JP2014184394A - 水蒸気改質用触媒、改質器、および燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】水蒸気改質用触媒を有する改質器の起動を素早く行う。
【解決手段】実施の形態に係る改質器70に充填される水蒸気改質用触媒は、アルミナを含む無機酸化物担体、無機酸化物担体に担持され、担持量が前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のニッケル、ニッケルを担持する無機酸化物担体に担持され、担持量がアルミナ100質量部に対して0.01〜1.0質量部のパラジウムを含む。改質器70の起動時に改質器70に水素および水蒸気を供給し、改質器70の入口部分の温度を250〜400℃に加温する。
【選択図】図1
【解決手段】実施の形態に係る改質器70に充填される水蒸気改質用触媒は、アルミナを含む無機酸化物担体、無機酸化物担体に担持され、担持量が前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のニッケル、ニッケルを担持する無機酸化物担体に担持され、担持量がアルミナ100質量部に対して0.01〜1.0質量部のパラジウムを含む。改質器70の起動時に改質器70に水素および水蒸気を供給し、改質器70の入口部分の温度を250〜400℃に加温する。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化水素などの水素源を原料とする燃料電池システムにおける水素の製造技術に関する。
近年、環境意識が高まる中で、環境負荷の少ない水素を利用したエネルギーに注目が集まっている。水素を利用したエネルギー技術の一つとして、地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素の直接排出やオゾン層破壊を伴うことなく水素と酸素の反応から電気エネルギーを取り出すことができる燃料電池が注目されている。燃料電池の水素源としては、天然ガス、液体燃料、石油系炭化水素など様々な原料が研究されており、特に、都市ガス、LPガス、ナフサ、ガソリン、灯油などに代表される炭化水素は、供給インフラが構築されて広域かつ多量に流通していることから、水素源として有望視されている。これらの炭化水素を原料とする燃料電池システムにおける水素製造は、システムの起動・停止を含めた様々な状態において効率的に行われることが求められる。
上記炭化水素から水素を得るには、原料中の硫黄分を脱硫工程で脱流したのち、水蒸気改質用触媒の存在下、水蒸気改質反応を行うことが一般的である。水蒸気改質用触媒としては、ニッケル触媒や貴金属触媒が知られている(特許文献1及び2を参照)。
従来の水蒸気改質用触媒は、触媒活性を上げるために、水蒸気改質反応に用いる前の処理として、2〜5時間、300℃〜800℃の温度で水素を流通させて触媒元素の酸化物の還元処理を実施する必要があった。このため、水蒸気改質用触媒を有する改質器の起動、ひいては当該改質器を有する燃料電池システムの起動を素早く行うことが困難であった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水蒸気改質用触媒を有する改質器の起動を素早く行うことができる技術の提供にある。
本発明のある態様は、水蒸気改質用触媒である。当該水蒸気改質用触媒は、アルミナを含む無機酸化物担体と、無機酸化物担体に担持され、担持量が前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のニッケルと、ニッケルを担持する無機酸化物担体に担持され、担持量がアルミナ100質量部に対して0.01〜1.0質量部のパラジウムと、を含む。
上記態様の水蒸気改質用触媒において、アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のアルカリ土類金属の酸化物を含んでもよい。また、アルミナ100質量部に対して3〜15質量%の希土類金属の酸化物を含んでもよい。
本発明のある態様は、改質器である。当該改質器は、上述したいずれかの態様の水蒸気改質用触媒を有する。
本発明のある態様は、燃料電池システムである。当該燃料電池システムは、上述した態様の改質器と、当該改質器で改質された改質ガスを用いて発電する燃料電池と、改質器を加熱する加熱手段と、を備え、改質器の起動時に、改質器に水素および水蒸気を供給し、加熱手段により改質器の入口部分の温度を250〜400℃に加温することを特徴とする。
本発明によれば、水蒸気改質用触媒を有する改質器の起動を素早く行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態に係る水蒸気改質用触媒について説明する。実施の形態に係る水蒸気改質用触媒は、無機酸化物担体(A)、ニッケル(B)、白金族金属(C)を含む。
