JP2013176879A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

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武利 大久保
Kenichi Iida
賢一 飯田
Ikuo Nakazawa
郁郎 中澤
Atsuhito Yoshizawa
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Abstract

【課題】インク乾燥手段を設けなくとも、ビーディング及びドット内濃度ムラが抑制されるとともに、定着性に優れた画像を、塗工層を有する印刷用紙に高速に形成することが可能なインクジェット画像形成方法を提供する。
【解決手段】1滴のインクにより形成されるドットの直径が20μm以上40μm以下となるように、記録媒体に前記インクを付与して画像を形成するインクジェット画像形成方法である。インクが、水、自己分散顔料、及びガラス転移温度が25℃以下の樹脂からなる樹脂微粒子を含有するとともに、その粘度が14mPa・s以下であり、かつ、その表面張力が34mN/m以下であり、記録媒体が、塗工層を有する印刷用紙であり、ドット内の単位面積当たりの平均インク付与量が、0.09μL/cm2以上0.30μL/cm2以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット画像形成方法に関する。
インクジェット方式によりインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録技術は、専用紙に対するフォト画像の形成、或いはコピー紙に代表される普通紙に対するオフィス及び家庭向きの画像の形成を中心に発展してきた。最近では、デジタル商業印刷分野への展開も期待されている。具体的には、塗工層を有する印刷用紙に対して、オフセット印刷と同等の高い画像品位を有するとともに、耐擦過性を備えた画像を高速に記録可能な技術が要求されている。
しかしながら、塗工層を有する印刷用紙は、白度、平滑度、及び耐裏抜け性を考慮した緻密な構造を有しており、インクの吸収能力が極端に低い。このため、通常のインクジェットプリンターで塗工層を有する印刷用紙に高速に記録すると、ドット内部が薄くなってしまい、ドット内に濃度ムラを生ずるといった課題が生ずる。このような課題を解決するために、特許文献1においては、インク乾燥手段を設けたインクジェット記録装置を使用して、乾燥速度の速いインクによって画像を記録する技術が提案されている。
特開2009−226715号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術においては、インクジェット記録装置にインク乾燥手段を設けることが必須であるため、インクジェット記録装置の構成が複雑化してしまうという課題があった。また、本発明者らが検討したところ、特許文献1で提案された技術であっても、ドット内の濃度ムラ抑制や、画像の定着性向上の点で不十分である場合があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、インク乾燥手段を設けなくとも、ビーディング及びドット内濃度ムラが抑制されるとともに、定着性に優れた画像を、塗工層を有する印刷用紙に高速に形成することが可能なインクジェット画像形成方法を提供することにある。
上記の課題は、以下に示す本発明によって解決される。すなわち、本発明は、1滴のインクにより形成されるドットの直径が20μm以上40μm以下となるように、記録媒体に前記インクを付与して画像を形成するインクジェット画像形成方法であって、前記インクが、水、自己分散顔料、及びガラス転移温度が25℃以下の樹脂からなる樹脂微粒子を含有するとともに、その粘度が14mPa・s以下であり、かつ、その表面張力が34mN/m以下であり、前記記録媒体が、塗工層を有する印刷用紙であり、前記ドット内の単位面積当たりの平均インク付与量が、0.09μL/cm2以上0.30μL/cm2以下であることを特徴とするインクジェット画像形成方法である。
本発明のインクジェット画像形成方法によれば、インク乾燥手段を設けなくとも、ビーディング及びドット内濃度ムラが抑制されるとともに、定着性に優れた画像を、塗工層を有する印刷用紙に高速に形成することができる。
シリアル型記録ヘッドを有するインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。 シリアル型記録ヘッドの一例を示す模式図である。 ライン型記録ヘッドの一例を示す模式図である。 画像形成に用いたインクジェット記録装置の一部を示す模式図である。 記録ヘッドの配置状態を示す模式図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、検討の結果、ビーディング及びドット内濃度ムラに対しては、ドット内の単位面積当たりの平均インク付与量(以下、単に「ドット内平均インク付与量」とも記す)が大きく影響することを見出した。ドット内平均インク付与量は、ドットの単位面積当たりのインク付与量の平均値であり、インク液滴の容量とは異なる。このドット内平均インク付与量は、インクジェット方式で一のノズルから1回に付与されるインク液滴の量(吐出量)を、記録媒体上に形成されたドット面積で除することで算出される。ドット内平均インク付与量は、インク液滴の吐出量や、インクの構成・物性などにより制御することができる。
