JP2014181283A - ポリウレタン樹脂用組成物及びこれを用いたポリウレタン樹脂発泡体 - Google Patents

ポリウレタン樹脂用組成物及びこれを用いたポリウレタン樹脂発泡体 Download PDF

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義章 村田
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Abstract

【課題】硬化時の発泡性に優れ、かつ、難燃性の高いポリウレタン樹脂発泡体、及びこれの原料として好適なポリウレタン樹脂用組成物を提供する。
【解決手段】ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物(I)と、リン原子含有難燃剤(II)とを必須の成分として含有し、前記リン原子含有難燃剤(II)が、下記構造式z1
Figure 2014181283

で代表される構造部位を有するリン原子含有フェノール化合物であることを特徴とするポリウレタン樹脂用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化時の発泡性に優れ、かつ、難燃性の高いポリウレタン樹脂発泡体、及びこれの原料として好適なポリウレタン樹脂用組成物に関する。
ポリウレタン樹脂は塗料や接着剤、構造体、繊維、合成皮革など様々な用途に用いられているが、中でもポリウレタン樹脂発泡体は断熱性が高く、弾性や機械的強度に優れ、加工し易いなどの特徴から、硬質のものは冷蔵庫や建築材料、自動車部材等における断熱材や軽量構造材等の用途に、軟質のものはクッション材や衝撃吸収材、防音材等の用途に広く利用されている。硬質・軟質何れの用途においても、前記各種性能に加え高い難燃性が要求されることが多いが、ポリウレタン発泡体自体は火炎に弱い材料であるため、難燃剤を添加することにより難燃性を付与している。
前記難燃剤には従来主に使われてきたハロゲン系難燃剤に替えて、現在は水酸化アルミニウムや三酸化アンチモン等の無機化合物、ホスファイトやホスフェート等の有機リン系化合物等の非ハロゲン系難燃剤が広く一般に用いられている。しかしながら、前記無機化合物は添加によりポリウレタン組成物の増粘や発泡性の低下等が生じてしまうため、複雑な配合組成や成形工程を要するものであった。一方、前記有機リン系化合物は高い難燃性を付与するために大量に添加する必要があることから、得られる発泡体の機械強度や復元性等の物性が低下したり、凝縮性排出物(フォギング)が生じたりするものであった。また、従来発泡剤として使用されてきたフロン化合物の使用禁止に伴い、現在は発泡剤として主に水が使われているが、発泡剤として水を含むポリウレタン組成物ではイソシアネート化合物の一部が水と反応するため、イソシアヌレート環の生成が減少してしまうことも難燃性の低下に影響している。従って、これまで以上に高い難燃性能を有し、増粘や発泡性の低下がなく、少量の添加でも効果を奏する難燃剤の開発が求められていた。
非ハロゲン系難燃剤を使用したポリウレタン発泡体用組成物の例として、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるベース樹脂に、難燃剤として膨張性黒鉛とメラミンとを添加する技術(下記特許文献1参照)や、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるベース樹脂に、難燃剤としてリン酸エステル、メラミン、及び膨張黒鉛を添加する技術(下記特許文献2参照)が知られている。これら特許文献1や2に記載された発泡体用組成物は、無機化合物やリン化合物を難燃剤として用いた場合と比較して発泡性は改善されるものの、その難燃性は十分なものではなかった。
特開2002−198679号公報 特開2011−252111号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化時の発泡性に優れ、かつ、難燃性の高いポリウレタン樹脂発泡体、及びこれの原料となるポリウレタン樹脂用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フェノール化合物の化学構造中にリン原子含有構造を導入したリン原子含有フェノール化合物をポリウレタン樹脂用組成物の難燃剤として用いることにより、硬化時の発泡性に優れ、かつ、硬化物における難燃性の高いポリウレタン樹脂用組成物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物(A)と、リン原子含有難燃剤(B)とを必須の成分として含有し、前記リン原子含有難燃剤(B)が下記構造式(1)
Figure 2014181283
[式中、Xは、メチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、2価の脂肪族環状炭化水素基、下記構造式x1
Figure 2014181283
で表される結節基x1、又は、下記構造式x2
Figure 2014181283
で表される結節基x2の何れかであり、
Yは、それぞれ独立的に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜9のアルキル基、又は、炭素原子数1〜9のアルコキシ基、フェニル基、又はベンジル基の何れかであり、
Zは、それぞれ独立的に水素原子、下記構造式z1
Figure 2014181283
(上記構造式z1中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される構造部位z1、又は、下記構造式z2
Figure 2014181283
(上記構造式z2中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される構造部位z2の何れかであり、
nおよびmはそれぞれ独立に0〜10の整数である。また、前記Xがメチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、又は前記結節基x1の何れかである場合、若しくは、n及びmが0である場合には、前記Zの少なくとも一つは前記構造部位z1又は前記構造部位z2である。また、前記Xとして前記結節基x2を有する場合には、前記Zは水素原子である。]
で表されるリン原子含有化合物であることを特徴とするポリウレタン樹脂用組成物に関する。
本発明は、更に、前記ポリウレタン樹脂用組成物と、前記(A)成分のうち前記ポリウレタン樹脂組成物が含有するものの他の成分と、発泡剤とを混合し、発泡及び硬化させて得られるポリウレタン樹脂発泡体に関する。
本発明によれば、硬化時の発泡性に優れ、かつ、難燃性の高いポリウレタン樹脂発泡体、及びこれの原料として最適なポリウレタン樹脂用組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物は、前記の通り、ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物(A)と、リン原子含有難燃剤(B)とを必須の成分として含有する。即ち本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂用組成物において、前記リン原子含有難燃剤(B)をポリオール成分、又はポリイソシアネート成分のどちらかに混合して用いるものであり、本発明のポリウレタン樹脂組成物が前記(A)成分としてポリオール化合物を含有する場合には、これに前記リン原子含有難燃剤(B)を予め添加し、硬化時にポリイソシアネート化合物と混合して用いる。他方、本発明のポリウレタン樹脂組成物が前記(A)成分としてポリイソシアネート化合物を含有する場合には、これに前記リン原子含有難燃剤(B)を予め添加し、硬化時にポリオール化合物と混合して用いる。
