JP2014176827A - 反応方法及び反応装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種の気体を反応させて目的化合物を製造するに際して、原料である前記気体を大量に使用する必要がなく、目的化合物の単位時間当たりの生成量が高い反応方法及び反応装置を提供する。
【解決手段】反応装置は、気体状のセレンと水素ガスの反応が行われる反応容器1と、水素ガスを反応容器1内に供給する内管2と、内管2を囲むように内管2と同軸に設置された外管3と、を備えている。反応容器1の内部の底部には、セレン10を収容する原料収容部6が設けられていて、液体状のセレン10が気化してセレン蒸気が発生する。内管2の先端の噴射口2aは、外管3の下端側の開口3aよりも軸方向内部側に配されていて、水素ガスを外管3の下端側の開口3aに向かって噴射する。この噴射により、反応容器1内の気体が外管3の上端側の開口3bから外管3の内部に流入して下端側の開口3aから流出する気体流路が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数種の気体を接触させて反応させる反応方法及び反応装置に関する。
セレン化水素は、例えばCIGS(Copper Indium Gallium Selenide)型太陽電池の原料に使用される有用な化合物である。
セレン化水素の製造方法はいくつか知られており、例えば特許文献1には、金属セレンと水素ガスとを400〜700℃の温度で接触させてセレン化水素を合成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、金属セレンと水素ガスとを400〜700℃の温度で反応させてセレン化水素を製造するセレン化水素製造装置が開示されている。特許文献2に開示のセレン化水素製造装置は、反応炉から抜き出した反応ガス中に含まれる未反応の金属セレンを捕集し気化させ、水素ガスに同伴させて反応炉に再導入できるようになっている。よって、金属セレンを原料として有効に利用することができる。
また、特許文献2に開示のセレン化水素製造装置は、生成したセレン化水素を含む反応ガス中からセレン化水素を捕集し、セレン化水素を捕集した後の反応ガスを水素投入経路に戻して、反応炉に再導入できるようになっている。よって、反応ガス中の水素ガスを原料として有効に利用することができる。
このように、特許文献2に開示のセレン化水素製造装置は、金属セレンや水素ガスの有効利用が図れるので、セレン化水素の収率を向上させることができる。
特開2007−246342号公報 特開2012−153583号公報
しかしながら、金属セレンは前記温度において小さい平衡蒸気圧しか有しないため、セレン蒸気の気相(反応系)への供給量は少ない。よって、特許文献1,2に開示の技術では、セレン化水素の単位時間当たりの生成量は低く、大スケールでの工業的生産を行うことは容易ではなかった。
また、特許文献1に開示のセレン化水素の製造方法は、反応炉に投入した水素ガスの多くが未反応のまま反応炉から排出されるため、大量の水素ガスを必要とするという問題があった。さらに、水素ガスの使用量を基準としたセレン化水素の収率が低いという問題があった。
さらに、特許文献2に開示のセレン化水素製造装置は、未反応の金属セレンと水素ガスを循環させるので、水素ガスの使用量を基準としたセレン化水素の収率の向上を図ることはできるものの、反応炉内での金属セレンと水素ガスとの接触効率を向上させるものではないため、反応ガス中のセレン化水素の濃度が低いという問題があった。特に、装置が大型である場合は、セレン化水素の濃度が低いという傾向が強かった。さらに、未反応の金属セレンを捕集して反応炉に再導入する際に大量の水素ガスを同伴するため、大量の水素ガスを回収する必要があるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、複数種の気体を反応させて目的化合物を製造するに際して、原料である前記気体を大量に使用する必要がなく、目的化合物の単位時間当たりの生成量が高い反応方法及び反応装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は、次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係る反応方法は、複数種の気体を反応容器に供給し、これら気体同士を反応させる反応方法であって、前記複数種の気体のうち一部の種類の気体を気体供給部から前記反応容器内に供給するとともに、前記複数種の気体のうち残部の種類の気体を噴射口から前記反応容器内に噴射し、前記一部の種類の気体と前記残部の種類の気体とを反応させるに際して、前記気体供給部によって、前記一部の種類の気体の発生源となる液体状又は固体状の原料物質を加熱して前記原料物質を気化させ前記反応容器内に供給するとともに、前記噴射口を、前記反応容器内に設置され且つ両端に開口部を有する管状部材の内側に配して、この噴射口から前記残部の種類の気体を前記管状部材の一端側に向かって噴射し、この噴射により前記反応容器内の気体が前記管状部材の他端側の開口部から前記管状部材の内部に流入して一端側の開口部から流出する気体流路を形成させることを特徴とする。
