JP2014183157A - 電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法 - Google Patents

電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置を得ることを目的としている。
【解決手段】一方の面に導体パターン22aが形成された絶縁基板2と、導体パターン22aに接合された電力用半導体素子4と、一端に形成された接合面3jが、導体パターン22aの主面2fから内部に食い込むように接合された電極端子3と、を備え、電極端子3の接合面3jのうち、導体パターン22aの内部に食い込んだ部分の少なくとも1対の相対向する両側部(傾斜部3r)が、導体パターン22aの主面に向かって外側に傾斜している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力用半導体装置に関し、とくに超音波接合により電極端子を接合した電力用半導体装置の構成およびその製造方法に関するものである。
電力用半導体装置においては、効率的に大電流を流すために電極端子を大面積で接合する必要があるため、電極端子の接合にはんだ接合が用いられてきた。しかし、電力用半導体装置が使用される温度環境が過酷化するに従って、従来のはんだ接合では要求される信頼性を満足できない可能性が生じてきた。また、絶縁基板とベース板とがはんだ接合されている場合、電極端子をはんだ接合する際の加熱によって、ベース板と絶縁基板とを接合しているはんだが再溶融することが考えられるため、融点の近いはんだを用いることができない。そのため、種類の異なるはんだを使い分ける必要が生じ、プロセスが複雑になるという問題があった。
これらの問題を解決する方法として、絶縁基板上の導体パターンに対し、電極端子を超音波接合する方法がある。超音波接合は固相接合で加熱工程を必要としないため、電極端子の接合時にベース板と絶縁基板を接合しているはんだを再溶融させることはない。また、電極端子を大面積で接合することができる上に、はんだ接合と比較して接合部の信頼性も向上させることができる。
しかし、超音波接合は、被接合材料を超音波ホーンで加圧しながら超音波振動させることにより、接合界面に形成されている酸化膜や付着している汚れを除去し、新生面同士を密着させて接合層を形成する技術である。そのため、導体パターンの接合部周辺において、接合時に導体パターンが応力集中を起こすことで破壊することが考えられる。そこで、導体パターンに、電極端子や導体パターンよりも硬い物質でコーティング層を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2011−61105号公報(段落0018〜0019、図6、図7)
しかしながら、上述した技術は、導体パターンにコーティング層を形成するための工程が必要になる上、接合時にはコーティング層を破壊するために、コーティング層がない場合と比較して、より大きな加圧力とより長い接合時間が必要となる。さらに、接合部内にコーティング材が局所的に混ざるため、強度低下の要因となることが懸念される。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置を得ることを目的としている。
本発明にかかる電力用半導体装置は、一方の面に導体パターンが形成された絶縁基板と、前記導体パターンに接合された電力用半導体素子と、一端に形成された接合面が、前記導体パターンの主面から内部に食い込むように接合された電極端子と、を備え、前記電極端子の接合面のうち、前記導体パターンの内部に食い込んだ部分の少なくとも1対の相対向する両側部が、前記導体パターンの主面に向かって外側に傾斜していることを特徴とする。
本発明にかかる電力用半導体装置の製造方法は、絶縁基板に形成された導体パターンに、電力用半導体素子を接合する工程と、一端に接合面が形成された電極端子を、超音波接合を用いて前記導体パターンに接合する工程と、を含み、前記接合面の少なくとも1対の相対向する両側部は、前記接合面に向かって内側に傾斜するように形成されており、前記相対向する両側部が前記超音波接合の振動方向と交差するように前記超音波接合が行われることを特徴とする。
この発明によれば、超音波接合で生ずる応力を緩和するとともに、強固な接合層を形成できるので、大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の構成を説明するための部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の構成を説明するための、電極端子の接合面側から見たときの平面図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の製造方法を説明するための、導体パターンと電極端子との接合部分の各工程における断面図である。 本発明の変形例にかかる電力用半導体装置の構成を説明するための、導体パターンと電極端子との接合部分の断面図である。 比較例の電力用半導体装置の構成を説明するための部分断面図である。 比較例の電力用半導体装置の製造方法を説明するための、導体パターンと電極端子との接合部分の各工程における断面図である。
実施の形態1.
