JP2014178613A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写手段におけるクリーニング不良の発生を抑制した画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kにより形成された各色(成分)のトナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写されたトナー像(各色のトナー像が重畳されたトナー像)を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着部60、各装置(各部)の動作を制御する画像形成制御部80を備え、二次転写部20において放電生成物の発生が多いと予測する場合に、基準とする場合に比べ、二次転写ロール22上に潤滑剤の供給量が多くなるように制御し、二次転写ロール22と放電生成物との間に潤滑剤を介在させ、クリーニングブレード42により除去しやすくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
公報記載の従来技術として、像担持体上に作像されたトナー像が転写される無端状の中間転写部材と、該中間転写部材上に塗布される潤滑剤と、該潤滑剤を該中間転写部材に塗布する潤滑剤塗布部材と、前記中間転写部材上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置を有する画像形成装置において、前記中間転写部材上の領域のうち、前記転写装置と前記中間転写部材が直接接触する接触領域における潤滑剤の塗布量が、前記転写装置と前記中間転写部材が直接接触しない非接触領域における前記潤滑剤の塗布量に対して変更可能である画像形成装置が記載されている(特許文献1参照)。
また、他の公報記載の従来技術として、二次転写する方式の画像形成装置において、前記転写材に一括して二次転写する際に供給する二次転写用バイアスを二次転写終了後も一定時間の間供給し続けられ、前記二次転写用バイアスは前記中間転写体の色画像保持面側に配置された二次転写ローラに供給され、該二次転写ローラは前記二次転写終了後に前記中間転写体の周速と異なる速度で回転駆動される画像形成装置が記載されている(特許文献2参照)。
さらに、他の公報記載の従来技術として、樹脂粒子本体と、前記樹脂粒子本体の表面に付着したシリカ粒子であって、体積平均粒径が80nm以上300nm以下、粒度分布指標が1.10以上1.40以下、平均円形度が0.70以上0.92以下、円形度分布指標が1.05以上1.50以下である一次粒子を含み、かつ、円形度が0.95以上である一次粒子の割合は10個数%以下であるシリカ粒子と、を含む樹脂粒子が存在する(特許文献3参照)。
特開2011−180346号公報 特開平04−296784号公報 特開2012−149190号公報
本発明の目的は、転写手段におけるクリーニング不良の発生を抑制した画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、トナー像が保持される保持体と、前記保持体との間に、複数の種別に分けられる被転写体を挟んで、前記トナー像を当該被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体の種別を判別する判別手段と、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に対応して、前記保持体と前記転写手段との間における放電によって発生する放電生成物の量を予測し、予め定められた基準とする場合に比べ、当該放電生成物が多いと予測する場合に、当該転写手段に付着する当該放電生成物の当該転写手段への付着力を低減させる付着力低減手段と、前記転写手段に付着した前記放電生成物を除去する除去手段とを備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記付着力低減手段は、前記転写手段の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部を備え、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、前記潤滑剤供給部が前記転写手段に供給する前記潤滑剤の量を増加させ、当該放電生成物の当該転写手段の表面に付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記付着力低減手段は、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、前記転写手段が当該被転写体に前記トナー像を転写した後に、前記保持体と当該転写手段とがそれぞれ対向する面におけるそれぞれの移動速度に差を設けて互いを擦り合わせて当該放電生成物の当該転写手段へ付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記判別手段は、前記被転写体が挟まれた前記保持体と前記転写手段との間の電気抵抗を計測する抵抗計測部を備え、当該抵抗計測部が計測した当該電気抵抗により、当該被転写体の種別を判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記保持体が保持する前記トナー像は、トナー本体と異型の外添剤とを備えるトナーにより構成されるとともに、前記被転写体に転写されるトナー像に加え、当該被転写体に転写されない他のトナー像を含み、前記付着力低減手段は、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、当該被転写体に転写されない前記他のトナー像を形成するトナーの量を多くし、前記除去手段により当該トナーが前記転写手段から取り除かれる際に、前記外添剤が当該転写手段に付着した当該放電生成物を研磨して、当該放電生成物の当該転写手段へ付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、トナー像が保持される保持体と、前記保持体との間に、複数の種別に分けられる被転写体を挟んで、前記トナー像を当該被転写体に転写する転写手段と、前記転写手段に転写のための電圧を供給する転写電界供給手段と、前記転写電界供給手段が供給する転写のための前記電圧が予め定められた基準の電圧より高い場合に、前記転写手段に付着する放電生成物の当該転写手段への付着力を低減させる付着力低減手段と、前記転写手段に付着した前記放電生成物を除去する除去手段とを備える画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、転写手段におけるクリーニング不良の発生が抑制できる。
請求項2の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、潤滑剤の供給量の供給が過剰になることが抑制できる。
請求項3の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、転写手段に加え像保持体上に付着した放電生成物の付着力が低減できる。
請求項4の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、用紙の種別の判別を自動化できる。
請求項5の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、画像形成装置のハードウエア構成の変更を要しない。
請求項6の発明によれば、本構成を用いない場合に比べ、転写手段におけるクリーニング不良の発生が抑制できる。
第1の実施の形態が適用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図1における二次転写部の拡大図である。 第1の実施の形態における中間転写ベルト上のトナー像の一例を示す図である。 二次転写ロールの通紙部RP及び非通紙部RNにおける放電電流及びクリーニングブレードに見られる磨耗断面積の一例を示す図である。 用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応して二次転写ロールとクリーニングブラシとの接触している期間(時間)により二次転写ロールに供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。 用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応してロールクリーナのクリーニングブラシの回転数rにより二次転写ロールに供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。 用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応してロールクリーナのクリーニングブラシに対する潤滑剤ブロックの荷重Lにより二次転写ロールに供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。 クリーニングブラシに対する潤滑剤ブロックの荷重を変化させた場合におけるクリーニングブレードの非通紙部RNにおける磨耗断面積と処理枚数との関係の一例を示す図である。 用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応して二次転写ロールと中間転写ベルトとが対向する表面におけるそれぞれの移動速度の差(速度差)を設け二次転写ロールに付着した放電生成物を除去する場合のタイミングチャートである。 第3の実施の形態における中間転写ベルト上のトナー像の一例を示す図である。 クリーニングブレードの捲れの発生及びクリーニング性の評価結果を示す図である。 第4の実施の形態が適用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
(第1の実施の形態)
[画像形成装置1]
図1は、第1の実施の形態が適用される画像形成装置1の一例を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置1は、一般にタンデム型の中間転写方式による画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット2Y、2M、2C、2K、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kにより形成された各色(成分)のトナー像を保持体の一例としての中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写されたトナー像(各色のトナー像が重畳されたトナー像)を被転写体の一例としての用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着部60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する画像形成制御部80と、ユーザから動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージを表示するユーザインタフェース部(UI部)85とを備えている。
なお、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kをそれぞれ区別しないときは画像形成ユニット2と表記する。
各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す。)、各色のトナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視画像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上に残ったトナーを除去するドラムクリーナ17などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に配置されている。
以下では、トナーの帯電極性は、一例として負極性(負)であるとして説明する。
中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとしては、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上に残ったトナーを掻き取る中間転写ベルトクリーナ35に対向して設けられるクリーニングバックアップロール34が配設されている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで対向するように配置される感光体ドラム11と一次転写ロール16とで構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に押し当てられている。
さらに一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(負)と逆極性である正の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上にトナー像が転写(一次転写)される。
二次転写部20は、中間転写ベルト15を挟んで対向するように配置されるバックアップロール25と転写手段の一例としての二次転写ロール22とで構成されている。二次転写ロール22は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置され、接地されている。バックアップロール25には、金属製の給電ロール26が接するように配置されている。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に押し当てられている。
給電ロール26は、二次転写部20の電気抵抗(以下では抵抗と表記する。)を検知する抵抗計測部28を介して、転写電界供給手段の一例としての二次転写電源27に接続されている。二次転写電源27が給電ロール26に負の電圧を供給すると、その電圧はバックアップロール25に印加される。これにより、二次転写部20(二次転写ロール22とバックアップロール25との間)に負の二次転写電界(二次転写バイアス)が形成される。