この反応方法においては、前記噴射口は、前記管状部材の一端側の開口部よりも前記管状部材の軸方向内部側に配してもよい。また、前記噴射口は、前記管状部材の径方向中心部に配してもよい。
さらに、この反応方法においては、前記原料物質を前記反応容器の内部に配し、前記反応容器内で気化してもよいし、あるいは、前記原料物質を前記反応容器の内部の底部に配し、前記反応容器内で気化するとともに、前記噴射口から前記残部の種類の気体を前記原料物質に向かって噴射してもよい。
さらに、この反応方法は、2種の気体を反応させる反応方法であってもよく、前記一部の種類の気体をセレンとし、前記残部の種類の気体を水素ガスとすることができる。
また、本発明の他の態様に係る反応装置は、複数種の気体を反応させる反応装置であって、前記複数種の気体が供給されこれら気体同士の反応が行われる反応容器と、前記複数種の気体のうち一部の種類の気体を前記反応容器内に供給する気体供給部と、前記複数種の気体のうち残部の種類の気体を前記反応容器内に噴射する噴射口と、前記反応容器内に設置され且つ両端に開口部を有する管状部材と、を備え、前記噴射口は、前記管状部材の内側に配されていて、前記残部の種類の気体を前記管状部材の一端側に向かって噴射するようになっており、この噴射により前記反応容器内の気体が前記管状部材の他端側の開口部から前記管状部材の内部に流入して一端側の開口部から流出する気体流路を形成するようになっていることを特徴とする。
この反応装置においては、前記噴射口は、前記管状部材の一端側の開口部よりも前記管状部材の軸方向内部側に配してもよい。また、前記噴射口は、前記管状部材の径方向中心部に配してもよい。
さらに、この反応装置においては、前記噴射口は、前記管状部材に挿通されて前記残部の種類の気体を前記反応容器内に供給する内管の先端に設けられていてもよい。
さらに、この反応装置においては、前記気体供給部は、前記一部の種類の気体の発生源となる液体状又は固体状の原料物質を収容する原料収容部と、前記原料収容部を加熱して前記原料物質を気化させる加熱部と、を備えていてもよい。
さらに、この反応装置においては、前記原料収容部が前記反応容器の内部に設けられていてもよいし、あるいは、前記原料収容部が前記反応容器の内部の底部に設けられており、前記管状部材が一端側の開口部を前記原料収容部に向けて設置されていてもよい。
さらに、この反応装置は、2種の気体を反応させる反応装置であってもよく、前記一部の種類の気体をセレンとし、前記残部の種類の気体を水素ガスとすることができる。
本発明に係る反応方法及び反応装置は、複数種の気体を反応させて目的化合物を製造するに際して、原料である前記気体を大量に使用する必要がなく、目的化合物の単位時間当たりの生成量が高い。
本発明に係る反応方法及び反応装置の一実施形態を説明する図である。 図1の実施形態の変形例を説明する図である。 比較例に係る反応方法及び反応装置を説明する図である。
本発明に係る反応方法及び反応装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図においては、水素ガス等の気体の流れを矢印で表示してある。なお、本発明は、複数種の気体を反応させて目的化合物を製造する反応方法及び反応装置に係るものであるが、本実施形態においては、セレン及び水素ガスの2種の気体を反応させてセレン化水素を製造する場合を例にして、本発明を説明する。
図1の反応装置は、気体状のセレンと水素ガスの反応が行われる反応容器1と、水素ガスを反応容器1内に供給する内管2と、内管2を囲むように内管2と同軸に設置された外管3(本発明の構成要件である管状部材に相当する)と、反応容器1内の気体を外部に排出する排出口4と、反応容器1を加熱するヒーター5(本発明の構成要件である加熱部に相当する)と、を備えている。
また、反応容器1の内部の底部には、原料物質であるセレン10を収容する原料収容部6が設けられている。反応容器1内に導入する際のセレンは、液体状(溶融状態)であっても固体状(粉末状又は塊状)であってもよいが、原料収容部6に収容されたセレン10はヒーター5で加熱されることにより液体状に維持される。そして、原料収容部6に収容された液体状のセレン10が気化(蒸発)してセレン蒸気が発生し、反応容器1の底部から上昇するので、セレン蒸気が反応容器1内の気相(反応系)に供給されることとなる。すなわち、原料収容部6とヒーター5は、本発明の構成要件である気体供給部の一部又は全部を構成するものである。
