JP2014181522A - 構造物用両面スライド支承装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時に作用する全方向の水平変位に対して上下スライド面のスライド開始の際の反力を減少する構造物用両面スライド支承装置を提供する。
【解決手段】建築物、橋梁等の構造物の上部構造3と下部構造2の間に配置される構造物用両面スライド支承装置1であって、下部滑り部材5に平行に固定される1対の下部変位伝達部材8と、上部滑り部材7に下部変位伝達部材と直交する方向に平行に固定される1対の上部変位伝達部材と、弾性体12の上部に固定され下部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部15aを有し、上部取付板15と、弾性体の下部に固定され上部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部、下部取付板17と、を備え、地震時に作用する水平全方向の変位に対し、上部スライド面及び下部スライド面が弾性体を介して互いに直交する水平方向に相対変位する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物、橋梁等の構造物の上部構造と下部構造との間に設置される構造物用両面スライド支承装置に関し、特に、地震時に上下構造部に作用する水平全方向の変位にを介した上下スライド面の互いに直交する水平方向の相対変位で吸収し、鉛直方向上下の変位に対して弾性体を圧縮変形することにより吸収する構造物用両面スライド支承装置に関する。
兵庫県南部地震以降、高減衰ゴム系の免震支承や鉛プラグ入り積層ゴム支承等を用いて長周期化と高減衰化により地震力の低減と耐震性の向上を図る免震構造が一般的に採用されるようになってきている。機能分離型の支承構造として、鉛直荷重を受け持つ鉛直荷重支持支承と水平力を受け持つ水平力分散支承を組み合わせた支承構造が採用される事例が増えつつある。
また、構造物の免震又は制震支承装置として、上部構造と下部構造の間に上下両面をスライド面とした弾性支承を配置し、上下両面のスライド面の摩擦力により地震時下部構造に作用する水平変位を低減して上部構造に伝達する構造物用両面スライド支承装置が提案されている。
特開2001−140976号公報 特開2002−39266号公報
従来の構造物用両面スライド支承は、水平一方向の変位に対して上下構造が相対変位するものであり、地震時に作用する水平全方向の変位に対して対応するものではなかった。また、変位制限のためのストッパーを配置する必要があり、複雑な構成となるという問題を有する。さらに、地震時に上下構造部に作用する鉛直方向上下の変位に対して、鉛直方向下向きの変位に対しては、弾性体が圧縮変形して吸収するが、鉛直方向上向きの変位に対しては、弾性体に引張力が作用し、ゴム等の弾性体は引張許容値があるため弾性体に作用する引張力に対応するため弾性体の面積及び厚みが大きくしなければならず、小型化、薄型化が要望される構造物用支承の技術分野において好ましいものではなかった。また、上下スライド面が地震時の相対変位に対してスライド開始する際の反力は連続スライド時の反力より20〜30%大きい値となる。このスライド開始時の増大した反力により、連続スライド時の反力によって設計された取り付けボルト等の破損が発生し、ダンパー機能を発揮することなく支承にダメージを与えるという問題があった。
本発明は、前記従来技術の持つ問題点を解決する、構造が簡単で、地震時に作用する全方向の水平変位に対して弾性体を介した上下スライド面のスライドにより大幅に減衰して上部構造に伝達することが可能で、上下構造に作用する鉛直方向の正負の変位にたいして弾性体が圧縮変形して吸収することが可能で、上下スライド面のスライド開始の際の反力を減少することが可能な構造物用両面スライド支承装置を提供することを目的とする。
