JP2014173564A - 発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン及びこれによって駆動される発電体を有しかつ電磁クラッチ機構又は電磁ブレーキ機構をコンパクトな構成によって設けた発電機を提供する。
【解決手段】エンジン100と、エンジンのクランクシャフト130に固定されるロータ210、及び、エンジンのクランクケース110に固定されるステータ220,230が回転軸方向に間隔を隔てて対向して配置されるアキシャルギャップ型発電体200と、エンジンのクランクシャフトと被駆動機器が接続される出力カップリング320との間に設けられたクラッチ機構300とを備える発電機を、クラッチ機構は、対向して配置された一対の摩擦部材313,330を電磁石340を用いて圧着させる電磁クラッチであって、クラッチ機構の電磁石と、ステータに設けられた複数のコイルCとを、ステータの周方向に配列させて設けた構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジン及びこれによって駆動される発電体を有する発電機に関し、特には電磁クラッチ機構又は電磁ブレーキ機構をコンパクトな構成によって設けたものに関する。
例えば産業用の汎用エンジン等において、エンジン本体から突出したクランクシャフトの一方の端部に発電体を接続することが知られている。
例えば、特許文献1には、自動二輪車のエンジンのクランクシャフト端部に固定されるフライホイールに発電用の磁石を設けるとともに、これらの磁石と径方向に対向する箇所に、エンジンに対して固定された発電用のコイルを設けることが記載されている。
また、近年では発電体をコンパクトに構成するため、発電用コイルが設けられエンジンに対して固定されたステータコアと、発電用磁石が設けられクランクシャフトとともに回転するロータヨークとを、クランクシャフトの中心軸方向に対向させて配置したアキシャルギャップ型の発電体を用いることが提案されている。
例えば、特許文献2には、クランクシャフトから外径側に突き出して配置され、軸方向に間隔をおいて配置された一対のロータヨークの間隔に、エンジンに固定されたステータコアを配置したアキシャルギャップ型の発電体が記載されている。
特開平10− 4650号公報 特開2009−216014号公報
上述したようなアキシャルギャップ型発電体が取り付けられたエンジンの軸出力、あるいは、アキシャルギャップ型発電体をモータとして利用した場合の軸出力を必要なときに取り出すため、出力軸部に電磁式クラッチ等のクラッチ機構を設ければ、用途を拡大して利便性を向上することが可能である。
しかし、アキシャルギャップ型発電体のエンジン側とは反対側の軸部に既存の電磁式クラッチを付加した場合、軸方向に比較的大きなスペースを要し、重量も大幅に増加してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、エンジン及びこれによって駆動される発電体を有しかつ電磁クラッチ機構をコンパクトな構成によって設けた発電機を提供することである。
また、このような電磁クラッチ機構によって、固定部材とクランクシャフト等との接続及び切断を切り替えるようにすれば、電磁ブレーキを構成することも可能である。
本発明の他の課題は、エンジン及びこれによって駆動される発電体を有しかつ電磁ブレーキ機構をコンパクトな構成によって設けた発電機を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトに固定されるロータ、及び、前記エンジンのクランクケースに固定されるステータが回転軸方向に間隔を隔てて対向して配置されるアキシャルギャップ型発電体と、前記エンジンのクランクシャフトと被駆動機器が接続される出力カップリングとの間に設けられたクラッチ機構とを備える発電機であって、前記クラッチ機構は、対向して配置された一対の摩擦部材を電磁石を用いて圧着させる電磁クラッチであって、前記クラッチ機構の前記電磁石と、前記ステータに設けられた複数のコイルとを、前記ステータの周方向に配列させて設けたことを特徴とする発電機である。
これによれば、クラッチ機構の電磁石とステータのコイルとを、周方向に配列させることによって、クラッチ機構が軸方向に占めるスペースを発電体が占めるスペースと重畳させて配置することが可能となり、軸方向の寸法をコンパクトにして発電機の小型化、軽量化を図ることができる。
