JP2014173082A - インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工層を有する印刷用紙にブリードの発生が抑制されているとともにベタ部の均一性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な、速乾性に優れたインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】粘度が15mPa・s以上であり、表面張力が34mN/m以下であるインクジェット記録用インクである。水、自己分散顔料、塩、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物、第1の樹脂からなる樹脂粒子a、及び第2の樹脂からなる樹脂粒子bを含有し、自己分散顔料が二つのpKaを有し、第1の樹脂のガラス転移温度Tg1が25℃以上、及び第2の樹脂のガラス転移温度Tg2が25℃以下であり、Tg1とTg2との差が10℃以上である。
Figure 2014173082

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録技術は、専用紙に対するフォト画像の形成や、コピー紙に代表される普通紙に対するオフィスや家庭で利用する画像の形成を中心に発展してきた。最近では、デジタル商業印刷分野への展開も期待され、塗工層を有する一般印刷用紙に直接記録する要求が高まりつつある。しかしながら、塗工層は、白度、平滑度、及び裏抜け性を考慮した緻密な構造を有しており、インクの吸水性が極端に低い。このため、色間でのにじみ(ブリード)の発生や、ベタ部の均一性が低下するという課題が発生する。また、色材として顔料を用いたインクで画像を形成する場合、顔料は塗工層に十分浸透せず紙表面に残ることになる。このため、インクの速乾性及び形成される画像の耐擦過性が不十分となりやすく、画像形成後のハンドリングや実使用において課題がある。
上記のような課題を解決すべく、種々のインク及びそれを用いた記録方法が開示されている。例えば、特許文献1には、固形分と樹脂の比率を高めるとともに、表面張力を下げることで、塗工層を有する印刷用紙に印字した際の濡れ性、乾燥性、及び定着性を改善したインクジェット用インク、及びそれを用いた印字方法が開示されている。また、特許文献2には、色材濃度を高めるとともに、小液滴化することで、塗工層を有する印刷用紙に記録される画像の品位を改善するインクジェット記録方法が開示されている。
特開2007−230021号公報 特開2006−116794号公報
上記特許文献1及び2に記載の方法によれば、ブリードの発生の抑制、ベタ部の均一性の向上、耐擦過性の向上、及び速乾性の向上といった課題を、それぞれ単独ではある程度解決することはできた。しかしながら、全ての課題を同時に解決することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、塗工層を有する印刷用紙にブリードの発生が抑制されているとともにベタ部の均一性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な、速乾性に優れたインクジェット記録用インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、粘度が15mPa・s以上であり、表面張力が34mN/m以下であるインクジェット記録用インクであって、水、自己分散顔料、塩、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物、第1の樹脂からなる樹脂粒子a、及び第2の樹脂からなる樹脂粒子bを含有し、前記自己分散顔料が、二つのpKaを有する、又はラクトン基とカルボキシ基を有するものであり、前記第1の樹脂のガラス転移温度Tg1が、25℃以上であり、前記第2の樹脂のガラス転移温度Tg2が、25℃以下であり、前記ガラス転移温度Tg1と前記ガラス転移温度Tg2との差が、10℃以上であることを特徴とするインクジェット記録用インクが提供される。
Figure 2014173082
本発明によれば、塗工層を有する印刷用紙にブリードの発生が抑制されているとともにベタ部の均一性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な、速乾性に優れたインクジェット記録用インクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
画像形成に用いたインクジェット記録装置の一部を示す模式図である。 記録ヘッドの配置状態を示す模式図である。
<インクジェット記録用インク>
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記課題を解決しうるインクジェット記録用インク、及びそれを用いたインクジェット記録方法について種々検討した。その結果、上記課題の解決にはインクの物性が大きく影響することを見出した。色相の異なる2種のインクが紙に浸透せず、紙面上で接触した場合、液体同士であるので当然のことながら両者は混ざりやすい。従来のインクジェット記録用インクは10mPa・s程度以下のものが多い。すなわち、インクの粘度が低いため、2色間の混色を防止するためにはイオン反応を利用して境界部で凝集を発生させる等の対策が必要であった。本発明者らは、インクの粘度を約15mPa・s以上に高くすると、物理的な拡散防止効果によりブリードの発生を抑制可能となることを見出した。すなわち、耐ブリード性に限れば、約15mPa・sに臨界的な値が存在することを本発明者らは見出した。しかし、インクの高粘度化は塗工層への浸透を抑制する傾向にあり、速乾性の点では不利となる。このため、速乾性をも考慮すれば、インクの表面張力を34mN/m以下にすることも同時に必要となる。
画像のベタ均一性及び耐擦過性については、インクの物性と、親疎水度係数の制御された水溶性化合物及び特定の構造を有する自己分散顔料との相乗的な効果により発現する。さらに、画像のベタ均一性については、塩の存在による影響が大きいことを見出した。インクに塩を含有させることにより、塗工層成分と相互作用した顔料が塩析効果によって凝集するので、均一なベタ部を記録することが可能となる。一方、画像の耐擦過性については、インクに樹脂粒子を存在させることが重要であることを見出した。より具体的には、ガラス転移温度が制御された2種の樹脂によってそれぞれ形成された樹脂粒子を併用することで、耐擦過性に優れた画像を形成しうるインクとすることができる。
以上の要件を全て満たすことで、塗工層を有する印刷用紙にブリードの発生が抑制されているとともにベタ部の均一性及び耐擦過性に優れた画像を記録することが可能な、速乾性に優れたインクジェット記録用インクを提供することが可能となる。なお、本発明のインクジェット記録方法では、色相の異なる2種のインクの少なくともいずれかに、上記の要件を満たすインクジェット記録用インクを用いることが必要である。但し、2種のインクのいずれもが上記の要件を満たすインクジェット記録用インクであると、効果が一層顕著となる。