図1〜図3は、本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置の構成を説明するための図である。図1は電力用半導体装置の部分断面図、図2は電力用半導体装置を構成する電極端子の接合面側から見たときの平面図で、図2(a)は超音波接合時における振動方向が紙面の横方向の場合に用いる電極端子の形状、図2(b)は振動方向が紙面の縦方向の場合に用いる電極端子の形状を示す。そして、図3は絶縁基板に形成された導体パターンと電極端子との接合部分の各工程における部分断面図で、図3(a)は導体パターンに接合対象の電極端子を載置した状態、図3(b)は超音波ホーンを用いて接合を進行させている途中の状態、図3(c)は超音波接合が完了した時の状態である。また、図4(a)および図4(b)は、電極端子の形状の変形例を示すためのもので、導体パターンと電極端子との接合部分の部分断面図である。
また、図5と図6は比較例の電力用半導体装置の構成を説明するためのもので、それぞれ本実施の形態1にかかる電力用半導体装置の説明に用いる図1と図3に対応する。なお、本実施の形態および変形例等に用いる図において、同一または同様の構成部分については同じ符号を付している。それぞれの図では、対応する各構成部のサイズや縮尺は独立しており、例えば構成の一部を変更した断面図の間で、変更されていない同一構成部分の図示において、同一構成部分のサイズや縮尺が異なっている場合もある。また、電力用半導体装置の構成は、実際にはさらに複数の部材を備えているが、説明を簡単にするため、説明に必要な部分のみを記載し、他の部分については省略している(例えば他の配線部材や、ケース等)。
図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置1は、基材21の両側に導体パターン22a、22bが形成された絶縁基板2と、絶縁基板2の放熱面側の導体パターン22bにはんだ6によって接合された冷却部材5と、絶縁基板2の回路面側の導体パターン22aにはんだ6によって接合された、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電力用半導体素子4と、導体パターン22aに超音波接合によって接合された電極端子3とを備えている。以下、詳細に説明する。
電力用半導体素子4は、インバータやコンバータ等を構成するためのスイッチング素子や整流素子である。本実施の形態にかかる電力用半導体装置1は、少なくとも1個以上の電力用半導体素子によって構成されていればよいが、IGBTもしくはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)がダイオードと逆並列に接続されていることが好ましい。電力用半導体素子4の材料には、シリコン(Si)や炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)系材料等が用いられるが、Siと比較して、SiC、GaN系材料、ダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体材料と呼ばれる材料を用いた素子の方が動作温度が高く、定格電流に対する表面電極の面積が小さい。そのため、ワイドバンドギャップ半導体材料を用いた電力用半導体素子の方が、Siの場合と比較して、より高密度で高耐熱の配線技術が求められる。
絶縁基板2は絶縁性の基材21と基材21の両側に形成された導体パターン22a、22bより成る。基材21は電気的な絶縁物であり、熱伝導率の大きい材料が好ましく、一般的には厚さ0.635mmや0.32mmの窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)あるいは酸化アルミニウム(Al)等のセラミック板が用いられる。導体パターン22aと22bは同じ材料が用いられる。このうち、電極端子3が接合される導体パターン22aには、電力用半導体素子4が実装されており、この導体パターン22aは、電力用半導体素子4と外部回路とを電気接続するための配線部材であるため、電気抵抗の小さい金属が好ましい。そのため、導体パターン22a、22bには、一般的には厚さ0.5mm以下程度の銅(Cu)やアルミニウム(Al)等が用いられる。
電極端子3は、電力用半導体素子4と外部回路とを電気接続するための配線部材であるので、電極端子3の材料も電気抵抗の小さい金属が好ましい。一般的には銅やアルミニウム等の板金を切断したものやプレス加工したものが用いられ、一端に導体パターン22aと超音波接合を行うための接合端部が形成され、他端側は他の回路部材や外部回路と電気接続されるようになっている。また、通電可能な電流を大きくするためには、電極端子3の断面積を大きくする方が好ましいが、超音波接合時に接合面3jの反対側の面3zに印加されたパワーを接合面3jに伝わり易くするには、厚さが薄い方が好ましい。そのため、電極端子3を構成する板材、あるいは、少なくとも導体パターン22aと対向する接合面3jを設ける部分の厚さは0.5mm〜1.5mm、幅は2.0mm〜6.0mm程度が好ましい。