本発明の構造物両面スライド支承装置は、前記課題を解決するために、建築物、橋梁等の構造物の上部構造と下部構造の間に配置される構造物用両面スライド支承装置であって、下部構造側に配置された下部滑り部材に平行に固定される1対の下部変位伝達部材と、上部構造側に配置された上部滑り部材に前記下部変位伝達部材と直交する方向に平行に固定される1対の上部変位伝達部材と、弾性体の上部に固定され前記下部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記上部滑り部材と上部スライド面を形成する上部取付板と、前記弾性体の下部に固定され前記上部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記下部滑り部材と下部スライド面を形成する下部取付板と、を備え、地震時に作用する水平全方向の変位に対し、前記上部スライド面及び前記下部スライド面が前記弾性体を介して互いに直交する水平方向に相対変位して吸収することを特徴とする。
また、本発明の構造物用両面スライド支承装置は、前記上部取付板は、前記下部変位伝達部材と係合し水平一方向の変位を伝達する係合突起部を有し、前記下部取付板は、前記上部変位伝達部材と係合し前記上部取付板の水平変位方向と直交する方向の変位を伝達する係合突起を有し、前記下部変位伝達部材の上端に上フランジ部を形成し、前記上フランジ部の下面と前記上部取付板の係合突起部に形成した上向きの段差部を当接して鉛直方向下向きの変位伝達面とし、前記上部変位伝達部材の下端に下フランジ部を形成し、前記下フランジ部の上面と前記下部取付板の係合突起部に形成した下向きの段差部を当接して鉛直方向上向きの変位伝達面とし、鉛直方向の上下の変位に対して前記弾性体を圧縮変形して吸収することを特徴とする。
また、本発明の構造物用両面スライド支承装置は、前記下部変位部材と前記上部取付板の係合突起部との当接面、又は前記上部変位部材と前記下部取付板と係合突起部との当接面間のいずれかに弾性部材を配置し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することを特徴とする。
また、本発明の構造物用両面スライド支承装置は、前記上部スライド面の摩擦係数と前記下部スライド面の摩擦係数を異なるように設定し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することを特徴とする。
また、本発明の構造物用両面スライド支承装置は、前記上部スライド面及び前記下部スライド面の摩擦係数を0.1〜0.15とすることを特徴とする。
建築物、橋梁等の構造物の上部構造と下部構造の間に配置される構造物用両面スライド支承装置であって、下部構造側に配置された下部滑り部材に平行に固定される1対の下部変位伝達部材と、上部構造側に配置された上部滑り部材に前記下部変位伝達部材と直交する方向に平行に固定される1対の上部変位伝達部材と、弾性体の上部に固定され前記下部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記上部滑り部材と上部スライド面を形成する上部取付板と、前記弾性体の下部に固定され前記上部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記下部滑り部材と下部スライド面を形成する下部取付板と、を備え、地震時に作用する水平全方向の変位に対し、前記上部スライド面及び前記下部スライド面が前記弾性体を介して互いに直交する水平方向に相対変位して吸収することで、全水平方向の変位に対して弾性体を介した上下スライド面のスライドによる摩擦及び弾性体の弾性変形により地震エネルギーを減衰することが可能となる。また、地震時に下部構造に作用する水平変位に対して、弾性体の上下固定部で相反する方向に変位させ、上部構造に伝達される水平変位量を低減することが可能となる。
上部取付板は、下部変位伝達部材と係合し水平一方向の変位を伝達する係合突起部を有し、下部取付板は、上部変位伝達部材と係合し上部取付板の水平変位方向と直交する方向の変位を伝達する係合突起を有し、下部変位伝達部材の上端に上フランジ部を形成し、上フランジ部の下面と上部取付板の係合突起部に形成した上向きの段差部を当接して鉛直方向下向きの変位伝達面とし、上部変位伝達部材の下端に下フランジ部を形成し、下フランジ部の上面と下部取付板の係合突起部に形成した下向きの段差部を当接して鉛直方向上向きの変位伝達面とし、鉛直方向の上下の変位に対して前記弾性体を圧縮変形して吸収することで、地震時、上下構造に作用する鉛直方向上下向きの変位に対していずれの場合も弾性体の圧縮変形で吸収するため、弾性体を構成するゴム等の引張許容値に留意する必要がなく、支承の小型化、薄型化を実現することが可能となる。