本発明の(A)成分として用いるポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の単量体ポリオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;
前記単量体ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等種々の環状エーテル化合物との開環重合により得られるポリエーテルポリオール;
前記単量体ポリオールと、ε−カプロラクトン等の種々のラクトン化合物との重縮合反応により得られるラクトン変性ポリオール;
前記単量体ポリオールやポリオキシアルキレングリコールと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、等の多価カルボン酸との重縮合反応により得られるポリエステルポリオール;
前記単量体ポリオールやポリオキシアルキレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールと、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等のカルボニル化剤の重縮合反応により得られるポリカーボネートポリオール;
前記単量体ポリオールやポリオキシアルキレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールと、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物とを反応させて得られるアミン変性ポリオール;
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;
フェノール化合物、アルデヒド、及びアルカノールアミンを反応させて得られたマンニッヒ化合物と、プロピレンオキシド又はエチレンオキシドとを反応させて得られるマンニッヒポリオール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
ポリオール化合物の水酸基価は、軟質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、復元性や耐衝撃性に優れる発泡体が得られることから10〜150mgKOH/gの範囲であるものが好ましく、20〜100mgKOH/gの範囲であることが好ましい。一方、硬質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、耐熱性や機械強度に優れる発泡体が得られることから150〜1,000mgKOH/gの範囲であることが好ましく、200〜900mgKOH/gの範囲であることが好ましい。また、軟質用と硬質用との中間の性能を持たせる目的で、軟質用ポリオール化合物と硬質用ポリオール化合物とを複数種併用しても良い。
前記ポリオール化合物の一分子あたりの平均官能基数は、軟質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、復元性や耐衝撃性に優れる発泡体が得られることから2〜6個の範囲であるものが好ましく、2〜4個の範囲であることが好ましい。一方、硬質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、耐熱性や機械強度に優れる発泡体が得られることから2〜12個の範囲であることが好ましく、3〜8個の範囲であることが好ましい。また、軟質用と硬質用との中間の性能を持たせる目的で、軟質用ポリオール化合物と硬質用ポリオール化合物とを複数種併用しても良い。
前記ポリオール化合物の数平均分子量(Mn)は、軟質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、復元性や耐衝撃性に優れる発泡体が得られることから2,000〜10,000の範囲であるものが好ましく、2,500〜5,000の範囲であることが好ましい。一方、硬質ポリウレタン発泡体用途に用いる場合には、耐熱性や機械強度に優れる発泡体が得られることから2,000以下であることが好ましく、300〜1,500の範囲であることが好ましい。また、軟質用と硬質用との中間の性能を持たせる目的で、軟質用ポリオール化合物と硬質用ポリオール化合物とを複数種併用しても良い。
また、本発明のポリウレタン樹脂用組成物は適宜必要に応じて、前記ポリオール化合物の末端水酸基の一部がアルキルエーテル化されたモノアルコール化合物を含有しても良い。
本発明の(A)成分として用いるポリイソシアネート化合物は、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4´−ジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物;
1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の前記ジイソシアネート化合物のポリメリック体;
前記各種のジイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物;
前記各種のジイソシアネート化合物と、モノアルコールおよび/又はジオールとを反応させて得られるイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物;
分子構造中に尿素が2量化した構造を有するビウレット型ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
中でも、流動性及び成型性に優れることから前記各種のジイソシアネート化合物又はこれのポリメリック体が好ましく、更に反応性にも優れることから前記芳香族ジイソシアネート化合物又はこれのポリメリック体がより好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物が含有するリン原子含有難燃剤(B)は、下記構造式(1)
Figure 2014181283
[式中、Xは、メチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、2価の脂肪族環状炭化水素基、下記構造式x1
Figure 2014181283
で表される結節基x1、又は、下記構造式x2
Figure 2014181283
で表される結節基x2の何れかであり、
Yは、それぞれ独立的に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜9のアルキル基、又は、炭素原子数1〜9のアルコキシ基、フェニル基、又はベンジル基の何れかであり、
Zは、それぞれ独立的に水素原子、下記構造式z1
Figure 2014181283
(上記構造式z1中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される構造部位z1、又は、下記構造式z2
Figure 2014181283
(上記構造式z2中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される構造部位z2の何れかであり、
