JP6269995B1 - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】1対のアームで支持された従動部材の姿勢を高い自由度で設定することができる遊技機の提供を目的とする。【解決手段】本発明のパチンコ遊技機10は、板状ベース83にそれぞれ回転可能に支持されて回転駆動される第1と第2のアーム81,82を備えていると共に、第2のアーム82の先端部が回転可能かつスライド可能に連結される一方、第1のアーム81の先端部が回転のみ可能に連結された第3演出部材33を備えている。【選択図】図27

Description

本発明は、ベース部材に回動可能に支持された1対のアームの先端部を従動部材に回転可能に連結した機構を有する遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、従動部材と1対のアームとベース部材とによって平行リンクを構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−236086号公報(段落[0024]〜[0026]、図6及び図7)
ところで、平行リンクでは、従動部材の姿勢を一定に保って移動することができるが、従動部材の姿勢を変化させることが必要になる場合もある。これに対し、一般的には非平行リンクが採用されるが、非平行リンクでは、従動部材の姿勢の設定の自由度が低すぎるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、1対のアームで支持された従動部材の姿勢を高い自由度で設定することができる遊技機の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、ベース部材にそれぞれ回転可能に支持されて回転駆動される第1と第2のアームと、前記第2のアームの先端部が回転可能かつスライド可能に連結される一方、前記第1のアームの先端部が回転のみ可能に連結された従動部材とを備え、前記第1のアームの基端部と一体回転する第1ピニオンと、前記第2のアームの基端部と一体回転する第2ピニオンと、前記第1ピニオンに噛合する第1ラックと前記第2ピニオンに噛合する第2ラックとを一体に又は固定して備え、直線移動するように駆動されるスライド部材と、を備える遊技機である。
また、上記目的を達成するための発明として、「ベース部材にそれぞれ回転可能に支持されて回転駆動される第1と第2のアームと、前記第2のアームの先端部が回転可能かつスライド可能に連結される一方、前記第1のアームの先端部が回転のみ可能に連結された従動部材とを備える遊技機。」とすることも考えられる。
本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図 遊技板の正面図 遊技機の正面図 可動演出部材を正面顔に見せた可動役物の正面図 休止状態の可動役物の正面図 可動演出部材を鼻先下がり横顔に見せた可動役物の正面図 可動演出部材を口を閉じた横顔に見せた可動役物の正面図 可動演出部材を口を開いた横顔に見せた可動役物の正面図 可動演出部材を口を開いた横顔に見せた可動役物の正面図 モニタ支持枠の斜視図 モニタ支持枠に収容された可動役物の斜視図 中継スライダと駆動レバーの正面図 中継スライダと駆動レバーの正面図 中継スライダと従動スライダの側面図 可動役物の背面図 駆動源と駆動レバーの取付部分の背面図 架橋部材と従動スライダの連結部分の斜視図 休止状態の可動役物の背面図 可動演出部材を鼻先下がり横顔に見せた可動役物の背面図 可動演出部材を鼻先上がり横顔に見せた可動役物の背面図 可動演出部材を口を開く途中の横顔に見せた可動役物の背面図 可動演出部材を口を開いた横顔に見せた可動役物の背面図 第3演出部材が第1出現位置に配置されたときの第2機構ユニットの後面図 第3演出部材が収納位置に配置されたときの第2機構ユニットの後面図 第3演出部材が第2出現位置に配置されたときの第2機構ユニットの後面図 第3演出部材の動作を示した概念図 第3演出部材の動作を示した概念図 第3機構ユニットの後面側斜視図 第3機構ユニットの背面図 遊技機の制御系統を示したブロック図 可動演出処理プログラムのフローチャート 可動演出処理プログラムのフローチャート
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図32に基づいて説明する。本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、図1に示した前面のガラス窓10Wを通して図2に示した遊技板11の遊技領域R1を視認することができるようになっている。
遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出したレール部材12によって囲まれ、レール部材12の左上部には進入口12Aが設けられている。そして、遊技機10の前面右下の操作ハンドル28(図1参照)を操作すると、その操作量に応じた強度で遊技球が進入口12Aから遊技領域R1内に打ち込まれて流下する。
遊技領域R1内には、略四角形の演出表示窓13が形成されている。そして、液晶モニタ14の液晶表示画面14Gが、演出表示窓13の奥部から前方に臨んでいて、その液晶表示画面14Gと遊技板11との間の空間内で可動役物30(図3参照)による可動演出が行われる。可動役物30の構成に関しては、後に詳説する。
演出表示窓13には、前方から装飾枠15が嵌め込まれていて、演出表示窓13の上辺部と両側辺部とから演出表示窓13内に遊技球が進入することを規制している。また、装飾枠15の上辺部とレール部材12との間には遊技球1球分の幅の上部通路R2が形成されている。そして、操作ハンドル28の操作量を調整することで、上部通路R2より右側に遊技球を流下させる右打ちと、上部通路R2より左側に遊技球を流下させる左打ちとに打ち分けることができる。
装飾枠15のうち演出表示窓13の下辺内面を覆った部分は、遊技球が転動可能なステージ21になっている。また、装飾枠15の一側辺下端部にはワープ孔21Aが設けられ、そこからステージ21上に遊技球が進入して後述する第1始動入賞口16Aの上方位置から排出されるようになっている。また、ステージ21の後縁部からは、ステージ後部壁21Bが起立している。なお、ステージ後部壁21Bの上縁部は前方に折れ曲がってステージ21を上方から覆う庇状になっている。
遊技領域R1のうち演出表示窓13の下方領域における左右方向の略中央には第1始動入賞口16Aが設けられ、その第1始動入賞口16Aに対し、真下にはアウト口17、左側方には複数の普通入賞口18、右側方には大入賞口19が設けられている。また、遊技領域R1の右側領域のうち大入賞口19の上方には、第2始動入賞口16Bが設けられ、その第2始動入賞口16Bの上方には、始動ゲート22が設けられている。なお、大入賞口19と第2始動入賞口16Bとの間にも普通入賞口18が備えられている。
また、第2始動入賞口16B及び大入賞口19は、開閉扉16T,19Tを有して、通常は閉塞されている。そして、始動ゲート22を遊技球が通過すると、それに起因して「普図判定」と呼ばれる当否判定が行われる。その判定結果は液晶表示画面14Gにて報知され、そこで当りになると第2始動入賞口16Bが開く。
さらに、第1及び第2の始動入賞口16A,16Bに遊技球が入賞すると、それに起因して行われる「特図判定」と呼ばれる当否判定が行われる。その判定結果は、液晶表示画面14Gに3つの特別図柄14A,14B,14Cの変動表示後に停止表示したときの図柄組み合わせによって報知される。また、そこで当り(これを「大当り」という)になると、大入賞口19が所定期間に亘って開く大当り遊技が実行される。なお、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、アウト口17に取り込まれる。また、遊技領域R1全体には、複数の障害釘23が打ち込まれている。