そして、本発明の実施の形態にかかる電力用半導体装置1の特徴は、図1および図2(a)に示すように、電極端子3の接合端部の接合面3j側の超音波接合の振動方向Dv(x方向)に沿った両端に、接合面3j(xy面)に対して傾斜した傾斜部3rが設けられていることである。つまり、接合面3jに垂直(z方向)で、振動方向Dvに平行(x方向)な断面(zx面)において、電極端子3の接合端部のうち、少なくとも接合対象(図では導体パターン22a)に食い込んだ部分の両端が、深くなるほど内側になるように傾斜している。
この場合、接合面3jを矩形とみなすと、振動方向Dvに直交する両辺に傾斜部3rが設けられることになる。そのため、振動方向Dvがy方向の場合、図2(b)に示すように、x方向に交差する辺に傾斜部3rが形成されることになる。
冷却部材5は、単体または複数枚の絶縁基板2とはんだ6によって接合され、自身が放熱板としての役割を果たす。また、冷却部材5のはんだ6で接合される面の反対側の面に、熱伝導グリス等でヒートシンクを接続することで、電力用半導体装置1で発生した熱を効率よく外部へ放熱させることができる。そのため、冷却部材5の材料は熱伝導率の大きい金属が好ましく、一般的には厚さ1〜5mm程度の銅やアルミニウム、あるいはSiCウィスカー強化アルミニウム等の金属板が用いられる。
はんだ6は、絶縁基板2の放熱面側(導体パターン22b)と冷却部材5を接合する。そのため、はんだ6の材料は融点が低く、熱伝導率の大きい金属が好ましく、一般的に錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、銅等を用いた合金が用いられる。また、その厚さは信頼性と放熱性の観点から、0.1mm〜0.3mm程度が好ましい。
つぎに、このように構成した電力用半導体装置1の製造方法と動作について、図3の工程毎の接合部分近傍の断面図を用いて説明する。
はじめに、図3(a)に示すように、導体パターン22a上に電極端子3を接合面3jが導体パターン22aに接するように載置する。この時、組立中の電力用半導体装置全体が図示しない超音波接合装置に固定されているが、図では電極端子3と導体パターン22a部分のみを記載している。そして電極端子3の接合面3jの反対側の面3zの所定位置に先端が接触するように、超音波ホーン90を下降(z方向)させる。この時、電極端子3と導体パターン22aの表面は酸化膜7等の接合を阻害する膜等によって覆われているため、電極端子3と導体パターン22aが接合されることはない。
つぎに、図3(b)に示すように、超音波ホーン90を電極端子3に対して加圧し、更に、x方向に超音波振動させる。このときの周波数は、例えば、数10kHzであり、振動させながら超音波ホーン90を降下させていく。これにより、導体パターン22aと電極端子3との接触面が摺れて、接触面を覆っている酸化膜7等の、接合を阻害する膜等が除去される。電極端子3の接触面(接合面3j)の反対側の面3z部分には超音波ホーン90の突起部が食い込んでいる。更に接合が進むと、電極端子3の接合面3jの振動方向Dvの両端に位置する傾斜部3rが、接合面3jに近い側から順に導体パターン22aと接合されるため、電極端子3と導体パターン22aとの接触部分(接合界面)の端は、傾斜部3rに沿って振動方向Dvにおける外側に向かって移動する。同時に、除去された酸化膜7s等は傾斜部3rに沿って接触部分の外側に移動する。
最終的には、図3(c)に示すように、導体パターン22aと電極端子3とは、超音波振動により接触面同士が接合され、強固な接合層J2−3が形成される。この時、傾斜部3rを設けたことにより、接合の進行に伴って、接合界面の領域が外側に拡大し、接触面積が大きくなっていく。そのため、超音波接合時の加圧に伴う応力は、接合の進行に伴って、逆に小さくなっていき、導体パターン22aの応力集中による破壊を抑制することができる。また、接合中に除去された酸化膜7s等は、傾斜部3rに沿って接触部分の外側に排斥されるので、接合層J2−3内に残存することもなく、強固な接合が維持できる。
上述したように、電極端子3は超音波ホーン90に加圧されることで、接合面3jは、導体パターン22aの主面2fから内部に向かって沈み込む。ここで、傾斜部3rの高さがこの沈み込み量より低いと、接合完了前に接触部分の端部の外側への位置が、傾斜部3rの端で止まってしまい、それ以上接合面積が広がらなくなってしまう。こうなると、加圧による応力集中が発生し、導体パターン22aが破壊される可能性がある。よって、傾斜部3rの高さは、電極端子3の沈み込み量より高く設定しておくことが好ましい。
