JP2014181462A - 鉄筋位置決め装置、及び、鉄筋位置決め装置を用いた曲面スラブ構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋位置決め装置1は、一端部4に鉄筋載台5を有した複数の鉄筋位置決め部材2;2…と、取付板3とを備え、複数の鉄筋位置決め部材2;2…が取付板3の平板面と直交して一方向に沿って間隔を隔てて並ぶように、複数の鉄筋位置決め部材2;2…の各他端部6:6…が取付板3に固定された構成とした。
【選択図】図1
Description
また、曲面に形成された型枠面を有した型枠を用いて曲面スラブを構築する方法が知られている(例えば特許文献2等参照)。
しかしながら、この場合、複数の下側の鉄筋の位置をそれぞれ墨出しによって求めなくてはならず、また、墨出しによって求めた位置に複数の下側の鉄筋を位置決めしていかなくてはならないので、複数の下側の鉄筋を型枠面上に位置決めする作業が煩雑となる。
本発明は、曲面スラブを構築するための型枠の型枠面を形成する曲面に沿った方向に間隔を隔てて複数の鉄筋を簡単かつ容易に位置決めできる鉄筋位置決め装置、及び、当該鉄筋位置決め装置を用いた曲面スラブ構築方法を提供する。
取付板がばね板であり、取付板の平板面が型枠面と平行な曲面に弾性変形するので、弾性変形領域内で使用する限りにおいては、何度でも使用できる鉄筋位置決め装置を提供できる。
複数の鉄筋位置決め部材は、取付板の平板面から一端までの長さが同じになるように各他端部が取付板に固定され、かつ、鉄筋載台から鉄筋位置決め部材の一端までの長さが同じになるように鉄筋載台を有したので、各鉄筋載台上に位置決めされた各鉄筋と型枠面との間の距離を等しくでき、曲面スラブのコンクリートかぶり厚を均等にできる。
本発明に係る曲面スラブ構築方法は、上記鉄筋位置決め装置を用い、複数の鉄筋位置決め部材の一端を曲面に形成された型枠面を有した型枠の当該型枠面に設置することによって鉄筋位置決め装置の取付板の平板面を型枠面と平行な曲面に変形させて複数の鉄筋位置決め部材の一端部に設けられている各鉄筋載台を型枠面と平行な曲面上に位置させるステップと、型枠面と平行な曲面上に位置された複数の鉄筋載台にそれぞれ鉄筋を載せるステップと、複数の鉄筋載台に載せられた複数の鉄筋の上にこれら複数の鉄筋と交差するようにさらに複数の鉄筋を配筋して、これら上下の鉄筋を結束してスラブ下筋を形成するステップと、スラブ下筋を鉄筋支持具を用いて型枠面に支持させるステップと、スラブ下筋を鉄筋支持具で型枠面に支持させた状態で鉄筋位置決め装置を型枠面から撤去するステップと、スラブ下筋の上方にスラブ上筋を配筋するステップと、配筋終了後に型枠上にコンクリートを打設するステップと、打設されたコンクリートの硬化後に型枠を撤去することにより型枠面に接していたコンクリートの面が曲面に形成された曲面スラブを構築するステップとを備えたので、曲面スラブを簡単かつ容易に構築することができる。
また、コンクリートよりも単位体積重量の軽い材料により形成されたボイドの下端部がスラブ下筋を構成する上下の鉄筋で囲まれた四角形の枠内にはまり込むように当該ボイドをスラブ下筋上に設置するステップを備えたので、ボイドを型枠面上に正確に設置できるようになり、ボイドにより軽量化が図られた曲面スラブを簡単かつ容易に構築できる。
言い換えれば、鉄筋位置決め部材2は、棒材10と、棒材10の一端部4に設けられた鉄筋載台取付部11と、棒材10の他端部6に設けられた取付板3への取付部7と、鉄筋載台取付部11によって棒材10の一端部4に取付けられた鉄筋載台5とを備えた構成である。
鉄筋載台5は、例えば長方形状の平板面に鉄筋が入り込む凹部等の鉄筋載せ部16を有した平板等により形成される。
取付板3は棒材10の他端部6に形成された雄ねじ部15が貫通する貫通孔17を備え、鉄筋載台5は棒材10の一端部4が貫通する貫通孔18を備える。
このように、複数の鉄筋位置決め部材2;2…が、取付板3の平板面から一端4tまでの長さが同じになるように各他端部6;6…が取付板3に固定され、かつ、各鉄筋載台5;5…から各鉄筋位置決め部材2;2…の一端4t;4t…までの長さがそれぞれ同じになるように各鉄筋載台5;5…を有した構成の鉄筋位置決め装置1を用いるようにすれば、各鉄筋載台5;5…上に位置決めされた各鉄筋35;35…と型枠面31との間の距離を等しくでき、曲面スラブを構築した場合、曲面スラブのコンクリートかぶり厚を均等にできるようになる。
