ張りを考慮して他の部品を遠ざける必要がなくなる。
前記したブレーキ装置において、前記外輪は、前記板金部材に溶接されていない他方の側面が、内周および外周の縁に、成形時に形成されたダレ形状を有し、前記板金部材に溶接されている前記一方の側面が前記ダレ形状を有しない構成とすることができる。
これによれば、外輪のダレ形状が無い側面と板金部材とを密着させることができるので、良好に溶接することができる。
前記したブレーキ装置において、前記外輪は、前記一対の側面の他方が、カバー部材と溶接されている構成とすることができる。
この構成によれば、カバー部材と外輪の固定もカシメによらず、溶接によりなされているので、外輪の形状をより簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪を、力学的に有利な形状として軽量化を図ることができる。
前記したブレーキ装置において、前記ブレーキ力発生部材は、前記外輪の前記内周面と、前記板金部材の両方に対して摺動可能に配置された構成とすることができる。
この構成によれば、ブレーキ力発生部材を安定して作動させることができる。
前記したブレーキ装置において、前記板金部材は、乗物用シートの着座部フレームにおけるサイドフレームであることができる。この場合、ブレーキ装置の部品を少なくすることができる。また、前記板金部材は、他の部材にブレーキ装置を取り付けるための取付部が設けられた取付板であってもよい。この場合、ブレーキ装置をいろいろな装置に取り付けることができる。
請求項1に記載の構成によれば、ハウジングの一部を構成する部品であるブレーキ装置を支持するための板金部材と外輪とをカシメではなく、溶接により固定することで、外輪の形状を簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪を、力学的に有利な形状として軽量化を図ることができる。
請求項2に記載の構成によれば、溶接時の熱による形状の歪みを抑制して効率良くブレーキ力を発生することが可能となるとともに、熱による強度の低下を抑制して、外輪に強度的な余裕を持たせることができる。
請求項3に記載の構成によれば、溶接の強度を高めることができる。
請求項4に記載の構成によれば、コストダウンを図ることができる。
請求項5に記載の構成によれば、回転方向の力に対する溶接の保持力を高くすることができる。
請求項6に記載の構成によれば、溶接ビードが板金部材の外側の面から突出しにくい。そのため、溶接ビードの除去が不要であり、もしくは、溶接ビードの出っ張りを考慮して他の部品を遠ざける必要がなくなる。
請求項7に記載の構成によれば、外輪のダレ形状が無い側面と板金部材とを密着させることができるので、良好に溶接することができる。
請求項8に記載の構成によれば、カバー部材と外輪の固定もカシメによらず、溶接によりなされているので、外輪の形状をより簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪を、力学的に有利な形状として軽量化を図ることができる。
請求項9に記載の構成によれば、ブレーキ力発生部材を安定して作動させることができる。
請求項10に記載の構成によれば、ブレーキ装置の部品を少なくすることができる。
請求項11に記載の構成によれば、ブレーキ装置をいろいろな装置に取り付けることができる。
乗物用シートの側面図である。 クラッチユニットの分解斜視図である。 ブレーキ装置の横断面図である。 クラッチユニットの、図3のZ−Z断面図である。 ラチェット装置の横断面図である。 クラッチユニットをカバー部材側から見た斜視図である。 (a)規制部と嵌合穴の圧入状態を示す拡大正面図と、(b)規制部と嵌合穴の圧入状態を示す図7(a)のY−Y断面図である。 ラチェット装置の動作を説明する図であり、操作入力部材を時計回りに回転させた場合を示す。 ラチェット装置の動作を説明する図であり、操作入力部材を反時計回りに戻した場合を示す ブレーキ装置の動作を説明する図であり、出力リングに時計回りの回転力を与えた場合を示す。 ブレーキ装置の動作を説明する図であり、出力側回転部材に反時計回りの回転力を与えた場合を示す。 付勢部材の配置の第1変形例を説明するブレーキ装置の断面図である。 付勢部材の配置の第2変形例を説明するブレーキ装置の断面図である。 溶接箇所の変形例を示すクラッチユニットの正面図である。 板金部材の他の例を示す、シートフレームの側面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、一実施形態のクラッチユニット1は、乗物用シートの一例としての車両用シートSのシートクッションS1の高さを調整するための公知のハイトアジャスト機構に適用されるものである。クラッチユニット1は、操作入力部材50にレバーLVが取り付けられ、レバーLVの操作により、後述する出力側回転部材30を回転させてハイトアジャスト機構を駆動してシートクッションS1の高さを調整可能である。具体的には、レバーLVを中立位置Nから上げると、シートクッションS1が所定量上がり、レバーLVを中立位置Nから下げると、シートクッションS1が所定量下がるようになっている。なお、レバーLVを、上または下の位置から中立位置Nに戻すときには、出力側回転部材30が回転しないようになっている。