(色材)
本発明のインクジェット記録用インク(以下、単に「インク」とも記す)に用いられる色材は、二つのpKaを有する自己分散顔料、又はラクトン基とカルボキシ基を有する自己分散顔料である。自己分散顔料は、顔料表面に直接又は他の原子団を介して親水性官能基を導入することにより、分散剤を必須とせずに分散安定化させることが可能な顔料である。親水性官能基を導入する前の顔料としては、例えば、国際公開第2009/014242号公報に列挙されているような、従来公知の様々な顔料を用いることができる。
本発明のインクにおいては、二つのpKaを有する自己分散顔料、又はラクトン基とカルボキシ基を有する自己分散顔料を用いることで、併用する塩及び水溶性化合物との相乗効果が発現し、インクが紙に着弾した後の固液分離がスムーズに進行する。このため、本発明のインクを用いれば、ベタ均一性に優れた画像を記録することができる。
二つのpKaを有する自己分散顔料は、顔料表面に二つのpKaを有する親水性官能基を導入することで得ることができる。二つのpKaを有する親水性官能基やカルボキシ基の対イオンとしては、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウム等が利用できる。アルカリ金属の具体例としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、及びセシウム(Cs)等を挙げることができる。有機アンモニウムの具体例としては、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、モノヒドロキシメチル(エチル)アミン、ジヒドロキシメチル(エチル)アミン、トリヒドロキシメチル(エチル)アミン等を挙げることができる。なかでも、アンモニウム、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、及びセシウム(Cs)が好ましい。
自己分散顔料が二つのpKaを有する場合には、以下の二つの態様がある。一つは、自己分散顔料が二つのpKaを持った1種類の親水性基を有している態様である。もう一つは、自己分散顔料が2種類以上の親水性基を有し、それぞれの親水性基が独自のpKaを有している態様である。前者の親水性基としては、例えば、−PO3(M)2、−Ph(COOM)n等を挙げることができる。ここで、式中のPhはフェニル基示し、Mは、それぞれ独立して水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種を示し、nは2又は3を示す。なお、ホスホン酸のpKaは7.20及び2.15である。フタル酸のpKaは5.41及び2.95である。また、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸のpKaは5.87、4.20、2.80である。これらの親水性基を顔料表面に導入した場合における自己分散顔料pKaは、厳密には実測する必要があるが、導入された親水性基のpKaから推測することができる。
一方、後者の親水性基としては、例えば、メタンスルホン酸(pKa:−1.2)、酢酸(pKa:4.76)、ベンゼンスルホン酸(pKa:−2.5)、及び安息香酸(pKa:4.2)等を挙げることができる。これらの親水性基のうち、pKaの差が2以上である親水性基の組み合わせが好ましい。具体的には、ベンゼンスルホン酸と安息香酸との組み合わせが好ましい。
顔料粒子の表面にラクトン基とカルボキシ基を導入する方法としては、例えば、特開2004−346090号公報等に記載されている、カーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法等を挙げることができる。この方法によれば、親水性基であるカルボキシ基やラクトン基をカーボンブラック等の顔料の表面に導入することができる。
自己分散顔料の平均粒子径は、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがさらに好ましく、50nm以上であることが特に好ましい。また、120nm以下でることが好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、90nm以下であることが特に好ましい。自己分散顔料の平均粒子径は、例えば、レーザ光の散乱を利用した、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製)、商品名「ナノトラックUPA 150EX」(日機装製)等の測定装置を使用して測定することができる。但し、商品名「ナノトラックUPA 150EX」を使用して測定する場合は、50%の積算値とする。なお、自己分散顔料は、必要に応じて2種類以上を組み合わせて用いることができる。ここで、本明細書における自己分散顔料の平均粒子径とは、散乱平均粒子径を意味する。
インク中の自己分散顔料の含有量は、インク全量に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。また、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、8質量%以下であることが特に好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクジェット記録用インクには、必須成分として水が含有される。インク中の水の含有量は、インク全質量に対して10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。また、水と水溶性化合物とを併用して水性媒体とすることが好ましい。本明細書における水溶性化合物とは、水との20.0質量%濃度の混合液が、水と相分離せずに混ざり合う親水性の高い化合物を意味する。なお、固液分離や目詰まり防止の観点から、過度に蒸発しやすいものは水溶性化合物としては好ましくない。このため、20℃における水溶性化合物の蒸気圧は0.04mmHg以下であることが好ましい。
