JP2014174018A - 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット - Google Patents

蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット Download PDF

Info

Publication number
JP2014174018A
JP2014174018A JP2013047258A JP2013047258A JP2014174018A JP 2014174018 A JP2014174018 A JP 2014174018A JP 2013047258 A JP2013047258 A JP 2013047258A JP 2013047258 A JP2013047258 A JP 2013047258A JP 2014174018 A JP2014174018 A JP 2014174018A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent dye
resin
dye
substituent
labeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013047258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6107244B2 (ja
Inventor
Taketoshi Isoda
武寿 磯田
Yasushi Nakano
寧 中野
Kensaku Takanashi
健作 高梨
Hideki Goda
秀樹 郷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2013047258A priority Critical patent/JP6107244B2/ja
Publication of JP2014174018A publication Critical patent/JP2014174018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6107244B2 publication Critical patent/JP6107244B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】組織切片の永久標本を作製のためのキシレンによる透徹を行った場合に、蛍光色素の溶出が防止された蛍光色素標識用樹脂粒子を提供する。
【解決手段】樹脂からなる樹脂粒子に蛍光色素が共有結合以外で結合された蛍光色素標識用樹脂粒子であって、(1)前記樹脂がスチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を含み、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられていること、又は、前記樹脂が単官能モノマーとしてのメタクリル酸から形成される構成単位を含んでいること、(2)前記樹脂の架橋度が50%以上であること、及び(3)前記蛍光色素が前記樹脂の有する電荷を持つ置換基の電荷とは反対の電荷を持つ置換基を有することを特徴とする蛍光色素標識用樹脂粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キットに関する。特に、本発明は、組織切片中の特定の物質を検出するための蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該樹脂を含む組織免疫染色用キットに関する。
医学的診断の1つとして、病理診断が行なわれている。病理医は人体から採取した組織片から病気を診断し、治療や手術の要不要を臨床医に伝える。患者の状態と病理診断によって、内科系医師は薬物治療方針を、外科系医師は手術を行うか否かを決定する。
病理診断では、臓器摘出や針生検によって得た組織検体を厚さ数ミクロン程度に薄切して組織標本を作成し、様々な所見を得るために光学顕微鏡を用いて拡大観察することが広く行われている。多くの場合、標本は、採取した組織を固定するため脱水し、パラフィンブロック化した後、数μmの厚さに薄切りし、パラフィンを取り除いて作製される。
病理診断では、免疫染色と呼ばれる、標本の分子情報の発現を確認するための分子標的染色を施し、遺伝子やタンパクの発現異常といった機能異常を診断する免疫観察が行なわれている。免疫染色には、例えば、酵素を用いた色素染色法(DAB染色等)が用いられる(特許文献1)。DAB染色は、ジアミノベンジジン(DAB)を基質として発色させることのできるペルオキシダーゼで修飾された抗体を用いて、観察対象となる抗原を当該発色により染色して観察することで抗原量を測るものである。しかしながら、DAB染色のような酵素標識による染色は、染色濃度が温度・時間などの環境条件により大きく左右されるため、染色濃度から実際の抗体等の量を見積もることが難しいという課題がある。そのため、病理診断における免疫観察では、酵素標識による染色の代わりに、蛍光標識体を用いる蛍光標識法も行なわれている。この方法はDAB染色と比べて定量性に優れるという特徴がある(非特許文献1)。蛍光標識法は、蛍光色素が修飾された抗体を用いて対象となる抗原を染色して観察することで抗原量を測るものである。
なお、標本は光を殆ど吸収および散乱せず無色透明に近いため、観察に先立って、形態観察のために、色素による染色を施されることがある。染色手法としては種々のものが提案されている。特に組織標本に関しては、標本の形態を観察するための形態観察染色として、ヘマトキシリンおよびエオジンの2つの色素を用いるヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)が標準的に用いられている(非特許文献1)。ヘマトキシリン染色により細胞核・石灰部・軟骨組織・細菌・粘液が青藍色〜淡青色に染色され、エオジン染色により細胞質・間質・各種線維・赤血球・角化細胞が赤〜濃赤色に染色される。病理医は、染色された組織標本の顕微鏡画像の中で、細胞の核の大きさや形の変化、組織としてのパターンの変化などの形態学的な情報、染色情報、をもとに診断を行っている。なお、この他の形態観察染色としては、例えば細胞診に用いられるパパニコロウ染色(Pap染色)等がある。一つの切片に対して形態染色と免疫染色の両方を行なうことにより、標本の形態観察と免疫観察を同時に行うこともできる。
蛍光標識体としては、蛍光色素や無機ナノ粒子(半導体ナノ粒子、量子ドット等と称されることもある)、それらの集積体の利用が知られている(非特許文献2、特許文献2)。蛍光色素や無機ナノ粒子と、それらの集積体では、集積体の方が耐光性能が向上することが報告されている(特許文献3)。従って、耐光性の観点から集積体の方がより好ましいが、蛍光顕微鏡観察において要求される耐光性能には、集積化だけでは十分ではない。なお、色素1個と集積体1個では1個あたりの輝度が集積体の方が高くなるので、シグナルの観点から、集積体の方がより好ましい。
標本作製において、染色後の病理切片を封入するための封入剤としては、水系封入剤および油系封入剤が知られている。水系封入剤は標本との屈折率差が大きく、標本を透明としにくい、永久標本としにくい、という課題がある。一方、油系封入剤は標本との屈折率差が小さく、標本を透明とできる、形態染色の色味や発色が良い、永久標本用として標準的に用いられている、という特徴がある。このため、油系封入剤の方が標本作製に好適に用いられる。
このような永久標本の作製では、形態染色や免疫染色の後、上記の封入を行う前に、鮮明な染色像を得るために、組織切片中のエタノールをキシレンで置換する透徹を行うことが一般的である。しかし、従来の蛍光色素標識用樹脂粒子を用いた場合には、組織切片をキシレンに浸漬させたときに、免疫染色により組織切片中の検出対象物質上で一旦固定化した蛍光色素がキシレンによってにじみ出てしまい、輝点の位置及び強度にバラツキを生じ、蛍光顕微鏡観察を行った場合、鮮明な染色像が得られず、判定精度が悪化するという問題があった(後記の比較例を参照)。
特開2010−134195号公報 特開2010−209314号公報 特開2008−147394号公報
Robbins Basic Pathology: With STUDENT CONSULT Online Access, 9e (Robbins Pathology) Saunders, (2012) Flow Cytometry and Sorting, 2nd Edition, pp.367B380, Wiley-Liss, Inc.(1990)
本発明の課題は、組織切片の永久標本を作製のためのキシレンによる透徹を行った場合に、組織切片中の検出対象物質上で固定化されている蛍光色素の溶出が防止された蛍光色素標識用樹脂粒子を提供することである。また、本発明の課題は、該蛍光色素標識用樹脂粒子の製造方法及び該蛍光色素標識用樹脂粒子を含む組織免疫染色用キットを提供することである。
本発明者らは、蛍光色素標識用樹脂粒子の樹脂の溶剤耐性及び樹脂と色素の結合力に着目して検討して結果、樹脂の構成単位を形成するモノマー、樹脂の架橋度、樹脂と蛍光色素の結合に関与する置換基を特定の条件とすることで、キシレンによる蛍光色素の溶出が抑制された蛍光色素標識樹脂粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の項に示すものである。