無機酸化物担体(A)はアルミナを含む。当該アルミナは、特に組成や構造による制約を受けるものではないが、α−アルミナ、γ−アルミナ、およびこれらのアルミナと、シリカ、チタニア、ジルコニア等から選ばれる無機金属酸化物との混合物が挙げられる。アルミナのB.E.T.比表面積については特に限定されないが、担持されるニッケル(B)および白金族金属(C)が十分に分散できるようにB.E.T.比表面積が3〜200m2/gであることが好ましい。B.E.T.比表面積が3m2/gより小さいと、ニッケル(B)および白金族金属(C)が担体表層で十分に分散できず所定の触媒活性や触媒寿命が得られにくくなり、一方、B.E.T.比表面積が200m2/gより大きいと、表面の空隙比率が高く十分な担体強度が得られにくくなる。
無機酸化物担体(A)は、アルミナの他に、アルカリ土類金属酸化物および/または希土類金属酸化物を含んでもよい。
アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムなどから選択される1種又は2種以上のアルカリ土類金属の酸化物が挙げられる。アルカリ土類金属は、特にマグネシウム、ストロンチウム、バリウムが好ましい。これらのアルカリ土類金属の酸化物は、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などのアルカリ土類金属化合物を前駆体として焼成により得ることができる。
アルカリ土類金属酸化物の含有量は、アルミナ100質量部に対して3〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、3〜5質量部がさらにより好ましい。アルカリ土類金属酸化物の上記含有量が15質量部より多いと、アルミナに対して過剰となり、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、アルカリ土類金属酸化物の上記含有量が3質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。アルカリ土類金属酸化物の添加効果としては、活性金属と水との親和性を高める効果が挙げられる。
希土類金属酸化物としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム及びイッテルビウムなどから選択される1種又は2種以上の希土類金属の酸化物が挙げられる。希土類金属は、特にランタン、セリウムが好ましい。これらの希土類金属の酸化物は、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などの希土類金属化合物を前駆体として焼成により得ることができる。
希土類金属酸化物の含有量は、アルミナ100質量部に対して3〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましく、5〜10質量部がさらにより好ましい。希土類金属酸化物の上記含有量が15質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、希土類金属酸化物の上記含有量が3質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。希土類金属酸化物の添加効果としては、炭化水素系燃料や水蒸気中の炭素と酸素のやり取りをすることでコーキングを抑制する効果が挙げられる。
アルカリ土類金属酸化物または希土類金属酸化物を含む無機酸化物担体(A)は、アルミナに上述したアルカリ土類金属化合物および/または希土類金属化合物を含浸した後、酸素の存在下400〜800℃で焼成することにより得ることができる。
無機酸化物担体(A)がアルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物の両方を含む場合には、アルカリ土類金属酸化物に含まれるアルカリ土類元素と希土類金属酸化物に含まれる希土類元素との好ましい組み合わせは、セリウムとストロンチウム、セリウムとマグネシウム、セリウムとバリウム、ランタンとストロンチウム、及びランタンとバリウムから選択される少なくとも1種である。このうち、セリウムとストロンチウム、セリウムとバリウムの組み合わせが特に好ましい。
ニッケル(B)は、無機酸化物担体(A)に担持される。ニッケル(B)の担持量はアルミナ100質量部に対して3〜15質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましく、8〜12質量部がさらにより好ましい。ニッケル(B)の担持量が15質量部より多いと、アルミナに対して過剰となり、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、ニッケル(B)の上記担持量が3質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
