JP2014175181A - 切替装置 - Google Patents

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義人 石川
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岳志 宮坂
Toshinori Yamasue
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Abstract

【課題】簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しない切替装置を提供する。
【解決手段】摺動部材(1)は、摺接部(E)における摺動部材(1)の先端の位置であって、軸(S)と支点(R)とを結ぶ直線(P)よりも接触位置(T)の側に偏った位置において、ばね14の弾性変形が最大となるように回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定接点に可動接点を接離させることによって、電気の導通と遮断とを切り替える切替装置に関するものである。
太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナや接続箱などで用いられるロッカースイッチの構造は、古くから研究されてきた。例えば、下記の特許文献1には、操作速度と接点の開閉スピードとを独立させたシーソースイッチが開示されている。また、下記の特許文献2には、固定接触子、可動接触子を経由する電流経路をループ状に変更して、回路遮断器の限流遮断性能の向上化を図る回路遮断器が開示されている。
さらに、下記の特許文献3には、過電流から電路を保護し、遮断性能を向上させた回路遮断器が開示されており、下記の特許文献4には、投入ばねの放勢により可動接点を固定接点に安定した速度で投入動作させる遮断器が開示されている。下記の特許文献5には、高圧電流を遮断するために用いられる遮断機消弧部の固定接触子の構造が開示されており、下記の特許文献6には、大電流遮断時の可動接触子の開極速度を高めるようにした回路遮断器が開示されており、下記の特許文献7には、スイッチの接点が溶着等して接続した状態の時に強制的に非接触状態にするスイッチ機構が開示されている。
図11に基づいて、下記の特許文献1に記載のシーソースイッチに代表される従来のスイッチの構造を説明する。図11は、従来のスイッチの内部の要部構造を示す模式図である。図11に示されるように、従来のスイッチは、摺動部材51、可動部材52、操作ボタン53、筐体突起55、固定接点57、および可動接点58を備えている。摺動部材51が軸Sを中心に回転することによって、当該摺動部材51の先端が可動部材52の摺接部Eを摺動する(摺動部材51の先端が摺接部Eに接触したまま動くことをいう)と、当該可動部材52が筐体突起55を支点Rとして揺動し(シーソーのように当該支点を揺れ動くことをいう)、固定接点57と可動接点58とが接離することによって電気の導通と遮断とが切り替わる。
特開2012−198993号公報(2012年10月18日公開) 特開2012−156044号公報(2012年8月16日公開) 特開2007−317586号公報(2007年12月6日公開) 特開2006−086066号公報(2006年3月30日公開) 特開2000−195367号公報(2000年7月14日公開) 特開平11−297180号公報(1999年10月29日公開) 特開平11−162285号公報(1999年6月18日公開)
図12に基づいて、上記従来のスイッチが有する問題を説明する。図12は、上記従来のスイッチが動作する様子を時系列で表した模式図であり、(a)は、摺動部材51による摺動と連動して、固定接点57と可動接点58とが接離する様子を示し、(b)は、摺動部材51の先端が摺接部Eを摺動する部分を拡大するとともに、当該摺動部材51によって加えられる力の向きを矢印で示している。なお、図12の(a)および(b)において、左の模式図が示す状態から順に、「状態1」〜「状態7」と称する。
図12の(a)および(b)に示されるように、上記スイッチは、固定接点57と可動接点58とが近接するという中間的な状態(状態2〜状態6)を経由する。上記中間的な状態において、アーク(固定接点57の表面と可動接点58の表面との空隙を電流が移動する放電現象をいう)が発生する。アークが発生することによって上記表面の材質が劣化するため、スイッチの寿命が縮まるという第1の問題が生じる。スイッチの操作が途中で止められたことによって、スイッチが最終的な状態(状態1および状態7)まで遷移せず、上記中間的な状態に止まる場合、アークが長時間発生し続けるため、上記問題は一層深刻になる。
また、スイッチが状態1から上記中間的な状態に遷移した後、状態7に遷移しないまま再度状態1に戻った場合、固定接点57と可動接点58とが溶着する(上記表面の材質がアークの熱により溶解したまま接触することによって両接点が接着すること)。そして、上記溶着が起こると、スイッチが動かなくなる(操作できなくなる)、またはスイッチが重くなる(スイッチの操作に大きな力を必要とする)という第2の問題が生じる。
図13に基づいて、上記第1の問題および第2の問題が生じる原因を説明する。図13は、上記スイッチの構造の本質的な部分のみを表した概略図であり、(a)は図12の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。なお、図13の(a)〜(c)は、摺動部材51の回転を分かりやすく明示するために、中心線Cで対称となる仮想的な弧として軌跡Lを示していることに注意する。すなわち、摺動部材51は、弾性を有するばね(図13において図示せず)によって操作ボタン53の底部に接続されていることにより、軸Sを中心にした回転方向にのみ可動な剛体ではなく、垂直方向(図13の(b)において支点Rから軸Sへ向かう方向)に伸縮自在であるため、当該摺動部材51の先端によって描かれる軌跡Lは、水平方向(図13に示される平面において、上記垂直方向と直交する方向)に略直線となるのが実際である。
