JP2010217251A - 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気光学装置は、フレーム期間の少なくとも一部が複数のサブフィールド期間に分割され、サブフィールド期間ごとに画素電極と対向電極との間に印加される駆動電圧を、オン電圧およびオフ電圧のいずれか一方から選択することで、電気光学層の透過光を制御して複数の階調を表示する。電気光学装置の駆動回路は、表示される階調に応じて、オン電圧の印加期間とオフ電圧の印加期間との比率、並びにオン電圧及びオフ電圧の配列を決定する。フレーム期間は、オン電圧が前記正極性電圧となる正極性期間と、オン電圧が負極性電圧となる負極性期間とを有し、正極性期間と負極性期間との間で、オン電圧及びオフ電圧の印加期間の配列が互いに異なる。
【選択図】図17
Description
これにより、この電気光学装置では、焼き付きの要因の1つを1フレーム期間内で解消しやすくすることができるので、焼き付きを効果的に軽減することができる。
これにより、この電気光学装置では、オン電圧を印加するサブフィールドの配置の自由度を高めることができる。液晶の応答特性によって、サブフィールド配置が異なることで、フレーム期間内における透過光の積分値が異なることから、表現できる階調数を高めることができる。
第1実施形態におけるプロジェクター1は、主要構成を示すブロック図である図1に示すように、光学系3と、制御回路5と、電源部7と、を有している。プロジェクター1は、図示しない外部装置から入力される画像信号に応じた画像を、光学系3を介してスクリーン8などに投射することができる。
なお、プロジェクター1では、外部電源9から入力される電力が、電源部7によって直流電力に変換される。光学系3や制御回路5などには、電源部7から直流電力が供給される。
ランプ11は、画像形成部13や投射レンズ部15を経てスクリーン8に向けて射出される投射光17を発生する。ランプ11としては、例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどが採用され得る。
制御部21は、例えば、マイクロコンピューターで構成され、CPU(Central Processing Unit)27と、メモリー部29と、を有している。
CPU27は、メモリー部29に格納されている制御プログラムに従って、プロジェクター1の動作を統括制御する。メモリー部29は、フラッシュメモリー等のROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)等を含んでいる。ROMには、CPU27が実行する制御プログラムなどが格納されている。RAMは、CPU27によって実行される制御プログラムを一時的に展開したり、各種設定値等を一時的に格納したりする。
なお、画像処理部23が画像信号に施す処理としては、各種の画質調整や、メニュー、メッセージ等のOSD(オンスクリーンディスプレー)画像を合成する処理などが挙げられる。また、各種の画質調整としては、解像度変換、輝度調整、コントラスト調整、シャープネス調整などが挙げられる。
液晶パネル駆動回路25は、入力された画像データに応じて、画像形成部13の駆動を制御する。
画像形成部13は、主要構成を示す図である図2に示すように、分光部31と、画像形成パネル33と、クロスダイクロイックプリズム35と、を有している。
分光部31には、ランプ11からの光41が入射される。分光部31は、光41から、赤系(R)の色の光41R、緑系(G)の色の光41G、及び青系(B)の色の光41Bのそれぞれを分離する。
ダイクロイックミラー43は、光軸51aと交差する位置に設けられている。ダイクロイックミラー43は、光軸51aの方向に対して傾斜している。ダイクロイックミラー43は、光41のうちで、Rの光41Rを透過させ、Gの光41G及びBの光41Bを反射させることができる。
ダイクロイックミラー43を透過した光41Rは、光軸51aに沿って反射ミラー47へ導かれる。
他方で、ダイクロイックミラー43によって反射された光53は、光軸51aが光軸51bに変えられてから、ダイクロイックミラー45へ導かれる。
ダイクロイックミラー45を透過した光41Bは、光軸51bに沿って反射ミラー48へ導かれる。
他方で、ダイクロイックミラー45によって反射された光41Gは、光軸51bが光軸51cに変えられる。
反射ミラー48は、光41Bの光軸51bと交差する位置に設けられている。反射ミラー48は、光軸51bの方向に対して傾斜している。光41Bは、反射ミラー48によって光軸51bが光軸51eに変えられてから、反射ミラー49に導かれる。