本発明のインクには、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物が含有される。但し、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26未満の物質が含有されていてもよい。また、紙種によっては、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物と、0.37以上の水溶性化合物とを併有することが好ましい。さらに、親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物を2種類以上含有させると、より好ましい場合がある。親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物としては、トリメチロールプロパンが好ましい。また、親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物としては、炭素数4〜7のグリコール構造を有する化合物が好ましい。親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物としては、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールが好ましく、1,2−ヘキサンジオールがさらに好ましい。親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物と、親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物との含有比は、質量基準で9:1〜1:2とすることが好ましく、6:1〜1:1とすることがさらに好ましい。
Figure 2014173082
上記式(A)中の水分活性値は、
水分活性値=(水溶液の水蒸気圧)/(純水の水蒸気圧)
で表わされる。水分活性値は様々な方法によって測定することができ、いずれの測定方法であってもよい。なかでも、チルドミラー露点測定法が好適である。本明細書における水分活性値は、商品名「アクアラブCX−3TE」(DECAGON製)を使用し、チルドミラー露点測定法により水溶性化合物の20質量%水溶液(25℃)について測定した値である。
ラウールの法則に従えば、希薄溶液の蒸気圧の降下率は溶質のモル分率に等しく、溶媒及び溶質の種類に無関係であるので、水溶液中の水のモル分率と水分活性値は等しくなる。しかし、各種水溶性化合物の水溶液の水分活性値を測定すると、水分活性値は、水のモル分率と一致しないものも多い。
水溶液の水分活性値が水のモル分率より低い場合は、水溶液の水蒸気圧が理論計算値より小さいこととなり、水の蒸発が溶質の存在によって抑制されている。このことから、溶質は水和力の大きい物質であることがわかる。逆に、水溶液の水分活性値が水のモル分率より高い場合は、溶質が水和力の小さい物質と考えられる。
本発明者らは、インクに含有される水溶性化合物の親水性又は疎水性の程度が、自己分散顔料と水性媒体との固液分離の推進に及ぼす影響、及び各種インク性能に及ぼす影響が大きい点に着眼した。本発明者らは、このような着眼点に基づき、上記式(A)で表される親疎水度係数を定義した。水分活性値は、一律20質量%の濃度で、各種水溶性化合物の水溶液を用いて測定される。そして、上記式(A)で換算することによって、溶質の分子量が相違して水のモル分率が異なる場合であっても、水溶性化合物の親水性又は疎水性の程度を相対的に比較することが可能である。なお、水溶液の水分活性値が1を超えることはないので、親疎水度係数の最大値は1である。上記式(A)によって算出される各種水溶性化合物の親疎水度係数を表1に示す。ただし、水溶性化合物は表1に記載のものに限定されない。
Figure 2014173082
インクジェット記録用インクとしての適性を有する各種の化合物の中から、目的とする親疎水度係数を有する水溶性化合物を選択して用いることが好ましい。インク中の水溶性化合物の含有量は、インク全質量に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。また、インク中の水溶性化合物の含有量は、インク全質量に対して80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
(塩)
本発明のインクジェット記録用インクには、塩が含有される。塩の具体例としては、有機酸又は無機酸から構成される水溶性の塩である。なお、インク中で塩は解離してイオンの状態で存在しているが、このようにイオンの状態で存在している場合であっても、本明細書においては、便宜上「塩を含有する」と表現する。
有機酸とは、炭素原子から構成される分子構造を有し、その分子内にカルボキシ基、ホスホン酸基、又はスルホン基等の、中性付近のpHにおいて水素イオンが解離する官能基を1個又は複数個有する酸をいう。有機酸の具体例としては、クエン酸、コハク酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、タルトロン酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸等のアルキルカルボン酸;安息香酸、フタル酸、トリメット酸等のアリールカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸等を挙げることができる。記録される画像の光学濃度及びノズルの目詰まり防止の観点から、有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の水溶性のアルキルカルボン酸;コハク酸、酒石酸等の複数のカルボキシル基を有するアルキルカルボン酸;フタル酸、トリメット酸等の複数のカルボキシ基を有するアリールカルボン酸が好ましい。
無機酸とは、塩酸、硝酸、硫酸、炭酸、及びリン酸等の鉱酸をいう。なかでも、記録される画像の光学濃度及びノズルの目詰まり防止の観点から、硫酸、炭酸、及びリン酸が好ましい。
有機酸及び無機酸の対イオンとしては、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウム等を利用することができる。アルカリ金属の具体例としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、及びセシウム(Cs)等を挙げることができる。有機アンモニウムの具体例としては、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、モノヒドロキシメチル(エチル)アミン、ジヒドロキシメチル(エチル)アミン、トリヒドロキシメチル(エチル)アミン等を挙げることができる。なかでも、アンモニウム、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、及びセシウム(Cs)が好ましい。すなわち、塩としては、有機酸若しくは無機酸のアンモニウム塩、カリウム塩、セシウム塩、又はルビジウム塩を用いることが好ましい。
インク中の塩の含有量は、インク全質量に対して0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。
(樹脂粒子)