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクは、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂からなる樹脂微粒子が含有された、粘度が14mPa・s以下、表面張力が34mN/m以下の浸透型のインクである。このインクを使用して記録媒体(塗工層を有する印刷用紙)にインクジェット記録を行うと、インク液滴が印刷用紙に着弾後、少量の液体が速やかに印刷用紙に吸収される。さらに、樹脂微粒子は、その微粒子構造が崩れて膜化する。これにより、インク液滴の粘度が急激に上昇し、ドット内濃度ムラが抑制されると考えられる。さらに、着弾後のインク液滴内においては顔料の移動が起こりにくくなる。このため、ビーディングが抑制されるとともに、画像の耐擦過性が向上すると考えられる。
<画像形成方法>
前述の通り、ドット内平均インク付与量とは、ドットの単位面積当たりのインク付与量の平均値を意味する。ドットの面積とは、記録媒体に付与されたインク中の液体(溶剤)成分が印刷用紙に浸透し、色材(顔料)成分が記録媒体の表面に広がって形成された領域(ドット)の面積を意味する。また、ドットの面積を計算する際に必要なドットの直径とは、記録媒体に付与されたインク中の液体(溶剤)成分が印刷用紙に浸透し、色材(顔料)成分が記録媒体の表面に広がって形成された領域(ドット)の直径を意味する。なお、塗工層表面の平滑性は必ずしも良好であるとは限らない。このため、ドットの平面形状は真円形であるとは限らず、楕円形である場合が多い。ドットの平面形状が楕円形である場合におけるドットの直径は、楕円形の長径と短径の平均値とする。ドットの直径は、記録ヘッドの性能、ノズルの寸法精度、及び吐出速度などにより、ある程度ばらつく。このため、本発明においては、光学顕微鏡で観察することで、独立しているとともに、その平面形状が比較的円形に近く、かつ、サテライト(主滴から外れた小液滴)の少ないドットを20個以上選択する。そして、選択したドットの長径と短径の平均値を「ドットの直径(ドット径)」と定義する。
本発明のインクジェット画像形成方法では、1滴のインクにより形成されるドットの直径が20μm以上40μm以下となるように、記録媒体にインクを付与して画像を形成する。1滴のインクにより形成されるドットの直径が20μm未満であると、印字濃度が低下する。一方、1滴のインクにより形成されるドットの直径が40μm超であると、デジタル商業印刷において要求される画像品位を得ることができない。
ドット内平均インク付与量は、インク液滴着弾時の記録媒体上のインクの平均厚みと言い換えることもできる。本発明のインクジェット画像形成方法は、ドット内平均インク付与量が0.09μL/cm2以上0.30μL/cm2以下である。ドット内平均インク付与量が0.09μL/cm2未満であると、付与されるインクの絶対量が少ないため、ドット内濃度ムラを抑制することが困難になる。さらに、印刷用紙の塗工層の色を十分に隠蔽することができない場合があるので、画質品位が低下することがある。また、記録媒体へのインクの浸透が不十分となり、形成される画像の耐擦過性が低下する場合もある。一方、ドット内平均インク付与量が0.3μL/cm2超であると、インクの絶対量が多いため、記録媒体へのインクの浸透に時間がかかってしまい、高速定着性が損なわれる。また、複数のインク液滴が紙面上で接触して着弾しやすくなるので、ビーディングの抑制が困難になる場合がある。
本発明のインクジェット画像形成方法においては、ドット径とドット内平均インク付与量がいずれも前述の条件を満たしていれば、印刷用紙上に付与するインクの液滴量(インク吐出量)については特に限定されない。ただし、インク吐出量は0.6pL以上3.0pL以下とすることが好ましく、0.8pL以上2.8pL以下とすることがさらに好ましく、1.0pL以上2.6pL以下とすることが特に好ましい。
ビーディングは、複数のインク液滴が液体状態で紙面上において接触することにより一体化し、所望の面積諧調ができなくなる現象である。このため、印字デューティーが20%以上となるようなドット表現が密となる部分で生じやすい。インクを分割して付与するマルチパス方式により画像形成する場合には、ビーディングは生じにくい。しかしながら、いわゆる1パス方式により画像形成する場合には、ビーディングは生じやすい。このため、本発明のインクジェット画像形成方法においては、1パス方式で画像形成(印字)する場合に特に効果が大きい。
「1パス」とは、記録媒体の所定領域に画像を形成する際、記録ヘッドがこの所定領域を走査(通過)する回数が1回であることを意味する。この所定領域は、記録ヘッドの幅と実質的に等しい。本発明のインクジェット画像形成方法を実施するための好適な記録装置の具体例としては、シリアル型プリンター(図1及び2参照)、及びライン型プリンター(図3参照)を挙げることができる。例えば、シリアル型プリンターを使用した場合には、インクを吐出する記録ヘッドが主走査方向(図2中の矢印方向)に移動しながら画像が形成される。記録ヘッドが印刷用紙の端まで達すると、記録した画像分の幅だけ副走査方向に紙送りされる。その後、記録ヘッドが主走査方向に再度移動しながら画像が形成される(図2参照)。