図2に示すように、クラッチユニット1は、ハウジング100に各部材が収納されて構成されている。なお、ハウジング100は、円筒部である外輪10、取付部材の一例としての取付板85およびカバー部材60の組合せにより構成されている。また、以下の説明では、カバー部材60および操作入力部材50が配置される図2の左側を「入力側」と称し、出力側回転部材30が配置される図2の右側を「出力側」と称する。
クラッチユニット1は、入力側に設けられ、操作入力部材50の揺動動作による入力トルクを伝達・遮断するラチェット装置2と、出力側に設けられ、ラチェット装置2からの入力トルクを出力側回転部材30の出力ギヤ35に伝達するとともに、出力ギヤ35からの逆入力トルクを遮断するブレーキ装置3とを備えてなる。
ラチェット装置2とブレーキ装置3の構成部品の概略を説明すると、ラチェット装置2は、操作入力部材50と、規制部材71と、ブレーキ装置3の入力側回転部材としての出力リング40と、可動片の一例としてのローラ72と、リターンスプリング73とを備えてなる。また、ブレーキ装置3は、外輪10と、ブレーキ力発生部材の一例としてのブレーキカム20と、付勢部材の一例としてのスプリング81と、出力側回転部材30と、摩擦発生部材の一例としてのフリクションリング82と、ワッシャ75とを備えてなる。なお、出力リング40は、ラチェット装置2の出力部材であるとともに、ブレーキ装置3の入力部材であり、ラチェット装置2とブレーキ装置3のいずれの部品ともいうことができる。
次に、ブレーキ装置3およびラチェット装置2の構成の詳細を説明する。
まず、ブレーキ装置3の構成について説明する。
外輪10は、所定肉厚のリングからなり、内周面11と、円筒状の外周面12と、内周面11と外周面12を繋ぐ一対の側面13,14とを有している。一対の側面13,14は、内周面11よりも外輪10の径方向外側に位置し、内周面11の軸線に対し直交する平面となっている。なお、本明細書において、径方向および周方向は、外輪10を基準とする。
外輪10とともにハウジング100の一部を構成する取付板85は、ブレーキ装置3を支持するための板金部材である。取付板85は、シートクッションS1のフレームなどにブレーキ装置3を取り付けるための取付部として取付孔85Bが2つ形成されている。また、取付板85は、中央に出力側回転部材30を通すための貫通孔85Aが形成されている。外輪10は、取付板85と固定されていることで、クラッチユニット1は、いろいろな装置に取り付けることが可能である。
外輪10は、厚板をプレス成形により打ち抜くことで成形されており、図4および図6に示すように、入力側の側面13は、内周の縁である内周縁13Aと外周の縁である外周縁13Bに、打ち抜き時に形成されたダレ形状を有している。一方、出力側の側面14は、内周縁14Aと外周縁14Bにダレ形状を有していない。そして、外輪10は、このダレ形状を有していない出力側の側面14の外周縁14Bにおいて、レーザ溶接により、取付板85の入力側の面と溶接されている。このため、側面14と取付板85との密着性が高いとともに、外周縁14Bも取付板85と密着するので、良好に溶接をすることができる。
この溶接は、図6に示すように、外周縁14Bの全周に渡ってなされている。取付板85が外輪10の側面14の全周に渡って溶接されていることで、溶接の強度を高めるとともに、外輪10を取付板85により補強することができる。そして、側面14と取付板85は、環状の側面14における最外周部分に沿って溶接されていることで、回転方向の力に対する溶接の保持力が高くなっている。
また、このレーザ溶接は、取付板85の外輪10が配置された側から行われ、これにより、溶接ビード85Lが取付板85の外側(出力側)の面から突出しにくくなっている。
そのため、溶接ビード85Lの除去が不要であり、もしくは、溶接ビード85Lの出っ張りを考慮して他の部品を遠ざける必要がない。
図2に戻り、ブレーキカム20は、外輪10との間でブレーキ力を発生する部材であり、外輪10の内側に周方向に等間隔で並ぶように3つ配置されている。ブレーキカム20は、周方向に延びる本体部20Aと、本体部20Aの周方向両端部から径方向外側に突出する突出部20Bとを備えて構成されている。突出部20Bの径方向外側の先端には、外輪10の内周面11に対向するブレーキ面21を有している。このブレーキ面21は、外輪10の内周面11と同じ半径の円筒面を有しており、ブレーキカム20が径方向外側に付勢されたときには、外輪10の内周面11と密着するようになっている。
