JP2014179202A - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制し、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた電気化学セルを提供する。
【解決手段】正極30と、負極40と、支持塩及び非水溶媒を含む電解液と、セパレータ30とを備えてなり、負極40に用いる負極活物質が、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、さらに、第一の添加元素M{BまたはPの少なくとも何れかの元素}、または、第二の添加元素R{In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素}のうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学セルに関するものであり、特に、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタ、イオンキャパシタ等の電気化学セルに関する。
蓄電デバイスである非水電解質二次電池等の電気化学セルは、密封された収納容器内に、正極及び負極からなる一対の分極性電極と、この正極と負極の間に介在されたセパレータと、正極、負極及びセパレータに含浸され、支持塩及び非水溶媒を含む電解液とを備えるものである。このような電気化学セルは、携帯電話、PDA、携帯用ゲーム機等の各種小型電子機器に利用されており、特に、ラミネート型、円筒、有底の矩形形状、コイン(ボタン)型のもの等が多用されている。
また、SiO、Si、Cは、電気化学セルであるリチウムイオン電池に備えられる負極において、負極活物質として広く利用されている。このような電気化学セルに用いられる負極は、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な負極活物質、負極活物質と電子の授受を行う導電剤、及び、負極活物質と導電剤の接触状態を維持するためのバインダからなり、これらを混合することで負極電極材が形成される。あるいは、負極を構成する負極活物資が薄膜として形成される場合には、負極電極材を、銅箔やステンレス等の金属箔からなる集電体に、物理的に直接接触させる構造が採用されることもある。
上述のような負極活物質はアモルファル状であることから、アモルファル状の負極活物質に、リチウムイオンに代表されるアルカリ金属イオンや、マグネシウム等のアルカリ土類金属のイオン等が挿入された際に体積膨張が起こり、リチウムイオンの脱挿入時に急激な収縮が発生することから、アモルファルの粒子に亀裂が生じることがある。このような亀裂に電解液が接することにより、新たにSEI(Solid Electrolight Interface:電解液・電極間物質)が形成され、充電サイクルを繰り返すことで負極活物質の亀裂が広がり、さらに亀裂が進むと負極活物質の剥離が生じる。このため、電子伝導性のパスが寸断されると同時に、イオン導電性の著しい低減が生じることから、電気化学セルの充放電容量の低下等、サイクル寿命特性の劣化現象が発生するという問題がある。
そこで、珪素(Si)を主とした負極活物質に関して、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、及び/または、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、バナジウム、チタン、ニオブ、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、錫、鉛、アルミニウム、インジウム、ビスマス、ガリウム、ゲルマニウム、炭素、ホウ素、窒素、リン等の金属、または、半金属あるいは非金属等を添加したLiSiO(但し、0≦x、0≦y<2、0<z≦4、Mはリチウムと珪素を除く金属及び非金属元素から選ばれる一種以上の元素)からなるものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、サイクル寿命特性の劣化に対して、電子伝導性の付与を目的として、負極活物質に対して、天然鱗片状黒鉛または膨張化黒鉛を付与する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、負極活物質に対して、Al、Ti、Fe、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、In、Snの何れからなる金属材料粒子を、溶融状態でメッキすることで、電子伝導性を付与することも提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特許第3405380号公報 特許第3188853号公報 特開平11−250869号公報
しかしながら、Si元素を含む負極活物質は、充放電時のLi吸蔵量が多いことから、充放電に伴う体積変化率も大きくなる。このため、充放電時の体積変化によって生じる応力により、集電性の劣化が生じて内部抵抗が上昇し、また、微粉化による容量劣化が大きくなることから、サイクル寿命特性が低下する等の問題が生じていたが、上記特許文献1〜3等に代表される従来の技術では、上記問題を解決するには十分ではなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制し、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、負極に用いる負極活物質に関し、少なくともSi元素を含み、さらに、特定の添加元素を含む構成を採用することにより、充放電時の体積膨張・縮小により、負極に亀裂が発生するのを抑制できることを知見した。これにより、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制することができ、サイクル寿命特性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、請求項1に記載の発明は、正極と、負極と、支持塩及び非水溶媒を含む電解液と、セパレータとを備えてなる電気化学セルであって、前記負極に用いる負極活物質は、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、且つ、以下に示す第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子であることを特徴とする電気化学セルである。
(1)第一の添加元素M : BまたはPの少なくとも何れかの元素。
(2)第二の添加元素R : In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素。
上記構成によれば、まず、第一の添加元素Mを含むことにより、負極活物質がアモルファスな状態で安定的に存在するので、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制できる。
また、第二の添加元素Rを含むことにより、負極活物質がアモルファスな状態で安定的に存在するので、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を高めることが可能となる。これにより、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、亀裂が発生するのを抑制できる。
また、請求項2に記載の発明は、上記構成において、前記負極活物質が、前記第一の添加元素M、または、前記第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、1%以下で添加されてなる微粒子であることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、電気化学セルの充放電の際に負極に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制できる効果が、より顕著に得られる。
また、請求項3に記載の発明は、上記構成において、前記負極活物質が、該負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、前記第一の添加元素Mを10ppm以上1%以下、前記第二の添加元素Rを0.5%以上2%以下で、それぞれ添加されてなることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、電気化学セルの充放電の際に負極に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制できる効果が、より顕著に得られる。
また、請求項4に記載の発明は、上記構成において、前記負極活物質が、Si元素の酸化物:SiO(0<x<2)からなることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、負極活物質がSi元素を含む酸化物からなることで、負極活物質の合成時における元素の不均一性を低減することが可能となる。これにより、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際に、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を高めることが可能となる。従って、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、亀裂が発生するのを抑制できる。
また、請求項5に記載の発明は、上記構成において、前記第二の添加元素Rが、InとSnとの配合比が質量比で1:9とされていることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、負極活物質がアモルファスな状態でさらに安定的に存在するので、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を高めることが可能となる。これにより、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、亀裂が発生するのを抑制できる。
