JP2014178317A - 多軸検知能力を有する角速度センサ - Google Patents

多軸検知能力を有する角速度センサ Download PDF

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リン イーチェン
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Abstract

【課題】多軸検知能力を有する微小電気機械システム(MEMS)角速度センサを提供する。
【解決手段】単一の駆動マス24と、駆動マス24の中央開口内に位置する分散検知用マス36,38,40,42とを含む。駆動マス24は、静電気的刺激を受けてZ軸64を中心として回転することが可能である。検知用マス36,38,40,42は、バネ要素44,46,48,50によって駆動マス24に結合され、それによって、駆動マス24の振動回転運動90が検知用マスに線形駆動運動92,94を付与する。分散した検知用マスは2つの検知用マス対を形成し、一対はX軸及びZ軸の角速度を検知し、他方の対はY軸及びZ軸の角速度を検知する。検知用マスは、各対の検知用マスが逆相で運動していることを保証するために中央結合器34を介して互いに結合される。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般的には微小電気機械システム(MEMS)角速度センサに関する。より詳細には、本発明は、多軸検知能力を有するMEMS角速度センサに関する。
微小電気機械システム(MEMS)技術は、微小な機械構造を製造する方法を与え、従来のバッチ方式の半導体処理技術を使用して単一の基板上にこれらの微小機械構造を電気デバイスとともに集積するため、近年において広く高い評判を勝ち得ている。MEMSの1つの一般的な用途が、センサデバイスの設計及び製造である。MEMSセンサデバイスは、自動車、慣性誘導システム、家庭電化製品、ゲームデバイス、さまざまなデバイスのための保護システム、ならびに、多くの他の産業、科学、及び工学システムのような用途に広く使用されている。MEMSセンサの1つの例が、MEMS角速度センサである。角速度センサは、1つ以上の軸を中心とした角速度または運動速度を検知する。
米国特許第7694563号明細書
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)角速度センサに関する。
本発明の第1の態様によると、角速度センサにおいて、
表面を有する基板と、
前記基板に可撓自在に結合されている駆動マスであって、前記駆動マスは前記基板の前記表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動するように構成されており、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を有する、駆動マスと、
前記中央開口内に設けられ、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素と、
前記中央開口内に設けられ、第1のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第1の検知用マスと、
前記中央開口内に位置し、第2のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第2の検知用マスであって、前記第1の検知用マス及び該第2の検知用マスは、前記第1の検知用マスと該第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、第2の検知用マスとを備え、前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介して前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスに線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にある、角速度センサを要旨とする。
第2の態様によると、第1の態様において、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々との間の可撓自在な相互接続によって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第2の軸に実質的に平行な前記第1の駆動方向における逆相運動が可能であることを要旨とする。
第3の態様は、第1の態様において、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記第2の軸に実質的に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、前記入力軸は前記第2の軸及び前記検知軸の各々に垂直であることを要旨とする。
第4の態様によると、第3の態様において、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置される電極をさらに備え、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記検知軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であることを要旨とする。
第5の態様によると、第3の態様において、前記基板に固定されている固定電極と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する可動電極とをさらに備え、前記可動電極は前記固定電極に近接して設けられ、前記固定電極及び可動電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されていることを要旨とする。
第6の態様によると、第5の態様において、第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、第2の検知軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であることを要旨とする。
第7の態様によると、第1の態様において、
前記中央開口内に設けられ、第3のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第3の検知用マスと、
前記中央開口内に設けられ、第4のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第4の検知用マスであって、前記第3の検知用マス及び該第4の検知用マスは、前記第3の検知用マスと該第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、かつ前記第2の軸に垂直である、第4の検知用マスとをさらに備え、前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介して前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに前記線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与されることを要旨とする。
第8の態様によると、第7の態様において、前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々との可撓自在な相互接続によって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第3の軸に実質的に平行な前記第2の駆動方向における逆相運動が可能であることを要旨とする。
第9の態様によると、第7の態様において、
前記第3のバネ要素は、前記第3の検知用マスが、入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記第3の軸に実質的に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、前記入力軸は前記第3の軸及び前記検知軸の各々に垂直であり、
前記第4のバネ要素は、前記第4の検知用マスが、前記入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記検知軸に対して振動することを可能にすることを要旨とする。
第10の態様によると、第9の態様において、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置される電極をさらに備え、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記センス軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、ことを要旨とする。
第11の態様によると、第10の態様において、前記角運動速度は第1の角運動速度であり、前記入力軸は第1の入力軸であり、前記電極は第1の電極であり、前記角速度センサは、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第2の電極をさらに備え、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第2の入力軸を中心とした第2の角運動速度に応答して前記検知軸に対して振動することを可能にし、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記第1の入力軸及び前記センス軸の各々に垂直であることを要旨とする。