ブレーキカム20は、一対のブレーキ面21の間に、ブレーキ面21より小径の円筒面状の外周面22を有している。また、ブレーキカム20の径方向内側の面は、外輪10の中心軸を向く平面となっている。この平面は、内周面11の中心軸(つまり、出力側回転部材30の中心軸)からの距離が徐々に変化しているカム面23であり、後述する出力側回転部材30と当接するように配置されている。そして、ブレーキカム20は、周方向の端部にカム面23の両端部と2つのブレーキ面21の端部とを繋ぐ端面24を有している。また、ブレーキカム20は、ブレーキ面21と外周面22との間の段差に、周方向を向く回転力入力面25が形成されている。
図3に示すように、端面24は、時計回り方向を向く端面24Aと端面24Bとがある。互いに対面する端面24Aと端面24Bとは、平行ではなく、径方向外側に行くほど互いに離れるように傾斜している。本実施形態においては、各端面24A,24Bは、径方向に対しても傾斜している。そして、対向する端面24A,24Bの間には、圧縮コイルバネからなるスプリング81が初期荷重を与えられた状態で配置され、第1のブレーキカムの第1支持面としての端面24Aがその一端を支持し、第2のブレーキカムの第2支持面としての端面24Bがその他端を支持している。端面24Aと端面24Bとは、径方向外側に行くほど互いに離れるように傾斜していることで、スプリング81は、自律的に径方向外側に移動し、外輪10の内周面11に接触して、周囲から、内周面11、端面24Aおよび端面24Bに囲まれて支持されることでその位置が安定している。また、スプリング81がブレーキカム20同士を離間させるように付勢するので、ブレーキカム20と外輪10の遊びが解消され、ブレーキカム20の配置のバランスがくずれにくくなっている。
さらに、スプリング81は、その全長に渡って内周面11と接しており、これにより、内周面11に安定して支持されて、ブレーキ装置3の安定した動作を実現している。また、スプリング81は、支持面としての端面24A,24Bとカム面23の延長面(本実施形態では、カム面23そのもの)とが交差する位置27よりも、径方向外側に配置されている。これにより、スプリング81は、出力側回転部材30から離れた位置に配置されるので、スプリング81と出力側回転部材30などの回転軸周辺の部品との干渉を抑制することができる。
図4に示すように、ブレーキカム20は、出力側の側面が取付板85に摺動可能に配置されているとともに、ブレーキ面21が外輪10の内周面11に摺動可能に配置されている。ここで、前記したように、外輪10と取付板85とは、外輪10の外周縁14Bに沿ってレーザ溶接がなされているので、内周面11と取付板85の入力側の面とがなす隅部に溶接ビード85Lがはみ出すことはなく、ブレーキカム20のスムーズな動作を確保することができる。
図2に戻り、出力側回転部材30は、軸状の作用部31と、この作用部31の出力側に形成されたフランジ32と、作用部31から入力側に突出し、作用部31と同軸で小径の支持軸部33と、支持軸部33から入力側に突出し、支持軸部33と同軸で支持軸部33より小径の軸部37と、フランジ32の出力側に突出して形成された出力ギヤ35とを備えて構成されている。出力ギヤ35は、取付板85の貫通孔85Aを通して出力側に突出している。
図3に示すように、作用部31は、全体的に略円柱形状となっており、この円柱形状は、3つのカム面23に内接する円よりも僅かに大きな直径を有している。そして、作用部31は、3つのカム面23に対向する部分に、カム面23から僅かなクリアランスを介して対向した平面からなる対向面34が形成されている。作用部31の円筒状の外周面31Aと対向面34の境目にある緩やかな角は、ブレーキカム20または出力側回転部材30を回転させようとするときにカム面23と当接する部分であり、図3において対向面34の反時計回り側の縁部に相当する当接部36Aと、時計回り側の縁部に相当する当接部36Bとがある。
図2に示すように、フリクションリング82は、ブレーキ装置3のブレーキ力が切れた瞬間に急激に出力側回転部材30の動作が開始するのを抑制するためのフリクションを発生する部材である。フリクションリング82は、出力側回転部材30の作用部31の外周に合致した孔を有するリング部82Aと、リング部82Aから径方向外側に延出し、先端部が外輪10の内周面11に圧接する摩擦発生アーム82Bとを備える。フリクションリング82は、リング部82Aの孔が作用部31と係合することで、出力側回転部材30と一体に回転するようになっている。
摩擦発生アーム82Bは、径方向外側へ行くほど、図3における時計回り方向に位置するように、径方向に対して傾斜している。このため、フリクションリング82は、図3の時計回り方向に回転するときには、内周面11に食い付きやすいので、反時計回りに回転するときよりも大きな摩擦力を発生することができる。そのため、車両用シートSのハイトアジャスト機構のブレーキにクラッチユニット1を適用する場合には、出力側回転部材30が図3の時計回り方向に回転するときに車両用シートSが下降するように組み付けると、車両用シートSの望ましくない下降を効果的に抑制することができる。