本発明のインクジェット記録用インクには、第1の樹脂からなる樹脂粒子aと第2の樹脂からなる樹脂粒子bの2種類の樹脂粒子が含有される。樹脂粒子a及び樹脂粒子bの平均粒子径は、いずれも80nm以上220nm以下であることが好ましく、100nm以上であることがさらに好ましく、120nm以上であることが特に好ましく、130nm以上であることがより好ましい。また、樹脂粒子a及び樹脂粒子bの平均粒子径は、いずれも210nm以下であることがさらに好ましく、200nm以下であることが特に好ましい。樹脂粒子a及び樹脂粒子bの平均粒子径が80nm未満であると、特にサーマルインクジェット記録方法に用いた場合に、安定的に吐出できないことがある。一方、樹脂粒子a及び樹脂粒子bの平均粒子径が220nmを超えると、樹脂粒子の分散安定性及び保存安定性が低下する場合がある。樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、レーザ光の散乱を利用した、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製、キュムラント法解析)、商品名「ナノトラックUPA 150EX」(日機装製)等の測定装置を使用して測定することができる。但し、商品名「ナノトラックUPA 150EX」を使用して測定する場合は、50%の積算値とする。なお、本明細書における樹脂粒子の平均粒子径とは、散乱平均粒子径を意味する。
樹脂粒子aを構成する第1の樹脂の酸価及び樹脂粒子bを構成する第2の樹脂の酸価は、いずれも25mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましく、140mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の酸価が150mgKOH/gを超えると、分散液の粘度が高くなり、安定的に吐出できないことがある。一方、樹脂粒子を構成する樹脂の酸価が25mgKOH/g未満であると、インクの保存安定性が低下する傾向にある。なお、樹脂の酸価は、樹脂を構成するモノマーの組成比から計算により求めることができる。また、樹脂の酸価は、商品名「Titrino」(Metrohm製)等の測定装置を使用し、電位差滴定により測定することもできる。
樹脂粒子aを構成する第1の樹脂のガラス転移温度Tg1は25℃以上であり、樹脂粒子bを構成する第2の樹脂のガラス転移温度Tg2は25℃以下であり、ガラス転移温度Tg1とガラス転移温度Tg2との差は10℃以上である。なお、「25℃」というのは、室内環境の平均温度として想定したものである。本発明のインクジェット記録用インクは、室内環境の平均温度である25℃を挟むようなガラス転移温度をそれぞれ有する2種類の樹脂によって形成された樹脂粒子aと樹脂粒子bを含有する。このような2種類の樹脂粒子を含有することで、室温環境前後での樹脂物性の温度依存性を改善している。なお、ガラス転移温度Tg2が25℃以下の第2の樹脂からなる樹脂粒子bにより、樹脂粒子同士を融着して連続膜を良好に形成することができる。また、ガラス転移温度Tg1が25℃以上の第1の樹脂からなる樹脂粒子aにより、膜強度(物性の一例として貯蔵弾性率)を高めることができる。
第2の樹脂のガラス転移温度Tg2は、−60℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度Tg2が−60℃未満であると、インクが2種類以上の樹脂粒子を含有していても、樹脂粒子同士が融着して自立膜を形成しにくくなる場合がある。一方、第1の樹脂のガラス転移温度Tg1は、150℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度Tg1が150℃を超えると、インクが2種類以上の樹脂粒子を含有していても、樹脂粒子同士の融着や連続膜の形成が困難となる場合がある。
ガラス転移温度Tg1とガラス転移温度Tg2との差は10℃以上である。また、Tg1とTg2との差が20℃以上であると、樹脂粒子の物性の温度依存性がさらに改善されるために好ましい。なお、本明細書におけるガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量計(DSC)等の熱分析装置を使用し、通常の方法に従って測定した値である。
第1の樹脂及び第2の樹脂は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、又はエステル系樹脂であることが好ましい。これらの樹脂は共重合体であることが好ましく、単相構造と複相構造(コアシェル型)のいずれであってもよい。また、樹脂粒子a及び樹脂粒子bは、不飽和単量体(モノマー)を乳化重合やソープフリー重合することで得られた樹脂粒子のエマルションの状態でインクに配合されることが好ましい。この理由は、乾燥した粉末状態の樹脂粒子をインクに添加すると、樹脂粒子の分散が不十分となる場合があるためである。
樹脂粒子のエマルションとしては、インクの保存安定性の観点からはアクリルエマルションが好ましい。樹脂粒子のエマルションは、公知の重合法によって得ることができる。例えば、過硫酸カリウム等を重合開始剤として使用し、疎水性モノマーと親水性モノマーをソープフリー重合すること等によって、水媒体中に分散された樹脂粒子を得ることができる。なお、疎水性モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタアクリレート等を挙げることができる。また、親水性モノマーの具体例としては、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、アクリロトリル、アクリルアミド、4−ビニルピリジン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、マレイン酸のN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートモノエステル等を挙げることができる。
また、重合開始剤と界面活性剤を存在させた水中においてモノマーを乳化重合することによっても、樹脂粒子のエマルションを得ることができる。モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー、重合可能な二重結合を二以上有する架橋性モノマー、及びこれらのモノマーと共重合可能なその他のモノマー等を挙げることができる。
カルボン酸モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等を挙げることができる。スルホン酸モノマーの具体例としては、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビニルスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができる。
アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等を挙げることができる。