例えば、電極端子3と導体パターン22aが共に銅で構成されている場合、超音波接合による電極端子3の沈み込み量は0.1mm程度なので、傾斜部3rの高さは0.2mm以上程度とするのが好ましい。電極端子3が銅、導体パターン22aがアルミニウムで構成されている場合、超音波接合による電極端子3の沈み込み量は0.2mm程度になるため、傾斜部3rの高さは0.3mm以上程度とするのが好ましい。また図3(c)に示すように、傾斜部3rの導体パターン22a内に沈み込んだ部分と導体パターン22aの主面2fとのなす角度αは鋭角になる。
なお、傾斜部3rの接合面3jに垂直で、振動方向Dvに平行な断面形状は、図1に示すような弧状(機械加工でのR面取り)が望ましいが、上述した機能(接触界面の端部移動、酸化膜7s除去)を満たす形状であれば、どのような形状でもかまわない。例えば、上述した機能を満たす傾斜部3rの形状としては、図4(a)に示すような単純傾斜状(機械加工でのC面取り)等がある。さらに、電極端子3が板材の場合、曲げ加工の際の外径部分を傾斜部3rとしても、上述した機能を得ることができる。曲げた端子の先はどのような形状でもかまわないが、例えば図4(b)に示すように、接合端部の先端3tが接合面3jの反対側に向くように2か所を折り曲げて凹型にし、凹部の底面を接合面3jとし、2つの折り曲げ部の外径部分を傾斜部3rとするようにしてもよい。また、接合面3jには図1に示したように平坦部分があってもよいが、接合面3j全体が傾斜するようにしてもよく、弧状になっていてもよい。
一方、電極端子3が、図1に示すように、曲げ加工により接合端部が形成されている場合、曲げ加工の軸と超音波接合の振動方向Dvが直交するように電極端子3を配置すれば、振動方向Dvにおける両端のうち、一端(図中右端)は曲げ加工部になる。通常曲げ加工した外側は弧状に形成されるので、接合面3jの振動方向Dvの両端のうち、一方は、自動的に傾斜部3rとなる。つまり、意図的に傾斜部3rを形成するのは接合面3jの両端の内、端子先端側のみでよい。ただし、超音波接合の振動方向が図2(b)のように曲げ加工の軸と平行な場合、超音波接合の振動方向Dvと交差する接合面3jの端部の両方(両辺)に、意図的に傾斜部3rを形成する必要がある。
ここで、接合面に上述した傾斜部を設けない電極端子を導体パターンに接合した場合(比較例)について、図5と図6を用いて説明する。
比較例にかかる電力用半導体装置1Cは、図5に示すように、電極端子3Cの端面(端部3e)と導体パターン22aの主面2fで形成する角度βは直角となる。その他の構成については、実施の形態1にかかる電力用半導体装置1と同様である。この場合、図6(a)に示すように、導体パターン22aに直角な端面(端部3e)を有する電極端子3Cを載置して超音波接合を開始する。そして接合面3jの両端が接合されるが、引き続き超音波ホーン90によって加圧と超音波振動が加えられても、接触界面のうち、図中左半分の端部の位置は固定されたままで、接触面積が拡大されることはない。そのため、曲げ加工によって右側に生じた傾斜部による接触面積拡大の効果のみで、接合の進行に伴う応力の抑制効果は半減する。
そのため、接合が進行したときに、導体パターン22aの電極端子3の端部3eとの接触部近傍で、図6(c)に示すようにクラックKが生じ、導体パターン22aが破壊されることがある。電力用半導体装置では動作時に電力用半導体素子4に流れる電流は、導体パターン22aを通じて電極端子3に流れているため、導体パターン22aが破壊されると電力用半導体素子4に電流が流れなくなる恐れがある。また、電力用半導体装置1の放熱面に電流が流れないよう、導体パターン22aは絶縁層(基材21)と一体的に形成されているのが一般的である。そのため、導体パターン22aが破壊されると、導体パターン22aと一体的に形成された絶縁層も同時に破壊され、製品の絶縁性が確保できなくなる恐れもある。これを回避するために、超音波印加条件である荷重や振幅を小さく、印加時間を短くするという方法があるが、これは同時に電極端子3と導体パターン22aの接合強度を低下させる要因となり、接合プロセスのマージンを小さくするデメリットがある。
また、超音波接合では接合時の加圧と振動によって、導体パターン22aと電極端子3との接触面同士が摺れて、接触面を覆っている酸化膜7等の、接合を阻害する膜等が除去される。しかし、接合面3jの振動方向に傾斜部3rが形成されていない端部3eがある電極端子3を用いて超音波接合した場合、図6(b)で示すように、除去された酸化膜7のうち、一部7iは、接触部分の外側に排斥されずに、電極端子3の内側へ移動する。このように、接触部分の内側に移動した酸化膜7i等は、図6(c)に示すように、最終的に接合層J2−3の内部に残存してしまうため、その部分は接合されず未接合領域となる。つまり、接合面積が小さくなるため、接合強度や信頼性低下の原因となる。