これによって、機器への搭載自由度も向上することができる。
請求項2に係る発明は、エンジンと、前記エンジンのクランクシャフトに固定されるロータ、及び、前記エンジンのクランクケースに固定されるステータが回転軸方向に間隔を隔てて対向して配置されるアキシャルギャップ型発電体と、前記エンジンのクランクシャフトと前記クランクシャフトを制動する制動部材との間に設けられたクラッチ機構とを備える発電機であって、前記クラッチ機構は、対向して配置された一対の摩擦部材を電磁石を用いて圧着させる電磁クラッチであって、前記クラッチ機構の前記電磁石と、前記ステータに設けられた複数のコイルとを、前記ステータの周方向に配列させて設けたことを特徴とする発電機である。
これによれば、コンパクトな構成によって発電機に電磁ブレーキ機能を付与することができる。
請求項3に係る発明は、前記クラッチ機構の前記電磁石を、同一のステータに設けられた前記コイルに対して、前記ロータから軸方向に離間する方向にオフセットして配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電機である。
これによれば、電磁石が発生する磁束がロータに作用して発電体の性能に悪影響を与えることを防止できる。
請求項4に係る発明は、前記クラッチ機構の前記電磁石及び前記ステータを収容するステータハウジングを有し、前記電磁石は前記ステータハウジングの前記クラッチ機構側の面部に形成された開口部から前記摩擦部材側に露出して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の発電機である。
これによれば、電磁石が発生する磁束を直接摩擦部材側に作用させることが可能となり、クラッチ機構の駆動を効率よく行うことができる。
請求項5に係る発明は、前記クラッチ機構の前記電磁石と前記アキシャルギャップ型発電体の前記ロータとの間に磁気シールド材を配置したことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の発電機である。
これによれば、電磁石が発生する磁束をシールドすることによって、発電体の性能に悪影響を与えることをより確実に防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジン及びこれによって駆動される発電体を有しかつ電磁クラッチ機構又は電磁ブレーキ機構をコンパクトな構成によって設けた発電機を提供することができる。
本発明を適用した発電機の実施例1における発電体及びクラッチ機構の周辺部を回転軸を含む平面で切って見た断面図であって、クラッチを切断した状態を示す図である。 実施例1の発電機の発電体及びクラッチ機構の周辺部を回転軸を含む平面で切って見た断面図であって、クラッチを接続した状態を示す図である。 実施例1の発電機の発電体における第2ステータ及びハウジングをロータ側から見た図である。 実施例1の発電機の発電体における第2ステータ及びハウジングをクラッチ機構側から見た図である。 実施例1の発電機の発電体における第2ステータのコイル配置を示す図である。
本発明は、エンジン及びこれによって駆動される発電体を有しかつ電磁クラッチ機構をコンパクトな構成によって設けた発電機を提供する課題を、電磁クラッチ機構を駆動させる電磁石と、アキシャルギャップ型発電体のステータコイルとを、周方向に配列させた構成とする。
また、電磁クラッチ機構によってクランクシャフトと制動部材との接続状態を変化させることによって、電磁ブレーキ機構とした構成とする。
以下、本発明を適用した発電機の実施例1について説明する。
図1、図2は、本発明を適用した発電機の実施例1における発電体及びクラッチ機構の周辺部を回転軸を含む平面で切って見た断面図であって、それぞれクラッチを切断した状態、接続した状態を示す図である。
実施例1の発電機は、エンジン100によってアキシャルギャップ型の発電体200を駆動するとともに、被駆動機器が接続される出力カップリング320及びクラッチ機構300を備えたものである。
エンジン100は、例えば単気筒4ストロークOHCの汎用ガソリンエンジンである。
エンジン100は、クランクケース110、メインベアリング120、クランクシャフト130等を有して構成されている。