この状態で、二次転写部20に用紙Pが搬送されると、負の帯電特性を有するトナーにて構成された画像形成用トナー像(後述する図3における画像形成用トナー像101a、101b)が静電吸引されて用紙Pに転写(二次転写)される。
なお、二次転写バイアスは、中間転写ベルト15を挟んで、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に形成される電界であるが、二次転写電源27が二次転写バイアスを供給すると表記する。
そして、抵抗計測部28は、二次転写電源27から給電ロール26に流れる電流を計測することなどにより、二次転写部20の抵抗値Rを検知する。
バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が6.5logΩとなるように形成され、硬度は例えば75°(アスカーC)に設定されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフト、シャフトの周囲に順に固着された弾性層、離型層で構成されている。シャフトはアルミニウム、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。弾性層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、離型層はフッ素樹脂、フッ素ゴム等で形成され、弾性層の表面を覆う。離型層としては、離型性が良好であるフッ素系樹脂が好ましい。その表面抵抗率は例えば6.5logΩであって、硬度は例えば75°(アスカーC)である。
そして、二次転写ロール22に付着したトナーを除去するロールクリーナ40が設けられている。ロールクリーナ40は、二次転写ロール22に回転可能に接触して配置されるクリーニングブラシ41、クリーニングブラシ41よりもさらに二次転写ロール22の回転方向下流側に設けられる除去手段の一例としてのクリーニングブレード42を備えている。また、ロールクリーナ40は、クリーニングブラシ41に接触するように配置され、クリーニングブラシ41に供給する潤滑剤を保持する潤滑剤ブロック43、クリーニングブラシ41、クリーニングブレード42、潤滑剤ブロック43を収容するクリーナハウジング44、クリーニングブレード42をクリーナハウジング44に固定して支持する支持部材45、潤滑剤ブロック43をクリーニングブラシ41に押し付ける力(荷重)を設定する荷重設定部材46を備えている。荷重設定部材46は一端がクリーナハウジング44に固定され、他端が潤滑剤ブロック43に固定され、潤滑剤ブロック43をクリーニングブラシ41に対して荷重を掛けている。
さらに、廃トナーを蓄積する蓄積部47をクリーナハウジング44内に備えている。
クリーニングブラシ41、クリーニングブレード42、潤滑剤ブロック43が潤滑剤供給部の一例である。
クリーニングブラシ41は、金属等からなるシャフトの表面に毛の束をらせん状に植毛したものである。毛は、トナーと同じ帯電極性(負)に帯電しやすい絶縁性のポリプロピレンなどで構成されている。
そして、クリーニングブラシ41は、シャフトに接続されたモータ48(後述する図2参照)により回転する。
潤滑剤ブロック43がクリーニングブラシ41に接触するように配置されているので、潤滑剤ブロック43の保持する潤滑剤が、クリーニングブラシ41に供給される。そして、クリーニングブラシ41の回転にともなって、クリーニングブラシ41に供給された潤滑剤が二次転写ロール22上に供給される。
二次転写ロール22上に供給される潤滑剤の量は、クリーニングブラシ41が二次転写ロール22と接触して回転している時間、クリーニングブラシ41の回転数、潤滑剤ブロック43からクリーニングブラシ41への潤滑剤の供給量などによって制御される。なお、クリーニングブラシ41への潤滑剤の供給量は、荷重設定部材46が潤滑剤ブロック43をクリーニングブラシ41に押し付ける力(荷重)によって、クリーニングブラシ41の先端部が潤滑剤ブロック43の表面から内部へ食い込む、食い込み量によって設定することができる。
潤滑剤は、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの含金属脂肪酸の微粒粉体を押し固めてブロック形状などに成型したものである。
潤滑剤は、二次転写ロール22とクリーニングブレード42との間の摩擦を低減し、クリーニングブレード42の捲れ(メクレ)を抑制する。クリーニングブレード42の捲れについては、後に詳述する。
クリーニングブレード42は、ウレタンゴム等の弾性材料で構成された長尺板状の部材である。短手方向の断面で見たときに、四角形の角(稜)の一つが二次転写ロール22の回転方向(矢印C方向)に対してカウンタ方向に接触するように設けられている。よって、二次転写ロール22の回転にともなって、クリーニングブレード42の一つの角によって、二次転写ロール22上に付着したトナーが掻き取られる。
そして、支持部材45は、クリーニングブレード42が予め定められた圧力(接触圧)で二次転写ロール22と接触するように、クリーニングブレード42をクリーナハウジング44に固定する。
クリーニングブレード42が掻き取ったトナーは、クリーナハウジング44内の蓄積部47内に落下し、廃トナーとして蓄積される。
さらに、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上に残ったトナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。一方、Yの画像形成ユニット2Yの上流側には、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)81が配設されている。また、Kの画像形成ユニット2Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ82が配置されている。
基準センサ81は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた予め定められたマークを認識して基準信号を発生する。この基準信号の認識に基づく画像形成制御部80からの指示により、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは画像形成を開始するように構成されている。
一方、画像濃度センサ82は、濃度制御用トナー像(トナーパッチ)(後述する図3における濃度制御用トナー像102)を検出する。画像形成制御部80は、画像濃度センサ82によって検出された濃度制御用トナー像の検出結果に基づいて、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの動作条件の調整を行い、画像形成用トナー像(後述する図3における画像形成用トナー像101a、101b)の濃度を調整する。
さらに、本実施の形態における画像形成装置1では、用紙Pを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に収容された用紙Pを予め定められたタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む用紙搬送路53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着部60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着部60に導く定着入口ガイド56を備えている。
定着部60は、ハロゲンランプ等の加熱源を内蔵する加熱ロール61と、この加熱ロール61に押圧される加圧ロール62とを備えている。これら加熱ロール61と加圧ロール62との間にトナー画像が転写された用紙Pを通過させることで、定着が行なわれる。
なお、第1の実施の形態における画像形成装置1では、用紙Pに二次転写される画像形成用トナー像の他に、濃度制御用トナー像(トナーパッチ)などが形成される。なお、画像形成用トナー像、濃度制御用トナー像などをそれぞれ区別しないときはトナー像と表記する。
次に、第1の実施の形態における画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。ここでは、画像形成用トナー像による作像プロセスを説明する。
図1に示す画像形成装置1では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により予め定められた画像処理が施される。その後、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kによって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の予め定められた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、画像形成制御部80を介してレーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの各感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの各現像器14によって、Y、M、C、Kの各色の画像形成用トナー像として現像される。
画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの各感光体ドラム11上に形成された各色の画像形成用トナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対し画像形成用トナーの帯電極性(負)と逆極性の正の電圧(一次転写バイアス)が供給され、画像形成用トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせる一次転写が行われる。
各色の画像形成用トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写されることで、各色の画像形成用トナー像が重畳された画像形成用トナー像となって、二次転写部20に搬送される。重畳された画像形成用トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙収容部50から予め定められたサイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、用紙搬送路53を経て二次転写部20に到達する。用紙Pが二次転写部20に到達する前に、用紙Pの搬送が一旦停止され、重畳された画像形成用トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(不図示)が回転することで、用紙Pの位置と重畳された画像形成用トナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押し当てられている。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際、二次転写電源27から、給電ロール26を介してバックアップロール25に、トナーの帯電極性(負)と同極性の負の電圧(二次転写バイアス)が供給される。すると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、中間転写ベルト15上に保持された重畳された画像形成用トナー像が、用紙P上に一括して転写する二次転写が行われる。
なお、二次転写バイアスは、例えば−12kVである。
その後、重畳された画像形成用トナー像が転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態で、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55は、定着部60における搬送速度に合わせて、用紙Pを定着部60まで搬送する。定着部60に搬送された用紙P上の未定着の画像形成用トナー像は、定着部60によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着されて定着画像となる。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた排紙収納部(不図示)に搬送される。
用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残ったトナーは、中間転写ベルト15の移動に伴って搬送され、中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
そして、二次転写ロール22に付着したトナーは、ロールクリーナ40によって二次転写ロール22から除去される。
[ロールクリーナ40のクリーニングブレード42の捲れ]
ロールクリーナ40のクリーニングブレード42の捲れについて説明する。
図2は、図1における二次転写部20の拡大図である。図2(a)は、図1において二次転写ロール22を中心に、中間転写ベルト15、バックアップロール25、ロールクリーナ40及び用紙Pを示している。図2(b)、(c)は、図2(a)において矢印IIBCで示す方向から、二次転写ロール22側を二次転写ロール22の幅方向に見た図である。図2(b)では、中間転写ベルト15、二次転写ロール22、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42及び用紙Pの関係を示している。図2(c)では、中間転写ベルト15、二次転写ロール22、ロールクリーナ40のクリーニングブラシ41及び用紙Pの関係を示している。