白金族金属(C)としては、パラジウムが挙げられる。白金族金属(C)は、ニッケル(B)を担持する無機酸化物担体(A)に担持されている。白金族金属(C)の担持量はアルミナ100質量部に対して0.01〜1.0質量%である。白金族金属(C)の担持量が1質量部より多いと、アルミナに対して過剰となり、その含有量に比した添加効果が得られないだけでなく、触媒価格が高額になるので好ましくない。一方、白金族金属(C)の担持量が0.01質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。白金族金属(C)の添加効果としては、炭化水素系燃料を用いた部分酸化反応、自己熱改質反応および水蒸気改質反応によって生じる水素と熱を利用して、ニッケル(B)を酸化状態から還元状態へとすることにより活性が向上する作用などが挙げられる。
白金族金属(C)は、パラジウムの他に、ロジウムまたはルテニウムを含んでもよい。白金族金属(C)がロジウムまたはルテニウムを含む場合、これらの白金族金属(C)の担持量は、アルミナ100質量部に対して白金族原子換算で0.01〜2質量部であることが好ましい。ロジウムまたはルテニウムの担持量が2質量部より多いと、アルミナに対して過剰となり、その含有量に比した添加効果が得られないだけでなく、触媒価格が高額になるので好ましくない。一方、白金族原子の上記総担持量が0.01質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
ニッケル(B)および白金族金属(C)を無機酸化物担体(A)に担持させる方法は、特に制限はなく、通常の含浸法、ポアフィル法など公知の方法を用いることができる。通常、ニッケル(B)や白金族金属(C)を金属塩もしくは金属錯体として水や有機物などを含有する溶媒に溶解させた後、無機酸化物担体(A)に含浸させる。溶媒に溶解させる金属塩もしくは金属錯体は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩などを用いることができる。含浸の回数や工程に関しては特に制限はなく、一度又は数度に分けて含有させることができる。ニッケル(B)と白金族金属(C)は、同じ溶媒に溶解させた後、同時に触媒に担持させることが好ましい。また、水素製造用改質触媒が白金族金属(C)としてパラジウム以外の金属を含有する場合、ニッケル、パラジウム及び他の白金族金属は、同じ溶媒に溶解させた後、同時に触媒に含有させることが好ましい。
ニッケル(B)および白金族金属(C)を無機酸化物担体(A)に担持させた後の乾燥処理は、その条件については特に制限されないが、例えば、空気中、100℃以上で行うことが挙げられる。
なお、無機酸化物担体(A)にニッケル(B)および白金族金属(C)を担持する前に、無機酸化物担体(A)を、酸素の存在下で650〜1200℃の温度で予め焼成処理することが好ましい。焼成温度は、700〜1000℃以上がより好ましく、750〜900℃がさらに好ましい。
上記の焼成処理を行うことで、後に無機酸化物担体(A)に導入される白金族金属(C)が、無機酸化物担体(A)の表層に分布しやすくなり、無機酸化物担体(A)のシンタリングが引き金となって生じる白金族金属(C)の凝集による触媒性能の減少を抑制することができる。焼成処理が650℃よりも低い温度では、白金族金属(C)を導入した後で白金族金属(C)が無機酸化物担体(A)の内部に分布しやすくなるだけでなく、無機酸化物担体(A)に含まれるアルミナの熱凝集が進みやすくなり、それが白金族金属(C)の凝集を引き起こし易くなるので好ましくない。一方、1200℃よりも高い温度で焼成処理を行うと、無機酸化物担体(A)のB.E.T.比表面積が減少してしまうので好ましくない。
ニッケル(B)および白金族金属(C)を無機酸化物担体(A)に担持した後は、前述の焼成処理温度より低い温度で乾燥または焼成処理を行うことで、導入したニッケル(B)および白金族金属(C)が無機酸化物担体(A)の表面に分布して固定化される。ニッケル(B)および白金族金属(C)導入後に無機酸化物担体(A)の焼成処理温度よりも高い温度で乾燥または焼成処理を行うと、無機酸化物担体(A)のシンタリングが引き金となって無機酸化物担体(A)の表面に分布する白金族金属(C)の凝集が進み、触媒性能の減少が起こるので好ましくない。ニッケル(B)および白金族金属(C)導入後の乾燥または焼成温度は、前述の無機酸化物担体(A)の焼成処理温度に基づき設定することができるが、好ましくは100℃以上650℃未満の範囲であり、より好ましくは130〜600℃の範囲である。100℃よりも低い温度では、水分の脱離が不十分となって、導入した白金族金属(C)が無機酸化物担体(A)の表面で固定化されにくいので好ましくない。
本実施の形態に係る水蒸気改質用触媒に、必要に応じて還元処理や金属固定化処理を行ってもよい。処理方法は特に制限はなく、例えば、水素流通下での気相還元処理や液相還元処理が挙げられる。