第12の態様によると、第11の態様において、前記検知軸は第1の検知軸であり、前記角速度センサは、
前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極、及び前記基板に固定されている第1の固定電極であって、該第1の固定電極は該第1の可動電極に近接して設けられ、該第1の可動電極及び該第1の固定電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、第1の可動電極及び第1の固定電極と、
前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極、及び前記基板に固定されている第2の固定電極であって、該第2の固定電極は該第2の可動電極に近接して設けられ、該第2の可動電極及び該第2の固定電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、第2の可動電極及び第2の固定電極とをさらに備え、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第3の入力軸を中心とした第3の角運動速度に応答して第2の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第3の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第3の入力軸を中心とした前記第3の角運動速度に応答して第3の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第3のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の検知軸に実質的に垂直であることを要旨とする。
第13の態様によると、第9の態様において、前記基板に固定されている固定電極と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する可動電極とをさらに備え、前記可動電極は前記固定電極に近接して位置し、前記固定電極及び可動電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されており、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記検知軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であることを要旨とする。
第14の態様によると、微小電気機械システム(MEMS)角速度センサを製造するための方法において、
基板に可撓自在に結合されており、前記基板の表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動することを可能にされている駆動マスを形成するステップであって、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を含む、駆動マスを形成するステップと、
前記中央開口内に、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素を形成するステップと、
前記中央開口内に第1の検知用マス、第2の検知用マス、第3の検知用マス、及び第4の検知用マスを形成するステップと、
前記第1の検知用マスと前記駆動質量部の前記内周との間、及び前記第1の検知用マスと前記結合器要素との間に第1のバネ要素を形成するステップと、
前記第2の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第2の検知用マスと前記結合器要素との間に第2のバネ要素を形成するステップであって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスは該第1の検知用マスと第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスは、前記振動回転運動に応答して前記第1のバネ要素及び該第2のバネ要素を介して線形駆動運動を受けることが可能になっており、該線形駆動運動は、前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にある、第2のバネ要素を形成するステップと、
前記第3の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第3の検知用マスと前記結合器要素との間に第3のバネ要素を形成するステップと、
前記第4の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第4の検知用マスと前記結合器要素との間に第4のバネ要素を形成するステップであって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスは該第3の検知用マスと第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行、かつ前記第2の軸に垂直を向いており、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスは、前記振動回転運動に応答して前記第3のバネ要素及び該第4のバネ要素を介して前記線形駆動運動を受けることが可能になっており、該線形駆動運動は、前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与される、第4の検知用マスを形成するステップとを備えることを要旨とする。
第15の態様によると、第14の態様において、
前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に第1の電極を形成するステップと、
前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に第2の電極を形成するステップとをさらに備え、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、前記第3の軸に実質的に平行である第1の入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記基板の前記表面に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第2の軸に実質的に平行である第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記センス軸に対して振動することを可能にすることを要旨とする。
第16の態様によると、第15の態様において、
前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極を形成するステップと、
前記基板に固定されている第1の固定電極を形成するステップであって、該第1の固定電極は前記第1の可動電極に近接して設けられ、前記第1の可動電極及び該第1の固定電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、形成するステップと、
前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極を形成するステップと、
前記基板に固定されている第2の固定電極を形成するステップであって、該第2の固定電極は前記第2の可動電極に近接して設けられ、前記第2の可動電極及び該第2の固定電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、形成するステップとをさらに備え、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、前記基板の前記表面に実質的に垂直である第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第3のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第3のセンス軸は前記第2のセンス軸に実質的に垂直であることを要旨とする。
第17の態様によると、角速度センサにおいて、
表面を有する基板と、
前記基板に可撓自在に結合されている駆動マスであって、該駆動マスは前記基板の前記表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動するように構成されており、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を有する、駆動マスと、
前記中央開口内に位置し、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素と、
前記中央開口内に位置し、第1のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第1の検知用マスと、
前記中央開口内に位置し、第2のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第2の検知用マスであって、前記第1の検知用マス及び該第2の検知用マスは、前記第1の検知用マスと該第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、第2の検知用マスと、