下部変位部材と前記上部取付板の係合突起部との当接面、又は前記上部変位部材と前記下部取付板と係合突起部との当接面間のいずれかに弾性部材を配置し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することで、両面スライド方式の地震時の初期反力を低く抑えることが可能となる。
上部スライド面の摩擦係数と下部スライド面の摩擦係数を異なるように設定し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することで、両面スライド方式の地震時の初期反力を低く抑えることが可能となる。
上部スライド面及び下部スライド面の摩擦係数を0.1〜0.15とすることで、両面スライド方式の地震時の初期反力を低く抑えることが可能となる。
本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)(c)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。 (a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
本発明の構造物用両面スライド支承装置1の実施の形態を図により説明する。図1は、本発明の構造物用両面スライド支承装置1の一方向から見た側面図であり、図2は、一方向の直角方向から見た側面図である。
構造物用両面スライド支承装置1は、下部構造2と上部構造3の間に配置される。下部構造2に下部構造2に埋設設置されたアンカーボルト4により下部滑り部材5が固定される。上部構造3にセットボルト6により上部滑り部材7が固定される。下部滑り部材5及び上部滑り部材7は、摩擦係数の小さいステンレススチール等で形成される。
図3(a)(b)(c)に示すように、下部滑り部材5に1対の下部変位伝達部材8が固定ボルト9により間隔L1をおいて平行に固定される。下部変位伝達部材8を溶接により下部滑り部材5に固定しても良い。下部変位伝達部材8は、L2の横幅を有し、その上端部の両側端に横方向に伸びる上フランジ部8aが形成される。また、下部変位伝達部材8は平面状の前面部8bと側面部8cを有する。
図4(a)(b)に示すように、上部滑り部材7に1対の上部変位伝達部材10が固定ボルト11により間隔L3をおいて下部変位伝達部材8と直交する方向に平行に固定される。上部変位伝達部材10を溶接により上部滑り部材7に固定しても良い。上部変位伝達部材10は、L4の横幅を有し、その上端部の両側端に横方向に伸びる下フランジ部10aが形成される。また、上部変位伝達部材10は平面状の前面部10bと側面部10cを有する。
下部滑り部材5と上部滑り部材7との間に弾性体12が配置される。図5に示すように、弾性体12は、ゴムと補強鋼板を交互に複数積層した積層ゴムが用いされる。弾性体12の上下には、上連結鋼板13と下連結鋼板14が加硫一体成形により配置される。弾性体2としては、積層ゴム以外に高減衰性ゴム、積層ゴムに鉛プラグを挿入した鉛プラグ入り積層ゴムとしても良い。
上連結鋼板12に上部取付板15が固定ボルト16により固定される。図6に示されるように、上部取付板15の横方向の両端に1対の係合突起部15aが間隔L5で形成される。上部取付板15の係合突起部15aを除く横方向の長さをL6とする。図7に示すように、係合突起部15aには上向きの段差部15bが形成される。上部取付板15には、固定ボルト16を挿入する固定ボルト挿通穴15cが形成され、固定ボルト挿通穴15cの上部に固定ボルト16の頭部を収容する大径部が形成される。固定ボルト挿通穴15cに大径部を形成することにより、固定ボルト16で固定する際、固定ボルト16の頭部が上部取付板15の上面から突出しない。上部取付板15の上面は上部滑り部材7と上部スライド面を形成するので、上部取付板15を摩擦係数の小さい表面を磨いたステンレススチールで形成するか、上面に4フッ化エチレン等の低摩擦材を設置する。