nおよびmはそれぞれ独立に0〜10の整数である。また、前記Xがメチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、又は前記結節基x1の何れかである場合、若しくは、n及びmが0である場合には、前記Zの少なくとも一つは前記構造部位z1又は前記構造部位z2である。また、前記Xとして前記結節基x2を有する場合には、前記Zは水素原子である。]
で表されるリン原子含有化合物である。
該リン原子含有化合物は、具体的には、各種のフェノール化合物、フェノール樹脂の芳香核に下記構造式z1
Figure 2014181283
(上記構造式z1中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される構造部位z1又は下記構造式z2
Figure 2014181283
(上記構造式z2中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される構造部位z2が結合した構造を有するフェノール化合物(以下、これを「リン原子含有物質(I)」と略記する。)、或いは、複数のフェノール化合物を結節する結節基として、下記構造式x2
Figure 2014181283
で表される結節基x2を有し、かつ、芳香核に前記構造部位z1又はz2を有しないもの(以下、これを「リン原子含有物質II)」と略記する。)が挙げられる。
ここで、前記リン原子含有フェノール化合物(I)は、更に具体的には、フェノール化合物(a1)を、塩基性触媒の存在下、ホルムアルデヒドと反応させて、メチロール基を含む重縮合物を得(工程1)、次いで、これを炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコールと反応させることによってエーテル化し、アルコキシメチル基を含む樹脂(α)を得(工程2)、次いで、これを下記構造式(β−1)
Figure 2014181283
[上記構造式(β−1)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表されるリン原子含有化合物(β)と、生成するアルコールを除去し乍ら反応させる(工程3)ことにより得ることができるリン原子含有物質(I−a)が挙げられる。
前記リン原子含有物質(I−a)を製造する際に用いられるフェノール化合物(a1)は、具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール等の1価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール;ハイドロキノン、カテコール等の2価フェノール等が挙げられる。
また、リン原子含有物質(I−a)を製造する際の工程1で使用し得る塩基性触媒としては、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特に触媒活性に優れる点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。塩基性触媒の使用量は特に限定されないが、フェノール化合物(a1)の水酸基に対して、0.5〜5倍当量、好ましくは、0.8〜3倍当量の範囲が挙げられる。
工程1で用いる、ホルムアルデヒドは、ホルマリン水溶液、パラホルムアルデヒド、トリオキサンをホルムアルデヒド源として利用することができるが、本発明では取扱、反応の制御が容易である点から35%ホルマリン水溶液を使用することが好ましい。
前記フェノール化合物(a1)とホルムアルデヒドとの反応割合は、前記フェノール化合物(a1)1モルに対して、ホルムアルデヒド4〜40モル、好ましくは5〜10モルとなる割合であることが好ましい。
工程1の反応は、通常、水溶媒か、又は水と有機溶媒との混合溶媒中で行うことができる。ここで有機溶媒を用いる場合、その使用量は、原料である前記フェノール化合物(a1)に対して、重量比で、1〜5倍、好ましくは、2〜3倍程度の範囲であることが好ましい。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、カルビトール等のアルコール−、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、また、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の水溶性の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。工程1の反応は、10〜60℃、好ましくは、20〜50℃の範囲の温度において行うことができる。
反応終了後は、必要により、酸を加えて中和した後、常法により精製・単離して目的物であるメチロール基を含む重縮合物を得ることができる。ここで、中和処理に用いる酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸等の有機酸、または、硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。
次に、工程2は、工程1で得られたメチロール基を含む重縮合物を、炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコールと反応させることによってエーテル化し、アルコキシメチル基を含む樹脂(α)を得る工程である。
ここで、炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコールは、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−オクチルアルコール、s−オクチルアルコール、t−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールが挙げられる。これらの中でも樹脂(α)の製造が容易であり、また、その後の工程である脱アルコールが容易である点からn−アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の炭素原子数1〜4のアルコールが好ましい。
また、前記炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコールの使用量は、前記メチロール基を含む重縮合物100質量部に対して200〜3000質量部、特に500〜1500質量部となる割合であることが好ましい。なお、前記炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコールは原料であると共に反応溶剤としても機能するものである。
工程2は、無触媒であってもよいが、酸触媒を用いてもよい。ここで用いる酸触媒としては、濃硫酸、塩酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂(酸型)、シュウ酸等が好ましく用いられる。より好ましくは、濃硫酸等の無機の強酸が挙げられる。酸触媒は、メチロール基を含む重縮合物100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範囲、好ましくは、0.5〜30重量部の範囲で用いることができる。
また、工程2の反応温度は、通常、15〜80℃の範囲、好ましくは40〜60℃の範囲が挙げられる。
反応終了後、必要に応じて精製した後、常法に従って、得られた反応混合物から目的とするアルコキシメチル基を含む樹脂(α)を単離することができる。
ここで、フェノール化合物としてフェノールを用いた場合、アルコキシメチル基を含む樹脂(α)は具体的には、以下の構造式(I−a−1)、及び構造式(I−a−2)
Figure 2014181283