ヒーター5は、図1に示すように、反応容器1の上下方向略中間部より下方部分を加熱できるようになっているので、反応容器1の底部に設けられた原料収容部6を加熱してセレン10を気化させることができることに加えて、反応容器1の底部から上昇したセレン蒸気を加熱して、反応容器1内のセレン蒸気を気体状に維持することができる。ただし、セレン10を気化させることとセレン蒸気を気体状に維持することができるならば、ヒーター5による加熱部分は反応容器1の上下方向略中間部より下方部分に限定されるものではなく、例えば反応容器1の底部及びその周辺部分であってもよいし、反応容器1の全体であってもよい。
外管3は、両端が開口した管状の部材であり、その軸方向を鉛直にした姿勢で全体が反応容器1内に収容されている。そして、外管3の下端側の開口3aは、原料収容部6に収容された液体状のセレン10の液面に対して間隔をあけて対向しており、また、上端側の開口3bは、反応容器1の天井面に対して間隔をあけて対向している。
また、内管2は、外管3よりも小径な管状の部材であり、平行をなして外管3の内側に挿通されている。内管2と外管3は同軸をなしているので、内管2は外管3の径方向中心部に配されている。ただし、内管2は外管3の径方向中心部以外の部分に配されていてもよく、例えば外管3の径方向外方側部分に配されていてもよい。内管2は、反応容器1の壁体を貫通して反応容器1の内部と外部を連通しており、その基端は、例えば加圧された水素ガスが充填された水素ガス供給源(図示せず)に接続されており、水素ガスを噴射する噴射口2aであるその先端は、外管3の内側に配されている。
噴射口2aは、外管3の下端側の開口3aよりも軸方向内部側(すなわち上側)に配されていて、水素ガスを外管3の下端側の開口3aに向かって(すなわち、液体状のセレン10に向かって)噴射するようになっている。噴射口2aの形状や口径(内径)は特に限定されるものではないが、口径を小さくしてノズル状とすることにより、噴射された気体の線速度を向上することができる。
次に、このような反応装置によりセレン化水素を製造する方法を説明する。まず、セレン蒸気の発生源である固体状の金属セレンを、反応容器1内に投入し原料収容部6に収容する。そして、ヒーター5で例えば400℃以上700℃以下(より好ましくは450℃以上650℃以下)に加熱することによりセレンを溶融して液体状とする。なお、上記温度に加熱した反応容器1に金属セレンを投入してもよいし、金属セレンを投入してから反応容器1を上記温度に加熱してもよい。
外管3の下端部は、液体状のセレン10と接触していてもよいが、後述する負圧を効果的に発生させるためには、液体状のセレン10とは接触せず、液体状のセレン10の液面と離れていることが好ましい。よって、金属セレンの投入量は、外管3の下端部と液体状のセレン10とが接触しないように調整することが好ましい。
また、セレンと水素ガスの反応が進行してセレンが消費されると、液体状のセレン10の液面が低下するので、噴射口2aと液体状のセレン10の液面との距離が変化する。よって、噴射口2aから噴射される水素ガスの線速度も考慮して、噴射口2aと液体状のセレン10の液面との距離がセレン化水素の製造に対して好適な値となるように、金属セレンの投入量を調整することが好ましい。
原料収容部6に収容された液体状のセレン10は上記温度に保持されることにより気化(蒸発)し、生成したセレン蒸気は反応容器1の底部から上昇するので、セレン蒸気が反応容器1内の気相(反応系)に供給される。ここで、内管2の噴射口2aから液体状のセレン10に向かって水素ガスを噴射すると、水素ガスとセレン蒸気が接触して気相反応し、気体状のセレン化水素が生成する。セレン10に向けて噴射された水素ガスはセレン10の液面に衝突して上昇気流となるので、生成したセレン化水素は上昇気体に同伴されて反応容器1の内部を上昇する。
なお、噴射口2aからの水素ガスの噴射は、反応容器1の温度を上昇させる以前又はセレンが溶融する以前の段階から行ってもよいし、反応容器1の温度が所定の温度に到達しセレンと水素ガスの反応が可能な温度となってから行ってもよい。
また、噴射される水素ガスの線速度は、温度によって大きく変化するものの、例えば400℃以上700℃以下の範囲では、20m/s以上とすることが好ましい。
このとき、噴射口2aから噴射された水素ガスが外管3の内部を下方に流れることにより、イジェクター効果が発現して外管3の内部に負圧が生じる。負圧の大きさは、噴射される水素ガスの線速度、及び、反応容器1の内径と外管3の内径との比率に依存する。