前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第1の電極と、
前記基板に固定されている第1の固定電極、ならびに前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極であって、該第1の可動電極は該第1の固定電極に近接して設けられ、該第1の固定電極及び第1の可動電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、第1の固定電極及び第1の可動電極とを備え、
前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介して前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスに線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にあり、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第1の入力軸を中心とした角運動速度に応答して第1の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第1の検知軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記第1の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の軸に実質的に垂直であり、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、角速度センサを要旨とする。
第18の態様によると、第17の態様において、
前記中央開口内に位置し、第3のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第3の検知用マスと、
前記中央開口内に位置し、第4のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第4の検知用マスであって、前記第3の検知用マス及び該第4の検知用マスは、前記第3の検知用マスと該第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行、かつ前記第2の軸に垂直を向いている、第4の検知用マスと、
前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第2の電極とをさらに備え、
前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介して前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに前記線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与され、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記第1のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第3の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第3の軸に実質的に垂直であることを要旨とする。
第19の態様によると、第18の態様において、
前記基板に固定されている第2の固定電極、ならびに前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極であって、該第2の可動電極は該第2の固定電極に近接して設けられ、該第2の固定電極及び第2の可動電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、第2の固定電極及び第2の可動電極をさらに備え、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であることを要旨とする。
第20の態様によると、第18の態様において、
前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々との可撓自在な相互接続によって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第2の軸に実質的に平行な前記第1の駆動方向における逆相運動が可能であり、
前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々との柔軟な相互接続によって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第3の軸に実質的に平行な前記第2の駆動方向における前記逆相運動が可能であることを要旨とする。
一実施形態に応じた多軸検知能力を有する微小電気機械システム(MEMS)角速度センサの上面図。 図1の切断線2−2に沿った角速度センサの断面図。 図1の切断線3−3に沿った角速度センサの断面図。 X軸角運動速度及びY軸角運動速度を受けたセンサの動作を示す角速度センサの上面図。 X軸角運動速度を受けたセンサの検知用マス対の検知用運動を示す角速度センサの一部分の断面図。 Y軸角運動速度を受けたセンサの別の検知用マス対の検知用運動を示す角速度センサの一部分の断面図。 Z軸角運動速度を受けたセンサの動作を示す角速度センサの上面図。
添付の図面と併せて考察して詳細な説明及び請求項を参照することで、より完全に本発明を理解することができる。これらの図面では全般にわたり同様の参照符号は類似の項目を示しており、図面は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
角運動速度の検知は、角速度センサを使用して実行することができる。角速度センサは概して、センサを第1の運動をするように駆動し、当該第1の運動及び検知されるべき角運動速度の両方に応答したセンサの第2の運動を測定することによって機能する。角速度センサのための容量検知MEMSデバイス設計は、それら容量検知MEMSデバイスが低温感受性であり、サイズが小さく、低コストでの大量生産に適していることに起因して、小型デバイスにおける動作の点で好適である。
MEMS角速度センサの使用は増大及び多様化し続けているため、複数の回転軸を中心とした角運動速度を検知することが可能なデバイスの開発にますます重点が置かれるようになってきている。加えて、製造コスト及び複雑度を増大させることなく、また部品性能を犠牲にすることなく多軸検知能力を達成するMEMS角速度センサの作製方法にますます重点が置かれるようになってきている。これらの取り組みは、自動車、医療、商用、及び消費者製品における既存の及び将来の高容量用途によって主に推し進められている。
本明細書に開示の実施形態は、たとえば、単一の駆動マスと、当該駆動マスの中央開口内に設けられた複数の分散した検知用マスとを有する角速度センサの形態の微小電気機械システム(MEMS)デバイスをもたらす。駆動マスは、バネ固定構造を介して下方にある基板に接続されてもよく、当該バネ固定構造は駆動マスが静電気的刺激を受けてZ軸を中心として回転することを可能とし、これが駆動運動である。単一の駆動マスを使用することによって、単一の駆動周波数を実装することが可能になり、これは駆動回路を単純化してクロストークを低減する。検知用マスは、バネ要素によって駆動マスに結合されてもよく、それによって、駆動マスの振動回転運動が検知用マスに線形駆動運動を付与する。加えて、検知用マスは、各検知用マス対の検知用マスが互いに対して180度位相がずれて運動していることを確実にするために中央結合器を介して互いに結合されてもよい。分散した検知用マスは2つの検知用マス対を形成し、一対はX軸及びZ軸の角速度を検知し、他方の対はY軸及びZ軸の角速度を検知する。これらの特徴が、多軸検知能力、より効率的なウエハ面積の活用、及び低コストでの大量生産を可能にすることができる。
図1は、一実施形態による多軸検知能力を有する微小電気機械システム(MEMS)角速度センサ20の上面図を示す。角速度センサは、基板22と、複数のバネ固定構造28によって基板22の表面26に可撓性をもって結合されている駆動マス24とを有する。一実施形態において、駆動マス24は、駆動マス24を貫通する中央開口30を有する略円形またはディスク形構造であり、当該開口は内周32によって画定され、または囲まれている。バネ固定構造28は中央開口30内に設けられる。加えて、結合器要素34が中央開口30内に配備され、中央開口内部のほぼ中心にある。一実施形態において、結合器要素34は基板22の表面26の上に懸垂されている。駆動マス24は円形であるように図示されているが、駆動マス24は、代替的な実施形態においては任意の閉じた多角形であってもよい。