クランクケース110は、クランクシャフト130等を収容する容器状の部分である。
クランクケース110は、例えばアルミニウム系合金の鋳物によって、図示しないシリンダと一体に形成されている。
シリンダには、クランクシャフト130にコネクティングロッドを介して接続されたピストンが挿入される。
また、シリンダの端部には、燃焼室、吸排気ポート、吸排気バルブ、点火栓等を有するシリンダヘッドが設けられる。
また、クランクケース110には、クランクシャフト130の端部が挿入される開口111が設けられている。
メインベアリング120は、クランクシャフト130を回転可能に支持する軸受である。
メインベアリング120は、例えば、単列の深溝玉軸受である。
メインベアリング120の外輪は、クランクケース110の開口111の内側に挿入され固定されている。
メインベアリング120の内輪には、クランクシャフト130のジャーナル部131が挿入されている。
また、メインベアリング120のクランクケース110外側には、オイルシール121が設けられている。
クランクシャフト130は、エンジン100の出力軸であって、ジャーナル部131、クランクピン132、クランクウェブ133、出力軸部134、ネジ部135等を有して構成されている。
ジャーナル部131は、クランクケース110に対して回転可能に支持される軸部である。
ジャーナル部131は、メインベアリング120を介して、クランクケース110に支持されている。
クランクピン132は、図示しないピストンとクランクシャフト130との間で力の伝達を行なう図示しないコネクティングロッドが接続される部分であって、ジャーナル部131に対して偏心した軸状に形成されている。
クランクウェブ133は、ジャーナル部131とクランクピン132とを連結するクランクアーム、及び、クランクアームに対して実質的に軸対称に配置されるクランクウェイトを一体に形成したものである。
出力軸部134は、クランクケース110から突出して形成された軸部である。
出力軸部134は、後述するアキシャルギャップ型の発電体200のアダプタ240が接続される部分である。
出力軸部134は、実質的に全長にわたって均一な外径を有する平行軸である。
出力軸部134は、ジャーナル部131に対して段状に外径が小さくなるように形成され、その結果、ジャーナル部131と出力軸部134との境界部(ジャーナル部131の出力軸部134側の端部)には、回転軸と実質的に直交する面部を有する段部が形成されている。
この段部は、後述するシムSを挟持するために用いられる。
ネジ部135は、出力軸部134の端部から突き出して形成され、ワッシャとともにナットが締結される部分である。
ネジ部135は、出力軸部134に対して段状に外径が小さくなるように形成され、その結果、ネジ部135と出力軸部134との境界部(出力軸部134のネジ部135側の端部)には、回転軸と実質的に直交する面部を有する段部が形成されている。
発電体200は、エンジン100によって駆動され発電を行うものであり、ロータ210と第1ステータ220、第2ステータ230とが軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型のものである。
発電体200は、ロータ210、第1ステータ220、第2ステータ230、アダプタ240、第1ハウジング250、第2ハウジング260等を備えて構成されている。
ロータ210は、アダプタ240を介してクランクシャフト130の出力軸部134に固定され、クランクシャフト130とともに回転する部材である。
ロータ210は、中央部に円形開口を有する平板状の円盤であって、磁性体によって形成され、所定のパターンでNSの着磁が施されている。
第1ステータ220は、ロータ210のエンジン100側に設けられ、ロータ210の表面と微小な間隔を隔てて対向する複数のコイルCを備えている。
各コイルCは、発電体200の回転軸方向から見た形状が実質的に扇形に形成された鉄芯の周囲に、例えば銅製の平角線である巻線を巻き回して構成されている。
第1ステータ220は、第1ハウジング250を介して、エンジン100のクランクケース110に固定されている。
コイルCは、U層、V層、W層の三層にグループ分けされ、隣接する3個のコイルCが同相となるようになっている。これら同相の3個のコイルCは、扇型の保持板に固定されている。