また、請求項6に記載の発明は、上記構成において、前記負極活物質の平均粒子径が1nm以上50μm以下であることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、電池の充放電の際に負極に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制できる効果が、より顕著に得られる。
ここで、本発明において説明する「平均粒子径」とは、球状の他、各種の形状を有する異物の粒子の積算粒子径のD50に相当する値のことを言う。
また、請求項7に記載の発明は、上記構成において、前記負極が、前記負極活物質に加え、さらに、電子導電性を付与するための炭素材料を含有し、且つ、該炭素材料が、カーボン製チューブ、または、カーボン製シートの少なくとも何れかを含むものであることを特徴とする電気化学セルである。
上記構成によれば、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際に、負極活物質粒子の周囲全面に電子伝導性を付与し、負極活物質粒子の電子伝導性が高められるので、負極の電極層内の厚み方向と水平方向におけるアルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、亀裂が発生するのを抑制できる。
本発明の電気化学セルによれば、上述のように、負極に用いる負極活物質が、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、さらに、第一の添加元素M{BまたはPの少なくとも何れかの元素}、または、第二の添加元素R{In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素}のうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子である構成を採用している。
これにより、充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制でき、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制することが可能となる。
従って、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた電気化学セルを提供することが可能となる。
図1は、本発明の電気化学セルの実施形態である非水電解質二次電池および電気二重層キャパシタ、または、正極に電気二重層キャパシタ向けの電極を用い、負極に本発明の非水電解質二次電池向け電極を用いたハイブリッドキャパシタを模式的に説明する図であり、(a)は外装体の収容部に電極体が収容された状態を示す分解斜視図、(b)は断面図、(c)は電極体のラミネート構造を示す斜視図である。 図2は、本発明の電気化学セルの実施形態である非水電解質二次電池および電気二重層キャパシタ、または、正極に電気二重層キャパシタ向けの電極を用い、負極に本発明の非水電解質二次電池向け電極を用いたハイブリッドキャパシタの製造方法を示す工程図である。
以下、本発明の電気化学セルの実施形態として、非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)の実施形態を挙げ、それらの各構成について図面を参照しながら詳述する。なお、本発明で説明する電気化学セルとは、具体的には、正極または負極として用いる活物質と電解液とが容器内に収容されてなる、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタ、または、正極に電気二重層キャパシタ向けの電極を用い、負極に本発明の非水電解質二次電池向け電極を用いたハイブリッドキャパシタ等を指し、本実施形態においても、これらを例に挙げて説明する。
「非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)」
図1(a)〜(c)に示す本実施形態の非水電解質二次電池1は、いわゆるラミネート型のものである。図1(a)は、外装体2の内部に電極体10が収容された状態を示す分解斜視図、(b)は、非水電解質二次電池1の断面図、(c)は、電極体10のラミネート構造を示す斜視図である。なお、図1(a)の分解斜視図は、説明の都合上、一体形成された外装体2を、第1容器部21と第2容器部とに分解して示したものである。
この非水電解質二次電池1は、ラミネートフィルムからなる外装体2の内面に凹状に設けられた収容部21a、22aに電極体10が収容されてなる、略扁平形のものである。また、電極体10が収容される外装体2の収容部21a、22a内には、図示略の電解液が充填されている。
また、本実施形態の非水電解質二次電池1は、負極40に用いる負極活物質が、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、さらに、以下に示す第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子である構成とされている。
(1)第一の添加元素M : BまたはPの少なくとも何れかの元素。
(2)第二の添加元素R : In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素。
本実施形態の非水電解質二次電池1に用いられる外装体2は、例えば、ナイロンフィルムやアルミニウム箔、ポリプロピレンフィルム等を順次積層して貼り合わせたアルミラミネートフィルムから構成される。その際、上述した各層の間に、図視略の接着剤が介在していても構わない。外装体2は、図1(a)、(b)に示す例では、平面視略中央部に凹状の収容部21aが形成された第1容器部21と、この第1容器部21に重ね合わせられて内部を密封する、凹状の収容部22aが形成された第2容器部22とから構成されている。また、図示例においては、第1容器部21と第2容器部22とが一体に形成されている。
上述のように、アルミラミネートフィルムからなる外装体2の内部空間に、電極体10を収容して電池構造を得る方法としては、例えば、アルミラミネートフィルムからなる袋状の内部空間に、電極体10を装填するとともに電解液を注入し、内部の脱泡後にアルミラミネートフィルムを熱融着して封止する方法を採用することができる。
あるいは、予め、第1及び第2容器部21、22を別々に製造する方法を採用し、上記のアルミラミネートフィルムを金型にセットした後、圧力を加えて絞り加工成型を行うことで収容部21a、22aを形成し、その後、収容部21a、22aに電極体10を装填するとともに電解液を注入してから、第1及び第2容器部21、22の周縁部同士を接着することも可能である。この場合には、これら周縁部同士を溶着あるいは接着することが、収容部21a、22a内に収容される電解液が漏洩するのを防止できる点から好ましい。
電極体10は、図1(c)に示すように、正極30及び正極集電体31からなるフィルム状の正極体3と、負極40及び負極集電体41からなるフィルム状の負極体4と、これら正極体3と負極体4との間に設けられるフィルム状のセパレータ5とが積層されたラミネート構造を有している。即ち、電極体10は、正極30と負極40とが、セパレータ5を介して対向して重ね合わせられた構成とされている。また、図1(a)〜(c)に示す例では、電極体10は、これらフィルム状の各層からなる積層体が、同方向に捲回されたスパイラル形状とされている。
そして、正極体3、負極体4及びセパレータ5には、第1及び第2容器部21、22の収容部21a、22a内に充填された図示略の電解液が含浸されている。
また、正極集電体31及び負極集電体41の各々には、それぞれ、外部端子として正極端子31a及び負極端子41aが各集電体から導出するように接続されており、これら各端子から電流を取り出すことが可能な構成とされている。非水電解質二次電池1は、正極端子31a及び負極端子41aが外部に突出した状態であっても、第1容器部21と第2容器部22とが重ね合わせられて封止されることにより、密閉性が確保されている。
以下に、非水電解質二次電池1を構成する各要素について、さらに詳しく説明する。
「電極体」
上述したように、本実施形態の電極体10は、図1(a)〜(c)に示すように、それぞれフィルム状とされた正極体3、負極体4及びセパレータ5が順次積層された積層体が、所定回数で捲回されてなる構造を有している。電極体10の積層回数、即ち、ラミネート構造の捲回数は、電池特性等を考慮しながら、適宜設定することができる。
電極体10は、上記ラミネート構造の積層体を捲回させてスパイラル形状とした後、さらに、図示例のような扁平形状となるように加圧することで得られる。そして、電極体10から取り出される正極端子31a及び負極端子41aが外部に導出されるように、電極体10をアルミラミネートフィルムからなる袋の内部空間に装填し、さらに、所定量の電解液を注入して脱泡した後、アルミラミネートフィルムを熱融着して封止する。
(正極)
正極30としては、従来公知の正極活物質、導電助剤、バインダ等を用いることができる。
まず、正極活物質としては、例えば、モリブデン酸化物、マンガン酸リチウム化合物、リン酸鉄リチウム化合物、コバルト酸リチウム化合物、ニッケル酸リチウム化合物、Co−Ni−Mnで構成される層状化合物等が挙げられ、マンガン酸リチウム化合物、リン酸鉄リチウム化合物、が好ましい。正極30が、上記例示の正極活物質を含有することで、非水電解質二次電池1の耐熱性が高まり、例えば、リフロー処理、又は、非水電解質二次電池1の使用中の加熱による放電容量の低下が抑制される。
マンガン酸リチウム化合物としては、スピネル型リチウムマンガン酸化物等が挙げられ、LiMn5−w 12(0≦w<1、M1はNi、Co、Ti、Fe、Cr、Al、Mo、V、Cu、Nb、Zn、Ca、Mgのうちの少なくとも1種類)、(LiO)z・LiMn2−y (0≦y<1、0≦z<1、M2はM1と同じである)等が挙げられ、中でも、w=0であるLiMn12が好ましい。
リン酸鉄リチウム化合物としては、LiFe1−p PO(0≦p≦1、M4はMn、Ni、Co、Ti、Al、Cr、V、Nbのうちの少なくとも1種類)、LiFe2―q (PO(0≦q≦1、M5はM4と同じである)等が挙げられ、中でも、LiFePOが好ましい。