[上記構造式(I−a−1)、及び構造式(I−a−2)においてRは炭素原子数1〜8のアルキル基であり、mは0又は1の整数である]
で表される化合物、並びに、下記構造式(I−a−3)又は構造式(I−a−4)
Figure 2014181283
[構造式(I−a−3)及び構造式(I−a−4)においてRは炭素原子数1〜8のアルキル基であり、mは1〜2の整数である。]
で表される構造部位を繰り返し単位とする重合体、或いは、上記構造式(I−a−3)及び構造式(I−a−4)を繰り返し単位とするランダム重合体若しくはブロック重合体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
また、フェノール化合物としてビスフェノールを用いた場合、下記構造式(I−a−5)〜構造式(I−a−7)
Figure 2014181283
[構造式(I−a−5)〜構造式(I−a−7)においてRは炭素原子数1〜8のアルキ
ル基であり、mは0又は1である。]
で表される化合物、並びに、下記構造式(I−a−8)又は構造式(I−a−9)
Figure 2014181283
[構造式(I−a−8)〜(I−a−9)においてRは炭素原子数1〜8のアルキル基で
あり、mは0又は1の整数である。]
で表される構造部位を繰り返し単位とする重合体、或いは、上記構造式(I−a−8)及び構造式(I−a−9)を繰り返し単位とするランダム重合体若しくはブロック重合体、並びにこれらの混合物が挙げられる。上記構造式(I−a−8)及び構造式(I−a−9)は、結合位置*1〜*3の任意の2つが結合部位となる2価の構造単位、或いは、結合位置*1〜*3の全てが結合部位となる3価の構造単位であってもよい。
次に、前記した通り、上記アルコキシメチル基を含む樹脂(α)を、下記構造式(β−1)
Figure 2014181283
[上記構造式(β−1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立的に、水素原子、炭
素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。]で表されるリン原子含有化合物(β)と反応させて目的とするリン原子含有物質(Ia)
を得ることができる。
前記リン原子含有化合物(β)は、前記構造式(β−1)においてR、R、R、Rの全てが水素原子であって、かつ、Xaが水素原子である、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドであることが最終的に得られるリン原子含有フェノール樹脂の硬化物の難燃性及び耐熱性が極めて良好なものとなる点から好ましい。
前記アルコキシメチル基を含む樹脂(α)と、リン原子含有化合物(β)との反応条件は、例えば、80〜180℃の温度条件下に、反応の進行と共に生成するアルコールを除去しつつ反応させることができる。反応は、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸などの酸触媒下に行ってもよいが、目的物の収率に優れ、かつ、副反応を良好に抑制できる点から無触媒下に行うことが好ましい。有機溶媒は、アルコール系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒などの非ケトン系有機溶媒の存在下で行うことができる。反応後は、必要により、脱水・乾燥して目的物を得ることができる。
この様にして得られるリン原子含有物質(I−a)は、水酸基当量300〜600g/eq.の範囲であることが難燃性に優れる点から好ましく、また、リン原子の含有率を質量基準で5.0〜12.0質量%の範囲であることが薄肉成型品、成型品の薄肉部、薄膜部における難燃性に優れる点から好ましい。また、前記リン原子含有物質(I−a)は、前駆体であるアルコキシメチル基を含む樹脂(α)のR−O−CH2−の5〜20%が残存しているものが、得られるリン原子含有物質(I−a)の溶剤溶解性が良好なものとなる点から好ましい。
また、前記リン原子含有フェノール化合物(I)は、前記リン原子含有物質(I−a)の他、前記フェノール化合物(a1)又はフェノール樹脂(a2)と、アルデヒド化合物(a3)と、前記リン原子含有化合物(β)とを反応させて得られる、フェノール芳香核に前記構造部位z1又はz2を置換基として有するリン原子含有物質(I−b)が挙げられる。
ここで、リン原子含有物質(I−b)は、具体的には、フェノール化合物(a1)又はフェノール樹脂(a2)と、アルデヒド化合物(a3)と、リン原子含有化合物(β)とを一括で反応させるか、或いは、アルデヒド化合物(a3)とリン原子含有化合物(β)とを反応させて下記構造式z1−r
Figure 2014181283
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される中間体z1−r、或いは、下記構造式z2−r
Figure 2014181283
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、R5は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される中間体z1−rを得、次いで、該中間体をフェノール化合物(a1)又はフェノール樹脂(a2)と反応させて得られるものが挙げられる。
ここで、用いられるアルデヒド化合物(a3)は、ホルムアルデヒドの他、下記構造式(a3−1)
Figure 2014181283
(式中、Rは水素原子又は炭素原子1〜3のアルキル基であり、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表されるアルコキシ基を芳香核上の置換基として有する芳香族アルデヒド(a3−1)が挙げられる。
本発明では前記芳香族アルデヒド(a3−1)のなかでも特に1分子中におけるリンの含有率が高くなる点からr=1のものが好ましい。
本発明では、前記芳香族アルデヒド(a3−1)とリン原子含有化合物(β)との反応生成物中に生成する水酸基が、その反応性が優れたものとなり、殆ど触媒を用いなくとも、該生成物はフェノール化合物(a3)中の芳香核に反応する。このような特長がより顕著に現れる点からアルコキシ基はメトキシ基又はエトキシ基であることが好ましい。
前記リン原子含有化合物(β)は、前記した通り、下記構造式(β−1)
Figure 2014181283
(上記構造式(β−1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)で表されるものであるが、本発明では、難燃性の点からR1、R2、R3、R4の全てが水素原子であるものが好ましい。
ここで、アルデヒド化合物(a1)と、リン原子含有化合物(β)との反応条件は、例えば、80〜180℃の温度条件下に行うことができる。該反応は無触媒で行うことができ、または、アルコール系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒などの非ケトン系有機溶媒の存在下で行うことができる。また、該反応は、極めて反応性が高く、特に触媒を必要としないが、適宜、用いても構わない。ここで使用し得る触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。その使用量は仕込み原料の総重量に対して、5.0質量%未満であることが好ましい。
かかる反応によって下記構造式z1−r
Figure 2014181283
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される中間体z1−r、或いは、下記構造式z2−r