これに対して、上述した本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置1では、電極端子3の接合面3jに傾斜部3rを設けている。したがって、超音波接合時には、接合が進行するに従って、接触面積が傾斜部3rに沿って接合面3jの内側から外側に広がっていく。そのため、除去された酸化膜7等は傾斜部3rに沿って電極端子3の外側へ排斥され、電極端子3の内側まで接合できるとともに、接合面積を大きくすることができる。接合面積が大きくなれば、それだけ導体パターン22aと電極端子3間の電気抵抗が小さくなり、通電抵抗による発熱が抑えられるため、接合面積が小さい場合と比較してより大電流を流すことが可能となる。
また、電力用半導体装置1では、動作の際の温度変化と、部材間の線膨張係数差によって接合層J2−3に熱応力がかかるとともに、電力用半導体装置1全体の温度変化による変形でも接合層J2−3が引張応力を受けることになる。しかし、接合面積が大きくなれば、接合層J2−3の壊れにくくなるため、信頼性の高い電力用半導体装置1を得ることができる。そのため、通常の電極端子3Cと導体パターン22aの接合と比較して、より大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置1を得ることができる。なお、この接合の進行とともに面積が広がる作用は、傾斜部3rと振動方向Dvとの角度に関わらず生じる。
とくに、電力用半導体素子4にSiC、GaN系材料、ダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体材料と呼ばれる材料を用いた場合、Siに比べてより高温で動作する。そのため、ワイドバンドギャップ半導体材料を用いた電力用半導体素子4を搭載した電力用半導体装置1の方が、温度変化が大きくなり、接合層J2−3に生じる熱応力や引張応力も大きくなる傾向にある。つまり、SiCのようなワイドバンドギャップ半導体材料による電力用半導体素子4を用いた電力用半導体装置1では本発明のメリットがより効果的なものとなるため好ましい。
なお、上記実施の形態において、絶縁基板2に形成された導体パターン22aを電極端子3の接合対象とした例について説明したが、これに限ることはなく、例えば、電力用半導体素子4の表面電極を対象にしてもよい。ただし、一般的な電力用半導体素子4の表面電極の厚みは、導体パターン22aと比べて薄いので、超音波接合の際の電極端子3の沈み込み量が少ない。そのため、傾斜部3rの高さ等の形状は、表面電極に応じ適宜調整する必要がある。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる電力用半導体装置1によれば、一方の面に導体パターン22aが形成された絶縁基板2と、導体パターン22aに接合された電力用半導体素子4と、一端に形成された接合面3jが、導体パターン22aの主面2fから内部に食い込むように接合された電極端子3と、を備え、電極端子3の接合面3jのうち、導体パターン22aの内部に食い込んだ部分の少なくとも1対の相対向する両側部(傾斜部3r)が、導体パターン22aの主面2fに向かって外側に傾斜するように構成したので、接合が進むに従って接合面積が大きくなり、それに伴い加圧による応力が小さくなるため、超音波印加時に生じる加圧による応力集中による導体パターン22aの破壊を防止することができる。よって、通常の電極端子を用いるより接合面積を大きくすることができる。接合面積が大きくなれば、それだけ接合部の電気抵抗が小さくなり、通電抵抗による発熱が抑えられるため、接合面積が小さい場合と比較してより大電流を流すことが可能となる。また、接合面積が大きくなれば電力用半導体装置1の動作による温度変化で生じる、部材間の線膨張係数差によって接合部に生じる熱応力に対しても、電力用半導体装置1全体の温度変化による変形で接合部が受ける引張応力に対しても、接合部が壊れにくくなる。
とくに、電極端子3は、超音波接合によって導体パターン22aと接合されており、相対向する両側部(傾斜部3r)が超音波接合の振動方向Dvと交差しているように構成したので、超音波接合時に形成される接合部の端は傾斜部3rに沿って電極端子3の外側に移動する。これによって、超音波接合時に除去された酸化膜7等は傾斜部3rに沿って接合層J2−3の外側に排斥されるため、酸化膜7が超音波接合によって形成された接合層J2−3内に残存することもない。つまり、被接合材(導体パターン22a、あるいは電力用半導体素子4)への損傷を抑え、しかも、接合強度の高い接合層J2−3が得られる。つまり、大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置1を得ることができる。