図2(a)に示すように、二次転写ロール22とバックアップロール25とは、中間転写ベルト15を挟んで接触し、ニップ部Nを構成する。二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写バイアスが印加され、ニップ部Nに用紙Pが供給されると、中間転写ベルト15上の画像形成用トナー像が用紙Pに転写される。
ロールクリーナ40のクリーニングブレード42は、長尺板状の部材であって、短手方向の断面である四角形の一つの角が二次転写ロール22に接触している。なお、この角は、二次転写ロール22の回転方向に対向する方向(カウンタ方向)で接触している(実線で示すαの状態)。ここで、クリーニングブレード42の二次転写ロール22と接触する部分を、クリーニングブレード42の先端部と表記する。
しかし、クリーニングブレード42の先端部が二次転写ロール22の回転の力に負けると、クリーニングブレード42の先端部が捲れて二次転写ロール22の回転方向下流側に移動する(破線で示すβの状態)。この状態をクリーニングブレード42が捲れた状態という。
ロールクリーナ40のクリーニングブレード42がαの状態で示す二次転写ロール22に接触している場合には、クリーニングブレード42の先端部が二次転写ロール22の回転方向に対してカウンタ方向で接触している。このため、クリーニングブレード42の先端部は二次転写ロール22の回転を妨げるので、二次転写ロール22の表面に密着して、クリーニングブレード42の先端部と二次転写ロール22の表面との間に隙間(空隙)が生じにくい。
よって、クリーニングブレード42は二次転写ロール22に付着したトナーを除去できる。
これに対して、βの状態で示ようにロールクリーナ40のクリーニングブレード42に捲れが生じると、クリーニングブレード42の先端部は、二次転写ロール22の回転を妨げることなく、二次転写ロール22の回転に引きずられた状態となる。すると、クリーニングブレード42と二次転写ロール22との接触が不良になって、クリーニングブレード42と二次転写ロール22との間に空隙が生じる。
クリーニングブレード42と二次転写ロール22との間に空隙が生じると、クリーニングブレード42は、二次転写ロール22に付着したトナーを除去できず、二次転写ロール22上にトナーが付着したままとなる。この状態において、二次転写部20(ニップ部N)を用紙Pが通過すると、二次転写ロール22上に付着して除去されないままとなったトナーが用紙Pの裏面に移行して汚れてしまう。すなわち、二次転写ロール22のクリーニング不良が発生する。
このように、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42の捲れは、二次転写ロール22のクリーニング不良を生じさせる。
前述したように、クリーニングブレード42の捲れは、クリーニングブレード42の先端部が二次転写ロール22の回転の力に負けることで生じる。
そこで、クリーニングブレード42の捲れを抑制するために、クリーニングブラシ41を介して潤滑剤を二次転写ロール22上に供給し、クリーニングブレード42と二次転写ロール22との間の摩擦を軽減している。
しかし、後述するように、二次転写ロール22に潤滑剤を供給しても、クリーニングブレード42に捲れが発生することがある。
次に、図2(b)により、図2(a)の矢印IIBCで示す方向から見た、中間転写ベルト15、二次転写ロール22、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42及び用紙Pの関係を説明する。ここでは、一例として、中間転写ベルト15の幅Wbeは、二次転写ロール22の幅Wroよりも大きく、中間転写ベルト15の幅Wbe内に二次転写ロール22が収まるように設定されている。そして、クリーニングブレード42の幅Wbrは、二次転写ロール22の幅Wroよりも大きく設定されている。
図2(b)では、用紙Pは、中間転写ベルト15及び二次転写ロール22のそれぞれの中央部に供給される。すなわち、画像形成用トナー像(後述する図3における画像形成用トナー像101a、101b)は、中間転写ベルト15の幅方向の中央部に形成されている。用紙Pの幅は、二次転写ロール22の幅より狭いので、二次転写ロール22は、用紙Pが通過する通紙部RP、用紙Pが通過しない非通紙部RNに分けられる。
なお、クリーニングブレード42における先端部の二次転写ロール22の通紙部RPに対向する部分をクリーニングブレード42の通紙部RP、二次転写ロール22の非通紙部RNに対向する部分をクリーニングブレード42の非通紙部RNと表記する(図2(b)参照)。
そして、通紙部RPでは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22とが用紙Pを挟んで対向し、非通紙部RNでは、用紙Pが存在しないために、中間転写ベルト15と二次転写ロール22が接触する。
なお、二次転写ロール22の両端部は変形などを生じるおそれがあるため、中間転写ベルト15上の二次転写ロール22の両端部に対応する領域を除いた領域をトナー像が形成されるトナー像形成領域RTとして設定する。
なお、中間転写ベルト15の幅Wbe、二次転写ロール22の幅Wro、クリーニングブレード42の幅Wbrは、図2(b)に示した関係でなくてもよい。例えば、二次転写ロール22の幅Wroが最も大きくてもよい。また、クリーニングブレード42の幅Wbrが最も大きくてもよい。この場合、中間転写ベルト15上におけるトナー像形成領域RTは、二次転写ロール22に付着したトナーがクリーニングブレード42によって除去される範囲に設定されればよい。
次に、図2(c)により、矢印IIBCで示す方向から見た、中間転写ベルト15、二次転写ロール22、ロールクリーナ40のクリーニングブラシ41及び用紙Pの関係を説明する。ここでは、一例として、クリーニングブラシ41の幅Wbuは、二次転写ロール22の幅Wroよりも大きく設定されている。よって、二次転写ロール22上の全面に潤滑剤が塗布される。
そして、クリーニングブラシ41は、クリーニングブラシ41のシャフトに接続されたモータ48により、シャフトの回りで回転するようになっている。
なお、クリーニングブラシ41の幅Wbuは、図2(c)に示した関係でなくともよく、クリーニングブラシ41の幅Wbuを二次転写ロール22の幅Wroより小さく設定してもよい。この場合、中間転写ベルト15上のトナー像形成領域RTは、二次転写ロール22に付着したトナーがクリーニングブレード42によって除去される範囲(幅Wbr)内であって、且つクリーニングブラシ41によって潤滑剤が供給される範囲(幅Wbu)内に設定される。
[トナー像]
図3は、第1の実施の形態における中間転写ベルト15上のトナー像の一例を示す図である。図3は、二次転写部20において、二次転写ロール22側から見た中間転写ベルト15の表面の一部を示している。中間転写ベルト15は矢印B方向に移動する。画像形成装置1が、例えばA3ノビ(329mm×483mmなど)の用紙Pに対応する場合、中間転写ベルト15上におけるトナー像形成領域RTの幅は329mmより大きく、例えば380mmに設定されている。
図3で示すように、中間転写ベルト15は、用紙Pに二次転写される画像形成用トナー像101a、101bに加え、画像形成用トナー像101a、101bの間(間隙)に設けられる濃度制御用トナー像102を保持する。
画像形成用トナー像101a、101bは、中間転写ベルト15上にその幅方向の中央部に設けられている。そして、画像形成用トナー像101aと画像形成用トナー像101bとで大きさを異ならせている。すなわち、画像形成用トナー像101aを画像形成用トナー像101bより幅及び長さにおいて小さく表記し、対応する用紙Pのサイズが異なる場合を示している。例えば、画像形成用トナー像101aはA4サイズ(210mm×297mm)の用紙Pに対応し、画像形成用トナー像101bはA3サイズ(297mm×420mm)の用紙Pに対応する。なお、画像形成用トナー像101a、101bをそれぞれ区別しないときは画像形成用トナー像101と表記する。
図2(b)、(c)に示したように、二次転写ロール22において、用紙Pが通過する部分が通紙部RPであって、その両側が非通紙部RNである。よって、図3に示すように、用紙Pのサイズが異なると、二次転写ロール22における通紙部RPの幅、非通紙部RNの幅が異なることになる。すなわち、図3に示すように、画像形成用トナー像101aに対して通紙部RPa、非通紙部RNaとなり、画像形成用トナー像101bに対して通紙部RPb、非通紙部RNbとなる。ここでも、通紙部RPa、RPbをそれぞれ区別しないときは通紙部RPと、非通紙部RNa、RNbをそれぞれ区別しないときは非通紙部RNと表記する。
なお、図2、図3では、画像形成用トナー像101a、101bを中間転写ベルト15上におけるトナー像形成領域RTの中央部に設けたが、トナー像形成領域RTの幅方向の一方の端部側に寄せて設けてもよい。
濃度制御用トナー像102は、画質調整を行うための画像濃度センサ82に読取可能な構成を備えている。
なお、濃度制御用トナー像102は、連続する画像形成用トナー像101の間毎に設けなくともよく、濃度制御が必要となった場合に設ければよい。
次に、図3において、二次転写電源27が二次転写ロール22とバックアップロール25との間に印加する電界(バイアス)を説明する。
用紙Pに転写される画像形成用トナー像101a、101bがそれぞれ二次転写部20を通過する際、二次転写電源27は、給電ロール26を介して負の電圧である二次転写バイアスをバックアップロール25に供給する。これにより、二次転写バイアスが中間転写ベルト15を挟んで、バックアップロール25と二次転写ロール22との間に形成される。
画像形成用トナー像101a、101bに対して、それぞれに対応するサイズの用紙Pが中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間(二次転写部20のニップ部N)に供給される。よって、負の電圧である二次転写バイアスは、中間転写ベルト15上の画像形成用トナー像101a、101bを構成する負の帯電極性のトナーを用紙P側に押し付けるように働く。
すなわち、二次転写バイアスが印加されている期間において、用紙Pに画像形成用トナー像101a、101bが転写される。
濃度制御用トナー像102が二次転写部20を通過する際に、二次転写電源27は、正の電圧をバックアップロール25に供給して、濃度制御用トナー像102を構成するトナーを、中間転写ベルト15側に押し付けてもよい。これにより、濃度制御用トナー像102は中間転写ベルト15に残留する。
また、濃度制御用トナー像102が二次転写部20を通過する際に、二次転写バイアスと同様の負の電圧をバックアップロール25に供給してもよい。これにより、濃度制御用トナー像102を構成するトナーが二次転写ロール22側に押し付けられ、二次転写ロール22上に移行(付着)する。
さらにまた、濃度制御用トナー像102が二次転写部20を通過するとき、電圧を供給しなくともよい。これにより、濃度制御用トナー像102を構成するトナーの一部が中間転写ベルト15上に残留し、他が二次転写ロール22上に移行(付着)する。
[二次転写部20における放電の発生]
二次転写部20に発生する放電について説明する。
図2(b)、(c)に示したように、二次転写部20では、中間転写ベルト15、二次転写ロール22、バックアップロール25が接触又は短い距離で対向する。そして、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に中間転写ベルト15を挟んで二次転写バイアスが供給される。二次転写バイアスは、例えば−12kVと高い。
図4は、二次転写ロール22の通紙部RP及び非通紙部RNにおける放電電流及びクリーニングブレード42に見られる磨耗断面積の一例を示す図である。図4(a)は、二次転写ロール22の通紙部RP及び非通紙部RNにおける放電電流のシミュレーション結果の一例を、図4(b)は、クリーニングブレード42に見られる磨耗断面積の実測値の一例を示す。
図4(a)に示すシミュレーション結果において、通紙部RPの放電電流は、図2(b)に示す通紙部RPのように二次転写ロール22と中間転写ベルト15との間に用紙Pがある状態とし、非通紙部RNの放電電流は、図2(b)に示す非通紙部RNのように二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが接触した状態として得た。
用紙Pは電気抵抗(以下抵抗と表記する。)が高いため、用紙Pが介在する通紙部RPでは、用紙Pが介在しない非通紙部RNに比べ放電電流が少ない。
放電が発生すると、窒素酸化物(NOx)などの放電生成物が二次転写ロール22上及び中間転写ベルト15上に付着する。これらの放電生成物の付着により二次転写ロール22の表面エネルギーが増加することで二次転写ロール22とロールクリーナ40のクリーニングブレード42との間の接触摩擦が増加し、クリーニングブレード42の磨耗が増加する。
次に、図4(b)に示すクリーニングブレード42における磨耗断面積の実測値を説明する。磨耗断面積は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製:VK−9500)においてクリーニングブレード42の先端部の断面を観察し、予め定められた先端の長さの範囲において、磨耗により失われた断面積を積算して求めた。
図4(b)には、用紙Pの処理枚数が5.5k、80k、515kの場合を示している。いずれの処理枚数においても、クリーニングブレード42の磨耗断面積は、通紙部RPに比べ、非通紙部RNにおいて大きい。また、処理枚数が多くなるにつれて、通紙部RP及び非通紙部RNとも磨耗断面積が指数関数的に大きくなっている。
なお、前述したように、用紙Pのサイズを変えると、それに応じて通紙部RP及び非通紙部RNの幅が変化する。用紙Pのサイズに対応した非通紙部RNが磨耗断面積の大きな領域となる。
二次転写ロール22上に付着する放電生成物の量は、図4(a)に示した放電電流に比例すると考えられる。放電電流は、二次転写ロール22上において非通紙部RNが通紙部RPに比べ多い。よって、クリーニングブレード42の非通紙部RNは、通紙部RPに比べて磨耗がより速く進み、磨耗断面積が大きいと思われる。