Figure 2014181283
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される中間体z1−rを得ることができる。
次に、前記中間体z1−r又はz2−rと反応させる、フェノール化合物(a1)は、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール等の1価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール;ハイドロキノン、カテコール等の2価フェノールが挙げられる。
また、前記中間体z1−r又はz2−rと反応させる前記フェノール樹脂(a2)は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、その他下記構造式(a2−1)
Figure 2014181283
(式中、Yは前記構造式1と同義であり、laは繰り返し単位で0〜10の整数である。)
で表されるノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;
ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、及びリモネンからなる群から選択される脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造をもつフェノール樹脂;下記構造式(a2−2)
Figure 2014181283
(前記式中、Yは前記構造式1と同義であり、lbは繰り返し単位で0〜10の整数である。)で表されるアラルキル型フェノール樹脂;
下記構造式(a2−3)
Figure 2014181283
(前記式中、Yは前記構造式1と同義であり、lcは繰り返し単位で0〜10の整数である。)で表されるアラルキル型フェノール樹脂;
下記構造式(a2−4)
Figure 2014181283
(前記式中、Yは前記構造式1と同義であり、ldは繰り返し単位で0〜10の整数である。)で表されるアラルキル型フェノール樹脂;
が挙げられる。
本発明では、これらのなかでも特に2価フェノール、ビスフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂が、最終的に得られる難燃性ポリアミド樹脂組成物の成形加工性に優れ、かつ、薄肉成型品、成型品の薄肉部、薄膜部における難燃性に優れる点から好ましく、特にノボラック型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂が好ましい。この場合、ノボラック型フェノール樹脂は150℃における溶融粘度が0.5〜300dPa・sの範囲であることが成形加工性の点から好ましい。
次に、前記中間体z1−r又はz2−rと前記フェノール化合物(a1)又はフェノール樹脂(a2)との反応割合は特に限定されることがないが、最終的に得られるリン原子含有物質(I−b)中のリン原子の含有率が質量基準で4.0〜7.0質量%となる割合となる範囲であることが難燃性に優れる点から好ましい。
反応後は、必要により、脱水・乾燥して目的物を得ることができる。
前記リン原子含有物質(I−b)は上記した製造方法によって得られる分子構造を有するものである。具体的な分子構造は前記した各原料成分の選択により任意に設計することが可能であるが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂であって、その芳香核上の置換基として、下記構造式z1
Figure 2014181283
(上記構造式z1中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
で表される構造部位z1又は下記構造式z2
Figure 2014181283
(上記構造式z2中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、R5は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
で表される構造部位z2を有するフェノール樹脂(np1);
下記構造式(I−b−1)又は(I−b−2)
Figure 2014181283
で表される構造を繰り返し単位とするフェノール樹脂であって、前記構造式(I−b−1)又は(I−b−2)中、Yが水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基であり、かつ、Zが、水素原子、前記構造部位z1、前記構造部位z2からなる群から選択され、かつ、該新規フェノール樹脂中、Zの少なくとも一つは前記構造式z1〜z2で表される部分構造から選択される構造部位を有することを特徴とするフェノール樹脂(np2)、
また、ハイドロキノン又はカテコールの芳香核に前記前記構造部位z1又は前記構造部位z2を有する化合物(np3)が挙げられる。
次に、前記リン原子含有物質(II)は、具体的には、フェノール化合物と、前記リン原子含有化合物(β)とホルムアルデヒドとを反応させて得られる前記結節基x2を有するフェノール樹脂、或いは、
下記構造式hb
Figure 2014181283
(式中、R5は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
で表されるヒドロキシベンズアルデヒドとを反応させて下記構造式hb’
Figure 2014181283
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、R5は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
で表されるモノフェノール化合物を得、これを更に前記フェノール化合物と反応させて得られる2官能フェノール化合物が挙げられる。ここで、前記フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール等の1価フェノールが挙げられる。
前述の通り、本発明は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とからなる2液硬化型ポリウレタン樹脂用組成物において、前記リン原子含有難燃剤(B)をポリオール成分、又はポリイソシアネート成分のどちらかに混合したものであり、前記リン原子含有化合物はポリオール成分及びポリイソシアネート成分のどちらに添加しても良く、また、両方に添加しても良い。特に、ポリウレタン樹脂用組成物の経時安定性に優れることから、本発明のポリウレタン樹脂用組成物は、前記成分(A)がポリオール化合物であることが好ましく、即ち、ポリオール化合物(A)と、リン原子含有難燃剤(B)とを必須の成分として含有するものであることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物100質量部中の前記リン原子含有難燃剤(B)の含有量は、より高い難燃効果を奏することから0.5〜50質量部の範囲であることが好ましい。また、より詳細には、2液硬化型ポリウレタン樹脂用組成物として用いるポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及びその他添加剤を含むポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中の前記リン原子含有難燃剤(B)の含有量が0.5〜30質量部の範囲であることが好ましい。なお、本発明で用いる前記リン原子含有難燃剤(B)は難燃剤として非常に高い性能を有することから、ポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中における前記リン原子含有難燃剤(B)の含有量が20質量部以下の場合であっても十分に高い難燃性を発揮する。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物は、更に、その他のノンハロゲン系難燃剤や、硬化触媒、酸化防止剤、安定剤、光安定剤、相溶化剤、滑剤、充填材、接着助剤、防錆剤等の各種添加剤を含有していても良い。また、これをポリウレタン樹脂発泡体用として用いる場合には発泡剤を必須成分として含有し、必要に応じて整泡剤を添加しても良い。
