JP2014173755A - 極低温冷却装置及び液面調整機構 - Google Patents

極低温冷却装置及び液面調整機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2014173755A
JP2014173755A JP2013044532A JP2013044532A JP2014173755A JP 2014173755 A JP2014173755 A JP 2014173755A JP 2013044532 A JP2013044532 A JP 2013044532A JP 2013044532 A JP2013044532 A JP 2013044532A JP 2014173755 A JP2014173755 A JP 2014173755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
cryogen
conducting member
heat conducting
side end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013044532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5913157B2 (ja
Inventor
Hisayoshi Ikushima
悠喜 幾島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2013044532A priority Critical patent/JP5913157B2/ja
Priority to CN201410077094.2A priority patent/CN104034076B/zh
Publication of JP2014173755A publication Critical patent/JP2014173755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5913157B2 publication Critical patent/JP5913157B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】簡単な構成で寒剤の蒸発量と液化量のバランスを図ることができる極低温冷却装置を提供する。
【解決手段】被冷却物60を冷却する液体窒素50(寒剤)と、液体窒素50が収納された冷却タンク20と、この冷却タンク20に配設され窒素ガスを冷却する冷凍機30と、冷却タンク20に配設されており高温側端部42が冷却タンク20の外部に延出すると共に低温側端部44が冷却タンク20の内部に延出した構成とされており冷却タンク20の外部の熱を冷却タンク20の内部に導く導熱部材40Aとを設ける。また、低温側端部44を、液体窒素50の蒸発量と窒素ガスの液化量とがバランスした通常状態において、液体窒素50の液面52より高く冷凍機30の冷却ステージ32よりも低い位置に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンク内に充填された寒剤を冷却する極低温冷却装置に関する。
一般に、被冷却物を冷却する装置として、タンクに収納された寒剤(例えば、液体窒素)内に被冷却物を浸漬することにより被冷却物を冷却する極低温冷却装置が知られている。タンク内の寒剤は、被冷却物から熱を受けることにより蒸発する。このためタンクには冷凍機が設けられており、蒸発した寒剤を冷凍機で冷却することにより再凝縮させるよう構成されている。また、液化した寒剤を加熱するヒータと、寒剤の液面検知を行うセンサーと、ヒータ制御装置とを設けた極低温冷却装置が提案されている。
特開昭63−006354号公報
しかしながら、液化した寒冷内にヒータ及び液面センサーを設ける構成では、極低温冷却装置の構成が複雑化すると共に、その制御が面倒であるという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で寒剤の蒸発量と液化量のバランスを図ることができる極低温冷却装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、
被冷却物を冷却する寒剤と、
該寒剤が収納されたタンクと、
該タンクに配設され前記寒剤を冷却する冷凍機と、
一端部は前記タンクの外部に位置すると共に他端部は前記タンクの内部に位置し、前記タンクの外部の熱を前記タンクの内部に導く導熱部材と、
を有することを特徴とする極低温冷却装置である。
開示の極低温冷却装置は、導熱部材によりタンク外部の熱をタンク内部に導き寒剤を加熱するため、簡単な構成で寒剤の蒸発量と液化量のバランスを図ることができる。