下連結鋼板14に下部取付板17が固定ボルト18により固定される。図6に示されるように、下部取付板17の横方向の両端に1対の係合突起部17aが間隔L7で形成される。係合突起部17aの向きは係合突起部15aの向きと直交する方向とする。下部取付板17の係合突起部17aを除く横方向の長さをL8とする。図8に示すように、係合突起部17aには下向きの段差部17bが形成される。下部取付板17には、固定ボルト18を挿入する固定ボルト挿通穴17cが形成され、固定ボルト挿通穴17cの下部に固定ボルト18の頭部を収容する大径部が形成される。固定ボルト挿通穴17cに大径部を形成することにより、固定ボルト18で固定する際、固定ボルト16の頭部が下部取付板17の下面から突出しない。下部取付板17の下面は下部滑り部材5と下部スライド面を形成するので、下部取付板17を摩擦係数の小さい表面磨いたステンレススチールで形成するか、下面に4フッ化エチレン等の低摩擦材を設置する。
上部取付板15と下部変位伝達部材8の係合状態を図9(a)(b)により説明する。1対の平行に配置された下部変位伝達部材8間の間隔L1と上部取付板15の係合突起部15aを除く長さL6はほぼ同じ長さで、1対の係合突起部15a間の間隔L5は、下部変位伝達部材8の横方向の長さL2とほぼ同じ長さとする。その結果、上部取付板15の係合突起部15a間の側辺部15dは下部変位伝達部材8の前面部8bに当接する。1対の係合突起部15aの内側側面は下部変位伝達部材8の側面部8cと当接し、X−X方向の相対変位に対する変位伝達面Zを形成する。Y−Y方向の相対変位に対しては、上部取付板15の係合突起部15a間の側辺部15cが下部変位伝達部材8の前面部8bに当接し阻止する。係合突起部15aの上向きの段差部15bが上フランジ部8aの下に当接する。図9(b)に示すように、上フランジ部8aの上面は、上部取付板15の上面より下に位置する。上フランジ部8aと上向きの段差部15bの当接面は、鉛直方向下向きの相対変位の伝達面となる。
下部取付板17と上部変位伝達部材10の係合状態を図10(a)(b)により説明する。1対の平行に配置された上部変位伝達部材10間の間隔L3と下部取付板15の係合突起部17aを除く長さL8はほぼ同じ長さで、1対の係合突起部17a間の間隔L7は、上部変位伝達部材10の横方向の長さL4とほぼ同じ長さとする。その結果、下部取付板17の係合突起部17a間の側辺部17cは上部変位伝達部材10の前面部10bに当接する。1対の係合突起部17aの内側側面は上部変位伝達部材10の側面部10cと当接し、Y−Y方向の相対変位に対する変位伝達面Wを形成する。X−X方向の相対変位に対しては、下部取付板17の係合突起部17a間の側辺部17cが上部変位伝達部材10の前面部10bに当接し阻止する。係合突起部17aの下向きの段差部17bが下フランジ部10aの上に当接する。図10(b)に示すように、下フランジ部10aの下面は下部取付板17の下面より上に位置する。下フランジ部10aと下向きの段差部17bの当接面は、鉛直方向上向きの相対変位の伝達面となる。
構造物用両面スライド支承装置1に水平力が作用した場合について、図12により説明する。
本発明の構造物用両面スライド支承装置1は、上記のように上下構造3,2に取り付けることで全方向の水平応力に対して対応可能である。地震時、下部構造2に作用する水平力は、上部取付板15の1対の係合突起部15aと下部変位伝達部材8の側壁部8cと変位伝達面Zを介して伝達され、上部滑り部材7と上部取付板15間の上部スライド面を介してX−X方向にスライドする。Y−Y方向の水平力は、上部取付板15の係合突起部15a間の側辺部15cが下部変位伝達部材8の前面部8bに当接しているので阻止される。さらに、下部構造2に作用する水平力は、上部取付板15が固定されている弾性体12に伝達される。