本実施の形態に係る水蒸気改質用触媒の形態については特に制限はなく、例えば、アルミナを含有する無機酸化物担体(A)の形状をそのまま利用することができる。もしくは、打錠成形、粉砕後に、所定の範囲で整粒した触媒、粉末あるいは球形、リング状、タブレット状、円筒状などに成形した触媒として用いることができる。
図1は実施の形態に係る燃料電池システム100を示す概略図である。燃料電池システム100は、主な構成として水タンク10、燃料タンク30、脱硫器50、気化器60、改質器70、燃料電池80を有する。
水タンク10は、水蒸気改質に用いられる水を貯蔵する。水タンク10に貯蔵されている水は、ポンプ12により気化器60に供給される。
燃料タンク30は、硫黄原子換算で0.6〜8質量ppmの硫黄化合物を含有する炭化水素を燃料として格納する。炭化水素としては、都市ガス、LPガス、LNG、ナフサ、ガソリン、灯油などが用いられる。燃料タンク30に格納されている燃料は、燃料ポンプ14により、脱硫器50を経て、水タンク10から供給される水に混合される。また、燃料タンク30に格納されている燃料の一部は、改質器70を加温するためのバーナ17に供給される。バーナ17への燃料の供給量は、燃料ポンプ14の下流側に設けられた分配弁15の分配比を調整することにより適宜変更される。分配弁15の調整は、後述する制御部200によって制御される。
脱硫器50は、例えば銅−亜鉛系あるいはニッケル−亜鉛系の収着剤を有する。燃料タンク30から供給された燃料は、脱硫器50を通過する際に脱硫される。
気化器60は、水タンク10から供給された水が水蒸気になるように加熱する。気化器60によって生成した水蒸気と燃料は、改質器70に供給される。改質器70は、バーナ17の燃焼熱によって所定の温度に加熱される。
改質器70は、上述した水蒸気改質用触媒を有する。改質器70において、燃料が水蒸気改質により改質される。改質器70で生成した改質ガスは、後述する燃料電池80のアノード84に供給される。上述した水蒸気改質触媒を有する改質器70では、水蒸気改質反応のほか、部分酸化反応、または自己熱改質反応を適用することができる。なお、その際は、部分酸化反応では空気(または酸素)を燃料と共に改質器へ供給し、自己熱改質反応では空気(または酸素)を燃料、水と共に改質器へ供給する。さらに、上述した水蒸気改質触媒を有する改質器70では、改質器70を水蒸気改質反応状態へと起動する際に、部分酸化反応、及び自己熱反応を経由することにより改質器70に充填された改質触媒を内部から加温することができるため、改質器70を外部のみから加熱する場合と比較して、迅速に起動することが可能である。
本実施の形態の燃料電池80は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)である。燃料電池80は、電解質82、アノード84、およびカソード86を有する。
電解質82は、SOFCの電解質として公知のものを使用することができ、例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。
アノード84は、電解質82の一方の側に設けられている。アノード84は、例えば、金属触媒と酸化物イオン導電体からなるセラミックス粉末材料を含む。アノード84に用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等が挙げられる。
カソード86は、電解質82の他方の側に設けられている。カソード86は、例えば、Mn、Fe、Co、Ni等を含むペロブスカイト型酸化物により形成される。
アノード84に改質器70で生成した改質ガスが供給され、カソード86に酸化剤として空気が供給されると、燃料電池80において電極反応が進行する。電極反応に伴い、電気負荷90を含む外部回路において、アノード84からカソード86に向かって電子が移動し、電力が取り出される。
アノード84から排出されるアノードオフガスは、バーナ17に供給され、バーナ17の燃料用燃料として用いられる。また、カソード86から排出されるカソードオフガスは、必要に応じて熱回収された後、系外に排出される。
制御部200は、燃料電池80の起動、停止や燃料電池80の発電量の制御を行う。具体的には、制御部200は、水ポンプ12を制御し、水蒸気改質に用いられる水の供給量を調整するとともに、燃料ポンプ14を制御し、改質器70に供給される燃料の量を調整する。この他、本実施の形態では、バーナ17の燃焼熱による改質器70の加温を制御する。具体的には、制御部200は、分配弁15の分配比を調節することでバーナ17に供給される燃料の量を調節するとともに、送風ファン(図示せず)等を制御して、バーナ17に供給される空気の量を調節することにより、改質器70の温度が所定の範囲になるように、バーナ17の燃焼状態を制御する。