(本発明)
[項1]
樹脂からなる樹脂粒子に蛍光色素が共有結合以外で結合された蛍光色素標識用樹脂粒子であって、
(1)前記樹脂がスチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を含み、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられていること、又は、前記樹脂が単官能モノマーとしてのメタクリル酸から形成される構成単位を含んでいること、
(2)前記樹脂の架橋度が50%以上であること、及び
(3)前記蛍光色素が前記樹脂の有する電荷を持つ置換基の電荷とは反対の電荷を持つ置換基を有すること
を特徴とする蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項2]
前記樹脂が、メタクリル酸グリシジルの単官能モノマーから形成される構成単位を更に有する項1に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項3]
前記樹脂が正電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素が負電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が分子量400当たり1以上である項1又は2に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項4]
前記樹脂が正電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素が負電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が2以上である項1又は2に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項5]
前記樹脂の電荷を持つ置換基がアミノ基を含む項1〜4のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項6]
前記蛍光色素の電荷を持つ置換基がスルホ基を含む項1〜5のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項7]
前記蛍光色素が、ボディーピー(BODIPY)系色素、ローダミン系色素、スクアリリウム系色素又は芳香族炭化水素系色素である項1〜6のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項8]
前記樹脂がポリスチレンを主鎖とするものであり、前記蛍光色素がローダミン系色素である項1〜7のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項9]
前記樹脂がポリスチレンを主鎖とするものであり、前記蛍光色素が芳香族炭化水素系色素である項1〜7のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項10]
アビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが更に結合された項1〜9のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
[項11]
(1)単官能モノマーとしてメタクリル酸グリシジル及び4−アミノスチレン並びに多官能ポリマーとしてジビニルベンゼンを用いて重合させて樹脂を得る工程であって、メタクリル酸グリシジルの重量(A)と4−アミノスチレンの重量(B)及びジビニルベンゼンの重量(C)が、
(i)AとBとCの合計に対してBとCの合計が、33〜67%、かつ
(ii)BとCの合計に対してCが、20%〜80%
である工程、及び
(2)前記(1)の工程で得られる樹脂が有するアミノ基と蛍光色素が有する負電荷を持つ置換基とを共有結合以外で結合させる工程
を含む項1〜9のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子の製造方法。
[項12]
前記(1)及び(2)の工程に、更に
(3)前記(2)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のメタクリル酸グリシジル由来のエポキシ基をアミノ基へ変換する工程、
(4)前記(3)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のアミノ基にポリエチレングリコールリンカーを結合する工程、及び
(5)前記(4)の工程で結合したポリエチレングリコールリンカーにアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンを結合する工程
を含む項10に記載の色素標識用樹脂粒子の製造方法。
[項13]
検出対象物質認識用抗体及び項10に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子を含む組織免疫染色用キット。
項1〜10の蛍光色素標識用樹脂粒子を用いて組織切片の免疫染色を行えば、キシレンで透徹を行っても、組織切片中の検出対象物質上で固定化されている蛍光色素の溶出を防止することができる。その結果、輝点の位置及び強度にバラツキがなく、蛍光顕微鏡観察を行った場合、鮮明な染色像が得られ、良好な判定精度が得られる。
また、項11〜12の製造方法によれば、上記の効果を有する蛍光色素標識用樹脂粒子を製造することができ、項13の組織免疫染色用キットによれば、組織切片の検出対象物質が鮮明に染色され、良好な判定精度の永久標本を得ることができる。
は、実施例1で調製したTexas Red色素結合ポリスチレンナノ粒子及び比較例で調製した蛍光色素含有ポリスチレンナノ粒子を用いてヒト乳房組織の免疫染色を行い、得られた免疫組織化学染色切片の固定化処理を行った後の蛍光顕微鏡観察の写真である。比較例に比べ、実施例の蛍光顕微鏡写真は鮮明な輝点となっている。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。
1.本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子は、
『樹脂からなる樹脂粒子に蛍光色素が共有結合以外で結合された蛍光色素標識用樹脂粒子であって、
(1)前記樹脂がスチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を含み、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられていること、又は、前記樹脂が単官能モノマーとしてのメタクリル酸から形成される構成単位を含んでいること、
(2)前記樹脂の架橋度が50%以上であること、及び
(3)前記蛍光色素が前記樹脂の有する電荷を持つ置換基の電荷とは反対の電荷を持つ置換基を有すること』
を特徴とする蛍光色素標識用樹脂粒子。
である。
(樹脂)
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子を構成する樹脂は、スチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を含み、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられているものである。又は、前記樹脂は、単官能モノマーとしてのメタクリル酸から形成される構成単位を含んでいるものである。
スチレン、メタクリル酸アルキル、アクリロニトリルは、それぞれ、1分子中に重合に関与するビニル基(C=C結合)を1個持つ単官能モノマーである。メタクリル酸アルキルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等がある。本発明における樹脂は、これらの少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を有し、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられている。
又、メタクリル酸も、1分子中に重合に関与するビニル基(C=C結合)を1個持つ単官能モノマーである。この場合、メタクリル酸から形成される構成単位は、下記で説明する電荷を持つ置換基の一つであるカルボキシル基を有している。
ここで電荷を持つ置換基とは、水と接触させたときに電荷を持つという意味である。正電荷を持つ置換基の例としては、アミノ基(水と接触させたときに、−NH3 +)が代表的であり、他の例として、芳香族アミノ基、含窒素複素環(ピリジニル基、トリアゾリル基等)、ヒドラジニル基等(いずれも水と接触させたときに、窒素原子が正電荷を持つ)が挙げられる。負電荷を持つ置換基の例としては、スルホ基(水と接触させたときに、−SO3 -)が代表的であり、他の例として、フォスフォリル基、フェノール性水酸基、カルボキシル基等(いずれも、水と接触させたときに、酸素原子が負電荷を示す)が挙げられる。