通常の弾性支承の場合、水平力が作用すると弾性体12の上下は同じ方向に変形する。本発明の構造物用両面スライド支承装置1は、弾性体12の上に固定された上部取付板15と上部滑り部材7間の上部スライド面がX−X方向のスライドのみが可能で、弾性体12の下に固定された下部取付板17と下部滑り部材5間の下部スライド面がY−Y方向のスライドのみが可能に取り付けられていることで、弾性体12の上部に伝達されたX−X方向の水平力は、弾性体12の中心部を境として逆方向の変位Y−Y方向に変換されて弾性体12の下部に固定された下部取付板17と下部滑り部材5間の下部スライド面を介して上部スライド面のスライド方向と逆方向にスライドする。

弾性体12の上部に固定された上部取付板15の変位方向と、弾性体12の下部に固定された下部取付板17の変位方向が逆方向であるため、上部構造3に伝達される水平変位量は、上部取付板15の水平変位量が差し引かれるため大幅に軽減する。さらに、上部スライド面と下部スライド面でのスライドに伴う摩擦によりそのエネルギーを減衰することが可能となる。
両面スライド支承の場合、地震時に付加される水平力で上部スライド面及び下部スライド面が同時にスライドを開始すると大きな初期反力が発生する。このスライド開始時の増大した反力により、連続スライド時の反力によって設計された取り付けボルト等の破損が発生し、ダンパー機能を発揮することなく支承にダメージを与えるという問題があった。
この問題を解消する一つの手段として、上部スライド面と下部スライド面の摩擦係数を出来る限り小さくする。上部スライド面を形成する上部取付板15と上部滑り部材を摩擦係数の小さい磨いたステンレススチールで形成したり、4フッ化エチレン等の低摩擦材は表面に設置したりし、摩擦係数を0.1〜0.15とする。上部スライド面と下部スライド面の摩擦係数を小さくすることで、地震時に両スライド面で同時にスライドを開始しても初期反力を小さく抑えることが可能となる。
初期反力を抑える他の手段は、上部スライド面と下部スライド面の地震時のスライド開始時間に時間差を持たせることである。スライド開始時間に時間差を持たせる1つの方法として、上部スライド面と下部スライド面の摩擦係数を異なるように設定する。上部スライド面と下部スライド面の摩擦係数を異なるように設定することでスライド開始時間に時間差を設けることにより、初期反力を小さく抑えることが可能になる。
図11(a)(b)により上部スライド面と下部スライド面の地震時のスライド開始時間に時間差を持たせるための他の方法について説明する。下部変位伝達部材8と上部取付板15の係合突起部15aとの変位伝達面Z或いは上部変位伝達部材10と下部取付板17の係合突起部17aとの変位伝達面Wのいずれか1方に弾性部材19を介在させることより、上部スライド面と下部スライド面の地震時のスライド開始時間に時間差を持たせることができ、初期反力を小さく抑えることが可能になる。弾性部材19としては、樹脂、ゴム等を用いる。鉛等の変形可能な金属を用いても良い。
構造物用両面スライド支承装置1に鉛直方向上下の変位が作用した場合について説明する。
通常の弾性支承の場合、鉛直方向上向きの変位が作用すると弾性体に引張力が作用する。本発明の構造物用両面スライド支承装置1の場合、鉛直方向下向きの変位が作用した場合は、上フランジ部8aと上向きの段差部15bの当接面を介して鉛直方向下向きの相対変位を弾性体12に伝達し、弾性体12が圧縮変形して吸収する。構造物用両面スライド支承装置1に鉛直方向上向きの変位が作用した場合、下フランジ部10aと下向きの段差部17bの当接面を介して鉛直方向上向きの相対変位を弾性体12に伝達し、弾性体12が圧縮変形して吸収する。
鉛直方向上向きの変位に対して弾性体12が圧縮変形して吸収することで、弾性体12を構成するゴム等の引張許容値に留意する必要がなく、支承の小型化、薄型化を実現することが可能となる。