メタクリル酸エステルモノマーの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート等を挙げることができる。
重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性モノマーの具体例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物;ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物;メチレンビスアクリルアミド;ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
上記のモノマーと共重合可能なその他のモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニルモノマー類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有モノマー類等を挙げることができる。
インク中の樹脂粒子の含有量は、インク全質量に対して、固形分換算で0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、インク中の樹脂粒子の含有量は、インク全質量に対して、固形分換算で20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂粒子の含有量が0.1質量%未満であると、耐擦過性の機能発現が損なわれる傾向にある。一方、樹脂粒子の含有量が20質量%を超えると、インクの粘性が高くなりすぎる傾向にある。
インク中の樹脂粒子aと樹脂粒子bの含有量の比は、質量基準で、(樹脂粒子aの含有量)/(樹脂粒子bの含有量)=0.1以上10以下であることが好ましい。また、(樹脂粒子aの含有量)/(樹脂粒子bの含有量)=0.2以上4.5以下であることが好ましい。
(樹脂粒子の製造例)
本発明のインクに用いる樹脂粒子は、例えば、以下に示す手順に従って製造することができる。撹拌シール、撹拌棒、還流冷却管、セプタムラバー、及び窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口フラスコに、所定量のモノマー及び溶媒である蒸留水100gを入れる。恒温槽を用いて70℃に加温しながら300rpmで撹拌し、1時間窒素置換する。その後、シリンジを用いて蒸留水100gに溶解させた重合開始剤をフラスコ内に注入し、重合を開始する。進行状況をゲルパーミエーションクロマトグラフィー及びNMRでモニタリングしながら重合し、重合反応物である樹脂粒子を生成させる。生成した樹脂粒子を遠心分離して得た後、蒸留水中に再分散させる工程を複数回繰り返して、精製された樹脂粒子の水分散体を得る。精製された樹脂粒子は、必要に応じて、エバポレーターや限外ろ過等により濃縮する。
重合開始剤としては、通常のラジカル重合で使用されるものと同様のものを用いることができる。重合開始剤の具体例としては、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等を挙げることができる。また、界面活性剤、連鎖移動剤、及び中和剤等も、定法に準じて使用することができる。界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウムの他、一般にアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤として用いられているもの等を挙げることができる。連鎖移動剤の具体例としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィドやジイソブチルキサントゲンジスルフィド、ジペンテン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテン等を挙げることができる。また、中和剤の具体例としては、アンモニア;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリの水酸化物等を挙げることができる。
乾燥粉末の状態とした樹脂粒子をインクに含有させる他の成分と混合してもよい。但し、前述の通り、樹脂粒子の分散安定性の観点からは、水媒体に分散させてエマルション(ポリマーエマルション)の状態とした樹脂粒子を、インクに含有させる他の成分と混合することが好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクジェット記録用インクには、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤を含有させることで、よりバランスのよいインクの吐出安定性を得ることができる。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましい。また、ノニオン系界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやアセチレングリコールなどのエチレンオキサイド付加物が好ましい。これらのノニオン系界面活性剤のHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、10以上である。インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上とすることが好ましく、0.2質量%以上とすることがさらに好ましく、0.3質量%以上とすることが特に好ましい。また、インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して5.0質量%以下とすることが好ましく、4.0質量%以下とすることがさらに好ましく、3.0質量%以下とすることが特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクジェット記録用インクには、所望の物性値を有するインクとするために、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。添加剤の具体例としては、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、浸透剤等を挙げることができる。
(表面張力)
本発明のインクジェット記録用インクの表面張力は、34mN/m以下であり、好ましくは33mN/m以下、さらに好ましくは32mN/m以下である。また、インクの表面張力は20mN/m以上であることが好ましく、22mN/m以上であることがさらに好ましく、24mN/m以上であることが特に好ましい。表面張力を上記の範囲に制御することで、本発明のインクの効果が最大限に発揮される。インクの表面張力が34mN/m超であると、塗工層を有する印刷用紙の臨界表面張力よりも高くなるため、印刷用紙に着弾したインクの濡れが遅くなる。このため、印刷用紙へのインクの浸透速度が遅くなり、隣接した色相の異なるインク同士が接触して拡散時間が長くなるので、ブリードが発生しやすくなる。