また、「その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられている」とは、前記の単官能モノマーから形成される構成単位の中の水素原子の1個以上が電荷を持つ置換基に置き換えられていることを意味する。そして、本発明における樹脂は、樹脂を構成する構成単位の内の一部の構成単位が、前記の「その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられている」構成単位であればよく、他に、そのような電荷を持つ置換基に置き換えられていない構成単位を含んでいてもよいことは言うまでもない。
このような他の構成単位の例としては、メタクリル酸グリシジル(1分子中に重合に関与するビニル基(C=C結合)を1個持つ)から形成される構成単位である。この場合、末端にエポキシ基を有する樹脂が得られ、それを更にアミノ基へ変換することによって、市販のポリエチレングリコールリンカー等を付けることができ好適である。
本発明における樹脂の製造方法は特に限定されないが、通常、「スチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマー」の水素原子が前記の電荷を持つ置換基に置き換えられた単官能モノマーを含むモノマーを重合させて得られる。この場合の少なくとも1つの水素原子が前記の電荷を持つ置換基に置き換えられた単官能モノマーとしては、例えばスチレンの場合はベンゼン環の水素原子がこのように置き換えられたもの、例えばアミノスチレン、例えばメタクリル酸アルキルの場合はエステル結合しているアルキル基の水素原子がこのように置き換えられたもの、例えばメタクリル酸2-アミノエチル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、例えばアクリロニトリルの場合はビニル基(C=C結合)に結合している水素原子がこのように置き換えられたもの、例えば3‐アミノアクリロニトリル等があり、これらは市販されている。この場合、他のモノマーを加えて重合させてもよく、例えば、適切な架橋度を得るために、多官能モノマー(1分子中に重合に関与するビニル基(C=C結合)を2個以上持つ)を加えてもよい。この場合の多官能モノマーとしては、例えば、ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン−3−イン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、等)、ジアリル化合物(フタル酸アリル、2,6−ジアクリルフェノール、ジアリルカルビノール)等がある。重合方法は特に制限はなく、例えば、ラジカル重合、イオン重合(アニオン重合、他)、その他、合目的的な方法であればよい。
本発明における樹脂を構成する主鎖の好ましい例としては、ポリスチレン、すなわち少なくともスチレン又はアミノスチレンが原料モノマーとして用いられている重合体が挙げられる。前記ポリスチレンの具体例としては、メタクリル酸グリシジル、4−アミノスチレンおよびジビニルベンゼンの架橋共重合体、好ましくはそれらの原料モノマーを後述する製造方法において規定されているような割合で用いることにより得られる架橋共重合体が挙げられる。
本発明における樹脂を構成する主鎖の他の好ましい例としては、ポリアクリロニトリルおよびポリメタクリル酸メチルが挙げられる。
なお、前記に従って得られる本発明の樹脂は、多くの場合、熱可塑性樹脂である。
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子の粒径は、目的とする組織切片の免疫染色に適した粒径であれば特に限定されないが、通常10〜500nmであり、好ましくは、50〜200nmである。また、粒径のはらつきを示す変動係数も特に限定されないが、通常は20%以下であり、好ましくは5〜15%である。このような粒径の樹脂は、上記のモノマーの重合(共重合)を行って樹脂を製造する際に、撹拌条件で反応を行う等の方法によって得ることができ、遠心分離等の方法によって回収することができる(後記の実施例を参照)。なお、蛍光色素標識用樹脂粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し、蛍光色素標識用樹脂粒子の断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径(面積円相当径)として測定することができる。蛍光色素標識用樹脂粒子の集団の粒子サイズの平均(平均粒径)および変動係数は、十分な数(たとえば1000個)の蛍光色素標識用樹脂粒子について上記のようにして粒子サイズ(粒径)を測定した後、平均粒径はその算術平均として算出され、変動係数は式:100×粒径の標準偏差/平均粒径、により算出される。
(架橋度)
本発明における樹脂は、架橋度が50%以上であり、更に、より適切な強度の樹脂を得るという点から、好ましくは架橋度が60%〜100%である。ここで架橋度とは、キシレン溶解試験で溶解されなかった樹脂量の比率(%)であり、具体的には、次の通りである。
サンプルの一定量(w1)(例えば、0.1g)をあらかじめ質量を測定した400メッシュのステンレス金網(w2)で包み、キシレン100ml中で120℃24時間抽出する。その後、ステンレス金網を取り出し、80℃16時間真空乾燥して質量(w3)を測定し、以下の計算式で架橋度を算出する(後記の実施例を参照)。
架橋度(%)=[(w3−w2)/w1]×100
(蛍光色素)
本発明における蛍光色素は、本発明における樹脂の有する電荷を持つ置換基の電荷とは反対の電荷を持つ置換基を有している。ここで電荷を持つ置換基の定義は前記で述べた通りである。本発明における樹脂と蛍光色素は、これらの反対の電荷を持つ置換基によって静電結合していると考えられ、共有結合以外で結合している。ここで、共有結合以外で結合しているとは、樹脂と蛍光色素が実質的に共有結合以外で結合しているということを意味し、樹脂と蛍光色素の結合の一部に共有結合による結合が含まれている場合を除外するものではない。すなわち、本発明における樹脂と蛍光色素との結合は、全ての結合が上記の反対の電荷を持つ置換基による静電結合である場合だけでなく、これらの静電結合に加え、その結合の一部に共有結合、その他の静電結合以外の結合が含まれていてもよい。異なる分子を混合・反応させた場合に、意図した混合生成物・反応生成物以外にも副次的な少量の生成物が意図せずに生じてしまうことは、化学的実験において起こりうると一般的に考えられているとおりである。本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子では、通常、樹脂1分子に結合する蛍光色素分子の80%以上、好ましくは90%以上が上記の反対の電荷を持つ置換基によって静電結合している。なお、この値は、樹脂の原料(単官能モノマー、多官能モノマー、等)の化学構造、蛍光色素の化学構造から、両者を反応させた場合に、静電結合が導入される数、共有結合、その他の結合が導入される数を理論的に導き出した割合である。本願実施例1〜5の場合は、理論的には、樹脂1分子に結合する蛍光色素分子の100%が上記の静電結合である。
樹脂の重合体と蛍光色素の分子の上記置換基による結合の実施方法(反応方法)は特に限定されるものではなく、樹脂の原料であるモノマーに蛍光色素を結合させた後にモノマーを重合させる方法、重合体を製造した後に該重合体に蛍光色素を結合させる方法、モノマーと蛍光色素とを混合して重合と蛍光色素の結合を同時に行う方法、その他合目的的な方法を用いればよい(後記の実施例を参照)。
(蛍光色素の例)
本発明における蛍光色素は、その分子中に前記の電荷を持つ置換基を有する蛍光色素であれば特に制限をうけず、一般に入手又は作製できるものが使用可能である。このような蛍光色素の分子は、例えば、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香族炭化水素系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子、等の中から選択することができる。あるいはAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、DY系色素分子(登録商標、DYOMICS社製)、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子等の中から選択することができる。このような色素分子の総称は、化合物中の主要な構造(骨格)または登録商標に基づき命名されており、それぞれに属する蛍光色素の範囲は当業者であれば過度の試行錯誤を要することなく適切に把握できるものである。
本発明では、上記のような色素分子の中から電荷を有する置換基を持つ特定の色素分子を選定し使用することができ、また、これらの色素分子の中の特定の色素分子に電荷を有する置換基を導入して使用することもできる。中でも、ボディーピー(BODIPY)系色素、ローダミン系色素、スクアリウム系色素または芳香族炭化水素系色素が好ましく、たとえば樹脂がポリスチレンである場合は、ローダミン系色素または芳香族炭化水素系色素が特に好ましい。