複数の分散した検知用マス36,38,40,42も中央開口34内に設けられる。一実施形態において、本明細書において以下において「第1の検知用マス」36と称する検知用マス36は、第1のバネ要素44を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に相互接続されている。同様に、本明細書において以下「第2の検知用マス」38と称する検知用マス38は、第2のバネ要素46を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に相互接続されている。本明細書において以下「第3の検知用マス」40と称する検知用マス40は、第3のバネ要素48を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に相互接続されている。そして、本明細書において以下「第4の検知用マス」42と称する検知用マス42は、第4のバネ要素50を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に相互接続されている。
角速度センサ20の構造層内に製造される種々の要素を区別するために、駆動マス24は右上がり方向の狭い網掛けを用いて示されており、結合器要素34は濃い点描パターンを用いて示されており、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38は右上がり方向の広い網掛けを用いて示されており、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42は右下がり方向の広い網掛けを用いて示されている。これらの種々の要素は、堆積(デポジション)、パターニング、エッチングなどの、現行の及び近い将来の表面マイクロマシニング技法を利用して生成されることができる。従って、図解において種々の陰影及び/または網掛けが利用されているが、構造層内の種々の要素は一般的に、ポリシリコン、単結晶シリコンなどの同一の材料から形成され得る。加えて、本明細書において使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などという用語は、数えられる一連の要素の中での要素の順序付けまたは優先順位付けを指すものではない。そうではなく、「第1の」、「第2の」、「第3の」、及び「第4の」という用語は、説明を明瞭にするために特定の要素を区別するために使用される。
角速度センサ20の要素は、角速度センサ20の他の要素「に付着される」、「と付着される」、「に結合される」、「に接続される」、または「と相互接続される」ものとしてさまざまに記載されている場合がある。しかしながら、これらの用語は、角速度センサ20の特定の要素の、MEMS作製のパターニング及びエッチング工程を通じてそれらが形成されている間に発生する直接または間接的な物理的接続を指していることを理解されたい。
一実施形態において、駆動系52は、駆動マス24から半径方向において外部に伸張し、均等な角距離を置いて離間されている複数の被駆動アーム54を含んでなる。駆動系52は、基板22の表面26に固定されている複数の駆動アーム56,58をさらに有する。駆動アーム56,58はそれぞれの被駆動アーム54の反対側に配置されている。各被駆動アーム54は、被駆動アーム54に垂直な方向において、そのいずれかの側に伸張するいくつかの電極60を保持している。同様に、駆動アーム56,58の各々は、それぞれの被駆動アーム54を指向して、電極60と交互の配列で伸張する電極62を保持している。
駆動系52は、電極62に電圧を印加するように構成されている特定用途向け集積回路(ASIC)63内に含まれてもよい駆動回路(図示せず)をさらに有する。バネ固定構造28は、駆動マス24が静電気的刺激を受けて所与の振動数において、一般的に駆動軸と称される第1の軸64を中心として回転することを可能にする。従って、駆動系52は、所与の振動数における、一般的に駆動軸と称される第1の軸64を中心とした駆動マス24の振動回転運動を生成する。代替的な実施形態において、駆動系は、駆動マス24の中央開口30内に位置してもよく、かつ/または駆動系は、図示されているよりも多いまたは少ない量及び構成のアーム及び電極を含んでもよい。
例示の実施形態において、第1の軸、すなわち、駆動軸は3次元座標系におけるZ軸である。そのため、本明細書において駆動軸はZ軸64と称される。3次元座標系において、第2の軸は本明細書においてY軸66として称され、第3の軸は本明細書においてX軸68として称される。従って、角速度センサ20は、X−Y平面70内の概して平坦な構造を有するものとして示されており、X軸68及びY軸66は基板22の表面26に実質的に平行であり、Z軸64はX−Y平面70に垂直に、紙面外に延在する。「第1」、「第2」、及び「第3」という用語はそれぞれZ軸64、Y軸66、及びX軸68と対になっていることが図面において視認されるはずである。ここでも、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、軸の順序付けまたは優先順位付けを指すものではない。そうではなく、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、明瞭にし、特許請求の範囲において使用されている同様の用語との関連を提供するために、それらのそれぞれの軸と対になって、図面において示されている。
一実施形態において、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38はそれぞれ、検知用マス36と38との間に設けられた結合器要素34によって、Y軸66、すなわち、第2の軸の対向する両側に配備されている。同様に、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42はそれぞれ、検知用マス40と42との間に設けられた結合器要素34によって、X軸68、すなわち、第3の軸の対向する両側に配備されている。下記により詳細に説明するように、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38は、2つの入力軸、すなわち、X軸68及びZ軸64を中心とした角運動速度を拾う、すなわち、検知するために使用される。加えて、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42は、2つの入力軸、すなわち、Y軸66及びZ軸64を中心とした角運動速度を拾う、すなわち、検知するために使用される。従って、角速度センサ20は、3軸角速度センサとみなされてもよい。
Z軸64を中心とした角運動速度を検出するために、角速度センサ20は、基板22の表面26に固定されている固定電極72(薄い点描パターンを用いて示されている)を含んでなる。角速度センサ20は、検知用マス36,38,40,42の各々の端部76から伸張する可動電極74をさらに備え、可動電極74は固定電極72と交互の配列になっている。図示のように、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38の各々から伸張する固定電極72及び可動電極74は、Y軸66(すなわち、本明細書に記載の3次元座標系における第2の軸)と長手方向において位置整合されている(すなわち、平行である)。逆に、それぞれ第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42の各々から伸張する固定電極72及び可動電極74は、X軸68(すなわち、本明細書に記載の3次元座標系における第3の軸)と長手方向において位置整合されている(すなわち、平行である)。Z軸64を中心とした角運動速度の検出は、図7に関連して説明する。
図1に関連して図2を参照すると、図2は、図1の切断線2−2に沿った角速度センサ20の側面図を示している。X軸68を中心とした角運動速度を検出するために、角速度センサ20は、それぞれ第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38の下で基板22の表面26上に配置されている電極78,80を含む。下記に示すように、X軸68を中心とした角運動速度は基板22の表面26に実質的に垂直であるセンス軸に沿って検知される。このセンス軸はZ軸64(すなわち、本明細書に記載の3次元座標系における第1の軸)である。図解を単純にするために2つの電極78,80のみが示されている。X軸68の対向する両側で、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38の各々の下にさまざまな構成で複数の電極が配置されてもよいことは当業者には諒解されよう。
図1に関連して図3を参照すると、図3は、図1の切断線3−3に沿った角速度センサ20の側面図を示している。Y軸66を中心とした角運動速度を検出するために、角速度センサ20は、それぞれ第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42の下で基板22の表面26上に配置されている電極82,84を含んでなる。下記に示すように、Y軸66を中心とした角運動速度は基板22の表面26に実質的に垂直であるセンス軸に沿って検知される。このセンス軸はZ軸64(すなわち、本明細書に記載の3次元座標系における第1の軸)である。図解を単純にするために2つの電極82,84のみが示されている。Y軸66の対向する両側で、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42の各々の下にさまざまな構成で複数の電極が配置されてもよいことは当業者には諒解されよう。