反射ミラー49は、光41Bの光軸51eと交差する位置に設けられている。反射ミラー49は、光軸51eの方向に対して傾斜している。光41Bは、反射ミラー49で反射することによって、光軸51eが光軸51fに変えられる。
面35aは、反射ミラー47側に向けられている。面35bは、ダイクロイックミラー45側に向けられている。面35cは、反射ミラー49側に向けられている。
画像形成パネル33R、画像形成パネル33G及び画像形成パネル33Bは、相互に同じ仕様の画像形成パネル33が採用され得る。
画像形成パネル33Gは、面35bとダイクロイックミラー45との間において、光軸51cに交差する位置に設けられている。画像形成パネル33Gは、面35bに対向している。
画像形成パネル33Bは、面35cと反射ミラー49との間において、光軸51fに交差する位置に設けられている。画像形成パネル33Bは、面35cに対向している。
液晶パネルは、後述する複数の画素と、画素ごとに駆動が制御される液晶と、を有している。液晶パネルは、複数の画素に入射された光の偏光状態を、画素ごとに変化させることができる。なお、液晶パネルについては、詳細を後述する。
画像形成パネル33では、液晶パネルの複数の画素に入射された光の偏光状態を画素ごとに変化させることによって、画像形成パネル33を透過した光で画像を形成することができる。
画像形成パネル33Rを透過した光41Rは、面35aからクロスダイクロイックプリズム35に入射する。
画像形成パネル33Gを透過した光41Gは、面35bからクロスダイクロイックプリズム35に入射する。
画像形成パネル33Bを透過した光41Bは、面35cからクロスダイクロイックプリズム35に入射する。
このため、面35aには、Rの画像が投影され、面35bには、Gの画像が投影され、面35cには、Bの画像が投影され得る。
クロスダイクロイックプリズム35によって合成された光41R、光41G及び光41Bは、画像光55としてクロスダイクロイックプリズム35の面35dから射出される。
画像形成パネル33は、図3に示すように、液晶パネル61と、位相差板62と、位相差板63と、偏光板64aと、偏光板64bと、を有している。
ここで、画像形成パネル33には、複数の画素65が設定されている。複数の画素65は、領域67内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリックスMを構成している。
図3では、構成をわかりやすく示すため、画素65が誇張され、且つ画素65の個数が減じられている。
なお、X方向は、後述する走査線が延在する方向でもある。Y方向は、後述する信号線が延在する方向でもある。
領域67は、画像が形成(表示)される領域に相当する。このため、以下において、領域67は、表示領域67と表記される。
素子基板71には、表示面69側すなわち液晶75側に、複数の画素65のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
対向基板73は、素子基板71よりも表示面69側で素子基板71に対向し、且つ素子基板71との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板73には、面79側すなわち液晶75側に、後述する対向電極などが設けられている。なお、面79は、画像形成パネル33における表示面69とは反対側の底面に相当している。このため、以下において、面79は、底面79と表記される。
位相差板63は、対向基板73よりも表示面69側、すなわち液晶75側とは反対側に設けられている。画像形成パネル33では、位相差板62及び位相差板63は、それぞれ、入射された光に対して位相差を付与することで、画像形成パネルへ入射する光、ならびに画像形成パネルから射出する光の偏光状態を最適化することができる。
また、液晶パネル61は、液晶パネル駆動回路25と液晶パネル61とを示すブロック図である図5に示すように、走査線駆動回路81と、信号線駆動回路83と、を有している。液晶パネル駆動回路25と液晶パネル61とは、それぞれ、電気光学装置の一例としての液晶装置85の構成要素の1つである。
素子基板71は、図6中のC−C線における断面図である図7に示すように、第1基板93と、素子層92とを有している。
第1基板93は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面69側に向けられた第1面93aと、底面79側に向けられた第2面93bとを有している。
なお、絶縁膜95の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜95の材料として、酸化シリコンが採用されている。