前記ノンハロゲン系難燃剤について、本発明で難燃剤として用いる前記リン原子含有難燃剤(B)はそれ単独でも十分に高い難燃性を発現するものであるが、所望に応じて更に他の難燃剤を併用しても良い。この場合、全難燃剤成分の合計100質量部中の前記リン原子含有化合物の割合は、より難燃性に優れる硬化物が得られることから、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
ここで用いるノンハロゲン系難燃剤は、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物、酸化銅、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、硼酸、硼酸亜鉛化合物等の硼素含有化合物、シリカ、石炭灰(フライアッシュ)、ゼオライト、ケイ酸塩、ポリオルガノシロキサン、シルセスキオキサン、シリコーン樹脂等の珪素含有化合物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、フェニルクレジルホスフェート、フェニルキシレニルホスフェート、クレジルキシレニルホスフェート等のリン酸エステル化合物、ビエスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシンハイドロキノン等で架橋された縮合リン酸エステル、トリアリールホスフィンやトリアルキルホスフィン等の三級ホスフィンやそれらの酸化物、硫化物、熱膨張性黒鉛、メラミン、メチロールメラミン、メラミン樹脂、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メロン等のメラミン化合物等が挙げられる。
中でも、本発明が奏する高い難燃効果を損なわず、かつ、本発明のポリウレタン樹脂用組成物を発泡体用途に用いる場合に、添加による増粘や発泡の減少や発泡体における物性の低下を生じ難いことから、前記熱膨張性黒鉛とメラミン化合物とを併用することが好ましい。
前記熱膨張性黒鉛は、例えば、天然黒鉛を濃硫酸、硝酸、セレン酸等と、強酸化剤である濃硝酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩等で処理して得られるものが挙げられる。このようにして得られる熱膨張性黒鉛は鱗片上の層構造を有するものであり、加熱により該層構造が膨張して不燃の層を形成する。膨張黒鉛は、上述した炭化層の形成を促進すると同時に、難燃性樹脂組成物に耐火能力を付与する。
熱膨張性黒鉛の膨張開始温度は130℃〜300℃の範囲であることが好ましく、より具体的には、170〜200℃の温度に加熱した際の嵩膨張率が2倍以上であり、かつ、膨張容積が10〜300mL/gの範囲であることが、難燃効果がより優れることから好ましい。また、熱膨張性黒鉛の粒径は30〜500μmの範囲であることが好ましく、高い難燃性が得られることから、粒径の異なる複数種の熱膨張性黒鉛を併用することがより好ましい。
前記メラミン化合物は、具体的には、前記したメラミン、メチロールメラミン、メラミン樹脂、メラミンシアヌレート、メラム、メレム、メロン等が挙げられるが、より難燃効果に優れることから、メラミン、メチロールメラミン、メラミン樹脂が好ましく、メラミンがより好ましい。
前記熱膨張性黒鉛と前記メラミン化合物との使用量は、本発明が奏する効果を妨げず、より高い難燃性が発現することから、前記リン原子含有難燃剤(B)、前記熱膨張性黒鉛、及び前記メラミン化合物の合計の質量が、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を含むポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中5〜50質量部の範囲となるように用いることが好ましい。前述の通り、本発明で用いる前記リン原子含有難燃剤(B)は難燃剤として非常に高い性能を有することから、ポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中におけるこれら難燃剤の合計の含有量が20質量部以下の場合であっても十分に高い難燃性を発揮する。
前記硬化触媒は、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N’,N’’−トリス(ジメチルアミノプロプル)ヘキサヒドロトリアジン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリン、ピリジン等のアミン化合物;テトラエチルヒドロキシルアンモニウム等の4級アンモニウム塩;イミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムフェノキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド又はフェノキシド;テトラフェニル錫、トリブチルアンチモンオキサイド等の有機金属化合物;酢酸ナトリウム、オクチル酸スズ、オクチル酸カリウム、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これら硬化触媒の使用量は、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を含むポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中0.01〜5質量%の範囲であることが好ましい。
前記酸化防止剤は、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4−チオビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−メチルフェノール)、4,4−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2,5,7,8−テトラメチル−2(4,8,12−トリメチルデシル)クロマン−2−オール、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス(メチレン)−3−(ドデシルチオプロピオネート)メタン等が挙げられる。
前記安定剤は、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の各種金属せっけん系安定剤;ラウレート系、マレート系やメルカプト系各種有機錫系安定剤;ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の各種鉛系安定剤;エポキシ化植物油等のエポキシ化合物、アルキルアリルホスファイト、トリアルキルホスファイト等のホスファイト化合物;ジベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物;ハイドロタルサイト類やゼオライト類等が挙げられる。