また、本発明においては、1パスで線画像を形成する限りインクを分割して付与してもよい。すなわち、記録ヘッドに含まれる二以上のノズル列から同色又は異色のインクを分割して付与することができる。このようにインクを分割して付与する場合であっても、インク液滴同士の干渉が抑制され、ビーディングを抑制することができる。インクを複数に分割して付与する場合は、1回目の付与から最後の付与までの時間差は200msec以下にすることが好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著に発揮されることになる。なお、1回目の付与から最後の付与までの時間差を200msec超にすると、本発明のインクジェット画像形成方法の構成を採用しない場合であっても、ビーディングを抑制できる場合がある。
<インク>
(色材)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクに含有させる色材は、自己分散顔料である。自己分散顔料としては、アニオン性自己分散顔料が好ましい。アニオン性自己分散顔料は、アニオン性樹脂分散型の顔料と比較して、顔料に直接結合したアニオン性官能基が印刷用紙の塗工層と相互作用を生じやすい。このため、ドット内濃度ムラが生じにくい。また、水溶性の樹脂を含有させる必要がないため、着弾後に水との固液分離が進みやすく、耐擦過性に優れた画像を形成可能となるために好適である。なお、アニオン性官能基とは、pH7.0において半数以上の水素イオンが解離しうる官能基を意味する。アニオン性官能基の具体例としては、カルボキシル基、スルホ基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。なかでも、ドット内濃度ムラ抑制の観点から、アニオン性官能基としてはカルボキシル基又はホスホン酸基が好ましい。
複数色のインクを用いて画像を形成する際のインクセットとしては、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローが基本となる。なお、このインクセットにレッド、ブルー、グリーン、グレー、淡シアン、及び淡マゼンタなどを追加してもよい。追加するインクに含まれる顔料も、自己分散顔料であることが好ましい。
自己分散顔料は、通常、顔料表面に直接又は他の原子団を介してアニオン性官能基などの水溶性官能基を導入し、分散剤を必須とせずに分散安定化させた顔料である。分散安定化させる前の顔料としては、例えば、国際公開第2009/014242号に列挙されているような、従来公知の様々な顔料を用いることができる。
顔料の表面にアニオン性官能基を導入する方法としては、例えば、カーボンブラックを酸化処理する方法などを挙げることができる。酸化処理する方法の例としては、次亜塩素酸塩、オゾン水、過酸化水素、亜塩素酸塩、硝酸等により処理する方法を挙げることができる。なかでも、画像ムラ抑制の観点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いてカーボンブラックの表面を酸化処理して得られる自己分散カーボンブラックが好ましい。また、酸化処理する方法の他の例としては、特許第3808504号公報、特表2009−515007号公報、及び特表2009−506196号公報に記載されているようなジアゾニウム塩を用いる表面処理方法を挙げることができる。アニオン性官能基などの水溶性(親水性)官能基が表面に導入された市販の顔料の具体例としては、以下商品名で、CW−1、CW−2、CW−3(以上、オリヱント製);CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET400(キャボット製)などを挙げることができる。なお、上記のCW−2及びCAB−O−JET300は、アニオン性官能基として一定以上の割合で電離したカルボキシル基を有するとともに、対イオンとしてナトリウムイオンを有する自己分散カーボンブラックである。すなわち、これらは−COONaを有するカーボンブラックである。その他、表面処理によって導入される官能基の具体例としては、−SO3H、−SO2H、及び−P(=O)(OH)2などを挙げることができる。これらの官能基は水媒体中で一定以上の割合で電離している。このため、電荷の反発作用により顔料粒子が安定的に分散している。対イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンなどのアルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミンなどのアミン類に由来するイオンを挙げることができる。対イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、アンモニウムイオンが好ましく、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、アンモニウムイオンがさらに好ましい。自己分散顔料の対イオンを所望とする対イオンに変換する方法としては、例えば、自己分散顔料のアニオン性官能基量を超える量の対イオンを生じうる塩を自己分散顔料に添加する方法がある。また、特許第4001922号公報及び特開平11−222573号公報に記載されているような、目的とする対イオンを含有する水溶液の添加と、脱塩とを繰り返すことにより、対イオンを交換する方法(イオン交換法)がある。
