JP2014174518A - 画像処理装置、電気光学装置、電子機器および駆動方法 - Google Patents

画像処理装置、電気光学装置、電子機器および駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更できるようにする。
【解決手段】記憶手段は、正極性サブフィールドコードに含まれるオンの期間の合計時間と、負極性サブフィールドコードに含まれるオンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶し、変換手段は、画像が、視覚者に視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、映像信号を正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードに変換して出力し、画像が、視覚者に視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、映像信号を正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードに変換する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶等の電気光学素子を用いた電気光学装置における表示不良を抑制する技術に関する。
液晶等の電気光学素子を用いた電気光学装置において、直流電圧が印加され続けると電気光学素子が劣化してしまうことが知られている。劣化を防ぐため、一般に電気光学素子は交流駆動される。例えば液晶装置においては、液晶層を挟む画素電極基板と対向電極基板との物理的な構造が異なるため、所定の電位(例えば、対向電極電位)を基準として正極性電圧が印加された場合と負極性電圧が印加された場合とでは、電極と配向膜との界面や配向膜と液晶層等との界面における抵抗値が異なってしまう。たとえ正極性電圧および負極性電圧の実効電圧が等しくても、電流量すなわち電荷の移動量に非対称性が生じる。電荷の移動量の非対称性により、液晶内部の電荷に偏りが生じて内部電界が発生する。内部電界の影響により、実際に液晶層に印加される電圧が正極性と負極性とで非対称となり、直流成分を含んでしまう。この影響により、フリッカー、液晶の焼き付きなどの表示不良が発生する場合がある。この問題に対処するため、特許文献1は、正極性電圧を印加する期間および負極性電圧を印加する期間の時間比を調整することを開示している。
液晶素子における階調制御方法として、液晶素子に印加される電圧を変調する電圧変調方式の他、液晶素子に一定電圧が印加される時間を変調する、いわゆるサブフィールド駆動方式が知られている(特許文献2)。サブフィールド駆動方式において、1フレームは複数のサブフィールドに分割される。複数のサブフィールドのうち電圧を印加するサブフィールド(オンするサブフィールド)と電圧を印加しないサブフィールド(オフするサブフィールド)との組み合わせにより、液晶素子の階調が制御される。また、液晶素子においては、液晶の焼き付きや劣化を防ぐため、印加電圧の極性を時間的に切り替える駆動が行われる。理想的には、正極性の電圧による書き込みを行った後で、同じ時間、負極性の電圧による書き込みが行われることが望ましい。このため、1フレームは半分に分割され、この半分のフレームに含まれるサブフィールドを用いて階調制御が行われる。
特開2010−79151号公報 国際公開第00/70594号
サブフィールド駆動方式においてフリッカー等の表示不良対策のために正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更する駆動を導入しようとしても、正極性電圧が印加される期間および負極性電圧が印加される期間のそれぞれにおけるサブフィールド数が変動してしまうため、導入できなかった。
これに対し本発明は、サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更できるようにする技術を提供する。
本発明は、視覚者に画像を視覚させる電気光学装置に用いられる画像処理装置であって、階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶手段と、映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換し、前記電気光学装置に出力する変換手段とを備え、前記記憶手段は、所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶し、前記変換手段は、前記画像が、前記視覚者に視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換して出力し、前記画像が、前記視覚者に視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換する、ことを特徴とする画像処理装置を提供する。
この画像処理装置によれば、サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
前記電気光学装置は、前記視覚者が視覚時に着用する立体視眼鏡を含み、前記立体視眼鏡は、開状態で光の透過し、閉状態で光の透過を遮断する左目用シャッターと右目用シャーターとを備え、前記第2の期間は、前記左目用シャッターと右眼用シャッターとを前記閉状態とする期間であってもよい。
この電気光学装置によれば、立体視表示を行うシステムにおいて、サブフィールド駆動をしつつ、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
前記電気光学装置は、光源を備え、前記第2の期間は、前記光源を消灯する期間であってもよい、
この電気光学装置によれば、液晶パネルの光源を消灯する期間を有するシステムにおいて、サブフィールド駆動をしつつ、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期における前記電気光学装置の階調を、前記時間比によらず共通の状態にするためのコードであってもよい。
この画像処理装置によれば、階調の再現性を向上させることができる。