電荷を有する置換基の導入方法は特に制限はなく、一般に用いられている方法、例えば、スルホ基を導入する場合には、硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸等をスルホン化剤に用いて蛍光色素分子をスルホン化する方法、その他が使用可能である。
ローダミン系色素分子の具体例としては、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、テキサスレッド、Spectrum Red、LD700 PERCHLORATE、などが挙げられる。
スクアリリウム系色素分子の具体例としては、SRfluor 680−Carboxylate、1,3−Bis[4−(dimethylamino)−2−hydroxyphenyl]−2,4−dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide, bis、1,3−Bis[4−(dimethylamino)phenyl]−2,4−dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide, bis、2−(4−(Diethylamino)−2−hydroxyphenyl)−4−(4−(diethyliminio)−2−hydroxycyclohexa−2,5−dienylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、2−(4−(Dibutylamino)−2−hydroxyphenyl)−4−(4−(dibutyliminio)−2−hydroxycyclohexa−2,5−dienylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、2−(8−Hydroxy−1,1,7,7−tetramethyl−1,2,3,5,6,7−hexahydropyrido[3,2,1−ij]quinolin−9−yl)−4−(8−hydroxy−1,1,7,7−tetramethyl−2,3,6,7−tetrahydro−1H−pyrido[3,2,1−ij]quinolinium−9(5H)−ylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、などが挙げられる。
シアニン系色素分子の具体例としては、1−Butyl−2−[5−(1−butyl−1,3−dihydro−3,3−dimethyl−2H−indol−2−ylidene)−penta−1,3−dienyl]−3,3−dimethyl−3eiti−indolium hexafluorophosphate、1−Butyl−2−[5−(1−butyl−3,3−dimethyl−1,3−dihydro−indol−2−ylidene)−3−chloro−penta−1,3−dienyl]−3,3−dimethyl−3H−indolium hexafluorophosphate、3−Ethyl−2−[5−(3−ethyl−3H−benzothiazol−2−ylidene)−penta−1,3−dienyl]−benzothiazol−3−ium iodide、などが挙げられる。
芳香族炭化水素系色素分子の具体例としては、N, N−Bis−(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−(4−tert−butylphenoxy)−perylen−3,4,9,10−tetracarbonacid diimide、N,N'−Bis(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−tetraphenoxyperylene−3,4:9,10−tetracarboxdiimide、N,N'−Bis(2,6−diisopropylphenyl)perylene−3,4,9,10−bis(dicarbimide)、16,N,N'−Bis(2,6−dimethylphenyl)perylene−3,4,9,10−tetracarboxylic diimide、4,4'−[(8,16−Dihydro−8,16−dioxodibenzo[a,j]perylene−2,10−diyl)dioxy]dibutyric acid、2,10−Dihydroxy−dibenzo[a,j]perylene−8,16−dione、2,10−Bis(3−aminopropoxy)dibenzo[a,j]perylene−8,16−dione, 3,3'−[(8,16−Dihydro−8,16−dioxodibenzo[a,j]perylen−2,10−diyl)dioxy]dipropylamine、17−BIS(Octyloxy)Anthra[9,1,2−cde−]Benzo[RST]Pentaphene−5−10−Dione、Octadecanoicacid, 5,10−dihydro−5,10−dioxoanthra[9,1,2−cde]benzo[rst]pentaphene−16,17−diylester、Dihydroxydibenzanthrone、Benzenesulfonic acid, 4,4',4'',4'''−[[2,9−bis[2,6−bis(1−methylethyl)phenyl]−1,2,3,8,9,10−hexahydro−1,3,8,10−tetraoxoanthra[2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']diisoquinoline−5,6,12,13−tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis-,Benzeneethanaminium、 4,4',4'',4'''−[[2,9−bis[2,6−bis(1−methylethyl)phenyl]−1,2,3,8,9,10−hexahydro−1,3,8,10−tetraoxoanthra[2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']diisoquinoline−5,6,12,13−tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis[N,N,N−trimethyl−]、などが挙げられる。
オキサジン系色素分子の具体例としては、Cresyl violet、Oxazine170、EVOblue30、Nile Blueなどが挙げられる。
カルボピロニン系色素分子の具体例としては、CARBOPYRONIN 149などが挙げられる。
ピロメセン系色素分子の具体例としては、PYRROMETHENE650などが挙げられる。
Alexa Fluor系色素分子の具体例としては、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750など(以上インビトロジェン社製)が挙げられる。
BODIPY系色素分子の具体例としては、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)などが挙げられる。
Cy系色素分子の具体例としては、Cy3.5、Cy5、Cy5.5(以上GEヘルスケア社製)などが挙げられる。
DY系色素分子の具体例としては、DY−590、DY−610、DY−615、DY−630、DY−631、DY−632、DY−633、DY−634(以上DYOMICS社製)、などが挙げられる。
HiLyte系色素分子の具体例としては、HiLyte594、HiLyteFluor TR(以上アナスペック社製)などが挙げられる。
DyLight系色素分子の具体例としては、DyLight 594、DyLight633(以上サーモサイエンティフィック社製)などが挙げられる。
ATTO系色素分子の具体例としては、ATTO590、ATTO610、ATTO620、ATTO633、ATTO655など(以上ATTO−TEC社製)が挙げられる。
MFP系色素分子の具体例としては、MFP590、MFP631(以上Mobitec社製)などが挙げられる。
その他色素としては、C−Phycocyanin、Phycocyanin、APC(Allophycocyanin)、APC−XL、NorthernLights637(R&D Systems社製)、等が挙げられる。
また、これらの誘導体(蛍光色素として機能しうるもの、例えば、公知の誘導体)を挙げることができる。
上記の色素分子は、電荷を持つ置換基を有している場合はそのまま使用することができる。また、電荷を持つ置換基を有しない場合や更に電荷を持つ置換基を増やす場合には、前記の通り、必要な置換基を導入して使用する。この場合、本発明における樹脂と蛍光色素は、キシレンで透徹を行った場合に蛍光色素の溶出が防止される程度に強く結合している必要がある。従って、例えば、樹脂が正電荷を持つ置換基を有しており、蛍光色素が負電荷を持つ置換基を有しているものを用いる場合には、蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が分子量400当たり1以上(蛍光色素1分子中の負電荷を持つ置換基の数を蛍光色素の分子量で割った値が1/400以上)であることが好ましく、又は、蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が2以上であることが好ましい。このような好ましい蛍光色素の例として、蛍光色素テキサスレッド(「スルホローダミン101」、シグマアルドリッチ社)(分子式C3130272、分子量606.71)が挙げられる。この色素は、負電荷を持つスルホ基を1分子中に2個有しており、その数は分子量400当たり1.32と算出される。