各入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞数に応じた賞球が遊技機10の前面の上皿27(図1参照)に払い出される。その際の入賞球1球当りの賞球数は、大入賞口19が、他の入賞口より多くなっている。また、第1始動入賞口16Aには、遊技領域R1の左側領域を流下した遊技球は入賞し得るが、右側領域を流下した遊技球が第1始動入賞口16Aに入賞する確率は極めて低い。第2始動入賞口16Bは、その逆になっている。また、通常状態は、普図判定で当りになっても第2始動入賞口16Bの開閉扉16Tの開放時間は極めて短く、第2始動入賞口16Bへの入賞確率は極めて低い。さらに、大当りには「確変付き大当り」が設けられていて、確変付き大当りを引き当てて「確変状態」になると、特図判定で大当りになる確率が高くなりかつ、普図判定の当りによる第2始動入賞口16Bの開放時間が長くなる。そうすると、右打ちを行って第2始動入賞口16Bに遊技球を入賞させることが容易になると共に、右打ちを維持して大当り遊技を行えるので、通常状態に比べて格段に多くの賞球を獲得することが可能になる。
さて、本実施形態の遊技機10は、上記した通常状態や確変状態等の様々な状態の変化を演出するために、液晶表示画面14Gにキャラクター画像14Xやアイテム画像14Y等を表示する画像演出を行う。そして、この画像演出に加えて、図3に示すように、液晶表示画面14Gの前方で画像演出に登場するキャラクター等を模した可動演出部材30A,30Bを動作させる可動演出も可動役物30によって行う。
具体的には、図2に示すように、演出画像として、液晶表示画面14Gには、キャラクター画像14Xとしての「変身ヒーロー」が、アイテム画像14Yとしての「剣」を扱って敵(図示せず)と戦う画像が表示される。それに対し、可動役物30は、図9及び図4に示すように、キャラクター画像14Xを模したレリーフである「顔」の可動演出部材30Aと、アイテム画像14Yを模したレリーフである「剣」の可動演出部材30Bとを液晶表示画面14Gの前方に出現させる可動演出を行う。
図6に示すように、「顔」の可動演出部材30Aは、「顔」の第1構成要素30Xとしての「目」を含んだ顔上部のレリーフである第1演出部材31と、第2構成要素30Yとしての「鼻」を含んだ顔中央部のレリーフである第2演出部材32と、下顎のレリーフである第3演出部材33とに分割されている。また、第1演出部材31は、第2演出部材32に対して可動状態に連結される一方、第3演出部材33は、第1及び第2の演出部材31,32から分離されている。そして、通常は、図5に示すように、第1と第2の演出部材31,32が前後に重ねられて演出表示窓13の上側後方位置で待機し、第3演出部材33が、演出表示窓13の下側後方位置で待機している。また、「剣」の可動演出部材30Bは、上下方向に延びた形状をなして、通常は、演出表示窓13の左側後方位置で待機している。そして、所定の遊技状態になると、図3に示すように、第1と第2の演出部材31,32が上下に展開した状態になって液晶表示画面14Gの前方に出現する共に、第3演出部材33が第2演出部材32の下方に隣接する位置に出現して、遊技者にキャラクターの「顔」を見せる可動演出が行われる。さらに、所定の条件が満たされると、図4に示すように、「剣」の可動演出部材30Bが右側にスライドして「顔」の可動演出部材30Aの一部を前方から覆い隠す可動演出が行われる。
第1及び第2の演出部材31,32は第1機構ユニット41によって駆動され、第3演出部材33は第2機構ユニット80によって駆動され、「剣」の可動演出部材30Bは、第3機構ユニット90によって駆動される。即ち、可動役物30は、第1〜第3の駆動ユニット41,80,90に分割されている。また、これら第1〜第3の駆動ユニット41,80,90は図11に示すようにモニタ支持枠24内に組み付けられている。
図10に示すように、モニタ支持枠24は、前後より上下左右に大きく扁平な筐体構造をなし、前面全体が開口している。そして、モニタ支持枠24の前面が遊技板11の後面に重ねられた状態で固定されて、モニタ支持枠24内の空間は演出表示窓13より上下左右に広くなっている。また、モニタ支持枠24の後面には、演出表示窓13に対向するモニタ用開口24Aが形成され、そのモニタ用開口24Aが液晶モニタ14の液晶表示画面14Gによって後方から閉塞されている。
以下、第1機構ユニット41について詳説する。第1機構ユニット41は、図12(A)に抜き出して示した門形固定ベース42を有する。門形固定ベース42は、上下方向に延びた1対の側辺部42A(以下、「ベース側辺部42A」という)の上端部の間を上辺部42B(以下、「ベース上辺部42B」という)で連絡した構造をなし、モニタ支持枠24内の後部(奥部)に配置されて(図11参照)、両ベース側辺部42A,42Aがモニタ支持枠24の後面の両側縁部に螺子止めされると共に、ベース上辺部42Bがモニタ支持枠24の後面の上縁部に螺子止めされている。
図15に示すように、両ベース側辺部42A,42Aには、1対の従動スライダ45,45が上下動可能に支持されている。それら従動スライダ45,45は、別個に駆動源50,50を備える。そして、両駆動源50,50の動力を両従動スライダ45,45に伝達する迄の機構が、一部を除いて左右対称になっている。以下、第1機構ユニット41における左右対称な部分に関し、左右の一方(例えば、第1機構ユニット41を前方から見て右側部分)のみについて説明する。
図6に示すように、ベース側辺部42Aの下端部とベース上辺部42Bの上縁部とには、それぞれ前方に突出して上下方向で対向する下端支持壁42Cと上端支持壁42Dとが設けられ、それら上端支持壁42Dと下端支持壁42Cと間にレールシャフト43(例えば、断面円形の金属棒)が差し渡されている。そして、レールシャフト43とベース側辺部42A及びベース上辺部42Bの間に、上下に延びた中継スライダ44が配置され、その中継スライダ44の上下の両端部から前方に突出した1対の係合突部44A,44Aがレールシャフト43にスライド可能に係合している。また、図14に示すように、上述の従動スライダ45は、上下に延びたブロック形状をなして1対の係合突部44A,44Aの間に配置され、レールシャフト43が従動スライダ45を貫通してスライド可能に支持している。
また、中継スライダ44の長手方向の途中部分には貫通孔44Hが形成され、その貫通孔44Hを横切る回転支持軸46Sに中継ギヤ46が回転可能に支持されている。そして、その中継ギヤ46の前側部分と噛合する可動ラック47が従動スライダ45に固定される一方、中継ギヤ46の後側部分と噛合する固定ラック48がベース側辺部42Aに固定されている。これにより、図14(A)〜図14(C)に示すように、中継スライダ44が門形固定ベース42に対して上下の一方に移動すると、従動スライダ45が中継スライダ44に対して上下の一方に移動する。即ち、門形固定ベース42に対して従動スライダ45は中継スライダ44の倍の速度で移動する。換言すれば、門形固定ベース42に対する従動スライダ45の上下のストロークは、中継スライダ44の上下のストロークの倍になっている。
図12(A)に示すように、中継スライダ44の上端部からは、傾斜部49Aが門形固定ベース42の横方向の中央側に向かって斜め上方に張り出し、その傾斜部49Aの上端部からさらに中央に向かって水平部49が水平に延びている。また、水平部49には、中継スライダ44の直動方向と直交する方向(即ち、水平方向)に延びた係合長孔51が形成されている。そして、中継スライダ44が可動範囲の上端に配置されると、図12(A)に示すように水平部49がベース上辺部42Bの上縁部前方に位置し、中継スライダ44が可動範囲の下端に配置されると、図13(B)に示すように水平部49がベース上辺部42Bより下方に位置する。なお、以下、係合長孔51のうちベース上辺部42Bの横方向の中央側の端部を「内側端部51B」、その反対側の端部を「外側端部51A」ということとする。
水平部49に駆動源50の動力を伝達するための駆動レバー52が、ベース上辺部42Bに回動可能に支持されている。駆動レバー52は、ベース上辺部42Bの前面に配置され、駆動レバー52の回転支持軸52Jは、ベース上辺部42Bの下端一側部寄り位置に回転可能に支持されている。詳細には、図13(B)に示すように、回転支持軸52Jの中心は、中継スライダ44の上下動に伴った係合長孔51の移動軌跡S1のうち外側端部51A側の境界線K1寄り位置に配置されている。また、駆動レバー52の先端部からは係合突部53が前方に突出していて、その係合突部53が係合長孔51に抜け止めされかつスライド可能に係合している。