前記電気光学装置は、液晶パネルを備え、前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期において前記液晶パネルの応答時間以上連続してサブフィールドをオンするコードであってもよい。
この画像処理装置によれば、階調の再現性をさらに向上させることができる。
前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期から前記液晶パネルの応答時間より前の時間以前の期間のコードが、前記時間比に応じて異なってもよい。
この画像処理装置によれば、階調の再現性を保ちつつ、時間比を変更することができる。
前記液晶パネルにおけるフリッカーを検出する検出手段を有し、前記変換手段は、前記検出手段によりフリッカーが検出された場合に、前記第2の期間については、前記与えられた時間比に応じて選択された正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードとに変換してもよい。
この画像処理装置によれば、液晶パネルにおいて検出されたフリッカーに応じて、時間比を変更することができる。
前記変換手段は、前記検出手段によりフリッカーが検出されてない場合に、前記第2の期間については、前記与えられた時間比によらず共通の正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードに変換してもよい。
この画像処理装置によれば、液晶パネルにおいてフリッカーが検出された場合にのみ、時間比に応じた変換を行うことができる。
また、本発明は、視覚者に画像を視覚させる電気光学装置であって、階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶部と、映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換する変換部と、前記変換した正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに基づいて画像を表示する表示部と、前記画像の前記視覚者による視覚状態を制御する制御部とを備え、前記記憶部は、所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶し、前記変換部は、前記画像が、前記視覚者により視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換し、前記画像が、前記視覚者により視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換し、前記表示部は、前記第1の期間において、前記第1のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示し、前記第2の期間において、前記第2のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示する、ことを特徴とする電気光学装置を提供する。
この電気光学装置によれば、サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
さらに、本発明は、上記の電気光学装置を有する電子機器を提供する。
この電子機器によれば、サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
さらに、本発明は、視覚者に画像を視覚させる電気光学装置であって、階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶部と、映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換する変換部と、前記変換した正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに基づいて画像を表示する表示部と、前記画像の前記視覚者による視覚状態を制御する制御部とを備えた電気光学装置の駆動方法において、前記記憶部に、所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶させ、前記変換部に、前記画像が、前記視覚者により視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換させ、前記画像が、前記視覚者により視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換させ、前記表示部に、前記第1の期間において、前記第1のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示させ、前記第2の期間において、前記第2のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示させる、ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法を提供する。
この駆動方法によれば、サブフィールド駆動において、正極性電圧の印加時間と負極性電圧の印加時間との時間比を変更でき、かつ、変更による表示不具合を低減することができる。
一実施形態に係る電気光学装置1の構成を示す図。 画素111の等価回路を示す図。 画像処理回路30の構成を示す図。 液晶パネル100の駆動方法を示すタイミングチャート。 時間比rとサブフィールドとの関係を例示する図。 画像処理回路30の動作を示すフローチャート。 LUT311の構成を例示する図。 LUT312の構成を例示する図。 本実施形態において用いられるサブフィールドコードを例示する図。 本実施形態において用いられるサブフィールドコードを例示する図。 変形例1に係る電気光学装置1の構成を例示する図である。
1.構成
図1は、一実施形態に係る電気光学装置1の構成を示す図である。電気光学装置1は、カラー画像を表示する装置であり、例えばプロジェクター(電子機器の一例)において、光源からの光を変調する光変調器として用いられる。電気光学装置1は、液晶パネル100(電気光学パネル)、走査線駆動回路130、およびデータ線駆動回路140を3組と、制御回路10とを有する。各組は、それぞれ、色成分R、色成分G、および色成分Bに対応している。ここでは、図面が煩雑になるのを避けるため、1組の液晶パネル100、走査線駆動回路130、およびデータ線駆動回路140のみを図示している。