(免疫染色)
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子は、組織切片の検出対象物質の免疫染色に用いることができる。例えば、特定の抗原(検出対象物質)に対して免疫染色を行う際には、蛍光色素標識用樹脂粒子と1次抗体を直接結合した標識(コンジュゲート)を作製し、抗原を染色する方法(1次抗体法)、蛍光色素標識用樹脂粒子と2次抗体を直接結合した標識を作製し、抗原に1次抗体を結合したものを染色する方法(2次抗体法)、蛍光色素標識用樹脂粒子とビオチン(あるいはアビジン又はストレプトアビジン)を直接結合した標識を作製し、抗原に1次抗体とアビジン又はストレプトアビジン(あるいはビオチン)修飾した2次抗体を結合したものを染色する方法(ビオチン−アビジン法またはサンドイッチ法)等を用いることができる。
従って、本発明では、アビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが更に結合された蛍光色素標識用樹脂粒子を含むものである。
免疫染色に用いる1次抗体はいかなるものでも構わず、免疫染色を行ないたい対象によって変わる。例えばHER2を抗原とする免疫染色を行なう場合には、抗HER2抗体を用いる。また、2次抗体は如何なるものを用いても構わず、1次抗体によって変わる。例えば抗マウス・ウサギ(ラビット)・牛・ヤギ・羊・犬・チキン抗体が挙げられる。
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子と抗体やビオチンの結合は既存の如何なる方法を用いても構わない。例えば、アミンとカルボン酸の反応によるアミド化、マレイミドとチオールの反応によるスルフィド化、アルデヒドとアミンの反応によるイミン化、エポキシとアミンの反応によるアミノ化等を用いることができる。
なお、上記の免疫染色は、組織染色に限定されるものではなく、細胞染色に適用するこ
とも可能である。また、検出の対象とする生体物質は、それと特異的に結合する物質が存
在するものであれば特に限定されるものではない。典型的には、上記のように抗原および
抗体の組み合わせが用いられるが、例えば、核酸分子(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド)およびそれに相補的に結合しうる配列を有する核酸分子の組み合わせを用いるこ
とも可能である。
2.本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子の製造方法
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子は、前記の通り特に製造方法は制限されないが、好ましい製造方法の一例は次の通りである。すなわち、
『(1)単官能モノマーとしてメタクリル酸グリシジル及び4−アミノスチレン並びに多官能ポリマーとしてジビニルベンゼンを用いて重合させて樹脂を得る工程であって、メタクリル酸グリシジルの重量(A)と4−アミノスチレンの重量(B)及びジビニルベンゼンの重量(C)が、
(i)AとBとCの合計に対してBとCの合計が、33〜67%、かつ
(ii)BとCの合計に対してCが、20%〜80%
である工程、及び
(2)前記(1)の工程で得られる樹脂が有するアミノ基と蛍光色素が有する負電荷を持つ置換基とを共有結合以外で結合させる工程
を含む本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子の製造方法』
である。
前記(1)の工程で、(i)及び(ii)の条件の割合で架橋共重合させることによって、架橋度が50%以上、好ましくは60%〜100%となり、本発明の効果(キシレンで透徹を行っても、組織切片中の検出対象物質上で固定化されている蛍光色素の溶出を防止することができる)を達成するために、適切な強度の樹脂が得られる。前記(1)の工程の架橋共重合は、例えば、通常用いられているラジカル重合、イオン重合(アニオン重合、他)、その他、合目的的な方法で行うことができる。
また、前記(2)の工程は、単官能モノマーに含まれる4−アミノスチレンの正電荷を持つアミノ基と蛍光色素に含まれる負電荷を持つ置換基を結合させる工程である。前記(2)の工程は、前記(1)の工程と別の工程として実施してもよいし、前記(1)の工程と一体的な工程として同時に実施してもよい。前者の場合、前記(2)の工程は通常、前記(1)の工程が完了した後に、得られた重合体樹脂(その粒子の分散液)と負電荷を持つ置換基を有する蛍光色素(その水溶液)とを混合する実施形態をとる。後者の場合、前記(2)の工程は、負電荷を持つ置換基を有する蛍光色素を前記(1)の工程に用いられる原料モノマーにあらかじめ添加しておくような実施形態をとることもできるし、前記(1)の工程の途中で、重合体樹脂の粒子が形成されつつある反応液に負電荷を持つ置換基を有する蛍光色素を添加するような実施形態をとることもできる。なお、後者の場合、一部または全部の4−アミノスチレンと前記蛍光色素とが、重合体樹脂の生成前に共有結合以外の結合で結合してもよい(そのような場合であっても「前記(1)の工程で得られる重合体樹脂が有するアミノ基と蛍光色素が有する負電荷を持つ置換基とを共有結合以外の結合で結合させる」ことが行われていることになると解する)。
本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子の更に好ましい製造方法の一例は、
『前記(1)及び(2)の工程に加え、更に
(3)前記(2)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のグリシジルメタクリレート由来のエポキシ基をアミノ基へ変換する工程、
(4)前記(3)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のアミノ基にポリエチレングリコールリンカーを結合する工程、及び
(5)前記(4)の工程で結合したポリエチレングリコールリンカーにアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンを結合する工程
を含む色素標識用樹脂粒子の製造方法』
である。この製造方法によれば、アビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが結合した好ましい色素標識用樹脂粒子が得られる。この場合、前記(3)の工程のエポキシ基のアミノ基への変換は、通常用いられている方法、例えば、前記(2)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子にアンモニア水を添加することにより行われる。また、前記(4)及び(5)の工程で使用するポリエチレングリコールリンカーは、例えば、サーモサイエンティフィック社(Thermo Fisher Scientific K.K.)、その他から種々のものが市販されており、目的にあったものを用いることができ、その使用方法も市販されているポリエチレングリコールリンカーの説明書を参照することができる(後記の実施例を参照)。
3.本発明の組織免疫染色用キット
本発明の組織免疫染色用キットは、
『検出対象物質認識用抗体及びアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが結合された本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子を含む組織免疫染色用キット』
である。
キットに含まれるアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが結合された本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子は前記で説明した通りである。検出対象物質認識用抗体は、試料とする組織切片等で検出対象とする物質を認識する抗体であり、該抗体には前記の本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子と結合するアジピン、ストレプトアジピン又はビオチンが結合している。また、本発明のキットは2次抗体法を用いたものでもよく、この場合は、キットには、検出対象物質認識用の1次抗体、これに結合する2次抗体でアジピン、ストレプトアジピン又はビオチンが結合しているもの、アビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが結合された本発明の蛍光色素標識用樹脂粒子(2次抗体に結合するもの)が含まれる。
本発明のキットを用いることによって、試料とする組織切片等で検出対象とする物質を蛍光免疫染色することができ、その組織切片等をキシレンで透徹する場合でも蛍光色素の溶出が防止され、検出対象物質が鮮明に染色され、良好な判定精度の永久標本を得ることができる。