図1は本発明のある実施形態である極低温冷凍機の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図2は本発明の他の実施形態である極低温冷凍機の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図3は本発明の更に他の実施形態である極低温冷凍機の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図4は本発明の更に他の実施形態である極低温冷凍機の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図5は、液面高さとタンク内圧及び飽和蒸気温度との関係を示す図である。 図6は、冷凍機のステージに寒剤が氷結する過程を説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明のある実施形態である極低温冷却装置10Aを示す概略構成図である。極低温冷却装置10Aは、冷却タンク20、冷凍機30、導熱部材40A、及び寒剤50等を有している。
冷却タンク20は、気密な金属製の容器である。この冷却タンク20は被冷却物60を冷却処理するものであり、その内部に寒剤50が収納されている。本実施形態では、寒剤50として液体窒素を用いている(以下、寒剤を液体窒素50という)。
冷却タンク20は液体窒素50で満たされているのではなく、被冷却物60を浸漬するのに足る量の液体窒素50が収納されている。このため冷却タンク20の内部は、タンク下部に液体窒素50が溜まった液相部分と、液体窒素50が蒸発してガス化した窒素ガスが溜まったガス相部分とが存在する。冷却タンク20内の液体窒素50上部には空間部22が形成されるが、この空間部22がガス相部分となる。
なお、本実施形態では寒剤として液体窒素50を用いているが、寒剤の種類はこれに限定されるものではなく、被冷却物60の冷却温度に対応して適宜選定することが可能である。液体窒素よりもより低温に冷却を行いたい場合には、寒剤としてヘリウム等を用いることも可能である。
また本実施形態では設けていないが、冷却タンク20を真空容器(真空デュワ)内に収納する構成としてもよい。この構成とすることにより、輻射熱が冷却タンク20に侵入することを防止でき,被冷却物60の冷却効率を高めることができる。
冷凍機30は、冷却タンク20に配設されている。冷凍機30は、冷却タンク20内で蒸発した窒素ガスを冷却することにより再凝縮して再び液体窒素50とするものである。この冷凍機30は窒素ガスを再凝縮する温度(約60K程度)まで冷却できれば、特にその種類を特定されるものではない。
よって冷凍機30として、ギホード・マクマホン型冷凍機(GM冷凍機)、ジュールトムソン冷凍機、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機等の種々の冷凍機を適用することができる。なお本実施形態では、冷凍機30としてGM冷凍機を用いた例を示している。
冷凍機30は、シリンダがタンク上部から液体窒素50の液面52に向けて延出するよう冷却タンク20に取り付けられる。シリンダの先端部には、冷凍機30で発生する寒冷により冷却される冷却ステージ32が設けられている。
冷却タンク20の空間部22内に存在する蒸発した窒素ガスは、冷却ステージ32に触れることにより冷却される。そして、凝固点以下まで冷却されることにより再凝縮された液体窒素50は、冷却タンク20の下部に溜まっている液体窒素50に向け落下する。
次に、導熱部材40Aについて説明する。
導熱部材40Aはロッド状の部材であり、熱伝導性が高い銅或いはアルミニウム等により形成されている。この導熱部材40Aは、冷却タンク20の上部に溶接等を用いて配設(固定)されている。また導熱部材40Aは、その上端部(図中矢印Z1方向端部)が高温側端部42(一端部とも呼ぶことがある)とされ、下端部(図中矢印Z2方向端部)が低温側端部44(他端部とも呼ぶことがある)とされている。
配設状態において、高温側端部42は冷却タンク20から外側(Z1方向側)に向け延出している。また低温側端部44は、冷却タンク20の内部に延出している。
高温側端部42の直径は、導熱部材40Aの冷却タンク20内における直径よりも大きく設定されている。よって高温側端部42の表面積は、導熱部材40Aの他の部位に比べて広くなっており、外部の熱を効率よく吸熱することができる。
導熱部材40Aは、この高温側端部42で吸熱されたタンク外部の熱を冷却タンク20の内部に導く機能を奏する。よって低温側端部44は、冷却タンク20の外部の熱により液体窒素50を蒸発しうる温度以上に昇温される。
また、低温側端部44の鉛直方向に対する高さ位置(Z1,Z2方向に対する高さ位置)は、後述する通常状態における液体窒素50の液面52の高さ位置(以下、この高さ位置を通常状態高さNLという)よりも高い位置で、かつ冷凍機30の冷却ステージ32の下端部よりも低い位置となるよう設定されている。
ここで図6を用いて、液体窒素50に発生する液面52の高さ変動について説明する。
図6は、導熱部材40Aを設けていない極低温冷却装置100Aを示している。なお図6において、被冷却物60の図示は省略している。