反応容器1の内径と外管3の内径との比率(〔外管3の内径〕/〔反応容器1の内径〕)は、0.6以下とすることが好ましい。
また、噴射口2aの位置は、外管3の上端から下端の間にあればよく、特に限定されない。
この負圧により、反応容器1内の気体(外管3の外部の気体)が外管3の上端側の開口3b(外管3の内部を流れる気流の上流側の開口)から外管3の内部に流入して下端側の開口3a(外管3の内部を流れる気流の下流側の開口)から流出する気体流路が形成される。この気体流路は、噴射口2aから噴射された水素ガスの流れと同一方向の下降気流である。そして、この気体流路に沿って外管3の内部を下降してきた気体は、噴射口2aから噴射された水素ガスと合流して、液体状のセレン10の液面に向けて噴射される。
下方に向けて噴射された気体(噴射口2aから噴射された水素ガスと外管3の内部を下降してきた気体とが合流したものであり、以下「合流気体」と記す)はセレン10の液面に衝突して上昇気流となるので、生成したセレン化水素は合流気体に同伴されて反応容器1の内部を上昇する。ヒーター5は、反応容器1の上下方向略中間部より上方部分を加熱できるようにはなっていないので、上昇した合流気体は反応容器1の上部で冷却される。
そして、冷却された合流気体の一部が、反応容器1の上部に設けられた排出口4から反応容器1の外部に排出され、他部が前記気体流路に沿って外管3の上端側の開口3bから外管3の内部に流入する。外管3の内部に流入した合流気体は外管3の内部を下降し、噴射口2aから噴射された水素ガスと再び合流するから、これにより合流気体が反応容器1内を循環することとなる。
この合流気体には未反応のセレンが含まれているが、未反応のセレンの一部は高温に保たれたまま再度外管3の内部に取り込まれ、噴射口2aから噴射された水素ガスと合流して、水素ガスとの反応に供される。しかも、前記のような合流気体の循環が複数回繰り返される場合があるので、セレンが水素ガスと接触し反応する機会が多くなる。その結果、セレン化水素の単位時間当たりの生成量が高くなる。また、セレン化水素の収率も高くなる。さらに、水素ガスが循環して繰り返し反応に供されることになるから、水素ガスの使用量を削減することができ、特許文献1,2に開示の技術のように水素ガスを大量に使用する必要がない。そのため、水素ガスの回収も容易である。よって、本実施形態の反応方法及び反応装置は、セレン化水素の大スケールでの工業的生産に好適である。
図3に示すような外管を備えていない反応装置を使用した場合は、内管102の噴射口102aから噴射された水素ガスがセレン化水素を同伴して反応容器101の内部を上昇するものの、前記気体流路は形成されないので前記循環は生じず、ほとんどの水素ガスが排出口104から反応容器101の外部に排出される。よって、セレンが水素ガスと接触する機会が少ないので、セレン化水素の単位時間当たりの生成量が低く、また、セレン化水素の収率も低く、さらに、水素ガスの使用量も大量となる。なお、図3における符号105はヒーター、符号106は原料収容部、符号110は液体状のセレンを示す。
排出口4から排出された合流気体は、反応容器1の排出口4に接続された排出管7を介して分離装置(図示せず)に送られる。排出された気体は、主として未反応の水素ガスと反応生成物であるセレン化水素からなるが、分離装置において例えば−196℃の液体窒素で冷却するとセレン化水素が凝固するので、水素ガスと分離することができる。凝固したセレン化水素を再度加熱すれば、純度の高いセレン化水素を得ることができる。また、排出口4から排出された気体には、未反応のセレンが同伴されている場合があるが、未反応のセレンは、例えばセレン化水素との凝固温度の違いを利用して分離することができる。
このような本実施形態の反応方法及び反応装置は、例えばCIGS型太陽電池の原料に使用されるセレン化水素の製造に好適である。また、半導体材料であるセレン化亜鉛(ZnSe)を製造する際の原料としてのセレン化水素の製造にも好適である。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、セレンを反応容器1の内部で気化させることによりセレン蒸気を得て、そのセレン蒸気を反応系に供給したが、反応容器1の外部においてセレンを気化させるなどしてセレン蒸気を製造し、配管等によりセレン蒸気を反応容器1の内部に供給してもよい。
また、内管2及び外管3を、その軸方向を鉛直にした姿勢で設置し、且つ、内管2の噴射口2aを下方に向けることが好ましいが、それに対して90°の方向に噴射口2aが向くように内管2及び外管3を設置してもよいし(すなわち、内管2及び外管3を、その軸方向を水平にした姿勢で設置する)、180°の方向に噴射口2aが向くように内管2及び外管3を設置してもよいし(すなわち、内管2及び外管3を、その軸方向を鉛直にした姿勢で設置し、且つ、内管2の噴射口2aを上方に向ける)、あるいは、任意の角度の方向に噴射口2aが向くように内管2及び外管3を設置してもよい。