また、摩擦発生アーム82Bは、スプリング81の入力側に配置され、出力側回転部材30の軸方向から見てスプリング81と重なって配置されている。これにより、スプリング81が軸方向のうち入力側にずれるのを抑制することができる。
図2に戻り、ワッシャ75は、出力側回転部材30の軸部37の外径よりも僅かに小さい直径の孔75Aを有し、この孔75Aが軸部37に圧入されている(図4参照)。ワッシャ75の外径は、後述するカバー部材60の支持孔64より大きく、ワッシャ75により出力側回転部材30が出力側に抜けないようになっている。
次に、ラチェット装置2の構成について説明する。
図2に示すように、出力リング40は、外輪10および出力側回転部材30などの軸周りに回転可能であり、ラチェット装置2の回転出力をブレーキ装置3のブレーキカム20に係合して伝達する部材である。出力リング40は、金属板の板金加工により製造されており、薄板状の受圧リング部41と、受圧リング部41から出力側に向けて突出した複数の係合脚42とを備えて構成されている。受圧リング部41の内周面41Aは、円形断面を有している。
係合脚42は、等間隔で6つ設けられており、図3に示すように、一のブレーキカム20における一対の突出部20Bの間に2つずつ入るように配置されている。すなわち、前記したブレーキカム20の一対の突出部20Bの間の空間の大きさがそのように設定されており、突出部20Bと係合脚42の間に僅かな遊びができるようになっている。また、各係合脚42は、径方向において同じ位置で、また、同じ大きさで配置されている。
そして、係合脚42は、少なくとも一部が、径方向において、スプリング81が配置された範囲に配置されており、一例として、本実施形態では、係合脚42は、その全体が、径方向においてスプリング81が配置された範囲内に配置されている。すなわち、係合脚42は、スプリング81と同心上に配置されている。これにより、係合脚42とスプリング81を径方向にずらして配置する場合よりもブレーキカム20の形状をシンプルにし、ブレーキカム20の大型化を抑制できている。
また、係合脚42がブレーキカム20に係合する面の径方向における大きさは、スプリング81がブレーキカム20に接触する面の径方向における大きさより小さく、これにより、出力リング40を径方向において小さく構成し、ブレーキ装置3の大型化を抑制することが可能となっている。
図2に示すように、操作入力部材50は、レバーLVと係合してレバーLVと一体に揺動可能であるとともに、可動片としてのローラ72を介して出力リング40と係合することで、出力リング40にレバーLVからの回転トルクを伝達する部材である。このため、操作入力部材50は、カム板部51と、このカム板部51から入力側に延出した2つのレバー係合部52とを備えてなる。
図5に示すように、カム板部51は、外周面に3箇所の小径部53と3箇所の大径部54が交互に配置されており、小径部53と大径部54を平面からなるカム面55が接続している。小径部53と大径部54の切り替わりの箇所は6箇所あるので、これに対応してカム面55は6つ形成されている。カム面55は、中心軸からの距離が徐々に変化するように形成されている。
カム面55と受圧リング部41の内周面41Aとの間には、それぞれ、ローラ72が配置されている。ローラ72は、後述する動作説明で分かるように、操作入力部材50および出力リング40に対し係合・離脱することで入力トルクの伝達・遮断を行うものである。ローラ72は、カム面55に対応して計6つ配置されている。カム面55は、図4に示すように、ローラ72の軸方向長さの半分よりその方向に長く、ローラ72の軸方向における中心部(中心線C1参照)を含む範囲でローラ72と当接可能に配置されている。これにより、カム面55は、受圧リング部41との間で安定してローラ72を挟持することができる。
ここで、図2に戻り、規制部材71について説明すると、規制部材71は、ローラ72の位置を規制する部材であり、複数のローラ72の出力側の側面を覆う側壁部71Aと、側壁部71Aの外周縁から入力側に向けて延出した3つの規制部71Bとを備えて構成されている。規制部71Bは、ローラ72の軸方向の長さよりも長く、後述するようにその先端がカバー部材60の嵌合穴66に圧入嵌合している。