また、複数の鉄筋位置決め部材2;2…が、取付板3の平板面と直交して一方向に沿って等しい間隔を隔てて並ぶように、さらに、取付板3の平板面から一端4tまでの長さが同じになるように各他端部6;6…が取付板3に固定され、かつ、各鉄筋載台5;5…から各鉄筋位置決め部材2;2…の一端4t;4t…までの長さがそれぞれ同じになるように各鉄筋載台5;5…を備えた構成の鉄筋位置決め装置1を用いることにより、型枠面31を形成する曲面に沿った方向に等しい間隔を隔てて複数の鉄筋35;35…を簡単かつ容易に位置決めできるようになる。
例えば円筒の外周面の一部を形成する円弧面のように、下方に突出する円弧線が円筒の中心軸に沿った方向に連続することで形成されるような円弧面を有した曲面スラブを構築する場合を例にして説明する。
そして、型枠面31を形成する円弧面の円周に沿った方向に複数の鉄筋位置決め部材2;2…が並ぶように型枠面31上に鉄筋位置決め装置1を設置する。すると、取付板3が型枠面31の円弧面の中心軸と中心軸を同じとする円弧面を形成するように撓んで、複数の鉄筋位置決め部材2;2…の一端4t;4t…がそれぞれ型枠面31に接触する。これにより、複数の鉄筋位置決め部材2;2…の一端4t;4t…に設けられた各鉄筋載台5;5…も型枠面31の円弧面の中心軸と中心軸を同じとする円弧面(型枠面31の円弧面と曲率の同じ円弧面)上に位置されることになる。
尚、この場合、図1に示すように、各鉄筋位置決め部材2;2…の各棒材10;10…から突出するように設けられる各鉄筋載台5;5…の突出方向が、型枠面31を形成する円弧面の最下位置となる部分を通過する垂直面30Sを基準として当該垂直面30Sより離れる方向に決められていることにより、各鉄筋載台5;5…に載せられた各鉄筋35;35…が垂直面30Sの方向に移動して棒材10;10…に係止するので、各鉄筋35;35…が各鉄筋載台5;5…から落下するのを防止できるとともに、各鉄筋35;35…を棒材10;10…を基準とした位置に正確に位置決めできるようになる。
そして、スラブ下筋37(図4参照)を構成する下側の鉄筋35が、型枠面31の円弧面の中心軸に沿った直線上に位置する一方の鉄筋位置決め装置1の鉄筋載台5と他方の鉄筋位置決め装置1の鉄筋載台5とに掛け渡されて設置される。即ち、型枠面31の円弧面の中心軸に沿った直線上に位置する一方の鉄筋位置決め装置1の鉄筋載台5と他方の鉄筋位置決め装置1の鉄筋載台5とで構成される一対の鉄筋載台5;5が複数組構成され、各一対の鉄筋載台5;5にそれぞれ鉄筋35が1本ずつ掛け渡されるように設置される。これにより、型枠面31の円弧面の中心軸と平行でかつ互いに平行に並ぶように配置されたスラブ下筋37の複数の下側の鉄筋35;35…が、型枠面31の円弧面の中心軸と中心軸を同じとする円弧面上において円弧面の円弧に沿った方向に等しい間隔を隔てた位置に位置決めされることになる。
その後、配筋されたスラブ下筋37を図外のスペーサのような鉄筋支持具を用いて型枠面31に支持させる。
そして、棒材10を回転中心として鉄筋載台5を回転させて鉄筋載台5を鉄筋35の下位置から外した後に鉄筋位置決め装置1を上方に移動させるようにして当該鉄筋位置決め装置1を型枠面31上から撤去することで、スラブ下筋37が型枠面31上に設置されることになる。
従って、ボイド40;40の中心軸41;41間の間隔、及び、ボイド40の横幅寸法に合わせて、スラブ下筋37を構成する複数の下側の鉄筋35;35間の間隔を決め、当該間隔を型枠30の型枠面31の曲面に墨出しして、当該墨出しした位置に合わせて下側の鉄筋35;35を位置決めした場合、図4の白丸で示した鉄筋35のように、実際に設置されるボイド40の下円弧面部43の両側(型枠面31の曲面に沿った方向の両側)の位置とは異なる位置に位置決めされることになる。
このように、一対の鉄筋35;35が実際に設置されるボイド40の下円弧面部43の両側の位置とは異なる位置に位置決めされた場合、ボイド40の下端部となる下円弧面部43がスラブ下筋37の配筋によって形成される鉄筋35;36で囲まれた正四角形の枠内に入り込まなくなる。この場合、ボイド40の下円弧面部43が鉄筋35の上に載ってボイド40の位置が上方にずれてしまうことにより、スラブ上筋37Aを設計通りに配筋できなくなったり、設計通りにコンクリートかぶり厚さを確保できなくなる可能性がある。
尚、ボイド40の上円弧面部42を貫通する連結材45の長さc2(即ち、ボイド40の下円弧面部43を入りこませるための隣り合う鉄筋35;35の間の間隔)もスラブ上筋37Aを構成する上側の鉄筋39;39…の設置間隔b2に合わせて決める。