第1ステータ220は、例えば、扇形の中心角が実質的に60度である保持板に3個のコイルCを組み付けたユニットを、環状に6個連結して構成されている。
各コイルC間の結線、及び、コイルCと外部回路との結線は、第1ハウジング250、第2ハウジング260に嵌め込まれるコネクタ金具によって行われるようになっている。
第2ステータ230は、ロータ210のエンジン100側とは反対側に設けられ、ロータ210の表面と微小な間隔を隔てて対向する複数のコイルCを備えている。
第2ステータ230は、第1ハウジング250と結合されて発電体200の筐体を構成する第2ハウジング260を介して、エンジン100のクランクケース110に固定されている。
第2ステータ230は、後述するクラッチ機構300の電磁石340とともに、共通の第2ハウジング260に組み込まれている。
その詳細な構成については、後に詳しく説明する。
アダプタ240は、クランクシャフト130の出力軸部134に接続されるとともに、ロータ210及びクラッチ機構部300のクラッチボディ310が固定される部材である。
アダプタ240は、円筒部241、ロータ取付部242、スポーク部243等を一体に形成して構成されている。
円筒部241は、クランクシャフト130の出力軸部134が挿入される部分である。
円筒部241の内径は、実質的に全長にわたって均一であって、出力軸部134の外径に対して挿入時に不可避的に必要となる隙間だけ大きく設定されている。
円筒部241の外径は、クラッチ機構300側からクランクケース100側にかけて徐々に外径が増加するようテーパ状に形成されている。
このテーパ部は、クラッチボディ310の円筒部311の内周面と実質的に同じテーパ角を有する。
円筒部241のクランクケース110側の端面は、クランクシャフト130の出力軸部134の端部に形成される段部(端面)と対向して配置され、これらの端面−段部間には、ロータ210と各ステータ220,230とのギャップを調節するため、必要に応じて円環状のシムSが挟み込まれる。
ロータ取付部242は、ロータ210の内周縁部が固定される部分である。
ロータ取付部242は、中央部に円形開口を有する実質的に平坦な円盤状に形成されている。
ロータ取付部242の内周縁部は、円筒部241のクランクケース110側の端部近傍における外周面と、径方向に間隔を隔てて配置されている。
スポーク部243は、円筒部241のクランクケース100側の端部とロータ取付部242の内周縁部との間を連結する部分であって、アダプタ240の周上複数箇所に放射状に配置されている。
第1ハウジング250及び第2ハウジング260は、それぞれ第1ステータ220、第2ステータ230を保持する保持部材であるとともに、協働して発電体200の筐体を構成する部材である。
第1ハウジング250、第2ハウジング260は、それぞれ耐熱性を有するナイロン樹脂等の樹脂系材料を用いて、インジェクション成型によって一体に形成されている。
第1ハウジング250、第2ハウジング260は、エンジンの出力トルクの一部が加わり強度が要求されることから、樹脂材料には必要に応じてガラス繊維等の補強材が添加される。
クラッチ機構300は、エンジン100のクランクシャフト130から外部の被駆動機器への出力伝達経路の接続、切断を行う電磁式のクラッチ装置である。
クラッチ機構300は、クラッチボディ310、出力カップリング320、アクティブプレート330、電磁石340、及び、バッテリあるいは発電体200が発生する電力を直流化した電源から電磁石340に電力を供給する電力供給手段等を備えて構成されている。
クラッチボディ310は、発電体200のアダプタ240の円筒部241を介して、エンジン100のクランクシャフト130に固定される部材である。
クラッチボディ310は、円筒部311、円盤部312を一体に形成したものである。
円筒部311は、アダプタ240の円筒部241が挿入されテーパ嵌合する部分である。
円筒部311は、ワッシャWを介してナットNをクランクシャフト130のネジ部135に締結することによって、クランクシャフト130及びアダプタ240と固定される。
円盤部312は、円筒部311のエンジン100側とは反対側の端部から、外径側にフランジ状に張り出して形成された平板状の部分である。
円盤部312の出力カップリング320側(エンジン100側とは反対側)の面部には、摩擦材313が貼り付けられている。