図15に示すように、駆動レバー52の回転支持軸52Jには、ギヤ52Gが一体回転可能に固定されて、ベース上辺部42Bの後面に配置されている。そして、ベース上辺部42Bの後面のうちギヤ52Gの近傍に駆動源50が取り付けられている。駆動源50は、例えば、ステッピングモータの一端に減速機を組み付けてなり、減速機の出力回転軸には図示しない出力ギヤが固定されている。そして、その駆動源50の出力ギヤが駆動レバー52のギヤ52Gに結合され、これにより駆動レバー52が駆動源50によって回転駆動される。
ここで、図15の右側の駆動レバー52のギヤ52Gに対しては、駆動源50の出力ギヤが直接噛合し(図16(A)参照)、図15の左側の駆動レバー52のギヤ52Gに対しては、駆動源50の出力ギヤがアイドルギヤ54を介して間接的に噛合している(図16(B)参照)。このように、駆動源50の出力ギヤを駆動レバー52のギヤ52Gに噛合させる際に、アイドルギヤ54を介在させるか否かにより、駆動源50の出力ギヤからギヤ52Gに伝達される回転方向が逆向きになる。本実施形態では、これにより、両駆動源50,50を同じ回転方向に回転させて、1対の駆動レバー52,52に左右対称な逆向きの回転動作を行わせることができる。即ち、1対の可動部品(駆動レバー52,52)を左右対称に駆動する両駆動源50,50の制御が容易になるという効果を奏する。
なお、左右の駆動源50,50と駆動レバー52のギヤ52Gとの間に、それぞれアイドルギヤを介在させて、一方のアイドルギヤの数と他方とアイドルギヤの数が偶数と奇数とで異なる構成でも同様の効果を奏する。また、左右の駆動源50,50をQ42Bに取り付ける前後の向きを逆向きにしても同様の効果を奏する。
図16に示すように、駆動レバー52のギヤ52Gには、駆動レバー52の後面に回転可能に支持された位置検出用ギヤ55も噛合している。また、位置検出用ギヤ55から側方に扇形突片55Aが突出している。これに対し、ベース上辺部42Bの後面には、扇形突片55Aの回動領域の一端部に光学センサ55Sが備えられている。そして、図12(B)に示すように、駆動レバー52が直立姿勢より係合長孔51の内側端部51B側に傾いた途中基準位置を境にして、その途中基準位置から係合突部53が外側端部51A側に移動する駆動レバー52の回動範囲で、光学センサ55Sが扇形突片55Aによって光を遮られてオン状態になり、それ以外の駆動レバー52の回動範囲で光学センサ55Sがオフ状態になる。
図15に示すように、従動スライダ45,45の間には、架橋部材60が差し渡されている。具体的には、架橋部材60の横方向の端部には、図17に示すように、横長の複数の長孔60Aが上下方向に間隔を空けて設けられている。これら長孔60Aに対し、従動スライダ45の前面に長孔60Aに対応した図示しない螺子孔が形成されている。そして、長孔60A群を従動スライダ45の螺子孔に対向させた状態で長孔60A群の前側に縦長の帯板60Bが宛がわれ、その帯板60Bの貫通孔と架橋部材60の長孔60Aとに通されたビス60Cが従動スライダ45の螺子孔に螺合されている。これにより、架橋部材60の両端部が従動スライダ45に対して横方向への直動と回動を許容された状態で、従動スライダ45と一体に上下方向に移動するようになっている。
図15に示すように、架橋部材60を後方から見て右側の端部からは、レバー支持突壁63が上方に突出している。そして、そのレバー支持突壁63の前面上端部に回動レバー64の基端部が回転可能に連結されている。また、図6に示すように、回動レバー64の先端部は、第2演出部材32の後面側における横方向の一端部(詳細には、第2演出部材32のうち第2構成要素30Yである「鼻」の下側部分)に重ねられてヒンジ軸体64Aにてヒンジ連結されている。
さらに、図15に示すように、架橋部材60の下端部のうちレバー支持突壁63の延長位置には、駆動源70が取り付けられている。駆動源70は、駆動源50と同様に、ステッピングモータの一端に減速機を組み付けてなる。また、回動レバー64の基端部に固定された図示しないギヤがレバー支持突壁63の内部に収容され、そのギヤと駆動源70の出力ギヤとが複数のアイドルギヤを介して連結されている。これにより回動レバー64が駆動源70によって回転駆動され、第2演出部材32の横方向の一端部が円弧を描いて動く。また、回動レバー64は、その回動範囲の一端である「原点」では、図6に示すように回動中心から垂下された原点姿勢となり、回動範囲の他端である「終端点」では、図8に示すように回動レバー64が回動中心の斜め上方に延びた終端点姿勢になる。
図15に示すように、架橋部材60のうち横方向におけるレバー支持突壁63の反対側の端部には第1カム孔61が形成され、そこに第2演出部材32の後面から後方に突出した第1係合突部65が抜け止めされかつスライド可能に係合している。具体的には、第1カム孔61は、レバー支持突壁63側に向かうに従って下るように傾斜して直線状に延びかつ、下側の端部寄り位置で屈曲し、そこから下側の端部までが、水平に延びた水平エンド部61Aになっている。そして、回動レバー64が可動範囲の原点で、第2演出部材32が「原点姿勢」になると、第1係合突部65が第1カム孔61の水平エンド部61Aに位置し、そこから回動レバー64が可動範囲の終端点に向かって移動していくと、回動レバー64の回動中心とヒンジ軸体64Aの中心と第1係合突部65の中心とが一直線上に並ぶ位置(以下、「中心直列位置」という)までは、第1係合突部65が第1カム孔61内を水平エンド部61Aから離れる側に移動する(図21参照)。そして、回動レバー64が中心直列位置を通過して上方に回動すると、第1係合突部65が第1カム孔61内を水平エンド部61Aに接近する側に移動し、回動レバー64が終端点に達して第2演出部材32が「終端点姿勢」になると第1係合突部65が第1カム孔61のうち水平エンド部61A内に位置して止まる(図22参照)。
架橋部材60のうち第1カム孔61に対してレバー支持突壁63側の隣には第2カム孔62が形成されている。そして、第2演出部材32から後方に突出した第2係合突部66が第2カム孔62に抜け止めされかつスライド可能に係合している。第2カム孔62は、レバー支持突壁63側に向かうに従って下るように傾斜して延びた傾斜辺部62Bと、傾斜辺部62Bの上端部からレバー支持突壁63側へと略水平に延びた横辺部62Aとを有するV字形状をなしている。また、傾斜辺部62Bは、僅かに下方に膨らむように湾曲すると共に、下端部に第1カム孔61の下端部と同様の水平エンド部62Cを有する。さらには、横辺部62Aも、僅かに下方に湾曲している。
そして、回動レバー64が中心直列位置より上側に位置しているときには(図22参照)、第2係合突部66が第2カム孔62における横辺部62A内に位置し、回動レバー64が中心直列位置より下側に位置しているときには、第2係合突部66が第2カム孔62における傾斜辺部62B内に位置する。また、回動レバー64が回動範囲の原点で第2演出部材32が原点姿勢になると、第2係合突部66が第2カム孔62の水平エンド部62C内に位置する。
図19及び図20に示すように、第2演出部材32は、回動レバー64と反対側の側縁部から後方に突出する土手部32Uを有し、その土手部32Uに支持板79が片持ち梁状に支持されて回動レバー64側へと延びている。即ち、第2演出部材32は、前面を装飾された本体部32Hの後側に支持板79を対向状態に備えている。また、前記した回動レバー64の先端部は、本体部32Hにて連結され、前記した第1及び第2の係合突部65,66は、支持板79に備えられている。そして、第1演出部材31が、本体部32Hと支持板79との間に受容されるようになっている。
図15に示すように第1演出部材31には、後面下縁部における回動レバー64側の一端位置とその斜め上方位置とに、第1と第2のリンク67,68の上端部がそれぞれ回転可能に連結されている。一方の第1リンク67は、回動レバー64から離れる側の斜め下方に延びて支持板79における横方向の途中位置に回動可能に連結されている。また、他方の第2リンク68も、同様に斜め下方に延びて土手部32Uの上端部に回動可能に連結されている。そして、これら第1及び第2のリンク67,68によって平行リンクが構成されて、第1演出部材31が第2演出部材32に対して一定姿勢を維持して上下動する。