コバルト酸リチウム化合物としては、LiCo1−r (0≦r<1、M6はMn、Ti、Fe、Cr、Al、Mo、V、Cu、Nb、Zn、Ca、Mgのうちの少なくとも1種類)等が挙げられ、中でも、LiCoOが好ましい。
ニッケル酸リチウム化合物としては、LiNi1−s (0≦s<1、M7はMn、Co、Ti、Fe、Cr、Al、Mo、V、Cu、Nb、Zn、Ca、Mgのうちの少なくとも1種類)等が挙げられ、中でも、LiNiOが好ましい。
また、正極活物質は、例えば、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、粒状の正極活物質を用いる場合、その平均粒子径(D50)は、例えば、モリブデン酸化物の場合には、0.1〜100μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
また、リチウムマンガン酸化物の場合には、0.1〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
また、リチウム鉄リン酸化合物の場合には、0.001〜1μmが好ましく、0.01〜0.1μmがより好ましい。
正極活物質の粒子径(D50)が、上記好ましい範囲の下限値未満であると、リフロー処理の際に反応性が高まるため扱いにくくなり、上限値を超えると、放電レートが低下するおそれがある。
なお、本発明における「正極活物質の粒子径(D50)」とは、レーザー回折法を用いて測定される粒子径であってメジアン径を意味する。
正極30中の正極活物質の含有量は、非水電解質二次電池1に要求される放電容量等を勘案して決定され、50〜95質量%が好ましく、70〜88質量%がより好ましい。正極活物質の含有量が、上記好ましい範囲の下限値以上であれば、充分な放電容量が得られやすく、好ましい上限値以下であれば、正極30を成形しやすい。
正極30は、導電助剤(以下、正極30に用いられる導電助剤を「正極導電助剤」ということがある)を含有してもよい。
正極導電助剤としては、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等の炭素質材料が挙げられる。
正極導電助剤は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、正極30中の正極導電助剤の含有量は、4〜40質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。正極活物質の含有量が、上記好ましい範囲の下限値以上であれば、充分な導電性が得られやすい。加えて、電極をペレット状に成型する場合に成型しやすくなる。一方、正極30中の正極導電助剤の含有量が、上記好ましい範囲の上限値以下であれば、正極30に充分な放電容量が得られやすい。
正極30は、バインダ(以下、正極30に用いられるバインダを「正極バインダ」ということがある)を含有してもよい。
正極バインダとしては、従来公知の物質を用いることができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やその化合物(共重合体)(PVDF−HFP)がより好ましい。特に、乳化重合によって合成されたポリフッ化ビニリデン(PVDF)や化合物(PVDF−HFP)は、バインダの溶媒として、NMPを用いることなく水を用いることが出来るので、環境負荷の低減やランニングコスト低減の観点から、より好ましい。
また、正極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極30中の正極バインダの含有量は、例えば、1〜20質量%とすることができる。
正極30の大きさ、即ち、正極体3、負極体4及びセパレータ5が積層されたラミネート構造のフィルムを捲回して、スパイラル形状の電極体10を形成した後の大きさは、非水電解質二次電池1の大きさに応じて決定される。
また、正極30の厚さについても、上記同様、非水電解質二次電池1の大きさに応じて決定され、非水電解質二次電池1が小型電子機器用のラミネート型のものであれば、例えば、10〜500μm程度のフィルム状、コイン型のものであれば、例えば、300〜1000μm程度とされる。
正極30は、従来公知の製造方法により製造できる。
例えば、正極30の製造方法としては、正極活物質と、必要に応じて正極導電助剤、及び/又は、正極バインダとを混合して正極合剤とし、この正極合剤を、フィルム状等の任意の形状に成形する方法が挙げられる。例えば、任意の溶媒と正極合剤とを混合してスラリーを作製し、正極集電体31に塗布して乾燥した後、圧縮成形することにより形成できる。
また、正極集電体31としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルミニウム合金もしくは純アルミからなるアルミニウム箔が挙げられる。
さらに、アルミ箔は比表面積を上げる処理を施していることが望ましく、サンドブラスト等に例示される機械的な加工を施すことや、酸やアルカリなどの薬品を用いた化学的な手法を用いた処理を予め行うことが望ましい。
(負極)
負極40としては、本発明の負極活物質に加えて、従来公知の導電助剤、バインダ等を用いることができる。
まず、本発明の負極活物質は、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、さらに、以下に示す第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子である。第一の添加元素Mは、BまたはPの少なくとも何れかの元素からなる。また、第二の添加元素Rは、In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素からなる。
ここで、本発明において説明するアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンとは、支持塩及び非水溶媒を含む電解液、即ち支持塩を溶解した非水系有機溶媒中で、支持塩と溶媒和する能力が高いものであり、イオン半径が比較的小さく、特に、室温におけるイオンの移動度が高いものであることが望まれる。さらに、工業生産的に、人体に対する安全性の高い元素が望ましいことから、これらに鑑みて、アルカリ金属のイオンでは、Liイオン、または、Naイオンが好ましく、アルカリ土類金属のイオンでは、Mgイオンが好ましい。
また、負極40に用いる負極活物質は、上記のイオンを含む元素として、イオンが可逆的に挿入および脱離可能な物質であり、且つ、少なくともSi元素を含む化合物からなる。
ここで、Si(珪素)を含む負極活物質の一般式は、組成式{ASiO}で表され、この式中、元素Aはカチオン種で、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオン種であり、xは元素Aのイオン種の含有量xで、次式{0≦x≦4.4}の値をとり、酸素量yは次式{0≦y≦2}である。
また、上記式中の元素Mは、第一の添加元素Mとして、BまたはPの少なくとも何れかの元素であり、この第一の添加元素Mを含む場合には、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、質量比で1ppm以上、20%以下で含まれるものである。
また、本発明では、第二の添加元素Rとして、In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも何れか1以上の元素を添加することができる。この第二の添加元素Rを含む場合にも、上記の第一の添加元素Mの場合と同様、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、質量比で1ppm以上、20%以下で含むものである。このような第二の添加元素Rは、負極活物質中に金属元素として添加することのみならず、例えば、これらの酸化物や窒素化物の状態で添加することも可能である。
また、負極活物質をなすSi元素、並びに、第二の添加元素RであるIn、Sn、Ti、Al、Ge、Cは、少なくともその表面の一部が炭化された状態の微粒子であっても良い。
さらに、組成式{ASiO}で表される負極活物質は、完全な化合物ではなく、例えば、微粒子の集合体とされた複合物(マトリックス)であっても良い。またさらに、組成式{ASiO}で表される負極活物質は、前駆体であるとするSiOに、カチオン種であるA元素を、電気化学的、または、化学的に挿入することで得ることができ、特に、電気化学的手法を用いてカチオン種:A元素を挿入することが好ましい。
本実施形態の非水電解質二次電池1では、負極40をなす負極活物質に、まず、第一の添加元素Mが添加されることにより、負極活物質がアモルファスな状態で安定的に存在するようになる。これにより、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制することが可能となる。
また、負極活物質に第二の添加元素Rが添加されることにより、負極活物質がアモルファスな状態で安定的に存在するようになので、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性が向上する。これにより、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、亀裂が発生するのを抑制できる。
ここで、上記組成式{ASiO}で表される負極活物質の前駆体となるSiOは、一次粒子による集合体とされた二次粒子を形成していても良く、さらに、第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rの一方あるいは両方が添加された状態で二次粒子を形成していても良い。
負極活物質の粒子サイズは、平均粒子径で1nm以上50μm以下であることが好ましい。また、負極活物質の平均粒子径は、20μm以下であることがより好ましく、特に、1nm〜2μmの範囲であることがより好ましい。負極活物質の平均粒子径が上記範囲であれば、電池の充放電の際に負極に生じる体積膨張・収縮時に、負極40に亀裂が発生するのを抑制できる効果が顕著に得られる。
また、負極活物質の形態としては、平均粒子径1nm以上50μm以下の一次粒子が集合してなる、平均粒子径0.1μm以上100μm以下の二次粒子からなることが好ましい。