図13の(a)〜(c)に示されるように、従来のスイッチが上記第1の問題および第2の問題を有する原因は、スイッチの切り替え操作に伴う可動部材52の回転と、摺動部材51による摺動とが線形に連動する(スイッチの操作量と摺動部材51が摺動する距離とが比例関係を有する)ことである。そして、摺動部材51による摺動がスイッチの切り替え操作に線形に依存する原因は、上記ばねの弾性変形が最大となる場合の上記先端の摺接部Eにおける位置が、支点Rと軸Sとを結ぶ直線Pの上にのる(直線Pに一致する)ことにより、摺動部材51が可動部材52に加える力のモーメントが、摺動部材51が摺動する動きと連動して(すなわちスイッチの切り替え操作に連動して)、両接点を接触させる方向と開離させる方向とに均等に作用するためである。
具体的には、摺動部材51の先端が支点Rに近づくにつれて、両接点を接触させる力が徐々に弱まることにより、可動接点58が固定接点57から少しずつ離れていく(図12の(a)または(b)における状態2および状態3)。摺接部Eにおける上記先端の位置が直線Pの上にくると(状態4、このとき上記ばねの弾性変形が最大となる)、上記力のモーメントはゼロになるため、両接点を接触または開離させるいずれの方向にも力は作用しなくなる。上記位置が直線Pを過ぎると(状態5および状態6)、上記ばねが弾性変形することによって蓄えられた応力(当該ばねが元の形状に戻ろうとする力)によって両接点を開離させる力が徐々に強まり、可動接点58が固定接点57から少しずつさらに離れていく。このように、スイッチが状態1から状態7に遷移するまでに、当該スイッチの切り替え操作に応じて、上記中間的な状態が現れる(図12参照)。これが上記第1の問題および第2の問題を引き起こす。
前述したように、上記の特許文献1には、操作速度と接点の開閉スピードとを独立させたシーソースイッチが開示されている。しかし、当該シーソースイッチは、第1接触片に、当該第1接触片とは異なる部品である第2接触片を設けるという複雑な構成を備える必要があるため、部品の点数が増加し、それに伴って当該部品を組み立てる工数も増加するという弊害がある。他の特許文献も同様の弊害が生じるため、コストを抑える観点から実用が困難である。
本発明は、上記第1の問題および第2の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しない切替装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る切替装置は、
(1)所定の支点において揺動する可動部材と、当該可動部材に設けられた可動接点と、所定の軸を中心に回転する動作によって、所定の部分が前記可動部材の所定の面上を摺動する摺動部材と、前記所定の部分が前記所定の面上に当接したまま摺動可能となるように、前記摺動部材を伸縮自在に支持する弾性部材と、所定の接触位置において前記可動接点に接触する固定接点とを備え、前記摺動部材による摺動によって前記可動部材が揺動し、当該可動部材による揺動によって前記可動接点と前記固定接点との接触と非接触とが切り替えられることにより、電気の導通と遮断とを切り替える切替装置であって、
(2)前記摺動部材は、前記所定の面上における前記所定の部分の位置であって、前記所定の軸と前記所定の支点とを結ぶ直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転する。
前述したように、従来のスイッチにおいては、弾性部材の弾性変形が最大となる場合の摺動部材の所定の面上における位置が、所定の支点と所定の軸とを結ぶ直線の上にのっていた。これにより、スイッチの操作量と摺動部材が摺動する距離とが比例関係を有し、第1の問題(アークによってスイッチの寿命が縮まる問題)および第2の問題(接点が溶着することによって操作できなくなる又は操作が重くなる問題)が生じていた。
一方、本発明の一態様に係る切替装置によれば、上記所定の面上における上記所定の部分(例えば上記摺動部材の先端)の位置であって、上記直線よりも上記所定の接触位置の側に偏った位置において、上記弾性部材の変形が最大となるように、上記摺動部材は回転する。部品の点数を増やさない簡単な構成により、上記摺動部材が上記可動部材に加える力のモーメントは、上記固定接点と上記可動接点とを接触させる方向に偏って作用する。
具体的には、上記所定の部分が上記所定の支点に近づくにつれて、両接点を接触させる方向に作用する上記力のモーメントは徐々に弱まるが、上記所定の部分が上記直線を通り過ぎるまで、上記可動接点は上記固定接点から離れない。すなわち、弾性部材の変形が最大となったとき、従来のスイッチにおいては、可動接点は固定接点から既に開離しているが、上記切替装置においては、依然として上記可動接点は上記固定接点から開離していない。上記弾性部材の変形が最大となる位置が上記直線よりも上記所定の接触位置の側に偏っていることによって、上記所定の部分が当該最大となる位置にきても、上記力のモーメントは依然として両接点を接触させる方向に加わるからである。
したがって、上記切替装置においては、上記可動接点が上記固定接点から開離するタイミングは従来よりも遅くなる(従来のように、切り替え操作が開始されたと同時に、摺動部材も摺動を開始するわけではない)。すなわち、途中まで操作が行われた段階(上記弾性部材の応力が作用し始める段階)では依然として両接点は接触しているため、当該操作が戻された場合であっても、両接点が溶着することはない。したがって、上記切替装置は、上記第2の問題を解決できる。