[実施例1]Texas Red色素結合ポリスチレンナノ粒子
蛍光色素としてTexas Redが結合されたポリスチレンナノ粒子を、以下のようなソープフリー乳化重合法により作製した。
アルゴンバブリングした純水中5mLにグリシジルメタクリレート(メタクリル酸グリシジル)(東京化成工業社製)0.18g、ジビニルベンゼン0.05g、蛍光色素Sulforhodamine 101(シグマアルドリッチ製、Texas Red色素)0.002gおよび4−アミノスチレン(東京化成工業社製)0.05gを加えた。撹拌しながら70℃に昇温し、水溶性アゾ重合開始剤であるV−50(和光純薬社性)を0.012g加え、12時間反応させた。反応液を10000Gで20分遠心分離し、粒子を回収した。回収した粒子を純水に分散し再度遠心分離で回収する事で精製を行なった。得られた粒子を過剰のアンモニア水に加え、粒子末端(グリシジルメタクリレート由来)のエポキシ基をアミノ基へと変換し、末端にアミノ基を持つTexas Red色素結合ポリスチレンナノ粒子を得た。
得られた色素結合ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleomidopropionamid)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで、末端にマレイミド基が付いた色素内包ナノを得た。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、色素結合ナノ粒子が有するマレイミド基に結合可能なストレプトアビジン溶液を得た。
上記の末端にマレイミド基が付いた色素結合ナノ粒子とストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去して、最終的にストレプトアビジンが結合したTexas Red色素結合ポリスチレンナノ粒子を得た。
[実施例2]ローダミン色素結合ポリアクリロニトリルナノ粒子
蛍光色素としてスルホローダミンBが結合されたポリアクリロニトリルナノ粒子を、実施例1と同様にソープフリー乳化重合法により作製した。すなわち、実施例1で用いたSulforhodamine 101に変えて、スルホローダミンB ナトリウム塩(シグマアルドリッチ製)を使用し、さらにアクリロニトリル0.10gを添加するとともに、グリシジルメタクリレートの添加量を0.10gに変更して作成した。
上記のようにして得られた色素結合ナノ粒子について、実施例1と同様にして、マレイミド基が結合した色素結合ナノ粒子を得て、最終的にストレプトアビジンが結合したローダミン色素結合ポリアクリロニトリルナノ粒子を得た。
[実施例3]芳香族炭化水素系色素結合ポリアクリロニトリルナノ粒子
蛍光色素として芳香族炭化水素系色素(ペリレンジイミドスルホン酸誘導体)を次の通り準備した。N,N'-Bis(2,6-diisopropylphenyl)-1,6,7,12-tetraphenoxyperylene-3,4:9,10-tetracarboxdiimideを濃硫酸で処理し、ペリレンジイミドスルホン酸誘導体を作製した。
上記ペリレンジイミドスルホン酸誘導体が結合されたポリアクリロニトリルナノ粒子を、実施例1と同様にソープフリー乳化重合法により作製した。すなわち、実施例1で用いたSulforhodamine 101に変えて、ペリレンジイミドスルホン酸誘導体を使用し、さらにアクリロニトリル0.10gを添加するとともに、グリシジルメタクリレートの添加量を0.10gに変更して作成した。
上記のようにして得られた色素結合ナノ粒子について、実施例1と同様にして、マレイミド基が結合した色素結合ナノ粒子を得て、最終的にストレプトアビジンが結合した芳香族炭化水素系色素結合ポリアクリロニトリルナノ粒子を得た。
[実施例4]芳香族炭化水素系色素結合ポリメタクリル酸ナノ粒子
N,N'-Bis(2,6-diisopropylphenyl)-1,6,7,12-tetraphenoxyperylene-3,4:9,10-tetracarboxdiimideを、既報のAngew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 1528に従ってアミノエチルベンゼンで修飾し、ペリレンジイミドアンモニウム誘導体を作製した。
上記ペリレンジイミドアンモニウム誘導体が結合されたポリメタクリル酸ナノ粒子を、実施例3と同様にソープフリー乳化重合法により作製した。すなわち、実施例3で用いたペリレンジイミドスルホン酸誘導体に変えて、ペリレンジイミドアンモニウム誘導体を使用し、4−アミノスチレンに変えてメタクリル酸を使用し、アクリロニトリルに変えてメタクリル酸メチルを使用した。
上記のようにして得られた色素結合ナノ粒子について、実施例1と同様にして、マレイミド基が付いた色素内包ナノを得て、最終的にストレプトアジピンが結合した芳香族炭化水素系色素結合ポリメタクリル酸ナノ粒子を得た。
[実施例5]ローダミン色素結合ポリメタクリル酸メチルナノ粒子
蛍光色素としてスルホローダミンBが結合されたポリアクリロニトリルナノ粒子を、実施例1と同様にソープフリー乳化重合法により作製した。すなわち、実施例1で用いたSulforhodamine 101に変えて、スルホローダミンB ナトリウム塩(シグマアルドリッチ製)を使用し、4−アミノスチレンに変えて、メタクリル酸 2−(ジメチルアミノ)エチルエステル(東京化成工業)を使用した。
上記のようにして得られた色素結合ナノ粒子について、実施例1と同様にして、マレイミド基が結合した色素結合ナノ粒子を得て、最終的にストレプトアビジンが結合したローダミン色素結合ポリメタクリル酸メチルナノ粒子を得た。
[比較例]蛍光色素含有ポリスチレンナノ粒子
FluoSpheres(登録商標) Amine-Modified Microspheres, 0.2 μm, Red Fluorescent (580/605), 2% solids(インビトロジェン社製、型番F-8763)を用いて、実施例1と同様にして、マレイミド基が結合した色素結合ナノ粒子を得て、最終的にストレプトアビジンが結合した蛍光色素含有ポリスチレンナノ粒子を得た。なお、上記のFluoSpheres(登録商標) Amine-Modified Microspheres, 0.2 μm, Red Fluorescent (580/605), 2% solids(インビトロジェン社製、型番F-8763)は、ローダミン系色素を含有していると推測される。
[架橋度の測定]
サンプル約0.1 g(w1)をあらかじめ質量を測定した400メッシュのステンレス金網(w2)で包み,キシレン100 ml 中で120 ℃ 24 時間抽出する。その後ステンレス金網を取り出し,80 ℃ 16 時間真空乾燥して質量(w3)を測定し,以下の計算式で架橋度を算出した。
架橋度(%)=[(w3 −w2)/w1]×100
[免疫組織染色]
実施例1〜5で調製した蛍光色素結合ナノ粒子を用いて、ヒト乳房組織の免疫染色を行なった。染色切片はコスモ・バイオ社製の組織アレイスライド(CB−A712)を用いた。組織アレイスライドを脱パラフィン処理後、水に置換洗浄し、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中で15分間オートクレーブ処理することで、抗原の賦活化処理を行った。抗原の賦活化処理後の組織アレイスライドをPBS緩衝液を用いて洗浄後、1%BSA含有PBS緩衝液を用いて湿潤箱中で1時間ブロッキング処理を行った。ブロッキング処理後、1%BSA含有PBS緩衝液で0.05nMに希釈した抗HER2ウサギモノクローナル抗体(4B5)(ベンタナ社製)を組織切片と2時間反応させた。PBSで洗浄後、1%BSA含有PBS緩衝液で希釈したビオチン標識抗ウサギ抗体と30分反応させた。さらに、実施例1〜5で調製した蛍光色素結合ナノ粒子と2時間反応させ、その後洗浄を行うことにより、免疫組織化学染色切片が得られた。得られた免疫組織化学染色切片を4%中性パラホルムアルデヒド水系バッファ溶液中に10分間浸漬することにより、固定処理を行った。
蛍光観察の写真を図1に示す。比較例と比較して、シャープな輝点が得られた。
[形態染色]
上記のようにして固定処理した免疫組織化学染色切片に対してヘマトキシリン染色を行い、染色後の切片をエタノールに浸漬することにより脱水し、脱水切片をさらにキシレンに浸漬し風乾させることにより透徹を行ったところ、二重染色切片が得られた。ヘマトキシリン染色は、後述の評価において影響は無かった。また、形態染色を行わない場合はエタノール浸漬とキシレン浸漬による透徹のみ行うことができ、形態染色を行う場合にさらにエオシン染色を追加することもできた。
[1細胞あたりの輝点数]
蛍光観察の写真を画像ソフトImageJで解析し、写真上の輝点をカウントした。一方、形態染色で得られた写真から、目視で細胞の数をカウントした。輝点のカウント数を細胞のカウント数で除して、1細胞あたりの輝点数を算出した。
[評価]
実施例1〜5で調製した蛍光色素結合ナノ粒子及び比較例で調製した蛍光色素含有ポリスチレンナノ粒子を用いて、上記の免疫組織染色を実施した結果を評価すると次の通りであった。