液晶パネル100は、供給される信号に応じて画像を表示する装置である。液晶パネル100は、m行n列のマトリクス状に配置された画素111を有する。画素111は、走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路140から供給される信号に応じた光学状態を示す。液晶パネル100は、複数の画素111の光学状態を制御することにより画像を表示する。
液晶パネル100は、素子基板100aと、対向基板100bと、液晶105とを有する。素子基板100aと対向基板100bとは、一定の間隙を保って貼り合わせられている。この間隙に、液晶105が挟まれている。
素子基板100aは、対向基板100bとの対向面において、m行の走査線112およびn列のデータ線114を有する。走査線112はX(横)方向に沿って、データ線114はY(縦)方向に沿って、それぞれ設けられており、互いに絶縁されている。一の走査線112を他の走査線112と区別するときは、図において上から順に第1、第2、第3、…、第(m−1)、および第m行の走査線112という。同様に、一のデータ線114を他のデータ線114と区別するときは、図において左から順に第1、第2、第3、…、第(n−1)、第n列のデータ線114という。画素111は、X軸およびY軸に垂直な位置にある視点からみたときに、走査線112およびデータ線114の交差に対応して設けられている。
図2は、画素111の等価回路を示す図である。画素111は、TFT116と、液晶素子120と、保持容量125とを有する。液晶素子120は、画素電極118と、液晶105と、コモン電極108とを有する。画素電極118は、画素111毎に個別に設けられた電極である。コモン電極108は、すべての画素111に共通の電極である。画素電極118は素子基板100aに、コモン電極108は対向基板100bに、それぞれ設けられている。液晶105は、画素電極118およびコモン電極108に挟まれている。コモン電極108には、コモン電圧LCcomが印加される。
TFT116は、画素電極118への電圧の印加を制御するスイッチング素子の一例であり、この例では、nチャネル型の電界効果トランジスターである。TFT116は、画素111毎に個別に設けられている。第i行第j列のTFT116のゲートは第i行の走査線112に、ソースは第j列のデータ線114に、ドレインは画素電極118に、それぞれ接続されている。保持容量125は、一端が画素電極118に、他端が容量線115に、それぞれ接続されている。容量線115には、時間的に一定の電圧が印加される。
第i行の走査線112にH(High)レベルの電圧(以下「選択電圧」という)が印加されると、第i行第j列のTFT116はオン状態となり、ソースとドレインが導通する。このとき、第j列のデータ線114に、第i行第j列の画素111の階調値(データ)に応じた電圧(以下「データ電圧」という)が印加されると、データ電圧は、TFT116を介して第i行第j列の画素電極118に印加される。
その後、第i行の走査線112にL(Low)レベルの電圧(以下「非選択電圧」という)が印加されると、TFT116はオフ状態になり、ソースとドレインは高インピーダンス状態となる。TFT116がオン状態のとき画素電極118に印加された電圧は、液晶素子120の容量性および保持容量125によって、TFT116がオフ状態になった後も保持される。
液晶素子120には、データ電圧とコモン電圧との電位差に相当する電圧が印加される。液晶105の分子配向状態は、液晶素子120に印加される電圧に応じて変化する。画素111の光学状態は、液晶105の分子配向状態に応じて変化する。例えば、液晶パネル100が透過型のパネルである場合、変化する光学状態は透過率である。
再び図1を参照する。走査線駆動回路130は、m本の走査線112の中から一の走査線112を順次排他的に選択する(すなわち走査線112を走査する)回路である。具体的には、走査線駆動回路130は、制御信号Yctrに従って、第i行の走査線112に、走査信号Yiを供給する。この例で、走査信号Yiは、選択される走査線112に対しては選択電圧となり、選択されない走査線112に対しては非選択電圧となる信号である。
データ線駆動回路140は、n本のデータ線114にデータ電圧を示す信号(以下「データ信号」という)を出力する回路である。具体的には、データ線駆動回路140は、画像処理回路30から供給されるデータ信号Vxを、制御信号Xctrに従ってサンプリングし、第1〜第n列のデータ線114にデータ信号X1〜Xnとして出力する。なお、本説明において電圧については、液晶素子120の印加電圧を除き、特に明記しない限り図示省略した接地電位を基準(ゼロV)として表す。
液晶パネル100に表示される画像は、所定の周期で書き換えられる。以下、この書き換えの周期を「フレーム」という。例えば、画像が60Hzで書き換えられる場合、1フレームは約16.7msecである。走査線駆動回路130が1フレームに1回、m本の走査線112を走査し、データ線駆動回路140がデータ信号を出力することにより、液晶パネル100に表示される画像が書き換えられる。
この例で、液晶パネル100の駆動にはサブフィールド駆動方式が用いられる。サブフィールド駆動方式において、1フレームはさらに複数の期間に分割される。この分割された期間をサブフィールドという。各サブフィールドにおいて液晶素子120に印加される電圧の絶対値は、オン電圧(例えば5V)およびオフ電圧(例えばゼロV)の2値のいずれかである。複数のサブフィールドは、オン電圧の極性が正極性となる期間(以下「正極性フィールド」という)およびオン電圧の極性が負極性となる期間(以下「負極性フィールド」という)に分けられる。
制御回路10は、上位装置から供給される映像信号Vid−inおよび同期信号Syncに応じて走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を制御する信号を出力する。映像信号Vid−inは、液晶パネル100における各画素の階調値をそれぞれ指定するデジタル信号である。映像信号Vid−inは、同期信号Syncと同期して供給される。同期信号は、垂直走査信号、水平走査信号およびドットクロック信号(いずれも図示省略)を含んでいる。この例で、映像信号Vid−inの周波数は60Hzである。すなわち、映像信号Vid−inにより示される画像は、16.67ミリ秒毎に書き換えられる。