また、上記弾性部材の変形が最大となった場合でも上記可動接点は上記固定接点から開離しないため、上記切替装置は、上記弾性変形によって蓄えられた応力(上記弾性部材が元の形状に戻ろうとする力)を、両接点が未だ接触している状態から当該両接点を開離させる方向に作用させることができる。したがって、上記切替装置においては、タイミングを遅らせた両接点の開離が始まると、瞬時に当該両接点が開き切るように、上記可動接点は上記固定接点から従来よりも高速に開離する(従来のように、可動接点が固定接点から開離する速度は、スイッチが操作される速度に依存しない)。これにより、アークが発生する上記中間的な状態にある時間が従来よりも短くなるため、上記切替装置は、上記第1の問題を解決できる。
すなわち、本発明の一態様に係る切替装置は、簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。したがって、上記切替装置は、上記第1の問題と第2の問題とを解決できる。
また、本発明の一態様に係る切替装置では、
(1)前記摺動部材は、前記所定の軸が前記所定の支点よりも前記所定の接触位置に近いことによって、前記直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転してもよい。
上記構成によれば、本発明の一態様に係る切替装置は、上記所定の支点に対して、上記所定の軸の水平位置が上記所定の接触位置の側にずれている(上記所定の軸が上記所定の支点よりも上記所定の接触位置に近い)という簡単な構成により、上記直線よりも上記所定の接触位置の側に偏った位置において、上記弾性部材の変形を最大にできる。すなわち、本発明の一態様に係る切替装置は、簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。したがって、上記切替装置は、上記第1の問題と第2の問題とを解決できる。
また、本発明の一態様に係る切替装置では、
(1)前記摺動部材は、前記可動部材に突起が設けられていることによって、前記直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転してもよい。
上記構成によれば、本発明の一態様に係る切替装置は、上記可動部材に突起が設けられているという簡単な構成により、上記直線よりも上記所定の接触位置の側に偏った位置において、上記弾性部材の変形を最大にできる。すなわち、本発明の一態様に係る切替装置は、簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。したがって、上記切替装置は、上記第1の問題と第2の問題とを解決できる。
また、本発明の一態様に係る切替装置では、
(1)前記可動部材は、当該可動部材の所定の端部に形成される湾曲部を有し、
(2)前記摺動部材は、前記所定の接触位置の側から前記湾曲部まで、前記所定の部分が前記所定の面上を摺動してもよい。
従来のスイッチは、可動部材が板状の形状を有するに過ぎないため、当該可動部材の形状に応じて、摺動部材が摺動する速度に緩急がつくことはない。すなわち、スイッチが操作される速度と摺動部材が摺動する速度(言い換えれば、可動接点が固定接点から開離する速度)とが一致する。したがって、摺動部材による摺動は、スイッチの切り替え操作に依存する。
一方、本発明の一態様に係る切替装置によれば、上記可動部材は上記湾曲部を有しているため、所定の接触位置の側から上記可動部材を摺動してきた上記所定の部分は、上記湾曲部の最低部に向かって一気に摺動する。すなわち、上記切替装置が操作される速度によらず、上記摺動部材は高速に摺動する。これにより、上記可動部材が跳ね上がるように勢いよく揺動するため、上記可動接点は高速に固定接点から開離する。言い換えれば、上記切替装置においては、タイミングを遅らせた両接点の開離が始まると、瞬時に当該両接点が開き切るように、上記可動接点は上記固定接点から従来よりも高速に開離する。これにより、アークが発生する上記中間的な状態にある時間が従来よりも短くなるため、上記切替装置は、上記第1の問題をさらに確実に解決できる。
また、従来はアークによって筐体の内壁が劣化することを防止するために、当該筐体を所定のサイズよりも大きくし、内部の空間をある程度広くとる必要があったところ、上記切替装置は両接点を高速に開離させることによって、発生するアークのエネルギーを小さく抑えることができるため、内部の空間を広くとる必要がない。したがって、本発明の一態様に係る切替装置は、従来よりも装置を小型化できる。
本発明の一態様に係る切替装置によれば、前記摺動部材は、前記所定の面上における前記所定の部分の位置であって、前記所定の軸と前記所定の支点とを結ぶ直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転する。