冷却タンク20内の液体窒素50は、被冷却物60との間で熱交換が行われることにより昇温し、蒸発して窒素ガスとなる。この窒素ガスは、冷凍機30の冷却ステージ32において冷却されることにより再凝縮し、液化して冷却タンク20の底部に溜まった液体窒素50に戻る。
図6(A)は、この液体窒素50の蒸発量と、気化した窒素ガスの冷却による液化量がバランスした状態を示している(本明細書では、この蒸発量と液化量がバランスした状態を通常状態という)。
いま、仮に通常状態に対し、冷凍機30の冷凍能力が被冷却物60の熱量に対して相対的に大きくなった場合を想定する。この現象は、被冷却物60の発熱量が、想定していた値よりも低下した場合に発生する。
このように冷凍機30の冷凍能力が被冷却物60の熱量に対して大きくなると、冷凍機30により多量の窒素ガスが液化されることになる。よって、図6(B)に示すように、液体窒素50の液面52は上昇する。
図5は、冷却タンク20内における液体窒素50の液面高さとタンク内圧との関係、及び液面高さと飽和蒸気温度との関係を示す図である。図中、横軸は液体窒素50の液面高さを示し、左縦軸はタンク内圧を示し、右縦軸は飽和蒸気温度を示している。
同図に示されるように、液体窒素50の液面52が上昇すると、冷却タンク20内のタンク内圧が低下し、これに伴い冷却タンク20内の飽和蒸気温度が低下する。飽和蒸気温度が低下することにより、冷凍機30の冷凍能力も低下し、窒素ガスの液化量は低減する。しかしながら、被冷却物60の発熱量よりも冷凍機30の冷凍能力が高い状態が維持されたとすると、液面52の上昇は維持される。
飽和蒸気温度が63K(凝固点)程度まで低下すると、液体窒素50が氷結する現象が発生する。この氷結現象は、窒素ガスが冷却ステージ32で冷却され液化した後、これが凝固することにより発生する。
また、冷却タンク20内に溜められた液体窒素50の液面上昇に伴い、液体窒素50が直接冷却ステージ32に接触することによっても窒素の氷結が発生する。図6(C)は、冷却ステージ32に窒素が氷結した状態を示している。なお、図6において氷結窒素を符号56で示している。
冷却ステージ32を覆うように窒素が氷結した場合、氷結窒素56が一種の保温効果を奏し、冷却ステージ32による窒素ガスの液化が阻害される。このように冷却ステージ32に氷結窒素56が発生すると、実質的に冷凍機30の冷凍能力が低下するため、被冷却物60の発熱量が冷凍機30の実質的な冷凍能力を上回る。よって液体窒素50は蒸発し、図6(D)に示されるように液体窒素50の液面52は低下する。
このように液体窒素50の液面52が低下しても、上記のように冷却ステージ32の周囲に氷結窒素56が付着した状態が維持されるため、冷却タンク20内の窒素ガスが冷凍機30により液化される液化量は少ない状態が維持される(この状態を図6(E)に示す)。この状態が長く維持された場合、液面52は通常状態高さNLよりも低下することも考えられ、被冷却物60の冷却を良好に行えないおそれがある。
これを回避するには、
(1)冷却タンク20内の液体窒素50の液面52が通常状態高さNLより高くなり、かつ液面52が冷却ステージ32に接触する直前の高さ位置(図6(C)に示す位置よりも低い位置において、
又は、
(2)冷却タンク20内の液体窒素50の液面52が通常状態高さNLより高くなり、かつ飽和蒸気温度が液体窒素50の氷結が開始される温度に対応する液体窒素50の液面高さ(図5に矢印Hで示す)よりも低い位置において、
冷却タンク20内の液体窒素50を蒸発させること、換言すると加熱することが有効である。
ここで、再び図1に戻り説明を続ける。本実施形態では、導熱部材40Aの低温側端部44の高さが、通常状態高さNLと氷結前高さFLとの間に位置するよう設定した。具体的には、本実施形態では低温側端部44が、氷結前高さFLよりも若干低い位置に位置するよう設定した。
図1(B)は、本実施形態の極低温冷却装置10Aにおいて、液体窒素50の蒸発量と窒素ガスの液化量とのバランスが崩れ、液体窒素50の液面52が上昇した状態を示している。導熱部材40Aの低温側端部44は、氷結前高さFLよりも若干低い位置に位置するように設けられているため、液面52が冷却ステージ32に接触する前に、導熱部材40Aの低温側端部44と接触する。
前記のように導熱部材40Aは熱伝導性が良好な材料により形成されており、低温側端部44と反対側の端部である高温側端部42は、冷却タンク20の外部に延出した構成とされている。よって、冷却タンク20の外部の熱は、高温側端部42を介して導熱部材40Aに熱伝導し、やがて低温側端部44に導かれる。
従って、液面52の上昇に伴い液体窒素50が低温側端部44に接触すると、高温側端部42から熱伝導された熱により液体窒素50の単位時間当たりの蒸発量は増加する。そして、この蒸発量の増加に伴い液体窒素50の液面52は低下する。
このように極低温冷却装置10Aでは、液面52の高さが氷結前高さFL(冷却ステージ32に氷結窒素56が発生する高さ)に達する前において、液体窒素50は導熱部材40Aに自動的に接触して蒸発する。
