まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を示す正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明においては、図1のパチンコ遊技機を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠(図示略)と、外枠(図示略)に開閉可能に取り付けられた前面枠(図示略)と、で主に構成されており、前面枠(図示略)の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠(図示略)に対して前面側から着脱可能に取り付けられている。
遊技盤6は、それを構成するベニヤまたは合成樹脂材からなる板状部材と、その板状部材に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。また、遊技盤6の背面側には、演出表示装置9、主基板31、演出制御基板80及び後述する演出ユニット300(図3参照)が一体的に組み付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
また、遊技盤6における演出表示装置9の表示画面9aの周囲には、環状のステージ飾り枠11が設けられている。遊技盤6は、表示画面9aに対し所定の隙間を隔てて前方位置に配設されており、遊技盤6と表示画面9aとの間における表示画面9aの周縁には演出ユニット300が設けられている。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLED+1セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面9aには、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLED+1セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLED+1セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30a,30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25a(図2参照)を有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り状態(例えば、15ラウンド大当り状態など)に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の前面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球(賞球)が得られる。
「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば、100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このような「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。尚、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口13bに遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口13bは、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
パチンコ遊技機1の背面には、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている(図2参照)。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板(図示略)やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板(図示略)には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
尚、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号等)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
また、この実施例では、可変入賞球装置15が開状態でないときに第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの遊技球の入賞を検出した場合や、大当り遊技中でないときに大入賞口への遊技球の入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判定され、この異常入賞が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為によって異常入賞が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15や大入賞口に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施例では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
尚、この実施例では、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板91の共通のコネクタから外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板91上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。また、排出異常や異常入賞も何らかの不正行為が行われないかぎり発生しないのであるから、排出異常や異常入賞のために専用のコネクタや半導体リレーを個別に設けることも効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施例では、排出異常が検出された場合と、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタからセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、ターミナル基板91の共通のコネクタからセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板91の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行うとともに、後述する第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等の役物の駆動制御や、第3発光LED631や第4発光LED731等の発光制御等を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM(図示略)を含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDP262は、演出制御用CPU120から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
また、演出制御用CPU120は、出力ポート(図示略)を介して第1揺動モータ420、427、第2揺動モータ524、545、第3スライドモータ611、第4スライドモータ711、ロック用ソレノイド618を駆動する信号を出力する。さらに、演出制御用CPU120は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対して各種LEDを駆動する信号を出力する。また、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25a、第3発光LED631、第4発光LED731等に駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、図3〜図5に基づいて、演出ユニットの詳細な構造について説明する。図3は、演出ユニットを示す正面図である。図4は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図5は、(A)は第1可動体の動作態様を示す概略説明図、(B)は第2可動体の動作態様を示す概略説明図、(C)は第3可動体及び第4可動体の動作態様を示す概略説明図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
図3〜図5に示すように、演出ユニット300は、正面視略四角枠状に形成されたベース枠301と、ベース枠301の前面側に組付けられる第1可動ユニット400、第2可動ユニット500、第3可動ユニット600と、ベース枠301の背面側に組付けられる第4可動ユニット700と、から主に構成される。ベース枠301は、中央に横長長方形状をなす表示用開口302が形成されており、該ベース枠301が遊技盤6の背面に組付けられたときに該ベース枠301の背面側に配設される演出表示装置9の表示画面9a(図1参照)が表示用開口302を介して前面側に臨むようになっている。
図5(A)に示すように、第1可動ユニット400は、揺動可能に設けられた第1可動体410と、後述する駆動機構と、から主に構成されている。第1可動体410は、ベース枠301の右下角部に下端が軸支され、表示用開口302の右側方に退避するようにベース枠301の右辺部に沿って配置される第1退避位置(初期位置、図5(A)実線位置)と、上端が表示用開口302の中央側に傾倒する第1演出位置(図5(A)1点鎖線位置)と、の間で揺動(移動)可能に設けられた第1揺動アーム401(移動部材)と、該第1揺動アーム401の上端に軸支され、該第1揺動アーム401に沿って配置される第1非可動状態(第1状態)と第1非可動状態とは異なる第1可動状態(第2状態)とに揺動(変化)可能に設けられた第1可動部材402と、からなる。また、第1揺動アーム401の前面側にはアーム側装飾部材403が取り付けられている。
図5(B)に示すように、第2可動ユニット500は、揺動可能に設けられた第2可動体510と、後述する駆動機構と、から主に構成されている。第2可動体510は、ベース枠301の下辺部における左右方向の略中央位置に右端が軸支され、表示用開口302の下方に退避するように該ベース枠301の下辺部に沿って配置される第2退避位置(初期位置、図5(B)実線位置)と、ベース枠301の下辺部に対し起立する第2演出位置(図5(B)1点鎖線位置)と、の間で揺動可能に設けられた第2揺動アーム501と、該第2揺動アーム501の上端に固定された第2可動部材502と、第2揺動アーム501の上端に軸支され、第2可動部材502に沿って配置される第2非可動状態と該第2非可動状態とは異なる第2可動状態とに揺動(変化)可能に設けられた第2可動部材503と、からなる。
図5(C)に示すように、第3可動ユニット600は、上下方向に移動可能に設けられた第3可動体610と、後述する駆動機構と、から主に構成されている。第3可動体610は、ベース枠301の左側辺部に左端が支持され、表示用開口302の上方に退避するように該ベース枠301の上辺部に沿って配置される第3退避位置(初期位置、図5(C)実線位置)と、表示用開口302の上下方向の略中央位置に配置される第3演出位置(図5(C)1点鎖線位置)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。
また、第4可動ユニット700は、左右方向に移動可能に設けられた第4可動体710と、後述する駆動機構と、から主に構成されている。第4可動体710は、ベース枠301の上辺部に上端が支持され、表示用開口302の左側方に退避するように該ベース枠301の左側辺部に沿って配置される第4退避位置(初期位置、図5(C)実線位置)と、表示用開口302の左右方向の略中央位置に配置される第4演出位置(図5(C)1点鎖線位置)と、の間で左右方向に移動可能に設けられている。
このように、駆動機構によりベース枠301に対し動作可能に設けられた第1〜第4可動ユニット400、500、600、700は、表示用開口302の前面側、つまり、表示用開口302に臨む演出表示装置9の表示画面9aの前面側において動作可能に配設されている。
また、第1可動体410及び第2可動体510は、互いに干渉しないように前後にずれて配置されており、第1揺動アーム401が第1演出位置まで移動し、かつ、第2揺動アーム501が第2演出位置まで移動したときに、第1可動部材402と第2可動部材502とが互いに近接して該第1可動部材402と該第2可動部材502とにより一の装飾体が形成されるようになっている(図15(E)参照)。
また、第3可動体610及び第4可動体710は、互いに干渉しないように前後にずれて配置されており、それぞれが第3演出位置及び第4演出位置まで移動したときに、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なり、正面視略十字形状に配置されるようになっている(図23(A)参照)。
次に、図6〜図16に基づいて、第1可動ユニット400及び第2可動ユニット500の詳細な構造について説明する。図6は、第1可動ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図7は、第1可動ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8は、第2可動ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図9は、第2可動ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図10は、第1可動ユニットの背面を開放した状態を示す図である。図11は、第1揺動アームを示す背面図である。図12は、(A)は図11のA−A断面図、(B)は図11のB−B断面図である。図13は、(A)(B)は緩衝部材を示す斜視図、(C)(D)は側面図である。図14は、第1可動体と第2可動体とが合体した状態を示す概略側面図である。図15は、第1可動体及び第2可動体の動作態様の一例を示す。図16は、第1可動体及び第2可動体の動作態様の他の例を示す。
まず、第1可動ユニット400について説明すると、図6及び図7に示すように、第1揺動アーム401は、下部に軸受孔406が形成されており、この軸受孔406にベース枠301の前面右下角部に設けられる前後方向を向く揺動軸405(図10参照)が挿通されることで、ベース枠301に対し揺動軸405を中心として揺動可能に支持されている。第1揺動アーム401の前面下部には、正面視略扇状をなす従動ギヤ407がネジにより固定されており、従動ギヤ407は、ベース枠301の前面右下角部に取り付けられるモータ取付板421(図3及び図4参照)の背面に突設された回動軸415に枢支された中継ギヤ408を介して、第1揺動モータ420の駆動軸420aに固着された駆動ギヤ409に噛合されている。よって、第1揺動アーム401は、第1揺動モータ420により駆動ギヤ409が回動することにより、中継ギヤ408、従動ギヤ407を介して揺動軸405を中心として揺動するようになっている。また、第1揺動モータ420は、モータ取付板421の前面側に駆動軸420aを後側に突出するようにして固定されている。
第1揺動アーム401の上部には軸受孔425が形成されており、この軸受孔425に、第1可動部材402の背面に突設される前後方向を向く揺動軸426が挿通されることで、第1可動部材402は、第1揺動アーム401に対し前後方向を向く揺動軸426を中心として揺動可能に支持されている。また、第1揺動アーム401の背面上部には、第1揺動モータ427が駆動軸427aを前面側に臨ませるように取り付けられているとともに、第1揺動アーム401の前面側に突出した駆動軸427aの先端には駆動ギヤ428が固着されている。また、第1揺動アーム401の前面における駆動軸427aの近傍位置には規制軸429が突設されている。
第1可動部材402は、合成樹脂材にて構成された板状のベース部材402aと、該ベース部材402aの前面を被覆するように取り付けられる第1装飾部材402bと、から構成されている。ベース部材402aの背面左側下部には、揺動軸426が突設されているとともに、該揺動軸426の近傍位置には、該揺動軸426を中心とする円弧をなす従動ギヤ431が形成されており、駆動ギヤ428に噛合されている。よって、第1可動部材402は、第1揺動モータ427により駆動ギヤ428が回動することにより、従動ギヤ431を介して、第1揺動アーム401に対し揺動軸426を中心として揺動するようになっている。また、従動ギヤ431の外側には揺動軸426を中心とする円弧をなす規制溝430が形成されており、この規制溝430内に規制軸429が挿入されることで、第1揺動アーム401に対する第1可動部材402の揺動範囲が決定されるようになっている。
ベース部材402aの下辺(後述する対向辺416)には、後述するように、第1演出位置において第2可動体510の第2可動部材502と当接した際の衝撃を吸収するための緩衝部材440が取り付けられている。図13に示すように、緩衝部材440は、ベース部材402aよりも軟質の合成樹脂材またはゴム材等からなり、ベース部材402aの前面に取り付け可能に起立する取付片441と、該取付片441の下端に略水平に取り付けられる当接片442と、から構成されている。取付片441の上部には取付孔443が形成されている。
当接片442は、平面視横長長方形状をなし、取付孔443の下辺に略水平に取り付けられ、取付孔443の下辺が当接片422の上面後辺に沿うように、かつ、右端部が取付孔443の下辺右端より右方に突出するように形成されている。また、当接片442の下面右側には、前後方向に向けて延設される一対の凸条444が左右に並設されており、当接片442の下面全域に後述する第2可動部材502の当接片540が当接しないようになっている。この凸条444を含む当接片422の下面は、後述する第2可動部材502の当接片540に当接する可動部材側当接部を構成している。
また、第1揺動アーム401の前面における長手方向の中央下方位置には、アーム側装飾部材403が取り付けられている。また、第1揺動アーム401は、後述するように収容部材450と該収容部材450の背面を被覆する金属板からなる被覆部材480とから構成されている。尚、これら第1揺動アーム401、アーム側装飾部材403、被覆部材480の詳細については後述する。