円盤部312のエンジン100側の面部は、発電体200の第2ハウジング260と隙間を隔てて対向して配置されている。
出力カップリング320は、図示しない被駆動機器が接続される部分である。
出力カップリング320は、円筒部321、円盤部322等を一体に形成して構成されている。
円筒部321は、クランクシャフト130と同心かつクランクシャフト130の端部に対して間隔を隔てて配置され、被駆動機器の入力軸が取り付けられる部分である。被駆動機器の入力軸は、被駆動機器の本体に対して、所定の回転軸回りに回転可能に取り付けられている。
被駆動機器は、エンジン100とは別に設けられたマウント等によって、エンジン100に対して相対的に固定されている。
円盤部322は、円筒部321のエンジン100側の端部から外径側にフランジ状に張り出して形成された平板状の部分である。
円盤部322の外周縁部近傍の領域には、周方向に分散して複数のアクティブプレート330が設けられる。
アクティブプレート330は、円盤部322に対してクランクシャフト130の回転軸方向に沿って相対変位可能に取り付けられるとともに、クラッチの接続時にクラッチボディ310の摩擦材313と圧着して駆動力を伝達する部材である。
アクティブプレート330は、平板状に形成されるとともに、図1に示すクラッチ切断時においては、出力カップリング320の円盤部322のエンジン100側の面部と当接しかつクラッチボディ310の摩擦材313とは離間した状態で配置されている。
アクティブプレート330は、電磁石340による吸着が可能であるように、強磁性体によって形成されている。
アクティブプレート330は、円筒部331、フィキシングボルト332、皿バネ333等を備えている。
円筒部331は、アクティブプレート330の背面部(出力カップリング320側の面部)から突き出して形成されている。
円筒部331は、出力カップリング320の円盤部322に形成された開口に、軸方向にスライド可能に挿入されている。
円筒部331の突端部は、クラッチが切断状態にある場合には、出力カップリング320の円盤部322から突き出して配置されている。
円筒部331の内径側には、メネジ部が形成されている。
フィキシングボルト332は、円筒部331のメネジ部と締結されるボルトである。
フィキシングボルト332は、円筒部331の突端部側から挿入され、締結される。
皿バネ333は、中央に形成された開口内に円筒部331が挿入されるとともに、フィキシングボルト332のエンジン100側の面と円盤部322との間に挟持され、これらを離間させる方向の付勢力を発生するバネ要素である。
アクティブプレート330は、電磁石340への非通電時においては、皿バネ333の付勢力によって、摩擦材313から離間して出力カップリング320の円盤部322側へ引き寄せられた状態となっている。
電磁石340は、直流電源を用いて通電したときに、電磁力によってアクティブプレート330を吸引して、図2に示すようにクラッチボディ310の摩擦材313に圧着させるものである。
電磁石340は、第2ステータ230のコイルCと実質的に同様の扇形の鉄芯341の周囲に、銅製の角線である巻線342を巻き回して構成されている。
電磁石340は、第2ステータ230のコイルCと周方向に配列した状態で第2ハウジング260に取り付けられている。
以下、この点について詳しく説明する。
図3は、第2ステータ230及び電磁石340を、第2ハウジング260に組み込んだ状態を、ロータ210側から見た図である。
図4は、第2ステータ230及び電磁石340を、第2ハウジング260に組み込んだ状態を、クラッチ機構300側から見た図である。
第2ハウジング260は、円筒部261、円盤部262、ダクト部263、締結部264等を、樹脂材料をインジェクション整形することによって、一体に形成したものである。
円筒部261は、第2ステータ230の周囲を囲って設けられた部分であって、クランクシャフト130の回転軸と実質的に同心の円筒状に形成されている。
円筒部261の内周面は、第2ステータ230の外周縁部と対向して配置されている。
円盤部262は、円筒部261のクラッチ機構300側の端部から内径側に張り出して形成された平板状の部分である。
円盤部262の中央部には、図1等に示すように、クランクシャフト130の出力軸部134、アダプタ240の円筒部241、クラッチボディ310の円筒部311等が挿入される開口262aが形成されている。