角速度センサ20を作製する方法は、概して、バネ固定構造28を介して基板22の表面26に可撓自在に結合されており、基板22の表面26に実質的に垂直である第1の軸、すなわちZ軸64を中心として振動回転運動によって運動することが可能になっている駆動マス24を形成するステップを含み、駆動マス24は、内周32によって画定される中央開口30を含む。方法は、中央開口30内にあって、基板22の表面26の上に懸垂されている結合器要素34を形成するステップと、中央開口30内に第1の検知用マス36、第2の検知用マス38、第3の検知用マス40、及び第4の検知用マス42を形成するステップとをさらに備える。作製方法のさらなる工程は、上述のY軸66及びX軸68に対する位置において、第1のバネ要素44を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に第1の検知用マス36を相互接続するステップと、第2のバネ要素46を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に第2の検知用マス36を相互接続するステップと、第1のバネ要素48を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に第3の検知用マス40を相互接続するステップと、第4のバネ要素50を介して駆動マス24の内周32と結合器要素34との間に第4の検知用マス42を相互接続するステップとを含む。加えて、電極78,80,82,84及び固定電極72が基板22の表面26上に形成され、検知用マス36,38,40,42の端部76から伸長する可動電極74が形成される。
そのさまざまな構成要素を有する角速度センサ20の作製は、任意の適切な既知のまたは将来の作製工程を使用して実行されてもよい。たとえば、作製工程は、角速度センサの懸垂構造を生成するために適切に堆積、パターニング、及びエッチングされる構造層及び犠牲層を結果としてもたらすシリコンマイクロマシニング作製工程を実装する。
図4は、X軸角運動速度86、Ω及びY軸角運動速度88、Ωを受けたセンサ20の動作を示す角速度センサ20の上面図を示す。動作中、駆動系52の発振器回路(図示せず)は角速度センサ20の駆動共振にロックし、それによって、角速度センサ20はその単一の駆動周波数において動作する。すなわち、駆動マス24は双頭曲線矢印90によって表されている振動回転運動を受ける。駆動マス24の振動回転運動90は、それぞれ第1のバネ要素44及び第2のバネ要素46を介してY軸66、すなわち第2の軸に実質的に平行な駆動方向において、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38に、直線矢印92によって表されている線形駆動運動を付与する。加えて、駆動マス24の振動回転運動90は、それぞれ第3のバネ要素48及び第4のバネ要素50を介してX軸68、すなわち第3の軸に実質的に平行な駆動方向において、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42に、直線矢印94によって表されている線形駆動運動を付与する。
バネ固定構造28は、駆動マス24が駆動系52から静電気的刺激を受けてZ軸64を中心として回転するように適切に構成されている。一実施形態において、バネ要素44,46,48,50は、駆動マス24とそれぞれの検知用マス36、38、40,42との間で強固な結合を有するために、Z軸64を中心とした面内回転に対して剛性である、すなわちそれに耐える。結合器要素34を介したバネ要素44,46の相互接続によって、それぞれ第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38が、互いに対して逆相の、すなわち180度位相がずれた線形駆動運動92(反対向きの矢印によって示されている)を受けることが可能になる。同様に、結合器要素34を介したバネ要素48,50の相互接続によって、それぞれ第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42が、互いに対して逆相の線形駆動運動94(反対向きの矢印によって示されている)を受けることが可能になる。
図4と関連して図5を参照すると、図5は、X軸角運動速度86を受けたセンサ20の第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38の検知用運動96を示す、角速度センサ20の一部分の(図4における線5−5から視認した)側面図を示す。結合器要素34ならびにバネ要素44,46は、それらが、X−Y平面70の中及び外における並進には耐えるが、X軸68を中心とした回転運動には従うように構成されている。角速度センサ20の一実施形態において、Kzはバネ要素44,46の面外剛性として定義されてもよく、KrxはX軸68を中心としたねじりバネ定数として定義されてもよい。バネ要素44,46は、面外剛性Kzがねじりバネ定数Krxよりも大きいように適切に構成されてもよい。従って、結合器要素34は、X軸角運動速度86を受けて、平面70の中及び外で並進する代わりに、X軸68を中心として回転する傾向にあることになる。結合器要素34がX軸68を中心として回転すると、結合器要素34はX軸角運動速度86に応答して第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38を強制的に、互いに対して逆相に、すなわち180度位相がずれた状態に揺動するようにする。
このように、バネ要素44,46は結合器要素34とともに、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38が、入力軸を中心としたX軸角運動速度86に応答して駆動軸、すなわちY軸66に垂直である検知軸、すなわちZ軸64に対して振動することを可能にし、ここで入力軸はX軸68である。すなわち、入力X軸角運動速度86が、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38に対してコリオリの力を生成し、それによって、それらは逆相で平面の中及び外で旋回するようになる、すなわち、X軸68を中心として揺動するようになる。それゆえ、X軸角運動速度86を求めるために既知の様式で第1の検知用マス36とその下方にある電極(複数の場合もあり)78との間、及び、第2の検知用マス38とその下方にある電極(複数の場合もあり)80との間の差分容量変化を検出することによって、ASIC63(図1)によってX軸角速度情報を取得及び出力することができる。
図4と関連して図6を参照すると、図6は、Y軸角運動速度88を受けたセンサ20の第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42の検知用運動98を示す、角速度センサ20の一部分の(図4における線6−6から視認した)側面図を示す。結合器要素34ならびにバネ要素48及び50は、それらが、X−Y平面70の中及び外における並進には耐えるが、Y軸66を中心とした回転運動には従うように構成されている。角速度センサ20の一実施形態において、バネ要素48,50は、それらの面外剛性Kzが、Y軸66を中心としたそれらのねじりバネ定数Kryよりも大きいように適切に構成されてもよい。従って、結合器要素34は付加的に、Y軸角運動速度88を受けて、平面70の中及び外で並進する代わりに、Y軸66を中心として回転する傾向にあることになる。結合器要素34がY軸66を中心として回転すると、結合器要素34はY軸角運動速度88に応答して第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42を強制的に、互いに対して逆相に、すなわち180度位相がずれた状態で運動するようにする。
このように、バネ要素48,50は結合器要素34とともに、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42が、入力軸を中心としたY軸角運動速度88に応答して駆動軸、すなわちX軸68に垂直であるセンス軸、すなわちZ軸64に対して振動することを可能にし、ここで入力軸はY軸66である。すなわち、入力Y軸角運動速度88が、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42に対してコリオリの力を生成し、それによって、それらは逆相で平面の中及び外で旋回するようになる、すなわち、Y軸66を中心として揺動するようになる。それゆえ、Y軸角運動速度88を求めるために既知の様式で第3の検知用マス40とその下方にある電極(複数の場合もあり)との間、及び、第4の検知用マス42とその下方にある電極(複数の場合もあり)84との間の差分容量変化を検出することによって、ASIC63(図1)によってY軸角速度情報を取得及び出力することができる。代替的な実施形態において、検知用マス36,38,40,42の変位は、たとえば、磁力を検出することのような、差分容量とは異なる技法を使用して検出されてもよい。