TFT素子103は、拡大図である図8に示すように、半導体層109と、ゲート電極111と、を有している。半導体層109は、絶縁膜95の表示面69側に設けられている。半導体層109は、ゲート絶縁膜113によって表示面69側から覆われている。
ゲート絶縁膜113の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、ゲート絶縁膜113の材料として、酸化シリコンが採用されている。
ゲート電極111の材料としては、例えば、多結晶シリコンなどにイオンなどを注入したものなどが採用され得る。また、ゲート電極111の材料として、モリブデン、タングステン、タンタル、クロムなどの金属や、これらを含む合金なども採用され得る。モリブデンやタングステンなどを含む合金としては、例えば、モリブデンシリサイドや、タングステンシリサイドなどが挙げられる。
本実施形態では、ゲート電極111として、多結晶シリコンにイオンなどを注入した所謂ポリシリコンゲートが採用されている。
チャネル領域109aは、平面視でゲート電極111に重なっている。ソース領域109b及びドレイン領域109cは、それぞれ、平面視でチャネル領域109aの外側に設けられている。チャネル領域109aは、ソース領域109bとドレイン領域109cとの間に設けられている。
なお、半導体層109としては、チャネル領域109aとソース領域109bとの間や、チャネル領域109aとドレイン領域109cとの間に、LDD(Lightly Doped Drain)領域を設けた構成も採用され得る。
絶縁膜97及びゲート絶縁膜113には、コンタクトホール115aと、コンタクトホール115bと、が設けられている。
コンタクトホール115aは、ソース領域109bに及んでいる。コンタクトホール115bは、ドレイン領域109cに及んでいる。コンタクトホール115a内には、ソース電極117が設けられている。コンタクトホール115b内には、ドレイン電極119が設けられている。
画素電極105としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)や、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、画素電極105の材料として、ITOが採用されている。
配向膜101の材料としては、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、配向膜101の材料として、ポリイミドが採用されている。なお、配向膜101には、表示面69側に配向処理が施されている。
対向層122は、第2基板121の対向面121bに設けられている。対向層122には、絶縁膜123と、対向電極125と、配向膜127と、が含まれている。
絶縁膜123は、第2基板121の対向面121bに設けられている。絶縁膜123の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜123の材料として、酸化シリコンが採用されている。
対向電極125は、マトリックスMを構成する複数の画素65(図3)にわたって一連した状態で設けられている。対向電極125は、マトリックスMを構成する複数の画素65に対して共通して機能する。
なお、本実施形態では、画素65の領域は、図7に示すように、1つの画素電極105と、対向電極125とが重なり合う領域であると定義され得る。
また、X方向に並ぶ複数のゲート電極111は、図9に示すように、走査線Tを介して、画素行88(図5)単位で相互に電気的につながっている。
複数の信号線Sは、それぞれY方向に延びており、X方向に並んでいる。X方向に隣り合う信号線S同士の間には、隙間が設けられている。
複数の走査線Tは、それぞれX方向に延びており、Y方向に並んでいる。Y方向に隣り合う走査線T同士の間には、隙間が設けられている。
本実施形態では、容量線は、図7に示す絶縁膜95の表示面69側に設けられており、絶縁膜97によって表示面69側から覆われている。容量線の材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。なお、ゲート電極111(走査線T)と、容量線とは、図9に示すように、Y方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
画素電極105は、図10に示すように、互いに隣り合う信号線Sと、互いに隣り合う走査線Tとによって囲まれる領域に重なっている。なお、本実施形態では、画素電極105は、周縁部が信号線S及び走査線Tに重なっている。また、画素電極105は、容量線に重なっている。
これにより、液晶パネル61では、容量線と画素電極105との間に、図5に示す容量素子が形成される。
