JP2014180518A - 液体検知装置、液体検知システム、及び、液体検知方法 - Google Patents

液体検知装置、液体検知システム、及び、液体検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏液を確実に検知すると共に設置状態に関する異常を検知する。
【解決手段】液体検知装置10は、液体の介在により導電性を発揮する絶縁シート14と、絶縁シート14の一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材15と、電極部材15同士を結び付けるように接続された抵抗部材18とを有した液体検知センサー1を有している。液体検知装置10は、計測装置2によって電極部材15間の抵抗値を検出し、電極部材15間の抵抗値に基づいて、絶縁シート14が導電性を発揮する漏液状態と、電極部材15と計測装置2との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とを判別し、判別した各状態に対応した判別情報を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水や油等の液体を検知する液体検知装置、液体検知システム、及び、液体検知方法に関する。
従来、漏液を検知するセンサーとして、特許文献1のようなものがある。特許文献1には、離間並行する少なくとも2枚以上の箔状電極を、合成樹脂テープと合成樹脂製不織布テープとにより挟持しこれらを互いに固着するとともに、前記合成樹脂製不織布テープが肌に接触する面に任意形状の粘着材層を設けた柔軟漏液検知装置、が開示されている。
このような漏液検知装置では、漏液していない正常な測定準備完了状態のときは電極部材(箔状電極)間の抵抗が無限大であり、漏液状態のときは濡れた絶縁シート(合成樹脂製不織布)によって電極部材間が電気的に接続されるため低い抵抗となる。従って、電極部材(箔状電極)間の抵抗を検出する検出装置を接続して、抵抗の変化により漏液状態が検知されるようになっている。
実開平5−79468号公報
しかしながら、上記従来では、検出装置と電極部材との接続が物理的に切断または外れる等の事象が起こった場合には、常に電極部材間の抵抗は無限大となる。即ち、このような場合、漏液状態が発生したとしても、漏液検知装置は漏液状態を検出せず測定準備完了状態を示してしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、漏液を確実に検知すると共に設置状態に関する接続解除を検知することができる液体検知装置、液体検知システム、及び、液体検知方法を提供することを目的とする。
本発明の液体検知装置は、液体の介在により導電性を発揮する絶縁シートと、前記絶縁シートの一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材と、前記電極部材同士を結び付けるように接続された抵抗部材とを有した液体検知センサーと、前記電極部材に信号線を介して着脱可能に接続され、前記電極部材間の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、前記電極部材間の抵抗値に基づいて、前記絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とを判別する状態判別部と、前記状態判別部で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力部とを有している。
上記の構成によれば、液体検知センサーは、絶縁シートの一方面上で複数の電極部材が抵抗部材によって接続された状態となっている。従って、絶縁シートが導電性を発揮していない状態では、電極部材間は抵抗部材のみによって導通される。また、絶縁シートが導電性を発揮した状態では、電極部材間は絶縁シート及び抵抗部材によって導通される。これにより、抵抗値検出部は、絶縁シートが導電性が発揮しているか否かで、電極部材間の抵抗値として、異なる抵抗値を検出することができる。また、抵抗値検出部と電極部材との接続が解除されると、抵抗値検出部は、絶縁シートと抵抗部材とによる電極部材の接続回路から切り離されるため、接続解除状態の抵抗値を検出することになる。この結果、抵抗値検出部が検出する抵抗値に基づいて、絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、電極部材と抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とが状態判別部において判別される。これにより、情報出力部から出力された判別情報に基づいて、液体検知センサーと抵抗値検出部との接続作業を正確に行うことができると共に、液体検知センサーの各種状態を外部から監視することが可能になる。
また、本発明の液体検知装置の前記液体検知センサーにおいて、前記抵抗部材は、前記絶縁シートが導電性を発揮したときの抵抗値よりも大きな抵抗値であって、且つ、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除されたときの抵抗値よりも小さな抵抗値を有していてもよい。
上記の構成によれば、抵抗値検出部では、漏液状態の抵抗値<測定準備状態の抵抗値<接続解除状態の抵抗値の関係である抵抗値が検出され、これらの抵抗値に基づいて、絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、電極部材と抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とが状態判別部において判別可能となる。
また、本発明の液体検知装置において、前記抵抗値検出部は、前記液体検知センサーを挟持可能な挟持部と、前記挟持部に設けられ、前記液体検知センサーを挟持したときに前記電極部材に当接され、前記信号線に電気的に接続されるコネクタ側電極部材と、を備える電極コネクタを有していてもよい。
上記構成によれば、電極コネクタの挟持部によって液体検知センサーを挟持することにより、挟持部に設けられたコネクタ側電極部材が電極部材に当接される。これにより、抵抗値検出部の信号線がコネクタ側電極部材を介して電極部材に電気的に接続される。その結果、液体検知センサーに対して抵抗値検出部を容易に着脱可能に接続することができる。また、外部から所定の力(電極コネクタまたは液体検知センサーを引っ張る力)が作用した際、挟持部から液体検知センサーが解除されると、電気抵抗値が無限大となり、解除されたことを検知できる。
また、本発明の液体検知装置において、前記液体検知センサーは、穿刺具を穿刺する穿刺箇所に設置され、前記電極コネクタは、前記穿刺具に取付可能な把持部を有していてもよい。
上記構成によれば、穿刺箇所に穿刺された穿刺具を引っ張る力が生じ、穿刺具が抜ける等の穿刺具の異常設置状態となった場合、把持部によって穿刺具に取り付けられた電極コネクタと、電極部材との接続が解除されるため、液体検知装置は接続解除状態を検知する。その結果、液体検知装置は、穿刺具の異常設置状態が生じた場合には、少なくとも接続解除状態の検知によって、これを検知することができる。
また、本発明の液体検知装置において、前記情報出力部は、前記判別情報を音声及び/又は光により出力する出力器を有していてもよい。
上記の構成によれば、判別情報が音声や光、或いは音声と光により出力されるため、液体検知センサーの状態を容易に判別することができる。
また、本発明の液体検知装置において、前記情報出力部は、少なくとも前記判別情報をデータ送信する端末側通信部を有していてもよい。