図1−1に示す通り、実施例1は比較例に比べて輝点が鮮明になった。すなわち実施例1は、輝点と輝点を見分けることができ、リング状に局在している様子が観察できており、比較例は輝点がにじんで他の輝点とを見分けることができなくなっている。乳がんとの関連性が知られているHER2たんぱく質は、細胞膜に発現する。実施例1の輝点のリング状局在は、細胞の端にHER2たんぱく質が存在していることを意味しており、診断上の有用な情報となる。一方、比較例(図1−2)は輝点がにじんでいるので、こうした判断ができなかった。課題であった「免疫染色により組織切片中の検出対象物質上で一旦固定化した蛍光色素がキシレンによってにじみ出てしまい、輝点の位置及び強度にバラツキを生じて判定精度が悪化する」という点が、明確に改善できたと考察する。
実施例2〜5は、実施例1と同様の輝点が観察された。

Claims (13)

  1. 樹脂からなる樹脂粒子に蛍光色素が共有結合以外で結合された蛍光色素標識用樹脂粒子であって、
    (1)前記樹脂がスチレン、メタクリル酸アルキル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの単官能モノマーから形成される構成単位を含み、かつその構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が電荷を持つ置換基に置き換えられていること、又は、前記樹脂が単官能モノマーとしてのメタクリル酸から形成される構成単位を含んでいること、
    (2)前記樹脂の架橋度が50%以上であること、及び
    (3)前記蛍光色素が前記樹脂の有する電荷を持つ置換基の電荷とは反対の電荷を持つ置換基を有すること
    を特徴とする蛍光色素標識用樹脂粒子。
  2. 前記樹脂が、メタクリル酸グリシジルの単官能モノマーから形成される構成単位を更に有する請求項1に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  3. 前記樹脂が正電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素が負電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が分子量400当たり1以上である請求項1又は2に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  4. 前記樹脂が正電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素が負電荷を持つ置換基を有しており、前記蛍光色素1分子中の前記負電荷を持つ置換基の数が2以上である請求項1又は2に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  5. 前記樹脂の電荷を持つ置換基がアミノ基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  6. 前記蛍光色素の電荷を持つ置換基がスルホ基を含む請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  7. 前記蛍光色素が、ボディーピー(BODIPY)系色素、ローダミン系色素、スクアリリウム系色素又は芳香族炭化水素系色素である請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  8. 前記樹脂がポリスチレンを主鎖とするものであり、前記蛍光色素がローダミン系色素である請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  9. 前記樹脂がポリスチレンを主鎖とするものであり、前記蛍光色素が芳香族炭化水素系色素である請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  10. アビジン、ストレプトアビジン又はビオチンが更に結合された請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子。
  11. (1)単官能モノマーとしてメタクリル酸グリシジル及び4−アミノスチレン並びに多官能ポリマーとしてジビニルベンゼンを用いて重合させて樹脂を得る工程であって、メタクリル酸グリシジルの重量(A)と4−アミノスチレンの重量(B)及びジビニルベンゼンの重量(C)が、
    (i)AとBとCの合計に対してBとCの合計が、33〜67%、かつ
    (ii)BとCの合計に対してCが、20%〜80%
    である工程、及び
    (2)前記(1)の工程で得られる樹脂が有するアミノ基と蛍光色素が有する負電荷を持つ置換基とを共有結合以外で結合させる工程
    を含む請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光色素標識用樹脂粒子の製造方法。
  12. 前記(1)及び(2)の工程に、更に
    (3)前記(2)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のメタクリル酸グリシジル由来のエポキシ基をアミノ基へ変換する工程、
    (4)前記(3)の工程で得られる蛍光色素標識用樹脂粒子のアミノ基にポリエチレングリコールリンカーを結合する工程、及び
    (5)前記(4)の工程で結合したポリエチレングリコールリンカーにアビジン、ストレプトアビジン又はビオチンを結合する工程
    を含む請求項10に記載の色素標識用樹脂粒子の製造方法。
  13. 検出対象物質認識用抗体及び請求項10に記載の蛍光色素標識用樹脂粒子を含む組織免疫染色用キット。
JP2013047258A 2013-03-08 2013-03-08 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット Expired - Fee Related JP6107244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013047258A JP6107244B2 (ja) 2013-03-08 2013-03-08 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013047258A JP6107244B2 (ja) 2013-03-08 2013-03-08 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014174018A true JP2014174018A (ja) 2014-09-22
JP6107244B2 JP6107244B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=51695361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013047258A Expired - Fee Related JP6107244B2 (ja) 2013-03-08 2013-03-08 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6107244B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172569A (ja) * 2014-02-20 2015-10-01 国立大学法人秋田大学 細胞内生体分子の検出に用いる標準試料及び細胞内生体分子の検出方法
WO2016129444A1 (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 コニカミノルタ株式会社 抗体結合蛍光体集積ナノ粒子、抗体結合蛍光体集積ナノ粒子の製造方法および免疫染色キット
JPWO2017056844A1 (ja) * 2015-09-28 2018-07-12 コニカミノルタ株式会社 前立腺癌の病理組織診断結果(グリーソンスコア)の推定方法
WO2018155694A1 (ja) * 2017-02-27 2018-08-30 富士フイルム株式会社 病理診断用染色剤、細胞核染色方法、病理標本の製造方法、及び色素
WO2022234721A1 (ja) * 2021-05-07 2022-11-10 コニカミノルタ株式会社 蛍光色素含有ナノ粒子及びその製造方法
JP7479051B2 (ja) 2019-09-27 2024-05-08 国立大学法人広島大学 プラスチック粒子の検出方法およびプラスチック粒子の検出キット

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113454462A (zh) 2019-02-20 2021-09-28 株式会社合伙企业 固相反应芯片和使用该固相反应芯片的测定方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03251765A (ja) * 1990-02-28 1991-11-11 Konica Corp 生物学的分析試薬組成物及び多層分析素子
JP2001228148A (ja) * 1999-12-06 2001-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 生体関連物質マイクロアレイ及びそれを用いた検出方法