さらに、負極活物質の形態としては、平均粒子径1nm以上2μm以下の一次粒子が集合してなる、平均粒子径0.5μm以上4μm以下の二次粒子からなることがより好ましい。
またさらに、上記の負極活物質の二次粒子において、全体積の85%以上が平均粒子径1nm以上8μm以下の一次粒子であることが好ましく、全体積の90%以上が平均粒子径1nm以上2μm以下の一次粒子であることがより好ましい。
なお、負極活物質の平均粒子径が1nm未満であると、例えば、リフロー処理または非水電解質二次電池1の使用中の加熱による反応性が高まり、電池特性が損なわれるおそれがある。また、負極活物質の平均粒子径が50μmを超えると、放電レートが低下するおそれがある。
負極40中の負極活物質、即ち、Si元素、あるいは、SiO等のSi元素を含む化合物の含有量は、非水電解質二次電池1に要求される放電容量等を勘案して決定され、50質量%以上が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。
負極40において、上記元素からなる負極活物質の含有量が、上記好ましい範囲の下限値以上であれば、充分な放電容量が得られやすく、また、上限値以下であれば、負極40を成形しやすいというメリットがある。
また、負極活物質に添加される、第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rの量は、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、1%以下であることがより好ましい。負極活物質に添加される各添加元素の量を上記範囲にさらに制限することで、電気化学セルの充放電の際に負極に生じる体積膨張・収縮によって亀裂が発生するのを抑制できる効果がより顕著に得られる。
また、本発明においては、負極40をなす負極活物質が、Si元素の酸化物:SiO(0<x<2)からなり、且つ、第二の添加元素Rが、Inおよび/またはSnの酸化物である構成を採用しても良い。
このように、負極活物質がSi元素を含む酸化物からなることで、負極活物質の合成時における元素の不均一性を低減できる。これにより、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を向上させることができる。従って、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、負極40に亀裂が発生するのを抑制できる。
また、本発明においては、負極活物質に添加する第二の添加元素Rが、InとSnとの配合比が質量比で1:9とされている構成を採用することができる。
第二の添加元素Rを上記配合比とすることにより、負極活物質がアモルファスな状態でさらに安定的に存在するようになる。これにより、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性が向上する。従って、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、負極40に亀裂が発生するのを抑制できる。
また、本発明においては、負極40が、上記の負極活物質に加え、さらに、電子導電性を付与するための炭素材料を含有し、且つ、該炭素材料が、カーボン製チューブ、または、カーボン製シート(グラフェン)の少なくとも何れかを含む構成を採用することができる。
このように、負極40が上記の炭素材料を含むことにより、電気化学セルの充放電によってリチウム等のアルカリ金属イオンの挿入と脱離を繰り返す際に、負極活物質粒子の周囲全面に電子伝導性を付与し、負極活物質粒子の電子伝導性が向上する。これにより、負極40の電極層内の厚み方向と水平方向におけるアルカリ金属イオンの挿入時の偏りを防止し、体積膨張と収縮の局在化を防ぐことで、負極40に亀裂が発生するのを抑制できる。
負極40は、導電助剤(以下、負極40に用いられる導電助剤を「負極導電助剤」ということがある)を含有してもよい。負極導電助剤は、正極導電助剤と同様のものである。
負極40は、バインダ(以下、負極40に用いられるバインダを「負極バインダ」ということがある)を含有してもよい。
負極バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリイミドアミド(PAI)等が挙げられ、中でも、ポリアクリル酸(PA)やポリイミド(PI)が好ましく、架橋型のポリアクリル酸がより好ましい。また、ポリアクリル酸を中和した材料が好ましい。
また、負極バインダは、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、負極バインダにポリアクリル酸を用いる場合には、ポリアクリル酸を、予め、pH3〜10に調整しておくことが好ましい。この場合のpHの調整には、例えば、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物や水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物を用いることができる。
負極バインダにポリイミド(PI)、ポリイミドアミド(PAI)を用いる場合には、原材料を予め60℃以上の温度で乾燥し、原材料を乾式で混合することが望ましい。
負極40中の負極バインダの含有量は、例えば1〜20質量%とされる。
負極40は、従来公知の製造方法により製造できる。
例えば、負極40の製造方法としては、負極活物質と、必要に応じて負極導電助剤、及び/又は、負極バインダとを混合して負極合剤とし、この負極合剤を、フィルム状等の任意の形状に成形する方法が挙げられる。例えば、任意の溶媒と負極合剤とを混合してスラリーを作製し、負極集電体41に塗布して乾燥した後、圧縮成形することにより形成できる。但し、バインダにPIやPAIを用いる場合には、あらかじめ乾燥した原材料の混合工程において、湿度が5%RH以下、より好ましくは、湿度が1%RH以下に管理された乾燥室を用いることが望ましい。また、分散媒として、100ppm以下に脱水処理を施したNMPを用いることが良い。
また、負極集電体41上に電極合剤を塗布する方法としては、以下に示す方法から適宜選択することができる。例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、リバースロール法、ダイレクトロール法、ディップ法、スクイーズ法、エクストルージョン法、カーテン法、バー法、ナイフ法等々の方法を例として挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
また、コート厚み、長さや巾は、電気化学セルの大きさによって決定されるが、コート厚みは、乾燥後の圧縮された状態で1〜200μmであることが特に好ましい。
また、シートのプレス法としては、従来から一般に採用されている方法を用いることができるが、特に、金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。この際のプレス圧としては、特に限定されないが、0.2〜3t/cmが好ましい。また、カレンダープレス法のプレス速度は0.1〜50m/分が好ましい。さらに、この際のプレス温度は、室温〜200℃が好ましい。
上述のような工程により、負極集電体41上に負極40を配置することができる。
上記構成の負極40を採用することで、充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制でき、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制できるので、 信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた非水電解質二次電池1が実現できる。
なお、負極40の大きさや厚さは、正極30と同様に、非水電解質二次電池1の大きさに応じて決定され、非水電解質二次電池1が小型電子機器用のラミネート型のものであれば、例えば、10〜500μm程度のフィルム状、コイン型のものであれば、例えば、300〜1000μm程度とされる。
また、負極集電体41としては、例えば、銅合金もしくは純銅からなる銅箔を用いることができる。特に、SUS箔を用いることが好ましく、厚みが10μm以下のSUS304、SUS316等が好ましい。負極集電体41にSUS箔を用いる場合には、表面をサンドブラストやロール等で、表面積を上げる前処理を施しておくことが望ましい。この際、表面積を上げる効果とともに、バインダのアンカー効果によって、充放電に伴う電極活物質の膨張収縮による体積変化による活物質の脱離を防ぐことが可能となる。
また、この前処理は、化学的な手法を用いても機械的な手法を用いても構わない。化学的な手法を用いる場合、例えば、SUS箔の表面に化学エッチングを施すことにより、アンカー効果を発揮し、電極活物質をSUS箔の表面に強く固定させることができる。これにより、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制できるので、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた非水電解質二次電池1が実現できる。
(電解液)
電解液(図指略)は、支持塩を非水溶媒に溶解させたものである。
支持塩としては、非水電解質二次電池の電解液に支持塩として用いられる公知の物質を用いることができ、例えば、LiCHSO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(FSO等の有機酸リチウム塩;LiPF、LiBF、LiB(C、LiCl、LiBr等の無機酸リチウム塩等のリチウム塩等が挙げられる。なかでも、リチウムイオン導電性を有する化合物であるリチウム塩が好ましく、LiPF、LiN(CFSO、LiN(FSO、LiBFを単独、または混同状態で用いることがより好ましい。