上記の構成によれば、判別情報が端末側通信部からデータ送信されるため、液体検知装置から離れた遠隔地においても、データ送信された判別情報に基づいて液体検知装置の状態を監視することができる。また、例えば、判別情報が透析装置にデータ送信されるものである場合、透析装置は接続解除状態または漏液状態を示す判別情報を受信する。この場合、透析装置の血液を循環させるためのポンプ装置を停止させると液漏れを素早く抑えることができる。
また、本発明の液体検知センサーにおいて、前記端末側通信部は、固有のID情報を前記判別情報と共にデータ送信する構成であってもよい。
上記の構成によれば、ID情報に基づいてデータ送信元の液体検知センサーを特定することができるため、ID情報と設置場所を対応させておけば、複数の液体検知装置を遠隔地から監視することができる。
また、本発明の液体検知システムは、前記液体検知装置と、前記液体検知装置を監視する監視装置とを有し、前記監視装置は、前記液体検知装置の前記端末側通信部に対してデータ通信可能に接続された監視側通信部と、前記液体検知装置の前記ID情報を設置場所情報に対応付けて記憶する監視側記憶部と、前記判別情報及び前記設置場所情報を表示する表示部と、前記監視側通信部を介して入力された判別情報と、当該判別情報と共に入力されたID情報に対応する前記設置場所情報を前記表示部に表示させる表示処理部とを有している。
上記の構成によれば、遠隔地において液体検知装置を監視することができる。
また、本発明の液体検知方法は、液体の介在により導電性を発揮する絶縁シートと、前記絶縁シートの一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材と、前記電極部材同士を結び付けるように接続された抵抗部材とを有した液体検知センサーを漏液検知対象にセットするステップと、前記電極部材に信号線を介して着脱可能に接続し、前記電極部材間の抵抗値を検出する抵抗値検出ステップと、前記電極部材間の抵抗値に基づいて、前記絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とを判別する状態判別ステップと、前記状態判別部で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力ステップとを有している。
上記の構成によれば、液体検知センサーは、絶縁シートの一方面上で複数の電極部材が抵抗部材によって接続された状態となっている。従って、絶縁シートが導電性を発揮していない状態では、電極部材間は抵抗部材のみによって導通される。また、絶縁シートが導電性を発揮した状態では、電極部材間は絶縁シート及び抵抗部材によって導通される。これにより、抵抗値検出ステップでは、絶縁シートが導電性を発揮しているか否かで、電極部材間の抵抗値として、異なる抵抗値を検出することができる。また、抵抗値検出部と電極部材との接続が解除されると、絶縁シート上の抵抗部材と電極部材の接続回路から切り離されるため、抵抗値検出ステップにおいて、前記接続回路の抵抗値よりも大きな接続解除状態の抵抗値を検出することになる。この結果、抵抗値検出ステップにおいて検出する抵抗値に基づいて、絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、電極部材と抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とが状態判別ステップにおいて判別される。これにより、情報出力ステップにおいて出力された判別情報に基づいて、液体検知センサーと抵抗値検出部との接続作業を正確に行うことができると共に、液体検知センサーの各種状態を外部から監視することが可能になる。
漏液を確実に検知すると共に設置状態に関する測定準備完了及び接続解除を検知することができる。
液体検知装置の概要を示す説明図である。 液体検知システムの概要を示す説明図である。 液体検知センサーの断面構造を示す説明図である。 電極コネクタの斜視図である。 測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 設置情報テーブルを示す図である。 測定装置が実行する漏液検知プログラムのフローチャートを示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(液体検知装置の概要)
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る液体検知装置10は、液体検知センサー1と、計測装置2とを有している。液体検知装置10において、計測装置2は液体検知センサー1が有する複数(本実施形態では2個)の電極部材15間の抵抗値を計測する。液体検知装置10は、複数の電極部材15間の抵抗値によって、液体検知センサー1の状態を判別する。
具体的に、液体検知センサー1は、液体の介在により導電性を発揮する絶縁シート14と、絶縁シート14の一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材15(電極部材15a・15b)と、電極部材15同士を結び付けるように接続された抵抗部材18とを有している。また、計測装置2は、電極部材15に信号線を介して着脱可能に接続され、電極部材15間の抵抗値を検出する抵抗値検出部23と、電極部材15間の抵抗値に基づいて、液体検知センサー1の状態を判別する状態判別部24と、状態判別部24で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力部25とを有している。
ここで、『液体』は、液体検知センサー1による液状の検知対象物であり、液状であれば、材質や物性に限定されるものではない。液状は、絶縁シート14に含浸・溜液される程度の流動性を有することを意味する。『液体』の種類としては、体液、薬液、純水や不純物を含む水の他、酸、アルカリ、油、有機溶剤等の有機物であってもよい。また、『液体』の物性は、液体検知センサー1が使用される環境温度下で液化している物質であれば良い。
液体検知装置10が判別する液体検知センサー1の状態は、『漏液状態』、『接続解除状態』、及び、『測定準備完了状態』の少なくとも3つの状態である。
『漏液状態』とは、絶縁シート14が導電性を発揮している状態である。即ち、『漏液状態』は、絶縁シート14に液体が介在することにより絶縁シート14が導電性を発揮し、電極部材15間が絶縁シート14によって電気的に接続されている状態を示す。従って、抵抗値検出部23が検出する電極部材15間の抵抗値は、抵抗部材18の抵抗値よりも小さい絶縁シート14による抵抗値となる。
『接続解除状態』とは、電極部材15と抵抗値検出部23との接続が解除された状態である。即ち、『接続解除状態』は、抵抗値検出部23が電極部材15から物理的に分離することにより、電極部材15間の抵抗値は測定できないので、抵抗値検出部23が検出する抵抗値が理論的に無限大となる状態を示す。
尚、『漏液状態』、及び、『測定準備完了状態』において、抵抗値検出部23によって検出される電極部材15間の実際の抵抗値は、電極部材15が有する抵抗値等が含まれたものとなる。また、計測装置2によって測定される抵抗値は、計測装置2自身の内部抵抗値等が含まれるものであってもよい。
このように、液体検知センサー1は、絶縁シート14の一方面上で複数の電極部材15が抵抗部材18によって接続された状態となっている。従って、絶縁シート14が導電性を発揮していない状態では、電極部材15間は抵抗部材18のみによって導通される。また、絶縁シート14が導電性を発揮した状態では、電極部材15間は絶縁シート14及び抵抗部材18によって導通される。これにより、抵抗値検出部23は、絶縁シート14が導電性を発揮しているか否かで、電極部材15間の抵抗値として、異なる抵抗値を検出することができる。また、抵抗値検出部23と電極部材15との接続が解除されると、抵抗値検出部23は、絶縁シート14と抵抗部材18とによる電極部材15の接続回路から切り離されるため、接続解除状態の抵抗値を検出することになる。この結果、抵抗値検出部23が検出する抵抗値に基づいて、絶縁シート14が導電性を発揮する漏液状態と、電極部材15と抵抗値検出部23との接続が解除された接続解除状態と、これらの状態以外の測定準備完了状態とが状態判別部24において判別される。これにより、情報出力部25から出力された判別情報に基づいて、液体検知センサー1と抵抗値検出部23との接続作業を正確に行うことができると共に、液体検知センサー1の各種状態を外部から監視することが可能になる。