次に、第2可動ユニット500について説明する。尚、図8及び図9においては、第2可動ユニット500が第2演出位置にあるときの配置位置を基準に説明する。
図8及び図9に示すように、第2揺動アーム501は、一端側に軸受孔520が形成されており、この軸受孔520には、ベース枠301の前面下部に取り付けられる支持板522(図3及び図4参照)の前面側から取り付けられる揺動軸521が挿通されることで、第2揺動アーム501は、ベース枠301に対し前後方向を向く揺動軸521を中心として揺動可能に支持されている。第2揺動アーム501の下部には、軸受孔520を中心とする円弧をなす従動ギヤ523が形成されており、この従動ギヤ523には、支持板522の背面に取り付けられる第2揺動モータ524の駆動軸524aに固着される駆動ギヤ525が噛合される。第2揺動モータ524は、モータ取付板526の背面に駆動軸524aを前面側に突出させた状態で取り付けられており、該モータ取付板526を介して支持板522の背面に取り付けられる。また、駆動軸524aの先端には駆動ギヤ525が固着される。
従動ギヤ523にはさらに、支持板522の背面に突設された回動軸527に軸支された中継ギヤ528が駆動ギヤ525の左側で噛合されているとともに、この中継ギヤ528の下部には、支持板522の背面に左右方向にスライド移動可能に支持されたラックギヤ529が噛合されている。ラックギヤの左端にはフック530が形成されており、このフック530は、支持板522に形成された左右方向を向く長孔531に挿入されて前面側に臨むようになっている。また、支持板522の前面における長孔531の右側にはフック532が形成されており、このフック532と長孔531を挿通して前面側に突出されたフック530とには、圧縮バネ533の両端が係止されている。
そして、第2揺動モータ524により駆動ギヤ525が回動すると、従動ギヤ523、中継ギヤ528を介してラックギヤ529が左右方向にスライド移動する。図8及び図9に示すように、第2揺動アーム501が第2演出位置にあるときは、ラックギヤ529は中継ギヤ528よりも左側に位置し、フック530、532が所定幅離間配置されることで、圧縮バネ533は圧縮されない。一方、第2揺動アーム501が第2退避位置にあるときは、ラックギヤ529は中継ギヤ528よりも右側に位置し、これによりフック530がフック532に近づくことで、圧縮バネ533が圧縮されるため、バネの復帰力により所定の抵抗が生じる。つまり、第2揺動アーム501が第2退避位置にあるときには、圧縮バネ533によりラックギヤ529に対し常時左側に向けて付勢力が付与されているので、第2揺動アーム501が第2退避位置から第2演出位置に移動するときに圧縮バネ533により揺動方向に向けて付勢されるため、第2揺動モータ524にかかる負荷が軽減される一方、第2揺動アーム501が第2演出位置から第2退避位置に移動するときには、所定の抵抗力がかかることで第2揺動アーム501の急下降が防止される。
また、第2揺動アーム501の前面における軸受孔520の近傍位置には、規制軸534a,534bが突設されており、これら規制軸534a,534bが、支持板522に形成された揺動軸521を中心とする円弧状をなす規制溝535a,535a内に挿入されることで、支持板522に対する第2揺動アーム501の揺動範囲が決定されるようになっている。
第2揺動アーム501における従動ギヤ523と反対側の端部には、第2可動部材502がネジにより第2揺動アーム501に対し移動不能に取り付けられている。第2可動部材502は、合成樹脂材にて構成された板状のベース部材502aと、該ベース部材502aの前面を被覆するように取り付けられる第2装飾部材502bと、から構成されている。
ベース部材502aの上辺(後述する対向辺516)における長手方向の略中央位置には、板状の当接片540が背面側に向けて略水平に突設されている。また、当接片540の左端からは左方に向けて下側に傾斜する傾斜片541が連設されている。この当接片540の上面は、可動部材側当接部を構成する当接片442の凸条444に当接可能な構造物側当接部を構成している。尚、この当接片540、傾斜片541はベース部材502aと一体に形成されているが、ベース部材502aとは別個に形成されていてもよい。また、当接片540、傾斜片541は緩衝部材440よりも硬質の合成樹脂材にて構成されているが、例えば、緩衝部材440と同様の素材などベース部材502aよりも軟質の合成樹脂材やゴム材にて構成されていてもよい。
ベース部材502aの背面右側には、揺動軸542が突設されており、この揺動軸542に第2可動部材503の右端部に形成された軸受孔543を挿入することで、第2可動部材503は第2可動部材502に対し前後方向を向く揺動軸542に対し揺動可能に支持されるようになっている。また、揺動軸542の左側には、第2揺動モータ545が固定されているとともに、その右側には、第2揺動モータ545の駆動軸(図示略)に固着されたウォームギヤ546に噛合する中継ギヤ547を回動可能に枢支する回動軸548が突設されている。
第2可動部材503の右端には、軸受孔543を中心とする円弧状をなす従動ギヤ549が形成されており、この従動ギヤ549は中継ギヤ547に噛合されている。よって、第2可動部材503は、第2揺動モータ545によりウォームギヤ546が回動することにより、中継ギヤ547、従動ギヤ549を介してベース部材502a、つまり、第2可動部材502に対し揺動軸542を中心として揺動するようになっている。
次に、第1可動ユニット400の詳細について、図6、図7及び図10〜図12に基づいて説明する。
図6、図7及び図10〜図12に示すように、第1揺動アーム401は、電気部品としての第1揺動モータ427や該第1揺動モータ427から延出されるケーブルC等を収容するために背面が開放された収容部を構成する収容部材450と、該収容部材450に取り付け可能であって該収容部材450の背面を被覆するための被覆部としての金属製の被覆部材480と、を有する。
収容部材450は、非透光性を有する合成樹脂材にて所定長さを有する細長帯状に形成され、細長帯状に形成された板状のベース部451と、該ベース部451における背面の周縁に沿って立設されたベース部側壁部452と、により、背面側が開口する箱状に形成され、特に図12(A)(B)に示すように、断面視略後向きコ字形に形成されている。ベース部側壁部452は、第1可動部材402が軸支された側の端部側の一部に切欠部453が形成されているとともに、軸受孔406の近傍位置には切欠部454が形成されており、該切欠部454を通してケーブルCを外部に挿通させることができるようになっている。
尚、本実施例では、ベース部側壁部452は、一部に切欠部453,454が形成されていることによりベース部451の周縁に沿って断続的(部分的)に形成されていたが、ベース部451の周縁全長にわたり連続的に延設されていてもよい。また、本実施例では、ベース部側壁部452は、ベース部451の周縁に沿って立設されていることにより断面視略コ字形に形成されていたが、ベース部451の周縁よりも内側に立設されていてもよい。さらに、これらベース部451とベース部側壁部452とは一体成型により形成されていたが、それぞれ別個の部材にて構成されていてもよい。
ベース部451の背面におけるベース部側壁部452の内側には、前述した軸受孔405が下端部に形成されているとともに、第1揺動モータ427が上部に取り付けられている。また、被覆部材480の取付位置を決定するための位置決め用突起部455a〜455dが背面側の端面に突設された支柱456a〜456dが複数個所(本実施例では4箇所)に立設されている(図12(B)参照)。尚、支柱456a〜456dの外径は、位置決め用突起部455a〜455dの外径よりも長寸であるため、支柱456a〜456dと位置決め用突起部455a〜455dとの間には段部が形成されている。また、ベース部451の背面には、被覆部材480を取り付けるためのネジ457a〜457cが螺入されるネジ孔458a〜458cが複数個所(本実施例では3箇所)に形成されており、これらネジ457a〜457cにより被覆部材480を収容部材450の背面に取り付けることができるようになっている。
また、ベース部451の背面におけるベース部側壁部452の内側において、アーム側装飾部材403が取り付けられたときに後述する取付用ボス490a,490bに対応する位置に、装飾部材取付ネジ459a,459bが取り付けられる装飾部材取付用ボス460a,460bが突設されている。これら装飾部材取付用ボス460a,460bは、図12(A)に示すように、ベース部451の一部を背面側に突出させるようにして形成されていることで、背面側に凹部461a,461bが凹設されているとともに、装飾部材取付用ボス460a,460bの後端面には、装飾部材取付ネジ459a,459bが取り付けられる取付孔462a,462bが形成されている。また、装飾部材取付用ボス460a,460bの近傍位置及び軸受孔405の近傍位置には、配線用フック463a〜463cが形成されている。
尚、装飾部材取付用ボス460a,460bは、ベース部451におけるベース部側壁部452の内側におい立設されるものであって、ベース部側壁部452とは異なる。また、配線用フック463a〜463cに対応する位置には、配線用フック463a〜463cを形成するための成型用孔が形成されており、この成型用孔の前面側はアーム用装飾部材403により被覆されるため、見映えが損なわれることがない。
被覆部材480は、金属板にて所定長さを有する細長帯状に形成され、ベース部451の背面に対し所定の隙間を隔てて配置され該ベース部451を被覆する蓋部481と、該蓋部481における前面の周縁に沿って立設され収容部材450に取り付けられたときにベース部側壁部452の内側対向位置に配置される被覆部側壁部482と、により、前面側が開口する箱状に形成され、特に図12(A)(B)に示すように、断面視略前向きコ字形に形成されている。被覆部側壁部482は、複数個所に切欠部483が形成されている。
尚、本実施例では、被覆部側壁部482は、複数個所に切欠部483が形成されていることにより、蓋部481の周縁に沿って断続的に形成されていたが、蓋部481の周縁全長にわたり連続的に延設されていてもよい。また、本実施例では、被覆部側壁部482は、蓋部481の周縁を屈曲加工することで該周縁に沿って立設されていることにより断面視略コ字形に形成されていたが、蓋部481の周縁よりも内側に立設されていてもよい。さらに、これらベース部481と被覆部側壁部482とは一体的に形成されていたが、それぞれ別個の部材にて構成されていてもよい。また、被覆部側壁部482は蓋部481の前面周縁に立設されていたが、蓋部481の背面周縁に立設されていてもよい。
蓋部481における軸受孔406に対応する位置には、揺動軸405を挿通可能な軸孔485が形成されている。また、各位置決め用突起部455a〜455dに対応する箇所には、位置決め孔486a〜486dが形成されている。また、各ネジ孔458a〜458cに対応する位置には、ネジ457a〜457cの取付孔487a〜487cが形成されている。また、装飾部材取付用ボス460a,460bに対応する箇所には、装飾部材取付ネジ459a,459bの頭部が挿通可能な大きさを有する挿通用孔部488a,488bが形成されている。
アーム用装飾部材403は、合成樹脂材により形成され、前面には適宜装飾が施されている。図7及び図12(A)に示すように、アーム用装飾部材403の背面には、凹部461a,461bに嵌合可能な取付用ボス490a,490bが突設されているとともに、取付用ボス490a,490bの後端面には、装飾部材取付ネジ459a,459bが螺入可能なネジ孔491a,491bが形成されている。
よって、アーム用装飾部材403を収容部材450の前面に取り付けるには、まず、取付用ボス490a,490bを収容部材450の前面側から凹部461a,461bに嵌合させることで2点が位置決めされた状態で、収容部材450の背面側から装飾部材取付ネジ459a,459bを背面側から取付孔462a,462bに取り付け、ネジ孔491a,491bに螺入すればよい。
このように構成される第1揺動アーム401は、ベース部451と該ベース部451の周縁に立設されたベース部側壁部452とにより、後向き略コ字形に形成されていることで、図10に示すように、ベース部451の一端側に配設された第1揺動モータ427のケーブルC(電気部品)をベース部451に沿って収容し、他端側に形成された切欠部454から外部に引き出すことができる。また、このケーブルCの複数箇所は配線用フック463a〜463cにより押えられている。
また、この収容部材450の背面側は開放されているが、被覆部材480を取り付けることにより、該収容部材450の背面を閉鎖することができる。被覆部材480を取り付けるには、被覆部側壁部482を収容部材450に向けた状態で、蓋部481をベース部451に対応させるように接近させ、各位置決め孔486a〜486dを対応する位置決め用突起部455a〜455dに嵌合させる。そして、各位置決め孔486a〜486dが対応する位置決め用突起部455a〜455dに嵌合することで、収容部材450に対する被覆部材480の取付位置が決定される。
具体的には、図12(B)に示すように、蓋部481の前面における各位置決め孔486a〜486dの周縁が対応する位置決め用突起部455a〜455dと支柱456a〜456dとの間に形成された段部、つまり、支柱456a〜456dの後端面に当接することで、被覆部材480は、収容部材450のベース部451の背面に対し所定の隙間を隔てて配置される。つまり、ベース部451の背面が被覆部材480により被覆されるとともに、ベース部451の背面と被覆部材480との間に、ケーブルC等を収容(配線)可能な収容空間部Sが形成される。
このように位置決めされた状態で、図6及び図7に示すように、被覆部材480の背面側からネジ457a〜457cを取付孔487a〜487cに取り付けて、収容部材450の各ネジ孔458a〜458cに螺入することで、収容部材450に対して被覆部材480が取り付けられる。
そして、このように収容部材450に対して被覆部材480が取り付けられたとき、図12(A)(B)に示すように、蓋部451の周縁に立設された被覆部側壁部482が、ベース部451の周縁に立設されたベース部側壁部452の内側に対向するように(被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面とが対向するように)配置される。つまり、被覆部材480は、収容部材450の背面に形成された開口内に遊びを持って入り込むように取り付けられる。また、被覆部材480の背面がベース部側壁部452の後端面と略面一をなすとともに、被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面との間に、少なくともケーブルCの外径よりも小寸の隙間Pが形成されるようになっている。
尚、本実施例では、収容部材450に対して被覆部材480が取り付けられたときに、被覆部材480の背面がベース部側壁部452の後端面と略面一をなすようになっていたが、被覆部材480の背面がベース部側壁部452の後端面に対し前側または後側にずれた位置に配置されるようにしてもよい。また、被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面との間に、少なくともケーブルCの外径よりも小寸の隙間Pが形成されるようになっているが、被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面とが対向するように被覆部側壁部482がベース部側壁部452よりも内側に配置されれば、被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面との間に隙間が形成されない、つまり、ベース部側壁部452内に被覆部材480が嵌合されて被覆部側壁部482の外面とベース部側壁部452の内面とが当接してもよい。
このように、収容部材450に対して被覆部材480が取り付けられたときに、被覆部側壁部482がベース部側壁部452の内側に対向して配置されることで、収容された電気部品であるケーブルCがベース部451と蓋部481との間から露出されることが抑制される。具体的には、被覆部側壁部482が蓋部481の周縁に立設されていることで、ベース部側壁部452の内面に対向する被覆部側壁部482の外面の前後幅寸法Lが、被覆部側壁部482が周縁に立設されていない蓋部481のみによりベース部451の背面を被覆する場合に比べて長くなることで、例えば、ケーブルCが隙間Pから外部に抜け出るまでにベース部側壁部452と被覆部側壁部482とに接触する距離が長くなるばかりか、被覆部側壁部482の端面によりケーブルCが蓋部481よりも前側で押えられるため、隙間PからケーブルCが外部に抜け出しにくくなる。
また、被覆部材480は金属材にて構成されていることで、合成樹脂材により細長帯状に形成された収容部材450の撓みや変形を防止することができるばかりか、被覆部材480は、板状の蓋部481の周縁から前側に屈曲された被覆部側壁部482により断面視後向きコ字形に形成されていることで、被覆部材480自体の撓みや変形が防止されているため、収容部材450の撓みや変形が生じにくくなる。
また、第1揺動アーム401は下端を中心として揺動する可動部材であるため、ケーブルCが収容部材450内に配線用フック463a〜463cにより押えられ、かつ、被覆部材480により被覆された状態で収容されていても、第1揺動アーム401の揺動や該揺動により生じる振動などにより、ケーブルCがあばれたり、収容部材450が撓んだり変形して隙間Pが大きくなること等が考えられるが、上記のように収容部材450が金属製の被覆部材480により補強されることにより、撓みや変形しにくくなり隙間Pが広がることが抑制されるため、収容されたケーブルCが隙間Pから外部に露出しにくくなる。
また、図12(A)に示すように、収容部材450に被覆部材480が取り付けられたときに、アーム側装飾部材403を取り付けるために取付孔462a,462bに取り付けられた装飾部材取付ネジ459a,459bの頭部が、挿通用孔部488a,488bを介して外部に露出されるため、収容部材450に被覆部材480が取り付けられた状態でも、挿通用孔部488a,488bから装飾部材取付ネジ459a,459bの頭部にドライバー等の工具を差し込むことが可能となるため、アーム側装飾部材403の製造時における組付作業や破損による交換作業等を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、所定の動作を行う可動部材としての第1揺動アーム401を備え、第1揺動アーム401は、電気部品の一例であるケーブルC等を収容するために開放された収容部としての収容部材450と、該収容部材450に取り付け可能であって該収容部材450を被覆するための金属製の被覆部としての被覆部材480と、を有し、収容部材450は、ベース部451と、該ベース部451に立設されたベース部側壁部452とからなり、被覆部材480は、ベース部451を被覆する蓋部481と、該蓋部481に立設され収容部材450に取り付けられたときにベース部側壁部452の内側対向位置に配置される被覆部側壁部482と、からなる。
このようにすることで、収容部材450にケーブルC等を収容した状態で被覆部材480により収容部材450を被覆したときに、被覆部材480の一部である被覆部側壁部482がベース部側壁部452の内側に配置されることで、収容されたケーブルC等の電気部品がベース部451と蓋部481との間から露出されることが抑制される。特に、第1揺動アーム401の揺動に伴う振動などによって収容部材450に対し被覆部材480が離れる方向、つまり、開放方向(背面側)に動いても、被覆部側壁部482とベース部側壁部452とが一部重なっていることで、ベース部451と蓋部481との間に隙間等が形成されにくくなるので、収容されたケーブルCがベース部451と蓋部481との間から露出されることが抑制される。
尚、本実施例では、電気部品の一例として第1揺動モータ427や該第1揺動モータ427から延出されるケーブルCを記載したが、収容部材450内に収容される電気部品はこれらモータやケーブルのみに限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードなどの発光体が搭載される発光基板や中継基板、ソレノイド及びこれらに接続される各種配線等が含まれる。
また、本実施例では、可動部材の一例として、一端を中心として揺動可能に設けられた第1揺動アーム401が記載されていたが、例えば、第2揺動アーム501や第3可動体610、第4可動体710等であってもよい。また、所定の動作を行うものであれば、揺動可能に支持された部材だけでなく、例えば、軸部材を中心として回動可能に設けられた可動部材でもよいし、あるいは、直線移動や曲線移動が可能に設けられた可動部材等であってもよい。さらに、第1揺動アーム401は帯状に形成されたアーム部材であったが、形状もこのようなアーム形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、本実施例では、ベース部側壁部452と被覆部側壁部482とは、それぞれベース部451、蓋部481の周縁に沿って囲むように立設されていたが、例えば、少なくともケーブルC等を収容する帯状のアーム部における互いに対向する2辺に沿って立設されていれば、必ずしもベース部451や蓋部481を囲むように立設されていなくてもよい。つまり、本実施例の場合、長手方向の両端側には壁部は立設されていなくてもよい。
また、収容部材450には位置決め用突起部455a〜455dが設けられ、被覆部材480における位置決め用突起部455a〜455dに対応する位置には該位置決め用突起部455a〜455dが挿通可能な位置決め用孔部としての位置決め孔486a〜486dが設けられている(図12(B)参照)ことで、被覆部材480を収容部材450に取り付けるときの位置決めが容易になる。
尚、本実施例では、収容部材450側に位置決め用突起部455a〜455dが設けられ、被覆部材480側に位置決め孔486a〜486dが設けられていたが、収容部材450側に位置決め孔486a〜486dが設けられ、被覆部材480側に位置決め用突起部455a〜455dが設けられていてもよい。また、位置決め用突起部455a〜455d、位置決め孔486a〜486dの形成位置や形成数は実施例に記載のものに限定されるものではない。
また、収容部材450において、例えば、被覆部材480が取り付けられる側と反対側(前面側)における所定箇所に、取付部材としての装飾部材取付ネジ459a,459bにより装飾部材としてのアーム側装飾部材403を取り付け可能であり、このアーム側装飾部材403には、装飾部材取付ネジ459a,459bが取り付けられる装飾部材側取付部として、取付用ボス490a,490bに形成されたネジ孔491a,491bが設けられ、収容部材450は、アーム側装飾部材403が取り付けられたときにアーム側装飾部材403に対応する位置に装飾部材取付ネジ459a,459bが取り付けられる可動部材側取付部としての取付孔462a,462bが設けられ、被覆部材480には、収容部材450に取り付けられたときに取付孔462a,462bに対応する位置に取付部材を挿通可能な挿通用孔部488a,488bが設けられている(図12(A)参照)。
このように、被覆部材450を収容部材480に取り付けたときでも、取付孔462a,462bが挿通用孔部488a,488bを介して外部に露呈されるため、被覆部材480を収容部材450から取り外さなくても、取付部材を挿通用孔部488a,488bに挿通して取付孔462a,462bからネジ孔491a,491bに取り付けることができるため、アーム側装飾部材403の交換作業等を容易に行うことができる。
また、本実施例では、取付孔462a,462bが装飾部材取付用ボス460a,460bに形成されていることで、装飾部材取付ネジ459a,459bが挿通用孔部488a,488bに近づいているので該ネジの取り付け、取り外し操作が容易になるとともに、装飾部材取付用ボス460a,460bにより形成された凹部461a,461bを利用してアーム側装飾部材403側の取付用ボス490a,490bを嵌合することができるので、収容部材450に対するアーム側装飾部材403の位置決めを容易に行うことができる。
尚、本実施例では、取付孔462a,462bはベース部451の背面に突設された装飾部材取付用ボス460a,460bに形成されていたが、ベース部451にボス等を介すことなく形成されていてもよい。また、取付孔462a,462bは装飾部材取付ネジ459a,459bを挿通可能な孔であったが、ネジが螺入可能なネジ孔であってもよい。また、本実施例では、取付部材の一例としてネジ部材が記載されていたが、ラッチ部材等の他の取付部材を適用してもよい。
次に、図14〜図16に基づいて、第1可動ユニット400及び第2可動ユニット500の可動態様について説明する。
図14に示すように、第1可動ユニット400及び第2可動ユニット500は、第1揺動アーム401の前側に第2揺動アーム501が配設されるとともに、第1可動部材402と第2可動部材502及び第2可動部材503とは前後方向のほぼ同位置に配設されている。
そして、図15に示すように、第1揺動アーム401が第1演出位置まで移動して第1可動部材402が第1可動状態に変化し、第2揺動アーム501及び第2可動部材502が第2演出位置まで移動したときに第1可動部材402の下方に第2可動部材502が配置され、第1可動部材402における第2可動部材502との対向辺416に設けられた当接片442と、第2可動部材502における第1可動部材402との対向辺516に設けられた当接片540と、が近接または当接するようになっている(図15(E)参照)。
第1可動部材402の対向辺416と第2可動部材502の対向辺516とは、正面視でほぼ同形に形成されており、当接片442と当接片540とが近接したときに互いにほぼ合致するようになっている。
また、本実施例では、特に図示はしないが、第1可動部材402の前面(第1装飾部材402bの前面)には人形模型の頭部の装飾が施され、第2可動部材502の前面(第2装飾部材502bの前面)には人形模型の上顎部の装飾が施され、第2可動部材503の前面には人形模型の下顎部の装飾が施され、アーム側装飾部材403の前面には人形模型の首部の装飾が施されている。よって、これら各部材402,403,502,503が第1、第2演出位置に位置したときに一の装飾体(人形模型の顔)が形成されるようになっている。言い換えると、各部材402,403,502,503は一の装飾体(人形模型の顔)を分割してなる部位(パーツ)であり、互いに近接または当接して合体することにより一の装飾体をなすようになっている。
また、本実施例では、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出として、例えば、遊技者がスティックコントローラやプッシュボタンなどの操作部を操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割り込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告がある。
そして、演出制御用CPU120は、例えば、上記予告の一例として、第1可動部材402、アーム側装飾部材403、第2可動部材502、第2可動部材503が合体する合体演出を実行可能としており、図柄の変動表示の実行が開始されるときに、当該変動表示結果に応じて合体演出を実行するか否かを抽選により決定し、実行することが決定されたときには、各部材の動作態様を複数のうちから決定し、変動表示中の所定タイミングにて該決定された態様にて合体演出を実行する。
ここで、第1可動ユニット400及び第2可動ユニット500による合体演出の態様の一例を、図15に基づいて説明する。
図15(A)に示すように、第1可動ユニット400及び第2可動ユニット500は、演出を実行しない場合、第1退避位置及び第2退避位置(初期位置)に位置している。この初期位置において、第1可動部材402は非可動状態であり、第2可動部材503は第2可動状態である。以下においては、例えば変動パターン種別としてスーパーリーチを伴う変動パターンが決定されるとともに、当該変動パターンに基づく変動表示中において予告演出として合体演出を実行することが決定されたときの態様の一例を説明する。
図15(A)に示すように、表示画面9aにおいて変動表示されている演出図柄によりリーチ状態が成立すると、図15(B)に示すように、第1揺動モータ420により第1揺動アーム401が揺動軸405を中心として第1退避位置から所定角度(例えば、約23度)第1演出位置側に揺動した後に、第1演出位置と第1退避位置との間の中間演出位置にて停止するとともに、第2揺動モータ524により第2揺動アーム501が揺動軸521を中心として第2退避位置から所定角度第2演出位置側に揺動した後に停止する。
次いで、図15(C)に示すように、第1揺動アーム401が中間演出位置にあるときに、第1揺動モータ427により第1可動部材402が揺動軸426を中心として揺動して、第1揺動アーム401に沿う第1非可動状態から第1揺動アーム401に対し傾倒する第1可動状態に変化するとともに、第2揺動モータ545により第2可動部材503が揺動軸542を中心として揺動して、第2可動部材502に沿う第2可動状態から第2可動部材502に対し一端側が離れる第2非可動状態に変化する。その後、図15(D)に示すように、再び第1揺動アーム401が第1演出位置側に揺動するとともに、第2揺動アーム501が第2演出位置側に揺動する。
そして、図15(E)に示すように、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達するとともに、第2揺動アーム501が第2演出位置に到達すると、第1可動部材402の下方位置に第2可動部材502が配置され、第1可動部材402の対向辺416と第2可動部材502の対向辺516とが近接するとともに、当接片442と当接片540とが近接または当接する。これにより、第1可動部材402、アーム側装飾部材403、第2可動部材502、第2可動部材503が合体して一の装飾体(人形模型の顔)を形成してなる合体演出が実行される。
さらに、図15(F)に示すように、合体した状態において、第2可動部材503が揺動軸542を中心として揺動して、第2非可動状態から第2可動状態に変化する。このように本実施例では、演出制御用CPU120は、一の装飾体(人形模型の顔)が形成された後に第2可動部材503が所定の動作(例えば、下顎が開くような動作)を行う可動演出を実行することが可能とされている。
このように本実施例では、第1揺動ユニット400の第1可動部材402と、該第1揺動ユニット400とは別個に可動する第2可動ユニット500の第2可動部材502と、が第1演出位置、第2演出位置において合体するが、第1揺動アーム401が第1退避位置から第1演出位置まで移動するまでの間である中間演出位置にて第1可動部材402が第1非可動状態から該第1非可動状態とは第1揺動アーム401に対する姿勢が異なる第1可動状態に変化し、該第1可動状態に変化した状態で合体するようになっている。
ここで、例えば、第1可動ユニット400の製造時における成型精度や組付精度の誤差等により生じる個体差、長期の使用によるギヤ等の摩耗、第1揺動モータ427や揺動軸426の不具合等の何らかの要因によって、第1揺動アーム401が中間演出位置であるときに、第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態まで変化していない中間状態に維持されたまま合体する虞がある。このように第1可動部材402が中間状態のまま第2可動部材502と合体すると、対向辺416,516が完全に合致しないため、一の装飾体である人形模型の顔が不完全な態様で形成されて見栄えが悪くなることになる。
そこで、本実施例では、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達するときに第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態に変化していない中間状態であるときには、当接片442が当接片540に当接することにより、第1可動部材402が中間状態から第1可動状態に変化するようになっている。以下、このような状況の一例を、図16に基づいて説明する。
図16(A)に示すように、第1揺動モータ420により第1揺動アーム401が揺動軸405を中心として第1退避位置から所定角度第1演出位置側に揺動した後に中間演出位置にて停止するとともに、第2揺動モータ524により第2揺動アーム501が揺動軸521を中心として第2退避位置から所定角度第2演出位置側に揺動した後に停止する。
次いで、図16(B)に示すように、第1揺動アーム401が中間演出位置にあるときにおいて、第1揺動モータ427により第1可動部材402が揺動軸426を中心として揺動するが、上記したような何らかの要因により、第1非可動状態から第1可動状態に変化せずに中間状態で変化(駆動)が終了するとともに、第2揺動モータ545により第2可動部材503が揺動軸542を中心として揺動して、第2可動状態から第2非可動状態に変化する。その後、図16(C)に示すように、再び第1揺動アーム401が第1演出位置側に揺動するとともに、第2揺動アーム501が第2演出位置側に揺動する。尚、第1可動部材402は中間状態のままである。
そして、図16(D)に示すように、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達する直前に第2揺動アーム501が第2演出位置に到達すると、中間状態の第1可動部材402の下方位置に第2可動部材502が配置され、第1可動部材402の対向辺416と第2可動部材502の対向辺516とが一部近接するとともに、当接片442と当接片540とが近接または当接する。次いで、図16(E)に示すように、当接片540に当接片442が当接していることにより、第1揺動アーム401のみが揺動するにつれて、第1可動部材402が揺動軸426を中心として揺動し、中間状態から徐々に第1可動状態に変化していく。
そして、図16(F)に示すように、第1揺動アーム401が演出位置に到達すると、第1可動部材402は第1可動状態に変化され、第1可動部材402、アーム側装飾部材403、第2可動部材502、第2可動部材503が合体して一の装飾体(人形模型の顔)を形成してなる合体演出が実行される。よって、第1可動部材402が中間状態のまま第1揺動アーム401が第1演出位置に到達することで、人形模型が不完全な態様で形成されて見栄えが悪くなることが防止される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、動作を行う可動体としての第1可動体410と、構造物としての第2可動部材502,503と、第1可動体410の駆動制御を行う駆動制御手段としての演出制御用CPU120と、を備え、第1可動体410は、第1退避位置と第1演出位置との間で移動(揺動)可能に設けられた移動部材としての第1揺動アーム401と、該第1揺動アーム401に対し第1非可動状態(第1状態)と第1非可動状態(第2状態)とに変化可能に設けられた可動部材としての第1可動部材402と、からなり、第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態に変化するとともに第1揺動アーム401が第1退避位置から第1演出位置まで移動したときに、該第1揺動アーム401と第2可動部材502とが近接または当接して該第1揺動アーム401と該第2可動部材502とにより一の装飾体(例えば、人形模型の顔)が形成され(図15(E)参照)、第1揺動アーム401は、構造物側当接部である当接片540に当接可能な可動部材側当接部である緩衝部材440の当接片442、凸条444を有し、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達するときに第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態に変化していない中間状態(第3状態)であるときには、当接片442が当接片540に当接することにより第1可動部材402が第1可動状態に変化する(図16(B)〜(F)参照)。
このように、第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態に変化し、かつ、第1揺動アーム401が第1退避位置から第1演出位置に移動することで一の装飾体(人形模型の顔)が形成されることで、第1可動部材402と第2可動部材502とが近接するまでは一の装飾体の形態を予測しにくいため、遊技者に意外感を与えることができる。第1可動部材402が第1可動状態に変化していない中間状態で第1揺動アーム401が第1演出位置に接近したときには、当接片442が当接片540に押されて第1可動部材402が第1可動状態に変化するため、第1可動部材402が中間状態のまま第1揺動アーム401が第1演出位置に到達することで装飾体が不完全な態様で形成されて見栄えが悪くなることを防止できる。