前記光安定剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
前記相溶化剤は、例えば、アクリルオルガノポリシロキサン共重合体、シリカとオルガノポリシロキサンの部分架橋物、シリコーンパウダー、無水マレイン化グラフト変性ポリオレフィン、カルボン酸化グラフト変性ポリオレフィン、ポリオレフィングラフト変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
前記接着助剤は、例えば、各種のアルコキシシラン等が挙げられる。
前記充填材は、例えば、ケイ酸、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、カオリンクレー、焼成クレー、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、バライト等が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物を発泡体用に用いる場合には発泡剤を必須成分として含有する。当該発泡剤について、本発明のポリウレタン樹脂用組成物では、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部が空気中の水分と反応してウレア結合を形成する際に生じる炭酸ガスを発泡源としても良いし、別途発泡剤を添加しても良い。ここで用いる発泡剤は、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、水を単独で用いるか、又は、水とプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素化合物とを併用して用いることが好ましい。これら発泡剤の使用量は発泡剤の種類により最適値が異なるが、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を含むポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物を発泡体用に用いる場合、前記ポリオール化合物や発泡剤として用いる水が含有する活性水素のモル数と、前記ポリイソシアネート化合物が含有するイソシアネート基のモル数との比率は、硬化性が高く、靱性や強度等に優れる成形体が得られることから、活性水素のモル数に対し、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数が0.95〜3.00の割合であることが好ましい。即ち、イソシアネートインデックスは95〜300の範囲であることが好ましい
前記整泡剤は、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンとポリエーテル化合物とのブロック共重合体等のシリコーン化合物等が挙げられ、一種類を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。整泡剤の使用量は、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を含むポリウレタン樹脂の全原料成分の合計100質量部中0.1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物は、ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物の少なくとも一方を必須の成分とするものである。より具体的には、ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物のどちらか一方又は両方に、前記リン原子含有難燃剤(II)を必須とする難燃剤他、各種添加剤成分を混合してポリウレタン樹脂用のポリオール原料とポリイソシアネート原料とを調整し、成形体を製造する際に前記ポリオール原料とポリイソシアネート原料とを混合して用いる。
本発明のポリウレタン樹脂用組成物を発泡体用途に用いる場合、用いるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物により硬質用、半硬質用、軟質用のいずれにも用いることが出来る。該ポリウレタン樹脂用組成物を用いて発泡体を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、羽根付き撹拌機等により混合されたのち、所望の形状に成形したり、所定の表面に塗布したり、吹付により塗工する方法が挙げられる。成形する場合には、例えば、容器に流し込んでシート状若しくはフィルム状に成形する方法や、ダイスを用いて押出注型して成形する方法が挙げられる。一方、表面塗布の場合には、例えば、漬け込み法、刷毛塗り法、ハンドロール法、スプレー法、ロールコーター法、フローコーター法等により所望の塗膜厚に塗布する方法が挙げられる。
このようにして得られる発泡体は、ポリウレタン発泡体が有する断熱性や弾性、機械的強度、遮音性等に加え、非常に高い難燃性を有することから、例えば、建築、冷蔵・冷凍設備、土木、船舶、車両、航空機等の用途における外張り断熱材、充填断熱材、天井断熱材、床下断熱材、壁断熱材、間仕切り断熱材、ドアー芯材、パネル材、断熱対火マット、耐火シート、クッション材、鉄骨耐火被覆、配管保温材、液密・気密シール材、寝具、精密機器等の包装材、インストルメントパネルやアームレスト等の船舶、車両、航空機内容用途など様々な用途に用いることが出来る。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。尚、軟化点、リン含有量、GPC、粘度は以下の条件にて測定した。
軟化点測定法 : JIS K7234
リン含有量測定法 : JIS K0102−46に準拠
GPC :測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
前述した構造式(1)におけるnの値が1以上(以下、「n=1以上」と略す。)の成分比率は、GPCチャートの36.0分未満のピーク面積を基に算出した。
粘度 : E型回転粘度計(東機産業株式会社製「RE80U」)を使用し、25℃条件下で測定した。
合成例1
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、フェノールノボラック樹脂192.4g(1.85モル)とp−アニスアルデヒド68.0g(0.50モル)と9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下、「HCA」と略記する。)108.0g(0.50モル)を仕込み、180℃まで昇温し180℃で8時間反応させた。次いで、水を加熱減圧下に除去し、下記構造単位A及び構造単位B
Figure 2014181283
を繰り返し単位とするリン含有フェノール樹脂(1)355gを得た。得られたフェノール樹脂の軟化点は125℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:180℃)は13dPa・s、水酸基当量は190g/eq.リン含有量4.2質量%であった。
実施例・比較例で用いた各種成分は以下の通りである。
ポリオール化合物(1)
グリセリンのプロピレンオキサイド付加物。水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量(Mn)3,000、粘度500mPa・s(25℃)
ポリオール化合物(2)