また、円盤部262の外径側の領域において、電磁石340が設けられる箇所には、図1、図4等に示すように、電磁石340をクラッチボディ310側に露出させる扇形の開口262bが形成されている。
ダクト部263は、円筒部261の外径側に設けられ、図示しないブロワファンが発生する冷却風を、エンジン100の冷却が必要な箇所に案内する空気流路である。
締結部264は、第2ハウジング260を、第1ハウジング250とともにクランクケース110に締結するボルトが挿入される部分である。
締結部264は、円筒部261の外周面部に例えば4か所が分散して配置されている。
図5は、第2ステータのコイル配置を示す図である。
図5に示すように、コイルCは、第2ステータ230の周方向に沿って、U相−W相−V相−U相−W相−V相が順次配列されている。
各相には、例えば2つのコイルCが設けられ、これら2つのコイルCの間隔には、電磁石340がそれぞれ配置されている。
すなわち、各相ごとに分けられた6つの群からなるコイルCが周方向に配列され、各群は、コイルC−電磁石340−コイルCを周方向に配列して構成されている。
第1ステータ220においては、上述したように3個のコイルCで1つのユニットを構成するようにしていたが、第2ステータ230においては、各ユニットは2つのコイルCを有して構成され、その間隔に電磁石340が配置される。
また、上述した構成によって、電磁石340は、第2ハウジング260の円盤部262に設けられた開口262bから、クラッチボディ310側に露出して形成される。
また、図1等に示すように、電磁石340の鉄心341のロータ210側の面部には、凹部341aが形成され、鉄芯341の主要部をロータ210から遠ざかる方向にオフセットさせて、ロータ210との間に形成される実質的なクリアランスを拡大するようにしている。
さらに、電磁石340のロータ210側の面部には、必要に応じて図示しない磁気シールド材が設けられる。
実施例1の発電機においては、電磁石340の通電電流値に応じて、クラッチ機構300の締結力(摩擦材313へのアクティブプレート330の圧着力)を制御して、伝達トルクを変化させることが可能であるため、接続状態、切断状態の選択のみに限らず、クラッチエンゲージのショックやエンジンストールが発生しないように、いわゆる半クラッチ状態とすることもできる。
以上説明した実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第2ステータ230のコイルCとクラッチ機構300の電磁石340のコイルとを、周方向に配列したことによって、クラッチ機構300が軸方向に占めるスペースを発電体200が占めるスペースと重畳させて配置することが可能となり、軸方向の寸法をコンパクトにして発電機の小型化、軽量化を図ることができる。
これによって、機器への搭載自由度も向上することができる。
(2)電磁石340の鉄芯341のロータ210側の面部をへこませて、実質的に電磁石340のコイルを第2ステータ230のコイルCに対してロータ210から遠ざかる方向にオフセットして配置したことによって、電磁石340が発生する磁束がロータ210の磁石に作用して抵抗を発生させ、発電体200の性能に悪影響を与えることを防止できる。
(3)電磁石340を第2ハウジング260に設けられた開口262aからクラッチボディ310側に露出させて配置したことによって、電磁石340が発生する電磁力をアクティブプレート330に効率よく作用させることができ、電磁石340によるクラッチ機構300の駆動を効率よく行うことができる。
(4)電磁石340の鉄芯341のロータ210側の面部に磁気シールド材を設けることによって、電磁石340の磁束による発電体200への悪影響をより一層低減できる。
次に、本発明を適用した発電機の実施例2について説明する。
なお、上述した実施例1と実質的に共通する箇所については説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2の発電機は、実施例1のクラッチ機構300と同様の出力カップリング320を、エンジン100のクランクケース110に対して相対的に固定された他部品に固定することによって、クラッチ機構300を電磁ブレーキ機構として利用可能にしたものである。