これにより、上記切替装置は、簡単な構成によって、摺動部材による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。したがって、上記切替装置は、アークによってスイッチの寿命が縮まるという第1の問題と、接点が溶着することによって操作できなくなる又は操作が重くなるという第2の問題とを解決できるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係るスイッチの要部構成を示す模式図である。 軸が支点よりも接触位置に近い第1の構造の本質的な部分のみを表した概略図であり、(a)は図5の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。 可動部材の摺接部に摺動突起を設けた第2の構造の本質的な部分のみを表した概略図であり、(a)は図5の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。 上記スイッチの内部の要部構造を示す模式図である。 上記スイッチが動作する様子を時系列で表した模式図であり、(a)は、摺動部材による摺動と連動して、固定接点と可動接点とが接離する様子を示し、(b)は、摺動部材の先端が摺接部を摺動する部分を拡大するとともに、当該摺動部材によって加えられる力の向きを矢印で示している。 上記スイッチの組み立て過程を段階的に示した分解斜視図であり、(a)は第1の組み立て過程を示し、(b)は第2の組み立て過程を示し、(c)は組み立てが完成した上記スイッチの外観を示す。 可動部材を表し、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は斜視図である。 上記スイッチと従来のスイッチとの間で、遮断時間とアークエネルギーとを、2種類の操作速度で比較した表である。 (a)は、遮断時間の操作速度に対する依存性を示すグラフであり、(b)は、アークエネルギーの操作速度に対する依存性を示すグラフである。 可動部材に設けられた摺動突起の他の形状を表した模式図であり、(a)は第1の他の形状、(b)は第2の他の形状、(c)は第3の他の形状である。 従来のスイッチの内部の要部構造を示す模式図である。 上記従来のスイッチが動作する様子を時系列で表した模式図であり、(a)は、摺動部材による摺動と連動して、固定接点と可動接点とが接離する様子を示し、(b)は、摺動部材の先端が摺接部を摺動する部分を拡大するとともに、当該摺動部材によって加えられる力の向きを矢印で示している。 上記従来のスイッチの構造の本質的な部分のみを表した概略図であり、(a)は図12の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。
図1〜図10に基づいて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
〔スイッチ10の構成〕
図1に基づいて、スイッチ10の構成を説明する。図1は、スイッチ10の内部構造を示す断面図である。
なお、スイッチ10の全体と図1が示す断面との関係は、図6の(c)を参照して後で説明される。また、スイッチ10は、符号1〜9、および符号14が付された同一の部材をそれぞれ2つ備えるが、図1に示される断面には片方しか現れていない。図6および当該図の説明では、上記符号にaまたはbがさらに付されることによって上記部材がそれぞれ2つ存在することが明示されるが、記載の簡潔性を担保するために、他の図および当該他の図の説明では、aおよびbの付加は省略される。他の図および当該他の図の説明において、aおよびbが省略された符号を付された部材は、図6および当該図の説明において、上記符号にaまたはbがさらに付された部材のいずれか一方に対応する(例えば、他の図における摺動部材1は、図6の(a)における摺動部材1aまたは摺動部材1bに対応する)。
スイッチ(切替装置)10は、筐体突起5を支点(所定の支点)Rとして揺動する可動部材2と、当該可動部材2に設けられた可動接点8と、軸(所定の軸)Sを中心に回転する動作によって、先端(所定の部分)が可動部材2の摺接部(所定の面上)Eを摺動する摺動部材1と、当該先端が摺接部Eに当接したまま摺動可能となるように、摺動部材1を伸縮自在に支持するばね(弾性部材)14と、接触位置(所定の接触位置)Tにおいて可動接点2に接触する固定接点7とを備え、摺動部材1による摺動によって可動部材2が揺動し、当該可動部材2による揺動によって可動接点8と固定接点7との接触と非接触とが切り替えられることにより、電気の導通と遮断とを切り替える切替装置である。図1に示されるように、スイッチ10は、摺動部材1、可動部材2、固定部材3、接地部材4、筐体突起5、摺動突起6、固定接点7、可動接点8、操作ボタン11、および磁石13を備えている。
可動部材2は、略スプーン形状(一方端部に扇形の皿状部分を備え、扇の中心部からスプーンの柄のように板状部材が延出した形状をいう)を有する部材であり、ステンレス(例えば、SUS304などのステンレス)などの非磁性材料を用いて作られる。可動部材2は、上記皿状部分に可動接点8(銀合金を用いて作られた導電部材)を備えており、可動部材2の他方端部(上記板状部材の端部)は半フック形状に湾曲している。
可動部材2の背面(可動接点8が固定接点7に接触する側の上記板状部材の面をいう)の窪みK(図1には現れていない。図7の(a)および(b)を参照して後で詳細に説明する)に筐体突起5が差し込まれるように、可動部材2は筐体突起5に支持されており、これにより当該可動部材2は、当該筐体突起5を支点Rとして揺動する(シーソーのように支点Rにおいて揺れ動くことをいう)。可動部材2は筐体突起5に対して反るように、その略中央部も湾曲している。すなわち、上記他方端部の湾曲と上記略中央部の湾曲とによって、スプーンの柄のように延出した上記板状部材は、緩い略S字形を描く。なお、上記略S字形によって形成される湾部分を、以下では「湾曲部B」(図1が煩雑になることを防ぐために、当該図1では符号を記載していない。図7の(a)および(c)を参照して後で詳細に説明する)と称する。
一方、可動部材2の前面(上記背面とは逆側の上記板状部材の面をいう)には摺動突起(突起)6が設けられ、摺動部材1の先端が当該摺動突起6に乗り上げながら、上記前面を摺動する(摺動部材1の先端が当該前面に接触したまま動くことをいう)。なお、上記前面において摺動部材1が摺動する部分を、以下では「摺接部E」と称する。