また、当接片440は、当接による衝撃を緩衝する緩衝部材440からなることで、当接時の衝撃で第1可動部材402や構造物が破損することを防止できる。尚、本実施例では、当接片442のみが緩衝部材440からなっていたが、当接片540が緩衝部材にて構成されていてもよいし、当接片440及び当接片540双方が緩衝部材にて構成されていてもよい。
また、第2可動部材502,503は第2退避位置と第2演出位置との間での揺動動作を行うことが可能であり、例えば、図15(F)に示すように、演出制御用CPU120は、第1可動部材402、アーム側装飾部材403、第2可動部材502、第2可動部材503が合体して一の装飾体(人形模型の顔)を形成してなる合体演出の実行後、第2可動部材503を揺動軸542を中心として揺動して、第2非可動状態から該第2非可動状態とは第2可動部材502に対する姿勢が異なる第2可動状態に変化させる可動演出を実行可能である。これにより、可動部材が第2状態となり一の装飾体が形成された後、さらに可動演出が実行されることがあるので、遊技の興趣が向上する。
尚、本実施例では、可動体の一例として、一端を中心として揺動可能に設けられた第1可動体410が記載されていたが、所定の動作を行うものであれば、第1可動体410ではなく、第2可動体510等を可動体の対象としてもよい。
また、移動部材の一例として、一端を中心として揺動可能に設けられた第1揺動アーム401が記載されていたが、例えば、軸部材を中心として回動可能に設けられた回動部材でもよいし、あるいは、直線移動や曲線移動が可能に設けられたスライド部材等であってもよい。つまり、移動部材の移動態様は揺動に限定されるものではなく、回動やスライド移動等も含む。さらに、第1揺動アーム401は帯状に形成されたアーム部材であったが、形状もこのようなアーム形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、可動部材の一例として、第1揺動アーム401の一端に揺動可能に支持された第1可動部材402が記載されていたが、移動部材に対し第1非可動状態(第1状態)と第1可動状態(第2状態)とに変化可能に設けられていれば、揺動可能に支持されるものに限定されるものではなく、例えば、移動部材に対し回動、スライド移動可能に設けられていてもよい。つまり、可動部材の変化態様は上記のものに限定されるものではない。また、第1非可動状態(第1状態)と第1可動状態(第2状態)とは、移動部材である第1揺動アーム401に対する第1可動部材402の姿勢、配置位置、配置角度等が異なっていればよい。
また、本実施例では、可動部材としての第1可動部材402は、移動部材としての第1揺動アーム401に対し、第1揺動モータ427により第1非可動状態と第1可動状態とに揺動可能に設けられていたが、第1揺動アーム401に対し変化可能に設けられていれば、モータのような駆動源により変化しなくても、例えば、移動部材に対しリンク機構やギヤ機構等を介して連結され、移動部材の移動に応じて状態が変化するようにしてもよい。
また、本実施例では、構造物の一例としてベース枠301に対し揺動可能に支持された第2可動部材502,503を適用しているが、可動部材に合体可能な構造物は、第2可動部材502,503のように可動するものに限定されるものではなく、所定箇所に固定された構造物、例えば、ベース枠301に対し固設された可動部材502や、あるいは、ベース枠301に対し形成された固定構造物であってもよい。
また、本実施例では、第1可動体410が右側に、第2可動体510が左側に配設されていたが、これら第1可動体410及び第2可動体510の配設位置は任意であり、種々に変更可能である。また、合体演出を行う位置等も種々に変更可能である。さらに、本実施例では、一の第1可動部材402と一の第2可動部材502とが互いに近接して合体するようになっているが、2以上の可動部材と一の構造物あるいは一の可動部材と2以上の構造物とが互いに近接して合体するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1可動部材402が第1非可動状態から第1可動状態に変化するとともに第1揺動アーム401が第1退避位置から第1演出位置まで移動したときに、第1可動部材402と第2可動部材502とが互いに近接または当接して第1可動部材402と第2可動部材502とにより一の装飾体が形成されるようになっていたが、第1可動部材402と第2可動部材502とが互いに近接したときでも、互いに当接したときでも一の装飾体が形成されるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1揺動アーム401が中間演出位置に位置したときに揺動を停止して第1可動部材402の状態が変化するようになっていたが、第1退避位置にて第1可動状態に変化するようにしてもよいし、第1演出位置に到達するまでの間に第1退避位置から第1演出位置に向けて徐々に変化するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達する前に第2可動部材502,503が第2演出位置に到達するようになっていたが、双方が同時に演出位置に到達するものであってもよいし、第1揺動アーム401が第1演出位置に到達してから第2可動部材502,503が第2演出位置に到達するようにしてもよい。
このように、第1揺動アーム401や第2揺動アーム501や第1可動部材501、第2可動部材503の揺動態様(揺動角度、揺動速度、往復動)は上記したものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
また、本実施例では、構造物は第2可動部材502と第2可動部材503とにより構成されていたが、第2可動部材502または第2可動部材503にて構成されていてもよい。また、可動演出の実行時において、第2可動部材502に対し第2可動部材503が揺動するようになっていたが、第1可動部材402と合体する第2可動部材503自体を可動させるようにしてもよいし、第2可動部材502,503双方を可動させるようにしてもよい。
次に、図17〜図25に基づいて、第3可動ユニット600及び第4可動ユニット700の詳細な構造について説明する。図17は、第3可動ユニット及び第4可動ユニットの構成を示す正面図である。図18は、第3可動ユニット及び第4可動ユニットを斜め前から見た状態示を示す分解斜視図である。図19は、第3可動ユニット及び第4可動ユニットを斜め後ろから見た状態示を示す分解斜視図である。図20は、演出ユニットの要部縦断面図である。図21は、(A)は第3可動体を示す正面図、(B)は(A)のC−C断面図である。図22は、(A)は第3可動体が第3退避位置、第4可動体が第4退避位置にある状態、(B)は第3退避位置、第4退避位置から動作した状態を示す説明図である。図23は、(A)は第3可動体及び第4可動体が演出位置において発光している状態を示す説明図、(B)は(A)のD−D断面図である。図24は、(A)は第3可動体が発光している状態、(B)は第4可動体が発光している状態、(C)は第4可動体の中央部のみが発光している状態を示す説明図である。
図17〜図20に示すように、第3可動ユニット600は、第3可動体610と、該第3可動体610を第3退避位置と第3演出位置との間で上下方向に移動させる駆動機構と、から構成されている。駆動機構は、ベース枠301の前面左辺部に取り付けられる支持板303の前面に取り付けられるモータ取付板612に駆動軸611aを背面側に向けた状態で取り付けられる第3スライドモータ611と、駆動軸611aに固着される駆動ギヤ613と、モータ取付板612の背面に形成された回動軸620に軸支され駆動ギヤ613に噛合する中継ギヤ614と、中継ギヤ614に噛合され、支持板303の前面に設けられた上下方向を向くガイド溝304により上下方向に摺動可能に支持されるラックギヤ615と、から主に構成されている。
また、モータ取付板612の前面下部には、回動軸616が突設されており、この回動軸616には、正面視略逆J字形をなすフック状のロック部材617の上端が枢支されている。このロック部材617には、モータ取付板612の前面に取り付けられたロック用ソレノイド618のプランジャ618aが連結されており、プランジャ618aの移動に応じてロック部材617が回動軸616を中心として揺動するようになっている。
ロック用ソレノイド618が非励磁状態であるときは、ロック部材617の下端がラックギヤ615の下部に形成されたロック片619に係止され(図17参照)、これにより第3スライドモータ611をオフ状態にしたときのラックギヤ615の下降が規制されるようになっている。ロック用ソレノイド618が励磁状態になると、ロック部材617の下端がロック片619から離れて係止が解除され、ラックギヤ615の下降が許容されるようになっている。このように、第3可動体610が上方の第3退避位置にあるときに、ロック部材617により下降が規制されるようになっていることで、第3可動体610の自重により第3可動体610が第3退避位置からずれ落ちてしまうことが防止されている。
第3可動体610は、正面視略横長長方形状をなし表示用開口302の上辺よりも若干短寸に形成され、左端がラックギヤ615の上部に支持されており、ラックギヤ615に左端が連結されたベース部材630と、前面に複数の第3発光LED(発光ダイオード)631が配設された第3LED基板632と、第3LED基板632の前面側に配設され第3発光LED631からの光を拡散しながら前側に出射させるレンズ板633及びレンズカバー634と、から主に構成される。尚、第3可動体610の詳細な構成については後述する。
図17〜図20に示すように、第4可動ユニット700は、第4可動体710と、該第4可動体710を第4退避位置と第4演出位置との間で上下方向に移動させる駆動機構と、から構成されている。駆動機構は、ベース枠301の前面上辺部に取り付けられる支持板305の前面に取り付けられるモータ取付板712に駆動軸(図示略)を前面側に向けた状態で取り付けられる第4スライドモータ711と、第4スライドモータ711の駆動軸(図示略)に固着される駆動ギヤ713と、モータ取付板712の前面に形成された回動軸(図示略)に軸支され駆動ギヤ713に噛合する中継ギヤ714と、中継ギヤ714に噛合され、支持板305の前面に設けられた上下方向を向くガイド溝306により左右方向に摺動可能に支持されるラックギヤ715と、から主に構成されている。
第4可動体710は、正面視略縦長長方形状をなし表示用開口302の左右辺とほぼ同寸に形成され、上端がラックギヤ715の左部に支持されており、ラックギヤ715に上端が連結されたベース部材730と、前面に複数の第4発光LED(発光ダイオード)731が配設された第4LED基板732と、第4LED基板732の前面側に配設され第4発光LED731からの光を拡散しながら前側に出射させるレンズ板733及びレンズカバー734と、から主に構成される。
図20に示すように、このように構成された第3可動体610は、ベース枠301の前面側に配設され、第4可動体710はベース枠301の背面側に配設されている。つまり、第3可動体610は第4可動体710よりも前側に配設されているため、第3可動体610を第3演出位置へ移動させるとともに第4可動体710を第4演出位置へ移動させたときに、該第3可動体610の一部が該第4可動体710の一部に前側で重なるようになっている。より詳しくは、第3可動体610の移動軌跡と第4可動体710の移動軌跡とは前後に重なるが、互いの移動軌跡が交差しないように配設されているため、双方を同時に移動させても互いに干渉しあうことはない。
尚、本実施例では、第3可動体610と第4可動体710とは前後に異なる位置に配置されて各々の移動範囲において互いに干渉しないように設けられていたが、例えば、第3可動体610及び第4可動体710双方が同時に移動しない、つまり、第3可動体610及び第4可動体710のうち一方が移動するときに、他方が一方を阻害(干渉)して一方が移動しないようにしてもよい。尚、このように他方の移動を阻害する阻害手段は、一方の移動に連動して他方に当接し該他方の移動を規制するリンク機構であってもよいし、一方の移動に応じて駆動して他方に当接し該他方の移動を規制するソレノイド等の駆動源を用いてもよい。
図22(A)(B)及び図23(A)には、第3可動体610及び第4可動体710の移動態様の一例が示されている。図22(A)に示すように、第3可動体610は、第3退避位置にあるときは、演出表示装置9の表示画面9aが臨む表示用開口302の上部に下辺の一部が重なる状態で上方に退避している。また、第4可動体710は、第4退避位置にあるときは、表示用開口302の左部に右辺が重なる状態で左側方に退避している。また、ラックギヤ615に形成されたロック片619がロック部材617の上部に係止されていることで、第3可動体610の下降が規制されている。
尚、本実施例では、第3可動体610は、第3退避位置にあるときにロック用ソレノイド618により下降が規制されるようになっており、第4可動体710は、第4退避位置にあるときに右方向への移動は規制されていないが、ロック用ソレノイド等により第4退避位置にあるときに右方向への移動が規制されるようにしてもよく、これにより、パチンコ遊技機1に外力が加えられたときや振動等によって第4退避位置から右方向へ移動してしまうことを防止できる。
第3可動体610を昇降動作させる場合は、まずロック用ソレノイド618を励磁してロック部材617をロック片619から退避させてロック状態を解除した後、第3スライドモータ611により駆動ギヤ613を回動させることで、中継ギヤ614を介してラックギヤ615を下降させることで、第3可動体610を下降させることができる。一方、第4可動体710を左右移動動作させる場合は、第4スライドモータ711により駆動ギヤ713を回動させることで、中継ギヤ714を介してラックギヤ715を右側に移動させることで、第4可動体710を右側に移動させることができる。
次に、第3可動体610及び第4可動体710の詳細な構造について、図21を用いて説明する。尚、第3可動体610及び第4可動体710は、上下左右の向きが異なるが構造はほぼ同様であるため、以下においては第3可動体610の詳細な構造について説明し、第4可動体710の詳細な構造についての詳細な説明は省略することとする。
図21に示すように、レンズカバー634は、透光性を有する(透明な)合成樹脂材にて形成されており、第3LED基板632の前面側を被覆する被覆部634aと、該被覆部634a背面における上辺、下辺、右側辺に沿って立設されるレンズ壁部634bと、により断面視略後向きコ字形に形成されている。被覆部634aの表面には凹凸加工が施されており、第3発光LED631からの光を拡散して前方に出射するようになっている。
被覆部634aの上下幅は、ベース部材630の上下幅よりも若干長寸であるため、ベース部材630と一体化された状態において、レンズ壁部634bはベース部材630の上下辺部よりも外側に配置される(図21(B)参照)。
また、図21(A)に示すように、被覆部634aにおける上下のレンズ壁部634bに対応する領域Tは、左右方向の中央部に形成される透過領域T1と、その左右側に延設される非透過領域T2と、からなる。
透過領域T1は、前面に凹凸加工が施されている。また、透過領域T1の左右幅寸法は、第4可動体710の上下方向の略中央位置における左右幅寸法よりも若干短寸とされている。一方、非透過領域T2は、前面に凹凸加工が施されておらず、かつ、非透光性の印刷層(図示略)が形成されているため、レンズ壁部634bの後端面から入射した光は前面側に出射されない。尚、非透過領域T2を透過領域としてもよい。
図23(A)に示すように、第3可動体610が第3演出位置まで移動し、かつ、第4可動体710が第4演出位置まで移動したときに、該第4可動体710の上下方向の略中央部の前側で、第3可動体610の左右方向の略中央部が重なるようになっている。尚、この第3可動体610と第4可動体710との重畳領域T3は、表示用開口302の略中央位置に配置されるようになっている。また、上下の透過領域T1は、第4可動体710の前側で重なることになる。
本実施例では、例えば、前述したような予告演出の一つとして、演出制御用CPU120は、第3可動体610を第3退避位置から第3演出位置へ移動させるとともに、第4可動体710を第4退避位置から第4演出位置へ同時に移動させることで、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なるようにしたときに、第3発光LED631や第4発光LED731を発光させる制御を行う発光演出を実行可能としている。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120が、図27にて後述する演出図柄変動開始処理におけるステップS821にて変動パターンに応じたプロセステーブルを選択するよりも前に、演出用乱数を用いて、当該表示結果や変動パターンに基づいて前述した合体演出や発光演出の実行の有無、動作態様や発光態様等の演出態様(予告パターン)を複数のうちからいずれかに決定し、予告演出の実行が決定された場合、選択された演出態様に応じた演出制御プロセスデータが選択され、演出図柄変動開始処理において演出図柄の変動中にこれら合体演出や発光演出等の予告演出が実行される。
尚、本実施例では、これら合体演出や発光演出は予告演出として実行されるようになっているが、例えば、大当り遊技中など、演出図柄の変動中以外において実行してもよいし、遊技状態が確率変動状態である可能性を示唆する演出、確率変動状態に移行するか否かを報知する昇確演出等にも適用可能である。
このように、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なることがあるだけでなく、重なったときに第3可動体610及び第4可動体710の少なくとも一方の発光LEDが発光することで、立体感がある発光演出を遊技者に提供することができるため、遊技の興趣が向上する。
尚、本実施例では、第3可動体610や第4可動体710が第3、第4退避位置から第3、第4演出位置に移動するまでは第3発光LED631や第4発光LED731を発光させず、第3、第4演出位置に到達してから第3発光LED631や第4発光LED731を発光させる発光演出を実行するようになっているが、第3、第4退避位置において第3発光LED631や第4発光LED731を発光させてもよいし、第3、第4退避位置から第3、第4演出位置に移動する間に第3発光LED631や第4発光LED731を発光させてもよい。