また、表面張力を34mN/m以下としたインクは、塗工層を有する印刷用紙に濡れやすくなるので、滲みが増大し、被覆率を増加させることができる。被覆率の増加に伴ってインクの付与量を低減させることが可能となるので、インクの速乾性を向上させることができるとともに、耐擦過性及び耐ブリードを著しく向上させた画像を形成することができるようになる。なお、インクの表面張力は垂直平板法によって測定された値である。インクの表面張力を測定する測定装置の具体例としては、商品名「CBVP−Z」(協和界面科学製)等を挙げることができる。
(粘度)
本発明のインクジェット記録用インクの粘度は15mPa・s以上である。塗工層を有する印刷用紙に色相の異なる2種のインクを隣接して付与する場合、印刷用紙に対する浸透時間が遅くなる。このため、隣接して付与されたインク同士の接触時間が長くなるために、色の境界の部分でにじみ(ブリード)が発生しやすい。特に、インクの粘度が15mPa・s未満であると、インクの種類にもよるが、隣接して付与されたインク同士の拡散速度が速くなり、色の境界の部分でにじみ(ブリード)が発生してしまう。
<インクジェット記録方法>
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、色相の異なる2種のインクを、塗工層を有する印刷紙に対してそれぞれ0.5pL以上6.0pL以下の小液滴で付与して画像を形成するインクジェット記録方法である。そして、2種のインクの少なくともいずれかが、前述の本発明のインクジェット記録用インクである。
本発明のインクの特徴の一つである低表面張力化は、にじみ率の拡大という点で大きな影響を与える。塗工層を有する印刷紙はインクジェット専用紙と異なり、低表面張力インクのにじみ率が大きく、2.5〜3倍程度となる場合が多い。これは、従来のインクジェット記録技術が対象としてきた記録メディアに比してかなり大きな値である。このため、デジタル商業印刷で要求される解像度を得るには、0.5pL以上6.0pL以下の小液滴でインクを付与する。なお、付与するインクの小液滴は1.0pL以上であることが好ましく、1.5pL以上であることがさらに好ましい。また、付与するインクの小液滴は5.0pL以下であることが好ましく、4.5pL以下であることがさらに好ましい。インクの小液滴が0.5pL未満であると、特に高速記録時の着弾精度が悪化し、画像が乱れる場合があるので好ましくない。一方、インクの小液滴が6.0pLを超えると、インクの付与量が増えるために速乾性が低下してしまう。このため、色相の異なるインクが塗工層を有する印刷用紙上に隣接して付与されると、インクの拡散時間が増加するので、ブリードが発生しやすくなる。また、塗工層を有する印刷用紙上におけるインク高さも高くなるために、形成される画像の耐擦過性も低下する。
本発明のインクジェット記録方法は、形成される画像におけるベタ部の均一性を向上させることを課題の一つとしている。そして、この課題は、画像を形成するための基本マトリクス中に、80%デューティー以上となる画像を形成する際に要求される。デューティーを算出する部分は、最小で50μm×50μmである。80%デューティー以上となる画像とは、デューティーを算出する部分のマトリクス中の格子のうち、80%以上の格子にインクが付与されて形成される画像を意味する。格子の大きさは、基本マトリクスの解像度によって決定される。例えば、基本マトリクスの解像度が1200dpi×1200dpiの場合、1つの格子の大きさは、1/1200inch×1/1200inchである。
基本マトリクスは、記録装置等により自由に設定することができる。画像を形成するための基本マトリクスの解像度は600dpi以上4800dpi以下であることが好ましく、1200dpi以上であることがさらに好ましい。基本マトリクスの解像度が4800dpiを超えると、インクの打ち込み量が増加して、画像及び文字品位が低下する場合がある。解像度は、上記の範囲内にあれば、基本マトリクスの縦と横で同一であっても異なっていてもよい。
基本マトリクスへの1種のインクの付与量は、1.0μL/cm2以下とすることが好ましい。1種のインクの付与量が1.0μL/cm2を超えると、インクの速乾性が低下してしまい、色相の異なる複数のインク同士が塗工層を有する印刷用紙上で隣接して付与された場合にインクの拡散時間が増加して、ブリードが発生しやすくなることがある。また、塗工層を有する印刷用紙上でのインク高さも高くなるために、形成される画像の耐擦過性が低下する場合がある。
基本マトリクスへのインクの総付与量は、3.0μL/cm2以下とすることが好ましい。なお、例えばブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの4色のインクを用いる場合における「インクの総付与量」とは、これら全ての色のインクの総付与量を意味する。全ての色のインクの総付与量が3.0μL/cm2を超える部分を有する画像を形成しようとすると、画像の鮮明性及びインクの速乾性が低下してしまい、高速印刷に適さなくなる場合がある。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、塗工層を有する印刷紙にインクを付与する際に、インクジェット記録用インクを加熱手段等により加熱して低粘度化させる工程を有することが好ましい。インクジェット記録用インクを加熱し、低粘度化して付与することにより、高速印字でのインクの吐出性能(リフィル特性)とインクの速乾性を向上させることができる。
(インクジェット記録装置)
次に、本発明のインクジェット記録方法で使用するインクジェット記録装置について説明する。本発明のインクジェット記録方法で好適に使用されるインクジェット記録装置は、インクを記録媒体に付与する記録ヘッドを搭載したものである。この記録ヘッドは、粘度が15mPa・s以上であり、表面張力が34mN/m以下である前述のインクを何らかの方法で吐出可能なものであれば、そのインク吐出方式は特に限定されない。
インク吐出方式としては、ポンプ又は流路内に設けた圧電素子の変形でインクに圧力を加えて吐出させる方式;インクに熱エネルギーを与えて気泡を発生させる方式;インクを帯電させて静電吸引力を利用する静電吸引方式などがある。本発明のインクジェット記録方法では、いずれの方式でインクを吐出させる記録ヘッドを備えた記録装置であっても使用することができる。また、インクを吐出させるタイミングを制御する方式としては、常にインクを吐出させ、不要分は印刷用紙に着弾する前に回収するコンティニュアス方式;印刷用紙に着弾させたいときのみインクを吐出するオンデマンド方式などがある。本発明のインクジェット記録方法では、いずれの方法でインクを吐出させるタイミングを制御する方式の記録装置であっても使用することができる。