支持塩は、上記のうちの1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒としては、電解液に求められる耐熱性や粘度等を勘案して決定され、例えば、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸nプロピル等のギ酸エステル;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル;酪酸メチル、酪酸エチル等の酪酸エステル等の脂肪族モノカルボン酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン等の鎖状スルホン;テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル;スルホラン(SL)、γ−ブチロラクトン(GBL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、1,2−エトキシメトキシエタン(EME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン(DOL)等が挙げられる。
電解液中の支持塩の含有量は、支持塩の種類等を勘案して決定でき、例えば、0.1〜3.5mol/Lが好ましく、0.5〜3mol/Lがより好ましく、1〜2.5mol/Lが特に好ましい。電解液中の支持塩濃度が高過ぎても、あるいは低過ぎても、電導度の低下が起き、電池特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
(セパレータ)
セパレータ5は、正極30と負極40との間に介在され、大きなイオン透過度を有し、かつ、機械的強度を有する絶縁膜が用いられる。
セパレータ5としては、従来から非水電解質二次電池のセパレータに用いられるフィルム状のものを何ら制限無く適用でき、ラミネート型の電気化学セルとしては、電気化学セルの異常による加熱により空孔の閉塞によるシャットダウン機能をもったポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン、ポリアミド、あるいはポリエチレン/ポリプロピレン複合膜などが挙げられる。またボタン型においては、例えば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス等のガラス、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド、ポリイミド(PI)等の樹脂からなる不織布等が挙げられる。さらに、PVdF−HFPのような擬似ポリマー、EO(エチレンオキサイド)、PO(ポリエチレンオキサイド)や、それらの共重合体、また、更に、ポリアクリロニトリル等のゲルを用いることが出来る。
セパレータ5の厚さは、正極30や負極40等と同様、非水電解質二次電池1の大きさや、セパレータ5の材質等を勘案して決定され、例えば5〜300μmとすることができる。
なお、本実施形態においては、図1(a)〜(c)に示すようなラミネート型の構造を有する非水電解質二次電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ボタン型の構造や、セラミックス製の容器本体の開口部が、金属製の封口部材を用いたシーム溶接等の加熱処理によってセラミックス製の蓋体で封止された構造の非水電解質二次電池であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)1によれば、負極40に用いる負極活物質が、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、さらに、第一の添加元素M{BまたはPの少なくとも何れかの元素}、または、第二の添加元素R{In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素}のうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子である構成を採用している。
これにより、充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制でき、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制することが可能となる。
従って、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた非水電解質二次電池1を提供することが可能となる。
「製造方法」
次に、本発明の電気化学セルである非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)の製造方法について、図1、2を適宜参照しながら説明する。
本実施形態の好ましい態様である非水電解質二次電池の製造方法は、図1(a)〜(c)に示すようなラミネート型の非水電解質二次電池1を製造する方法である。
まず、図1(c)に示すように、正極集電体31表面に正極30を形成した正極体3と、負極集電体41表面に負極40を形成した負極体4との間にセパレータ5を介して捲回し電極体10を作製する。そして、図1(a)に示すように、予め凹状の収容部21a及び22aが形成された外装体2に、電極体10を装填する。その後、電解液を注入し、内部の脱泡後に外装体2を封止する。
次に、図2に基づいて、本発明の電気化学セルの実施形態である負極活物質及び負極40について説明する。
まず、負極40に用いる負極活物質ASiO+Rを製造する方法を簡単に説明する。また、使用する材料として、含Si化物、珪素酸化物(SiO)、第一の添加元素M、第二の添加元素R、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの元素Aを用いるが、それぞれの詳細については後述する。
はじめに、原材料である含Si化物を粉砕・微細化する(Si微細化工程)。
次に、第一の添加元素Mおよび高純度の酸化珪素を微細化した含Si化物に添加・混合し、SiOを合成する(SiO合成工程)。
次に、合成したSiOに対し第二添加元素Mを用いて安定化工程を行う。なお、安定化工程については後程詳述するため、ここでは説明を省略する。この工程により、SiOyMz+Rの微粒子を精製する。
次に、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの元素Aを用いて、SiO+Rの微粒子にアルカリ金属イオンを挿入し、ASiO+Rを製造する(アルカリ金属イオン挿入工程)。
また、アルカリ金属イオンの挿入前に、SiO+Rの微粒子を用いて任意の形状に負極40を形成しておくことが好ましい。
続いて、各工程について詳述する。
負極活物質ASiO+Rの材料の一つである含Si化物は、そのSi純度等に応じて、Si純度の高い半導体グレードと、それに準じる太陽電池グレード等に分類することができ、詳細には、以下に示す(K−1)〜(K−5)に分類することができる。
(K−1)シーメンス法で合成した、純度が99.99999999%以上の金属珪素(Si)を用い、その金属珪素が柱状や塊状である場合には板状(ウェハー状)に加工した後、B(ホウ素)またはP(リン)をドーパントとして添加する。この際、金属珪素は、結晶シリコン(微結晶シリコン、多結晶シリコン)または、アモルファスシリコン、または、その両者の混合物である。
(K−2)流動床法、冶金法、亜鉛還元法、水ガラス化法、チューブ炉法、溶融析出法の何れかの方法で合成した純度が99.99%以上の金属珪素を用い、その金属珪素が柱状や塊状である場合には板状に加工した後、B(ホウ素)またはP(リン)をドーパントとして添加する。この際、金属珪素は、結晶シリコン(微結晶シリコン、多結晶シリコン)、または、アモルファスシリコン、または、両者の混合物である。
(K−3)カーボン電極を使用したアーク炉を用いて、二酸化珪素を還元して得た純度が96%以上の珪素で、不純物として、B(ホウ素)またはP(リン)の合計が1%以下である、結晶シリコン(微結晶シリコン、多結晶シリコン)または、アモルファスシリコン。
(K−4)光電池ウェハーまたは半導体製造工程で生じるインゴットやウェハー等の切削屑や切断残り、切屑や切削装置等より排出される排水からのスラッジ等を回収したシリコンの粉末。
(K−5)使用済みの太陽電池から反射防止フィルムを取り除き、表面電極や裏面電極を保持した光電池を1mm以下に粉砕し、金属成分を酸処理によって除去した粗粉状の混合物を、更に、微粉末化した状態のシリコンの粉末。
また、上記(K−1)〜(K−5)で得られる含Si化物は、以下に示す(B−1)〜(B−12)の方法の何れかを組み合わせて、粗砕化の工程を経て微粒子化する製造工程を用いることで製造することが出来る(Si微細化工程)。
また、予め、プラズマ・アトマイズ法で作製したチタンの微粒子や銅の微粒子、または、金属のファイバー(直径がナノサイズのファイバーを含む)を核として、流動床法を用いて、金属微粉末や金属のファイバーの表面に珪素微粉末が被覆されてなる含Si化物を得ることも可能である。
例えば、(B−1)ガスアトマイズ法、(B−2)水アトマイズ法、(B−3)遠心力アトマイズ法、(B−4)プラズマ・アトマイズ法、等のアトマイズ(Atomization)法の他、さらに、(B−5)高温プラズマを用いた回転電極法(Rotating Electrode Process:REP法)、(B−6)スタンプミル、(B−7)ボールミル、(B−8)ジェットミル、(B−9)アトライター、(B−10)ビーズミル、(B−11)ロールクラッシャー、(B−12)遊星式攪拌機の何れかの方法を組み合わせて用いることができる。
また、粉砕の際、上記の(B−6)スタンプミル、(B−7)ボールミル、(B−8)ジェットミル、(B−9)アトライター、(B−10)ビーズミル、(B−11)ロールクラッシャーでは、粉砕工程を不活性ガス雰囲気で行うことで、含Si化物の酸化を抑制できる。特に、(B−8)ジェットミル、(B−9)アトライターにおいては、キャリアガスに不活性ガスを用いることが好ましい。このような不活性ガス種としては、例えば、窒素ガスやアルゴンガスを用いることができるが、製造品質を考慮すると、アルゴンガスが最も好ましい。また、(B−7)ボールミルや(B−10)ビーズミルにおいては、不活性ガス雰囲気中で行う乾式の破砕や粉砕以外にも、溶媒を併用した湿式で破砕や粉砕を行うことが望ましい。この際、溶媒として水や有機溶媒を用いることができるが、有機溶媒を用いることが、粉砕効率が高められる点から好ましい。このような有機溶媒としては、アルコール等のプロトン性の極性溶媒や、エーテル等の非プロトン性の極性溶媒以外にも、例えば、沸点の低い低分子量の有機溶媒を用いることが可能である。また、有機溶媒としては、沸点の低いフロンや脱フロン等のハロゲン化有機溶媒がより好ましい。