図24には、発光演出の態様例が示されている。演出制御用CPU120は、図24(A)に示すように、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、前側の第3可動体610の第3発光体631の全てを発光させて第3可動体610の前面全域を発光させることができる。この場合、前側の第3発光体631のみが発光するが、後側の第4可動体710がその中央部で第3可動体610に重なるように配置されていることで、第4発光LED731より前側の第3発光体631が発光していることが判りやすくなるので、立体感のある発光演出が実現される。また、特に第3可動体610の中央部の第3発光LED631の光が拡散して第4可動体710の前面が僅かに明るくなることで、立体感が向上する。
尚、本実施例では、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、前側の第3可動体610の第3発光体631の全てを発光させて第3可動体610の前面全域を発光させていたが、前側の第3可動体610の第3発光体631の一部を発光させて第3可動体610の前面の一部(例えば、左部、中央部、右部等)を部分的に発光させるようにしてもよい。
また、図24(B)に示すように、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、後側の第4可動体710の第4発光LED731の全てを発光させて第4可動体710の前面全域を発光させることができる。この場合、後側の第4発光LED731のみが発光するが、前側の第3可動体610がその中央部で第4可動体710の前側で重なるように配置されていることで、第3発光体631より後側の第4発光LED731が発光していることが判りやすくなるので、立体感のある発光演出が実現される。また、第4可動体710における重畳領域T3に対応する第4発光LED731が発光される場合、ベース部材630や第3LED基板631は非透光性部材であることから、その背面側から出射される第4発光LED731からの光は透過しないが、第3可動体610の中央部の上下縁辺付近から光が漏れるので、立体感のある発光演出が実現される。
尚、本実施例では、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、後側の第4可動体710の第4発光LED731の全てを発光させて第4可動体710の前面全域を発光させて第4可動体710の前面全域を発光させていたが、後側の第4可動体710の第4発光LED731の一部を発光させて第4可動体710の前面の一部(例えば、上部、中央部、下部等)を部分的に発光させるようにしてもよい。
さらに、図24(B)に示すように、第4可動体710における透過領域T1に対応する第4発光LED731が発光される場合、その背面側から出射される第4発光LED731からの光は、レンズ壁部634bを透過してその前面側の透過領域T1から光が出射されるので、立体感のある発光演出が実現される。
また、このように透過領域T1に対応する位置に第3発光体631を配設しなくても、後側にある第4発光LED731からの光を利用して前側にある透過領域T1を発光させることができるので製造コストを低減できるとともに、透過領域T1を構成するレンズ壁部634bのように、第3発光体631を配設しにくいレンズカバー634の縁辺部を発光させることが可能となるため、発光態様を多様化することができる。
また、図23(A)に示すように、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、前側の第3可動体610の第3発光LED631及び後側の第4可動体710の第4発光LED731双方の全てを発光させて第3可動体610及び第4可動体710の前面全域を発光させることができる。この場合、第3発光LED631と第4発光LED731との位置が前後に異なることで、光の出射位置が前後に異なるので、立体感のある発光演出が実現される。
また、第4可動体710における重畳領域T3に対応する第4発光LED731が発光される場合、ベース部材630や第3LED基板631は非透光性部材であることから、その背面側から出射される第4発光LED731からの光は透過しないが、第3可動体610の中央部の上下縁辺付近から光が漏れるので、立体感のある発光演出が実現される。
さらに、図23(A)に示すように、第4可動体710における透過領域T1に対応する第4発光LED731が発光されるため、その背面側から出射される第4発光LED731からの光は、レンズ壁部634bを透過してその前面側の透過領域T1から光が出射される。よって、透過領域T1に対応する位置に第3発光体631を配設しなくても、後側にある第4発光LED731からの光を利用して前側にある透過領域T1を発光させることができるので製造コストを低減できる。
また、透過領域T1を構成するレンズ壁部634bのように、第3発光体631を配設しにくいレンズカバー634の縁辺部を発光させることが可能となるため、第3可動体610における重畳領域T3に対応する領域の上辺部及び下辺部、つまり、第3可動体610の発光領域と第4可動体710の発光領域との境目に影ができることがなく、第3可動体610及び第4可動体710双方の発光領域が一体化されて見えるので、立体感、かつ、一体感のある発光演出を実現できる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、所定の動作を行う可動部材としての第3可動体600、第4可動体700と、第3可動体600、第4可動体700に設けられた発光手段としての第3発光LED631、第4発光LED731と、第3可動体600、第4可動体700の制御を行う可動部材制御手段としての演出制御用CPU120と、第3発光LED631、第4発光LED731の制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120)と、を備え、第3可動体600、第4可動体700は、第3退避位置(第1所定位置)から第3演出位置(第1特定位置)へ移動可能な第3可動体600(第1可動部材)と、第4退避位置(第2所定位置)から第4演出位置(第2特定位置)へ移動可能な第4可動体700(第2可動部材)と、を含み、例えば、予告演出の一つとして、演出制御用CPU120は、第3可動体610を第3退避位置から第3演出位置へ移動させるとともに、第4可動体710を第4退避位置から第4演出位置へ移動させることで、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なるようにしたときに、第3発光LED631や第4発光LED731を発光させる制御を行う発光演出を実行可能としている。
このようにすることで、第3可動体600の一部が第2可動部材の一部に前側で重なることがあるだけでなく、重なったときに第3可動体600及び第2可動部材の少なくとも一方の第3発光LED631、第4発光LED731が発光することで、立体感がある発光演出を遊技者に提供することができるため、遊技の興趣が向上する。
また、発光手段は、第3可動体600に設けられた第3発光LED631(第1発光手段)と、第4可動体710に設けられた第4発光LED731(第2発光手段)と、を含み、演出制御用CPU120は、図23(A)に示すように、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なっているときに、前側の第3可動体610の第3発光LED631及び後側の第4可動体710の第4発光LED731双方を発光させることができる。
このように、第3発光LED631及び第4発光LED731双方が発光することで立体感がある発光演出の演出効果を高めることができるとともに、重畳領域T3が発光しないことで遊技者に違和感を与えて遊技の興趣が低下することを防止できる。
また、第1可動部材及び第2可動部材のうち少なくとも一方(本実施例では、第3可動体600)に光を透過可能な透過部としてのレンズ壁部634b、透過領域T1が設けられ、該レンズ壁部634b、透過領域T1には第4可動体700に設けられた第4発光LED731からの光が入射されるようになっている。詳しくは、例えば、図23(B)に示すように、第4可動体710における透過領域T1に対応する第4発光LED731が発光される場合、その背面側から出射される第4発光LED731からの光は、レンズ壁部634bを透過してその前面側の透過領域T1から光が出射されるので、立体感のある発光演出が実現される。このようにすることで、他方の第4発光LED731が発光するだけでなく、この光により一方の第3可動体600のレンズ壁部634b、透過領域T1を発光させることができることで、立体感がある発光演出を遊技者に提供することができるため、遊技の興趣が向上する。
尚、本実施例では、第1可動部材としての第3可動体600に光を透過可能な透過部としてのレンズ壁部634b、透過領域T1が設けられ、該レンズ壁部634b、透過領域T1には第4可動体700に設けられた第4発光LED731からの光が入射されるようになっていたが、後側の第2可動部材としての第4可動体700に光を透過可能な透過部を設け、該透過部には前側の第3可動体600に設けられた第3発光LED631からの光が反射などにより入射されるようにしてもよい。この場合、例えば、前側の第3発光LED631からの光は後側の透過部を透過して第4可動体700の背面側から出射されるが、この光が例えば後側の表示画面9aを暗くしている場合には表示画面9aを照らすことになるので、立体感が生じる。また、透過部は第3可動体600や第4可動体700の縁部だけでなく、任意に位置に形成可能である。
尚、本実施例では、可動部材の一例として、第3退避位置と第3演出位置との間で上下方向にスライド移動可能な第3可動体600(第1可動部材)と、第4退避位置と第4演出位置との間で左右方向にスライド移動可能な第4可動体700(第2可動部材)とを記載しているが、これら第1可動部材と第2可動部材とは、所定の動作が可能であれば、上記のように直線往復移動可能に設けられたものに限定されるものではなく、第1可動体410や第2可動体510のように、一端を中心として揺動可能に設けられた可動部材であってもよく、動作態様は直線移動するものに限定されるものではない。また、第3可動体600と第4可動体700との形状も正面視略横長長方形状のものに限定されるものではない。
また、本実施例では、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なるようになっていたが、例えば、第3可動体610を第4可動体710よりも大きく形成し、演出位置において第3可動体610の一部と第4可動体710の全域とが重なるようにしてもよいが、この場合、それぞれの演出位置において、第3可動体610において第4可動体710と重なる位置の一部に透視領域を設け、第4可動体710の一部が視認不能となるように重ならない、つまり、第3可動体610により隠蔽されない領域があるようにすればよい。
さらに、例えば、第1可動部材と第2可動部材とを同形状に形成し、第1可動部材の全域と第2可動部材の全域とが重なるようにしてもよいが、この場合、それぞれの演出位置において、第1可動部材において第2可動部材と重なる位置の一部に透視領域を設け、第2可動部材の一部が視認不能となるように重ならない、つまり、第1可動部材により隠蔽されない領域があるようにすればよい。
また、本実施例では、第3可動体610と第4可動体710とが同時に移動して第3、第4演出位置に移動するようになっていたが、第3可動体610及び第4可動体710のうち一方が先に移動し、他方が後で移動するようにしてもよい。また、第3可動体610と第4可動体710との第3、第4演出位置までの移動距離、移動速度、移動態様は、上記実施例のように全て同じでなくても、それぞれ異なっていてもよい。
また、本実施例では、第3可動体610と第4可動体710とが第3、第4演出位置においてそれぞれの一部が前後に重なるようになっていたが、2以上の可動体のぞれぞれの一部が前後に重なるようにしてもよい。
また、第3可動体600と第4可動体700とは、退避位置において正面視でそれぞれ異なる位置、つまり、互いに前後方向に重畳しない位置に配置されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3可動体610を第3退避位置から第3演出位置へ移動させるとともに、第4可動体710を第4退避位置から第4演出位置へ移動させることで、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なるようになっていれば、例えば、第3可動体600と第4可動体700とは、第3退避位置または第4退避位置において互いの一部または全域が前後に重畳するように配置されていてもよい。
また、本実施例では、第3可動体600と第4可動体700とは、第3演出位置、第4演出位置において正面視十字形をなすように配置されるようになっていたが、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なるようになっていれば、例えば、正面視略T字形または逆T字形をなすように重なってもよく、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なる態様は、上記実施例に記載のものに限定されるものではない。さらに、本実施例では、第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なるようになっていたが、第4可動体710の一部が第3可動体610の一部に前側で重なるようにしてもよい。
また、本実施例では、第3可動体610の中央部が第4可動体710の中央部に前側で重なるようになっていたが、このように第3可動体610の一部が第4可動体710の一部に前側で重なるものに限定されるものではなく、例えば、第3可動体610の複数個所が第4可動体710の複数個所に前側でそれぞれ重なるようになっていてもよい。
また、本実施例では、前述した発光演出において、第3発光LED631や第4発光LED731の発光箇所を変化可能である例を記載したが、第3発光LED631や第4発光LED731の発光態様(例えば、発光色、輝度、点灯・点滅、点滅速度など)を複数のうちから選択するようにしてもよい。
また、本実施例では、第3可動体610及び第4可動体710の駆動制御は演出制御用CPU120が行っていたが、例えば、演出制御用CPU120とは別個に、演出制御用CPU120からの指令に基づいて第3可動体610及び第4可動体710の駆動制御を実行する駆動制御用コンピュータと、演出制御用CPU120からの指令に基づいて第3可動体610及び第4可動体710の駆動制御を実行する駆動制御用コンピュータと、演出制御用CPU120からの指令に基づいて第3発光LED631や第4発光LED731の発光制御を実行する駆動制御用コンピュータと、を設け、それぞれ別個の制御用コンピュータにより制御を行うようにしてもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図25は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ156へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56は、ROM54に記憶されているセキュリティチェックプログラムに従って、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。尚、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ156の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。尚、CPU56は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ(図示略)に対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施例で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ156は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
尚、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。尚、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施例では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。尚、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施例では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。尚、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。尚、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、排出異常フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(始動口情報記憶タイマや、入賞情報記憶タイマ、セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。尚、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板91から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施例では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(図示略)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路60を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路60にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路61を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路61に設定することによって、シリアル通信回路61に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路61を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路61の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施例では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路61において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