JP2001520323A (ja) * 1997-10-14 2001-10-30 ルミネックス コーポレイション 精密蛍光染色された粒子及びその製造及び使用方法
JP2006056885A (ja) * 1999-11-03 2006-03-02 Applera Corp 水溶性ローダミン色素およびその結合体
WO2009119796A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 財団法人北九州産業学術推進機構 複合薄膜及びそれを備えた雰囲気センサ並びに光導波路センサ
US20100112716A1 (en) * 2004-03-23 2010-05-06 University Of New Orleans Research And Technology Foundation, Inc. Synthesis of nanoassemblies containing luminescent quantum dots and magnetic nanoparticles
JP2010229219A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Sekisui Plastics Co Ltd ビニル系重合体粒子の製造方法及びビニル系重合体粒子
JP2011052070A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kao Corp 水系顔料分散体の製造方法
WO2012029342A1 (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 組織染色方法、組織評価方法および生体物質検出方法
WO2012029752A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 生体物質検出方法
WO2014136885A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 コニカミノルタ株式会社 組織染色用染色剤、組織染色用染色剤の製造方法および組織染色用染色剤を含む組織染色用キット

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03251765A (ja) * 1990-02-28 1991-11-11 Konica Corp 生物学的分析試薬組成物及び多層分析素子
JP2001520323A (ja) * 1997-10-14 2001-10-30 ルミネックス コーポレイション 精密蛍光染色された粒子及びその製造及び使用方法
JP2006056885A (ja) * 1999-11-03 2006-03-02 Applera Corp 水溶性ローダミン色素およびその結合体
JP2001228148A (ja) * 1999-12-06 2001-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 生体関連物質マイクロアレイ及びそれを用いた検出方法
US20100112716A1 (en) * 2004-03-23 2010-05-06 University Of New Orleans Research And Technology Foundation, Inc. Synthesis of nanoassemblies containing luminescent quantum dots and magnetic nanoparticles
WO2009119796A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 財団法人北九州産業学術推進機構 複合薄膜及びそれを備えた雰囲気センサ並びに光導波路センサ
JP2010229219A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Sekisui Plastics Co Ltd ビニル系重合体粒子の製造方法及びビニル系重合体粒子
JP2011052070A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kao Corp 水系顔料分散体の製造方法
WO2012029342A1 (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 組織染色方法、組織評価方法および生体物質検出方法
WO2012029752A1 (ja) * 2010-08-31 2012-03-08 コニカミノルタエムジー株式会社 生体物質検出方法
WO2014136885A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 コニカミノルタ株式会社 組織染色用染色剤、組織染色用染色剤の製造方法および組織染色用染色剤を含む組織染色用キット

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172569A (ja) * 2014-02-20 2015-10-01 国立大学法人秋田大学 細胞内生体分子の検出に用いる標準試料及び細胞内生体分子の検出方法
WO2016129444A1 (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 コニカミノルタ株式会社 抗体結合蛍光体集積ナノ粒子、抗体結合蛍光体集積ナノ粒子の製造方法および免疫染色キット
JPWO2016129444A1 (ja) * 2015-02-12 2017-11-24 コニカミノルタ株式会社 抗体結合蛍光体集積ナノ粒子、抗体結合蛍光体集積ナノ粒子の製造方法および免疫染色キット
JPWO2017056844A1 (ja) * 2015-09-28 2018-07-12 コニカミノルタ株式会社 前立腺癌の病理組織診断結果(グリーソンスコア)の推定方法
US11105807B2 (en) 2015-09-28 2021-08-31 Konica Minolta, Inc. Method for estimating pathological tissue diagnosis result (Gleason score) of prostate cancer
WO2018155694A1 (ja) * 2017-02-27 2018-08-30 富士フイルム株式会社 病理診断用染色剤、細胞核染色方法、病理標本の製造方法、及び色素
JP7479051B2 (ja) 2019-09-27 2024-05-08 国立大学法人広島大学 プラスチック粒子の検出方法およびプラスチック粒子の検出キット
WO2022234721A1 (ja) * 2021-05-07 2022-11-10 コニカミノルタ株式会社 蛍光色素含有ナノ粒子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6107244B2 (ja) 2017-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6107244B2 (ja) 蛍光色素標識用樹脂粒子及びその製造方法並びに該粒子を含む組織免疫染色用キット
JP7147724B2 (ja) 組織染色用染色剤、組織染色用染色剤の製造方法および組織染色用染色剤を含む組織染色用キット
JP6112169B2 (ja) 生体物質検出用の蛍光標識体
JP5974892B2 (ja) 生体物質検出方法
US11054417B2 (en) Fluorescent nanoparticles for biomolecular staining and manufacturing method for same
JP6265119B2 (ja) 生体物質検出方法
JP6241239B2 (ja) 蛍光色素内包ナノ粒子、蛍光色素内包ナノ粒子の製造方法、蛍光標識剤、及び蛍光免疫染色方法
JP6424826B2 (ja) 組織切片における生体物質の定量法
JP6237194B2 (ja) 染色方法
JP6583011B2 (ja) 酸性水溶液を用いた免疫染色スライドの洗浄方法
JP6524833B2 (ja) 蛍光体集積ナノ粒子を用いたfishまたは免疫染色スライドの封入方法
JP6303313B2 (ja) 水分散液、病理染色液および自動染色装置用の試薬ボトル
JP6406253B2 (ja) 病理染色液
US20190033181A1 (en) Staining agent for staining tissue, production method for staining agent for staining tissue and tissue staining kit including staining agent for staining tissue
WO2017164355A1 (ja) 病理染色用粒子の製造方法、病理染色用粒子および洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6107244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees