JP2015218503A - 基礎コンクリートの施工方法 - Google Patents

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【課題】アンカーボルトの突出高さや基礎コンクリート中へのアンカーボルトの埋め込み深さを容易に調整できる基礎コンクリートの施工方法を提供する。
【解決手段】複数本のアンカーボルト2を所定位置に突出させた基礎コンクリートを施工する方法であって、複数本のアンカーボルトを所定位置に取り付けたテンプレート1を、基礎面4の上方において所定の高さに配置し、型枠3内にコンクリート6を打設してアンカーボルトの下部をコンクリート内に埋め込み、コンクリートが固化した後、テンプレートと型枠を除去する。基礎コンクリートを施工する際にアンカーボルトの突出高さや埋め込み深さを容易に調整でき、また、施工する際に使用したテンプレートなどは再利用でき、資源を節約でき経済的である。
【選択図】図5

Description

本発明は、機器を固定するアンカーボルトを所定位置に突出させた基礎コンクリートの施工方法に関する。
例えば冷凍機、冷却塔などの大型重量機器やビル用エアコン室外機や水槽類、動力盤などの機器・装置は一般的には基礎コンクリートの上に据え付けられる。またこれらの機器を据え付けて固定するために、基礎コンクリートの所定位置にはアンカーボルトが突出させられている。かかるアンカーボルトとしては、埋め込みアンカー、箱抜きアンカー、メカニカルアンカー、樹脂アンカーなどの種類があり、荷重条件により適切な種類が選択される。また引き抜き荷重が大きい場合は、インサート金物をコンクリート打設時に埋め込む方式もある。
従来、基礎コンクリートの施工に関し、本出願人は特許文献1の機械基礎を開示している。この機械基礎は、各種の機器を載せるための受け板に設けた穴に、コンクリートに固定されたアンカーボルトを通してナットで固定するものである。また特許文献2には、床スラブに打ち込まれた基礎ボルトに柔らかい位置調節部材を取り付けてからコンクリートを打設する方法が開示されている。
特許第3895023号公報 特開2002−38492号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に開示された発明はいずれもアンカーボルトを基礎面に直接支持した状態でコンクリートを打設しており、基礎コンクリートの上面からのアンカーボルトの突出高さや基礎コンクリート中へのアンカーボルトの埋め込み深さは調整することができない。アンカーボルトが基礎コンクリートから必要以上に突出していると、見栄えが良くないばかりか危険であり、さらに機器を設置する際、機器側のアンカーボルト挿通孔を基礎に固定されたアンカーボルトに挿通してセットしづらいなどの不具合が生じる。また、予め長めのアンカーボルトを使用して、必要以上に突出した部分をコンクリート打設後に切断することも考えられるが、アンカーボルトが太い場合には作業が困難である。
本発明は、アンカーボルトの突出高さや基礎コンクリート中へのアンカーボルトの埋め込み深さを容易に必要なだけの高さ(深さ)に調整できる基礎コンクリートの施工方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明によれば、複数本のアンカーボルトを所定位置に突出させた基礎コンクリートを施工する方法であって、複数本のアンカーボルトを所定位置に取り付けたテンプレートを、基礎面の上方において所定の高さに配置し、型枠内にコンクリートを打設してアンカーボルトの下部をコンクリート内に埋め込み、コンクリートが固化した後、前記テンプレートと型枠を除去することを特徴とする、基礎コンクリートの施工方法が提供される。
本発明の基礎コンクリートの施工方法にあっては、アンカーボルトを基礎面に支持するのではなく、アンカーボルトを所定位置に取り付けたテンプレートを基礎面の上方に配置した状態で、型枠内にコンクリートを打設しているので、アンカーボルトの取り付け高さを変更することによって、その突出高さや基礎コンクリート中への埋め込み深さを容易に調整することが可能となる。
アンカーボルトの突出高さや埋め込み深さの調整は、例えば基礎面の上方に配置されるテンプレートの高さを変えることによって行うこともできるが、前記テンプレートの所定位置に設けられたボルト挿通孔にネジ棒を通して、ネジ棒をナットでテンプレートに取り付けることにより、前記テンプレートに対してネジ棒の高さを変更できるように構成し、ネジ棒の下端に高ナットを介してアンカーボルトを取り付けるようにしても良い。また、型枠に支持部材を取り付け、支持部材にテンプレートを支持するようにしても良い。
本発明によれば、基礎コンクリートを施工する際にアンカーボルトの突出高さや埋め込み深さを容易に調整できるようになる。また、施工する際に使用したテンプレートや支持部材などは再利用でき、資源を節約でき経済的である。
本発明の実施の形態にかかる基礎コンクリートの施工方法に用いられるテンプレートの平面図である。 図1中のA−A断面図である。 型枠の説明図である。 本発明の実施の形態にかかる施工方法の説明図であり、テンプレートを基礎面の上方に配置した状態を示す。 本発明の実施の形態にかかる施工方法の説明図であり、型枠内にコンクリートを打設した状態を示す。 本発明の実施の形態にかかる施工方法によって出来上がった基礎コンクリートの側面図である。
本発明の実施の形態にかかる基礎コンクリートの施工方法を図面を参照にして説明する。なお、一例として4本のアンカーボルトを各隅角部に突出させた長方形の基礎コンクリート7を施工する場合を説明する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示すように、この施工方法に用いられるテンプレート1は、例えばアングルなどの鋼材からなる一対のテンプレート部材10、10同士が互いに平行となるように、2本の補強部材11、11で連結した構成である。それぞれ同じ長さで形成した補強部材11、11をいずれもテンプレート部材10、10と直交して取付けることで、テンプレート部材10、10同士を平行となるようにしている。これら2本の補強部材11、11もアングルなどの鋼材からなり、テンプレート部材10、10と補強部材11、11を格子状に配置して、互いに溶接することによってテンプレート1が構成されている。
テンプレート1は、複数のアンカーボルト2同士を所定の相対位置に固定する部材であり、テンプレート1の四隅(テンプレート部材10、10の両端)には、ボルト挿通孔12がそれぞれ設けられている。図2に示すように、各ボルト挿通孔12には、ネジ棒13が通されており、各ネジ棒13は、テンプレート部材10を上下から挟むように取り付けられた2つのナット14、14によって、テンプレート1の四隅(テンプレート部材10、10の両端)に取り付けられている。各ネジ棒13に対する2つのナット14、14の取り付け位置を変更することによって、テンプレート1(テンプレート部材10)に対するネジ棒13の高さを任意に変更できるように構成されている。
このようにテンプレート1の四隅に取り付けられた各ネジ棒13の下端には高ナット20がそれぞれ装着されている。また、各高ナット20の下方には、アンカーボルト2の上端がねじ込まれてそれぞれ取り付けられている。上述のように各ネジ棒13をテンプレート部材10に取り付けている2つのナット14、14の取り付け位置(高さ)を変更することによって、テンプレート1(テンプレート部材10)に対するネジ棒13の高さが変更され、これにより、テンプレート1(テンプレート部材10)に対する各アンカーボルト2の高さを任意に変更することができる。
各アンカーボルト2の下端には、コンクリート打設後の抜け防止用としてナット21およびワッシャー22がそれぞれ取付けられている。なお、抜け防止として、このようなナット21、ワッシャー22を用いずに、アンカーボルト2としてJ型ボルトやL型ボルトを用いてもよい。
図3に示すように、型枠3は基礎コンクリート7の周りを囲むためのものであり、例えば木材などを長方形に組んだ形状である。また、型枠3の内部には基礎コンクリート7を補強するための配筋25が配置されている。
本発明の実施の形態にかかる基礎コンクリートの施工方法にあっては、先ず図4に示すように、これから基礎コンクリート7を施工する床スラブなどの基礎面4上に配筋25を設置し、その周囲に型枠3を設置する。また、予め各アンカーボルト2を所定位置に取り付けたテンプレート1を、型枠3の上方において所定の高さに配置する。
なお、テンプレート1を基礎面4の上方に配置する場合、図4に示すように、型枠3に適当な支持部材5を取り付け、この支持部材5にテンプレート1を載せて支持することが望ましい。支持部材5は、例えば穴あきアングルなどの鋼材からなる支柱部材30を型枠3の両外側面にビス止めし、同様な穴あきアングルなどの鋼材からなる梁部材31を支柱部材30の適当な高さにボルト、ナット等で水平に固定した構成とすることができる。そして、水平に固定した梁部材31の上にテンプレート1を載せることによって、型枠3の上方にテンプレート1を支持することができる。なお、支持部材5に載せたテンプレート1の位置ずれを防ぐために、テンプレート1のテンプレート部材10に穴をあけておき、テンプレート1のテンプレート部材10と支持部材5の梁部材31とをネジ止めするようにしても良い。
また、このようにテンプレート1を型枠3の上方に配置する際には、テンプレート1に取り付けられた各アンカーボルト2が所望の高さとなるようにする。各アンカーボルト2の高さは、施工後における基礎コンクリート7の上面からのアンカーボルト2の突出高さが所定高さとなり、また、基礎コンクリート7中におけるアンカーボルト2の埋込み深さが所定以上となるように設定すれば良い。各アンカーボルト2の突出高さについては、機器設置の際に固定用のナットをアンカーボルト2に確実に螺着でき、且つナットからアンカーボルト2が突出しすぎない程度に設定する。また、各アンカーボルト2を所望の高さにするためには、テンプレート1自体の高さを変えても良いし、あるいは、テンプレート1に取り付けられている各ネジ棒13の高さを変えても良い。