尚、この実施例では、タイマ割込とシリアル通信回路61からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
尚、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路60やシリアル通信回路61の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路61のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施例では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路61からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路61から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ156のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施例では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図26は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。
次いで、遊技機への電力供給開始時に役物(例えば、演出ユニット300に設けられた第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等)の初期動作を行う役物初期動作処理を実行する(ステップS708)。そして、役物初期動作処理を実行すると、その後、ステップS702に移行する。
図27は、演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120(具体的には、演出制御用CPU101)は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1態様で大入賞口への異常入賞の報知(以下、異常入賞1報知という)を行っていることを示す異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS823)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、音番号データ1、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS824A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS825のY)、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS826A)。つまり、第2態様で大入賞口への異常入賞の報知を行うことを示す異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施例では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、初期化処理が実行されたことを報知する初期化報知の実行中であることを示す初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8261)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(ステップS8261のY)、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8262)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、役物の初期動作の実行中であることを示す役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8263)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(ステップS8263のY)、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、および音番号データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8264)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が開始されるとともに、役物の初期動作が継続される。従って、この実施例では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が開始される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、演出用部品としての役物)の制御を実行する(ステップS827A)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、各役物を可動させるために、各種モータ420,427,524,545,611,711、ソレノイド618に対して駆動信号を出力する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS829)。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
図28は、演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120(具体的には、演出制御用CPU101)は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1態様で異常入賞の報知を行っていることを示す異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS845)。異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には(ステップS845のY)、演出制御用CPU120は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS846A)。つまり、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。よって、異常入賞1報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出が実行されるのではなく、異常入賞1報知に応じたランプの表示が継続される。従って、この実施例では、異常入賞1報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞1報知が実行されることになる。
また、第2態様で異常入賞の報知を行っていることを示す異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には(ステップS847のY)、演出制御用CPU120は、その次に設定されているプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS848A)。つまり、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。よって、異常入賞2報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞2報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施例では、異常入賞2報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに異常入賞2報知が実行されることになる。
異常入賞2報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8481)。初期化報知中フラグがセットされている場合には(ステップS8481のY)、演出制御用CPU120は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データiおよび可動部材制御データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8482)。つまり、初期化報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、初期化報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。従って、この実施例では、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに初期化報知が実行されることになる。
初期化報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8483)。役物初期動作中フラグがセットされている場合には(ステップS8483のY)、演出制御用CPU120は、その次に設定されているプロセスデータiのうち表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、および音番号データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS8484)。つまり、役物初期動作中フラグがセットされている場合には、役物の初期動作中であるので、演出図柄の変動表示が実行されるとともに、役物の初期動作が継続される。従って、この実施例では、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作が実行されることになる。
役物初期動作中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU120は、その次に設定されているプロセスデータi(表示制御実行データi、ランプ制御実行データi、音番号データi、および可動部材制御データi)にもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS849A)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS850)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(図示略)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、ステップS852に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図29は、報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、初期化報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3101)。初期化報知中フラグがセットされていれば(初期化報知中であれば)演出制御用CPU120は、初期化報知の実行期間を計測するための初期化報知タイマを1減算し(ステップS3102)、減算後の初期化報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3103)。初期化報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU120は、初期化報知に応じたランプ表示および音出力を停止し初期化報知を停止する(ステップS3104)。そして、演出制御用CPU120は、初期化報知中フラグをリセットする(ステップS3105)とともに、初期化報知の実行済みであることを示す初期化報知済フラグをセットする(ステップS3106)。
初期化報知中フラグがセットされていない場合には(ステップS3101のN)、演出制御用CPU120は、初期化コマンド(図25のステップS14参照)を受信しているか否かを確認する(ステップS3107)。初期化コマンドを受信していれば(ステップS3107のY)、演出制御用CPU120は、初期化報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3108)。また、演出制御用CPU120は、初期化報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3109)。よって、以後、初期化報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU120は、初期化報知中フラグをセットし(ステップS3110)、初期化報知タイマに30秒に対応する値をセットする(ステップS3111)。
以上のように、ステップS3101〜S3111の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ156側で初期化処理が実行され初期化コマンドを受信したことにもとづいて、30秒間にわたって初期化報知が実行される。
尚、この実施例では、初期化報知として初期化報知に応じたランプ表示および音出力を行う場合を示しているが、初期化報知の報知態様は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、さらに、初期化報知に応じた画面表示を行うことによって初期化報知を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、排出異常報知指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS3001)。排出異常報知指定コマンドを受信していれば(すなわち、排出異常が検出された場合には)、演出制御用CPU120は、排出異常報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3002)。さらに、演出制御用CPU120は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面(例えば、「排出異常」などの文字列を表示する画面)を重畳表示する指令をVDP262に出力する(ステップS3003)。VDP262は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する。よって、以後、排出異常報知に応じたランプ表示が行われるとともに、演出表示装置9に排出異常報知画面が重畳表示される。
尚、この実施例では、排出異常報知が開始されると、遊技機への電源供給が停止するまで排出異常報知が継続される。そして、遊技機への電源供給が停止したことにもとづいて排出異常報知を終了し、遊技機への電源供給復旧後には排出異常報知は実行されない。具体的には、この実施例では、排出異常報知の実行中に電源供給が停止しても、遊技機への電源供給の再開後に排出異常報知指定コマンドを再送するなどの処理は行われないので、電源復旧後には排出異常報知は再開されない。
また、この実施例では、排出異常報知として排出異常報知に応じたランプ表示と排出異常報知画面の表示とを行う場合を示しているが、排出異常報知の報知態様は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、さらに、排出異常報知に応じた音出力を行うことによって排出異常報知を実行するように構成してもよい。
排出異常報知指定コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3005)。異常入賞1報知中フラグがセットされていれば(異常入賞1報知中であれば)演出制御用CPU120は、異常入賞1報知の実行期間を計測するための異常入賞1報知タイマを1減算し(ステップS3006)、減算後の異常入賞1報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3007)。異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を停止し異常入賞1報知を停止する(ステップS3008)。そして、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知中フラグをリセットする(ステップS3009)。
異常入賞1報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3005のN)、または異常入賞1報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3007のN)には、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3010,S3011)。異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3010のY、ステップS3011のY)、すなわち大入賞口または第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞を20回検出した場合には、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3012)。よって、以後、異常入賞1報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU120は、異常入賞1報知中フラグをセットし(ステップS3013)、異常入賞1報知タイマに31秒に対応する値をセットする(ステップS3014)。
以上のように、ステップS3005〜S3014の処理が実行されることによって、異常入賞1報知指定コマンドまたは始動異常入賞1報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、31秒間にわたって異常入賞1報知が実行される。