グリセリン、ポリプロピレングリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸から合成されるポリエステルポリエーテルポリオール。水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量(Mn)3,000、粘度15,000gPa・s(25℃)
ポリオール化合物(3)
ポリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸、及びイソフタル酸から合成されるポリエステルポリエーテルポリオール。水酸基価200mgKOH/g、粘度3,500mPa・s(25℃)
ポリオール化合物(4)
エチレンジアミンにプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオール。水酸基価450mgKOH/g、粘度1,200mPa・s(25℃)
ポリオール化合物(5)
マンニッヒポリオール(旭硝子株式会社製「エクセノールFB800」)水酸基価305mgKOH/g、粘度1,200mPa・s(25℃)
ポリオール化合物(6)
ポリオキシアルキレンポリオール(三井化学株式会社製「アクトコールT880」)数平均分子量(Mn)220、水酸基価880mgKOH/g
ポリオール化合物(7)
ジエタノールアミン
ポリオール化合物(8)
ジエチレングリコール
モノアルコール化合物(1)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル(ライオン株式会社製「レオソルブ703B」)水酸基価259mgKOH/g、粘度9mPa・s(25℃)
難燃剤(1)
合成例1で得たリン原子含有フェノール樹脂(1)
難燃剤(2)
膨張黒鉛(三洋貿易株式会社製「SYZR502FP」
難燃剤(3)
メラミン樹脂粉末(三井化学社製)
難燃剤(4)
トリスモノクロロプロピルホスフェート
発泡剤(1)

発泡剤(2)
ペンタン
触媒(1)
トリエチレンジアミン
触媒(2)
ペンタメチルジエチレントリアミン
触媒(3)
N,N,N’−ジメチルアミノエチルエタノール
触媒(4)
N,N’,N’’−トリス(ジメチルアミノプロプル)ヘキサヒドロトリアジン
触媒(5)
オクチル酸カリウム
触媒(6)
オクチル酸スズ
整泡剤(1)
シリコーン系樹脂(信越化学株式会社「F701」)
整泡剤(2)
シリコーン系樹脂(信越化学株式会社製「F501」)
整泡剤(3)
シリコーン系樹脂(東レダウコーニング株式会社製「SH−193」)
ポリイソシアネート化合物(1)
トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製「T80」)
ポリイソシアネート化合物(2)
ジフェニルメタンジイソシアネートの一部ポリメリック体混合物(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネート1130」)イソシアネート基含有率31.6質量%、粘度110mPa・s(25℃)
実施例1〜3、比較例1、2
下記表1に示す組成で配合し、ポリウレタン樹脂用組成物を得た。これをA液とする。得られたA液とポリイソシアネート化合物を含むB液とを混合撹拌し、ポリウレタン樹脂発泡体を得た。得られたポリウレタン樹脂発泡体につき、下記条件で各種評価試験を行った。結果を表1に示す。
発泡体密度の測定
得られた発泡体のコア部分から100mm×100mm×25mmの試験片を切り出し、質量とノギスで測定した寸法を元に発泡体のコア密度を求めた。同様の試験を3回繰り返し、3回の測定値の平均値にて評価した。
難燃性評価(1)
UL94試験法に準拠して難燃性の評価を行った。
難燃性評価(2)
得られた発泡体をバーナーの火元から20cmの距離にて20分間火炎放射し、燃焼の有無を評価した。
有炎燃焼の判定
○:まったく燃焼しないもの
△:一部燃焼するものの、難燃性を有するもの
×:激しく燃焼し、難燃性を有しないもの
難燃性評価(3)
得られた発泡体から幅290m×290mm×30mmの試験片を切り出し、45度メッケルバーナー法に基づき2分加熱し、試験片表面の難燃性評価をおこなった。
残炎時間:10秒以下であるものを○、10秒を超えるものを×とした。
残じん時間:30秒以下であるものを○、30秒を超えるものを×とした。
凝縮性排出物:凝縮性排出物が確認されなかったものを○、確認されたものを×とした。
Figure 2014181283
表1中の脚注
(1)イソシアネートインデックスは、ポリオール化合物と発泡剤(1)として用いた水との活性水素の合計モル数を(H)、ポリイソシアネート化合物が含有するイソシアネート基の合計モル数を(NCO)とした場合に、[(NCO)/(H)]×100で求められる値である。
(2)難燃剤含有量はA液とB液との合計質量に対する難燃剤の含有量(質量%)である。

Claims (3)

  1. ポリオール化合物又はポリイソシアネート化合物(A)と、リン原子含有難燃剤(B)とを必須の成分として含有し、前記リン原子含有難燃剤(B)が下記構造式(1)
    Figure 2014181283
    [式中、Xは、メチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、2価の脂肪族環状炭化水素基、下記構造式x1
    Figure 2014181283
    で表される結節基x1、又は、下記構造式x2
    Figure 2014181283
    で表される結節基x2の何れかであり、
    Yは、それぞれ独立的に、水素原子、水酸基、炭素原子数1〜9のアルキル基、又は、炭素原子数1〜9のアルコキシ基、フェニル基、又はベンジル基の何れかであり、
    Zは、それぞれ独立的に水素原子、下記構造式z1
    Figure 2014181283
    (上記構造式z1中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表す。)
    で表される構造部位z1、又は、下記構造式z2
    Figure 2014181283
    (上記構造式z2中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、塩素原子、臭素原子、フェニル基、アラルキル基を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素原子1〜4のアルキル基を表し、rは芳香核上の置換基ORの数であり1〜3である。)
    で表される構造部位z2の何れかであり、
    nおよびmはそれぞれ独立に0〜10の整数である。また、前記Xがメチレン基、2,2−プロピレン基、2価のアラルキル基、又は前記結節基x1の何れかである場合、若しくは、n及びmが0である場合には、前記Zの少なくとも一つは前記構造部位z1又は前記構造部位z2である。また、前記Xとして前記結節基x2を有する場合には、前記Zは水素原子である。]
    で表されるリン原子含有化合物であることを特徴とするポリウレタン樹脂用組成物。
  2. ポリウレタン樹脂用組成物100質量部中における前記リン原子難燃剤(B)の含有量が1〜70質量部の範囲である請求項1記載のポリウレタン樹脂用組成物。
  3. 請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂用組成物と、前記(A)成分のうち前記ポリウレタン樹脂組成物に含まれるものの他の成分と、発泡剤とを混合し、発泡及び硬化させて得られるポリウレタン樹脂発泡体。
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