固定部材3は、鉤型の形状を有する部材であり、黄銅(例えば、C2680Rなどの黄銅でよい)を用いて作られる。固定部材3は、鉤部分(短手部分)に固定接点7(銀合金を用いて作られた導電部材)を備えている。固定部材3の柄部分(長手部分)は筐体12(ナイロン66などの合成繊維を用いて作られる)の底面に埋設され、当該柄部分の先に導電可能な電気線が接続されている。同様に、接地部材4も鉤型の形状を有する部材であり、黄銅(C2680R)を用いて作られる。接地部材4も、その柄部分が筐体12の底面に埋設され、当該柄部分の先に導電可能な電気線が接続されている。
摺動部材1は、板状部材を半円状に湾曲させた形状を有する部材であり、ステンレス(例えば、SUS304などのステンレス)などの非磁性材料を用いて作られる。ばね14(図1には現れていない、図6を参照して後述する)によって、摺動部材1は操作ボタン11(ナイロン66などの合成繊維を用いて作られる)の底部に伸縮自在に取り付けられているため、操作ボタン11が操作されることにより軸Sを回転すると、当該回転に連動して摺動部材1も軸Sを回転する。摺動部材1の先端が当該回転によって可動部材2の摺接部Eを摺動し、当該摺動に連動して可動部材2が支点Rにおいて揺動する。当該揺動によって、可動部材2の一方端部に備えられた可動接点8が固定接点7を接離するため、スイッチ10は電気の導通と遮断とを切り替えることができる。
なお、接触位置Tの側から摺動突起6を乗り越えて摺接部Eを摺動してきた摺動部材1の先端を、湾曲部Bが受け止められるように、当該湾曲部Bの曲率と、上記半円状に湾曲させた形状の曲率とが略同一となることが好ましい。ただし、両曲率は略同一とならなくてもよい。
磁石13は、電流が移動する方向と直交する方向に磁界を発生させ、アークを構成する電子に力を作用させることによって、当該アークの拡散を促すために設けられた直方体形状のネオジムボンド磁石(ネオジムプラスチック磁石、一般に「ネオジボンド」とも称される)である。
〔スイッチ10が備えた2つの特徴的構造〕
図2および図3に基づいて、上記第1の問題(アークによってスイッチの寿命が縮まる問題)および第2の問題(接点が溶着することによって操作できなくなる又は操作が重くなる問題)を解決するために、スイッチ10が採用する2つの特徴的な構造を説明する。図2は、軸Sが支点Rよりも接触位置Tに近い第1の構造の本質的な部分のみを表した概略図である。図2の(a)は図5の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。同様に、図3は、可動部材2の摺接部Eに摺動突起6を設けた第2の構造の本質的な部分のみを表した概略図である。図3の(a)は図5の(a)および(b)に示される状態1に対応し、(b)は状態4に対応し、(c)は状態7に対応する。なお、図5は後で詳細に説明される。
図2の(a)〜(c)に示されるように、軸Sの水平位置が支点Rに対して、接触位置Tの側にずれている(軸Sが支点Rよりも接触位置Tに近い)ことにより、ばね14(図6参照)の弾性変形が最大となる場合の摺動部材1の先端の摺接部Eにおける位置は、直線Pの上にのらない(直線Pと一致しない)。すなわち、直線Pよりも接触位置Tの側に偏った位置においてばね14の変形が最大となる。これにより、モーメントが中立となる直線Pの位置において、ばね14のエネルギーが解放され、当該ばね14の蓄えたエネルギーによって、摺動部材1の先端が摺接部Eを摺動する。
図3の(a)〜(c)に示されるように、可動部材2の摺接部Eに摺動突起6が設けられていることによって、ばね14の弾性変形が最大となる場合の上記先端の摺接部Eにおける位置は、直線Pの上にのらない(直線Pと一致しない)。すなわち、摺動部材1の先端が摺動突起6の斜面を上るように摺動することにより、当該摺動突起6の頂点でばね14の弾性変形が最大となる位置は、直線Pよりも両接点(固定接点7および可動接点8)の側に偏る。これにより、モーメントが中立となる直線Pの位置において、ばね14のエネルギーが解放され、当該ばね14の蓄えたエネルギーによって、摺動部材1の先端が摺接部Eを摺動する。
なお、図2および図3は、上記第1の構造および第2の構造がそれぞれ設けられたことにより奏される効果を分かりやすく説明するために、中心線Cで対称となる仮想的な弧として軌跡Lを示していることに注意する。すなわち、摺動部材1は、軸Sを中心にした回転方向にのみ可動な剛体ではなく、ばね14の弾性によって垂直方向(図2の(b)または図3の(b)において支点Rから軸Sへ向かう方向)に伸縮自在であるのが実際であるため、当該摺動部材1の先端によって描かれる軌跡Lは、図2または図3に示されるような仮想的な弧にはならない。ただし、「ばね14の弾性変形が最大となる場合の上記先端の摺接部Eにおける位置は、直線Pの上にのらない」という本質は、実際のスイッチ10においても同じである。
前述したように、従来のスイッチ(図11〜図13参照)においては、ばねの弾性変形が最大となる場合の摺動部材の摺接部Eにおける位置が、支点Rと軸Sとを結ぶ直線Pの上にのっていた。これにより、摺動部材の先端が摺接部Eを摺動する動きと連動して、当該摺動部材が可動部材に加える力のモーメントは、両接点を接触させる方向と開離させる方向とに均等に作用するため、従来のスイッチが状態1から状態7に遷移するまでに中間的な状態(固定接点7と可動接点8とが近接する状態)が連続的に現れる。これが、上記第1の問題および第2の問題を引き起こす。