従って、実施形態の鉄筋位置決め装置1を用いるボイド40の下円弧面部43を入り込ませるための鉄筋35;36で囲まれた正四角形の枠を正確に形成できるようになり、ボイド40を型枠面31上に正確に設置できるようになるので、ボイド40により軽量化が図られた曲面スラブを簡単かつ容易に設計通りに構築できるようになる。
当該配筋作業の終了後、型枠面31上に流動性を有した生コンクリートと呼ばれるコンクリートをコンクリートかぶり厚さを確保できる所定のレベルまで打設する。
そして、打設されたコンクリートが固まった後に型枠30を撤去する。これにより、型枠面31と接触していたコンクリート面が型枠面31の曲面と対応した曲面に形成された曲面スラブが構築される。
また、取付板3としてばね板を用いたので、取付板3の平板面が型枠面31と平行な曲面に弾性変形し、弾性変形領域内で使用する限りにおいては、何度でも使用できる鉄筋位置決め装置1となる。尚、取付板3は、型枠面31と平行な曲面に変形可能な構成であれば、ばね板でなくてもよい。
さらに、複数の鉄筋位置決め部材2;2…は、取付板3の平板面から一端4tまでの長さが同じになるように各他端部6;6…が取付板3に固定され、かつ、各鉄筋載台5;5…から各鉄筋位置決め部材2;2…の一端4t;4t…までの長さがそれぞれ同じになるように各鉄筋載台5;5…を有したので、各鉄筋載台5;5…上に位置決めされた各鉄筋35;35…と型枠面31との間の距離を等しくでき、曲面スラブのコンクリートかぶり厚を均等にできる。
また、ボイド40の下円弧面部43を入り込ませるための鉄筋35;36で囲まれた正四角形の枠を正確に形成できるようになり、ボイド40を型枠面31上に正確に設置できるようになるので、ボイド40により軽量化が図られた曲面スラブを簡単かつ容易に設計通りに構築できるようになる。
5 鉄筋載台、6 他端部、30 型枠、31 型枠面、35 鉄筋。
Claims (5)
- 一端部に鉄筋載台を有した複数の鉄筋位置決め部材と、取付板とを備え、
複数の鉄筋位置決め部材が取付板の平板面と直交して一方向に沿って間隔を隔てて並ぶように、複数の鉄筋位置決め部材の各他端部が取付板に固定されたことを特徴とする鉄筋位置決め装置。 - 取付板がばね板であることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋位置決め装置。
- 複数の鉄筋位置決め部材は、取付板の平板面から一端までの長さが同じになるように各他端部が取付板に固定され、かつ、鉄筋載台から鉄筋位置決め部材の一端までの長さが同じになるように鉄筋載台を有したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄筋位置決め装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された鉄筋位置決め装置を用い、
複数の鉄筋位置決め部材の一端を曲面に形成された型枠面を有した型枠の当該型枠面に設置することによって鉄筋位置決め装置の取付板の平板面を型枠面と平行な曲面に変形させて複数の鉄筋位置決め部材の一端部に設けられている各鉄筋載台を型枠面と平行な曲面上に位置させるステップと、
型枠面と平行な曲面上に位置された複数の鉄筋載台にそれぞれ鉄筋を載せるステップと、
複数の鉄筋載台に載せられた複数の鉄筋の上にこれら複数の鉄筋と交差するようにさらに複数の鉄筋を配筋して、これら上下の鉄筋を結束してスラブ下筋を形成するステップと、
スラブ下筋を鉄筋支持具を用いて型枠面に支持させるステップと、
スラブ下筋を鉄筋支持具で型枠面に支持させた状態で鉄筋位置決め装置を型枠面から撤去するステップと、
スラブ下筋の上方にスラブ上筋を配筋するステップと、
配筋終了後に型枠上にコンクリートを打設するステップと、
打設されたコンクリートの硬化後に型枠を撤去することにより型枠面に接していたコンクリートの面が曲面に形成された曲面スラブを構築するステップとを備えたことを特徴とする曲面スラブ構築方法。 - コンクリートよりも単位体積重量の軽い材料により形成されたボイドの下端部がスラブ下筋を構成する上下の鉄筋で囲まれた四角形の枠内にはまり込むように当該ボイドをスラブ下筋上に設置するステップを備えたことを特徴とする請求項4に記載の曲面スラブ構築方法。
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