テンプレート1自体の高さを変える場合、支持部材5において、支柱部材30に対する梁部材31の固定位置を調整することによって、梁部材31の上に載せられるテンプレート1の高さを変更することができる。支柱部材30や梁部材31が穴あきアングルであれば、それらの取り付け孔の位置を変更することによって、テンプレート1の高さを任意に設定することが可能である。
またテンプレート1に取り付けられている各ネジ棒13の高さを変える場合、上述のように各ネジ棒13をテンプレート部材10に取り付けている2つのナット14、14の取り付け位置(高さ)を変更することによって、テンプレート1(テンプレート部材10)に対するネジ棒13の高さを変え、これにより、テンプレート1(テンプレート部材10)に対する各アンカーボルト2の高さを任意に設定することが可能である。
こうして型枠3の内部に各アンカーボルト2の下部を挿入した状態で、各アンカーボルト2の位置と高さを所望のものとした状態で、図5に示すように、型枠3内にコンクリート6を打設して各アンカーボルト2の下部をコンクリート6内に埋め込む。コンクリート6を打設する際には、アンカーボルト2の上部にコンクリート6が付着しないように、アンカーボルト2の上部を予め養生しておくと良い。そして、そのままの状態でコンクリート6を固化させる。そして、コンクリート6が固化した後、テンプレート1と型枠3を除去する。なお、高ナット20はテンプレート1の取り外しを容易にするための部材であり、各アンカーボルト2の上端から高ナット20を取り外せば、テンプレート1と型枠3を容易に除去することができる。
こうして、図6に示すように、上面から所望の長さでアンカーボルト2の上部を突出させた状態の基礎コンクリート7を施工することが可能となる。この施工方法によれば、アンカーボルト2を基礎コンクリート7内に所定の埋め込み深さ以上とし、かつ、アンカーボルト2の突出高さが所定高さとななった基礎コンクリート7を容易に施工することができる。また、取り外したテンプレート1や型枠3、支持部材5などは再利用することが可能である。このため資源を節約でき、経済的である。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は例示した形態に限定されない。一例として4本のアンカーボルト2を各隅角部に突出させた長方形の基礎コンクリート7を施工する場合を説明したが、アンカーボルト2の本数や配置、基礎コンクリート7の形状は任意である。またテンプレート1はアングルの他、チャネル、H鋼、パイプ、棒鋼などの鋼材でも作ることができるし、歪みなどが発生しなければ鋼材以外のプラスチック、樹脂などの材料で構成しても良い。また、テンプレート1をプレート状の板で構成しても良いが、コンクリート打設作業の邪魔にならないように線状部材で形成することが望ましい。また、支持部材5も穴あきアングルの他、アングル、チャネル、H鋼、パイプ、棒鋼などの鋼材でも作ることができるし、鋼材以外の木材、プラスチック、樹脂などの材料で構成しても良い。
本発明は、機器を設置するための基礎コンクリートの施工に有用である。
1 テンプレート
2 アンカーボルト
3 型枠
4 基礎面
5 支持部材
6 コンクリート
7 基礎コンクリート
10 テンプレート部材
11 補強部材
12 ボルト挿通孔
13 ネジ棒
14 ナット
20 高ナット
21 ナット
22 ワッシャー
25 配筋
30 支柱部材
31 梁部材

Claims (3)

  1. 複数本のアンカーボルトを所定位置に突出させた基礎コンクリートを施工する方法であって、
    複数本のアンカーボルトを所定位置に取り付けたテンプレートを、基礎面の上方において所定の高さに配置し、型枠内にコンクリートを打設してアンカーボルトの下部をコンクリート内に埋め込み、
    コンクリートが固化した後、前記テンプレートと型枠を除去することを特徴とする、基礎コンクリートの施工方法。
  2. 前記テンプレートの所定位置に設けられたボルト挿通孔にネジ棒を通して、ネジ棒をナットでテンプレートに取り付けることにより、前記テンプレートに対してネジ棒の高さを変更できるように構成し、
    ネジ棒の下端に高ナットを介してアンカーボルトを取り付けることを特徴とする、請求項1に記載の基礎コンクリートの施工方法。
  3. 型枠に支持部材を取り付け、支持部材にテンプレートを支持することを特徴とする、請求項1または2に記載の基礎コンクリートの施工方法。
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