なお、映像信号Vid−inは直接的には階調値を指定するものであるが、階調値に応じて液晶素子に印加される電圧(以下「印加電圧」という)が定まるので、映像信号Vid−inは液晶素子の印加電圧を指定するものといえる。
制御回路10は、走査制御回路20と画像処理回路30とを有する。走査制御回路20は、制御信号Xctr、制御信号Yctr、制御信号Ictr等、各種の制御信号を生成して、同期信号Syncに同期して各部を制御する。画像処理回路30は、デジタルの映像信号Vid−inを処理して、色成分毎にデータ信号Vxを出力する。
図3は、画像処理回路30の構成を示す図である。画像処理回路30は、記憶部31と、極性信号生成部32と、変換部33と、出力部34とを有する。記憶部31は、映像信号Vid−inにより示される階調値をサブフィールドコードに変換する際に用いられるLUT311およびLUT312を記憶している。サブフィールドコードは、各階調について、複数のサブフィールドの各々においてオン電圧(第1階調、、ノーマリーブラックモードの液晶の場合は、例えば白に対応する電圧)およびオフ電圧(第2階調、、ノーマリーブラックモードの液晶の場合は、例えば黒に対応する電圧)のどちらを印加すべきであるかを示す情報である。複数のサブフィールドは、視覚者への画像の視覚を可能とする第1の期間(以下「オン期間」という)と、視覚者への画像の視覚を不可とするする第2の期間(以下「オフ期間」という)とを含む。LUT311は、オン期間において用いられるサブフィールドコードが記録されたテーブルである。LUT312は、オフ期間において用いられるサブフィールドコードが記録されたテーブルである。LUT312は、異なる時間比に対応する複数のサブフィールドコードを含んでいる。ここでいう時間比は、正極性フィールドにおいてサブフィールドコード(正極性サブフィールドコード)のオンに対応するオン電圧(正極性電圧)が印加されるサブフィールドの合計時間(以下「正極性印加時間」という)と負極性フィールドにおいてサブフィールドコード(負極性サブフィールドコード)のオンに対応するオン電圧(負極性電圧)が印加されるサブフィールドの合計時間(以下「負極性印加時間」という)との時間比である。
極性信号生成部32は極性信号FRPを生成する。極性信号FRPは、今が正極性フィールドおよび負極性フィールドのどちらであるかを示す信号である。この例で、極性信号生成部32は外部から入力される同期信号Syncから極性信号FRPを生成する。極性信号生成部32は生成した極性信号FRPを、変換部33および他の装置(例えばデータ線駆動回路140)に出力する。なお、この例で、極性反転周期、すなわち極性信号FRPのレベルが反転する周期は、時間比によらず一定である。
変換部33は、映像信号Vid−inにより示される階調値を、サブフィールドコードに変換する。この例で、変換部33は、時間比および現在が正極性フィールドであるか負極性フィールドであるかに応じて、階調値をサブフィールドコードに変換する。すなわち、変換部33は、映像信号Vid−inに加え、時間比を示す時間比信号PNRを用いて、階調値をサブフィールドコードに変換する。出力部34は、サブフィールドコードを示すデータ信号Vxを出力する。データ線駆動回路140は、データ信号Vxに応じた電圧をデータ線114に印加する。なお、本実施形態においてはサブフィールド駆動方式が用いられるので、データ線114に印加される電圧の絶対値(大きさ)は2値(例えばゼロVおよび5V)のいずれかである。
記憶部31は、複数のサブフィールドコード(LUT311およびLUT312)を記憶した記憶手段の一例である。複数のサブフィールドコードは、オフ期間について、時間比に応じて異なる複数のサブフィールドコードを含んでいる。変換部33は、複数のフレームに区分された映像を示す映像信号Vid−inに基づいて、複数のサブフィールドから構成されるフレーム毎に入力された階調値を、記憶部31に記憶されているサブフィールドコードのうちその階調値に対応するサブフィールドコードに変換する変換手段の一例である。この場合において、オフ期間については、与えられた時間比に応じて選択されたサブフィールドコードに変換される。出力部34は、変換部33により変換されたサブフィールドコードに対応する電圧を液晶パネル100に印加させる制御手段の一例である。画像処理回路30は、上記の記憶手段、変換手段、および制御手段を有する駆動制御装置の一例である。
2.動作
図4は、液晶パネル100の駆動方法を示すタイミングチャートである。画像は1フレームごとに書き替えられる。例えば、フレーム速度は60フレーム/秒、すなわち垂直同期信号(図示略)の周波数は60Hzであり、1フレームは16.7ミリ秒(1/60秒)である。この例では、1フレームが、40個のサブフィールドに分割される例を示している。なお、図4は、すべてのサブフィールドの時間長が等しい例(1フレームが40等分されたものが1サブフィールドである例)を示している。
この例で、電気光学装置1が用いられる電子機器は立体視映像(3D映像)を表示するプロジェクターであり、映像信号Vid−inは立体視映像を示す映像信号である。映像信号は、1フレームに右目用画像および左目用画像を含んでいる。すなわち、映像信号Vid−inは、右目用画像と左目用画像とが120Hzの周期で切り替わる映像を示している。いま、1フレームの半分を「右画像フィールド」といい、残り半分を「左画像フィールド」という。図4の例では、右画像フィールドは正極性フィールドであり、左画像フィールドは負極性フィールドである。