なお、図8に示すTFT素子103の断面は、図10中のH−H線における断面に相当している。
本実施形態では、図4に示すシール材77は、図7に示す第1基板93の第1面93aと、第2基板121の対向面121bとによって挟持されている。つまり、液晶パネル61では、液晶75は、第1基板93及び第2基板121によって保持されている。なお、シール材77は、配向膜101及び配向膜127の間に設けられていてもよい。この場合、液晶75は、素子基板71及び対向基板73に保持されているとみなされ得る。
本実施形態では、液晶75に電界が作用すると、液晶75がオン状態になる。他方で、液晶75に作用する電界が解除されると、液晶75がオフ状態になる。
プロジェクター1では、図2に示す画像形成部13に光41を照射した状態で、各液晶パネル61における液晶75の配向状態を画素65ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶75の配向状態は、TFT素子103のオフ状態及びオン状態を切り替えることによって変化し得る。
画像形成パネル33では、液晶75のオン状態及びオフ状態の切り替えにより、液晶75を透過する光の偏光状態を制御し、画像の形成が制御される。
ノーマリーブラックモードにおいて、最も暗い状態の透過率を相対透過率0%とし、最も明るい状態の透過率を相対透過率100%としたとき、液晶75に印加される電圧のうち、相対透過率が10%となる電圧を光学的しきい値電圧といい、相対透過率が90%となる電圧を光学的飽和電圧という。通常、光学的しきい値電圧がオフ電圧に相当し、光学的飽和電圧がオン電圧に相当する。電圧変調方式(アナログ駆動)において、液晶75を中間調(灰色)とさせる場合には、液晶75に光学的飽和電圧以下の電圧が印加されるように設計される。このため、液晶75の透過率は、液晶75の印加電圧にほぼ比例した値となる。
ノーマリーホワイトモードにおいては、液晶75に印加される電圧のうち、相対透過率が90%となる電圧を光学的しきい値電圧といい、相対透過率が10%となる電圧を光学的飽和電圧という。本明細書では便宜上、ノーマリーホワイトモードにおいても光学的しきい値電圧がオフ電圧に相当し、光学的飽和電圧がオン電圧に相当する。
液晶パネル駆動回路25は、図5に示すように、コントローラー161と、メモリー部163と、を有している。
コントローラー161には、図1に示す画像処理部23を介して、垂直同期信号VSYNCと、水平同期信号HSYNCと、クロック信号DCLKと、画像データDATAと、が供給される。
また、コントローラー161は、スタートパルスDYと、クロック信号CLYと、を走査線駆動回路81に出力する。
本実施形態では、1フレーム期間が、図11に示すように、32個のサブフィールド期間SF1〜SF32に分割される。本実施形態では、32個のサブフィールド期間SF1〜SF32は、相互に同じ長さに設定される。
垂直同期信号VSYNCは、フレーム期間の開始を規定する信号である。スタートパルスDYは、サブフィールド期間SFの開始を規定する信号であり、垂直同期信号VSYNCを基準としてコントローラー161(図5)によって生成される。
シフトレジスター165からは、選択信号g(1)〜選択信号g(n)が出力される。選択信号g(1)は、図5に示すように、走査線T(1)に供給される。選択信号g(2)が走査線T(2)に供給され、選択信号g(n)が走査線T(n)に供給される。
選択信号g(1)は、スタートパルスDYが立ち上がってからクロック信号CLYの2番目の変化点に基づいてLoレベルからHiレベルに立ち上がる。ここで、変化点とは、パルス信号がLoレベルからHiレベルに変化する時点と、パルス信号がHiレベルからLoレベルに変化する時点とを示す。
Hiレベルに立ち上がった選択信号g(1)は、図12に示すシフトレジスター165によって、クロック信号CLYの変化点ごとに選択信号g(2),g(3),…,g(n)の順にシフトされていく。
なお、本実施形態では、スタートパルスDYが立ち上がってからクロック信号CLYの1番目の変化点に基づいて、イネーブル信号ENBXがLoレベルからHiレベルに立ち上がる。
なお、本実施形態では、イネーブル信号ENBXの1周期が1水平期間に相当している。
シフトレジスター171には、イネーブル信号ENBXと、クロック信号CLXとが入力される。
第1ラッチ回路173には、シフトレジスター171からの出力信号(ラッチ信号LT(1)〜ラッチ信号LT(m))と、画像データdataとが入力される。
第2ラッチ回路175には、第1ラッチ回路173からの出力信号と、イネーブル信号ENBXとが入力される。