(記録媒体)
本発明のインクジェット記録方法で使用する記録媒体は、主としてオフセット印刷やグラビア印刷等に用いられる塗工層を有する印刷用紙である。塗工層は、紙の表面の美感や平滑さを高めるために、上質紙や中質紙の表面及び/若しくは裏面に配設された塗料からなる層、又は抄紙時に形成された塗料からなる層である。
経済産業省の「工業調査統計」や日本製紙連合会「紙・板紙統計年報」の「紙・板紙の品種分類表」によると、塗工層を有する印刷用紙は「印刷・情報用紙」の中の塗工印刷用紙及び微塗工印刷用紙に分類される。前者は、1m2当り両面で15g前後から40g前後の塗料が紙の表面に塗布されて形成された塗工層を有するものである。後者は、1m2当り12g以下の塗料が紙の表面に塗布されて形成された塗工層を有するものである。さらに塗工印刷用紙は、塗料の塗布量や塗布後の表面処理の方法等で、アート紙、コート紙、軽量コート紙、その他(キャストコート紙、エンボス紙)等に分類される。また、表面の光沢感の違いで、グロス系、マット系、ダル系等に分類されることもある。本発明のインクジェット記録方法で使用する印刷用紙は、塗工層を有するこれらの印刷用紙のいずれであってもよい。
塗工層を形成するのに用いられる塗料は、主として無機材料及びこれを結着させるバインダ材からなる。代表的な無機材料は、カオリン(白土)と炭酸カルシウムである。本発明のインクジェット記録方法においては、塗工層を有する印刷用紙として以下に示す商品名の印刷用紙を用いることができる。
アート紙としては、OKウルトラアクアサテン、OK金藤、SA金藤、サテン金藤(以上、王子製紙製);ハイパーピレーヌ、シルバーダイア(以上、日本製紙製);グリーンユトリロ(大王製紙製);パールコート、ニューVマット(以上、三菱製紙製);雷鳥スーパーアート(中越パルプ製);ハイマッキンレー(五條製紙製)等を挙げることができる。コート紙としては、OKトップコート、OKトップコートダル、OKトップコートマット、OKトリニティ、OKカサブランカ(以上、王子製紙製);オーロラコート、シルバーダイア、しらおいマット(以上、日本製紙製);グリーンユトリロ(大王製紙製);パールコート、ニューVマット(以上、三菱製紙製)等を挙げることができる。
軽量コート紙としては、OKコートL(王子製紙製);オーロラL、イースターDX、ペガサス(以上、日本製紙製);ユトリロコートL(大王製紙製);パールコートL(三菱製紙製);スーパーエミネ(中越パルプ製);ドリームコート(丸住製紙製)等を挙げることができる。キャストコート紙等としては、ミラーコートプラチナ、OKクローム(以上、王子製紙製);エスプリコート(日本製紙製)、ピカソコート(大王製紙製)等を挙げることができる。また、微塗工印刷用紙としては、OKエバーライト、OKクリスタル、OKプラナスホワイト(以上、王子製紙製);ピレーヌDX、オーロラS(以上、日本製紙製)等を挙げることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載で「部」及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。また、インクの表面張力は、表面張力計(商品名「CBVP−Z」、協和界面科学製)を使用して測定した。さらに、インクの粘度は、粘度計(商品名「RE80型粘度計」、東機産業製)を使用して測定した。また、自己分散顔料のpKa値は、電位差滴定装置(商品名「798MPT Titrino」、Metruhm製)を使用して測定した。
<自己分散顔料の調製>
(自己分散顔料A)
比表面積220m2/g及びDBP吸油量160mL/100gのカーボンブラック500gを、イオン交換水3750gに加え、撹拌しながら50℃まで昇温した。その後、0.5mm径のジルコニアビーズを用いたビーズミルにより粉砕しながら、次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)4500gの水溶液を50℃で3時間かけて滴下した。さらに30分粉砕し、自己分散カーボンブラックを含有する反応液を得た。得られた反応液を分別後に水酸化カリウム水溶液で中和し、限外ろ過装置を使用して電導度が1.5mS/cmになるまで脱塩した。自己分散カーボンブラックの濃度が10%となるように調整した後、プレフィルター及び1μmフィルターを併用した系で濾過して、ラクトン基とカルボキシ基を有する、黒色の自己分散顔料Aを含有する自己分散顔料分散体を得た。
(自己分散顔料B)
自己分散顔料の水分散体である商品名「CAB−O−JET400」(キャボット製)を減圧乾固して水分を除去し、黒色の自己分散顔料Bを得た。得られた自己分散顔料BのpKaは、pH2.5(pKa1)及びpH6.1(pKa2)であった。
(自己分散顔料C)
比表面積220m2/g及びDBP吸油量105mL/100gのカーボンブラック100gと、4−アミノフタル酸45.1gとを水720gに添加してよく混合した後、硝酸16.2gを滴下して70℃で撹拌した。10分撹拌した後、水50gに亜硝酸ナトリウム10.7gを溶かして得た溶液を加え、さらに1時間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーを濾紙(商品名「東洋濾紙No.2」、アドバンティス製)を用いて濾過し、濾取した顔料粒子を十分に水洗してから90℃のオーブンで乾燥させて顔料Aを得た。得られた顔料Aをイオン交換水に濃度が10%となるように添加した後、水酸化カリウム水溶液を添加してpH7.5とした。プレフィルター及び1μmフィルターを併用した系で濾過して、カーボンブラックの表面に下記式(1)で表される親水性基が導入された黒色の自己分散顔料Cを含有する自己分散顔料分散体を得た。自己分散顔料CのpKaは、pH2.9(pKa1)及びpH5.9(pKa2)であった。
Figure 2014173082
(自己分散顔料D)
自己分散顔料の水分散体である商品名「CAB−O−JET200」(キャボット製)を減圧乾固して水分を除去し、黒色の自己分散顔料Dを得た。得られた自己分散顔料Dは、pH0〜7の範囲でpKaを有しないものであった。
(自己分散顔料E)
自己分散顔料の水分散体である商品名「CAB−O−JET470」(キャボット製)を減圧乾固して水分を除去し、イエローの自己分散顔料Eを得た。得られた自己分散顔料EのpKaは、pH2.5(pKa1)及びpH6.1(pKa2)であった。
<樹脂粒子の調製>
(樹脂粒子A)
前述の「樹脂粒子の製造例」に従い、モノマー及び乳化剤としてスチレン/アクリル酸/ドデシル硫酸ナトリウムを9/1.5/0.1の質量比で用いて重合した。その後、精製及び濃縮することにより、固形分濃度10%の樹脂粒子Aの水分散体を得た。樹脂粒子Aの平均粒子径は97nmであった。また、樹脂粒子Aを構成する樹脂の酸価は90mgKOH/g、及びガラス転移温度(Tg1)は121℃であった。