二次転写ロール22上への放電生成物の付着により二次転写ロール22の表面エネルギーが増加することで、二次転写ロール22とロールクリーナ40のクリーニングブレード42の先端部と間の接触摩擦が増加する。すると、クリーニングブレード42の先端部が二次転写ロール22の回転する力に負けて、クリーニングブレード42の捲れが発生する。
なお、二次転写ロール22とロールクリーナ40のクリーニングブレード42の先端部と間の接触摩擦は、非通紙部RNにて大きいので、図2(a)に示したクリーニングブレード42が捲れた状態βは、クリーニングブレード42全体で生じる場合の他、クリーニングブレード42の一部、例えば非通紙部RNの一方の端部又は両端部で生じることがある。
非通紙部RNにおける放電の発生のしやすさは、用紙Pの種別などによって変化する。例えば、用紙Pが厚いほど、非通紙部RNにおける放電が発生しやすい。すなわち、用紙Pの厚さ方向の抵抗値は、用紙Pが厚いほど大きい。よって、流れる電流値を予め定められた値に設定するためには、二次転写電源27が供給する電圧を予め定められた基準の電圧より高くする。すると、用紙Pが厚いほど、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間の電圧が大きくなって、非通紙部RNにおいて放電が生じやすくなる。すなわち、用紙Pが厚いほど、非通紙部RNにおいて放電が発生しやすくなる。
上記では、非通紙部RNにおける放電の発生のしやすさを用紙Pの厚さで説明した。しかし、用紙Pの種別などによって変化する二次転写部20の抵抗値Rで説明してもよい。すなわち、二次転写部20の抵抗値Rが大きいほど、非通紙部RNにおいて放電が発生しやすくなるとしてもよい。
なお、用紙Pの種別としては、上記の厚さの他に、坪量(密度)、表面処理(普通紙、コート紙、アート紙)などがある。さらに、用紙Pとしたが、画像が転写できる媒体であればよく、プラスチックフィルムなどであってもよい。この場合であっても、用紙Pとし、種別としてこれらを区別してもよい。そして、用紙Pの種別と放電の発生のしやすさ又は抵抗値Rとの関係をテーブル(表)として、画像形成制御部80が保持するようにしてもよい。
二次転写部20の抵抗値Rは、給電ロール26と二次転写電源27との間に設けられた抵抗計測部28で検知され、用紙Pの種別を判別して画像形成制御部80に送信される。抵抗計測部28は、例えば二次転写電源27が二次転写バイアスを供給したときに流れる電流値と二次転写電源27の出力する電圧とから、二次転写部20の抵抗値Rを算出すればよい。そして、抵抗値Rから用紙Pの種別を判別すればよい。
そして、画像形成制御部80が、抵抗計測部28により判別した用紙Pの種別から、二次転写部20における放電の発生のしやすさを予測する。
なお、画像形成制御部80が、抵抗計測部28の計測した抵抗値Rから用紙Pの種別を判別し、判別した用紙Pの種別から、二次転写部20における放電の発生のしやすさを予測してもよい。この場合は、抵抗計測部28及び画像形成制御部80が判別手段の一例である。
前述したように、二次転写ロール22のクリーニング不良の発生は、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42の捲れによる。クリーニングブレード42の捲れは、非通紙部RNに発生する放電による放電生成物が二次転写ロール22に付着し、二次転写ロール22の表面エネルギーが増加することで、二次転写ロール22とロールクリーナ40のクリーニングブレード42と間の接触摩擦が増加することによる。
よって、例え放電により二次転写ロール22上に放電生成物が付着したとしても、クリーニングブレード42によって容易に除去できれば、クリーニングブレード42の先端部の磨耗が抑制されると考えられる。そして、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42の捲れの発生及び用紙Pの裏面が汚れるクリーニング不良が抑制される。
そこで、非通紙部RNに発生した放電による放電生物が二次転写ロール22に付着する付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくしている。すなわち、二次転写部20において放電が発生して、放電生成物が二次転写ロール22に付着しても、付着した放電生成物が容易に除去できればよい。
そして、第1の実施の形態では、二次転写ロール22上に付着した放電生成物を除去しやすくするため、画像形成制御部80が、予め定められた基準の場合に比べ、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、二次転写ロール22上に潤滑剤の供給量を多くするように制御する。そして、二次転写ロール22と放電生成物との間に潤滑剤を介在させ、二次転写ロール22に付着する放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすく(剥がしやすく)する。
なお、クリーニングブラシ41から二次転写ロール22に供給される潤滑剤の量は、二次転写ロール22とクリーニングブラシ41とが接触している期間(時間)が長いほど、クリーニングブラシ41の回転数rが大きいほど、クリーニングブラシ41の先端部が潤滑剤ブロック43の表面から内部に食い込んだ深さが大きいほど多くなる。
図5は、用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応して二次転写ロール22とクリーニングブラシ41との接触している期間(時間)により二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。ここでは、用紙Pが用紙P1と用紙P2であって、用紙P2は用紙P1より厚さが厚い場合を示している。なお、二次転写部20の抵抗値Rは、用紙P1の場合に抵抗値R1、用紙P2の場合に抵抗値R2であって、抵抗値R2が抵抗値R1に比べて大きい(R1<R2)。
ここでは、中間転写ベルト15及び二次転写ロール22が回転している間、クリーニングブラシ41の回転数rは回転数r1であるとする。なお、クリーニングブラシ41は、モータ48で駆動されることなく、二次転写ロール22の回転に追従して回転するとしてもよい。
図5において、時間がアルファベット(a、b、c、…)順に経過するとする。図5(a)は、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。複数の用紙P1には、期間tr0の経過後、期間tr1において画像形成用トナー像101が転写される。例えば、時刻aから時刻bの期間tr0の経過の後、時刻bから時刻cの期間tr1において用紙P1に画像形成用トナー像101が転写される。さらに、時刻cから時刻dの期間tr0が経過した後、次の用紙P1に画像形成用トナー像101が転写される。
ここでの、期間tr0は、連続して複数の用紙P1に画像形成用トナー像101を転写するために設けられた間隔である。
なお、この場合に二次転写ロール22に供給される潤滑剤の量は、二次転写ロール22に付着した放電生成物を容易に除去できる量である。ここでは、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合が基準とする場合である。
次に、図5(b)は、用紙P1に引き続いて複数の用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。図5(a)と同様に、時刻aから時刻bまでの期間tr0の経過の後、時刻bから時刻cまでの期間tr1において用紙P1に画像形成用トナー像101が転写される。次に、時刻cから時刻dまでの期間tr0が経過した後、さらに時刻dから時刻eの期間tr2を経過した後の時刻eから時刻hまでの期間tr1において用紙P2に画像形成用トナー像101が転写される。そして、さらに期間tr0及び期間tr2が経過した後の時刻jから時刻mまでの期間tr1において、用紙P2に画像形成用トナー像101が形成される。
すなわち、厚さが用紙P1に比べて厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する場合には、用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する前に、期間tr0の後に期間tr2を設け、二次転写ロール22に潤滑剤を供給するようにしている。
図5(c)は、用紙P1及び用紙P2に引き続き用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。この場合、時刻hまでは、図5(b)と同様である。そして、時刻hから期間tr0が経過した時刻iから時刻lまでの期間tr1において、用紙P1に画像形成用トナー像101を形成している。
すなわち、用紙P2から用紙P1に移行する場合には、期間tr2を設けることなく、期間tr0の経過後に用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する。
すなわち、用紙P1に比べて厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する場合には、用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する前に、期間tr2を設け、二次転写ロール22に潤滑剤を多く供給している。
よって、用紙P1より厚いために放電が生じやすい用紙P2に転写が始まる前に、二次転写ロール22上の潤滑剤の量を多くし、放電生成物が二次転写ロール22上の潤滑剤上に付着するようにする。このように、用紙P2において、用紙P1の場合に比べ放電生成物がより多く発生しても、二次転写ロール22と放電生成物との間に用紙P1の場合に比べより多くの潤滑剤を介在させることで放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくしている。
また、放電が発生しやすく、放電生成物の発生が多いと予測する場合にのみ、潤滑剤の供給量を増加させるので、潤滑剤の供給が過剰になることが抑制できる。
ここでは、放電が発生しやすく、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、画像形成用トナー像101を用紙Pに転写する前に、潤滑剤を塗布する時間を設け、二次転写ロール22上の潤滑剤の量を多くしている。これにより、放電生成物が多く発生して、二次転写ロール22上に付着しても、二次転写ロール22上に供給された潤滑剤の量が多いので、放電生成物の二次転写ロール22への付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすい。
すなわち、期間tr2は、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、二次転写ロール22上に供給される潤滑剤の量を増加させるために追加する潤滑剤供給追加期間である。
この場合、画像形成制御部80は、UI部85から用紙P1から用紙P2へ変更されることの通知を受けて、時刻dにおいて潤滑剤供給追加期間(期間tr2)を設けるように制御すればよい。ここでは、UI部85が判別手段の一例である。
用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値Rに対応してロールクリーナ40のクリーニングブラシ41が回転する時間により二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する方法では、用紙P1に比べ厚い用紙P2の場合、潤滑剤の量を増加させるために潤滑剤供給追加期間(期間tr2)を設けるので、用紙P1に比べて画像形成に要する時間が長くなる。
なお、図5において、用紙P1(抵抗値R1)と用紙P2(抵抗値R2)の場合を示したが、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rに応じて潤滑剤供給追加期間(期間tr2)の長さを変更するようにしてもよい。
次に、基準とする場合に比べ放電生成物の発生が多いと予測する場合に、二次転写ロール22上に潤滑剤の供給量を多くする他の方法を説明する。
ここでは、クリーニングブラシ41の回転数rを制御して、二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する方法を説明する。
図6は、用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応してロールクリーナ40のクリーニングブラシ41の回転数rにより二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。ここでの時間軸は図5と同じとした。
ここでは、クリーニングブラシ41は、モータ48により回転され、その回転数rは画像形成制御部80により制御されている。
図6(a)は、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。図5(a)と同様に、複数の用紙P1に、期間tr0を挟んで、期間tr1において画像形成用トナー像101が連続して転写される。この場合、期間tr0及び期間tr1において、クリーニングブラシ41は、回転数r1で回転している。
すなわち、用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する場合には、クリーニングブラシ41は回転速度r1で回転して、二次転写ロール22に潤滑剤を供給する。
なお、この場合に二次転写ロール22に供給される潤滑剤の量は、二次転写ロール22に付着した放電生成物を容易に除去できる量である。ここでも、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合が基準とする場合である。