図5に示すように、規制部71Bは、レバーLVを操作していない非作動時において大径部54の径方向外側で同じ回転位置に配置されており、カム面55と受圧リング部41の間にあるローラ72の周方向についての移動を規制している。隣接する規制部71Bの間に配置された2つのローラ72の間には、圧縮コイルバネからなるリターンスプリング73がそれぞれ初期荷重を与えられて配置されている。このため、図5の非作動時において、各ローラ72は規制部71Bに接している。ここで、規制部71Bは、外輪10の径方向において、ローラ72の中心が位置するところを含むように配置され、ローラ72の、周方向に最も出っ張っているところに接している。これにより、規制部71Bは、ローラ72を安定して支持することができる。なお、図5においては、ローラ72を、規制部71Bに接した状態で表しているが、ローラ72は、カム面55と内周面41Aに挟持されることで、規制部71Bから僅かに離れていてもよい。
レバー係合部52は、円弧状の断面でカム板部51から延出している。レバー係合部52は、レバーLVと係合している(図示省略)。
図2に示すように、カバー部材60は、円板状の側壁部61と、側壁部61の外周縁から出力側に延びる円筒状の外周部62と、外周部62の出力側の端部から径方向外側に広がるフランジ63とを備えてなる。フランジ63は、図4および図6に示すように、外輪10の側面13に合わされ、その外周縁に沿って側面13とレーザ溶接により溶接されている。外輪10は、このようにカバー部材60が溶接されることで補強されている。この溶接は、フランジ63の全周に渡ってなされている。
フランジ63の直径は、外輪10の直径より僅かに小さく、外輪10の外周面よりも径方向内側に位置している。これにより、溶接ビード60Lは外輪10の外周面から突出しにくいので、はみ出した溶接ビード60Lを研磨により除去したりする必要が無く、また、他の部品と溶接ビード60Lとの干渉を考慮して他の部品を大きく離す必要がなくなっている。また、カバー部材60は、その外周縁に沿って外輪10に溶接されていることで外輪10を補強しており、外輪10の外周付近に掛かる応力を小さくするのに寄与している。これにより、ブレーキ装置3は大きなブレーキ力を発生することができる。
図2に示すように、側壁部61には、その中心に円形の支持孔64と、支持孔64の周囲で円弧形状に延びる2つの円弧孔65と、円弧孔65よりも径方向外側に位置し、周方向に3つ等間隔で配置された嵌合穴66とが形成されている。
支持孔64は、出力側回転部材30の支持軸部33と嵌合し、出力側回転部材30を軸支する部分である。
円弧孔65は、操作入力部材50のレバー係合部52に対応して設けられ、レバー係合部52よりも広い角度範囲で円弧状に形成されている。これにより、円弧孔65は、レバー係合部52を受け入れるとともに、レバー係合部52が円弧孔65の中において所定角度範囲で移動することが可能となっている。
嵌合穴66は、規制部材71の3つの規制部71Bに対応して3つ設けられた貫通孔であり、規制部材71がカバー部材60に対し相対回転しないように、カバー部材60と嵌合されている。規制部材71とカバー部材60とは、複数箇所で嵌合していることで、規制部材71の回転の規制をしっかりと行うことができる。
図6および図7(a),(b)に示すように、嵌合穴66は、周方向の中央に、嵌合穴66の内側へ向けて規制部71Bを挟むように突出する2つの突出部66Aが設けられている。突出部66A以外の部分の嵌合穴66は、径方向の隙間が規制部71Bの板厚より僅かに大きく、突出部66A同士の隙間は、規制部71Bの板厚より僅かに小さくなっている。そして、規制部71Bは、その先端部が2つの突出部66Aの間に入れられることで嵌合穴66に圧入嵌合されており、これにより、規制部材71は、適度な圧入荷重によりカバー部材60にしっかりと固定されている。図7(b)に示すように、その規制部71Bの先端は、側壁部61の外側の面61Aから突出していない。これにより、規制部71Bの先端と他の部品との干渉を抑制することができる。
次に、以上のように構成されたクラッチユニット1の動作について説明する。
まず、ラチェット装置2の動作について説明する。
図5に示す中立位置において、ローラ72は、出力リング40の内周面41Aと操作入力部材50のカム面55の間に位置するが、これらの間には僅かな隙間があり、これらに挟持されてはいない。ローラ72は、リターンスプリング73により規制部71Bに押し付けられている。レバーLVの操作により操作入力部材50を時計回り方向に少し揺動させると、カム面55が時計回りに回動してローラ72に接し、内周面41Aとカム面55の間でローラ72が挟持される。これにより、操作入力部材50と出力リング40は一体に回転できるようになる。
そのため、図8に示すように、操作入力部材50を時計回りに回していけば、出力リング40と操作入力部材50とが一体になったまま、時計回りに回動する。すなわち、操作入力部材50を回動させた入力トルクが出力リング40に伝達される。
図8の状態からレバーLVを反時計回りに揺動させて中立位置に戻すときには、ローラ72からカム面55が反時計回りに逃げていき、ローラ72はカム面55と内周面41Aには挟持されないので、図9に示すように、出力リング40が静止したまま、操作入力部材50が中立位置に向けて回動する。すなわち、操作入力部材50を戻すときの入力トルクは出力リング40には伝達されず、遮断される。操作入力部材50は、リターンスプリング73の付勢力により中立位置に向けて操作するのが補助されるとともに、中立位置に維持される。