以上のように本発明の構造物用両面スライド支承装置によれば、全水平方向の変位に対して上下スライド面を介したスライドにより摩擦により地震エネルギーを減衰することが可能となる。また、両面スライド支承における初期反力を低く抑えることが可能となる。さらに、地震時に下部構造2に作用する水平変位に対して、弾性体の上下固定部で相反する方向に変位させ、上部構造に伝達される水平変位量を低減することが可能となる。また、地震時、上下構造に作用する鉛直方向上下向きの変位に対していずれの場合も弾性体の圧縮変形で吸収するため、弾性体を構成するゴム等の引張許容値に留意する必要がなく、支承の小型化、薄型化を実現することが可能となる。
1:構造物用両面スライド支承装置、2:下部構造、3:上部構造、4:アンカーボルト、5:下部滑り部材、6:セットボルト、7:上部滑り部材、8:下部変位伝達部材、8a:上フランジ部、8b:前面部、8c:側面部、9:固定ボルト、10:上部変位伝達部材、10a:下フランジ部、10b:前面部、10c:側面部、11:固定ボルト、12:弾性体、13:上連結鋼板、14:下連結鋼板、15:上部取付板、15a:係合突起部、15b:上向き段差部、15c:固定ボルト挿通穴、15d:側辺部、16:固定ボルト、17:下部取付板、17a:係合突起部、17b:下向き段差部、17c:固定ボルト挿通穴、17d:側辺部、18:固定ボルト、19:弾性部材

Claims (5)

  1. 建築物、橋梁等の構造物の上部構造と下部構造の間に配置される構造物用両面スライド支承装置であって、
    下部構造側に配置された下部滑り部材に平行に固定される1対の下部変位伝達部材と、
    上部構造側に配置された上部滑り部材に前記下部変位伝達部材と直交する方向に平行に固定される1対の上部変位伝達部材と、
    弾性体の上部に固定され前記下部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記上部滑り部材と上部スライド面を形成する上部取付板と、
    前記弾性体の下部に固定され前記上部変位伝達部材と係合する1対の係合突起部を有し前記下部滑り部材と下部スライド面を形成する下部取付板と、
    を備え、
    地震時に作用する水平全方向の変位に対し、前記上部スライド面及び前記下部スライド面が前記弾性体を介して互いに直交する水平方向に相対変位して吸収することを特徴とする構造物用両面スライド支承装置。
  2. 前記上部取付板には、前記下部変位伝達部材と係合し水平一方向の変位を伝達する係合突起部を有し、前記下部取付板には、前記上部変位伝達部材と係合し前記上部取付板の水平変位方向と直交する方向の変位を伝達する係合突起を有し、前記下部変位伝達部材の上端に上フランジ部を形成し、前記上フランジ部の下面と前記上部取付板の係合突起部に形成した上向きの段差部を当接して鉛直方向下向きの変位伝達面とし、前記上部変位伝達部材の下端に下フランジ部を形成し、前記下フランジ部の上面と前記下部取付板の係合突起部に形成した下向きの段差部を当接して鉛直方向上向きの変位伝達面とし、鉛直方向の上下の変位に対して前記弾性体を圧縮変形して吸収することを特徴とする請求項1に記載の構造物用両面スライド支承装置。
  3. 前記下部変位部材と前記上部取付板の係合突起部との当接面、又は前記上部変位部材と前記下部取付板と係合突起部との当接面間のいずれかに弾性部材を配置し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物用両面スライド支承装置。
  4. 前記上部スライド面の摩擦係数と前記下部スライド面の摩擦係数を異なるように設定し、地震時の相対変位に対して上部スライド面又は下部スライド面のスライド開始時間に時間差を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物用両面スライド支承装置。
  5. 前記上部スライド面及び前記下部スライド面の摩擦係数を0.1〜0.15とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造物用両面スライド支承装置。
JP2013057720A 2013-03-21 2013-03-21 構造物用両面スライド支承装置 Active JP6148045B2 (ja)

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