レベルシフター177からは、データ信号d(1)〜データ信号d(m)が出力される。データ信号d(1)は、図5に示すように、信号線S(1)に供給される。データ信号d(2)が信号線S(2)に供給され、データ信号d(m)が信号線S(m)に供給される。
第1ラッチ回路173は、2値信号である画像データdataを、ラッチ信号LT(j)のHiレベルからLoレベルへの変化に基づいて順次にラッチしていく。
液晶装置85では、液晶75をオン状態にするためのオン電圧と、オフ状態にするためのオフ電圧と、のいずれかの電圧が階調データに応じて選択される。ノーマリーブラックモードの場合、飽和電圧以上の駆動電圧であるオン電圧が印加された際には明表示となり、しきい値電圧以下の駆動電圧であるオフ電圧が印加された際には暗表示となる。反対に、ノーマリーホワイトモードの場合、オン電圧が印加された際には暗表示となり、オフ電圧が印加された際には明表示となる。
負極性電圧は、画素電極105の電位が対向電極125の電位よりも低い場合の画素電極105と対向電極125との間の電位差である。
本実施形態では、対向電極125は、正極性電圧と負極性電圧とで同じ電位に設定される。また、本実施形態では、正極性電圧の絶対値と負極性電圧の絶対値とが、互いに同じ値に設定される。
ところで、対向電極125への印加電圧LCcomは、基準電圧Vcよりも低位側に設定される。これは、nチャネル型のトランジスターでは、ゲート・ドレイン電極間の寄生容量に起因して、オンからオフに状態変化するときにドレイン(画素電極105)の電位が低下する、というフィードスルーが発生するためである。仮に印加電圧LCcomを基準電圧Vcと一致させた場合、負極性書込による液晶素子の電圧実効値が、フィードスルーのために、正極性書込による電圧実効値よりも若干大きくなってしまう(トランジスターがnチャネルの場合)。このため、フィードスルーの影響が相殺されるような適正値に、印加電圧LCcomを基準電圧Vcよりも低位側にオフセットして設定される。ただし、フィードスルーの影響が無視できるならば、印加電圧LCcomと基準電圧Vcとは一致するように設定される。
本実施形態では、極性反転信号FRは、1フレーム期間の開始に基づいてLoレベルからHiレベルに立ち上がる。Hiレベルに立ち上がった極性反転信号FRは、サブフィールド期間SF16の終了時点までHiレベルの状態が維持される。
つまり、本実施形態では、極性反転信号FRは、1フレーム期間の前半においてHiレベルに維持され、1フレーム期間の後半においてLoレベルに維持される。
ラッチ信号LT(1)は、イネーブル信号ENBXがLoレベルからHiレベルに立ち上がってからクロック信号CLXの3番目の変化点に基づいてLoレベルからHiレベルに立ち上がる。
Hiレベルに立ち上がったラッチ信号LT(1)は、図14に示すシフトレジスター171によって、クロック信号CLXの変化点ごとにラッチ信号LT(2),LT(3),…,LT(m)の順にシフトしながら出力されていく。
本実施形態では、1フレーム期間において、サブフィールド期間SFごとに液晶75の駆動を選択的に制御することによって、1フレーム分の画像における階調表示が行われ得る。
このため、画素電極105と対向電極125との間に発生する電界には、正極性電圧によって発生する第1電界と、負極性電圧によって発生する第2電界とがある。そして、第1電界と第2電界とは、電界の向きが互いに反対の向きになる。これにより、液晶75の誘電分極現象を、打ち消しやすくすることができる。
本実施形態では、基板の特性差がない例として、正極性のオン電圧を印加する正極性サブフィールド期間と負極性のオン電圧を印加する負極性サブフィールド期間を、互いに等しい長さとすることで、焼き付きを高精度に防止することができる。
16個の正極性サブフィールド期間S1乃至S16は正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)をなしており、16個の負極性サブフィールド期間F1乃至F16は負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)をなしている。図17に示す例では、オン電圧が選択される6個の正極性サブフィールド期間の正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)における配置の仕方は、オン電圧が選択される6個の負極性サブフィールド期間の負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)における配置の仕方とは異なっている。すなわち、正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)においては、オン電圧が正極性サブフィールド期間S2,S4,S6,S10,S12,S14で選択され、オフ電圧が残りの正極性サブフィールド期間で選択される一方、負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)においては、オン電圧が負極性サブフィールド期間F2,F5,F6,F10,F11,F14で選択され、オフ電圧が残りの負極性サブフィールド期間で選択される。