(樹脂粒子B)
前述の「樹脂粒子の製造例」に従い、モノマー及び乳化剤としてスチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸/ドデシル硫酸ナトリウムを3.0/6.0/1.5/0.1の質量比で用いて重合した。その後、精製及び濃縮することにより、固形分濃度10%の樹脂粒子Bの水分散体を得た。樹脂粒子Bの平均粒子径は148nmであった。また、樹脂粒子Bを構成する樹脂の酸価は101mgKOH/g、及びガラス転移温度(Tg2)は−3℃であった。
<インクの調製>
(実施例1〜4、比較例1〜11)
表2−1及び2−2に示す処方に従ってインクを構成する各成分(合計で100部)を混合しして1時間撹拌した後、孔径2.5μmのフィルターを用いてろ過してインクを得た。なお、表2−1及び2−2中、「水」とあるのはイオン交換水である。また、「アセチレノールEH」は、ノニオン界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。
Figure 2014173082
Figure 2014173082
<画像形成方法(1)(インクジェット記録方法)>
インクジェット記録装置を使用し、塗工層を有する印刷用紙(商品名「OKトップコート」、王子製紙製)に画像を形成した。具体的には、調製したインクBk1〜Bk13、イエローインクY1、Y2をそれぞれ充填したインクタンクをインクジェット記録装置(プリンター)のインクヘッド部に搭載した。インクジェット記録装置としては、図1に示すような、ピエゾ型ヘッド(単ノズル、商品名「IJHA」、マイクロジェット製)を6個備えたドラム固定方式のインクジェット記録装置を使用した。なお、図1及び2に示すように、記録ヘッド1〜6は、隣接する吐出口同士の間隔が21.2μm(1200dpi)ずつ横方向にずれるように配列されている。印刷用紙(記録媒体)をドラム10に貼り付け、ドラム10の回転速度と記録ヘッド1〜6の周波数を調節して、21.2μm(1200dpi)間隔で画像を形成した。また、インク吐出量は5pL(定量)に設定した。
<画像形成方法(2)(インクジェット記録方法)>
(実施例5〜7、比較例12)
表4に示す組み合わせでインクをそれぞれ充填したインクタンクをインクヘッド部に搭載したインクジェット記録装置を使用したこと以外は、前述の「画像記録方法(1)」と同様にして、塗工層を有する印刷用紙に画像を形成した。
<評価方法>
(速乾性)
印字してから30秒経過後、印字部にシルボン紙を押し付けた。シルボン紙にインクが転写した度合いを、ルーペを使用して目視観察し、以下に示す基準に従ってインクの速乾性を評価した。結果を表3に示す。
a:転写は認められない。
b:転写が僅かに認められる。
c:転写が認められる。
d:転写が多く認められる。
(耐擦過性)
印字してから5時間経過後、シルボン紙(荷重200g)で印字部を擦った。印字物及びシルボン紙を目視観察し、以下に示す基準に従って画像の耐擦過性を評価した。結果を表3に示す。
a:印字物に滲みや白地部分の汚れが認められず、シルボン紙も汚れていない。
b:印字物の白地部分に汚れが認められないが、シルボン紙がやや汚れている。
c:印字物の白地部分に汚れが僅かに認められる。
d:印字物の白地部分に汚れが多く認められる。
(ベタ均一性)
印字部を顕微鏡で観察し、以下に示す基準に従って画像のベタ均一性を評価した。結果を表3に示す。
a:ベタムラがまったく見られず、良好な画像が形成された。
b:ベタムラがわずかに見られるが、良好な画像が形成された。
c:ベタムラが多少気になり、実用上支障のある場合があった。
d:ベタムラが発生し、画質の低い画像が形成された。
(耐ブリード性)
ブラックインクとイエローインクの境界部の様子を、ルーペを使用して目視観察し、以下に示す基準に従って耐ブリード性を評価した。結果を表4に示す。
a:ブリードが認められない。
b:ブリードが僅かに認められる。
c:ブリードが認められる。
d:ブリードが多く認められる。
Figure 2014173082
Figure 2014173082

Claims (7)

  1. 粘度が15mPa・s以上であり、表面張力が34mN/m以下であるインクジェット記録用インクであって、
    水、自己分散顔料、塩、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物、第1の樹脂からなる樹脂粒子a、及び第2の樹脂からなる樹脂粒子bを含有し、
    前記自己分散顔料が、二つのpKaを有する、又はラクトン基とカルボキシ基を有するものであり、
    前記第1の樹脂のガラス転移温度Tg1が、25℃以上であり、
    前記第2の樹脂のガラス転移温度Tg2が、25℃以下であり、
    前記ガラス転移温度Tg1と前記ガラス転移温度Tg2との差が、10℃以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 2014173082
  2. 前記塩が、有機酸若しくは無機酸のアンモニウム塩、カリウム塩、セシウム塩、又はルビジウム塩である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記樹脂粒子a及び前記樹脂粒子bの平均粒子径が、いずれも80nm以上220nm以下であり、
    前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂の酸価が、いずれも25mgKOH/g以上150mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 色相の異なる2種のインクを、塗工層を有する印刷紙に対してそれぞれ0.5pL以上6.0pL以下の小液滴で付与して画像を形成するインクジェット記録方法であって、
    前記2種のインクの少なくともいずれかが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 前記2種のインクのいずれもが、前記インクジェット記録用インクである請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記画像を形成するための基本マトリクスの解像度が600dpi以上4800dpi以下である請求項4又は5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インクジェット記録用インクを加熱して低粘度化させる工程を有する請求項4乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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