また、本実施形態では、図2に示すように、複数の液体検知装置10と、各液体検知装置10とデータ通信可能に接続された監視装置11と、を有する液体検知システム20が構築されている。本実施形態では、複数の液体検知装置10が無線通信にて監視装置11に接続される。尚、液体検知システム20における液体検知装置10は複数に限定されず1以上の液体検知装置10が接続可能にされていればよい。また、液体検知装置10と監視装置11との間のデータ通信は無線に限定されず有線であってもよい。また、データ通信の規格は特に限定されない。
(液体検知センサーの構成)
図1に示すように、液体検知センサー1は、絶縁シート14と、一対の電極部材15(電極部材15a・15b)と、抵抗部材18と、を有している。本実施形態においては、液体検知センサー1の設置対象として、穿刺具31(留置針、翼状針等)を穿刺する穿刺部30(人体の腕や足等の穿刺箇所)を例示する。この例において、透析や輸血、点滴等の治療中に穿刺具31が抜け、穿刺具31や穿刺部30から血液・薬液が漏れる場合が起こり得る。この場合、穿刺部30に液体検知センサー1が貼り付けられているため、血液・薬液の液漏れや液体検知センサー1の設置異常を検知することができる。この際、穿刺部に液体検知センサー1を直接貼り付けるため、少量の液漏れでも検知することができる。
また、液体検知センサー1は、医療用では滅菌処理が施されていることが好ましい。特に、液体検知センサー1は、エチレンオキサイドガス(EOG)による滅菌処理が施されていることが好ましい。
具体的には、図3に示すように、液体検知センサー1は、絶縁シート14と、接着剤層19と、抵抗部材18と、2つの電極部材15a・15bと、粘着部材16とが積層されて形成されている。尚、複数の電極部材が、絶縁シート及び抵抗部材によって接続されていれば、これらの構成や積層順は上記に限定されない。
(液体検知センサー:絶縁シート)
絶縁シート14は、液体の介在により導電性を発揮する。即ち、絶縁シート14は、液体が含侵等されていない場合は絶縁状態であり、液体が介在する場合は導電可能な状態となる。従って、絶縁シート14に液体が含侵等されていない場合には、複数の電極部材15は絶縁シート14による電気的な接続がない状態となる。また、複数の電極部材15は、絶縁シート14に液体が介在する場合には、絶縁シート14によって電気的に接続される状態となる。
絶縁シート14は、液体検知センサー1の外形と相似する、液体検知センサー1よりも小さな平面視四角形状の外形を有し、液体検知センサー1の中央部に配置される。尚、液体検知センサー1は、平面視四角形状に限定されるものではなく、三角形状や五角形状等の多角形状であっても良いし、楕円形状や円形状であっても良い。また、絶縁シート14は、このような液体検知センサー1に相似する形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
絶縁シート14は、液体の介在により導電性を発揮すると共に、液体を吸液及び保持させる構造を有している。即ち、絶縁シート14は、液体の浸透により全体として絶縁性から導電性に変化するように構成されている。
絶縁シート14が備える『吸液・保持構造』は、検知対象物である液体が浸透される構造であれば、材質や形状に限定されるものではない。例えば、不織布構造、連続気泡等を有した多孔性構造、無孔性材料に1以上の孔が形成された構造、無孔性材料に1以上のスリットが形成された構造が例示される。絶縁シート14が不織布や紙である場合には、僅かな液体であっても毛細管現象により絶縁シート14に浸透して絶縁状態から導電状態に変化することになるため、高い検知精度の液体検知センサー1とすることができる。
絶縁シート14の材質は、液体との非接触時において電気抵抗の大きな材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、絶縁シート14には、不織布、ガーゼ、包帯、絆創膏、紙テープ等を用いることができる。
具体的に、絶縁シート14の材質としては、布(綿、麻など)や紙等の植物繊維(セルロース繊維)、化学繊維(レーヨン、キュプラなど)、セラミック、エンジニアリングプラスチック、多孔質素材(スポンジなど)が例示される。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリエステル、ポリベンツイミダゾール、アラミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。
より具体的には、ユニチカ株式会社製(登録商標:MARIX)のポリエステル樹脂からなる不織布を絶縁シート14に用いることができる。この不織布は、ポリエステル繊維を接着する樹脂は水溶性のアクリル樹脂であるため、親水性を有している。尚、上記の不織布の製造法はスパンボンド法である。不織布品番が#20507WTDにおいては、目付けが50g/m2、平均厚みが155μmである。不織布品番が#20604FLDにおいては、目付けが60g/m2、平均厚みが150μmである。不織布品番が#10606WTDにおいては、目付けが60g/m2、平均厚みが215μm(嵩高性あり)である。
絶縁シート14の厚みは、10〜3000μmが好ましい。また、絶縁シート14は、検知対象物である液体に対して親液性を有していることが好ましい。例えば、検知対象とする液体が水であれば、親水性であることが好ましい。親液性を有した構成であると、僅かな液体であっても絶縁シート14内に浸透して絶縁状態から導電状態に変化する。従って、少量の液体でも検知することができると共に、検知までの時間を短縮することができる。
尚、絶縁シート14は、材質自体が親液性を有しているものでもよいし、疎液性の材質の表面に親液性の層が形成されたものでも良い。例えば、絶縁シート14は、吸液・保持構造における液体との接触部の少なくとも一部に、液体に対して界面活性を有する界面活性剤が付着されていても良い。この場合には、検知対象の液体の種類に応じて界面活性剤の種類を使い分けることによって、水、油など検知対象を選択可能な液体検知センサー1とすることができる。
さらに、絶縁シート14は、液体により色が変化する着色部材を有していても良い。着色部材としては、水や油等の溶媒からなる液体に溶解するカプセル内に染料等の着色剤を密封した構成を例示することができる。この場合には、液体によりカプセルが溶けたときに、密封されていた着色剤が流れ出ることによって、絶縁シート14の色が変化するため、視覚により漏液を検知可能な液体検知センサー1とすることができる。
さらに、絶縁シート14は、液体に溶解してイオン化する溶解材料(無機塩類:塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)が付着されていても良い。この場合には、液体自体に導電性がない液体(純水、油等)でも、該液体によりイオン化した溶解材料が絶縁シート14を導電性に変化させることが可能になる。
(液体検知センサー:電極部材)