第1実施形態では、1フレーム期間の前半に正極性サブフィールド期間S1乃至S16を連続して配置し、後半に負極性サブフィールド期間F1乃至F16を連続して配置した例を示したが、これに限定するものではない。図18に示すように、1フレーム期間内において、例えば、正極性サブフィールド期間と負極性サブフィールド期間とを交互に配置する構成としても良い。ここでは、負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)においては、負極性サブフィールド期間F2,F5,F8,F11,F13においてオン電圧が印加され、正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)においては、正極性サブフィールド期間S2,S6,S8,S10,S14においてオン電圧が印加されている。このように、オン電圧が選択されている正極性サブフィールド期間の正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)における配置の仕方と、オン電圧が選択されている負極性サブフィールド期間の負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)における配置の仕方とは、互いに異なっている。
本実施形態においても、負極性サブフィールド期間F2と正極性サブフィールド期間S2のようにオン電圧が連続して印加される場合の透過率は、オン電圧が分離されて印加される場合よりも高くなる。これにより、第1実施形態で得られる効果に加えて、液晶75に印加される電圧の極性反転に起因して発生するフリッカを抑制することができる。フィールドスルーおよびオフリークの影響により、正極性サブフィールド列(S1,S2,S3,・・・,S16)と負極性サブフィールド列(F1,F2,F3,・・・,F16)とで、液晶に印加される実効電圧が異なる場合がある。極性反転周波数が高ければ、極性反転による実効電圧が変動しても、液晶応答が追従できなくなるため、フリッカーのない安定した階調表示を実現できる。
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
Claims (7)
- 走査線とデータ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスターと、該スイッチングトランジスターに接続され、該データ線から該スイッチングトランジスターを介して電位が供給される画素電極と、対向電極と、該画素電極と該対向電極との間に発生する電界が印加される電気光学層と、該走査線及び該データ線を駆動する駆動回路と、を有し、
フレーム期間の少なくとも一部が複数のサブフィールド期間に分割され、
前記サブフィールド期間ごとに、前記電界を発生させるために前記画素電極と前記対向電極との間に印加される駆動電圧を、オン電圧およびオフ電圧のいずれか一方から選択することで、前記電気光学層の透過光を制御して複数の階調を表示する電気光学装置であって、
前記複数のサブフィールド期間は、複数の正極性サブフィールド期間と、複数の負極性サブフィールド期間と、からなり、
前記フレーム期間において、前記正極性サブフィールド期間の数は、前記負極性サブフィールド期間の数と等しく、
前記正極性サブフィールド期間において、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位より高い場合の前記駆動電圧である正極性電圧が前記オン電圧として選択され、
前記負極性サブフィールド期間において、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位より低い場合の前記駆動電圧である負極性電圧が前記オン電圧として選択され、
前記正極性サブフィールド期間と前記負極性サブフィールド期間とにおいて、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位と略等しい場合の前記駆動電圧が前記オフ電圧として選択され、