次に、図6(b)は、用紙P1に画像形成用トナー像101を転写し、引き続き用紙P1より厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写し、引き続き用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。時刻dにおいて用紙P2に画像形成用トナー像101の転写が始まると、クリーニングブラシ41を回転数r1から回転数r1より大きい回転数r2(r2>r1)にする。これにより、二次転写ロール22への潤滑剤の供給量を増加させる。
そして、時刻fにおいて用紙P2への画像形成用トナー像101の転写が終了すると、クリーニングブラシ41を回転数r2から回転数r1へと減少させる。これにより、二次転写ロール22への潤滑剤の供給量を減少させる。
この場合、画像形成制御部80は、UI部85から用紙P1から用紙P2へ変更されたことの通知を受けて、時刻dにおいて回転数r1から回転数r2にクリーニングブラシ41の回転数を増加させるように制御してもよい。なお、複数の用紙P2に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合にはクリーニングブラシ41を回転数r2に維持してもよい。ここでは、UI部85が判別手段の一例である。
また、画像形成制御部80は、抵抗計測部28から二次転写部20の抵抗値Rを受信して、用紙P1に対する抵抗値R1より高い抵抗値R2になった場合(時刻d)に、クリーニングブラシ41を回転数r1から回転数r2に増加させるように制御してもよい。そして、用紙P2に対する抵抗値R2より低い抵抗値R1になった場合(時刻f)に、クリーニングブラシ41を回転数r2から回転数r1に減少させるように制御してもよい。ここでは、抵抗計測部28が判別手段の一例である。
すなわち、放電が発生しやすく、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、画像形成用トナー像101を用紙Pに転写する際に、クリーニングブラシ41の回転数rを増加させて、二次転写ロール22上への潤滑剤の供給する量を多くしている。これにより、放電生成物が多く発生して、二次転写ロール22上に付着しても、二次転写ロール22に付着する放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくしている。
また、放電が発生しやすく、放電生成物の発生が多いと予測する場合にのみ、潤滑剤の供給量を増加させるので、潤滑剤の供給が過剰になることが抑制できる。
用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値Rに対応してクリーニングブラシ41の回転数rにより潤滑剤の供給量を制御する方法では、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rが異なっても、画像形成に要する時間は共に期間tr0と期間tr1との和であって差がない。
なお、図6において、用紙P1(抵抗値R1)と用紙P2(抵抗値R2)の2つの場合でクリーニングブラシ41の回転数rを2段階に切り替える方法を示したが、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rに応じてクリーニングブラシ41の回転数rを2段階以上又は連続的に変更するようにしてもよい。
また、二次転写電源27が二次転写バイアスを供給するために出力する電圧により、クリーニングブラシ41の回転数rを変更するように制御してもよい。
次に、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、二次転写ロール22上に供給される潤滑剤の量を多くするように制御する、さらに他の方法を説明する。
ここでは、画像形成制御部80が潤滑剤ブロック43のクリーニングブラシ41に対する荷重Lを制御して、二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する方法を説明する。
なお、潤滑剤ブロック43は、荷重設定部材46によって、クリーニングブラシ41に対して荷重Lがかけられている。そして、荷重Lは画像形成制御部80によって設定される。
図7は、用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応してロールクリーナ40のクリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lにより二次転写ロール22に供給する潤滑剤の量を制御する場合のタイミングチャートである。ここでの時間軸は図5と同じとした。
ここでは、クリーニングブラシ41は、中間転写ベルト15及び二次転写ロール22が回転している間、クリーニングブラシ41も予め定められた回転数r1で回転している。なお、クリーニングブラシ41は、モータ48で駆動されることなく、二次転写ロール22の回転によって回転してもよい。
図7(a)は、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。図4(a)と同様に、複数の用紙P1に、期間tr0を挟んで、期間tr1において画像形成用トナー像101が連続して転写される。この場合、期間tr0及び期間tr1において、クリーニングブラシ41に対して、荷重L1で潤滑剤ブロック43を押し付けている。
なお、この場合に二次転写ロール22に供給される潤滑剤の量は、二次転写ロール22に付着した放電生成物を容易に除去できる量である。ここでも、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合が基準とする場合である。
次に、図7(b)は、用紙P1に画像形成用トナー像101を転写し、引き続き用紙P1より厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写し、さらに引き続き用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。時刻dにおいて用紙P2に画像形成用トナー像101の転写が始まると、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重L1を荷重L1より大きい荷重L2(L2>L1)に変更する。これにより、二次転写ロール22への潤滑剤の供給量を増加させる。
そして、時刻fにおいて用紙P2への画像形成用トナー像101の転写が終了すると、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重L2を荷重L1に変更する。これにより、二次転写ロール22への潤滑剤の供給量を減少させる。
この場合、クリーニングブラシ41、クリーニングブレード42、潤滑剤ブロック43に加えて、荷重設定部材46が潤滑剤供給部の一例である。
そして、画像形成制御部80は、UI部85から用紙P1から用紙P2へ変更されたことの通知を受けて、時刻dにおいてクリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重L1を荷重L2に増加させるように制御してもよい。なお、複数の用紙P2に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合にはクリーニングブラシ41を押し付ける荷重を荷重L2に維持してもよい。ここでは、UI部85が判別手段の一例である。
また、画像形成制御部80は、抵抗計測部28から二次転写部20の抵抗値Rを受信して、用紙P1に対する抵抗値R1より高い抵抗値R2になった場合(時刻d)に、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重L1を荷重L2に増加させるように制御してもよい。そして、用紙P2に対する抵抗値R2より低い抵抗値R1になった場合(時刻f)に、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重L2を荷重L1に減少させるように制御してもよい。ここでは、抵抗計測部28が判別手段の一例である。
用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値Rに対応してクリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lにより潤滑剤の供給量を制御する方法では、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rが異なっても、画像形成に要する時間は共に期間tr0と期間tr1との和であって差がない。
図8は、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lを変化させた場合におけるクリーニングブレード42の非通紙部RNにおける磨耗断面積と処理枚数との関係の一例を示す図である。ここでは、荷重L2は荷重L1の2倍である。用紙PはA4サイズである。
処理枚数が増加すると、クリーニングブレード42の非通紙部RNの磨耗断面積が増加する。そして、荷重L1の場合に比べ、荷重L1の2倍とした荷重L2の場合には、クリーニングブレード42の非通紙部RNの磨耗断面積が小さくなる。
すなわち、画像形成制御部80は、放電が発生しやすく、基準とする場合に比べ放電生成物の発生が多いと予測する場合に、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lを増加させて、二次転写ロール22上への潤滑剤の供給する量が多くなるように制御している。これにより、放電生成物が多く発生して、二次転写ロール22上に付着しても、二次転写ロール22上に供給された潤滑剤の量が多いので、二次転写ロール22に付着する放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくする。
また、放電が発生しやすく、放電生成物の発生が多いと予測する場合にのみ、潤滑剤の供給量を増加させるので、潤滑剤の供給が過剰になることが抑制できる。
なお、図7において、用紙P1(抵抗値R1)と用紙P2(抵抗値R2)の場合にクリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lを2段階で変更する場合を示したが、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rに応じてクリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lを2段階以上又は連続に変更するようにしてもよい。
また、二次転写電源27が二次転写バイアスを供給するために出力する電圧により、クリーニングブラシ41に対する潤滑剤ブロック43の荷重Lを変更するようにしてもよい。
また、第1の実施の形態において、放電生成物の発生が多いと予想される場合において、予め潤滑剤塗布追加期間を設けて、二次転写ロール22上に潤滑剤を多く供給する方法、クリーニングブラシ41の回転数rを大きくする方法、クリーニングブラシ41に対して潤滑剤ブロック43を押し当てる荷重を大きくする方法を示したが、これらをいくつか又は全てを組み合わせて用いてもよい。
第1の実施の形態では、画像形成制御部80及び潤滑剤供給部が、付着力低減手段の一例である。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、二次転写ロール22上に付着した放電生成物を除去しやすくするため、画像形成制御部80は、基準とする場合に比べ放電生成物の発生が多いと予測する場合に、二次転写ロール22上に潤滑剤の供給量を多くするように制御して、二次転写ロール22と放電生成物との間に潤滑剤を介在させている。これにより、二次転写ロール22に付着する放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすく(剥がしやすく)している。
第2の実施の形態では、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが接するニップ部Nにおいて、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設け、互いに擦りあうことによって、二次転写ロール22上に付着した放電生成物の付着力を低減し、二次転写ロール22上に付着する放電生成物をクリーニングブレード42により除去しやすくする。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、異なる部分を説明し、同様な部分の説明を省略する。
図9は、用紙Pの種別(P種別)又は二次転写部20の抵抗値R(二次転写部抵抗R)に対応して二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設け二次転写ロール22に付着した放電生成物を除去する場合のタイミングチャートである。図9において、時間軸は図5と同じとした。
図9(a)は、図5(a)の場合と同様に、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。複数の用紙P1には、期間tr0の経過後、期間tr1において画像形成用トナー像101が転写される。そして、ここでは二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設けた期間はない。
なお、この場合に二次転写ロール22に供給される潤滑剤は、二次転写ロール22に付着した放電生成物を容易に除去できる量である。ここでも、複数の用紙P1に連続して画像形成用トナー像101を転写する場合が基準とする場合である。