右画像フィールドおよび左画像フィールドはそれぞれ、さらに半分に分割される。半分に分割された期間の一方がオン期間であり、他方がオフ期間である。この例では、右画像フィールドのオン期間、右画像フィールドのオフ期間、左画像フィールドのオン期間、左画像フィールドのオフ期間、という順序で各期間が遷移する。立体映像の視聴には、立体視眼鏡が用いられる。立体視眼鏡(図示略)は、右目用画像および左目用画像をそれぞれ右目および左目に視認させるための眼鏡であり、右目用シャッターおよび左目用シャッターを有する。これらのシャッターは、電気光学装置1が用いられた電子機器から信号に応じて、映像と同期して開閉する。信号SHRおよびSHLは、それぞれ、右目シャッターおよび左目シャッターの開閉を制御する信号である。右目シャッターおよび左目シャッターは、それぞれ、Hレベルの時に開かれ、Lレベルのときに閉じられる。この例では、右目シャッターおよび左目シャッターがともに閉じている期間がオフ期間である。
この例では、極性信号FRPがHレベルのときは正極性フィールド、正極性信号FRPがLレベルのときは負極性フィールドである。スタート信号DYは、サブフィールドの始期を示す信号である。スタート信号DYとしてHレベルのパルスが供給されると、走査線駆動回路130は、走査線112の走査を開始、すなわち、m本の走査線112に走査信号Gi(1≦i≦m)を出力する。1つのサブフィールドにおいて、走査信号Gは、順次排他的に選択電圧(Hレベル)になる信号である。選択電圧を示す走査信号を選択信号といい、非選択電圧(Lレベル)を示す走査信号を非選択信号という。また、第i行の走査線112に選択信号が供給されることを、「第i行の走査線112が選択される」という。第j列のデータ線114に供給されるデータ信号Sjは、走査信号と同期している。例えば、第i行の走査線112が選択されているときは、第i行第j列の画素111の階調値に対応する電圧を示す信号がデータ信号Vxjとして供給される。
図6は、画像処理回路30の動作を示すフローチャートである。図6のフローは、画像処理回路30が動作している間は継続的に、例えば毎サブフィールド実行される。ステップS100において、画像処理回路30は、現サブフィールドがオン期間に属するかオフ期間に属するか判断する。現サブフィールドがオン期間に属すると判断された場合(S100:ON)、画像処理回路30は、処理をステップS110に移行する。現サブフィールドがオフ期間に属すると判断された場合(S100:OFF)、画像処理回路30は、処理をステップS120に移行する。
ステップS110において、画像処理回路30は、映像信号Vid−inにより示される階調値を、LUT311を用いてサブフィールドコードに変換する。
図7は、LUT311の構成を例示する図である。LUT311は、時間比rによらず共通に用いられるテーブルを含んでいる。このテーブルには、複数のデータセットが記録されている。各データセットは、階調値、およびその階調値に対応するサブフィールドコードを含んでいる。例えば、LUT311において、階調値128に対応するデータセットは、サブフィールドコード「1111100001」を含んでいる。LUT311において、サブフィールドコードは10ビットのデータである。なお時間比rは、正極性印加時間と負極性印加時間との比であり、次式(2)で定義される。
r=tpon/tnon …(2)
ここで、tponは正極性印加時間であり、tnonは負極性印加時間である。
変換部33は、LUT311に記憶されているサブフィールドコードのうち、映像信号Vid−inにより示される階調値、および現サブフィールドのサブフィールド番号に応じたコードを読み出す。サブフィールド番号は、サブフィールドの位置を示すパラメーターであり、例えばサブフィールド番号1および2は、それぞれ、最初のサブフィールドおよび2番目のサブフィールドを示している。階調値が128、現サブフィールドのサブフィールド番号が5の場合、対応するコードは「1」である。
再び図6を参照する。ステップS120において、変換部33は、映像信号Vid−inにより示される階調値を、LUT312を用いてサブフィールドコードに変換する。
図8は、LUT312の構成を例示する図である。LUT312は、時間比rに応じた複数のテーブルを含んでいる。各テーブルには、複数のデータセットが記録されている。各データセットは、階調値、その階調値に対応する正極性のサブフィールドコード、およびその階調値に対応する負極性のサブフィールドコードを含んでいる。ここでは、LUT312に含まれるテーブルのうち、r=1.0に対応するテーブル3121、およびr=1.2に対応するテーブル3122が例示されている。
変換部33は、LUT312に含まれるテーブルのうち、与えられた時間比rに対応するテーブルを用いて、階調値をサブフィールドコードに変換する。このとき、変換部33は、極性信号FRPが正極性を示している場合は正極性のサブフィールドコードを、負極性を示しているバイは負極性のサブフィールドコードを、それぞれ用いる。例えばr=1.0のときはテーブル3121が、r=1.2のときはテーブル3122が、それぞれ用いられる。与えられた時間比rと同一の時間比rに対応するLUTが無い場合、所定の規則(例えば、rが最も近いLUTを選ぶ)に従ってテーブルが選択される。なお、時間比rは、例えば、電子機器のCPU(Central Processing Unit、図示略)から与えられる。
なお、LUT311においても、液晶の応答特性を考慮して、正極性と負極性とで異なるサブフィールドコードが記録されていてもよい。
再び図6を参照する。ステップS130において、出力部34は、変換部33によって変換されたサブフィールドコードに応じて、現サブフィールドがオン電圧を印加すべきかオフ電圧を印加すべきかを示すデータ信号Vxを、データ線駆動回路140に出力する。
データ線駆動回路140は、データ信号Vxおよび極性反転信号FRPに応じた電圧を、データ線114に印加する。例えば、データ信号Vxがオンを示しており、極性反転信号FRPが正極性を示している場合、+5Vの電圧が、対応するデータ線114に印加される。別の例で、データ信号Vxがオンを示しており、極性信号FRPが負極性を示している場合、−5Vの電圧が、対応するデータ線114に印加される。
図9は、本実施形態において用いられるサブフィールドコードを例示する図である。図9(A)はr=1.0の例を、図9(B)はr=1.2の例を、それぞれ示している。図9(A)の例と図9(B)の例とを比較すると、オン期間におけるサブフィールドコードは、時間比rによらず共通である。一方で、オフ期間におけるサブフィールドコードは時間比rに応じて異なっている。オフ期間におけるサブフィールドコードは、右画像フィールドにおけるオン電圧の累積時間を調整するためのコードである。