よって、本実施形態に係る極低温冷却装置10Aによれば、液体窒素50の液面52が氷結前高さFLを超えることが抑制される。また、冷却ステージ32に窒素の氷結が発生することにより、液面52が通常状態高さNL以下に低下することも抑制される。
これにより、被冷却物60を安定して冷却することが可能となる。また、導熱部材40Aはロッド状の部材であり、その構成は極めて簡単である。よって、簡単な構成で液体窒素50の蒸発量と液化量のバランスを図ることが可能となる。
なお、上記した実施形態では導熱部材40Aの低温側端部44の高さを、通常状態高さNLと氷結前高さFLとの間に設定した例を示した。しかしながら、低温側端部44の高さはこれに限定されるものではなく、通常状態高さNLよりも高く、かつ飽和蒸気温度が液体窒素50の氷結が開始される温度に対応する液体窒素50の液面高さ(図5に矢印Hで示す)よりも低く設定する構成としてもよい。この構成とすることによっても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図2乃至図4を用いて他の実施形態について説明する。
なお、図2乃至図4において、図1に示した実施形態に係る極低温冷却装置10Aと対応する構成については同一符号を付し、その説明を省略する。また、各図において(A)は液体窒素50の液面52が通常状態高さNLとなっている状態を示し、(B)は液体窒素50が低温側端部44に接触した状態を示している。
図2に示す極低温冷却装置10Bは、導熱部材40Aに断熱部材70を被覆している。この断熱部材70としては、熱伝導率の小さい材料を用いている。具体的には、本実施形態では断熱部材70としてFRP(繊維強化プラスチック)を用いている。しかしながら、断熱部材70はこれに限定されるものではなく、非熱伝導性を有し低温に耐え得る材料であれば、他の材料を用いることも可能である。
この断熱部材70は、導熱部材40Aの冷却タンク20の内部に位置する部分に配設されている。しかしながら、導熱部材40Aの温側端部44については断熱部材70は設けられていない。
具体的には、断熱部材70の液面上昇を停止させたい高さ位置、例えば低温側端部44の近傍には開口部70aが設けられており、この開口部70aを介して低温側端部44は露出した構成となっている。よって、上記のように蒸発量と液化量のバランスが崩れ液体窒素50の液面52が上昇した場合、低温側端部44は開口部70aを介して液体窒素50と接触する。
本実施形態のように液面上昇を停止させたい高さ位置を除き導熱部材40Aを断熱部材70で被覆することにより、液体窒素50が低温側端部44に接した際の窒素ガスの発生効率を高めることができる。以下、この理由に対説明する。
液体窒素50が蒸発することにより生成された窒素ガスは、空間部22内において自然対流を行う。この自然対流する窒素ガスは、導熱部材40Aの冷却タンク20内に延出した部分に接触する。
導熱部材40Aは、タンク外部の熱が高温側端部42から低温側端部44に向け伝導している。この導熱部材40Aの温度は窒素ガスの温度よりも低いため、自然対流する窒素ガスが導熱部材40Aに触れることにより導熱部材40Aの温度が低下し、これに伴い低温側端部44の温度も低下する。このため、液体窒素50が低温側端部44に接触した場合、低温側端部44で発生する窒素ガス量が低減するおそれがある。
しかしながら、本実施形態のように導熱部材40Aを断熱部材70で被覆することにより、自然対流する窒素ガスによる導熱部材40Aの温度低下が防止され、よって液体窒素50が低温側端部44に接した際の窒素ガスの発生効率を高めることができる。
次に、図3に示す他の実施形態について説明する。
図3に示す極低温冷却装置10Cは、導熱部材40Bに熱交換部48を設けたものである。この熱交換部48は、導熱部材40Bの高温側端部42に設けられている。
熱交換部48はフィン構造を有しており、銅或いはアルミニウム等の熱伝導性の良好な材料により形成されている。前記のように、高温側端部42の表面積は広く吸熱効率を高める構成とされているが、この高温側端部42に熱交換部48を設けることにより、熱交換部48を含む高温側端部42における外部の熱の吸熱効率を更に高めることができる。
これにより、低温側端部44が液体窒素50に接触した際、液体窒素50の蒸発を円滑に行うことができる。
なお図示されるように、熱交換部48に向けて外気を送るファン80を更に設けた構成としてもよい。この構成により、冷却タンク20の外部の熱と熱交換部48との熱交換を更に効率よく行うことが可能になる。
また、熱交換部48に図示しないヒータを設ける構成とすることも可能である。この構成では、熱交換部48を強制的に加熱するため、低温側端部44の昇温をより確実に行うことができる。
次に、図4に示す他の実施形態について説明する。
図3に示す極低温冷却装置10Dは、冷却タンク20に対して導熱部材40Aの高さ調整を行うことを可能にした高さ調整機構90を設けた構成としている。
前記のように、被冷却物60に対して良好な冷却を行うためには、低温側端部44の高さを通常状態高さNLと氷結前高さFLとの間に設定する必要がある。この際、被冷却物60の発熱量、冷凍機30の冷凍能力の変動量、冷却タンク20内への液体窒素50の収納量等により、低温側端部44の高さを調整する必要が生じる場合がある。
高さ調整機構90は、この高さ調整を可能にしたものである。この高さ調整機構90は、導熱部材40Aと冷却タンク20間における気密状態を維持するシール機構と、導熱部材40Aを冷却タンク20に対して鉛直上下方向(矢印Z1,Z2方向)に移動調整する移動調整機構とを有している。
このように低温側端部44の高さ調整を可能とする高さ調整機構90を設けることにより、被冷却物60の発熱量等に応じ、液体窒素50を蒸発させるのに最適なタイミングで液体窒素50の液面52を低温側端部44に接触させることができる。
なお、高さ調整機構90はシール機構及び移動調整機構を設けたものに限定されるものではない。例えば、導熱部材40Aと冷却タンク20との間に蛇腹を設け、この蛇腹により導熱部材40Aと冷却タンク20との間を気密にシールすると共に、冷却タンク20に対して導熱部材40Aを移動調整する構成としてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
例えば、上記した各実施形態では導熱部材40A,40Bを銅又はアルミニウム等の金属材からなるロッドにより構成したが、導熱部材をヒータにより構成することも可能である。この際、ヒータの低温側端部(液体窒素50の液面52と対向する側の端部)の高さを通常状態高さNLと氷結前高さFLとの間に設定することにより、上記した各実施形態と同様の効果を実現することができる。
10A〜10D 極低温冷却装置
20 冷却タンク
22 空間部
30 冷凍機
32 冷却ステージ
40A,40B 導熱部材
42 高温側端部
44 低温側端部
48 熱交換部
50 寒剤
52 液面
60 被冷却物
70 断熱部材
80 ファン
90 高さ調整機構
本発明は、タンク内に充填された寒剤を冷却する極低温冷却装置及び液面調整機構に関する。
一般に、被冷却物を冷却する装置として、冷却タンクに収納された寒剤(例えば、液体窒素)内に被冷却物を浸漬することにより被冷却物を冷却する極低温冷却装置が知られている。冷却タンク内の寒剤は、被冷却物から熱を受けることにより蒸発する。このため冷却タンクには冷凍機が設けられており、蒸発した寒剤を冷凍機で冷却することにより再凝縮させるよう構成されている。また、液化した寒剤を加熱するヒータと、寒剤の液面検知を行うセンサーと、ヒータ制御装置とを設けた極低温冷却装置が提案されている。
しかしながら、液化した寒剤内にヒータ及び液面センサーを設ける構成では、極低温冷却装置の構成が複雑化すると共に、その制御が面倒であるという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で寒剤の蒸発量と液化量のバランスを図ることができる極低温冷却装置及び液面調整機構を提供することを目的とする。
図1は本発明のある実施形態である極低温冷却装置の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図2は本発明の他の実施形態である極低温冷却装置の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図3は本発明の更に他の実施形態である極低温冷却装置の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図4は本発明の更に他の実施形態である極低温冷却装置の概略構成図であり、(A)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部から離間した状態を示す図であり、(B)は寒剤の液面が導熱部材の低温側端部に接した状態を示す図である。 図5は、液面高さとタンク内圧及び飽和蒸気温度との関係を示す図である。 図6は、極低温冷却装置冷却ステージに寒剤が氷結する過程を説明するための図である。
これを回避するには、
(1)冷却タンク20内の液体窒素50の液面52が通常状態高さNLより高くなり、かつ液面52が冷却ステージ32に接触する直前の高さ位置(図6(C)に示す位置よりも低い位置において、
又は、
(2)冷却タンク20内の液体窒素50の液面52が通常状態高さNLより高くなり、かつ飽和蒸気温度が液体窒素50の氷結が開始される温度に対応する液体窒素50の液面高さ(図5に矢印Hで示す)よりも低い位置において、
冷却タンク20内の液体窒素50を蒸発させること、換言すると加熱することが有効である。
この断熱部材70は、導熱部材40Aの冷却タンク20の内部に位置する部分に配設されている。しかしながら、導熱部材40Aの低温側端部44については断熱部材70は設けられていない。
本実施形態のように液面上昇を停止させたい高さ位置を除き導熱部材40Aを断熱部材70で被覆することにより、液体窒素50が低温側端部44に接した際の窒素ガスの発生効率を高めることができる。以下、この理由について対説明する。