図7は、Z軸角運動速度100を受けたセンサ20の動作を示す角速度センサ20の上面図を示す。バネ要素44,46,48,50は、それらが半径方向において可撓自在であるようにさらに構成されている。すなわち、バネ要素44及び46はX軸68に実質的に平行な方向に可撓性を有し、バネ要素48及び50はY軸66に実質的に平行な方向に可撓性を有する。すなわち、入力Z軸角運動速度100は、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38に対してコリオリの力を生成し、当該コリオリの力は、X軸68に実質的に平行である方向において検知用マス36,38に矢印102によって表されている検知用運動を付与する。しかしながら、第1の検知用マス36及び第2の検知用マス38は逆相、すなわち、反対方向(検知用運動102の反対方向を向いた矢印によって示されている)に振動する。同様に、入力Z軸角運動速度100は、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42に対してコリオリの力を生成し、当該コリオリの力は、Y軸66に実質的に平行である方向において矢印104によって表されている検知用運動を付与する。しかしながら、第3の検知用マス40及び第4の検知用マス42は逆相、すなわち、反対方向(検知用運動104の反対方向を向いた矢印によって示されている)に振動する。
それゆえ、Z軸角運動速度100を求めるために固定電極72と検知用マス36,38の端部76に沿った可動電極74との間、固定電極72と検知用マス40,42の端部76に沿った可動電極74との間の差分容量変化を検出することによって、ASIC63(図1)によってZ軸角速度情報を取得及び出力することができる。たとえば、検知用マス36,38の電極72,74の間で検出される容量信号を互いから減算することによって、コリオリの寄与、それゆえ、入力軸、すなわちZ軸64を中心とした角速度を測定することが可能である。同様に、検知用マス40,42の電極72,74の間で検出される容量信号を互いから減算することによって、コリオリの寄与、それゆえ、入力軸、すなわちZ軸64を中心とした角速度を測定することが可能である。その後、それぞれの容量信号を適切に組み合わせてZ軸角速度情報を取得することができる。4つの検知用マス36,38,40,42からの測定値は、ここではZ軸角速度情報を取得するのに利用される。しかしながら、代替的な実施形態において、Z軸角速度情報は、互いに対向する2つの検知用マス、たとえば、検知用マス36,38、または検知用マス40,42を使用して求められてもよい。
検知用マス36,38,40,42の各々は、駆動運動、すなわち、振動回転運動90によって引き起こされる求心力を受け得る。この求心力は以下の式によって表すことができる。
また、コリオリの力は以下の式によって表される。
式中、Φは駆動振幅であり、ωは駆動周波数であり、Rは駆動マス24の半径であり、Ωは角速度である。従って、求心力Fcenは2つの成分を有する。これら2つの成分は、DC成分と、駆動周波数ωの2倍である成分とを含む。すなわち、求心力はDC(ゼロ周波数)において、及び駆動周波数の2倍において現れる。この求心力は、コリオリの力に影響を与えることなくローパスフィルタによってフィルタリング除外、すなわち抑制することができる。
しかしながら、求心力が大きすぎる場合、これはASICフロントエンドを飽和させるおそれがある。求心力とコリオリの力の大きさとの間の比は以下のとおりである。
駆動振幅が5マイクロメートル(ミクロン)であり、駆動ディスクの半径が1ミリメートルであり、駆動周波数が10キロヘルツであり、角速度が最大測定限界の1600dpsである一例において、これは以下のような比を生成する。
この比は、ASIC63のダイナミックレンジを適切に設計することによって、ASIC63によって管理可能である。
求心力の影響は、センス振動子の動力学によってさらに抑制することができる。角速度センサ20がモードマッチングにおいて操作されている、すなわち、2つの共振モード(駆動及び検知)が同じ共振周波数を有する場合、コリオリの力からの応答は、センス振動子のQ値によってさらに増幅され、Qは200以上であることができる。これは、求心力とコリオリの力との比をさらに低減することができることを意味している。従って、求心力(加速)は必要に応じて、センス振動子の動力学、及び回路トリミング(フィルタリング)によって効率的に抑制することができる。
要約すると、本明細書に開示の実施形態は、たとえば、単一の駆動マスを有し、当該駆動マスの中央開口内に位置する4つの分散した検知用マスとを含む角速度センサの形態の微小電気機械システム(MEMS)デバイスをもたらす。駆動マスは、バネ固定構造を介して下方にある基板に接続され、当該バネ固定構造は駆動マスが静電気的刺激を受けてZ軸を中心として回転することを可能とし、これが駆動運動である。単一の駆動マスを使用することによって、単一の駆動周波数を実装することが可能になり、これは駆動回路を単純化してクロストークを低減する。検知用マスは、バネ要素によって駆動マスに結合され、それによって、駆動マスの振動回転運動の結果として、検知用マスが線形駆動運動する。分散した検知用マスは2つの検知用マス対を形成し、一対はX軸及びZ軸の角速度を検知し、他方の対はY軸及びZ軸の角速度を検知する。加えて、検知用マスは、各対の検知用マスが互いに対して180度位相がずれて運動していることを保証するために中央結合器を介して互いに結合される。これらの特徴が、多軸検知能力、より効率的にダイ面積を利用すること、及び低コストでの大量生産に適切であることを可能にすることができる。
本発明の好適な実施形態が詳細に例示及び記載されてきたが、本発明の精神または添付の特許請求項の範囲から逸脱することなく、そこにさまざまな改変を行うことができることが当業者には容易に明らかとなろう。すなわち、例示的な実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用性または構成を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。たとえば、上記で提示した特徴は、X軸及びY軸、X軸及びZ軸、またはY軸及びZ軸を中心とした角運動速度の2軸検知に適合されてもよい。加えて、上記で提示した特徴は、5つ以上の分散検知用マスを含むように適合されてもよい。
20…角速度センサ、22…基板と、24…駆動マス、、28…バネ要素30…中央開口、34…結合器要素、36…第1の検知用マス、38…第2の検知用マス。

Claims (20)

  1. 角速度センサにおいて、
    表面を有する基板と、
    前記基板に可撓自在に結合されている駆動マスであって、前記駆動マスは前記基板の前記表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動するように構成されており、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を有する、駆動マスと、
    前記中央開口内に設けられ、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素と、
    前記中央開口内に設けられ、第1のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第1の検知用マスと、
    前記中央開口内に位置し、第2のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第2の検知用マスであって、前記第1の検知用マス及び該第2の検知用マスは、前記第1の検知用マスと該第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、第2の検知用マスとを備え、前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介して前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスに線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にある、角速度センサ。
  2. 前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々との間の可撓自在な相互接続によって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第2の軸に実質的に平行な前記第1の駆動方向における逆相運動が可能である、請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記第2の軸に実質的に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、前記入力軸は前記第2の軸及び前記検知軸の各々に垂直である、請求項1に記載の角速度センサ。
  4. 前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置される電極をさらに備え、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記検知軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、請求項3に記載の角速度センサ。
  5. 前記基板に固定されている固定電極と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する可動電極とをさらに備え、前記可動電極は前記固定電極に近接して設けられ、前記固定電極及び可動電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、請求項3に記載の角速度センサ。
  6. 第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、第2の検知軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、請求項5に記載の角速度センサ。
  7. 前記中央開口内に設けられ、第3のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第3の検知用マスと、
    前記中央開口内に設けられ、第4のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第4の検知用マスであって、前記第3の検知用マス及び該第4の検知用マスは、前記第3の検知用マスと該第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、かつ前記第2の軸に垂直である、第4の検知用マスとをさらに備え、前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介して前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに前記線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与される、請求項1に記載の角速度センサ。
  8. 前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々との可撓自在な相互接続によって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第3の軸に実質的に平行な前記第2の駆動方向における逆相運動が可能である、請求項7に記載の角速度センサ。
  9. 前記第3のバネ要素は、前記第3の検知用マスが、入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記第3の軸に実質的に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、前記入力軸は前記第3の軸及び前記検知軸の各々に垂直であり、
    前記第4のバネ要素は、前記第4の検知用マスが、前記入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記検知軸に対して振動することを可能にする、請求項7に記載の角速度センサ。
  10. 前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置される電極をさらに備え、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記センス軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、請求項9に記載の角速度センサ。
  11. 前記角運動速度は第1の角運動速度であり、前記入力軸は第1の入力軸であり、前記電極は第1の電極であり、前記角速度センサは、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第2の電極をさらに備え、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第2の入力軸を中心とした第2の角運動速度に応答して前記検知軸に対して振動することを可能にし、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記第1の入力軸及び前記センス軸の各々に垂直である、請求項10に記載の角速度センサ。
  12. 前記検知軸は第1の検知軸であり、前記角速度センサは、
    前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極、及び前記基板に固定されている第1の固定電極であって、該第1の固定電極は該第1の可動電極に近接して設けられ、該第1の可動電極及び該第1の固定電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、第1の可動電極及び第1の固定電極と、
    前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極、及び前記基板に固定されている第2の固定電極であって、該第2の固定電極は該第2の可動電極に近接して設けられ、該第2の可動電極及び該第2の固定電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、第2の可動電極及び第2の固定電極とをさらに備え、
    前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第3の入力軸を中心とした第3の角運動速度に応答して第2の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第3の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第3の入力軸を中心とした前記第3の角運動速度に応答して第3の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第3のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の検知軸に実質的に垂直である、請求項11に記載の角速度センサ。
  13. 前記基板に固定されている固定電極と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する可動電極とをさらに備え、前記可動電極は前記固定電極に近接して位置し、前記固定電極及び可動電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されており、前記入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記検知軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、請求項9に記載の角速度センサ。
  14. 微小電気機械システム(MEMS)角速度センサを製造するための方法において、
    基板に可撓自在に結合されており、前記基板の表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動することを可能にされている駆動マスを形成するステップであって、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を含む、駆動マスを形成するステップと、
    前記中央開口内に、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素を形成するステップと、
    前記中央開口内に第1の検知用マス、第2の検知用マス、第3の検知用マス、及び第4の検知用マスを形成するステップと、
    前記第1の検知用マスと前記駆動質量部の前記内周との間、及び前記第1の検知用マスと前記結合器要素との間に第1のバネ要素を形成するステップと、
    前記第2の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第2の検知用マスと前記結合器要素との間に第2のバネ要素を形成するステップであって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスは該第1の検知用マスと第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスは、前記振動回転運動に応答して前記第1のバネ要素及び該第2のバネ要素を介して線形駆動運動を受けることが可能になっており、該線形駆動運動は、前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にある、第2のバネ要素を形成するステップと、
    前記第3の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第3の検知用マスと前記結合器要素との間に第3のバネ要素を形成するステップと、
    前記第4の検知用マスと前記駆動マスの前記内周との間、及び前記第4の検知用マスと前記結合器要素との間に第4のバネ要素を形成するステップであって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスは該第3の検知用マスと第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行、かつ前記第2の軸に垂直を向いており、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスは、前記振動回転運動に応答して前記第3のバネ要素及び該第4のバネ要素を介して前記線形駆動運動を受けることが可能になっており、該線形駆動運動は、前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与される、第4の検知用マスを形成するステップとを備える、方法。
  15. 前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に第1の電極を形成するステップと、