一方、スイッチ10は、(1)軸Sの水平位置が支点Rに対して接触位置Tの側にずれている第1の構造(図2)、または、(2)可動部材2の摺接部Eに摺動突起6が設けられている第2の構造(図3)を有するため、摺接部Eにおける摺動部材1の先端の位置であって、直線Pよりも接触位置Tの側に偏った位置において、ばね14の変形が最大となるように、当該摺動部材1は回転する(ばね14の弾性変形が最大となる場合の上記先端の摺接部Eにおける位置が、直線Pの上にのらないように、摺動部材1は回転する)。これにより、摺動部材1が可動部材2に加える力のモーメントは、両接点を接触させる方向に偏って作用する。
具体的には、摺動部材1の先端が支点Rに近づくにつれて、両接点を接触させる力は徐々に弱まるが、従来のスイッチとは異なり、上記先端が直線Pを通り過ぎるまで、可動接点8は固定接点7から離れない。ばね14の変形が最大となる位置が直線Pよりも接触位置Tの側に偏っていることにより、上記先端がばね14の変形が最大となる位置にきても(図5の(a)および(b)に示される状態4)、上記力のモーメントは依然として両接点を接触させる方向に加わるからである。すなわち、スイッチ10は、上記構造(1)または(2)を有することにより、両接点が開離するタイミングを従来よりも遅らせることができる(従来のように、切り替え操作が開始されたと同時に、摺動部材も摺動を開始するわけではない)。これにより、途中まで操作が行われた段階(ばね14の応力が作用し始める段階)では依然として両接点は接触しているため、当該操作が戻された場合であっても、両接点が溶着することはない。したがって、スイッチ10は、上記第2の問題を解決できる。
また、ばね14の弾性変形が最大となったとき、従来のスイッチにおいては、可動接点は固定接点から既に開離しているが、スイッチ10においては、依然として可動接点8は固定接点7から開離していない。これにより、スイッチ10は、ばね14が弾性変形することによって蓄えられた応力(当該ばね14が元の形状に戻ろうとする力)を、両接点が未だ接触している状態から、当該両接点を開離させる方向に作用させることができる。したがって、スイッチ10においては、タイミングを遅らせた両接点の開離が始まると、瞬時に当該両接点が開き切るように、可動接点8は固定接点7から従来よりも高速に開離する(従来のように、可動接点が固定接点から開離する速度は、スイッチが操作される速度に依存しない)。これにより、アークが発生する上記中間的な状態にある時間が従来よりも短くなるため、スイッチ10は、上記第1の問題を解決できる。
以上のように、スイッチ10は、上記第1の構造または第2の構造という簡単な構成によって、摺動部材1による摺動が切り替え操作に依存しないようにできる。したがって、スイッチ10は、アークによってスイッチの寿命が縮まるという第1の問題、および固定接点7と可動接点8とが溶着することにより操作できなくなる又は操作が重くなるという第2の問題を解決できる。
なお、図1、図4〜図10、およびこれらの図の説明において、上記第1の構造と第2の構造とを兼ね備えたスイッチ10が説明される。スイッチ10が両構造を兼ね備えることにより、摺動部材1による摺動が切り替え操作にさらに依存しないようにすることができるため、上記第1の問題と第2の問題とを一層確実に解決できる。ただし、スイッチ10がいずれか一方の構造のみを備えた場合であっても、同様の効果を奏することに注意する。また、摺動部材1が可動部材2に加える力のモーメントを、両接点を接触させる方向に偏って作用させるために、摺接部Eにおける摺動部材1の先端の位置であって、直線Pよりも接触位置Tの側に偏った位置において、ばね14の変形が最大となるように、当該摺動部材1が回転する構造でありさえすればよく、当該構造は、上記第1の構造または第2の構造に限られないことにも注意する。
〔スイッチ10の動作〕
図4および図5に基づいて、スイッチ10が有する構造と当該スイッチ10の動作とを詳細に説明する。図4は、スイッチ10の内部の要部構造を示す模式図である。図5は、スイッチ10が動作する様子を時系列で表した模式図であり、(a)は、摺動部材1による摺動と連動して、固定接点7と可動接点8とが接離する様子を示し、(b)は、摺動部材1の先端が摺接部Eを摺動する部分を拡大するとともに、当該摺動部材1によって加えられる力の向きを矢印で示している。なお、図5の(a)および(b)において、左の模式図が示す状態から順に、「状態1」〜「状態7」と称する。
図4に示されるように、スイッチ10は、軸Sが支点Rよりも接触位置Tに近い第1の構造と、可動部材2の摺接部Eに摺動突起6が設けられている第2の構造とを備えている。ここで、可動部材2が略S字形の形状を有することにより、湾曲部Bが形成されていることに注意する。
従来のスイッチは、可動部材が板状の形状を有するに過ぎない(筐体突起に対して反るように略中央部が湾曲しておらず、略S字形の形状を有さない)ため、摺接部Eの形状に応じて、摺動部材が摺動する速度に緩急がつくことはない。すなわち、スイッチが操作される速度と摺動部材が摺動する速度(言い換えれば、可動接点が固定接点から開離する速度)とが一致する。したがって、摺動部材による摺動が、スイッチの切り替え操作に一層依存する。
一方、スイッチ10が備えた可動部材2は湾曲部Bを有しているため、接触位置Tの側から摺接部Eを摺動してきた摺動部材1の先端は、摺動突起6を乗り越えると、当該摺動突起6の頂点から上記湾曲部Bの最低部に至る下り坂を転がるように、当該湾曲部Bへ向かって一気に摺動する(図5の(a)または(b)における状態7を参照)。すなわち、摺動部材1が摺動突起6の頂点を過ぎた後は、操作ボタン11が押下される速度(スイッチ10が操作される速度)によらず、摺動部材1は高速に摺動する。これにより、可動部材2が跳ね上がるように勢いよく揺動するため、可動接点8は高速に固定接点7から開離する。換言すれば、スイッチ10は、タイミングを遅らせた両接点の開離が始まると(状態6)、開き切った状態(状態7)まで瞬時に遷移する。これにより、アークが発生する上記中間的な状態にある時間が従来よりも短くなるため、スイッチ10は、上記第1の問題をさらに確実に解決できる。