次に、図9(b)は、図5(b)の場合と同様に、用紙P1に引き続いて複数の用紙P2に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。時刻aから時刻bまでの期間tr0の経過の後、時刻bから時刻cまでの期間tr1において用紙P1に画像形成用トナー像101が転写される。次に、時刻cから時刻dまでの期間tr0が経過した後、さらに時刻dから時刻fの期間tr1において用紙P2に画像形成用トナー像101が転写される。そして、時刻fにおいて、用紙P2に画像形成用トナー像101の転写が終了した後の時刻fから時刻hまでの期間tr3において、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設ける(“+”)。次に、時刻hにおいて、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とに速度差を“0”にする。時刻hから時刻iまで期間tr0の後の時刻iから時刻lの期間tr1において用紙P2に画像形成用トナー像101が形成される。そして、時刻lから時刻mの期間tr3において、再び二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設ける(“+”)。
すなわち、厚さが用紙P1に比べて厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写した場合には、用紙P2に画像形成用トナー像101を転写した後に、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設けた期間tr3を設けている。
図9(c)は、図5(c)と同様に、用紙P1及び用紙P2に引き続き用紙P1に画像形成用トナー像101を転写する場合を示している。この場合、時刻hまでは、図9(b)と同様である。そして、時刻hから期間tr0が経過した時刻iから時刻lまでの期間tr1において、用紙P1に画像形成用トナー像101を形成している。そして、その後には、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設けた期間tr3を設けない。
すなわち、用紙P1に移行した後には、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設けた期間tr3を設けない。
厚さが用紙P1に比べて厚い用紙P2に画像形成用トナー像101を転写した場合には、用紙P2に画像形成用トナー像101を転写した後に、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)がある期間tr3を設け、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが擦りあうことにより、二次転写ロール22上に付着した放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくする。
二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を設けた期間tr3は、放電生成物の発生が多いと予測される場合に、二次転写ロール22上に付着した放電生成物を除去する放電生成物除去期間である。
なお、ここでは、中間転写ベルト15上に付着した放電生成物の付着力も低減できる。
ここでは、画像形成制御部80、中間転写ベルト15及び二次転写ロール22が、付着力低減手段の一例である。
この場合、画像形成制御部80は、UI部85から用紙P1から用紙P2へ変更されたことの通知を受けて、用紙P2への画像形成用トナー像101の転写が終了するタイミング(図9(b)の時刻fなど)において、放電生成物除去期間(図9(b)の期間tr3)を挿入するように制御してもよい。ここでは、UI部85が判別手段の一例である。
また、画像形成制御部80は、抵抗計測部28から二次転写部20の抵抗値Rを受信して、用紙P1に対する抵抗値R1より高い抵抗値R2になった場合(時刻dなど)に、高い抵抗値R2が終了したタイミング(時刻fなど)において、放電生成物除去期間(期間tr3)を挿入するように制御してもよい。ここでは、抵抗計測部28が判別手段の一例である。
なお、図9において、用紙P1の場合には、放電生成物除去期間(期間tr3)を設けないとしたが、いずれの用紙Pを用いた場合にも、用紙Pの種別又は二次転写部20の抵抗値Rに応じた長さの放電生成物除去期間を設けてもよい。
また、二次転写電源27が二次転写バイアスを供給するために出力する電圧により、放電生成物除去期間の長さを変更するようにしてもよい。
なお、第2の実施の形態と第1の実施の形態とを組み合わせて用いてもよい。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、二次転写ロール22上へ供給する潤滑剤の量を制御することにより、二次転写ロール22上に付着する放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくした。
第2の実施の形態では、二次転写ロール22と中間転写ベルト15とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)速度を設け、互いに擦りあうことによって、二次転写ロール22上に付着した放電生成物の付着力を低減し、二次転写ロール22上に付着する放電生成物をクリーニングブレード42により除去しやすくした。
第3の実施の形態では、異型状の外添剤を備えたトナーにより画像形成用トナー像101を形成するとともに、二次転写ロール22の非通紙部RNに対応する中間転写ベルト15上に帯状にトナー像(トナーバンド)を設けている。この非通紙部RNに設けられたトナー像(トナーバンド)のトナーが、二次転写ロール22に付着し、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42によって除去される際に、二次転写ロール22の表面を研磨する研磨剤として働き、二次転写ロール22上に付着した放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくする。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、異なる部分を説明し、同様な部分の説明を省略する。
[トナー像]
図10は、第3の実施の形態における中間転写ベルト15上のトナー像の一例を示す図である。第1の実施の形態における図3と同様に、図10は、二次転写部20において、二次転写ロール22側から見た中間転写ベルト15の表面の一部を示している。中間転写ベルト15は矢印B方向に移動する。
図10で示すように、中間転写ベルト15は、用紙Pに二次転写される画像形成用トナー像101a、101b、画像形成用トナー像101a、101bの間(間隙)に設けられる濃度制御用トナー像102、中間転写ベルト15の幅方向の両端部にトナーバンドとして設けられる他のトナー像の一例としての端部用トナー像103a、103bを保持する。
中間転写ベルト15及び画像形成用トナー像101a、101b、濃度制御用トナー像102は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
端部用トナー像103a、103bは、中間転写ベルト15の幅方向の両端部において、二次転写ロール22の非通紙部RNに対向して設けられている。そして、端部用トナー像103aは画像形成用トナー像101aの外側に設けられ、端部用トナー像103bは画像形成用トナー像101bの外側に設けられている。
図10では、端部用トナー像103a、103bは、互いに同じ形状のものが、中間転写ベルト15の幅方向の中心に対して対称に設けられている。これは、画像形成用トナー像101a、101bが中間転写ベルト15の幅方向の中央部に設けられているためである。
そして、端部用トナー像103a、103bは、一例として、中間転写ベルト15の移動方向(矢印B方向)に対して離散的に設けられている。なお、離散的に設けられているのは、トナーの消費を削減するためである。
端部用トナー像103a、103bの中間転写ベルト15の幅方向におけるそれぞれの幅は、画像形成用トナー像101a、101bのそれぞれの幅に対応する。A4サイズの用紙Pに対応する画像形成用トナー像101aはA3サイズの用紙Pに対する画像形成用トナー像101bに比べて、中間転写ベルト15の幅方向の幅が狭い。よって、画像形成用トナー像101aに対応する端部用トナー像103aの中間転写ベルト15の幅方向の幅は、画像形成用トナー像101bに対応する端部用トナー像103bの幅方向の幅に比べて広く設定されている。
すなわち、端部用トナー像103a、103bは、中間転写ベルト15上において画像形成用トナー像101が占めていない領域を覆うように設けられている。
なお、端部用トナー像103a、103bをそれぞれ区別しない場合は、端部用トナー像103と表記する。
なお、画像形成用トナー像101を中間転写ベルト15の幅方向に対して一方の端部に設ける場合には、端部用トナー像103を、中間転写ベルト15の幅方向における他方の端部に設ければよい。
一方、トナー像を形成するトナーは、トナー本体と、トナー本体の表面に付着した外添剤とを備える。なお、「トナー本体」とは、トナーから外添剤を除いたものをいう。
外添剤は、その体積平均粒径が70nm以上且つ400nm以下、平均円形度が0.5以上且つ0.9以下である。ここでは、平均円形度が1(円)からずれて1未満であることから、外添剤を異型外添剤と表記する。
異型外添剤としては、トナー本体の帯電極性が負極性である場合には、同じ帯電極性を有し負に帯電しやすい、例えばシリカが、トナー本体の帯電極性が正極性である場合には、同じ帯電極性を有し正の極性に帯電しやすい、例えば酸化セリウム、チタン酸ストロンチウムが使用できる。
トナー本体と外添剤とが同じ帯電極性を有すると、トナー本体と外添剤とは同時に帯電され、分離することなく共に転写されやすい。
ここでは、トナーの帯電特性を負極性として説明しているので、異型外添剤は負に帯電しやすいシリカを用いるのが好ましい。よって、ここでは外添剤をシリカで構成されたシリカ粒子を例として説明する。
次に、第3の実施の形態における実施例について説明する。なお、シリカ粒子は、シリカ、すなわちSiOを主成分とする粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。また、水ガラスやアルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造される粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
ここでは、5種類のシリカ粒子A〜Eを外添剤として用いたトナーにより、クリーニングブレード42の捲れの発生及びクリーニング性を評価した。
[シリカ粒子の製造方法]
次にシリカ粒子A〜Eの製造方法を説明する。
−シリカ粒子A−
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール300g、10%アンモニア(NHOH)水47.7gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液における触媒量、すなわちNH量(NH/(NH+メタノール+水))は、0.72mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン(Si(OCH)450gと4.44%アンモニア水270gとを、テトラメトキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH量が0.24molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0021mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により225g留去し、純水を225g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、体積平均粒径67nm、円形度0.92の異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン12gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行って、疎水性シリカ粒子(シリカ粒子A)を得た。
−シリカ粒子B−
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール300g、10%アンモニア水47.8gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液における触媒量、すなわちNH量(NH/(NH+メタノール+水))は、0.72mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン450gと4.44%アンモニア水270gとを、テトラメトキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH量が0.24molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0028mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により225g留去し、純水を225g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、体積平均粒径72nm、円形度0.89の異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン12gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行って、疎水性シリカ粒子(シリカ粒子B)を得た。
−シリカ粒子C−