第1リンク67の長手方向の上端寄り位置からは後方に向かって係合突部67Tが突出していて、それが支持板79の先端部に備えた長孔67Mに抜け止めされかつスライド可能に係合している。また、第2リンク68の長手方向の上端寄り位置からは前方に係合突部68Tが突出していて、第1演出部材31の先端部に備えた長孔68Mに抜け止めされかつスライド可能で係合している。また、これら係合突部67T,68Tが長孔67M,68Mの端部に当接することで第2演出部材32に対する第1演出部材31の可動範囲が限定されている。そして、第1演出部材31が可動範囲の一端(即ち、下端)に配置されると(図18参照)、図5に示すように、第1演出部材31の略全体が第2演出部材32の後方に隠れ、可動範囲の他端(即ち,上端)に配置されると(図15参照)、図6に示すように、第1演出部材31のうち下縁部のみが第2演出部材32の後方に隠れ、第1演出部材31全体が第2演出部材32の上方に位置した状態になる。また、図15に示すように、土手部32Uの上端部と第2リンク68との連結部には、第1演出部材31を第2演出部材32に対する可動範囲の上端位置に向けて付勢する弾性部材68S(例えば、トーションコイルバネ)が取り付けられている。
第1演出部材31の後面には、上縁部に沿って横方向に延びる支持レール69が備えられ、そこに直線状に延びた長孔69Mが形成されている。そして、第2演出部材32が原点姿勢になると長孔69Mが水平に延びた状態になる。
図6に示すように、ベース上辺部42Bの横方向における一端寄り位置には、補助アーム71が回動可能に支持され、その補助アーム71の先端部に備えた係合突部71Tが、第1演出部材31の長孔69Mに抜け止めされかつスライド可能に係合している。また、ベース上辺部42Bと補助アーム71との間には、第1演出部材31を上方に引き上げる方向に付勢する弾性部材72が取り付けられている。
具体的には、補助アーム71は、クラック状に屈曲していて、先端側が基端側より下方に位置している。そして、補助アーム71は、先端側が水平に延びた姿勢となる第1位置と、そこから下方に30〜45度程度回動した第2位置との間で回動するようにメカストッパにて回動範囲が限定されている。また、引張コイルバネである弾性部材72の一端部は、補助アーム71の屈曲部の下部に取り付けられる一方、弾性部材72の他端部は、ベース上辺部42Bの上縁部のうち補助アーム71の回動中心から離れた位置に取り付けられている。また、弾性部材72の途中部分は、ベース上辺部42Bの上縁部に回転可能に支持されたローラ73に上方から押し付けられて屈曲している。そして、補助アーム71が第1姿勢から第2姿勢に向かうに従って弾性部材72の弾性変形量が増し、補助アーム71を第1姿勢側に付勢することで、第1演出部材31が上方に付勢される。
第1機構ユニット41の構成に関する説明は、以上である。次に、第2機構ユニット80の構成について説明する。図11に示すように、第2機構ユニット80は、第1機構ユニット41の下方においてモニタ支持枠24の後面下縁部に重ねて固定される板状ベース83を有する。図23に示すように、板状ベース83の上縁部の2箇所には、第1と第2のアーム81,82が回動可能に支持されている。また、第1と第2の両アーム81,82は、第1と第2のアーム81,82の回動軸間の距離より短くなっていて、第1と第2の両アーム81,82の互いの基端部に干渉することなく回転することができる(図26(A)〜図26(C)参照)。
また、図23に示すように、第2機構ユニット80を後方から見て右側の第1アーム81の先端部は、第3演出部材33の後面下縁部における右側端部にヒンジ軸体81Aにて回動可能に連結されている。また、第3演出部材33の後面下縁部には、横方向の略中央位置から左側端部に亘って直線状に延びた長孔33Mが形成されている。そして、後方から見て左側の第2アーム82の先端部に備えた係合突部82Aが長孔33Mに抜け止めされかつスライド可能に係合している。なお、詳細には、第3演出部材33は、ベースプレートを前側から装飾カバーで覆った構成となっていて、長孔33Mは、ベースプレートに形成されている(図23では、装飾カバーは図示されていない。)。また、第1アーム81の回動中心とヒンジ軸体81Aの中心とを結ぶ回動基準線81Lの長さと、第2アーム82の回動中心と係合突部82Aの中心とを結ぶ回動基準線82Lの長さが同じになっている。
板状ベース83の後面には、スライド板84が重ねて配置されている。スライド板84は横方向に延びた帯板の一端部を上下に幅広にした形状をなしている。また、スライド板84の長手方向の2箇所には、横長の2つの長孔84A,84Aが横一列に並べて設けられ、板状ベース83から後方に突出した1対の係合突部83T,83Tがそれら長孔84A,84Aに抜け止めされかつスライド可能に係合している。そして、各長孔84Aの両端部と係合突部83Tとの当接によってスライド板84の直動範囲が規定されている。
スライド板84の上面には、長手方向の2箇所にラック84B,84Cが形成されている。これに対し、第1と第2のアーム81,82の基端部には第1と第2のピニオン81G,82Gが一体回転可能に固定され、それら第1と第2のピニオン81G,82Gが第1と第2のラック84B,84Cにそれぞれ噛合している。また、第1と第2のピニオン81G,82Gのピッチ円の径は同じになっている。これにより、第1と第2のアーム81,82が連動して同一速度で同一方向に回転する。また、第1アーム81の回動基準線81Lと、第2アーム82の回動基準線82Lとは非平行になっていて、スライド板84が直動範囲の一端に位置すると、図23及び図27(B)に示すように、両第1と第2のアーム81,82の両回動基準線81L,82Lが、それぞれの回動中心から上方に延びかつ、上下方向に対して互いに離れる側に所定角度だけ傾いた第1出現状態になる。また、スライド板84が直動範囲の他端に位置すると、図24及び図26(A)に示すように、第1と第2のアーム81,82が垂下し、第3演出部材33全体が板状ベース83の前方に重なり、かつ、その第3演出部材33と板状ベース83との間に第1と第2のアーム81,82の全体が収まった収納状態になる。
スライド板84の幅広側の端部には、縦長の係合長孔85が形成されている。また、スライド板84の幅広側の端部と板状ベース83との間には、スライド板84の幅よりも直径が僅かに大きい中継ギヤ86が備えられ、板状ベース83に回動可能に支持されている。更には、中継ギヤ86の外縁寄り位置からは、係合突部86Aが後方に突出していて、係合長孔85に抜け止めされかつスライド可能に係合している。そして、中継ギヤ86が180度以上回転して、係合突部86Aの中心の回動軌跡である円の直径分だけスライド板84が直動する。その中継ギヤ86を回転駆動するための駆動源87が、板状ベース83の前面の一端部に取り付けられている。駆動源87は、ステッピングモータの一端に減速機を組み付けてなり、減速機の出力回転軸には出力ギヤが固定されている。また、駆動源87は、板状ベース83に形成された陥没部に出力ギヤが受容された状態にして板状ベース83に固定され、その陥没部の側部に形成された貫通孔を通して出力ギヤが板状ベース83の後面の中継ギヤ86に噛合している。これにより、スライド板84が駆動源87から動力を受けてスライドする。
なお、中継ギヤ86は、係合突部86Aがスライド板84の係合長孔85の内周面の下端に係止されるまで回転可能となっている。係合突部86Aは、第1と第2アーム81,82が第1出現位置に配置されているときには、係合長孔85の下端には到達しておらず(図23参照)、中継ギヤ86は、回転範囲の途中位置に配置されている。従って、第1と第2アーム81,82が収納状態となっているときに、駆動源87により中継ギヤ86が回転すると、スライド板84は、直動範囲の一端から他端へ移動してから、再び一端側へと若干戻った第2出現位置(図25及び図27(B)参照)にまで移動するようになっている。即ち、第3演出部材33は、図26(A)に示す収納位置から、図26(B)、図26(C)に示すように前方から見て右回りに回動して、図27(D)に示す第1出現位置へと到達した後、若干左回りに回動して図27(E)に示す第2出現位置に配置される。