尚、この実施例では、異常入賞1報知として異常入賞1報知に応じたランプ表示を行う場合を示しているが、異常入賞1報知の報知態様は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、さらに、異常入賞1報知に応じた画面表示や音出力を行うことによって異常入賞1報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施例では、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を20回検出した場合と第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞を20回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞1報知を行う場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。例えば、異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示および音出力を行う一方で、始動異常入賞1報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞1報知に応じたランプ表示のみを行うようにしてもよい。
異常入賞1報知指定コマンドおよび始動異常入賞1報知指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3015)。異常入賞2報知中フラグがセットされていれば(異常入賞2報知中であれば)演出制御用CPU120は、異常入賞2報知の実行期間を計測するための異常入賞2報知タイマを1減算し(ステップS3016)、減算後の異常入賞2報知タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS3017)。異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を停止し異常入賞2報知を停止する(ステップS3018)。そして、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知中フラグをリセットする(ステップS3019)。
異常入賞2報知中フラグがセットされていない場合(ステップS3015のN)、または異常入賞2報知タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS3017のN)には、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信しているか否かを確認する(ステップS3020,S3021)。異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信していれば(ステップS3020のY、ステップS3021のY)、すなわち大入賞口または第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞を50回検出した場合には、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS3022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC(図示略)は、入力された音データに対応したデータを音声データROM(図示略)から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。また、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS3023)。よって、以後、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力が行われる。そして、演出制御用CPU120は、異常入賞2報知中フラグをセットし(ステップS3024)、異常入賞2報知タイマに300秒に対応する値をセットする(ステップS3025)。
以上のように、ステップS3015〜S3025の処理が実行されることによって、異常入賞2報知指定コマンドまたは始動異常入賞2報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、300秒間にわたって異常入賞2報知が実行される。
尚、この実施例では、異常入賞2報知として異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力を行う場合を示しているが、異常入賞2報知の報知態様は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、さらに、異常入賞2報知に応じた画面表示を行うことによって異常入賞2報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施例では、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合と始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合とで(すなわち、大入賞口への異常入賞を50回検出した場合と始動入賞口13a、13bへの異常入賞を50回検出した場合とで)、共通の態様で異常入賞2報知を行う場合を示しているが、異常入賞報知の態様を異ならせてもよい。例えば、異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じた画像表示、ランプ表示および音出力を行う一方で、始動異常入賞2報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞2報知に応じたランプ表示および音出力のみを行うようにしてもよい。
また、この実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ156側で大入賞口や第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞の発生回数をカウントして、20回検出したタイミングで異常入賞1報知指定コマンドや始動異常入賞1報知指定コマンドを送信し、50回検出したタイミングで異常入賞2報知指定コマンドや始動異常入賞2報知指定コマンドを送信する場合を示しているが、この実施例で示した処理方法にかぎらず、例えば、演出制御用CPU120側で大入賞口や第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞の発生回数をカウントするように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大入賞口や第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bへの異常入賞を検出するごとに、異常入賞を検出することを示す異常入賞コマンドを送信するようにし、演出制御用CPU120側で、その異常入賞コマンドの受信回数をカウントするようにしてもよい。そして、演出制御用CPU120は、異常入賞コマンドの受信回数が20回となれば異常入賞1報知を実行し、異常入賞コマンドの受信回数が50回となれば異常入賞2報知を実行するようにすればよい。
以上に説明したように、この実施例によれば、入賞領域(本例では、始動入賞口13a、13b、大入賞口)に入賞した遊技球を検出可能な入賞検出部(本例では、始動口スイッチ14a、15a、カウントスイッチ23)と、入賞領域に入賞した後に入賞検出部を通過した遊技球を検出可能な入賞確認部(図示略)とを備える。そして、入賞検出部で検出された遊技球の数と入賞確認部で検出された遊技球の数との差分が所定数(本例では、10個)以上となる差分異常(本例では、排出異常)が発生したことにもとづいて、異常情報(本例では、セキュリティ信号)を外部出力するとともに、差分異常が発生したことにもとづいて異常報知(本例では、排出異常報知)を実行する。また、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合には、初期化処理が実行されたか否かに応じて、遊技機への電力供給が再開されてから異なる期間にわたって異常情報を外部出力する(本例では、電源復旧後、初期化処理が実行された場合には30秒間だけセキュリティ信号が外部出力され、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行された場合には、次に初期化処理が実行されるまでセキュリティ信号の外部出力が継続される)。また、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止し、初期化処理が実行されることなく遊技機への電力供給が再開された場合には、異常報知を実行しないように構成されている。そのため、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止して再度電力供給が開始されたときに、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを外部から認識可能とすることができる。
例えば、図28および図29で説明したように、電波などを用いた不正行為が行われ排出異常報知が開始された場合には、排出異常報知を終わらせるために遊技機の電源を再投入されることが考えられる。この場合、一般に、遊技店員などによって正規に遊技機の電源投入が行われる場合には、クリアスイッチを押下した状態で電源投入が行われるのが通常であり、遊技機への電源投入とともに初期化処理が実行される。一方で、不正に遊技機の電源が再投入される場合には、クリアスイッチの押下まで行った状態で電源投入することは難しいと思われ、初期化処理が実行されず停電復帰処理が実行されて遊技機が起動される。そこで、この実施例では、初期化処理が実行されて遊技機が起動された場合には30秒間だけセキュリティ信号を外部出力するのに対して、初期化処理が実行されずに遊技機が起動された場合には、次に初期化処理が実行されないかぎりセキュリティ信号の外部出力が延々と継続されるので、不正者にとっては見た目上は排出異常報知が終了したように見えても、ホール側ではセキュリティ信号の出力状態を確認することにより、排出異常が生じている状態であるか否かを認識可能とすることができる。従って、たとえ不正者によって電源の再投入が行われたとしても排出異常の有無を認識可能とすることができ、不正行為の防止を強化することができる。
尚、この実施例では、入賞検出部(本例では、始動口スイッチ13a、13b、カウントスイッチ23)で検出された遊技球の数と、入賞確認部で検出された遊技球の数との差分にもとづいて排出異常を判定する場合を示しているが、排出異常の判定の仕方は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、入賞検出部での検出タイミングを示す情報と入賞確認部での検出タイミングを示す情報とを記憶しておくようにし、その検出タイミングの順番にもとづいて排出異常が発生したか否かを判定するように構成してもよい。すなわち、この実施例では、入賞検出部の方が入賞確認部よりも前段に設けられているので、まず入賞検出部で遊技球を検出した後に入賞確認部で遊技球を検出する筈である。従って、もし入賞確認部で遊技球を検出した後に入賞検出部で遊技球を検出するような事態が生じた場合には何らかの不正が行われたと推測することが可能であり、排出異常が発生したと判定することができる。そのように構成することにより、例えば、遊技球を糸などを用いて吊った状態で大入賞口や第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bに挿入して恰も入賞が発生したかのように見せる不正行為も防止することができる。
また、この実施例では、排出異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止した後、遊技機への電力供給が開始された場合には、一律に停電復旧後は排出異常報知を実行しないように構成しているが、少なくとも不正者に排出異常報知が消えたように見せればよいのであるから、初期化処理が実行されずに停電復旧した場合にのみ排出異常報知を実行しないようにすればよく、初期化処理が実行された場合には排出異常報知を実行してもよい。例えば、遊技機への電源供給が開始され初期化処理が実行された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156から排出異常報知指定コマンドを送信するようにし、所定期間(例えば、30秒)だけ排出異常報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施例によれば、異常情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合に、初期化処理が実行された場合には所定期間(本例では、30秒)が経過するまで異常情報を外部出力し、初期化処理が実行されなかった場合には初期化処理が実行されるまで異常情報を外部出力する。そのため、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを容易に外部から認識可能とすることができる。
また、この実施例によれば、入賞領域に遊技球が入賞不可能な閉鎖状態と遊技球が入賞容易な開放状態とに変化可能な可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20)を備える。また、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が入賞する異常入賞が発生したか否かを判定する。そして、異常入賞が発生したと判定された場合にも、差分異常が発生した場合と共通の出力端子(本例では、ターミナル基板91の共通のコネクタ)を用いて異常情報を外部出力可能であり、異常入賞が発生したことにもとづいて異常情報を外部出力しているときに差分異常が発生した場合には、差分異常の発生にもとづく異常情報の外部出力の制御に切り替える。そのため、差分異常(本例では、排出異常)の発生だけでなく異常入賞の発生も外部から認識可能とするとともに、出力端子の共通化によって差分異常や異常入賞の発生を認識可能とするための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、この実施例によれば、異常入賞が発生したと判定された場合にも異常報知(本例では、異常入賞1報知、異常入賞2報知)を実行可能である。また、異常入賞が発生した場合には、第1態様の異常報知を実行し(本例では、異常入賞1報知ではランプのみを用いた報知を行い、異常入賞2報知ではランプおよび音を用いた報知を行う)、差分異常が発生した場合には、第1態様と比較して外部から認識しやすい第2態様の異常報知を実行する(本例では、ランプを用いた報知に加えて、排出異常報知画面の表示を行う)。そのため、緊急性が高い差分異常をより目立つ態様で報知することができる。
尚、「外部から認識しやすい」態様で報知とは、例えば、演出表示装置9の表示画面において報知画面を表示するなど外部の遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様で報知することである。尚、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、この実施例で示したものにかぎらず、例えば、同じ演出表示装置9の表示画面に表示して報知する場合であっても、報知画面の表示領域を広くすることによって表示してもよい。また、例えば、同じランプを用いた報知を行う場合であっても点灯または点滅するランプの数を多くしたり、同じスピーカ27を用いた報知を行う場合であっても報知音を大きくしたりするなど、遊技者や遊技店員から見て容易に認識できる態様であれば、外部から認識しやすい態様で報知での報知といえる。
また、この実施例によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数(本例では、20個)入賞した場合には、第1態様の異常入賞報知(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知)を実行し、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数(本例では、50個)入賞した場合には、第1態様とは異なる第2態様の異常入賞報知(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知)を実行する。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
尚、この実施例では、第1所定数として20個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として50個となったときに異常入賞2報知を実行する場合を示したが、第1所定数と第2所定数とは、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、第1所定数として30個となったときに異常入賞1報知を実行し、第2所定数として70個となったときに異常入賞2報知を実行するなど、第1所定数および第2所定数として様々な値を選択可能である。
また、この実施例によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間(本例では、31秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了し(本例では、ランプのみを用いた異常入賞1報知を終了する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、異常入賞が発生したと判定されてから所定期間よりも長い特定期間(本例では、300秒)経過後に異常入賞報知の実行を終了する(本例では、ランプおよび音を用いた異常入賞2報知を終了する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより長い期間報知して認識しやすくすることができる。
尚、この実施例では、所定期間として31秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として300秒間異常入賞2報知を実行する場合を示しているが、所定期間と特定期間とは、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、所定期間として50秒間異常入賞1報知を実行し、特定期間として500秒間異常入賞2報知を実行するなど、所定期間および特定期間として様々な期間を選択可能である。
また、この実施例によれば、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)を用いた異常入賞報知を実行し(本例では、異常入賞1報知を実行する)、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域に遊技球が第1所定数より多い第2所定数入賞した場合には、第1演出手段(本例では、ランプ)および第2演出手段(本例では、スピーカ27)を用いた異常入賞報知を実行する(本例では、異常入賞2報知を実行する)。そのため、可変入賞装置が閉鎖状態であるときに入賞領域へのより多くの入賞を検出した緊急性が高い異常入賞をより目立つ態様で報知することができる。
図32は、役物初期動作処理(ステップS708)を示すフローチャートである。役物初期動作処理において、演出制御用CPU120は、まず、役物の初期動作を実行済みであることを示す役物初期動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3501)。役物初期動作済フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。役物初期動作済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、初期化報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3502)。初期化報知済フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。初期化報知済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、役物初期動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3503)。
役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU120は、モータ420,427,524,545,611,711、ソレノイド618、ソレノイド618への駆動信号の出力を開始して、役物の可動を開始させる(ステップS3504)。そして、演出制御用CPU120は、役物初期動作中フラグをセットする(ステップS3505)。
役物初期動作中フラグがセットされていれば(すなわち、役物の初期動作の実行中であれば)、演出制御用CPU120は、役物が初期位置まで移動したことを検出したか否かを確認する(ステップS3506)。例えば、この実施例では、遊技領域において第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等の役物の初期位置に初期位置センサ(例えば、フォトセンサ)が設けられており、初期位置センサからの検出信号を入力すると、演出制御用CPU120は、役物が初期位置まで移動したと判定する。
役物が初期位置まで移動したと判定すると、演出制御用CPU120は、モータ420,427,524,545,611,711、ソレノイド618、ソレノイド618への駆動信号の出力を停止して、役物の可動を停止させる(ステップS3507)。そして、演出制御用CPU120は、役物初期動作中フラグをリセットする(ステップS3508)とともに、役物の初期動作の実行済みであることを示す役物初期動作済フラグをセットする(ステップS3509)。尚、以降、役物初期動作済フラグがセットされていることにもとづいて、ステップS3501でYと判定され、ステップS3502以降の処理が実行されることはない。従って、ステップS3502以降の役物の初期動作を行う処理は、遊技機への電力供給が開始され初期化処理および初期化報知が実行された後に1回だけ実行されることになる。
尚、この実施例では、複数の役物が設けられているので、より正確には、演出制御用CPU120は、全ての役物についてステップS3506,S3507の処理を実行して可動を停止した後に、ステップS3508,S3509の処理に移行して役物初期動作中フラグをリセットするとともに役物初期動作済フラグをセットする。
以上の処理が実行されることによって、遊技機への電力供給が開始され初期化処理が実行されたときに、第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等の役物の初期動作が実行される。また、この実施例では、ステップS3502で初期化報知済フラグがセットされていることを条件にステップS3503以降の処理に移行して役物の初期動作が実行されるので、初期化処理の実行を終了して初期化報知の実行を終了した後に、役物の初期動作が実行される。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
また、遊技機への電力供給が開始された後、初期化処理および初期化報知を実行し、さらに役物の初期動作を終了するまでには、ある程度の時間がかかるのであるが、初期化処理を終了し遊技制御処理を実行可能な状態となると、初期化処理や役物の初期動作を終了していなくても遊技を開始可能な状態となることになる。そのため、役物の初期動作の開始タイミングとなったときに既に遊技が開始され演出図柄の変動表示の実行中であるというケースもありうる。この実施例では、役物初期動作処理において、役物の初期動作を開始するにあたって、特に演出図柄の変動表示中であるか否かを区別することなく、そのままステップS3504の処理に移行して役物の初期動作を開始するように構成されている。つまり、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても役物の初期動作を実行することができる。
以上に説明したように、この実施例によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立(本例では、クリアスイッチのオン)にもとづいて変動データ記憶手段(本例では、バックアップRAM)の記憶内容を初期化する初期化処理を実行し、初期化処理が実行されたことにもとづいて初期化報知を実行する。また、遊技機への電力供給が開始されたことにもとづいて、役物の初期動作を実行する。そして、この場合、初期化処理の実行を終了した後に、役物の初期動作を実行する。そのため、初期化処理が実行されたときに初期化報知と役物の初期動作とにかかる電力消費を分散することができる。
例えば、この実施例では、ランプおよびスピーカ27を用いて初期化報知を行うのであるが、一般に遊技機においてはスピーカ27で消費される電力が最も大きく代替手段もないため省力化に限界がある。また、役物の初期動作を実行する場合にはモータ420,427,524,545,611,711、ソレノイド618、ソレノイド618の消費電力が大きい。さらに初期化報知などにおいてランプやLEDを点灯すれば消費電力がさらに大きくなる。そのため、初期化処理と役物の初期動作とを重複したタイミングで実行してしまうと、一時的に電力消費が著しく大きくなり遊技店などの電源に余裕がない事態などが生じてしまうおそれがあり、遊技機が瞬停状態に陥るおそれが高くなる。また、一時的に電力消費が大きくなると過電流などにより遊技機内の各回路が損傷するおそれも生じる。そのため、過電流などにより回路が損傷しにくくなるように回路設計を行う必要が生じることになる。さらに、遊技機内部においても、一時的にスピーカ27やモータ420,427,524,545,611,711、ソレノイド618、ソレノイド618での電力消費が集中すると、例えば、ランプや演出表示装置9(液晶表示装置)に供給される電力が不足し、遊技演出を正常に行えなくなるなどの弊害を生じるおそれもある。そこで、この実施例では、初期化処理の実行を終了した後に役物の初期動作を実行するように構成されているので、初期化処理と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止し、回路設計にコストをかけることなく、電力消費を分散できるようにしている。
また、この実施例によれば、遊技中に少なくとも音出力手段(本例では、スピーカ27)を用いた音出力による演出を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じた音出力を可能である)とともに、音出力手段を用いた音出力を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、音出力手段を用いた音出力による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じた音出力が継続される)。そのため、初期化報知と音出力手段を用いた音出力による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施例によれば、遊技中に少なくとも発光手段(本例では、ランプ)を用いた発光表示による演出(例えば、発光演出)を実行可能である(本例では、演出図柄の変動表示において、変動表示に応じたランプ表示を可能である)とともに、発光手段を用いた発光表示を伴う初期化報知を実行する。そして、初期化報知が実行されているときには、発光手段を用いた発光表示による演出を実行しない(本例では、演出図柄の変動表示中であっても、初期化報知に応じたランプ表示が継続される)。そのため、初期化報知と発光手段を用いた発光表示による演出とが重複したタイミングで実行されることを防止し、電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
また、この実施例によれば、初期化報知の実行中に演出図柄の変動表示が開始されるときには、その演出図柄の可変表示とともに初期化報知を実行する。また、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても初期化報知や役物の初期動作を実行することができる。
尚、この実施例で示したように、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とを並行して実行可能に構成してしまうと、初期動作のために役物を可動しているにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうおそれがある。そこで、この実施例のように演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行可能に構成した場合には、役物の初期動作の実行中に、例えば「役物初期動作中」などの文字列を表示して役物の初期動作中であることを報知するようにすることが望ましい。そのようにすれば、役物の初期動作の実行中であるにもかかわらず、その役物の可動が大当りやリーチなどの予告を表しているものと誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上記のような誤解が生じないようにするために、例えば、役物の初期動作の実行中に演出図柄の変動表示を開始する場合には、その演出図柄の変動表示において予告演出を実行しないように制限したり予告演出をキャンセルしたりするように構成してもよい。
また、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときでも、その演出図柄の変動表示とともに役物の初期動作を実行するように構成していたが、役物の初期動作を制限するように構成してもよい。以下、演出図柄の変動表示中には役物の初期動作を制限する変形例について説明する。
図33は、変形例としての役物初期動作処理(ステップS708)を示すフローチャートである。この実施例では、役物初期動作処理において、ステップS3503で役物初期動作中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ役物の初期動作の実行中でなければ)、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中であるか否かを確認する(ステップS3503A)。尚、演出図柄の変動表示中であるか否かは、例えば、演出図柄変動開始処理のステップS828でセットされる変動時間タイマの値が0であるか否かを確認し、変動時間タイマの値が0でなければ演出図柄の変動表示中であると判定することができる。また、例えば、演出図柄プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理〜演出図柄変動停止処理であることを示す1〜3の値となっているときに演出図柄の変動表示中であると判定してもよい。
演出図柄の変動表示中でなければ(ステップS3503AのN)、演出制御用CPU120は、ステップS3504に移行し、役物の初期動作の実行を開始する。演出図柄の変動表示中であれば(ステップS3503AのY)、演出制御用CPU120は、そのまま処理を終了する。すなわち、演出図柄の変動表示中である場合には役物の初期動作を開始せず、役物の初期動作の実行を制限する。
以上に説明したように、この変形例によれば、役物の初期動作を開始するにあたって演出図柄の変動表示が実行されているときには、役物の初期動作の実行を制限する。そのため、演出図柄の変動表示が実行される場合であっても、演出図柄の変動表示を終了した後に役物の初期動作を実行することができる。また、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることを防止できるので、より電力消費が集中してしまうことを防止することができる。
尚、この変形例では、役物の初期動作の開始タイミングでのみ演出図柄の変動表示中であるか否かを確認し、演出図柄の変動表示中であれば役物の初期動作を開始しないように制御する場合を示したが、役物の初期動作の制限態様は、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、さらに役物の初期動作の実行中の途中から演出図柄の変動表示が開始されたか否かも確認するようにし、演出図柄の変動表示が開始された場合には役物の初期動作を中断するように構成してもよい。そのように構成すれば、演出図柄の変動表示と役物の初期動作とが重複したタイミングで実行されることをより確実に防止することができる。
また、例えば、演出図柄の変動表示が複数回連続して実行されるようなケースでは、所定回数(例えば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、演出図柄の変動表示の実行中であっても強制的に役物の初期動作を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、役物の初期動作が全く実行できなくなってしまうような事態を防止することができる。
また、逆に、電力消費の集中防止を重視し、演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できない場合には、役物の初期動作を全く実行しないように構成してもよい。この場合、例えば、所定回数(例えば、3回)演出図柄の変動表示が連続して役物の初期動作を開始できなかった場合には、役物の初期動作を実行していなくても、役物初期動作済フラグをセットし、以降、強制的に役物の初期動作を実行しないように構成してもよい。
また、上記の各実施例で示した排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力する構成や、初期化報知および役物の初期動作を実行する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施例で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施例の構成を適用し、排出異常や異常入賞の検出および初期化処理の実行にもとづいてセキュリティ信号を外部出力したり、初期化報知および役物の初期動作を実行するように構成してもよい。
また、前記実施例では、演出ユニット300に設けられた第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等は、演出表示装置9の前面側に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置9の前面以外に配設されていてもよく、配設位置は種々に変更可能である。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1を例示したが、これら以外の遊技機、例えば、遊技媒体が遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ球やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ球やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ球やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ球やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、本発明の遊技機の他の例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシンや、パチンコ遊技機や雀球遊技機等にも適用可能である。また、遊技者所有の遊技用価値としてのメダルの一部(例えば、50枚まで)をクレジットとして記憶可能であり、メダルまたはクレジットを用いることで遊技(ゲーム)を行うことができるようになっていたが、例えば貸出要求に応じて貸し出された価値や入賞に応じて付与された価値を全てクレジットとして記憶し、該クレジットのみの使用で遊技を行うことが可能な遊技機であってもよく、この場合、遊技用価値とはクレジットにあたる。
また、本発明は、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、例えば入賞や大当り等の発生など遊技を行うことにより成立する所定条件の成立にもとづいて有価価値を付与する遊技機にも適用可能である。
また、スロットマシンに第1可動体410、第2可動体510、第3可動体610、第4可動体710等の役物を配設する場合、例えば、図柄の変動を行う変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器)等の表示画面の前面等に配設してもよいし、遊技に関連する演出画像を表示する演出表示装置の表示画面の前面等に配設してもよい。
尚、前記実施例にて説明した可動演出や発光演出は、スロットマシンにおいて、例えば、多くのメダルを獲得できる遊技者にとって有利なビッグボーナスやレギュラーボーナス、再遊技役の発生確率が通常よりも高い確率とされたリプレイタイム(RT)、ストップスイッチの操作順序が報知されるアシストタイム等の実行が決定されたか否かを予告する予告演出や、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、リプレイタイム、アシストタイムの実行期間における演出等に適用することが可能である。