例えば、図9(A)では、正極性フィールド(この例では右極性フィールドと等しい)のオン期間においてオン電圧が印加されるのは6サブフィールド、オフ期間においてオン電圧が印加されるのは4サブフィールドであり、オン電圧の累積時間は合計10サブフィールドである。図9(B)では、右画像フィールドのオン期間においてオン電圧が印加されるのは6サブフィールド、オフ期間においてオン電圧が印加されるのは6サブフィールドであり、オン電圧の累積時間は合計12サブフィールドである。負極性フィールドにおけるオン電圧の累積時間は、図9(A)および(B)のいずれも、10サブフィールドである。このように、時間比rはオフ期間におけるオン電圧の印加時間によって調整されている。本実施形態によれば、オン期間におけるオン電圧の印加時間によって時間比が調整される場合と比較して、表示不具合が発生しにくい。
図10は、本実施形態において用いられるサブフィールドコードを例示する図である。図10は、r=1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、および1.5のそれぞれの場合における、オフ期間のサブフィールドコードを示している。この例で、オン期間においてオン電圧が印加される期間は、5サブフィールドである。r=1.0〜1.5のいずれのサブフィールドコードにおいても、第6〜第10サブフィールドは必ずオン(「1」)になっている。単に時間比rを調整するだけの目的であれば、どのサブフィールドをオンにしてもよく、例えば第1〜第5サブフィールドを必ずオンにして、第6〜第10サブフィールドで時間比rを調整してもよい。しかし、図10のように、オフ期間の終期のサブフィールドを含む連続した期間においてオン電圧を印加するのは、次のオン期間の開始時点における液晶の光学状態を、できる限り共通の状態に揃えるためである。
例えば、液晶の応答時間(例えば、透過率が最大値の10%から90%まで変化する時間)が5サブフィールド以下であれば、r=1.0〜1.5のいずれのサブフィールドコードにおいても、次のオン期間の開始時点(このオフ期間の終了時点)における液晶の光学状態は、透過率約90%で共通である。液晶の光学状態は、現オン期間におけるサブフィールドコードに応じた印加電圧だけでなく、オン期間の開始時点の液晶の光学状態に応じて決まる。したがって、このように次のオン期間の開始時点における液晶の光学状態を揃えることにより、階調の再現性を向上させることができる。
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
3−1.変形例1
図11は、変形例1に係る電気光学装置1の構成を例示する図である。変形例1において、電気光学装置1はフリッカーを検出するための検出回路50(フリッカー検出手段の一例)を有する。検出回路50は、センサー51と、解析部52とを有する。センサー51は、液晶パネル100の画素の明るさを検知するセンサー(例えばカメラ)である。センサー51は、画素の明るさを示すアナログの信号Sbを、解析部52に供給する。
この例で、液晶パネル100は、表示領域以外に、表示に寄与しない、フリッカー検出用の画素(以下「検出用画素」という)を有している。センサー51は、液晶パネル100の検出用画素の近傍に配置される。検出用画素は、常に所定の中間階調を表示する画素である。
解析部52は、センサー51から供給される信号Sbに基づいて、正極性フィールドと負極性フィールドのどちらが明るいかを示す信号Sa1を出力する。さらに、解析部52は、信号Sbに基づいてフリッカー量を算出し、フリッカー量を示す信号Sa2を出力する。フリッカー量は、正極性フィールドおよび負極性フィールドにおける所定の周波数成分のパワーの差である。フリッカー量は、例えば、信号Sbをデジタル変換後、高速フーリエ変換した結果を用いて算出される。
画像処理回路30は、フリッカーが検出されたとき、すなわち、信号Sa2により示されるフリッカー量が所定のしきい値を超えていたとき、時間比rを変更する。画像処理回路30は、信号Sa1を用いて、時間比rを増やすか減らすかを決定し、さらに、信号Sa2を用いて、どの程度増やすか(または減らすか)決定する。また、画像処理回路30は、フリッカーが検出されたときにのみ、LUT312を用いたサブフィールドコードへの変換を行い、フリッカーが検出されていないときには、LUT312は用いず常にLUT311を用いてサブフィールドコードへの変換を行ってもよい。なお、時間比rを決定する処理は、電子機器のCPU等、画像処理回路30以外の装置が行ってもよい。画像処理回路30以外の装置が時間比rを決定した場合、画像処理回路30は、他の装置から通知された時間比rに応じて処理を行う。
3−2.変形例2
電気光学装置1が用いられるシステムは、立体視映像を表示するシステムに限定されない。電気光学装置1は、平面視映像(2D映像)を表示するシステムに用いられてもよい。変形例2において、電気光学装置1を用いた電子機器は、間欠消灯(瞬時消灯)する光源を有している。間欠消灯する光源は、動画質の改善や、PWM調光を目的として用いられる。この場合、オフ期間は、立体視眼鏡の両目のシャッターがともに閉じている期間ではなく、光源が消灯している期間である。
3−3.変形例3
実施形態においては、すべてのサブフィールドの長さが等しい例を説明したが、サブフィールドの長さは異なっていてもよい。この場合において、時間比に応じて正極性フィールドおよび負極性フィールドのいずれにもなり得るサブフィールドは、他のサブフィールドよりも時間長が短い方がよい。この場合、極性信号生成部32は、時間比rに応じて反転周期が異なる極性信号FRPを生成する。すなわち、正極性フィールドおよび負極性フィールドの長さは、時間比rに応じて異なり、例えば、正極性フィールドと負極性フィールドとの時間長の比rfは、時間比rにほぼ等しい。また、この場合、記憶部31に記憶されているLUTは、対応する時間比に応じてサブフィールドコードの長さ(ビット数)が異なる。例えば、r=1.0の場合には正極性のサブフィールドコードおよび負極性のサブフィールドコードはともに20ビットであり、r=1.1の場合には正極性のサブフィールドコードは21ビットであり、負極性のサブフィールドコードは19ビットである。