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール300g、10%アンモニア水49.6gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液における触媒量、すなわちNH量(NH/(NH+メタノール+水))は、0.75mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン450gと4.44%アンモニア水270gとを、テトラメトキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH量が0.24molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0050mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により225g留去し、純水を225g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、体積平均粒径150nm、円形度0.75の異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン7gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行って、疎水性シリカ粒子(シリカ粒子C)を得た。
−シリカ粒子D−
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール300g、10%アンモニア水55.2gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液における触媒量、すなわちNH量(NH/(NH+メタノール+水))は、0.82mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン450gと4.44%アンモニア水270gとを、テトラメトキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH量が0.24molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行ってシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0066mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により225g留去し、純水を225g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、体積平均粒径391nm、円形度0.52の異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン4gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行って、疎水性シリカ粒子(シリカ粒子D)を得た。
−シリカ粒子E−
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール300g、10%アンモニア水55.8gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液における触媒量、すなわちNH量(NH/(NH+メタノール+水))は、0.82mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン450gと4.44%アンモニア水270gとを、テトラメトキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH量が0.24molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行ってシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0098mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により225g留去し、純水を225g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、体積平均粒径415nm、円形度0.46の異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン4gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行って、疎水性シリカ粒子(シリカ粒子E)を得た。
[トナー製造方法]
シリカ粒子A〜Eをそれぞれ用いたトナーの製造方法を説明する。
印刷システム(700Digital Color Press:富士ゼロックス社製)用のトナー本体に、前述のシリカ粒子A〜Eのいずれか一つを1.2部、ルチル型酸化チタン(体積平均粒径20nm)1部を加え、ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、目開き45μmのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー粒子を得た。
また、印刷システム(700Digital Color Press:富士ゼロックス社製)用のキャリア100部、上記トナー粒子8部をVブレンダーで混合し、500μm網目で篩分してトナーを作製した。
ここで、シリカ粒子A〜Eの円形度及び体積平均粒径の求め方を説明する。
[円形度]
円形度は、粒径100μmの鉄粉または樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)にシリカ粒子A〜Eをそれぞれ混合分散させ、鉄粉または樹脂粒子上の外添剤の一次粒子100個につき走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、投影面積及び周囲長から、式(1)により算出する。
ここでは、得られた円形度の累積頻度における50%円形度を円形度とした。
円形度=4π×投影面積/(周囲長)
[体積平均粒径]
体積平均粒径は、粒径100μmの鉄粉または樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)にシリカ粒子A〜Eをそれぞれ混合分散させ、鉄粉または樹脂粒子上の外添剤の一次粒子100個につきSEMにて観察し、円相当径の累積頻度における50%径(D50v)を算出して、体積平均粒径とした。
[クリーニングブレード42の捲れ及びクリーニング性の評価]
図11は、クリーニングブレード42の捲れの発生及びクリーニング性の評価結果を示す図である。図11では、トナーの外添剤として用いた5種類のシリカ粒子A〜Eと非通紙部RNにおける端部用トナー像103の有/無とを組合せて、クリーニングブレード42の捲れの発生及びクリーニング性について評価した。
実施例1は、円形度0.89、体積平均粒径72nmのシリカ粒子Bを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成した(トナーバンド有)場合、実施例2は、円形度0.75、体積平均粒径150nmのシリカ粒子Cを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成した(トナーバンド有)場合、実施例3は、円形度0.52、体積平均粒径391nmのシリカ粒子Dを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成した(トナーバンド有)場合である。
比較例1は、円形度0.92、体積平均粒径67nmのシリカ粒子Aを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成した(トナーバンド有)場合、比較例2は、円形度0.46、体積平均粒径415nmのシリカ粒子Eを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成した(トナーバンド有)場合、比較例3は、円形度0.75、体積平均粒径150nmのシリカ粒子Cを外添剤としたトナーを用い、非通紙部RNに端部用トナー像103を形成しない(トナーバンド無)場合である。
すなわち、実施例1〜3及び比較例1、2は、シリカ粒子の円形度及び体積平均粒径が異なるが、いずれも非通紙部RNに端部用トナー像103を形成している(トナーバンド有)。一方、比較例3は、実施例2と同じく、外添剤としてシリカ粒子Cを用いているが、比較例3は非通紙部RNにおいてトナーバンドが形成されていない(トナーバンド無)が、実施例2では非通紙部RNにおいてトナーバンドが形成されている(トナーバンド有)。
なお、図11では、比較例1、実施例1〜3、比較例2の順に、円形度が小さくなるように並べている。
クリーニングブレード42の捲れは、28℃、80%RHの試験環境で行った。用いた用紙Pは、坪量200g/mのA4サイズのコート紙である。トナー像の画像網点面積率(Cin)は、YMCKのそれぞれの色に対して0.5%である。クリーニングブレード42の二次転写ロール22への接触圧は29.4kPaである。
3000枚の用紙Pにトナー像を形成して、クリーニングブレード42における捲れの発生を調べた。
評価は、クリーニングブレード42に捲れの発生がない場合を“○”、2000〜3000枚の間でクリーニングブレード42に捲れが発生した場合を“△”、500〜2000枚の間でクリーニングブレード42に捲れが発生した場合を“×”、500枚未満でクリーニングブレード42に捲れが発生した場合を“××”とした。
クリーニング性は、10℃、20%RHの試験環境で行った。用いた用紙Pは、坪量200g/mのA4サイズのコート紙である。トナー像の画像網点面積率(Cin)は、YMCKのそれぞれにおいて8%である。クリーニングブレード42の二次転写ロール22への接触圧は29.4kPaである。この条件で、20万枚の用紙Pにトナー像を形成するとともに、10万枚の用紙Pにトナー像を形成した後及び20万枚の用紙Pにトナー像を形成した後に、A3サイズの用紙Pを挿入し、A3サイズの用紙PにおいてA4サイズの領域外における裏面の汚れの有無を調べた。
評価は、A3サイズの用紙Pの裏面に汚れが無い場合を“○”、軽微な汚れが有る場合を“△”、汚れが有る場合を“×”とした。
図11に示すように、実施例1〜3では、クリーニングブレード42の捲れは発生せず、10万枚及び20万枚のA4サイズの用紙Pにトナー像を形成した後のいずれであっても、A3サイズの用紙Pの裏面に汚れは無かった。
しかし、実施例1〜3に使用されたトナーに用いられた外添剤であるシリカ粒子B(円形度0.89)〜D(円形度0.52)より、円形度0.92と大きい、すなわち円に近いシリカ粒子Aを用いた比較例1では、クリーニングブレード42の捲れが500枚未満で発生(××)するとともに、10万枚の用紙Pにトナー像を形成した後に、A3サイズの用紙Pの裏面に汚れが有った。
そして、実施例1〜3に使用されたシリカ粒子B(円形度0.89)〜D(円形度0.52)より、円形度0.46と小さい、すなわち異型状の度合いが大きいシリカ粒子Eを用いた比較例2では、クリーニングブレード42の捲れが500〜2000枚の間で発生(“×”)するとともに、10万枚の用紙Pにトナー像を形成した後に、A3用紙の裏面に汚れが有った(“×”)。
さらに、非通紙部RNに端部用トナー像103を設けた場合において、クリーニングブレード42の捲れが発生せず、20万枚の用紙Pにトナー像を形成した後においてもA3サイズの用紙Pの裏面に汚れが無い実施例2と同じシリカ粒子Cを用いても、比較例3に示すように、非通紙部RNに端部用トナー像103を設けない場合には、クリーニングブレード42の捲れが500〜2000枚の間で発生(“×”)し、10万枚の用紙Pにトナー像を形成した後に、A3サイズの用紙Pの裏面に軽微な汚れが有った(“△”)。そして、20万枚の用紙Pにトナー像を形成した後においては、A3サイズの用紙Pの裏面に汚れが有った(“×”)。
以上説明したように、トナーが、その体積平均粒径が70nm以上且つ400nm以下であって、円形度が0.5以上且つ0.9未満の異型の外添剤を備え、且つ非通紙部RNに端部用トナー像103(トナーバンド)を設けると、クリーニングブレード42の捲れの発生が抑制されるとともに、20万枚の用紙Pにおけるトナー像の形成においても裏面の汚れが抑制される。
これは、非通紙部RNに設けられた端部用トナー像103(トナーバンド)のトナーが、二次転写ロール22に付着し、ロールクリーナ40のクリーニングブレード42によって除去される際に、二次転写ロール22の表面を研磨する研磨剤として働き、二次転写ロール22上に付着した放電生成物の付着力を低減し、クリーニングブレード42により除去しやすくすることによる。
ここでは、画像形成制御部80が、付着力低減手段の一例である。
よって、画像形成制御部80は、放電生成物の発生が多いと予測する場合に、非通紙部RNに設けられた端部用トナー像103(トナーバンド)のトナーが占める面積を大きくするなどにより、二次転写ロール22の表面を研磨する研磨剤として働くトナーの量を制御することで、放電生成物を除去しやすく(剥がしやすく)すればよい。
画像形成制御部80は、UI部85からの用紙Pの種別と、画像処理された画像データとから、放電生成物が多く発生しやすいと予測する場合において、端部用トナー像103(トナーバンド)のトナー量をトナーが占める面積などにより設定するように制御すればよい。
なお、このようにすることで、端部用トナー像103(トナーバンド)に使用されるトナーの量を抑制できる。
さらに、画像形成装置1が設置される環境の温度、湿度をモニタし、放電の発生の違い及び二次転写ロール22からの放電生成物の除去しやすさの違いなどを考慮して、端部用トナー像103(トナーバンド)のトナー量をさらに制御してもよい。
また、トナー及びトナー像を変更すればよく、画像形成装置1のハードウエア構成の変更を要しない。
なお、第3の実施の形態と、第1の実施の形態、第2の実施の形態のいずれ一方か又は両方とを組み合わせて用いてもよい。