Claims (8)

  1. 被冷却物を冷却する寒剤と、
    該寒剤が収納されたタンクと、
    該タンクに配設され前記寒剤を冷却する冷凍機と、
    前記タンクに配設されており、一端部が前記タンクの外部に延出すると共に他端部が前記タンクの内部で寒剤の液面に向けて延出し、前記タンクの外部の熱を前記タンクの内部に導く導熱部材と、
    を有することを特徴とする極低温冷却装置。
  2. 前記他端部は、
    前記寒剤の蒸発量と気化した前記寒剤の冷却による液化量とがバランスした通常状態における前記寒剤の液面と、前記冷凍機のステージとの間に位置することを特徴とする請求項1記載の極低温冷却装置。
  3. 前記導熱部材は、
    開口を有する断熱部材で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2記載の極低温冷却装置。
  4. 前記開口は、前記導熱部材の他端近傍に設けられることを特徴とする請求項3に記載の極低温冷却装置。
  5. 前記導熱部材と前記寒剤の液面との距離を調整する調整機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の極低温冷却装置。
  6. 前記導熱部材の前記タンクから外部に延出した位置に、熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の極低温冷却装置。
  7. 前記導熱部材は、銅又はアルミニウムにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の極低温冷却装置。
  8. 被冷却物を冷却する寒剤を収納するタンクに用いる液面調整機構であって、
    前記寒剤を冷却する冷凍機と、
    前記タンクに配設されており、一端部が前記タンクの外部に延出すると共に他端部が前記タンクの内部で寒剤の液面に向けて延出し、前記タンクの外部の熱を前記タンクの内部に導く導熱部材と、
    を有することを特徴とする液面調整機構。
JP2013044532A 2013-03-06 2013-03-06 極低温冷却装置及び液面調整機構 Active JP5913157B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044532A JP5913157B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 極低温冷却装置及び液面調整機構
CN201410077094.2A CN104034076B (zh) 2013-03-06 2014-03-04 超低温冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044532A JP5913157B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 極低温冷却装置及び液面調整機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014173755A true JP2014173755A (ja) 2014-09-22
JP5913157B2 JP5913157B2 (ja) 2016-04-27