また、本実施形態の反応方法及び反応装置を適用可能な反応は、セレンと水素ガスからセレン化水素を得る反応に限定されるものではなく、気体同士を反応させる種々の反応に適用可能である。例えば、硫黄と水素ガスから硫化水素を得る反応に適用可能である。
さらに、本実施形態においては、2種の気体を反応させる例を説明したが、3種以上の気体を反応させる場合にも本発明を適用できることは勿論である。その場合には、2種以上の気体を噴射口2aから噴射し1種の気体を原料収容部6での気化で供給してもよいし、逆に、1種の気体を噴射口2aから噴射し2種以上の気体を原料収容部6での気化で供給してもよい。さらに、2種以上の気体を噴射口2aから噴射し2種以上の気体を原料収容部6での気化で供給してもよい。
2種以上の気体を噴射口2aから噴射する場合には、内管2及び外管3をその気体の種類と同数設け、各気体を別の噴射口2aから噴射してもよい。また、2種以上の気体を原料収容部6での気化で供給する場合には、原料収容部6をその気体の種類と同数設け、各気化を別の原料収容部6で行ってもよい。
さらに、本実施形態においては、原料収容部6で液体状の原料物質を加熱し蒸発させて蒸気を得たが、昇華性を有する物質であれば、原料収容部6で固体状の原料物質を加熱し昇華させて蒸気を得てもよい。
さらに、本実施形態においては、外管3の上端が開口しており、負圧の発生により該開口3bから反応容器1内の気体が外管3内に流入する構造となっていたが、図2に示すように外管3の上端が閉口していて、上端の側面部分に外管3の内部と外部を連通する開口3bを設けた構造としてもよい。負圧が発生した際には、反応容器1内の気体が側面部分の開口3bから外管3内に流入する。
側面部分の開口3bは、図2に示すように、径方向外方に突出する筒状部31を側面部分に連結することにより形成してもよいし、外管3の内部と外部を連通する貫通孔を側面部分に設けることにより形成してもよい。筒状部31や貫通孔の数は、1つでもよいし複数でもよい。
このように、負圧の発生時に反応容器1内の気体が外管3内に流入するための開口3bは、その形状、位置等については特に限定されるものではなく、外管3の内部に発生する負圧に対して悪影響を与えないものであればよいが、その大きさについては、開口3bの面積の合計が外管3の径方向内面積以上であることが好ましい。
さらに、内管2と外管3の断面形状(軸方向に直交する平面で切断した場合の断面形状)は特に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、多角形(三角形、四角形等)をあげることができる。ただし、内管2と外管3の断面形状は、同形状であることが好ましい。
さらに、反応時の反応容器1内の圧力は特に限定されるものではなく、例えば、大気圧とすることもできるし、微加圧とすることもできる。
さらに、反応容器1、内管2、及び外管3の素材は、セレンに腐食されにくく耐熱性を有するものが好ましい。例えば、ステンレス鋼、チタン、タンタル、セラミック、ガラスが好適である。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
上記実施形態の反応装置(図1の反応装置)と同様の構造を有する反応装置を用いて、上記実施形態と同様の反応方法によりセレン化水素を製造した。この反応装置の内容積は1.4Lである。
固体状のセレン250gを反応容器内の原料収容部に収容し、水素ガスを噴射口から986SCCM(standard cc/min )の流速で噴射した後、セレンを550℃に昇温して気化させ、水素ガスと反応させた。そして、排出口から排出される気体をFT−IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy )により分析して、セレン化水素の発生量を測定した。その結果、セレン化水素の発生量は15.6mmol/minであった。
(比較例1)
外管を備えていないことを除いては、実施例1で用いたものと同様の反応装置(図3の反応装置)を用いて、セレン化水素を製造した。
固体状のセレン250gを反応容器内の原料収容部に収容し、水素ガスを噴射口から986SCCM(standard cc/min )の流速で噴射した後、セレンを550℃に昇温して気化させ、水素ガスと反応させた。そして、排出口から排出される気体をFT−IRにより分析して、セレン化水素の発生量を測定した。その結果、セレン化水素の発生量は10.9mmol/minであった。
なお、実施例1及び比較例1における測定に用いたFT−IR分析装置は、Thermo Fisher Scientific社製のNicolet−380であり、セルはガスセル(長さ10cm)である。