電極部材15a・15bは、絶縁シート14の一方面に接触状態で設けられている。電極部材15a・15bは、長手方向が並行となるように配置される。電極部材15と、絶縁シート14とは、接着により接触状態にされてもよいし、単に当接されることにより接触状態にされてもよい。また、電極部材15a・15bは、所定の間隔を有して配置される。これにより、複数の電極部材15は、互いに電気的に分離される。所定の間隔とは、液体検知センサー1を設置する雰囲気の湿度に反応して誤動作しない程度の間隔を意味する。したがって、並行配置でなく櫛状、柵状などであってもよい。
また、電極部材15a・15bは、金属層152と、導電性接着剤層151とが積層された構成となっている。これにより、電極部材15a・15bは、絶縁シート14の一方面側に接着性を有し、その接着性により絶縁シート14の一方面に接触状態で接着される。
金属層152は、導電性を有すれば、どのような材質であっても構わない。即ち、金属層152を形成する金属材料としては、ニッケル、銅、銀、錫、金、パラジウム、アルミニウム、クロム、チタン、及び、亜鉛の何れか、またはこれらの2つ以上を含む合金等が使用できる。その中でもアルミや銅等の金属であることが好ましい。
導電性接着剤層151は、樹脂と導電性粒子とを含む。樹脂の材料の例としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、熱可塑性エラストマ系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。具体的には、日本カーバイド社製のKP−1581、KP−1104、KP−2074、及びSZ−6153、ビッグテクノス社製のAR−2172−M3が挙げられる。導電性粒子は、金属材料により一部又は全部が形成されている。
導電性粒子の材料の例としては、銅粉、銀粉、ニッケル粉、銀コ−ト銅粉(AgコートCu粉)、金コート銅粉、銀コートニッケル粉(AgコートNi粉)、金コートニッケル粉があり、これら金属粉は、水アトマイズ法、カーボニル法等により作製することができる。また、上記以外にも、金属粉に樹脂を被覆した粒子、樹脂に金属粉を被覆した粒子を用いることもできる。尚、導電性粒子は、AgコートCu粉、又はAgコートNi粉であることが好ましい。この理由は、安価な材料により導電性の向上した導電性粒子を得ることができるからである。
尚、電極部材15は、印刷により形成されていてもよい。例えば、銀インク等を絶縁シート14に印刷して容易に電極部材15を形成することができる。
本実施形態では、電極部材15a・15bには、計測装置2のコード2aが夫々に接続される。これにより、計測装置2によって電極部材15a・15b間の抵抗値が測定可能となる。尚、図示しないが、コード2aは、電気的に分離する1対の信号線を有しており、夫々が電極部材15a・15bに接続される。
(液体検知センサー:抵抗部材)
抵抗部材18は、電極部材15同士を結び付けるように接続されている。具体的に、抵抗部材18は、2つの電極部材15a・15bにまたがるように接触状態で載置され、抵抗部材18に積層された接着剤層19の接着性により絶縁シート14に接着されている。抵抗部材18は、絶縁シート14と電極部材15a・15bとの間に挟持されるように、接着剤層19によって絶縁シート14に接着される。抵抗部材18は、電極部材15同士を電気的に接続すればよく配設位置や態様は限定されない。
抵抗部材18は、『漏液状態』では、絶縁シート14が導電性を発揮したときの絶縁シート14の抵抗値よりも大きな抵抗値に設定される。加えて、抵抗部材18は、『測定準備完了状態』では、電極部材15と抵抗値検出部23との接続が解除されたときの抵抗値よりも小さな抵抗値に設定される。
また、『接続解除状態』では、抵抗値検出部23で測定される抵抗値は、『測定準備完了状態』よりも高い値となる。
このように、抵抗値検出部23では、「漏液状態の抵抗値」<「測定準備状態の抵抗値」<「接続解除状態の抵抗値」の関係である抵抗値が検出される。従って、状態判別部24は、これらの抵抗値に基づいて、絶縁シート14が導電性を発揮する『漏液状態』と、電極部材と抵抗値検出部との接続が解除された『接続解除状態』と、これらの状態以外の『測定準備完了状態』とが判別可能となる。
抵抗部材18は、導電性を有し、絶縁シート14が導電性を発揮したときの抵抗値よりも大きい値に設定することが可能であれば、どのような材質であっても構わないが、カーボンであることが好ましい。特にケッチェンブラック(商標)等のカーボンブラックを用いたカーボンインクを、絶縁シート14に直接印刷してもよいし、基材に印刷したあと接着剤で接着することにより形成されてもよい。尚、基材の材料としては、布(綿、麻など)や紙等の植物繊維(セルロース繊維)、化学繊維(レーヨン、キュプラなど)、セラミック、エンジニアリングプラスチックが例示される。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリエステル、ポリベンツイミダゾール、アラミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。
また、ニッケル、アルミ等の金属粒子を絶縁シート14に付着させ、付着させた箇所に複数の電極部材15を接触させる構成でもよい。
また、抵抗部材18は、樹脂と導電性粒子とを含む薄膜層であってもよい。これにより、樹脂と導電性粒子とを含む導電性接着剤を薄膜状に絶縁シート14や基材に塗布するのみで抵抗部材を容易に形成することができる。
樹脂の材料の例としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、熱可塑性エラストマ系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。具体的には、日本カーバイド社製のKP−1581、KP−1104、KP−2074、及びSZ−6153、ビッグテクノス社製のAR−2172−M3が挙げられる。導電性粒子は、金属材料により一部又は全部が形成されている。
導電性粒子の材料の例としては、銅粉、銀粉、ニッケル粉、銀コ−ト銅粉(AgコートCu粉)、金コート銅粉、銀コートニッケル粉(AgコートNi粉)、金コートニッケル粉があり、これら金属粉は、水アトマイズ法、カーボニル法等により作製することができる。また、上記以外にも、金属粉に樹脂を被覆した粒子、樹脂に金属粉を被覆した粒子を用いることもできる。尚、導電性粒子は、AgコートCu粉、又はAgコートNi粉であることが好ましい。この理由は、安価な材料により導電性の向上した導電性粒子を得ることができるからである。
抵抗部材18の抵抗値の下限は、検知対象の液体の抵抗値によって適宜設定する必要があり、絶縁シート14が導電性を発揮して漏液を検知する抵抗値よりも大きい値に設定される。
(液体検知センサー:粘着部材)
粘着部材16は、粘着剤61と、粘着用フィルム62とが積層されている。そして、粘着部材16は、絶縁シート14及び電極部材15a・15bを保持すると共に、これら絶縁シート14、電極部材15a・15b及び抵抗部材18を覆うように形成される。なお、絶縁シート14及び電極部材15a・15bは、電極部材15a、15bが並行に載置された長手方向の一方側の粘着部材16から所定長さ突出しているので、この突出部分は粘着部材16で覆われていない。粘着部材16は露出箇所に粘着性を有している。従って、液体検知センサー1の絶縁シート14、電極部材15a・15b及び抵抗部材18を粘着部材16により容易に所望箇所に取り付けることが可能になる。粘着用フィルム62は、粘着剤61のベースフィルムとなるものであり、液体検知センサー1における絶縁シート14とは反対側の面に配置されている。粘着用フィルム62は、絶縁シート14及び電極部材15a・15bの突出部を除いたものよりも大きなサイズに形成されている。これにより、粘着用フィルム62は、粘着剤61の保持と共に、設置状態の液体検知センサー1における絶縁シート14及び電極部材15a・15bをカバーすることによって、絶縁シート14及び電極部材15a・15bを衝撃や擦れによる外力から保護するようになっている。
なお、液体検知センサー1には、粘着部材16の外形状と同一形状である剥離シート13が設けられていても良い。剥離シート13は、粘着剤61の粘着性を長期に亘って維持することを可能にすると共に、必要なときにだけ液体検知センサー1の設置対象に対する粘着性を発揮させることを可能にする。これにより、剥離シート13は、液体検知センサー1の設置前状態において、粘着部材16とで絶縁シート14及び電極部材15a・15bを保護することを可能にしている。
(計測装置の構成)
計測装置2は、抵抗値を検出するための回路等が収容される本体22と、この本体22にコード2aを介して接続される電極コネクタ21とを有している。これにより、計測装置2は、電極部材15a・15bにコード2aを介して着脱可能に接続され、電極部材15間の抵抗値を検出する抵抗値検出部23としての機能と、電極部材15間の抵抗値に基づいて、液体検知センサー1の状態を判別する状態判別部24としての機能と、状態判別部24で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力部25としての機能とを実現する。図1に示すように、本体22には、情報出力部25としての表示部72及びスピーカ74が設けられている。表示部72は、判別情報を光により出力する出力器であり、LED等によって構成される。スピーカ74は、判別情報を音声により出力する出力器である。
判別情報とは、液体検知センサー1の状態(漏液状態、接続解除状態、及び、測定準備完了状態)を識別可能な情報である。尚、漏液状態、及び、接続解除状態は、液体検知センサー1を目視で確認できるため、判別情報は少なくとも測定準備完了状態であるか否かが判別できればよい。このように、判別情報が音声や光、或いは音声と光により出力されるため、液体検知センサー1の状態を容易に判別することができる。
本実施形態では、表示部72は、判別情報をLEDの消灯、点灯及び点滅等によって示す。尚、表示部72はこれに限定されず、例えば、表示部72は液晶表示装置であり判別情報を文字、マーク及び絵等で出力するものであってもよい。スピーカ74は、判別情報をブザー等の報知音によって示す。尚、これに限定されず例えば、判別情報を示す内容を具体的に音声で出力するものであってもよい。
(計測装置:電極コネクタ)
図1及び図4に示すように、電極コネクタ21は、液体検知センサー1を挟持可能な挟持部214a及び挟持部215aと、挟持部214aに設けられ、液体検知センサー1を挟持したときに電極部材15a・15bに当接され、コード2aに電気的に接続されるコネクタ側電極部材211(コネクタ側電極部材211a・211b)と、を備える。上述のように、コード2aは、1対の信号線を有している。この1対の信号線の夫々が、コネクタ側電極部材211a・211bに接続される。これにより、電極部材15a・15b間に対して電圧を付加し、電流を計測することによって、電極部材15a・15b間の抵抗値を計測することができる。
具体的に、電極コネクタ21は、支点213を介して開閉自在な一対のホルダー214、215と、ホルダー214に形成された挟持部214a及びホルダー215に形成された挟持部215aと、挟持部214aに設けられたコネクタ側電極部材211(コネクタ側電極部材211a・211b)と、ホルダー215に設けられた把持部212とを備えている。電極コネクタ21のコネクタ側電極部材211は、コード2aを介して計測装置2と電気的に接続される。
そして、挟持部214aと挟持部215aとで液体検知センサー1が備える電極部材15a、15bを挟持することにより、コネクタ側電極部材211aが電極部材15aに当接され、コネクタ側電極部材211bが電極部材15bに当接される。これにより、電極部材15a・15bの夫々が、独立して計測装置2と電気的に接続される。更に、電極コネクタ21は、把持部212によって穿刺具31に固定可能にされている。
ホルダー214、215は、相対向する位置に配置され、ホルダー214がホルダー215に対して支点213を回転軸として回動自在に連結されている。ホルダー214は、図示しないバネ等の付勢機構によりホルダー215方向へ付勢されている。
ホルダー214、215の先端側には、液体検知センサー1を挟持する挟持部214a、215aが設けられている。挟持部214a、215aには、対向する位置に歯合する凹凸状の歯部を設けてもよい。この場合、挟持部214a、215aによって液体検知センサー1を挟持する際に、液体検知センサー1に歯部が噛み込むので、液体検知センサー1をより強固に固定することができる。
コネクタ側電極部材211a、211bは、ホルダー215側に三角形状に突出した形状に形成されている。これにより、電極部材15a、15bとの当接を容易・確実にすることができる。
コネクタ側電極部材211a、211bは、導電性を有すれば、どのような材質であっても構わない。すなわち、コネクタ側電極部材211a、211bを形成する金属材料としては、ニッケル、銅、銀、錫、金、パラジウム、アルミニウム、クロム、チタン、及び、亜鉛の何れか、またはこれらの2つ以上を含む合金等が使用できる。その中でもアルミや銅等の金属であることが好ましい。
また、図4に示すように、ホルダー215には、把持部212が設けられている。把持部212は、断面視Ω形状をしている。従って、液体検知センサー1が、穿刺具31を穿刺する穿刺部30に設置される場合、把持部212を穿刺具31に取り付けることによって、電極コネクタ21を穿刺具31に固定することが可能になっている。
そして、把持部212の材質としては、穿刺具31に嵌め込み易いように、弾力変形する弾性部材が使用される。この弾性部材としては、樹脂又は加硫ゴムが主材であるポリマーが例示される。更に、樹脂として、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フェノール系樹脂及びシリコン系樹脂が例示される。把持部212は断面視Ω形状の弾性部材の他に図示しないが、支点を介して挟持・開放できるクリップであってもよい。またΩ形状以外に半円形状であってもよい。
また、把持部212のリングの一部が分離した部分には、翼部212aが設けられている。この翼部212aは、例えば、穿刺部30に当接することにより、電極コネクタ21の穿刺部30に対する体勢を安定した状態(左右にずれないなど)で取り付けることができるようにしている。この翼部212aの幅(大きさ)は取り付ける場所により適宜決めてもよい。また、把持部212を穿刺具31から取り外す際に、把持部212が弾性部材であるため、容易に取り外しができるが、この翼部212aを掴み、翼部212aを拡げることにより、把持部212を穿刺具31から取り外すこともできる。
このように、穿刺部30に穿刺された穿刺具31にずれが生じ、穿刺具31が抜ける等の異常設置状態となった場合、穿刺具31に把持部212によって取り付けられた電極コネクタ21と、電極部材15との接続が解除されるため、液体検知装置10は接続解除状態を検知することができる。その結果、液体検知装置10は、穿刺具31の異常設置状態が生じた場合には、少なくとも接続解除状態の検知によって、これを検知することができる。
(液体検知装置の電気的構成)
次に、図5を参照して、液体検知装置10の電気的構成を示す。液体検知センサー1では、絶縁シート14上において、電極部材15a・15b間が抵抗部材18によって接続された回路が構成されている。例えば、絶縁シート14が液体の介在により導電性を発揮した場合には、電極部材15a・15b間が、絶縁シート14によって接続(導通)された回路が構成されることになる。尚、抵抗部材18と、絶縁シート14とは、分離して電極部材15a・15bに接続されていてもよい。
計測装置2の本体22は、演算部79、抵抗値検出回路71、A/D変換部77、入力部73、スピーカ74、表示部72、電源部75、通信インターフェース76、ROM781、及び、RAM782を有している。
抵抗値検出回路71は、電極コネクタ21のコネクタ側電極部材211a・211bを介して、液体検知センサー1の電極部材15a・15bに接続されている。抵抗値検出回路71は、電源部75からの電力に基づき、電極部材15a・15b間に所定の電圧を掛けると共に、図示しない電流計によって電極部材15からの電流を計測する。さらに、抵抗値検出回路71は、この電流と付加した電圧とに基づき、電極部材15a・15b間の抵抗値を算出する。即ち、抵抗値検出回路71において、測定準備完了状態では、電極部材15a・15b間の抵抗部材18の抵抗値が算出される。また、漏液状態では、導電性を発揮した絶縁シート14の抵抗値が検出される。また、接続解除状態では、電極部材15aと電極コネクタ211a、及び/又は、電極部材15bとコネクタ側電極部材211bの電気的な接続が解除されるため、電流が流れず抵抗値が無限大となる。そして、抵抗値検出回路71は、算出した抵抗値をA/D変換部77を介して演算部79へ出力する。
演算部79は、電源部75からの電力供給により、各種プログラムを実行するとともに、各種アクチュエータの動作を制御する。具体的に、演算部79は、後述の漏液検知プログラムを、抵抗値検出回路71からの抵抗値に基づいて液体検知センサー1の状態を決定する。漏液検知プログラム等の各種プログラムは、ROM781やRAM782の記憶手段に格納される。また、演算部79は、決定した液体検知センサー1の状態に応じて、スピーカ74や液晶表示装置等の表示部72に液体検知センサー1の状態を報知する。また、スイッチ、キーボード、及び、マウス等の入力部73により、検知の開始・終了や、液体検知センサー1の状態を判定するための閾値等の設定が可能となっている。このような設定値は、RAM782に格納される。
また、演算部79は、通信インターフェース76を介して、液体検知センサー1の状態を示す判別情報に基づく判別情報信号を外部へ出力することが可能となっている。即ち、通信インターフェース76は、少なくとも判別情報をデータ送信する端末側通信部として機能する。具体的に、演算部79は、通信インターフェース76を介して、固有のID(Identification)情報を判別情報と共にデータ送信する。固有のID情報とは、計測装置2を個別に識別するための情報である。本実施形態において、計測装置2は、判別情報信号を液体検知システム20における監視装置11へ送信する。例えば、設置対象からの液漏れを検出した場合、監視装置11等のシステムに信号を出力することが可能である。これにより、例えば、離れた場所への警報や、液漏れ時の自動対応(例えば、設置対象に関連するシステムの自動停止)等が可能となっている。このように、ID情報に基づいてデータ送信元の計測装置2を特定することができる。従って、異常状態の液体検知センサー1を特定することができるため、ID情報と設置場所を対応させておけば、複数の液体検知装置10を遠隔地から監視することができる。尚、本実施形態では、上述の通り、無線通信によって判別情報信号を外部へ出力するものであるが、計測装置2に端末側通信部として有線用の外部接点出力をさらに設けてもよい。これにより、端末側通信部は無線、有線のどちらでも対応できる。
(監視装置)
図2に示すように、監視装置11は、液体検知装置10を監視するものである。具体的に、監視装置11は、液体検知装置10の端末側通信部としての通信インターフェース76に対してデータ通信可能に接続された監視側通信部111と、液体検知装置10のID情報を設置場所情報に対応付けて記憶する監視側記憶部112と、判別情報及び設置場所情報を表示する表示部113と、監視側通信部111を介して入力された判別情報と、当該判別情報と共に入力されたID情報に対応する設置場所情報を表示部113に表示させる表示処理部114と、を有している。
監視装置11は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを記憶するROMと、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAMと、を含んでいる。RAMは、監視側記憶部112として機能する。また、監視装置11は、スイッチ、キーボード、及び、マウス等を入力デバイスとして備え、液晶表示装置を表示部113として備える。監視装置11が有する上記の各部は、これらハードウェアとROM内のソフトウェア・データとが協働して構築されている。尚、監視装置11は1台のコンピュータに限定されず、複数のコンピュータ、モバイル、PDAなどに上記の各部の機能を分散させて設けるものであってもよい。
(監視装置:設置情報テーブル)
ここで、監視側記憶部112が記憶する設置情報テーブルについて説明する。
図6に示すように、設置情報テーブルは、ID情報欄と、設置場所欄と、開始日時欄と、ステータス欄とを有している。ID情報欄には、計測装置2を識別するID情報が入力される。設置場所欄には、計測装置2(液体検知装置10)が設置される設置場所を示す情報が入力される。設置場所に対して計測装置2が固定的に用いられる場合には、ID情報と設置場所情報とが予め監視装置11に対応付けて記憶されていてもよい。また、計測装置2が複数の設置場所で用いられる場合には、計測を開始する際に計測装置2に設置場所を入力し、設置場所情報を判別情報信号に含めてもよい。また、計測を開始する際に監視装置11に入力するものであってもよい。開始日時欄には、計測の開始日時が入力される。開始日時は、最初に判別情報信号を受信した際に入力されるものであってもよいし、計測を開始する際に監視装置11に入力するものであってもよい。ステータス欄には、計測装置2が計測する液体検知センサー1の状態(漏液状態、接続解除状態、及び、測定準備完了状態)が入力される。尚、監視装置11において、未使用状態の計測装置2を管理する場合には、ステータス欄に未使用状態である旨が入力されてもよい。この場合、使用後の計測装置2について計測終了を示す入力が、計測装置2又は監視装置11に対し行われてもよい。
(液体検知センサーの適用例)
上記のようにして製造されたシート状の液体検知センサー1は、複数枚が一括された積層状態にまとめられる。そして、これらの液体検知センサー1が作業員のポケットや道具ケース等の収納手段に保管される。即ち、液体検知センサー1は、ガーゼ付き絆創膏のように、作業員に携帯された状態で保管することが可能になっている。
図1に示すように、漏液の有無を検知したい機器や箇所の設置対象が存在する場合は、先ず、剥離シート13を備えた液体検知センサー1であれば、剥離シート13を剥がし、剥離シート13を備えない液体検知センサー1であれば、そのままの状態で穿刺部30に貼り付けられる。
次に、液体検知センサー1において外側に露出する電極部材15a・15bが、絶縁シート14ごと引き上げられ、計測装置2の電極コネクタ21の挟持部214a、215aによって挟み込まれる。これにより、電極コネクタ21の挟持部214aに設けられたコネクタ側電極部材211a・211bが、電極部材15a・15bの夫々に電気的に接続される。電極コネクタ21は、把持部212によって設置対象である穿刺具31に固定可能にされている。また、把持部212は翼部212aを有しており、電極コネクタ21は穿刺部30に安定的に設置可能にされている。
このように、液体の介在により導電性を発揮する絶縁シート14と、絶縁シートの一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材15と、電極部材同士を結び付けるように接続された抵抗部材18とを有した液体検知センサー1が漏液検知対象にセットされる。そして、液体検知センサー1の電極部材15が電極コネクタ21を介して着脱可能に接続される。