    前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に第2の電極を形成するステップとをさらに備え、
    前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、前記第3の軸に実質的に平行である第1の入力軸を中心とした角運動速度に応答して前記基板の前記表面に垂直である検知軸に対して振動することを可能にし、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第2の軸に実質的に平行である第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記センス軸に対して振動することを可能にする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極を形成するステップと、
    前記基板に固定されている第1の固定電極を形成するステップであって、該第1の固定電極は前記第1の可動電極に近接して設けられ、前記第1の可動電極及び該第1の固定電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、形成するステップと、
    前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極を形成するステップと、
    前記基板に固定されている第2の固定電極を形成するステップであって、該第2の固定電極は前記第2の可動電極に近接して設けられ、前記第2の可動電極及び該第2の固定電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、形成するステップとをさらに備え、
    前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、前記基板の前記表面に実質的に垂直である第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第3のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第3のセンス軸は前記第2のセンス軸に実質的に垂直である、請求項15の記載の方法。
  17. 角速度センサにおいて、
    表面を有する基板と、
    前記基板に可撓自在に結合されている駆動マスであって、該駆動マスは前記基板の前記表面に実質的に垂直である第1の軸を中心とした振動回転運動によって運動するように構成されており、該駆動マスは内周によって画定される中央開口を有する、駆動マスと、
    前記中央開口内に位置し、前記基板の前記表面の上に懸垂されている結合器要素と、
    前記中央開口内に位置し、第1のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第1の検知用マスと、
    前記中央開口内に位置し、第2のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第2の検知用マスであって、前記第1の検知用マス及び該第2の検知用マスは、前記第1の検知用マスと該第2の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第2の軸の対向する両側に配備されており、前記第2の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行である、第2の検知用マスと、
    前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第1の電極と、
    前記基板に固定されている第1の固定電極、ならびに前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの端部から伸張する第1の可動電極であって、該第1の可動電極は該第1の固定電極に近接して設けられ、該第1の固定電極及び第1の可動電極は前記第2の軸と長手方向において位置整合されている、第1の固定電極及び第1の可動電極とを備え、
    前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介して前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスに線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第2の軸に実質的に平行な第1の駆動方向にあり、
    前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第1の入力軸を中心とした角運動速度に応答して第1の検知軸に対して振動することを可能にし、前記第1の検知軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直であり、前記第1の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の軸に実質的に垂直であり、
    前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素は、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスが、第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、角速度センサ。
  18. 前記中央開口内に位置し、第3のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第3の検知用マスと、
    前記中央開口内に位置し、第4のバネ要素を介して前記駆動マスの前記内周と前記結合器要素との間に相互接続されている第4の検知用マスであって、前記第3の検知用マス及び該第4の検知用マスは、前記第3の検知用マスと該第4の検知用マスとの間に位置する前記結合器要素によって第3の軸の対向する両側に配備されており、前記第3の軸は前記基板の前記表面に実質的に平行、かつ前記第2の軸に垂直を向いている、第4の検知用マスと、
    前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々の下で前記基板の前記表面上に配置されている第2の電極とをさらに備え、
    前記駆動マスの前記振動回転運動は、前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介して前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに前記線形駆動運動を付与し、該線形駆動運動は前記第3の軸に実質的に平行な第2の駆動方向において前記第3の駆動マス及び第4の駆動マスに付与され、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、第3の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記第1のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第3の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第3の軸に実質的に垂直である、請求項17に記載の角速度センサ。
  19. 前記基板に固定されている第2の固定電極、ならびに前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの端部から伸張する第2の可動電極であって、該第2の可動電極は該第2の固定電極に近接して設けられ、該第2の固定電極及び第2の可動電極は前記第3の軸と長手方向において位置整合されている、第2の固定電極及び第2の可動電極をさらに備え、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素は、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスが、前記第2の入力軸を中心とした前記角運動速度に応答して前記第2のセンス軸に対して振動することを可能にし、前記第2のセンス軸は前記基板の前記表面に実質的に平行であり、前記第2の入力軸は前記基板の前記表面に実質的に垂直である、請求項18に記載の角速度センサ。
  20. 前記第1のバネ要素及び第2のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの各々との可撓自在な相互接続によって、前記第1の検知用マス及び第2の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第2の軸に実質的に平行な前記第1の駆動方向における逆相運動が可能であり、
    前記第3のバネ要素及び第4のバネ要素を介した前記結合器要素と、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの各々との柔軟な相互接続によって、前記第3の検知用マス及び第4の検知用マスの、前記線形駆動運動に応答した前記第3の軸に実質的に平行な前記第2の駆動方向における前記逆相運動が可能である、請求項18に記載の角速度センサ。
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