本実施の形態では、制御部200は、燃料電池システム100の起動時に、改質器70に水蒸気と燃料を供給するとともに、改質器70の入口部分の温度が250〜400℃となるようにバーナ17の燃焼状態を制御する。制御部200によるバーナ17の燃焼状態の制御は、改質器70に温度センサ(図示せず)を設け、温度センサで検出された改質器70の入口部分の温度に基づくフィードバック制御を行う方法や、バーナ17の燃焼状態と改質器70の入口部分の温度との関係を事前にメモリ等にデータとして保持し、このデータに基づいてバーナ17の燃焼状態を制御する方法を採用することができる。改質器70内の温度は、入口部分に対して下流側になるほど上昇する。なお、燃料電池システム100の起動時の改質器70の温度以外の典型的な諸条件は以下のとおりである。
・S/C(スチーム/カーボンモル比):2.0以上
・O2/C(酸素/カーボンモル比):0.2〜0.6
・GHSV(ガス空間速度):50〜3.000h−1
・圧力:常圧〜
・S/C(スチーム/カーボンモル比):2.0以上
・O2/C(酸素/カーボンモル比):0.2〜0.6
・GHSV(ガス空間速度):50〜3.000h−1
・圧力:常圧〜
燃料電池システム100の起動時に、上述した成分の水蒸気改質用触媒を有する改質器70の入口部分の温度を250〜400℃とすることにより、部分酸化反応が進行し、水素が生成する。また、部分酸化反応による反応熱(自己熱)により、水蒸気改質用触媒の温度が徐々に上昇する。この結果、部分酸化反応によって生成した水素と自己熱により、自己熱改質反応が進行し、水蒸気改質用触媒に含まれるニッケル(B)の還元が促進される。この後、水蒸気改質反応を進行させることにより、水蒸気改質用触媒の活性の向上が図られる。
以上説明した燃料電池システム100によれば、起動時において、水蒸気改質用触媒の活性を向上させるための前処理として、改質器70を高温に加熱する処理を行うことなく、水蒸気改質用触媒に含まれるニッケル(B)の還元の促進を図ることができる。このため、水蒸気改質用触媒を有する改質器の起動、ひいては当該改質器を有する燃料電池システムの起動を簡便な構成にて素早く行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
細孔容積0.53ml/g、B.E.T.比表面積150m2/gで直径2〜4mmの球形に成形されたγ−アルミナ担体を、150℃で2時間乾燥した後、硝酸セリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気下400℃で4時間焼成した。これに硝酸ストロンチウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気の雰囲気下800℃で4時間焼成処理を行って、γ−アルミナ担体100質量部に対して酸化セリウムの含有量が12質量部、酸化ストロンチウムの含有量が3質量部の割合となる無機酸化物担体を得た。
細孔容積0.53ml/g、B.E.T.比表面積150m2/gで直径2〜4mmの球形に成形されたγ−アルミナ担体を、150℃で2時間乾燥した後、硝酸セリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気下400℃で4時間焼成した。これに硝酸ストロンチウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気の雰囲気下800℃で4時間焼成処理を行って、γ−アルミナ担体100質量部に対して酸化セリウムの含有量が12質量部、酸化ストロンチウムの含有量が3質量部の割合となる無機酸化物担体を得た。
次に、得られた無機酸化物担体に対して、硝酸ニッケル、硝酸パラジウムを含む水溶液を含浸させ、30分静止後に150℃で4時間乾燥した後、大気中500℃で3時間焼成した。その結果、γ−アルミナ担体100質量部に対してニッケルの担持量が10質量部、パラジウムの担持量が0.1質量部の触媒36gを得た。
LPGを燃料とし、GHSV:140h−1、S/C比:2.7、改質器の入口温度:250℃、O2/C(酸素/カーボンモル比):0.3の起動時反応条件にて、10本の枝管付き改質器の複数箇所において、実施例の水蒸気改質用触媒の活性を評価した。具体的には、改質器出口の温度が600℃で一定となる様に改質器の加熱手段(電気ヒータ)を制御しながら、改質器を部分酸化反応、自己熱改質反応を経由させた起動処理後に、水蒸気改質反応を2時間行った後、反応を停止する処理を1サイクルとして、10サイクルの処理を実施した。なお、各サイクル間の反応停止時間は、5時間とした。
図2は、実施例の水蒸気改質用触媒を用いた場合の触媒の改質器における相対位置とC1転化率(LPG中の全炭素成分のうち、水蒸気改質反応、自己熱反応後にC1化合物(一酸化炭素、二酸化炭素、メタン)に転化した割合)との関係を示すグラフである。
図2に示すように、1サイクル目(初期活性)に比べて、5サイクル目、10サイクル目とサイクルを繰り返すにつれて、各相対位置におけるC1転化率が上昇し、水蒸気改質用触媒全体で触媒活性が向上することが確認された。