特に、含Si化物は硬度が高く、粉砕工程で用いる装置等からコンタミが混入する可能性が高い。このため、粉砕装置である(B−6)スタンプミル、(B−7)ボールミル、(B−8)ジェットミル、(B−9)アトライター、(B−10)ビーズミルにおいては、硬質で電気化学的に不活性な材料な材料を用いることが望ましい。具体的には、粉砕装置の内面(ライニングとも称する)や粉砕に用いるメディアの材質として、アルミナ(Al)や酸化ジルコニウム(ZnO)等を用いることが望ましい。このような粉砕工程においても、粉砕雰囲気として、不活性ガス雰囲気または環式溶媒等を用いることが好ましい。
また、負極活物質ASiO+Rの材料の一部として、高純度の珪素酸化物を用いることができ、その製造方法として、以下に示す(S−1)〜(S−3)の何れかの方法を用いることができる。
(S−1)高純度の水ガラス(NaSiO)に酸を加え、沈殿したゲルを分離、洗浄した後に焼成し、脱水後、粉砕することで得られる二酸化珪素(SiO)。
(S−2)テトラアルコキシシランの加水分解によって得られたシリカゲル粉末を精製した後、焼成し、脱水後、粉砕することで得られる二酸化珪素。
(S−3)四塩化珪素(SiCl)の気体から化学気相蒸着(CVD)した後、粉砕することで得られる二酸化珪素。
次に、詳細なSiOの合成方法を、以下の(方法−1)〜(方法−3)に示す(SiO合成工程)。
(方法−1)含Si化物と高純度の酸化珪素とを、それぞれ、不活性ガスもしくは減圧下で、400〜1600℃の温度範囲で加熱することで蒸気の状態で混合し、生成した混合蒸気を反応容器内で析出・固化させることで、前駆体となる微粒子SiOを合成することが出来る。
(方法−2)含Si化物と高純度の酸化珪素とを十分に混合し、混合原料粉末を不活性ガスもしくは減圧下で、400〜1600℃の温度範囲で加熱し、不定比の酸化珪素蒸気を生成させ、前駆体となる微粒子SiOを析出・固化させることで合成することが出来る。
(方法−3)縦型の筒の下方から不活性ガスを流動させ、そのガス気流中に含Si化物と高純度の酸化珪素の蒸気をそれぞれ噴霧し、その流動した気流中で両者を接触反応させ、析出・固化させることで合成することが出来る。この場合には、得られた粉体が所望の粒径を有する微粒粉であれば、粉砕の工程を省くことができる点から好ましい。
また、(方法−1)および(方法−2)において、含Si化物と高純度の酸化珪素とを混合する方法としては、各原料の粉末を直接乾式混合する方法の他、これらの原料を水、アルコールやその他の溶媒分散し、混合する方法を用いることができる。
具体的には、上記の(B−6)スタンプミル、(B−7)ボールミル、(B−8)ジェットミル、(B−10)ビーズミル等の手法を適宜組み合わせて調整することができる。
また、合成されたSiOを微粒子化する方法として、上記の(B−6)スタンプミル、(B−7)ボールミル、(B−8)ジェットミル、(B−10)ビーズミル等の手法を適宜組み合わせて用いることができる。
上述した(方法−1)〜(方法−3)は、SiOのyの値が0よりも大きい場合である。y=0の場合は、高純度の酸化珪素を混合しないことも選択できる。
また、第一の添加元素Mの添加量が、Si元素の全量に対して、質量比で1ppm以上、20%以下であった場合は、第二の添加元素Rを添加しなくてもよい。同様に、第二の添加元素Rの添加量が、Si元素の全量に対して、質量比で1ppm以上、20%以下であった場合は、第一の添加元素Rを添加しなくてもよい。
なお、合成されたSiOの微粒子の比表面積は、0.05〜1500m/gが好ましく、0.1〜150m/gがより好ましく、0.1〜100m/gが特に好ましい。
次に、安定化工程について説明する。この安定化工程とは、SiOの表面に導電性の被膜を形成する工程である。このような導電性の被膜形成することにより、SiOは充放電を繰り返す場合においても、電極中に分散した導電助剤と電気的な接続を安定的に保つことが出来る。この導電性の被膜は、無酸素の雰囲気下で、ボールミルを用いてメカニカルミリングすることができる。また、この導電性の被膜としては、特にIn、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrが好ましい。
また、乾式めっき法や塗布法等を用いることができる。乾式のメッキ法としては、溶射法や、それ以外の抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー法、イオンめっき(ion plating:イオンプレーティング)、イオンビームデポジション、スパッタリング等のPVD法を用いることができる。
ここで、上述した、安定化工程として、以下に示す方法を採用することができる。
(D−1)SiOと、カーボン粉末と、バインダと、溶媒とを混合する方法。
(D−2)金属チタンや銅の微粒子と、SiOとを、混合と粉砕を繰返し、メカノケミカル的にマトリックスを得る方法。
(D−3)SiOと、高結晶性のカーボン粉末を加熱によって炭化させた炭素の前駆体とを混合し、還元性雰囲気下で、SiOの表面に炭素の前駆体を加熱分解によって被覆する方法。
上記のD−1に示す方法について詳述すると、カーボンとしては、その出発原料として石油コークス、ピッチコークス、メタン、プロパン、ベンゼン、アセチレンなどの炭化水素、セルロース、ポリアクリロトリル(PAN)、ピッチ系繊維等を用いた人造のカーボンを用いることができる。また、それらの出発原料を1200℃〜3000℃で熱分解することで得られたものが好ましく、さらに、2500℃〜3000℃の黒鉛化温度で処理することで得られたものがより好ましい。また、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカ−ボンブラック類を出発原料に用いることもできる。
また、カーボンとしては、特に、熱膨張化黒鉛を粉砕したものが好ましく、さらに、炭素元素の六角網面の広がり方向が筒状または平面状の炭素材料を用いることが好ましい。具体的には、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンを単体、または、複数種を混合して用いることができる。
また、SiOに、従来から知られるカーボン材料を添加することで導電性を高める場合、粒子形状が球形に近いことから電極内に添加する割合を高める必要があるが、この場合にはエネルギー密度が低下することがあるため、アスペクト比(長さ/直径、または、平面/厚み)が大きい炭素材料を用いることが好ましい。このため、SiOに導電性を付与する目的で用いるがカーボン材料は、アスペクト比が大きいものであるほど好ましい。このようなカーボン材料としては、単層のSWCNT(単層カーボンナノチューブ)や複数層で形成されたMWCNT(多層カーボンナノチューブ)でも良く、例えば、直径が5nm〜20nmで、長さが5〜10μmのものから、同等の直径で、長さがサブmmのカーボンチューブやカーボンファイバーを用いることができる。しかしながら、アスペクト比が高いカーボン材料を用いても、これらのカーボンファイバーの混合比が大きくなると、圧縮成型や圧延して電極を形成する際の成型密度を高められない傾向がある。そのため、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン等の含有量は、合剤質量に対して7wt%未満に抑えることが望ましい。
ここで、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブは、アーク放電、レーザアブレーション、CVD法(化学気相成長法)等の各方法を用いて合成することができ、例えば、昭和電工株式会社製の気相成長炭素繊維(VGCF)等を用いることができる。上述のようなCVD法としては、アルコールCVD法やSG−CVD法等の基板法以外にも、DIPS法、CoMoCAT法、HiPCO法、スーパーグロースCVD法等の気層流動法を用いることができる。
また、グラフェンとしては、CVD法、SiCの単結晶の昇華による製造方法、剥離法(物理的剥離や化学的剥離またはその併用を含む)等の方法を用いて得ることができる。特に、CVD法を用いる場合には、予め、SiOの表面に触媒となる金属元素を含む有機金属化合物(例えば、フェロセン等)を被覆し、熱や光によって分解生成させたナノサイズの触媒粒子を形成し、その触媒粒子を表面に固着させた粒子を種として、高濃度の炭化水素気流を鉛直下方から上方に流動させながら、350℃以上1500℃未満の加熱を行った流動層中で炭化させることができる。この際、特に、炭化水素をプラズマ化させることで、800℃以下の低温で生成することが可能となり、この温度であれば、前駆体となるSiOの内部で、珪素と二酸化珪素の不均化を抑制でき、大電流特性に好適な負極活物質の合成が可能となる。また、カーボンをコートした後に、触媒として残存する遷移金属種については、酸洗処理によって除去することが可能である。
また、上記のカーボン材料の表面を化学修飾することにより、電解液やバインダとの親和性を高めることが望ましい。この場合、例えば、強酸によって表面を処理し、カルボニル基を付与することで、電解液の溶媒との濡れ性が向上する。これにより、電気化学セルを組み立てる際の負極への電解液の含浸速度が高められ、製造時間の短縮効果やバインダとの密着性が向上する効果が得られるので、充放電の繰り返しによる負極活物質の膨張と収縮が生じた際の電子的接続を保持する効果も期待できる。
次に、安定化工程を経たSiO+Rに、アルカリ金属イオンを挿入する方法を以下に示す。(アルカリ金属イオン挿入工程)以下、アルカリ金属の元素Aとしてリチウムを用いた場合を例に説明する。