板状ベース83の後面には、駆動源87と反対側の端部に引張コイルバネである弾性部材88の一端部が取り付けられ、その弾性部材88の他端部がスライド板84の長手方向の中間部に取り付けられている。そして、第3演出部材33が収納状態になったときに弾性部材88の変形量が最も大きくなり、第3演出部材33の上方への移動を弾性部材88の弾発力によって補助するようになっている。
第2機構ユニット80の構成に関する説明は、以上である。次に、第3機構ユニット90の構成について説明する。図9に示すように、第3機構ユニット90には、前方から見て第1機構ユニット41の左側部の前側に配置されている。また、第3機構ユニット90は、上端部にベース部91を有し、そのベース部91から「剣」の可動演出部材30Bが垂下された状態で横方向に直動する構成になっている。具体的には、ベース部91は、横長の略長方形のベース部本体91Hの右側部の上端から水平に延長部91Eが延びた形状をなしている。そして、ベース部91の上面と左側面とからそれぞれ突出した複数の固定用突部91Aがモニタ支持枠24の左側縁部の上部と上縁部とに螺子止めされている。
図28に示すように、ベース部91の後面には、延長部91Eの先端部と、その反対側のベース部本体91Hの一側部の上部とに1対の台座部92,92が形成されている。また、台座部92,92にそれぞれ形成された1対の角溝92M,92Mに、金属製の丸棒であるガイドシャフト93の両端部が受容されている。そして、台座部92,92の後面に押え板92P,92Pが螺子止めされて、ガイドシャフト93が角溝92Mに抜け止めされると共に、各角溝92Mの一端に備えた壁部によってガイドシャフト93の横方向への移動が規制されている。また、ガイドシャフト93には、1対の摺動リング93R,93Rが挿通されている。それら摺動リング93Rは、摺動性が高い樹脂(例えば、ポリアセタール)で構成されかつ円筒状になっている。
ガイドシャフト93とベース部91との間には、水平方向に延びたスライド部材94が備えられている。スライド部材94の両端部には、1対のリング受容溝94M,94Mが形成されている。各リング受容溝94Mは、中央部の溝幅が両端部の溝幅に比べて広くなっている。そして、各リング受容溝94Mの中央部に摺動リング93Rが受容されてスライド部材94に対する横方向への移動が規制されている。
スライド部材94のうち延長部91E側の一端部には、後面から押え板94Pが重ねられて螺子止めされている。これにより、一方の摺動リング93Rがリング受容溝94Mに抜け止めされている。
スライド部材94の他端部から略中央部に亘る範囲には、「剣」の可動演出部材30Bから上方に延長された延長プレート95の上縁部が重ねて螺子止めされている。これにより、他方の摺動リング93Rがリング受容溝94Mに抜け止めされると共に、スライド部材94と共に「剣」の可動演出部材30Bが直動する。
ベース部本体91Hの後面の下縁部には、横長のスライド中継部材96が備えられている。スライド中継部材96には、1対の横長の長孔96A,96Aが横一列に並べて設けられ、それら長孔96A,96Aにベース部本体91Hから突出した係合突部96T,96Tが抜け止めされかつスライド可能に係合している。また、スライド中継部材96の上面には、ラック96Rが形成されている。
ベース部本体91Hの後面のうち延長部91Eの反対側の端部には、駆動源97が取り付けられている。駆動源97は、ステッピングモータの一端に減速機を組み付けてなり、減速機の出力回転軸に固定された出力ギヤが、ラック96Rに噛合している。
ベース部本体91Hの後面のうち横方向の略中央における下端寄り位置には、中継レバー98の基端部が回動可能に取り付けられている。また、中継レバー98の基端部の外側面には、ギヤ98Gが形成されていて、そのギヤ98Gがラック96Rに噛合している。そして、中継レバー98の先端部にそなえた係合突部98Aが、延長プレート95に形成された縦長の係合長孔95Mに抜け止めされかつスライド可能に係合している。これにより、駆動源97の動力がスライド中継部材96,中継レバー98を介して延長プレート95に伝達されて、「剣」の可動演出部材30Bが横方向に直動する。また、「剣」の可動演出部材30Bの下端部には、上下方向に延びた回転軸を中心に回転する1対のローラ95R,95Rが備えられ、それらローラ95R,95Rを移動可能に収容する溝形ガイド95Gが、モニタ支持枠24の左側の下端寄り位置に配されている。第3機構ユニット90の構成に関する説明は以上である。
図30には、遊技機10の制御系のブロック図が示されている。同図に示すように、遊技機10は、メイン制御基板100とサブ制御基板101とを有する。メイン制御基板100は、乱数を生成していて、遊技球が入賞口に入賞してそれが賞球センサ102にて検出されると、検出タイミングで乱数が取得される。そして、その乱数に基づいて前述した普図判定や特図判定等を行って、通常状態か、確変状態か、後述するリーチ状態か等の遊技状態を決定するステータスデータを生成し、サブ制御基板101に付与する。
サブ制御基板101は、そのステータスデータに基づいて、遊技演出の全般を制御する。具体的には、サブ制御基板101は、遊技機10のスピーカ10Sから出力する音声を音声制御回路103を介して制御したり、遊技機10の前面や遊技板11に分散配置されているLEDやランプをランプ制御回路104を介して制御する。それらに加え、サブ制御基板101は、可動役物30に備えられた各センサの検出信号に基づいて可動役物30の状態を監視しながら、モータ駆動制御回路105にモータ駆動指令を出力して可動役物30を制御する。
図30〜図32には、サブ制御基板101のCPU101Aが可動役物30を制御する際に実行する可動演出処理プログラムPG1が示されている。この可動演出処理プログラムPG1に関しては、次述する遊技機10の動作と併せて説明する。
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、この遊技機10の動作について説明する。可動役物30は、通常は、駆動源50,50,70,87,97が停止した休止状態になっている。その休止状態にするためには、全ての駆動源50,50,70,87,97を原点に移動してから非通電状態にする。そして、休止状態になると、図2に示すように、液晶表示画面14Gによる画像演出の妨げにならないように「顔」の可動演出部材30Aのうち第1と第2の演出部材31,32は演出表示窓13より上側で待機し、第3演出部材33は演出表示窓13より下方で待機し、さらには、「剣」の可動演出部材30Bは演出表示窓13の左方に待機する。
また、上記した「原点」は、駆動源50,50,70,87,97の全てにおいて可動範囲の一端の設定されている。また、駆動源70にて駆動される回動レバー64において前述したが、駆動源50,50,70,87,97にとっての原点は、それら駆動源50,50,70,87,97の出力ギヤと連動して動く可動部にとっての「原点」でもある。さらに、駆動源50,50,70,87,97の全てにおいて可動範囲のうち原点と反対側の他端は「終端点」ということとし、それは前述の可動部にとっての「終端点」でもある。
また、以下、駆動源同士を区別して説明する場合には、それらの区別を容易にするために、駆動源50,50を「スライダ用駆動源50,50」といい、駆動源70を「顔傾動用駆動源70」といい、駆動源87を「顎用駆動源87」といい、駆動源97を「剣用駆動源97」ということとして詳説する。
両スライダ用駆動源50,50が原点に配置されると、図12(A)に示すように、駆動レバー52,52は垂直起立状態から外側に回動して係合突部53,53が係合長孔51,51の外側端部51A,51Aに当接した状態になる。このとき、係合長孔51,51を有する中継スライダ44,44は、第1と第2の演出部材31,32等の自重により下向きの負荷を受け、その負荷は、原点姿勢の駆動レバー52を外側に回動させて係合突部53を外側端部51Aに押し付けるように作用する。つまり、両スライダ用駆動源50,50が原点に配置されると、負荷によって係合長孔51,51と駆動レバー52,52とによるメカロックを深める、所謂、「セルフロック状態」になる。これにより、両スライダ用駆動源50,50は非通電状態されても原点に維持される。