レバーLVを中立位置から上に上げ、また、上の位置から中立位置に戻すときの動作は、上述の下への揺動の場合と同様であるので説明を省略する。
このようにして、レバーLVの操作により出力リング40が回動するときのブレーキ装置3の動作について説明する。
図10に示すように、入力側回転部材としての出力リング40から時計回りの回転トルク(入力トルク)が入力された場合、出力リング40の係合脚42が回転力入力面25に当接し、回転力入力面25を押すことで、ブレーキカム20が時計回りに回転し始める。そして、各ブレーキカム20は、各カム面23が出力側回転部材30の当接部36Bに当接して、出力側回転部材30に時計回りの回転力を与える(矢印参照)。これにより、出力リング40を時計回りに回転させると、出力リング40、ブレーキカム20および出力側回転部材30が一体となって時計回りに回転する。
図11に示すように、出力側回転部材30に、図における反時計回り方向(第1回転方向とは逆の第2回転方向)の回転力を与えると、3つの当接部36Bが対応する各ブレーキカム20のカム面23に当接し、カム面23を径方向外側へ押す。このカム面23を押す力F1に応じて、その当接点において働く摩擦力F2は、僅かながらブレーキカム20を反時計回りに回転させようと作用する。
また、力F1は、ブレーキカム20を、ブレーキ面21において外輪10の内周面11に押し付ける力F3を発生させる。そして、この力F3に応じて、内周面11とブレーキ面21の間には、ブレーキカム20を反時計回りに回転させようとする力に抵抗する摩擦力F4が作用する。本実施形態のブレーキ装置3においては、摩擦力F2によるブレーキカム20を反時計回りに回転させようとする力が、摩擦力F4を超えることができないので、出力側回転部材30、ブレーキカム20および出力リング40は外輪10に対して回転することができない。すなわち、出力側回転部材30に反時計回り方向の回転トルクを与えても、ブレーキ面21が内周面11に押し当てられることでブレーキカム20は回転することができない。このようにして、ブレーキ装置3は、ブレーキ力を発生することができる。
本実施形態においては、ブレーキカム20、出力側回転部材30および出力リング40は、鏡像対称(図3で線対称)に構成されているので、出力リング40を反時計回りに回転させた場合には、力の掛かり方および回転方向が反転し、出力リング40、ブレーキカム20および出力側回転部材30は一体となって反時計回りに回転する。一方、出力側回転部材30を時計回りに回転させようとする場合には、力の掛かり方が反転して反時計回りの場合と同様に作用し、出力側回転部材30、ブレーキカム20および出力リング40は外輪10に対して回転することができない。すなわち、ブレーキ装置3は、ブレーキ力を発生することができる。
本実施形態のクラッチユニット1によれば、以下のような効果を奏することができる。
ブレーキ装置3において、スプリング81は、ブレーキカム20同士を離間させるように付勢するので、ブレーキカム20と外輪10の遊びが解消され、ブレーキカム20の配置のバランスがくずれにくい。これにより、ブレーキカム20と外輪10の内周面11との密着性が向上することで、ブレーキカム20と内周面11との間で効率的に摩擦力を発生し、効率的にブレーキ力を発生することができる。このため、ブレーキ装置3によれば、ブレーキ力を効率良く発生してブレーキ装置3の小型化・軽量化を図ることができる。さらに、ブレーキ装置3では、ブレーキカム20が3つ設けられることで、ブレーキカム20に回転トルクを与えたときに、ブレーキカム20のカム面23が、3方向から出力側回転部材30を掴むので、出力側回転部材30の軸心が安定し、安定した動作を行わせることができる。
特に、本実施形態では、各ブレーキカム20同士の間にスプリング81を設けることで、ブレーキカム20の配置のバランスをより向上させることができる。
また、スプリング81は、端面24A,24Bおよび内周面11に3箇所で接触し、自律的にその位置を安定させることができるので、ブレーキカム20にスプリング81の位置を規制する突起などを設ける必要が無く、簡素な構成とすることができる。
そして、ブレーキ装置3は、ハウジング100の一部を構成する部品である取付板85と外輪10とをカシメではなく、溶接により固定することで、外輪10の形状を簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪10を、力学的に有利な単純な円筒形状として軽量化を図ることもできる。
特に、この溶接は、レーザ溶接によりなされているので、溶接時の熱による外輪10の形状の歪みを抑制して効率良くブレーキ力を発生することが可能となるとともに、熱による強度の低下を抑制して、外輪10に強度的な余裕を持たせることができる。また、カバー部材60と外輪10の固定もカシメによらず、溶接によりなされているので、外輪10の形状をより簡素化することができる。これにより、大きな応力が掛かる外輪10を、力学的に有利な形状として軽量化を図ることができる。
また、本実施形態のラチェット装置2は、規制部材71が、カバー部材60との嵌合によりカバー部材60との相対回転が止められており、溶接が不要であるので、簡単に組み立てることができる。そして、規制部材71は、ローラ72の周方向の移動の規制をするとともにローラ72の出力側の側面を覆うものであり、大きな荷重が掛かるわけではないので、嵌合による回転の規制でも十分に機能を発揮することができる。特に、本実施形態では、規制部71Bは、カバー部材60の嵌合穴66に圧入嵌合しているので、しっかりと固定することができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
例えば、図12に示すように、スプリング81は、隣接するブレーキカム20の2つのカム面23の一方を第1支持面とし、他方を第2支持面として利用してもよい。この場合、隣接するカム面23は、径方向内側に行くほど互いに離れているので、スプリング81の付勢力によりスプリング81自身が径方向内側に移動し、出力側回転部材30に接触して安定する。すなわち、スプリング81は、2つのカム面23と出力側回転部材30の3箇所で囲まれるようにして支持され、その位置を安定させることができる。この場合にも、ブレーキカム20にスプリング81を支持するための突起などを設ける必要が無く、簡単な構成とすることができる。
また、図13に示すように、スプリング81を各ブレーキカム20の間に配置するのではなく、1つのみ設けてもよい。この場合、ブレーキカム20の端面24Aから突起26を設けるなどして、ブレーキカム20同士の隙間を小さくしておくとよい。そして、一組のブレーキカム20の端面24Aと端面24Bの間にだけスプリング81を配置する。このようにしても、ブレーキカム20と外輪10の遊びが解消され、また、ブレーキカム20の配置のバランスが維持されるので、ブレーキカム20と外輪10の内周面11の密着性が向上して効率良くブレーキ力を発生することができる。
また、図14に示すように、取付板85と外輪10の溶接は外輪の全周に渡って連続的になされるのではなく、断続的になされていてもよい。このように、外輪10の側面14において断続的に溶接することで、コストダウンを図ることができる。外輪10とカバー部材60の溶接も、全周に渡って連続的になされるのではなく、断続的になされていてもよい。このように、外輪10の側面13において断続的に溶接することで、コストダウンを図ることができる。
なお、この図14の例のように取付板85と外輪10を断続的に溶接する場合において、溶接する部分、つまり、図14に現れた溶接ビード85Lを例えば4箇所配置し、取付孔85Bを、近くの2つの溶接ビード85Lに対して、それらの間(上下方向における2つの溶接ビード85Lの間)に配置するとよい。
また、外輪10とカバー部材60の溶接は断続的ではあるが、規制部71Bと嵌合穴66が嵌合している部分は、径方向で見て、カバー部材60と外輪10とを溶接した部分である溶接ビード60Lと重なっている。これにより、規制部71Bと嵌合穴66が嵌合している部分と溶接ビード60Lとを近づけて、規制部材71の支持剛性を向上させている。
また、図15に示すように、ブレーキ装置3を支持するための板金部材としては、取付板85に限らず、車両用シートSのシートフレームSFの一部であってもよい。例えば、シートクッションフレームSF1のサイドフレーム90に直接外輪10を溶接により固定してもよい。これによれば、ブレーキ装置3の部品点数を削減することができる。この場合、サイドフレーム90の外側面のうち、左右方向内側に凹んだ凹部領域91にブレーキ装置3(クラッチユニット1)を固定すると、クラッチユニット1が左右方向外側に大きく突出せず、車両用シートSをコンパクトにすることができる。
以下、その他の変形例について説明する。
前記実施形態において、付勢部材の一例としてスプリング81はコイルバネにより構成されていたが、板バネやスポンジ状の部材であってもよい。また、各ブレーキカム20の間に付勢部材を設ける場合に、それらを一体に繋いで、一部品として構成することもできる。
ラチェット装置2に用いられる可動片は、ローラ72に限られず、カム面55と内周面41Aに係合・離脱可能な小片であれば形状は限定されず、球体やくさびであってもよい。
前記実施形態において、出力側回転部材30に回転トルクを与えた場合に、正逆いずれの方向であっても、ブレーキ力が発生するように構成されていたが、一方の回転方向についてはブレーキカム20に係合する部分を設けるなどして、ブレーキ力が発生しないように構成してもよい。
前記実施形態において、嵌合穴66は貫通孔としていたが、底付きの穴であってもよい。また、規制部71Bと嵌合穴66とは、圧入嵌合されていたが、圧入でない嵌合をしていてもよい。
前記実施形態においては、外輪10がハウジング100の一部を兼ねていたが、これに限らずブレーキ側外輪とは別部品のハウジングを用いてもよい。
また、ブレーキ装置3、ラチェット装置2およびクラッチユニット1は、車両用シートSのハイトアジャスト機構に用いられるだけでなく、他の装置に任意に適用することができる。
また、ブレーキカムの数は、3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
1 クラッチユニット
2 ラチェット装置
3 ブレーキ装置
10 外輪
11 内周面
12 外周面
13 側面
14 側面
20 ブレーキカム
20A 本体部
20B 突出部
21 ブレーキ面
23 カム面
24(24A,24B) 端面
25 回転力入力面
30 出力側回転部材
31 作用部
31A 外周面
34 対向面
35 出力ギヤ
36A 当接部
36B 当接部
40 出力リング
41 受圧リング部
41A 内周面
42 係合脚
50 操作入力部材
51 カム板部
52 レバー係合部
55 カム面
60 カバー部材
60L 溶接ビード
61 側壁部
63 フランジ
66 嵌合穴
71 規制部材
71A 側壁部
71B 規制部
72 ローラ
73 リターンスプリング
81 スプリング
82 フリクションリング
82A リング部
82B 摩擦発生アーム
85 取付板
85L 溶接ビード
90 サイドフレーム
100 ハウジング
S 車両用シート

Claims (11)

  1. 円筒状の内周面と、当該内周面よりも径方向外側に位置し、前記内周面の軸線に対し直交する一対の側面とを有する外輪と、
    前記外輪の径方向内側に配置されたブレーキ力発生部材および出力側回転部材とを備え、前記内周面と前記ブレーキ力発生部材との間で働く摩擦力により、前記出力側回転部材に回転トルクを与えても、少なくとも一方の回転方向については、前記ブレーキ力発生部材が回転しないように構成されたブレーキ装置であって、
    前記外輪は、前記一対の側面の一方が、前記ブレーキ装置を支持するための板金部材に溶接されていることを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記側面と前記板金部材とは、レーザ溶接されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面の全周に渡って連続して溶接されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置。
  4. 前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面において断続的に溶接されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置。
  5. 前記側面と前記板金部材とは、環状の前記側面における最外周部分に沿って溶接されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  6. 前記側面と前記板金部材とは、前記板金部材の前記外輪が配置された側において溶接されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ装置。
  7. 前記外輪は、前記板金部材に溶接されていない他方の側面が、内周および外周の縁に、成形時に形成されたダレ形状を有し、前記板金部材に溶接されている前記一方の側面が前記ダレ形状を有しないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  8. 前記外輪は、前記一対の側面の他方が、カバー部材と溶接されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  9. 前記ブレーキ力発生部材は、前記外輪の前記内周面と、前記板金部材の両方に対して摺動可能に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  10. 前記板金部材は、乗物用シートの着座部フレームにおけるサイドフレームであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  11. 前記板金部材は、他の部材にブレーキ装置を取り付けるための取付部が設けられた取付板であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
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