具体的には、高濃度アルキルリチウムを溶解した高純度で無極性の有機溶媒中に、SiO+Rを浸漬する方法を採用することができる。この際、アルキルリチウムの濃度を1モル/L以上にすることができ、このアルキルリチウムとしては、例えば、n−ブチルリチウムや2−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等を用いることができる。また、高純度の無極性の有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン溶液、n−ヘキサン溶液、n−ヘプタン溶液、n−オクタン溶液、n−ノナタン溶液、n−ノナタン溶液等の、少なくとも何れか1種から選ぶことができる。さらに、この際の浸漬時間は、SiOyMz+Rの粒子径にもよるが、少なくとも2時間以上浸漬させることが好ましく、12時間以上浸漬させることがより好ましい。但し、この際の浸漬時間を144時間以上とした場合には平衡状態となるため、これ以上の時間で浸漬しても、浸漬効果に変化はない。
また、SiO+Rにアルカリ金属イオンを挿入する方法としては、上記の粉砕工程を兼ねて、ボールミル中で粉砕工程と兼ねて行うことが望ましい。この際、有機溶媒は表面張力が低く、水に比べて粉砕体の分散性が高いので、アルカリ金属イオンを挿入することで粉体の表面が硬く且つ脆くなることから、粉砕効率が向上すると同時に、微細な粉体を得ることが可能となる。
また、負極活物質ASiO+Rを得る方法としては、先のSiO+Rに、接触反応による手法を用いてアルカリ金属イオンを挿入する方法が採用できる。
具体的には、金属リチウムの微粒子や金属リチウム箔と、SiO+Rとを物理的に接触させた状態を保つことで、SiO+Rにイオン状態のリチウムを拡散させることが可能である。この際、局所電池と同様なメカニズムであっても良く、その場合、反応を促進するためにSiO+Rと金属リチウムの間に電解質が存在することが望ましい。この場合、電解質の性状は液体であっても良いが、固体電解質やポリマー電解質であっても良い。SiO+Rの電子伝導性が乏しい場合、電解質の一部が還元分解された分解生成物により、SiO+Rの表面にリチウムイオンの拡散を阻害する被膜を形成することもあるため、SiO+Rには、予め電子伝導性を付与しておくことが望ましい。このような電子伝導性を付与する方法の詳細については後述する。
また、本発明で説明する、接触反応によるアルカリ金属イオンの挿入は、後述する負極電極シートを形成した後に実施しても良い。また、このような接触反応によるアルカリ金属イオンの挿入方法は、電気化学セルを組み立てる前に実施するので、プレドープと呼ぶことができる。
さらに、負極活物質ASiO+Rを得る方法としては、先のSiO+Rに、電気化学的手法を用いてアルカリ金属イオンを挿入する方法も採用することもできる。
このような電気化学的手法は、電気化学セル組立後に電気化学セル内で、又は、電気化学セル製造工程の途上において電気化学セル内もしくは電気化学セル外で行うことができ、以下に示す(1)〜(3)の方法を例示できる。
(1)SiO+Rと導電剤及びバインダ等との混合合剤を所定形状に成形したものを一方の電極(作用極)とし、金属リチウム又はリチウムを含有する物質を他方の電極(対極)として、リチウムイオン導電性の非水電解質に接して両電極を対向させて電気化学セルを構成し、作用極がカソード反応をする方向で適当な電流で通電し、作用極の先のSiO+Rにリチウムイオンを挿入することで、負極活物質ASiO+Rを得る方法。
(2)SiO+Rと導電剤及びバインダ等との混合合剤を所定形状に成形し、これにリチウムもしくはリチウムの合金等を圧着もしくは接触させて積層電極としたものを負極として、非水電解質二次電池に組み込む。そして、この積層電極が、電気化学セル内で電解質に触れることにより、一種の局部電池を形成し、自己放電することによって電気化学的にリチウムがSiO+Rに吸蔵されることで負極活物質ASiO+Rを得る方法。
(3)SiO+Rを負極活物質とし、リチウムを含有してリチウムイオンを吸蔵放出可能な物質を正極活物質として用いた非水電解質二次電池を構成する。そして、電気化学セルとして使用前に充電を行うことにより、正極から放出されたリチウムイオンが負極の前駆体となるSiO+Rに吸蔵されることで負極活物質ASiO+Rを得る方法。
上記(1)〜(3)に示す各方法により、負極活物質ASiO+Rを得ることが可能である。また、電気化学的手法を用いた場合には、正極に存在する可逆的に挿入・脱離が可能なリチウムイオンを正極から負極に移動する際、組みあがった電気化学セル内で、電気化学的に負極活物質ASiO+Rを得る方法とすることもできる。
このように、Si微細化工程、SiO合成工程、安定化工程、アルカリ金属イオン挿入工程を経ることにより、本発明の非水電解質二次電池1を製造することができる。
本実施形態の製造方法によれば、負極活物質に第一の添加元素Mを添加することで、負極活物質をアモルファスな状態で安定的に存在させることができるので、電気化学セルの充放電時に負極40に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制することが可能な非水電解質二次電池1を製造できる。
また、負極活物質に第二の添加元素Rを添加することで、負極活物質をアモルファスな状態で安定的に存在させることができるので、電気化学セルの充放電の際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を向上させることが可能となり、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りによる負極40の体積膨張と収縮の局在化を防止でき、亀裂が発生するのを抑制することが可能な非水電解質二次電池1を製造できる。
以上のような手順により、本実施形態の非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)1が得られる。
本実施形態の製造方法によれば、負極活物質に第一の添加元素Mを添加することで、負極活物質をアモルファスな状態で安定的に存在させることができるので、電気化学セルの充放電時に負極40に生じる体積膨張・収縮時によって亀裂が発生するのを抑制することが可能な非水電解質二次電池1を製造できる。
また、負極活物質に第二の添加元素Rを添加することで、負極活物質をアモルファスな状態で安定的に存在させることができるので、電気化学セルの充放電の際、負極活物質内の電子伝導性が高められ、負極活物質内の電荷の均質性を向上させることが可能となり、アルカリ金属イオンの挿入時の偏りによる負極40の体積膨張と収縮の局在化を防止でき、亀裂が発生するのを抑制することが可能な非水電解質二次電池1を製造できる。
次に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は、本実施例によってその範囲が制限されるものではなく、本発明に係る電気化学セルは、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[実施例1]
実施例1においては、まず、電気化学セルとして、図1(a)〜(c)に示すようなラミネート型の非水電解質二次電池を作製した。
本実施例において、図1(a)中に示すように、外装体2は、ナイロン層(25μm)、アルミニウム箔(40μm)、ポリプロピレン層(30μm)が順次積層されたアルミラミネートフィルムである。
また、負極体4は負極40と負極集電体41とを有する。負極40は、後述の本発明による負極活物質と、導電助剤とバインダを用いて構成され、純銅の箔からなる負極集電体41の両面に形成される。
また、正極体3は正極30と正極集電体31とを有する。正極30は、正極活物質と、導電助剤とバインダを用いて構成され、純アルミニウムの箔からなる正極集電体31の両面に形成される。
セパレータ4は、負極体4と正極体3との間に配される。
電極体10は、これらフィルム状の各層からなる積層体が、同方向に捲回される。
電解液を構成する非水電解質には、PC:EC:EMCを1:1:2の体積比で混合させた溶媒に、支持塩としてLiFPを1M/L溶解した電解液を用いた。
作製した非水電解質二次電池の大きさは、幅21mm、長さ30mm、高さ3mmであった。
ここで、負極40に用いる負極活物質の前駆体となるSiO(0≦y<2)としては、酸化ケイ素(SiO)粉末と珪素(Si)粉末のそれぞれを圧粉成型して作製した材料を、真空中でヒーター温度を1400℃以上に加熱して気化させ、その蒸気をSUS製の基盤上に蒸着することによって得た。この物質の組成はSiOであった。
次いで、このSiOの薄板を、直接、メノウ製のボールミルのポットに入れ、さらに、エタノールとともにメノウ製のボールを投入することで粉砕を行った。この際、粉砕初期においては、直径8mmのボールを用いた72hrの稼動で粗粉砕を行い、分級した後、さらに、直径2mmのボールを用いた72hrの稼動で微粉砕を行った。
次いで、粉砕後のSiO粒子を十分に乾燥させた後、10μm以下に分級し、導電助剤として用いる膨張化黒鉛と混合した後、ボールミルを用いて、膨張化黒鉛の破砕と同時にSiOの表面へ固着させることで、被覆を行った。この際、膨張化黒鉛は、ボールミルによって、d002面に対して劈開(cleavage)し、カーボン製シート(グラフェン)を生じやすく、活性の高い状態でSiOと接触させ、強固な固着状態とすることで炭素コートを施した。
ここで、負極合剤の調整条件及び手順は以下の通りとした。
まず、バインダとして、カルボキシル基含量が50〜70%である架橋型のポリアクリル酸樹脂(和光純薬製ポリアクリル酸)の粉末を精製水に加えて溶解した水溶液に、水酸化リチウム(LiOH・(HO)n)の水溶液を用いて、PHが概ね7になるように中和処理を施した。
次に、導電助剤を先のバインダに加え、分散させた。この際、導電助剤としては、黒鉛(日本黒鉛製薄片化黒鉛:CMX)を用い、さらに、上記方法で得られた炭素コートSiOを加え、分散させた。この黒鉛の粒子径は、概ね5μmであった。また、この際、SiOと黒鉛とカーボンファイバーの配合比は、下記表1中に示す活物質番号2−1とした。また、分散には、クラボウ製遊星式攪拌混合機(K102型)を用い、負極合剤スラリーを調整した。
次に、この負極合剤スラリーを、厚み20μmの銅箔の両面に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形して負極電極シート(負極集電体上に負極が積層された負極体)を作製した。この負極電極シートの厚みは70μmであった。
また、正極30は、以下のような手順で作製した。