なお、図4の例では、正極性フィールドと負極性フィールドとの時間長が等しい。しかし、フリッカー低減(より詳細には、電荷の偏りにより生じる内部電界の低減)のため、正極性フィールドおよび負極性フィールドの一方が他方より長い駆動がされる場合がある。このような駆動は、例えば極性信号FRPの反転周期を変化させることにより実現される。
図5は、比rfとサブフィールドとの関係を例示する図である。図5においては、正極性フィールドと負極性フィールドとの時間長の比rfが1.0の例に加え、rf=1.4、1.2、1.1、0.9、および0.8の例が示されている。なお、この例で、比rfは次式(1)で定義される。
rf=tp/tn …(1)
ここで、tpおよびtnはそれぞれ正極性フィールドおよび負極性フィールドの時間長である。rf=1.0の場合、正極性フィールドおよび負極性フィールドのいずれも、20サブフィールド(図面では「SF」と表す)で構成される。
例えばrf=1.4の場合、正極性フィールドは23サブフィールドで構成され、負極性フィールドは17サブフィールドで構成される。以下、図5に示したように、比rfに応じて、正極性フィールドおよび負極性フィールドのサブフィールド数が変化する。
比rfがrf=1.0で固定されている場合、正極性フィールド用および負極性フィールド用それぞれに20ビットのサブフィールドコードを設定し、これを記憶部31に記憶させておけばよい。しかし、例えばrf=1.4になった場合、正極性フィールドは23サブフィールドになるので、20ビットのサブフィールドコードは使えなくなる(負極性フィールドも同様である)。本実施形態は、この問題に対処するものである。
3−4.変形例4
実施形態においては、時間比rが何に基づいて変化するかについては特に説明しなかったが、時間比rはどのように決められてもよい。例えば、時間比rは、液晶パネル100におけるフリッカーを最小とするように決められてもよい。この場合において、電子機器は、変形例1で説明したセンサー51を有する。電子機器のCPUは、センサー51により測定されたフリッカーを最小にするように、時間比rを決定する。別の例で、時間比rは、ユーザーの指示に応じて決定されてもよい。
3−5.他の変形例
画像処理回路30の構成は図3で説明したものに限定されない。例えば、極性信号FRPは、画像処理回路30とは別の装置により生成されてもよい。
右画面フィールドおよび左画面フィールドにおける印加電圧の極性は実施形態で例示したものに限定されない。また、これらの関係は固定されず、所定のタイミングで切り替えられてもよい。例えば右画面フィールドにおいて正極性電圧が印加され、左画面フィールドで負極性電圧が印加される駆動が行われた後で、右画面フィールドにおいて負極性電圧が印加され、左画面フィールドで正極性電圧が印加される駆動に切り替えられてもよい。
電気光学装置1を用いた電子機器は、実施形態で例示したプロジェクターの他にも、テレビジョンや、ビューファインダー型・モニタ直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
液晶105は、VA液晶に限定されない。TN液晶等、VA液晶以外の液晶が用いられてもよい。また、液晶105は、ノーマリーホワイトモードの液晶であってもよい。また、液晶以外の電気光学素子が用いられてもよい。
実施形態で説明したパラメーター(例えば、階調数、フレーム周波数、画素数、サブフィールド数など)および信号の極性やレベルはあくまで例示であり、本発明はこれに限定されない。
1…電気光学装置、10…制御回路、20…走査制御回路、30…画像処理回路、31…記憶部、32…極性信号生成部、33…変換部、34…出力部、100…液晶パネル、105…液晶、108…コモン電極、111…画素、112…走査線、114…データ線、115…容量線、116…TFT、118…画素電極、120…液晶素子、125…保持容量、130…走査線駆動回路、140…データ線駆動回路、311…LUT、312…LUT

Claims (12)

  1. 視覚者に画像を視覚させる電気光学装置に用いられる画像処理装置であって、
    階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶手段と、
    映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換し、前記電気光学装置に出力する変換手段とを備え、
    前記記憶手段は、
    所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶し、
    前記変換手段は、
    前記画像が、前記視覚者に視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換して出力し、
    前記画像が、前記視覚者に視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換する、
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期における前記電気光学装置の階調を、前記時間比によらず共通の状態にするためのコードである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記電気光学装置は、液晶パネルを備え、
    前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期において前記液晶パネルの応答時間以上連続してサブフィールドをオンするコードである
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第2の期間における正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードは、当該第2の期間の終期から前記液晶パネルの応答時間より前の時間以前の期間のコードが、前記時間比に応じて異なる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記液晶パネルにおけるフリッカーを検出する検出手段を有し、