また、スイッチ10は、従来のスイッチよりも筐体12を小さくできる。従来のスイッチは、アークによって筐体の内壁が劣化することを防止するために、当該筐体を所定のサイズよりも大きくし、内部の空間をある程度広くとる必要があったところ、スイッチ10は可動接点8を固定接点7から高速に開離させることによって、発生するアークのエネルギーを小さく抑えることができるため(図8を参照して後で詳細に説明する)、内部の空間を広くとる必要がないからである。
図5の(a)および(b)に示されるように、摺動部材1の先端が可動部材2の他方端部に近づいても、状態6に示される位置に至るまで、可動接点8は固定接点7から開離しない。図5の(b)において矢印で表される力の向きから分かるように、両接点を接触させる方向に当該力が常に加わるからである。また、摺動部材1が状態6に示される位置に至った後は、上記先端は直ちに状態7に示される位置(湾曲部Bの最低部)まで摺動する。これにより、スイッチ10は、固定接点7と可動接点8とが近接するという中間的な状態をほとんど経ることなく、固定接点7と可動接点8とが接触した状態(状態1)から両接点が開離した状態(状態7)まで一気に遷移する。
すなわち、スイッチ10は、簡単な構成によって、摺動部材1による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。したがって、スイッチ10は、上記第1の問題と第2の問題とを解決できる。
〔スイッチ10の外観および組み立て過程〕
図6に基づいて、スイッチ10の外観および組み立て過程を説明する。図6は、スイッチ10の組み立て過程を段階的に示した分解斜視図であり、(a)は第1の組み立て過程を示し、(b)は第2の組み立て過程を示し、(c)は組み立てが完成したスイッチ10の外観を示す。なお、前述した図1は、図6の(c)におけるA−A線矢視断面図に相当する。以下では、図1に示される断面に現れていない部材のみを説明する。
ブリッジ9aおよびブリッジ9bは、固定接点7と可動接点8とが接触した場合、固定部材3の側から接地部材4の側に電気を導く(電気が流れる方向は逆でもよい)鉤型の形状を有する部材であり、黄銅を用いて作られる。すなわち、ブリッジ9aおよびブリッジ9bの鉤部分は、それぞれ接地部材4aおよび接地部材4bに固定されており、両接点が接触するように可動部材2が揺動すると、ブリッジ9aおよびブリッジ9bの柄部分がそれぞれ固定部材3aおよび固定部材3bに押しつけられるように接触する。これにより、固定部材3の側から接地部材4の側に通電する。
ばね(弾性部材)14aおよびばね(弾性部材)14bは、摺動部材1の先端が摺接部Eに当接したまま摺動可能となるように、それぞれ摺動部材1aおよび摺動部材1bを操作ボタン11の底部に伸縮自在に接続する円柱形状の弾性部材であり、ピアノ線(例えば、SWP−Aなどのスチールワイヤのピアノ線でよい)を用いて作られる。軸受孔16aおよび軸受孔16bは、操作ボタン11に設けられて軸Sとして機能する突起が差し込まれることによって、当該操作ボタン11を回転可能にする穴である。
〔可動部材2の形状〕
図7に基づいて、可動部材2の形状を詳細に説明する。図7は、可動部材2を表し、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は斜視図である。
図7の(a)および(b)に示されるように、可動部材2の背面には窪みKが設けられており、当該窪みKに筐体突起5が差し込まれるように(窪みKの最奥部と筐体突起5の先端とが当接するように)、当該可動部材2は筐体突起5に載置されている。これにより可動部材2は、当該筐体突起5を支点Rとして揺動するように支持される。
図7の(a)および(c)に示されるように、可動部材2は、他方端部(可動接点8を備えた端部とは反対側の端部)が有する半フック形状によって形成される湾曲部Bを有する。これにより、接触位置Tの側から摺接部Eを摺動してきた摺動部材1は、摺動突起6を乗り越えると、当該湾曲部Bへ向かって一気に摺動し、可動部材2が跳ね上がるように勢いよく揺動するため、可動接点8は高速に固定接点7から開離する。
〔スイッチ10の性能と従来のスイッチの性能との比較〕
図8に基づいて、スイッチ10の性能と従来のスイッチの性能とを比較した結果を説明する。図8は、スイッチ10と従来のスイッチとの間で、遮断時間(固定接点と可動接点が開離後にアークが発生してから、アークが消滅するまでに要する時間)とアークエネルギー(アークによって放出される電気エネルギー)とを、2種類の操作速度(操作ボタン11を押下する速度)で比較した表である。当該表に含まれるグラフにおいて、横軸はアークが発生してから経過した時間を表し、縦軸は各時間におけるアークの電流、電圧、および電力(電流×電圧)の大きさを示す。
図8の各グラフの横軸に示されるように、操作ボタン11の操作が開始されてから、可動接点8が固定接点7から離れ始めるまでの時間(aミリ秒)は、従来のスイッチよりスイッチ10の方が長い。すなわち、スイッチ10は、可動接点8が固定接点7から開離するタイミングを従来よりも遅らせることができる。また、各グラフに示されるように、アークエネルギーを示す波形の立ち上がりは、従来のスイッチよりスイッチ10の方が急峻である。すなわち、スイッチ10は、可動接点8を固定接点7から高速に開離させることによって、アークが発生する時間を従来よりも短くすることができる。