まず、正極活物質としてリチウムマンガン複合酸化物、導電材として黒鉛、バインダとしてポリフッ化ビニリデンを混合(質量比で85:5:10)し、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを、厚み20μmのアルミニウム箔に塗布して乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形して正極電極シート(正極集電体上に正極が積層された正極負極体)を作製した。
次に、正極電極シート及び負極電極シートを切り出し、それぞれに正極端子、負極端子を取り付けた後、負極電極シートには厚み8μmのリチウム金属を貼り付け、厚み20μmの微孔性ポリエチレンフィルムであるセパレータを正極電極シートと負極電極シート上のリチウム金属の間に挟み、長手方向に所定回数で捲回することで電池素子(電極体)を作製した。
また、外装としては、ナイロン層(25μm)、アルミニウム箔(40μm)、ポリプロピレン層(30μm)が順次積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。この際、上記手順で作製した電池素子を略袋状に成形したアルミラミネートフィルムに装填し、LiBF(1mol/l濃度)とプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート混合溶媒(体積比1:1:2)からなる電解液を注入し、脱泡後にアルミラミネートフィルムを熱融着することで封止を行った。
その後、作製した電気化学セルを1週間、室温で放置して、負極電極シート中の負極活物質であるSiOにリチウムドーピングを行った。
さらに、その後、アルミラミネートフィルムの一部を裁断し、SiOのリチウムドーピング時に発生したガスをアルミラミネートフィルム内から放出させ、再びアルミラミネートフィルムを熱融着することで封止を行った。
そして、上記手順で作製した電気化学セルに関し、以下の条件でサイクル寿命特性を評価した。
サイクル寿命特性試験は、常温下(24℃)において、充電終止電圧3.3Vまで100μA定電流で充電し、3.3Vに達した後、定電圧に96時間保持することで充電を行った。その後、放電終止電圧2.0Vまで15μA定電流放電を1サイクルとし、5サイクルまで行った。この際、容量維持率は、{(5サイクル目の放電容量/4サイクル目の放電容量)×100}とした。
実施例1、及び、後述する各実施例2〜21及び比較例1における負極活物質の作製条件を下記表1に示すとともに、前駆体であるSiOと、黒鉛と、カーボンファイバーとの配合比を下記表2中に示し、また、サイクル寿命特性の評価結果を下記表3〜7に示す。
Figure 2014179202
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[実施例2〜21]
[比較例1]
表4に示す実施例2〜5(実施例1も含む)においては、実施例1における電気化学セルの作製条件に対し、負極合剤の調整時に用いる導電助剤として、黒鉛(日本黒鉛製薄片化黒鉛、CMX)以外に、カーボンファイバー(昭和電工製気相成長炭素繊維:VGCF)を加えた。このカーボンファイバーの直径は、0.15μmで、長さは概ね10μmであった。さらに、SiOと、黒鉛と、カーボンファイバーとの配合比を表2中に示す比率で変化させた点を除き、上記実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、同様の方法でサイクル寿命特性を評価して、結果を表4に示した。
また、表5に示す実施例6(実施例1も含む)においては、前駆体であるSiOに、C、Tiを添加し、造粒・整粒を行う安定化工程による処理を施した点を除き、上記実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、同様の方法でサイクル寿命特性を評価した。
また、表6、7に示す実施例7〜21においては、負極活物質の作製条件を、表1に示す各活物質番号の条件で変化させ、さらに、前駆体であるSiOに、C、Tiを添加し、造粒・整粒を行う安定化工程による処理を施した点を除き、上記実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製し、同様の方法でサイクル寿命特性を評価した。
[評価結果]
表1に示す活物質番号1−1〜5−5は、各実施例及び比較例における負極活物質の前駆体の製造条件であり、表2に示す配合比番号は、負極中の前駆体、黒鉛及びカーボンファイバーの配合条件である。また、表3〜7には、各実施例及び比較例における活物質番号及び配合比番号に加え、放電容量及びサイクル維持率(サイクル寿命特性)の一覧を示している。
表1〜表7に示すように、負極活物質として、本発明で規定する負極活物質を用いた負極を備えてなる実施例1〜21の非水電解質二次電池は、何れも5サイクル後のサイクル維持率が87.7%以上であり、サイクル寿命特性に優れていることが明らかである。特に、実施例7〜9、実施例11〜13、実施例15および16については、サイクル維持率がほぼ100%であることから、よりサイクル寿命特性に優れていることがわかる。また、表中には記載していないが、第二の添加元素Rの質量比を0.5%もしくは2%とした場合にも、実施例7〜16とほぼ同等のサイクル維持率となった。
一方、負極に用いる負極活物質が、本発明で規定する範囲外の条件で製造された比較例1においては、サイクル維持率が78.8%と、実施例1〜21に較べて著しく劣っている。これは、比較例1で作製した負極活物質が、本発明で規定する第一の添加元素M、あるいは、第二の添加元素Rの何れも添加されていないことから、各サイクルにおける充放電時の負極の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生し、内部抵抗の上昇や容量劣化が生じたことが原因として考えられる。
なお、実施例としては記載していないが、第二の添加元素RとしてAl、Ge、Zrを用いた場合においても、サイクル維持率が87.7%以上となった。このことから、第二の添加元素RとしてAl、Ge、Zrを添加した場合においても、In、Sn、Ti、Cを用いた場合と同様に、サイクル寿命特性に優れた電気化学セルが得られることが明らかである。
また、本実施形態の負極を備えた非水電解質二次電池などの電気化学セルは、例えば、電圧値2〜3Vの電源の小型携帯機器に好適に用いられる。
以上のように、本発明で規定する負極活物質を用いた負極を備えることで、優れたサイクル寿命特性を有する非水電解質二次電池などの電気化学セルが得られることが明らかである。
本発明の電気化学セルによれば、上記負極を備えることにより、充放電時の体積膨張・縮小によって負極に亀裂が発生するのを抑制でき、内部抵抗の上昇や容量劣化を抑制することが可能となる。これにより、信頼性が高く、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れた電気化学セルを提供することができる。従って、本発明を、例えば、各種の電子機器等の分野において用いられる非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ)等の電気化学セルに適用することで、各種機器類の性能向上にも貢献できるものである。
1…非水電解質二次電池(電気二重層キャパシタ:電気化学セル)、
2…外装体、
21…容器部、
21a…収容部、
22…蓋部、
22a…収容部、
10…電極体、
3…正極体、
30…正極、
31…正極集電体、
4…負極体、
40…負極、
41…負極集電体、
5…セパレータ、

Claims (7)

  1. 正極と、負極と、支持塩及び非水溶媒を含む電解液と、セパレータとを備えてなる電気化学セルであって、
    前記負極に用いる負極活物質は、少なくともSi元素を含むとともに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを可逆的に挿入、脱離可能な物質からなり、且つ、以下に示す第一の添加元素M、または、第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、20%以下で添加されてなる微粒子であることを特徴とする電気化学セル。
    (1)第一の添加元素M : BまたはPの少なくとも何れかの元素。
    (2)第二の添加元素R : In、Sn、Ti、Al、Ge、C、Zrの群から選ばれる少なくとも1以上の元素。
  2. 前記負極活物質は、前記第一の添加元素M、または、前記第二の添加元素Rのうちの一方あるいは両方が、負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、それぞれ、質量比で1ppm以上、1%以下で添加されてなる微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記負極活物質は、該負極活物質中に含まれるSi元素の全量に対して、前記第一の添加元素Mを10ppm以上1%以下、前記第二の添加元素Rを0.5%以上2%以下で、それぞれ添加されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学セル。
  4. 前記負極活物質が、Si元素の酸化物:SiO(0<x<2)からなることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電気化学セル。
  5. 前記第二の添加元素Rが、InとSnとの配合比が質量比で1:9とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電気化学セル。
  6. 前記負極活物質の平均粒子径が1nm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電気化学セル。
  7. 前記負極は、前記負極活物質に加え、さらに、電子導電性を付与するための炭素材料を含有し、且つ、該炭素材料が、カーボン製チューブ、または、カーボン製シートの少なくとも何れかを含むものであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の電気化学セル。
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