設置対象において漏液が起こると、絶縁シート14は、液体が浸透されることによって導電性を発揮する。これにより、抵抗部材18のみによって導通されていた電極部材15a・15bが、絶縁シート14を介して電気的に接続されることになる。導電性を発揮した絶縁シート14は、抵抗部材18よりも低い抵抗値になるため、計測装置2が示す電気抵抗も低い抵抗値に変化することになる。これにより、漏液状態が検出されることになる。
また、何らかの原因により、抵抗部材18と電極部材15同士の接続や、電極部材15と計測装置2との接続が解除された場合、計測装置2が示す電気抵抗は、抵抗部材18よりも高い抵抗値に変化することになる。これにより、液体検知センサー1の接続解除状態が検出されることになる。
このような漏液による異常が発生した場合、液体を検知した液体検知センサー1は作業員により設置対象から剥がされ、測定作業を終了する。そして、再度測定作業をする場合は、測定準備完了状態に戻すために、未使用の液体検知センサー1に交換される。このように、液体検知センサー1がガーゼ付き絆創膏のような使い捨ての使用形態で用いることが可能になる。尚、使用済みの液体検知センサー1は、浸み込んだ液体が乾燥されることによって、再使用されても良い。また、接続解除状態の場合は作業員により液体検知センサー1の電極部材15が電極コネクタ21を介して接続され、液体検知センサー1が測定準備完了状態に再度設置される。
(液体検知装置の動作)
次に、液体検知装置10において、計測装置2の演算部79が実行する漏液検知プログラムについて説明する。尚、本実施形態では、抵抗部材18と電極部材15a・15b間の抵抗値のことをセンサー抵抗値と称す。
図7に示すように、先ず、開始操作が行われたか否かが判定される(S1)。具体的には、入力部73において外部から開始の操作が行われ、当該操作を示す信号が演算部79に送信されたか否かが判定される。開始操作が行われない場合(S1:NO)、S1の処理を再度実行する。即ち、開始操作を待機する待機状態となる。
一方、開始操作が行われた場合(S1:YES)、センサー抵抗値を取得する(S2)。その後、接続解除閾値が決定される(S3)。具体的に、接続解除閾値は、電極部材15a・15bと計測装置2(抵抗値検出部23)との接続が不良となる接続解除状態を判定するための閾値である。接続解除状態は、上述のように、電極コネクタ21が電極部材15a・15bから分離した状態であり、電極コネクタ21が穿刺具31に固定されている場合には、穿刺具31が穿刺部30から分離してしまった状態(例えば、点滴における留置針、翼状針等の抜針)である。尚、接続解除閾値は、電極部材15a・15b間が完全に非導通となる値(抵抗値が無限大)に設定してもよい。本実施形態では、液体検知センサー1を設置対象に設置したときのセンサー抵抗値に第1所定値を加算した値を接続解除閾値とする。第1所定値は、設置対象の環境に応じて予め適宜設定される。
そして、漏液閾値が決定される(S4)。具体的に、漏液閾値は、絶縁シート14が漏液により導電性を発揮し、電極部材15a・15b間が絶縁シート14により導通した漏液状態を判定するための閾値である。液体検知センサー1では、導電性を発揮した絶縁シート14よりも抵抗部材18の抵抗値が大きく設定されるため、漏液閾値は、導電性を発揮した絶縁シート14と、抵抗部材18との間の抵抗値が設定される。本実施形態では、液体検知センサー1を設置対象に設置したときのセンサー抵抗値に第2所定値を減算した値を漏液閾値とする。第2所定値は、絶縁シート14や漏れを検出する液体の物性に応じて予め適宜設定される。
尚、漏液閾値は複数から選択可能にされていてもよい。例えば、計測装置2において第2所定値が複数から選択可能にされていてもよい。具体的に、上記の液体検知装置10を構成し、液体検知センサー1の漏液状態と、液体検知センサー1の抵抗値との関係を測定したところ、絶縁シート14に0.05mlの生理食塩水を含ませた場合には5kΩ〜6kΩの抵抗値を検出し、絶縁シート14に0.10mlの生理食塩水を含ませた場合には2kΩ〜3kΩの抵抗値を検出した。従って、液体検知装置10において、漏液閾値が、6kΩ及び3kΩの何れかから選択可能にされていてもよい。即ち、少量の生理食塩水を検出する場合には漏液閾値として6kΩを選択することができ、多量の生理食塩水を検出する場合には漏液閾値として3kΩを選択することができる。また、接続解除閾値についても、複数から選択可能にされていてもよい。なお、血液などの検知対象の場合は、そのサンプルを採取して、それらの測定結果から漏液検知の閾値を適宜設定すればよい。
このように、液体検知センサー1ごとに閾値を定めることで、液体検知センサー1ごとに抵抗値が異なる場合であってもバラツキを補正することができる。
その後、液体検知センサー1が漏液状態であるか否かを判定する。具体的に、決定した接続解除閾値が、計測装置の測定範囲上限値以上であるか否かが判定される(S5)。尚、接続解除閾値として無限大を許容する場合は、この処理を行わなくてもよい。決定した接続解除閾値が、計測装置の測定範囲上限値以上でない場合(S5:NO)、決定した漏液閾値が、計測装置の測定範囲下限値以下であるか否かが判定される(S6)。決定した漏液閾値が、計測装置の測定範囲下限値以下でない場合(S6:NO)、検知動作が開始される。
検知動作が開始されると、センサー抵抗値が取得される(S7)。そして、取得したセンサー抵抗値が接続解除閾値以上であるか否かが判定される(S8)。センサー抵抗値が接続解除閾値以上でない場合(S8:NO)、取得したセンサー抵抗値が漏液閾値以上であるか否かが判定される(S9)。センサー抵抗値が漏液閾値以上でない場合(S9:NO)、S7の処理に戻って、検知動作が継続される。
一方、S5、S6、S8、及び、S9の各異常判定処理において、異常であると判定された場合(接続解除閾値が計測装置の測定範囲上限値以上である場合(S5:YES)、漏液閾値が計測装置の測定範囲下限値以下である場合(S6:YES)、センサー抵抗値が接続解除閾値以上である場合(S8:YES)、センサー抵抗値が漏液閾値以上である場合(S9:YES))は、次の処理が実行される。
即ち、S5、S6、S8、及び、S9の各異常判定処理において、異常である場合、警報処理が実行される(S10)。具体的に、スピーカ74が制御されて警報音が出力されると共に、表示部72に判別情報を示す表示がなされる。さらに、監視装置11に対して、判別情報信号が送信される。
尚、監視装置11は、判別情報信号を受信した場合、表示部113において判別情報を示す表示がなされる。具体的には、監視装置11は、判別情報信号に含まれるID情報を取得する。そして、監視装置11は、設置情報テーブルを参照し、取得したID情報に対応する場所情報を参照すると共に、設置情報テーブルのステータス欄を更新する。そして、監視装置11は、表示部113に、計測装置2を示すID情報と、計測装置2が設置される場所情報と、計測装置2が計測する液体検知センサー1の状態とを表示する。このように、監視装置11が液体検知装置10から遠隔地にあったとしても液体検知装置10を監視することができる。尚、監視装置11が、液体検知センサー1の状態を表示部113に表示する際に、スピーカ等により音声を出力することとしてもよい。
また、図示しないが、計測装置2が透析装置にデータ送信可能に接続される場合には、S10において、透析装置に判別情報信号を送信してもよい。尚、透析装置は、接続解除状態又は漏液状態を示す判別情報信号を受信した場合に、透析装置が有する血液を循環させるためのポンプ装置を停止させることが好ましい。これにより、液体検知センサー1を設置する穿刺部等からの液漏れや、抜針等の穿刺具の異常設置に起因する液漏れを素早く抑えることができる。