実施例2においては、電磁石340への通電電流値を制御して、アクティブプレート330と摩擦材313との圧着力を制御することによって、所望の制動力をクランクシャフト130及びロータ210等に与えることが可能となる。
以上説明した実施例2によれば、コンパクトかつ軽量な構成によってエンジン100及び発電体200を有する発電機に電磁ブレーキ機能を付与することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エンジン、発電体、クラッチ機構を構成する各部材の形状、構造、材質、製法、個数、配置等は上述した実施例の構成に限らず、適宜変更することが可能である。
(2)実施例においては、第2ステータの12個のコイルの間隔に6個の電磁石を配置しているが、ステータコイルと電磁石のコイルの個数やその比率、並び順などは適宜変更することが可能である。
100 エンジン 110 クランクケース
111 開口 120 メインベアリング
130 クランクシャフト 131 ジャーナル部
132 クランクピン 133 クランクウェブ
134 出力軸部 135 ネジ部
S シム W ワッシャ
N ナット
200 発電体 210 ロータ
220 第1ステータ C コイル
230 第2ステータ 240 アダプタ
241 円筒部 242 ロータ取付部
243 スポーク部 250 第1ハウジング
260 第2ハウジング 261 円筒部
262 円盤部 262a 開口
262b 開口 263 ダクト部
264 締結部
300 クラッチ機構 310 クラッチボディ
311 円筒部 312 円盤部
320 出力カップリング 321 円筒部
322 円盤部 330 アクティブプレート
331 円筒部 332 フィキシングボルト
333 皿バネ 340 電磁石
341 鉄芯 342 巻線

Claims (5)

  1. エンジンと、
    前記エンジンのクランクシャフトに固定されるロータ、及び、前記エンジンのクランクケースに固定されるステータが回転軸方向に間隔を隔てて対向して配置されるアキシャルギャップ型発電体と、
    前記エンジンのクランクシャフトと被駆動機器が接続される出力カップリングとの間に設けられたクラッチ機構と
    を備える発電機であって、
    前記クラッチ機構は、対向して配置された一対の摩擦部材を電磁石を用いて圧着させる電磁クラッチであって、
    前記クラッチ機構の前記電磁石と、前記ステータに設けられた複数のコイルとを、前記ステータの周方向に配列させて設けたこと
    を特徴とする発電機。
  2. エンジンと、
    前記エンジンのクランクシャフトに固定されるロータ、及び、前記エンジンのクランクケースに固定されるステータが回転軸方向に間隔を隔てて対向して配置されるアキシャルギャップ型発電体と、
    前記エンジンのクランクシャフトと前記クランクシャフトを制動する制動部材との間に設けられたクラッチ機構と
    を備える発電機であって、
    前記クラッチ機構は、対向して配置された一対の摩擦部材を電磁石を用いて圧着させる電磁クラッチであって、
    前記クラッチ機構の前記電磁石と、前記ステータに設けられた複数のコイルとを、前記ステータの周方向に配列させて設けたこと
    を特徴とする発電機。
  3. 前記クラッチ機構の前記電磁石を、同一のステータに設けられた前記コイルに対して、前記ロータから軸方向に離間する方向にオフセットして配置したこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電機。
  4. 前記クラッチ機構の前記電磁石及び前記ステータを収容するステータハウジングを有し、前記電磁石は前記ステータハウジングの前記クラッチ機構側の面部に形成された開口部から前記摩擦部材側に露出して配置されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の発電機。
  5. 前記クラッチ機構の前記電磁石と前記アキシャルギャップ型発電体の前記ロータとの間に磁気シールド材を配置したこと
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の発電機。
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