実際、操作速度が秒速30ミリの場合と秒速60ミリの場合とのいずれにおいても、従来のスイッチよりもスイッチ10の方が、遮断時間が短く、アークエネルギーも小さい。なお、図9を参照して後述するように、従来のスイッチにおいては、操作速度が遅くなるほど遮断時間およびアークエネルギーが増大する(操作依存性がある)一方で、スイッチ10においては、遮断時間およびアークエネルギーは略一定に保たれる(操作依存性がない)ため、従来のスイッチの操作速度を遅くするほど、従来のスイッチに対するスイッチ10の遮断時間およびアークエネルギーの減少幅は大きくなる。
図9に基づいて、スイッチ10の性能と従来のスイッチの性能とをさらに比較した結果を説明する。図9の(a)は、遮断時間の操作速度に対する依存性を示すグラフであり、(b)は、アークエネルギーの操作速度に対する依存性を示すグラフである。
図9の(a)および(b)に示されるように、スイッチ10の実験結果を示す2点を結ぶ直線の傾きは、従来のスイッチの実験結果を示す2点を結ぶ直線の傾きよりも、顕著に小さい。これは、従来のスイッチと比較して、スイッチ10は常に一定の効果を発揮する(得られる効果が操作速度に依存しない)ことを示している。すなわち、スイッチ10は、操作ボタン11が押下される速度によらず、可動接点8が固定接点7から開離するタイミングを従来よりも遅らせることができるとともに、可動接点8を高速に固定接点7から開離させることができる。
したがって、スイッチ10は、アークによってスイッチの寿命が縮まるという第1の問題と、固定接点7と可動接点8とが溶着することによって操作できなくなる又は操作が重くなるという第2の問題とを、確実に解決できる。
〔摺動突起6の他の形状〕
図10に基づいて、摺動突起6の他の形状を説明する。図10は、可動部材2に設けられた摺動突起6の他の形状を表した模式図であり、(a)は第1の他の形状、(b)は第2の他の形状、(c)は第3の他の形状である。
図10の(a)に示されるように、可動部材2の手前側(図6の(c)に示されるスイッチ10の外観において、筐体12の側面側)に摺動突起6が設けられていてよい。また、図10の(b)に示されるように、摺動突起6はドーム状の形状を有していてよい。あるいは、図10の(c)に示されるように、ドーム状の形状を有する摺動突起6が、可動部材2の手前側に設けられていてもよい。
〔スイッチ10が奏する効果〕
以上、図1〜図10を参照して説明したように、スイッチ10は、簡単な構成によって、摺動部材1による摺動が切り替え操作に依存しないようにすることができる。具体的には、スイッチ10は、操作ボタン11がどのように操作されても、可動接点8が固定接点7から開離するタイミングを遅らせるとともに、両接点が高速に開離することを可能にする。したがって、スイッチ10は、アークによってスイッチの寿命が縮まるという第1の問題と、接点が溶着することにより操作できなくなる又は操作が重くなるという第2の問題とを解決できるという効果を奏する。
また、スイッチ10は、可動接点8を固定接点7から高速に開離させることにより、発生するアークのエネルギーを小さく抑えることができ、筐体12の内部の空間を広くとる必要がないため、従来のスイッチよりも小型化できるという効果も奏する。
〔実施の形態の組み合わせについて〕
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれの実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
本発明は、電気の導通と遮断とを切り替える切替装置に、広く適用できる。
1 摺動部材(摺動部材)
2 可動部材(可動部材)
7 固定接点(固定接点)
8 可動接点(可動接点)
6 摺動突起(突起)
10 スイッチ(切替装置)
14 ばね(弾性部材)
B 湾曲部(湾曲部)
E 摺接部(所定の面上)
P 直線(直線)
R 支点(所定の支点)
S 軸(所定の軸)
T 接触位置(所定の接触位置)

Claims (4)

  1. 所定の支点において揺動する可動部材と、当該可動部材に設けられた可動接点と、所定の軸を中心に回転する動作によって、所定の部分が前記可動部材の所定の面上を摺動する摺動部材と、前記所定の部分が前記所定の面上に当接したまま摺動可能となるように、前記摺動部材を伸縮自在に支持する弾性部材と、所定の接触位置において前記可動接点に接触する固定接点とを備え、前記摺動部材による摺動によって前記可動部材が揺動し、当該可動部材による揺動によって前記可動接点と前記固定接点との接触と非接触とが切り替えられることにより、電気の導通と遮断とを切り替える切替装置であって、
    前記摺動部材は、前記所定の面上における前記所定の部分の位置であって、前記所定の軸と前記所定の支点とを結ぶ直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転することを特徴とする切替装置。
  2. 前記摺動部材は、前記所定の軸が前記所定の支点よりも前記所定の接触位置に近いことによって、前記直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転することを特徴とする請求項1に記載の切替装置。
  3. 前記摺動部材は、前記可動部材に突起が設けられていることによって、前記直線よりも前記所定の接触位置の側に偏った位置において、前記弾性部材の変形が最大となるように回転することを特徴とする請求項1または2に記載の切替装置。
  4. 前記可動部材は、当該可動部材の所定の端部に形成される湾曲部を有し、
    前記摺動部材は、前記所定の接触位置の側から前記湾曲部まで、前記所定の部分が前記所定の面上を摺動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の切替装置。
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