S10の後、警報解除処理が行われる(S11)。警報解除処理は、液体検知センサー1の管理者等によって入力部73への警報解除の操作がなされることを契機として、上記の警報処理が停止される処理である。さらに、監視装置11に対して、警報解除信号が送信される。
監視装置11は、警報解除信号を受信することにより、監視装置11における液体検知センサー1の状態の表示が停止されてもよい。また、監視装置11は、警報解除信号を受信することにより、液体検知装置10の異常が解消されたことを示す情報を表示してもよい。
S11の後、検知動作を継続するか否かが判定される(S12)。即ち、液体検知センサー1の管理者等による入力部73への操作が、現在の検知動作を継続するか否かのいずれを示すものであるかを判定する。尚、上記いずれかの操作を行うように、表示部72に示すものであってもよい。
入力操作が現在の検知動作を継続するものである場合(S12:YES)、S7の処理に戻って、検知動作が継続される。入力操作が現在の検知動作を継続するものでない場合(S12:NO)、本プログラムが終了される。
このように、電極部材15間の抵抗値が検出される抵抗値検出処理と、電極部材15間の抵抗値に基づいて、絶縁シート14が導電性を発揮する漏液状態と、電極部材15と抵抗値検出部23との接続が解除された接続解除状態と、これらの状態以外の測定準備完了状態とを判別する状態判別処理と、状態判別部24で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力処理とが実行される。
また、漏液検知プログラムは、タイマー機能を有していてもよい。即ち、漏液検知プログラムの開始時に終了時刻の登録を行い、設定された終了時刻に達した時に漏液検知プログラムを終了させる割り込みを行ってもよい。また、漏液検知プログラムの開始時に実行時間の登録を行うとともに時間のカウントを開始し、設定された時間に達した時に漏液検知プログラムを終了させる割り込みを行ってもよい。また、登録された終了時刻を監視装置11へ送信し、監視装置11において終了時刻に報知を行ってもよい。
また、漏液検知プログラムは、所定時間毎(例えば、S9においてNOと判断された後)に、監視装置11に対して測定準備完了状態であることを示す判別情報信号を出力してもよい。これにより、監視装置11は、定期的な判別情報信号が無い場合に、計測装置2自体が異常であることを検出することができる。
また、漏液検知プログラムは、S12においてNOと判断された場合に、監視装置11に対して計測が終了されたことを示す信号を出力してもよい。
以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。
また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
1 液体検知センサー
2 計測装置
2a コード
10 液体検知装置
11 監視装置
13 剥離シート
14 絶縁シート
15 電極部材
16 粘着部材
18 抵抗部材
19 接着剤層
20 液体検知システム
21 電極コネクタ
22 本体
23 抵抗値検出部
24 状態判別部
25 情報出力部
30 穿刺部
31 穿刺具
61 粘着剤
62 粘着用フィルム
71 抵抗値検出回路
72 表示部
73 入力部
74 スピーカ
75 電源部
76 通信インターフェース
77 A/D変換部
79 演算部
111 監視側通信部
112 監視側記憶部
113 表示部
114 表示処理部
151 導電性接着剤層
152 金属層
211 コネクタ側電極部材
211a コネクタ側電極部材
211b コネクタ側電極部材
212 把持部
212a 翼部
213 支点
214 ホルダー
214a 挟持部
215 ホルダー
215a 挟持部
781 ROM
782 RAM

Claims (9)

  1. 液体の介在により導電性を発揮する絶縁シートと、前記絶縁シートの一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材と、前記電極部材同士を結び付けるように接続された抵抗部材とを有した液体検知センサーと、
    前記電極部材に信号線を介して着脱可能に接続され、前記電極部材間の抵抗値を検出する抵抗値検出部と、
    前記電極部材間の抵抗値に基づいて、前記絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とを判別する状態判別部と、
    前記状態判別部で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力部と
    を有することを特徴とする液体検知装置。
  2. 前記液体検知センサーにおいて、前記抵抗部材は、前記絶縁シートが導電性を発揮したときの抵抗値よりも大きな抵抗値であって、且つ、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除されたときの抵抗値よりも小さな抵抗値を有することを特徴とする請求項1に記載の液体検知装置。
  3. 前記抵抗値検出部は、前記液体検知センサーを挟持可能な挟持部と、前記挟持部に設けられ、前記液体検知センサーを挟持したときに前記電極部材に当接され、前記信号線に電気的に接続されるコネクタ側電極部材と、を備える電極コネクタを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体検知装置。
  4. 前記液体検知センサーは、穿刺具を穿刺する穿刺箇所に設置され、
    前記電極コネクタは、前記穿刺具に取付可能な把持部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体検知装置。
  5. 前記情報出力部は、前記判別情報を音声及び/又は光により出力する出力器を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の液体検知装置。
  6. 前記情報出力部は、少なくとも前記判別情報をデータ送信する端末側通信部を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体検知装置。
  7. 前記端末側通信部は、固有のID情報を前記判別情報と共にデータ送信することを特徴とする請求項6に記載の液体検知装置。
  8. 請求項7に記載の液体検知装置と、
    前記液体検知装置を監視する監視装置とを有し、
    前記監視装置は、
    前記液体検知装置の前記端末側通信部に対してデータ通信可能に接続された監視側通信部と、
    前記液体検知装置の前記ID情報を設置場所情報に対応付けて記憶する監視側記憶部と、
    前記判別情報及び前記設置場所情報を表示する表示部と、
    前記監視側通信部を介して入力された判別情報と、当該判別情報と共に入力されたID情報に対応する前記設置場所情報を前記表示部に表示させる表示処理部と
    を有することを特徴とする液体検知システム。
  9. 液体の介在により導電性を発揮する絶縁シートと、前記絶縁シートの一方面に接触状態で設けられていると共に、互いに電気的に分離された複数の電極部材と、前記電極部材同士を結び付けるように接続された抵抗部材とを有した液体検知センサーを漏液検知対象にセットするステップと、
    前記電極部材に信号線を介して着脱可能に接続し、前記電極部材間の抵抗値を検出する抵抗値検出ステップと、
    前記電極部材間の抵抗値に基づいて、前記絶縁シートが導電性を発揮する漏液状態と、前記電極部材と前記抵抗値検出部との接続が解除された接続解除状態と、測定準備完了状態とを判別する状態判別ステップと、
    前記状態判別部で判別された各状態に対応した判別情報を出力する情報出力ステップと
    を有することを特徴とする液体検知方法。
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