前記駆動回路は、表示される前記階調に応じて、前記フレーム期間における前記オン電圧の印加期間と前記オフ電圧の印加期間との比率、並びに前記オン電圧が選択されるサブフィールド期間の配列及び前記オフ電圧が選択されるサブフィールド期間の配列を決定し、
前記フレーム期間において、複数の前記正極性サブフィールド期間からなる列を正極性サブフィールド列とし、複数の前記負極性サブフィールド期間からなる列を負極性サブフィールド列としたとき、前記正極性サブフィールド列における前記オン電圧が選択される正極性サブフィールド期間の配置と、前記負極性サブフィールド列における前記オン電圧が選択される負極性サブフィールド期間の配置とが互いに異なることを特徴とする電気光学装置。 - 前記フレーム期間において、複数の前記正極性サブフィールド期間の長さの合計と、複数の前記負極性サブフィールド期間の長さの合計との比率は、前記複数の階調間で互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記フレーム期間において、複数の前記正極性サブフィールド期間のうち前記オン電圧が選択される正極性サブフィールド期間の数は、複数の前記負極性サブフィールド期間のうち前記オン電圧が選択される負極性サブフィールド期間の数と等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
- 前記フレーム期間の前半に、前記正極性サブフィールド期間と前記負極性サブフィールド期間のうちいずれかが互いに連続して配置され、
前記フレーム期間の後半に、前記正極性サブフィールド期間と前記負極性サブフィールド期間のうち他方が互いに連続して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記フレーム期間において、前記正極性サブフィールド期間と前記負極性サブフィールド期間とが交互に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備したことを特徴とする電子機器。
- 走査線とデータ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスターと、該スイッチングトランジスターに接続され、該データ線から該スイッチングトランジスターを介して電位が供給される画素電極と、対向電極と、該画素電極と該対向電極との間に発生する電界が印加される電気光学層と、該走査線及び該データ線を駆動する駆動回路と、を有し、
フレーム期間の少なくとも一部が複数のサブフィールド期間に分割され、
前記サブフィールド期間ごとに、前記電界を発生させるために前記画素電極と前記対向電極との間に印加される駆動電圧を、オン電圧およびオフ電圧のいずれか一方から選択することで、前記電気光学層の透過光を制御して複数の階調を表示する電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数のサブフィールド期間は、複数の正極性サブフィールド期間と、複数の負極性サブフィールド期間と、からなり、
前記フレーム期間において、前記正極性サブフィールド期間の数は、前記負極性サブフィールド期間の数と等しく、
前記正極性サブフィールド期間において、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位より高い場合の前記駆動電圧である正極性電圧が前記オン電圧として選択され、前記負極性サブフィールド期間において、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位より低い場合の前記駆動電圧である負極性電圧が前記オン電圧として選択され、
前記正極性サブフィールド期間と前記負極性サブフィールド期間とにおいて、前記画素電極の電位が前記対向電極の電位と略等しい場合の前記駆動電圧が前記オフ電圧として選択され、
表示される前記階調に応じて、前記フレーム期間における前記オン電圧の印加期間と前記オフ電圧の印加期間との比率、並びに前記オン電圧が選択されるサブフィールド期間の配列及び前記オフ電圧が選択されるサブフィールド期間の配列を決定し、
前記フレーム期間において、複数の前記正極性サブフィールド期間からなる列を正極性サブフィールド列とし、複数の前記負極性サブフィールド期間からなる列を負極性サブフィールド列としたとき、前記正極性サブフィールド列における前記オン電圧が選択される正極性サブフィールド期間の配置と、前記負極性サブフィールド列における前記オン電圧が選択される負極性サブフィールド期間の配置とが互いに異なることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
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