顔傾動用駆動源70が原点に配置されると、図6に示すように、上述の通り回動レバー64は回動中心から垂下した状態になる。この状態で中継スライダ44,44が原点に配置されると、第1演出部材31がモニタ支持枠24の上部内面に当接するか補助アーム71にて上方への移動を規制され、図5に示すように、第1と第2の演出部材31,32が重なり、第2演出部材32の上方への移動も規制される。即ち、顔傾動用駆動源70は、両スライダ用駆動源50,50と共に原点に配置された状態で、非通電状態されても原点に維持される。
顎用駆動源87が原点に配置されると、図24に示すように、中継ギヤ86の係合突部86Aが、中継ギヤ86の回動中心に対して同図の左側でかつ僅かに下方に位置した状態になる。この状態から長孔84Aをさらに下方に移動させるように力が作用しても、第1アーム81とスライド板84との間の図示しないメカストッパによって、スライド板84は同図の右側には動かない。即ち、弾性部材88の付勢力によって第1アーム81とスライド板84との間の図示しないメカストッパ同士の押し付け力が増加するセルフロック状態になり、顎用駆動源87は、原点に配置された状態で非通電状態されても原点に維持される。
剣用駆動源97が原点に配置されると、図29の中継レバー98が回動中心から同図の右側に延びた水平姿勢よりさら下方に傾斜した傾斜姿勢になり、中継レバー98とベース部91との間に備えたメカストッパによって位置決めされる。これにより、「剣」の可動演出部材30Bを、同図の左側、つまり、演出表示窓13の中央側に移動させる力が仮に作用してセルフロック状態になる。よって、剣用駆動源97は、非通電状態されても原点に維持される。
可動役物30の休止状態に関する説明は以上である。遊技機10は、通常は、確変状態ではない通常状態になっている。そこで、遊技者は、遊技機10による遊技を開始する場合には、操作ハンドル28(図1参照)にて左打ちを行う。そして、左側の遊技領域R1を流下する複数の遊技球の一部が第1始動入賞口16Aに入賞すると、特図判定が行われて、図2に示した3つの特別図柄14A,14B,14Cがスロットのように変動表示され、例えば、左、右、中央の順番で特別図柄14A,14B,14Cが停止表示される。その際、例えば、先に停止表示された左右の特別図柄14A,14Cが同じ図柄となるリーチ状態では、そうでない場合に比べて中央の特別図柄14Bが長く変動表示してから停止表示される。そして、特別図柄14A,14B,14Cの全て同じ図柄(即ち、ゾロ目)になると大当りとなり、そうでなければ外れとなる。
ここで、リーチ状態では、液晶表示画面14Gに、特別図柄14A,14B,14Cと共に、キャラクター画像14Xである「変身ヒーロー」が、アイテム画像14Yである「剣」を持った状態で表示され、図示しないキャラクター画像である「敵」と戦う画像演出が行われる。そして、リーチ状態から外れになると(即ち、「リーチ外れ」になると)、戦いの勝敗がつかずに画像演出が終了するか、変身ヒーローが敵に負けて画像演出が終了する。一方、リーチ状態から当りになると(即ち、「リーチ当り」になると)、変身ヒーローが敵に勝利した状態で画像演出が終了し、その後、可動役物30が始動して可動演出が行われてから前述の大当り遊技に突入する。
このとき、リーチ当りが、「確変付き大当り」でない場合には、第1の可動演出が行われ、「確変付き大当り」である場合には、第2の可動演出が行われる。第1と第2の可動演出は中盤までは同じであり、終盤のみが異なり、サブ制御基板101のCPU101Aが、図30〜図32の可動演出処理プログラムPG1を実行することで第1又は第2の可動演出が制御される。
具体的には、CPU101Aにて可動演出処理プログラムPG1が実行されると、最初に非通電状態であった全ての駆動源50,50,70,87,97が通電状態とされ(S11)、それぞれ原点に維持されるように制御される(S12)。
次いで、両スライダ用駆動源50,50が終端点寄りの反転基準位置に向かって移動するように制御されて(S13)、駆動レバー52,52が鉛直垂下姿勢になるまで回転されてから、両スライダ用駆動源50,50の回転方向が反転して駆動レバー52,52が前述の途中基準位置(図12B)より僅かに原点側にずれたダミー位置へと移動するように両スライダ用駆動源50,50が制御される(S14)。
これら制御により、架橋部材60は可動範囲の下端位置に向かって移動し、それに伴って、第1と第2の演出部材31,32が互いに上下にずれながら降下し、途中で第1と第2の演出部材31,32が完全に展開した状態になってさらに降下する。そして、図6に示すように、架橋部材60が可動範囲の下端位置に至ったときに、「顔」の可動演出部材30Aのうち顎以外の全体が液晶表示画面14Gの前方に位置して、一瞬、「鼻先下がりの横顔」になるが、即座に架橋部材60が上昇して「鼻先下がりの横顔」が消えていく。
また、駆動レバー52,52がダミー位置に移動するように両スライダ用駆動源50,50が制御されている間(S14)、両スライダ用駆動源50,50の両光学センサ55S,55Sの検出信号が、オフ状態からオン状態に切り替わったか否かがチェックされる(S15のYESのループ)。そして、何れか一方のスライダ用駆動源50の光学センサ55Sがオン状態に切り替わったら(S15のNO)、そのタイミングにおける一方のスライダ用駆動源50の位置が維持されるように、一方のスライダ用駆動源50が通電状態で停止される(S16)。そして、他方のスライダ用駆動源50の光学センサ55Sがオン状態に切り替わったか否かをチェックする(S17のNOのループ)。そして、他方のスライダ用駆動源50の光学センサ55Sがオン状態に切り替わったら(S17のYES)、そのタイミングにおける他方のスライダ用駆動源50の位置が維持されるように、他方のスライダ用駆動源50が通電状態で停止される(S18)。これらにより、左右のスライダ用駆動源50,50の間の遅れが解消されて、図12(B)に示すように、両スライダ用駆動源50,50及び両駆動レバー52,52は、共にダミー位置より僅かに手前の途中基準位置に配置される。
この状態になってから、例えば、100[msec]後に両スライダ用駆動源50,50が終端点へと移動して架橋部材60が降下するように制御される(S19)。その降下動作中に、顔傾動用駆動源70が原点から回動レバー64が水平姿勢になる水平基準位置に移動するように制御されると共に、顎用駆動源87は、第3演出部材33がステージ21より上方で水平姿勢になる第1出現位置に移動するように制御される(S19)。これにより、図7に示すように、変身ヒーローの「口を閉じた横顔」が液晶表示画面14Gの前方に出現する。
このとき、架橋部材60には、弾性部材72の弾発力が上向きの力として作用するが、その弾発力が重力負荷より大きく作用しても、図8に示すように、係合長孔51及び駆動レバー52が上向の力に対してセルフロック状態になっているのでスライダ用駆動源50,50への負荷は小さい。また、両スライダ用駆動源50,50は通電状態になって終端点に維持されているので、確実にセルフロック状態が維持される。
上記した変身ヒーローの「口を閉じた横顔」の出現後、顔傾動用駆動源70と顎用駆動源87とが終端点に移動するように制御される(S20)。これにより、図8及び図9に示すように、回動レバー64が上向きの傾斜姿勢になって、第2演出部材32と第3演出部材33とが同図の右側端部を支点して上下に分かれるように傾動し、変身ヒーローの「口を閉じた横顔」が「口を開けた横顔」に変化する。
変身ヒーローの「口を開けた横顔」が所定時間維持されたら(S21でYES)、顔傾動用駆動源70及び顎用駆動源87が原点に移動するように制御される(S22)。これにより、図6に示すように、可動演出部材30Aは、「鼻先下がりの横顔」になる。
この状態で特図判定の「大当り」が「確変付き大当り」であったか否かが判別され(S23)、「確変付き大当り」でなかった場合は(S23でNO)、両スライダ用駆動源50,50が原点に移動するように制御される(S27)。これにより、全ての駆動源50,50,70,87,97が原点に配置された状態になる。そして、それら全ての駆動源50,50,70,87,97への通電が停止されて休止状態になり(S28)、可動演出処理プログラムPG1が終了する。
一方、特図判定の「大当り」が「確変付き大当り」であった場合は(S23でYES)、剣用駆動源97が終端点に移動するように制御される(S24)。これにより、図4に示すように、「鼻先下がりの横顔」の鼻である第2構成要素30Yが、「剣」の可動演出部材30Bによって隠される。すると、可動演出部材30Aが、変身ヒーローの「正面顔」に見えるようになる。より具体的には、変身ヒーローの正面顔の一部が剣の側方から現れている状態に見える。つまり、「剣」の可動演出部材30Bが出現するまでは、変身ヒーローの「横顔」であった可動演出部材30Aが、「剣」の可動演出部材30Bの出現後には、変身ヒーローの「正面顔」に見えるようになり、第1構成要素30Xとしての「目」の視線は、左方向を向いていた状態から、遊技者側を向いた状態に見えるようになる。つまり、可動役物30によるトリックアートが遊技者に提供される。
そして、所定時間の経過後に(S25でYES)に、剣用駆動源97が原点に移動するように制御され(S26)、その後は、「確変付き大当り」でなかった場合と同様に、両スライダ用駆動源50,50が原点に移動され(S27)、通電が停止されて休止状態にされて(S28)、可動演出処理プログラムPG1が終了する。
さて、上記した変身ヒーローが「下顎」としての第3演出部材33の動作について以下詳説する。第3演出部材33は、図23に示すように、第1及び第2のアーム81,82が回動中心より上側に延びた状態と、図24に示すように、第1及び第2のアーム81,82が回動中心より下側に延びた状態との何れにおいても略水平姿勢になる。また、第3演出部材33が、上側の水平姿勢になったときには、図7に示すように、変身ヒーローが「下顎」が水平になって口を閉じた状態になる。そして、そこから第3演出部材33が僅かに横に移動しただけで、図23から図25の変化に示すように姿勢が変化し、図8に示すように変身ヒーローの「下顎」が傾いて口を開いた状態を表現することができる。
具体的には、図27(A)と図27(B)とに比較して示すように、第2アーム82は、その回動中心を通過する垂直基準線L10より一方側に僅かに第1角θ1だけずれた位置から、他方側に略同一の第1角θ1だけずれた位置まで回動する。つまり、第2アーム82は上下方向に移動せずに横方向にのみ僅かに移動する。これに対し、第1アーム81は、垂直基準線L10から他方側に第2角θ2だけ離れた位置からさらに垂直基準線L10から離れる側に前記した第1角θ1の2倍分、回動して下方に移動し、横方向に僅かに移動する。これにより、第3演出部材33が僅かに横に移動しただけで姿勢を変化させることができる。
この第3演出部材33の動きは、第1アーム81の回動基準線81Lと第2アーム82の回動基準線82Lとが非平行になっているから実現することができる。しかしながら、第1と第2のアーム81,82の先端部が共に第3演出部材33に回動のみ可能に連結された非平行リンク機構でこれを実現すると、第1及び第2のアーム81,82の回動範囲が規制され、図24に示すように、第3演出部材33を第1及び第2のアーム81,82が回動中心より下側にコンパクトに収納することができなくなる。このことは、例えば、第3演出部材33が図27(A)に示した上側の水平姿勢になった状態から第1と第2のアーム81,81の先端部の中心同士を連絡する直線L21の長さが変わらないとすると、第1及び第2のアーム81,82の基端部の中心同士を連絡する直線L20と第1アーム81の回動基準線81Lとが一直線上に並ぶ位置より第1及び第2のアーム81,82を回動することができないことから容易に分かる。
これに対し、本実施形態の遊技機10では、第2アーム82の先端部が第3演出部材33に回動可能かつスライド可能に連結される一方、第1アーム81の先端部が第3演出部材33に回転のみ可能に連結されているので、遊技機10を設計する段階において、第3演出部材33の姿勢の設定の自由度が高くなる。これにより、上述の如く、第3演出部材33を第1及び第2のアーム81,82の回動中心より上側と下側とで略水平姿勢にしながらも、上側の水平姿勢から僅かに横に移動して傾斜姿勢に変化させるという動きを容易に実現することができる。また、第1と第2のアーム81,82の角度を変えて上述の第3演出部材33の動きとを別の動きに設定することができるし、さらに、第1及び第2のアーム81,82を平行に配置して平行リンクにすることもできる。また、第1及び第2のアーム81,82は、第1ピニオン81G,第2ピニオン82Gと第1ラック84B,第2ラック84Cとのお噛合位置によって相互間のずれ角が限定されているので、それらの噛合位置の設定を変更して、任意かつ容易に第3演出部材33の種々の動きに設定することができる。しかも、第1ラック84B,第2ラック84Cを共通のスライド板84に備えた第1及び第2のアーム81,82を連動する構成としたので、第1及び第2のアーム81,82の動きが安定しかつ、共通の駆動源87で駆動することができる。さらに、スライド板84を弾性部材88で付勢したことにより、その付勢力をアシストにして第3演出部材33を演出表示窓13の下方位置から演出表示窓13内へと迅速に移動することができる。なお、上記した第1及び第2のアーム81,82を別々の駆動源で駆動して、第3演出部材33が一定の位置で姿勢が変更される構成としてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態の遊技機10は、前記第1実施形態と同じ機構を有し、液晶表示画面14Gと可動役物30による演出内容が異なる。即ち、本実施形態の遊技機10では、リーチ状態になってなった場合に、当りになる期待値に応じて可動役物30による変身ヒーローの顔が、「正面顔」と「口を閉じた横顔」と「口を開いた横顔」とに変わる。
具体的には、当りになる期待値が低いリーチ状態で可動演出(これを「低期待値可動演出」という)が実行されると、まずは、「剣」の可動演出部材30Bが原点から終端点に移動し、次いで架橋部材60が終端点まで降下して、図4に示すように、第1実施形態で説明した変身ヒーローの「正面顔」が出現する。その後、第1及び第2の演出部材31,32が演出表示窓13の上方に退出し、次いで「剣」の可動演出部材30Bが原点に戻ってから、液晶表示画面14Gに特図判定の結果が表示される。
当りになる期待値が高いリーチ状態で可動演出(これを「高低期待値可動演出」という)が実行されると、「低期待値可動演出」と同様に変身ヒーローの「正面顔」が出現してから、図6から図7の変化に示すように、回動レバー64が水平基準位置まで回動して第1及び第2の演出部材31,32が水平姿勢になると共に、第3演出部材33がステージ21より上方に出現し、「剣」の可動演出部材30Bが原点に戻って、第1実施形態で説明した変身ヒーローの「口を閉じた横顔」が出現する。その後、第1〜第3の演出部材31,32,33が演出表示窓13の上方又は下方に退出し、次いで「剣」の可動演出部材30Bが原点に戻ってから、液晶表示画面14Gに特図判定の結果が表示される。
「高低期待値可動演出」よりさらに期待値が高いリーチ状態で可動演出(これを「激アツ可動演出」という)でが実行されると、「高低期待値可動演出」と同様に変身ヒーローの「口を閉じた横顔」が出現してから、図7から図8の変化に示すように、回動レバー64が終端点に移動すると共に第3演出部材33が傾動して、第1実施形態で説明した変身ヒーローの「口を開けた横顔」が出現する。その後、第1〜第3の演出部材31,32,33が演出表示窓13の上方又は下方に退出し、次いで「剣」の可動演出部材30Bが原点に戻ってから、液晶表示画面14Gに特図判定の結果が表示される。
これらに加え、遊技者に「低期待値可動演出」のように見せておいて、実は「高低期待値可動演出」又は「激アツ可動演出」を行うという「特殊可動演出」が行われる場合がある。具体的には、「特殊可動演出」が実行されると、途中までは「低期待値可動演出」と同様に変身ヒーローの「正面顔」が出現してから、「剣」の可動演出部材30Bが原点に戻り、第1及び第2の演出部材31,32が架橋部材60と共に演出表示窓13の上方に移動する。このとき、第1実施形態で説明したステップS15〜S19が行われ、架橋部材60を駆動する駆動レバー52,52が途中基準位置に到達したことを確認して、即座に(10[msec]後に)、架橋部材60を降下する処理が行われる。これにより、逐一、駆動レバー52,52を機械的に当接して位置決めされる原点まで移動しなくても、両駆動レバー52,52の遅れが解消され、架橋部材60を安定した姿勢でスムーズに降下させることができる。そして、その架橋部材60が降下する間に第3演出部材33が上昇し、変身ヒーローの「口を閉じた横顔」か又は「口を開けた横顔」が出現して、「高低期待値可動演出」か「激アツ可動演出」に移行する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、可動役物30を支持する第1及び第2のアーム81,82が、互いに平行な回転軸を中心に回動していたが、第1及び第2のアームが同一の回転軸を中心にして回転する構成であってもよい。
(2)また、第1及び第2のアームの回転軸が異なる方向を向いていてもよい。具体的には、例えば、第1アームの回転軸が前後方向を向き、第2アームの回転軸が横方向を向いた構成であってもよい。
(3)前記実施形態では、第2アーム82の先端部と第3演出部材33とを回転可能かつスライド可能に係合させるために、第3演出部材33に長孔が設けられていたが、長孔に代えてレールを備え、そのレールに沿って直動するスライダに回転可能な連結部を備えた構成にしてもよい。また、このような長孔やレールは第2アーム側に設けられてもよい。
(4)上記実施形態では、第1アーム81の回動基準線81Lと第2アーム82の回動基準線82Lとの長さが同じになっていたが、異なっていてもよい。
(5)上記実施形態では、第2アーム81の回動基準線81Lと第2アーム82の回動基準線82Lとが、非平行となっていたが、平行であってもよい。この場合であっても、例えば、第2アーム82が回動する際に、長孔が上下方向に延びる配置となると、重力により第3演出部材33が第2アーム82に対してスライドして、第3演出部材33の姿勢を変えることが可能となる。
(6)上記実施形態では、第1アーム81と第2アーム82との回動速度が同じであったが、異なっていてもよい。
(7)上記実施形態では、第1アーム81と第2アーム82との回動方向が同じであったが、異なる方向であってもよい。
(8)
上記実施形態では、第2アームと第3演出部材33との互いにスライド可能な連結部位同士が係合していたが、係合せずに単に摺接するだけであってもよい。
(9)上記実施形態では、中継ギヤ86からスライド板84への駆動源87の動力の伝達が、中継ギヤ86の係合突部86Aと、スライド板84の係合長孔85とが係合することによって行われていたが、中継ギヤ86が、スライド板84に設けられたラックと噛合することによって行われてもよい。
(10)上記実施形態では、第1アーム81と第2アーム82とが、共通の駆動源87により駆動されていたが、互いに独立な駆動源によってそれぞれ駆動されてもよい。
(11)上記実施形態では、弾性部材88が引張りコイルバネであったが、圧縮コイルバネであってもよい。これらの場合、上記実施形態のように、コイルバネの両端を板状ベース83とスライド板84とに固定してもよいし、板状ベース83と第1アーム81又は第2アーム82とに固定してもよい。
<付記>
上記実施形態及び上記他の実施形態で例示したパチンコ遊技機には、以下の構成が含まれていると考えることができる。
[構成1]
ベース部材にそれぞれ回転可能に支持されて回転駆動される第1と第2のアームと、
前記第2のアームの先端部が回転可能かつスライド可能に連結される一方、前記第1のアームの先端部が回転のみ可能に連結された従動部材とを備える遊技機。
構成1によれば、遊技機を設計する段階において、1対のアームで支持された従動部材の姿勢の設定の自由度を高くすることができる。
[構成2]
前記第1及び第2のアームが平行又は同一の回転軸を中心に回転する構成1に記載の遊技機。
第1及び第2のアームの回転軸は、異なっていてもよいし、構成2のように同一であってもよい。
[構成3]
前記第1及び第2のアームが連動して回転するように駆動される構成1又は2に記載の遊技機。
第1と第2のアームは、独立して回転してもよいし、構成3のように連動して回転してもよい。また、別々の駆動源で連動させてもよいし、機械的にリンクさせて連動させてもよい。
[構成4]
前記従動部材に形成された直動ガイド部と、
前記第2のアームの先端部に設けられて、前記直動ガイド部に回転可能かつスライド可能に係合している係合突部と、を備える構成1乃至3の何れか1の構成に記載の遊技機。
構成4では、第2のアームの先端部と直動ガイド部とが係合するので、第2のアームと従動部材との連結部位同士のがたつきを抑制することが可能となる。
[構成5]
前記第1と第2のアームは、同じ速度で同じ方向に回動し、前記第1と第2のアームとが非平行になっている構成1乃至4の何れか1の構成に記載の遊技機。
第1と第2のアームは、互いに平行となっていてもよいし、構成5のように非平行となっていてもよい。
[構成6]
前記第1のアームにおける基端部の回転中心軸と先端部の回転中心軸との軸間距離と、前記第2のアームにおける前記軸間距離とが同じである構成1乃至5の何れか1の構成に記載の遊技機。
第1のアームの前記軸間距離と第2のアームの前記軸間距離とは、異なっていてもよいし、構成6のように同じであってもよい。
[構成7]
前記第1のアームの基端部と一体回転する第1ピニオンと、
前記第2のアームの基端部と一体回転する第2ピニオンと、
前記第1ピニオンに噛合する第1ラックと前記第2ピニオンに噛合する第2ラックとを一体に又は固定して備え、直線移動するように駆動されるスライド部材と、を備える構成1乃至6の何れか1の構成に記載の遊技機。
構成7では、第1ピニオンに噛合する第1ラックと第2ピニオンに噛合する第2ラックとが共通のスライド部材に設けられているので、第1と第2アームを共通の駆動源により駆動することが可能となる。
[構成8]
前記スライド部材に形成されて、前記スライド部材の直動方向と直交する方向に延びた第2直動ガイド部と、
前記第2直動ガイド部に回転可能かつ直動可能に係合している第2係合突部を有し、回転駆動源によって回転駆動される回転部材とを有する構成7に記載の遊技機。
構成8によれば、回転駆動される回転部材から回転駆動源の動力をスライド部材に伝達させて、スライド部材を直動させることができる。
[構成9]
前記第1と第2のアームとが非平行な回転軸を中心に回動する構成1に記載の遊技機。
第1と第2のアームの回転軸同士は、互いに平行であってもよいし、構成9のように非平行であってもよい。
なお、上記[構成]中の下記構成要素には、上記実施形態中の下記部位が以下の如く対応する。
ベース部材:板状ベース83、従動部材:第3演出部材33、直動ガイド部:長孔33M、スライド部材:スライド板84、第2直動ガイド部:係合長孔85
10 遊技機
11 遊技板
30 可動役物
30A 可動演出部材
30B 可動演出部材
31 第1演出部材
32 第2演出部材
33 第3演出部材
33M 長孔
80 第2機構ユニット
81 第1アーム
81G,82G ピニオン
81L 回動基準線
82 第2アーム
82A 係合突部
82L 回動基準線
83 板状ベース
83T 係合突部
84 スライド板
84A 長孔
84B,84C ラック
85 係合長孔
86 中継ギヤ
86A 係合突部
87 駆動源
88 弾性部材

Claims (1)

  1. ベース部材にそれぞれ回転可能に支持されて回転駆動される第1と第2のアームと、
    前記第2のアームの先端部が回転可能かつスライド可能に連結される一方、前記第1のアームの先端部が回転のみ可能に連結された従動部材とを備え、
    前記第1のアームの基端部と一体回転する第1ピニオンと、
    前記第2のアームの基端部と一体回転する第2ピニオンと、
    前記第1ピニオンに噛合する第1ラックと前記第2ピニオンに噛合する第2ラックとを一体に又は固定して備え、直線移動するように駆動されるスライド部材と、を備える遊技機。
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