Family

ID=51464960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013044532A Active JP5913157B2 (ja) 2013-03-06 2013-03-06 極低温冷却装置及び液面調整機構

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5913157B2 (ja)
CN (1) CN104034076B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016067719A1 (ja) * 2014-10-29 2016-05-06 株式会社日立製作所 空調制御方法及びシステム
CN113294953A (zh) * 2021-06-11 2021-08-24 四川大学华西医院 一种实验室低温取材柜

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111912132A (zh) * 2020-06-05 2020-11-10 中国空间技术研究院 焦耳-汤姆逊制冷器件及其制备方法
CN117739612A (zh) * 2023-07-12 2024-03-22 西湖大学 无液氦消耗循环制冷系统及液氦温区电子显微镜

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5914309U (ja) * 1982-07-19 1984-01-28 三菱電機株式会社 超電導マグネツト装置
JPH02171573A (ja) * 1988-11-02 1990-07-03 Leybold Ag 液体窒素(ln↓2)浴を備えたクライオスタツト
JP2008151387A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷媒再凝縮装置
JP2009243820A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Toshiba Corp 極低温冷却装置
JP2009267273A (ja) * 2008-04-29 2009-11-12 Mitsubishi Electric Corp 超電導電磁石

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2210540A1 (en) * 1996-07-19 1998-01-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Cooling method and energizing method of superconductor
JP3843186B2 (ja) * 1998-11-10 2006-11-08 住友重機械工業株式会社 極低温冷凍機のオーバーホール装置およびオーバーホ−ル方法
JP2003336923A (ja) * 2002-05-20 2003-11-28 Central Japan Railway Co 極低温冷凍装置
US7484372B2 (en) * 2006-03-06 2009-02-03 Linde, Inc. Multi-bath apparatus and method for cooling superconductors
JP4724063B2 (ja) * 2006-07-24 2011-07-13 株式会社東芝 低温装置
JP5212981B2 (ja) * 2008-08-21 2013-06-19 学校法人金沢工業大学 極低温冷却装置
JP2010101580A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Toshiba Corp 極低温冷媒再凝縮装置および超電導磁石装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5914309U (ja) * 1982-07-19 1984-01-28 三菱電機株式会社 超電導マグネツト装置
JPH02171573A (ja) * 1988-11-02 1990-07-03 Leybold Ag 液体窒素(ln↓2)浴を備えたクライオスタツト
JP2008151387A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷媒再凝縮装置
JP2009243820A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Toshiba Corp 極低温冷却装置
JP2009267273A (ja) * 2008-04-29 2009-11-12 Mitsubishi Electric Corp 超電導電磁石

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016067719A1 (ja) * 2014-10-29 2016-05-06 株式会社日立製作所 空調制御方法及びシステム
CN113294953A (zh) * 2021-06-11 2021-08-24 四川大学华西医院 一种实验室低温取材柜
CN113294953B (zh) * 2021-06-11 2022-10-28 四川大学华西医院 一种实验室低温取材柜

Also Published As

Publication number Publication date
CN104034076A (zh) 2014-09-10
JP5913157B2 (ja) 2016-04-27
CN104034076B (zh) 2016-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5913157B2 (ja) 極低温冷却装置及び液面調整機構
RU2009124423A (ru) Система хранения криогенной жидкости для космического аппарата
CN101221000A (zh) 用于在低温下输送冷却的设备的低温恒温器
US6804968B2 (en) Cryostat configuration with improved properties
JP5469782B1 (ja) 超電導マグネットの冷却方法および超電導マグネット
JP5770303B2 (ja) 冷却装置及び方法
JP5839734B2 (ja) 低温液化ガスの蒸発ガス再液化装置
WO2022247476A1 (zh) 冰衬冰箱及冰箱控制方法
US2044609A (en) Refrigeration
JP2008224062A (ja) 蓄冷式冷凍機、凝縮器および蓄冷式冷凍方法
JP6902102B2 (ja) 冷凍装置
US11988340B2 (en) Cryogenic cooling system with vent
JP2013245907A (ja) 冷却容器
JP2000283578A (ja) 液化ガス貯蔵装置、再液化装置、及び液化窒素の再液化方法
JP2005283023A (ja) スターリング冷却庫
KR20130119282A (ko) 히트파이프를 구비한 냉장고
JP6724250B2 (ja) 冷凍装置
CN107300289B (zh) 一种用于大口径封闭循环液氦浸泡杜瓦的插件
JP2023026980A (ja) 冷却器、熱スイッチ機構、冷却システム、及び、冷却方法
KR20030072459A (ko) 김치저장고 저장실의 온도보상 구조
JPS63289974A (ja) 低温保冷装置
KR101555303B1 (ko) 재응축장치, 그 재응축장치용 재응축핀의 온도조절방법, 그 재응축장치를 가지는 냉각장치, 그 냉각장치를 이용한 냉각방법
JP2016162893A (ja) 冷却装置
KR20230108924A (ko) 초저온 냉동기를 이용한 액화수소 저장장치
JPH02164401A (ja) 有機化合物用蒸発源

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5913157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150