(比較例)
細孔容積0.53ml/g、B.E.T.比表面積150m2/gで直径2〜3mmの球形に成形されたγ−アルミナ担体を、150℃で2時間乾燥した後、硝酸セリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気下400℃で4時間焼成した。これに硝酸ストロンチウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気の雰囲気下800℃で4時間焼成処理を行って、γ−アルミナ担体100質量部に対して酸化セリウムの含有量が12質量部、酸化ストロンチウムの含有量が3質量部の割合となる無機酸化物担体を得た。
細孔容積0.53ml/g、B.E.T.比表面積150m2/gで直径2〜3mmの球形に成形されたγ−アルミナ担体を、150℃で2時間乾燥した後、硝酸セリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気下400℃で4時間焼成した。これに硝酸ストロンチウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で4時間乾燥した後、空気の雰囲気下800℃で4時間焼成処理を行って、γ−アルミナ担体100質量部に対して酸化セリウムの含有量が12質量部、酸化ストロンチウムの含有量が3質量部の割合となる無機酸化物担体を得た。
次に、得られた無機酸化物担体に対して、硝酸ニッケル、白金を含む水溶液を含浸させ、150℃で3時間乾燥した後、大気中500℃で3時間焼成した。その結果、γ−アルミナ担体100質量部に対してニッケルの担持量が12質量部、白金の担持量が0.1質量部の触媒36gを得た。
まず、前処理として、100%水素ガス、500℃、GHSV:300h−1の条件下での還元処理を3時間実施した。この後、LPGを燃料とし、GHSV:140h−1、S/C比:2.7、改質器の入口温度:250℃、O2/C(酸素/カーボンモル比):0.3の起動時反応条件にて、10本の枝管付き改質器の複数箇所において、実施例の評価方法と同様に、比較例の水蒸気改質用触媒の活性を評価した。
図3は、比較例の水蒸気改質用触媒を用いた場合の改質器における触媒の相対位置とC1転化率との関係を示すグラフである。図3に示すように、1サイクル目(初期活性)に比べて、5サイクル目、10サイクル目とサイクルを繰り返すにつれて、各相対位置におけるC1転化率が低下し、水蒸気改質用触媒全体で触媒活性が低下することが確認された。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の実施の形態では、燃料電池80としてSOFCが例示されているが、燃料電池80はSOFCに限定されず、固体高分子形燃料電池(PEFC)としてもよい。この場合には、改質器70の下流側にシフト反応器や一酸化炭素選択酸化反応器を設ける構成とし、アノード84に供給される改質ガス中の一酸化炭素濃度を低下させることが好適である。
10 水タンク、12 水ポンプ、14 燃料ポンプ、30 燃料タンク、14 燃料ポンプ、50 脱硫器、60 気化器、70 改質器、80 燃料電池、90 電気負荷、100 燃料電池システム、200 制御部
Claims (5)
- アルミナを含む無機酸化物担体と、
前記無機酸化物担体に担持され、担持量が前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のニッケルと、
前記ニッケルを担持する前記無機酸化物担体に担持され、担持量が前記アルミナ100質量部に対して0.01〜1.0質量部のパラジウムと、
を含む水蒸気改質用触媒。 - 前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量部のアルカリ土類金属の酸化物を含む請求項1に記載の水蒸気改質用触媒。
- 前記アルミナ100質量部に対して3〜15質量%の希土類金属の酸化物を含む請求項1または2に記載の水蒸気改質用触媒。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水蒸気改質用触媒を有する改質器。
- 請求項4に記載の改質器と、
前記改質器で改質された改質ガスを用いて発電する燃料電池と、
前記改質器を加熱する加熱手段と、
を備え、
前記改質器の起動時に、前記改質器に水素および水蒸気を供給し、前記加熱手段により前記改質器の入口部分の温度を250〜400℃に加温することを特徴とする燃料電池システム。
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JP2018176074A (ja) * | 2017-04-13 | 2018-11-15 | 伊藤忠セラテック株式会社 | 水素製造用触媒及びその製造方法 |
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