(第4の実施の形態)
[画像形成装置1]
第1の実施の形態から第3の実施の形態の画像形成装置1は、タンデム型の中間転写方式による画像形成装置であって、二次転写ロール22を用いた二次転写部20を備えていた。第4の実施の形態の画像形成装置1は、タンデム型の直接転写方式による画像形成装置である。
図12は、第4の実施の形態が適用される画像形成装置1の一例を示す概略構成図である。第1の実施の形態と同様の部分は同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
第4の実施の形態の画像形成装置1は、図1に示す第1の実施の形態の画像形成装置1と同様に、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2K、定着部60、画像形成制御部80を備えている。
そして、第2の実施の形態の画像形成装置1の各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kのそれぞれの保持体の他の一例としての感光体ドラム11上に形成された各色(成分)のトナー像を、転写搬送ベルト71によって搬送された用紙Pに順次転写させる転写手段の他の一例としての転写部70を備えている。
転写搬送ベルト71は、第1の実施の形態における中間転写ベルト15と同様の材料で構成され、各種ロールによって図7に示す矢印D方向に予め定められた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとしては、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて転写搬送ベルト71を回転させる駆動ロール72、各感光体ドラム11の配列方向に沿って直線状に延びる転写搬送ベルト71を支持する支持ロール73、転写搬送ベルト71に対して張力を与えると共に転写搬送ベルト71の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール74、転写部70に設けられるバックアップロール75、転写搬送ベルト71上のトナーを掻き取るベルトクリーナ90に対向して設けられるクリーニングバックアップロール76などが配設されている。
転写部70は、転写搬送ベルト71を挟んで対向するように配置される感光体ドラム11とバックアップロール75とで構成されている。バックアップロール75は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、バックアップロール75は転写搬送ベルト71を挟んで感光体ドラム11に押し当てられている。
さらにバックアップロール75には、転写部70に抵抗を検知する抵抗計測部78を介して、トナーの帯電極性(負)と逆極性である正の電圧(転写バイアス)が転写電界供給手段の他の一例としての転写電源77により供給されている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が転写搬送ベルト71上の用紙Pに順次、静電吸引され、用紙Pにトナー像が転写される。
そして、転写搬送ベルト71に付着したトナーを除去するベルトクリーナ90が設けられている。ベルトクリーナ90は、第1の実施の形態における画像形成装置1と同様に、転写部70の下流側で転写搬送ベルト71に回転可能に接触して配置されるクリーニングブラシ91、クリーニングブラシ91よりもさらに転写搬送ベルト71の移動方向下流側に設けられるクリーニングブレード92を備えている。また、ベルトクリーナ90は、クリーニングブラシ91に接触するように配置され、クリーニングブラシ91に供給する潤滑剤を保持する潤滑剤ブロック93、クリーニングブラシ91、クリーニングブレード92、潤滑剤ブロック93を収容するクリーナハウジング94、クリーニングブレード92をクリーナハウジング94に固定して支持する支持部材95、潤滑剤ブロック93をクリーニングブラシ91に押し付ける力(荷重)を設定する荷重設定部材96を備えている。荷重設定部材96は一端がクリーナハウジング94に固定され、他端が潤滑剤ブロック93に固定され、潤滑剤ブロック93をクリーニングブラシ91に対して荷重を掛けている。
さらに、クリーナハウジング94内に廃トナーを蓄積する蓄積部97を備えている。
ベルトクリーナ90の各部材は、第1の実施の形態のロールクリーナ40の各部材(番号が40番台のもの)と同様であるので説明を省略する。
第4の実施の形態における画像形成装置1の基本的な作像プロセスは、転写部70を除いて、第1の実施の形態と同様である。第4の実施の形態においても、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、第1の実施の形態において図3に示したように、画像形成用トナー像101、濃度制御用トナー像102を形成する。
転写部70では、転写搬送ベルト71を介して、バックアップロール75が感光体ドラム11に押し当てられている。タイミングを合わせて転写部70に搬送された用紙Pは、感光体ドラム11と転写搬送ベルト71との間に挟み込まれる。その際、転写電源(不図示)から、バックアップロール75に、トナーの帯電極性(負)と逆極性の正の電圧(転写バイアス)が供給される。すると、転写搬送ベルト71を挟んで、感光体ドラム11とバックアップロール75との間に転写バイアスが形成され、感光体ドラム11に保持された画像形成用トナー像101が、用紙P上に転写される。
各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kによってそれぞれ形成された画像形成用トナー像が順次転写された用紙Pは、定着部60に搬送される。
そして、転写搬送ベルト71に付着したトナーは、ベルトクリーナ90によって除去される。
第1の実施の形態の二次転写部20と同様に、転写部70において印加される転写バイアスにより放電が発生すると、放電生成物が転写搬送ベルト71に付着する。
よって、第1の実施の形態で説明したように、用紙Pの種別(P種別)又は転写部70の抵抗値Rによって、転写搬送ベルト71上に供給する潤滑剤の量を制御する。すなわち、放電生成物の発生が多いと予想される場合において、予め潤滑剤塗布追加期間を設けて、転写搬送ベルト71上に潤滑剤を多く供給することで、放電生成物の転写搬送ベルト71への付着力を低減する方法を適用してもよい。
また、放電生成物の発生が多いと予想される場合において、クリーニングブラシ91の回転数rを大きくして、転写搬送ベルト71上に潤滑剤を多く供給することで、放電生成物の転写搬送ベルト71への付着力を低減する方法を適用してもよい。
なお、これらの方法では、クリーニングブラシ91、クリーニングブレード92、潤滑剤ブロック93が潤滑剤供給部の他の一例である。
さらに、放電生成物の発生が多いと予想される場合において、クリーニングブラシ91に対して潤滑剤ブロック93を押し当てる荷重を大きくして、転写搬送ベルト71上に潤滑剤を多く供給することで、放電生成物の転写搬送ベルト71への付着力を低減する方法を適用してもよい。
なお、この方法では、クリーニングブラシ91、クリーニングブレード92、潤滑剤ブロック93、荷重設定部材96が潤滑剤供給部の他の一例である。
そして、画像形成制御部80及び潤滑剤供給部が、付着力低減手段の一例である。
さらに、第2の実施の形態で説明したと同様に、放電生成物の発生が多いと予想される場合において、画像形成用トナー像101の用紙Pへの転写が終了した後に、感光体ドラム11と転写搬送ベルト71とが対向するそれぞれの表面の移動速度に差(速度差)を設け、感光体ドラム11と転写搬送ベルト71とが擦れあって、転写搬送ベルト71上に付着した放電生成物の付着力を低減する方法を適用してもよい。この方法では、画像形成制御部80、中間転写ベルト15及び二次転写ロール22が、付着力低減手段の一例である。
さらにまた、第3の実施の形態で説明したと同様に、異型外添剤を備えるトナーを用いるとともに、端部用トナー像103(トナーバンド)を設け、転写搬送ベルト71の非通紙部RNに付着したトナーをクリーニングブレード92にて除去する際に、異型外添剤により、転写搬送ベルト71上に付着した放電生成物を研磨して付着力を低減する方法を適用してもよい。この方法では、画像形成制御部80が、付着力低減手段の一例である。
また、上記の方法のいくつか又はすべてを組み合わせて用いてもよい。
そして、画像形成制御部80は、UI部85から用紙Pが変更される通知を受けて、転写搬送ベルト71上に潤滑剤を供給する量、感光体ドラム11と転写搬送ベルト71とが対向するそれぞれの表面の移動速度の差(速度差)を制御してもよい。ここでは、UI部85が判別手段の一例である。
また、画像形成制御部80は、転写電源77とバックアップロール75との間に設けた抵抗計測部78から転写部70の抵抗値Rを受信し、抵抗値Rの変化を検知して、転写搬送ベルト71上に潤滑剤を供給する量、感光体ドラム11と転写搬送ベルト71とが対向する表面の移動速度の差(速度差)を制御してもよい。ここでは、抵抗計測部28が判別手段の一例である。
よって、直接転写方式による画像形成装置においても、ベルトクリーナ90のクリーニングブレード92の捲れの発生及び用紙Pの裏面が汚れるクリーニング不良が抑制される。
そして、本実施の形態では、トナーを負極性として説明したが、正極性のトナーを用いる場合には、転写バイアス及び非転写バイアスのそれぞれの極性を逆にすればよい。
1…画像形成装置、2、2Y、2M、2C、2K…画像形成ユニット、10…一次転写部、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、22…二次転写ロール、25…バックアップロール、26…給電ロール、27…二次転写電源、40…ロールクリーナ、41、91…クリーニングブラシ、42、92…クリーニングブレード、43、93…潤滑剤ブロック、44、94…クリーナハウジング、45、95…支持部材、46、96…荷重設定部材、50…用紙収容部、60…定着部、70…転写部、71…転写搬送ベルト、80…画像形成制御部、81…基準センサ、82…画像濃度センサ、85…UI部、90…ベルトクリーナ、101、101a、101b…画像形成用トナー像、102…濃度制御用トナー像、103、103a、103b…端部用トナー像、P…用紙

Claims (6)

  1. トナー像が保持される保持体と、
    前記保持体との間に、複数の種別に分けられる被転写体を挟んで、前記トナー像を当該被転写体に転写する転写手段と、
    前記被転写体の種別を判別する判別手段と、
    前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に対応して、前記保持体と前記転写手段との間における放電によって発生する放電生成物の量を予測し、予め定められた基準とする場合に比べ、当該放電生成物が多いと予測する場合に、当該転写手段に付着する当該放電生成物の当該転写手段への付着力を低減させる付着力低減手段と、
    前記転写手段に付着した前記放電生成物を除去する除去手段と
    を備える画像形成装置。
  2. 前記付着力低減手段は、前記転写手段の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部を備え、
    前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、前記潤滑剤供給部が前記転写手段に供給する前記潤滑剤の量を増加させ、当該放電生成物の当該転写手段の表面に付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記付着力低減手段は、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、前記転写手段が当該被転写体に前記トナー像を転写した後に、前記保持体と当該転写手段とがそれぞれ対向する面におけるそれぞれの移動速度に差を設けて互いを擦り合わせて当該放電生成物の当該転写手段へ付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記判別手段は、前記被転写体が挟まれた前記保持体と前記転写手段との間の電気抵抗を計測する抵抗計測部を備え、当該抵抗計測部が計測した当該電気抵抗により、当該被転写体の種別を判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記保持体が保持する前記トナー像は、トナー本体と異型の外添剤とを備えるトナーにより構成されるとともに、前記被転写体に転写されるトナー像に加え、当該被転写体に転写されない他のトナー像を含み、
    前記付着力低減手段は、前記判別手段が判別した前記被転写体の前記種別に応じて、前記基準とする場合に比べ前記放電生成物の発生が多いと予測する場合に、当該被転写体に転写されない前記他のトナー像を形成するトナーの量を多くし、前記除去手段により当該トナーが前記転写手段から取り除かれる際に、前記外添剤が当該転写手段に付着した当該放電生成物を研磨して、当該放電生成物の当該転写手段へ付着する付着力を低減させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. トナー像が保持される保持体と、
    前記保持体との間に、複数の種別に分けられる被転写体を挟んで、前記トナー像を当該被転写体に転写する転写手段と、
    前記転写手段に転写のための電圧を供給する転写電界供給手段と、
    前記転写電界供給手段が供給する転写のための前記電圧が予め定められた基準の電圧より高い場合に、前記転写手段に付着する放電生成物の当該転写手段への付着力を低減させる付着力低減手段と、
    前記転写手段に付着した前記放電生成物を除去する除去手段と
    を備える画像形成装置。
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