    前記変換手段は、前記検出手段によりフリッカーが検出された場合に、前記第2の期間については、前記与えられた時間比に応じて選択された正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードとに変換する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記変換手段は、前記検出手段によりフリッカーが検出されてない場合に、前記第2の期間については、前記与えられた時間比によらず共通の正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードに変換する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 視覚者に画像を視覚させる電気光学装置であって、
    階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶部と、
    映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換する変換部と、
    前記変換した正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに基づいて画像を表示する表示部と、
    前記画像の前記視覚者による視覚状態を制御する制御部とを備え、
    前記記憶部は、
    所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶し、
    前記変換部は、
    前記画像が、前記視覚者により視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換し、
    前記画像が、前記視覚者により視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換し、
    前記表示部は、前記第1の期間において、前記第1のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示し、
    前記第2の期間において、前記第2のサブフィールドコードセットに基づくサブフィールドコードにより画像を表示する、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  8. 前記電気光学装置は、前記視覚者が視覚時に着用する立体視眼鏡を含み、
    前記立体視眼鏡は、開状態で光の透過し、閉状態で光の透過を遮断する左目用シャッターと右目用シャーターとを備え、
    前記第2の期間は、前記左目用シャッターと右眼用シャッターとを前記閉状態とする期間である
    ことを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 前記電気光学装置は、光源を備え、
    前記第2の期間は、前記光源を消灯する期間である
    ことを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
  10. 前記電気光学装置は、フリッカーを検出する検出部を有し、
    前記変換部は、前記検出部によりフリッカーが検出された場合に、前記第2の期間については、前記与えられた時間比に応じて選択された正極性サブフィールドコードまたは負極性サブフィールドコードに変換する
    ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項7ないし10のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する電子機器。
  12. 視覚者に画像を視覚させる電気光学装置であって、階調値に対応する複数のサブフィールドのオンまたはオフの組み合わせであって、正極性フィールドで用いられる正極性サブフィールドコードと負極性フィールドで用いられる負極性サブフィールドコードとを記憶する記憶部と、映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとに変換する変換部と、前記変換した正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに基づいて画像を表示する表示部と、前記画像の前記視覚者による視覚状態を制御する制御部とを備えた電気光学装置の駆動方法において、
    前記記憶部に、所定の階調値に対応する前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードとの組み合せからなるサブフィールドコードセットであって、前記正極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間と、前記負極性サブフィールドコードに含まれる前記オンの期間の合計時間との時間比が異なる第1のサブフィールドコードセットと第2のサブフィールドセットとを記憶させ、
    前記変換部に、前記画像が、前記視覚者により視覚可能となる第1の期間に用いるサブフィールドコードとして、第1のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換させ、前記画像が、前記視覚者により視覚不可となる第2の期間に用いるサブフィールドコードとして、第2のサブフィールドセットに基づいて、前記映像信号を前記正極性サブフィールドコードと前記負極性サブフィールドコードに変換させ、
    前記表示部に、前記第1の期間において、前記第1のサブフィールドコードセットに基づく正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードにより画像を表示させ、
    前記第2の期間において、前記第2のサブフィールドコードセットに基づく正極性サブフィールドコードと負極性サブフィールドコードにより画像を表示させる、
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
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