また、本実施の形態1にかかる電力用半導体装置1の製造方法によれば、絶縁基板2に形成された導体パターン22aに、電力用半導体素子4を接合する工程と、一端に接合面3jが形成された電極端子3を、超音波接合を用いて導体パターン22aに接合する工程と、を含み、接合面3jの少なくとも1対の相対向する両側部(傾斜部3r:図2(a)の左右端、あるいは図2(b)の上下端)は、接合面3jに向かって内側に傾斜するように形成されており、相対向する両側部(傾斜部3r)が超音波接合の振動方向Dvと交差するように超音波接合が行われるように構成したので、接合が進むに従って接合面積が大きくなり、それに伴い加圧による応力が小さくなるため、超音波印加時に生じる加圧による応力集中による導体パターン22aの破壊を防止することができる。さらに、超音波接合時に形成される接合部の端は傾斜部3rに沿って電極端子3の外側に移動する。これによって、超音波接合時に除去された酸化膜7等は傾斜部3rに沿って接合層J2−3の外側に排斥されるため、酸化膜7が超音波接合によって形成された接合層J2−3内に残存することもない。つまり、被接合材(導体パターン22a、あるいは電力用半導体素子4)への損傷を抑え、しかも、接合強度の高い接合層J2−3が得られる。つまり、大電流に対応し、信頼性の高い電力用半導体装置1を得ることができる。
また、導体パターン22aの主面2fに向かって外側に傾斜している部分(傾斜部3r)を弧状(R面取り加工)にしたので、より効果的に除去した酸化膜7sを接合層J2−3の外側へ排斥することができる。
とくに、絶縁基板2の基材21がセラミックである場合、超音波接合時の基材21の損傷を抑制し、絶縁性を保ち信頼性の高い電力用半導体装置1を得ることができる。
1:電力用半導体装置、 2:絶縁基板、 2f:導体パターンの主面、 3:電極端子、 3j:接合面、 3r:傾斜部、 4:電力用半導体素子、 5:ベース板(冷却部材)、 6:はんだ、 21:絶縁基材、 22a,22b:導体パターン、 90:超音波ホーン、
Dv:超音波接合での振動方向、 J3−5:超音波接合による接合層。

Claims (7)

  1. 一方の面に導体パターンが形成された絶縁基板と、
    前記導体パターンに接合された電力用半導体素子と、
    一端に形成された接合面が、前記導体パターンの主面から内部に食い込むように接合された電極端子と、を備え、
    前記電極端子の接合面のうち、前記導体パターンの内部に食い込んだ部分の少なくとも1対の相対向する両側部が、前記導体パターンの主面に向かって外側に傾斜していることを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 前記電極端子は超音波接合によって前記導体パターンと接合されており、
    前記相対向する両側部が前記超音波接合の振動方向と交差していることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。
  3. 前記相対向する両側部が、弧状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力用半導体装置。
  4. 前記電力用半導体素子がワイドバンドギャップ半導体材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  5. 前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料、およびダイヤモンドのうちのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の電力用半導体装置。
  6. 前記絶縁基板の基材がセラミックであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電力用半導体装置。
  7. 絶縁基板に形成された導体パターンに、電力用半導体素子を接合する工程と、
    一端に接合面が形成された電極端子を、超音波接合を用いて前記導体パターンに接合する工程と、を含み、
    前記接合面の少なくとも1対の相対向する両側部は、前記接合面に向かって内側に傾斜するように形成されており、前記相対向する両側部が前記超音波接合の振動方向と交差するように前記超音波接合が行われることを特徴とする電力用半導体装置の製造方法。
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