1 反応容器
2 内管
2a 噴射口
3 外管
3a 下端側の開口
3b 上端側の開口
5 ヒーター
6 原料収容部
10 セレン

Claims (14)

  1. 複数種の気体を反応容器に供給し、これら気体同士を反応させる反応方法であって、
    前記複数種の気体のうち一部の種類の気体を気体供給部から前記反応容器内に供給するとともに、前記複数種の気体のうち残部の種類の気体を噴射口から前記反応容器内に噴射し、前記一部の種類の気体と前記残部の種類の気体とを反応させるに際して、
    前記気体供給部によって、前記一部の種類の気体の発生源となる液体状又は固体状の原料物質を加熱して前記原料物質を気化させ前記反応容器内に供給するとともに、前記噴射口を、前記反応容器内に設置され且つ両端に開口部を有する管状部材の内側に配して、この噴射口から前記残部の種類の気体を前記管状部材の一端側に向かって噴射し、この噴射により前記反応容器内の気体が前記管状部材の他端側の開口部から前記管状部材の内部に流入して一端側の開口部から流出する気体流路を形成させることを特徴とする反応方法。
  2. 前記噴射口は、前記管状部材の一端側の開口部よりも前記管状部材の軸方向内部側に配されていることを特徴とする請求項1に記載の反応方法。
  3. 前記噴射口は、前記管状部材の径方向中心部に配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反応方法。
  4. 前記原料物質を前記反応容器の内部に配し、前記反応容器内で気化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応方法。
  5. 前記原料物質を前記反応容器の内部の底部に配し、前記反応容器内で気化するとともに、前記噴射口から前記残部の種類の気体を前記原料物質に向かって噴射することを特徴とする請求項4に記載の反応方法。
  6. 2種の気体を反応させる反応方法であって、前記一部の種類の気体がセレンであり、前記残部の種類の気体が水素ガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応方法。
  7. 複数種の気体を反応させる反応装置であって、
    前記複数種の気体が供給されこれら気体同士の反応が行われる反応容器と、前記複数種の気体のうち一部の種類の気体を前記反応容器内に供給する気体供給部と、前記複数種の気体のうち残部の種類の気体を前記反応容器内に噴射する噴射口と、前記反応容器内に設置され且つ両端に開口部を有する管状部材と、を備え、
    前記噴射口は、前記管状部材の内側に配されていて、前記残部の種類の気体を前記管状部材の一端側に向かって噴射するようになっており、この噴射により前記反応容器内の気体が前記管状部材の他端側の開口部から前記管状部材の内部に流入して一端側の開口部から流出する気体流路を形成するようになっていることを特徴とする反応装置。
  8. 前記噴射口は、前記管状部材の一端側の開口部よりも前記管状部材の軸方向内部側に配されていることを特徴とする請求項7に記載の反応装置。
  9. 前記噴射口は、前記管状部材の径方向中心部に配されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の反応装置。
  10. 前記噴射口は、前記管状部材に挿通されて前記残部の種類の気体を前記反応容器内に供給する内管の先端に設けられていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の反応装置。
  11. 前記気体供給部は、前記一部の種類の気体の発生源となる液体状又は固体状の原料物質を収容する原料収容部と、前記原料収容部を加熱して前記原料物質を気化させる加熱部と、を備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の反応装置。
  12. 前記原料収容部が前記反応容器の内部に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の反応装置。
  13. 前記原料収容部が前記反応容器の内部の底部に設けられており、前記管状部材が一端側の開口部を前記原料収容部に向けて設置されていることを特徴とする請求項12に記載の反応装置。
  14. 2種の気体を反応させる反応装置であって、前記一部の種類の気体がセレンであり、前記残部の種類の気体が水素ガスであることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の反応装置。
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