自己分散顔料の平均粒子径は40nm以上であることが好ましく、60nm以上であることがさらに好ましく、70nm以上であることが特に好ましい。また、自己分散顔料の平均粒子径は140nm以下であることが好ましく、130nm以下であることがさらに好ましく、120nm以下であることが特に好ましい。自己分散顔料の平均粒子径は、レーザ光の散乱を利用する測定方法により測定することができる。具体的には、商品名「FPAR−1000」(大塚電子製、キュムラント法解析)、商品名「ナノトラックUPA 150EX」(日機装製、50%の積算値の値とする)などを使用して測定することができる。なお、本発明における自己分散顔料の平均粒子径は、散乱平均粒子径で定義される物性値であり、液中での動的光散乱法により求められる。
必要に応じて二種類以上の顔料を組み合わせて一のインク中に含有させることができる。自己分散顔料のインク中への添加量は、十分な発色性を得るためにはインク全量に対して0.5質量%以上とすることが好ましく、1質量%以上とすることがさらに好ましく、1.5質量%以上とすることが特に好ましい。また、過剰量の顔料を含有するインクを用いた場合には、画像の光沢性が低下することがある。画像の光沢性を向上させるためには、ドットの高さを抑制することが好ましい。このため、顔料濃度は8質量%以下とすることが好ましく、6質量%以下とすることがさらに好ましく、5質量%以下とすることが特に好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクには、必須成分として水が含有される。インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上であることが好ましく、95質量%以下であることがさらに好ましい。また、水と水溶性化合物とを併用して水性媒体とすることが好ましい。ここで、本明細書における水溶性化合物とは、水との20質量%濃度の混合液が、水と相分離せずに混ざり合う親水性の高い化合物を意味する。なお、記録ヘッドの吐出口の目詰まり防止の観点から、過度に蒸発しやすいものは水溶性化合物としては好ましくない。このため、20℃における水溶性化合物の蒸気圧は0.04mmHg以下であることが好ましい。
インクには、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上の水溶性化合物が含有されることが好ましい。また、紙種によっては、下記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物と、0.37以上の水溶性化合物とを併有したインクを用いることが好ましい。親疎水度係数が0.37以上の疎水性の水溶性化合物を併用したインク組成にすることで、ドット内濃度ムラがさらに抑制されるとともに、水の蒸発が促進されることで画像の耐擦過性がさらに向上する。
Figure 2013176879
上記式(A)中の水分活性値は、
水分活性値=(水溶液の水蒸気圧)/(純水の水蒸気圧)
で表わされる。水分活性値は様々な方法によって測定することができ、いずれの測定方法であってもよい。なかでも、チルドミラー露点測定法が好適である。本明細書における水分活性値は、商品名「アクアラブCX−3TE」(DECAGON製)を使用し、チルドミラー露点測定法により水溶性化合物の20質量%水溶液(25℃)について測定した値である。
ラウールの法則に従えば、希薄溶液の蒸気圧の降下率は溶質のモル分率に等しく、溶媒及び溶質の種類に無関係であるので、水溶液中の水のモル分率と水分活性値は等しくなる。しかし、各種水溶性化合物の水溶液の水分活性値を測定すると、水分活性値は、水のモル分率と一致しないものも多い。
水溶液の水分活性値が水のモル分率より低い場合は、水溶液の水蒸気圧が理論計算値より小さいこととなり、水の蒸発が溶質の存在によって抑制されている。このことから、溶質は水和力の大きい物質であることがわかる。逆に、水溶液の水分活性値が水のモル分率より高い場合は、溶質が水和力の小さい物質と考えられる。
本発明者らは、インクに含有される水溶性化合物の親水性又は疎水性の程度が、自己分散顔料と水性媒体との固液分離の推進に及ぼす影響、及び各種インク性能に及ぼす影響が大きい点に着眼した。本発明者らは、このような着眼点に基づき、上記式(A)で表される親疎水度係数を定義した。水分活性値は、一律20質量%の濃度で、各種水溶性化合物の水溶液を用いて測定される。そして、上記式(A)で換算することによって、溶質の分子量が相違して水のモル分率が異なる場合であっても、水溶性化合物の親水性又は疎水性の程度を相対的に比較することが可能である。なお、水溶液の水分活性値が1を超えることはないので、親疎水度係数の最大値は1である。上記式(A)によって算出される各種水溶性化合物の親疎水度係数を表1に示す。ただし、水溶性化合物は表1に記載のものに限定されない。
Figure 2013176879
インクジェット記録用インクとしての適性を有する各種の化合物の中から、目的とする親疎水度係数を有する水溶性化合物を選択して用いることが好ましい。ビーディング及びドット内濃度ムラをさらに抑制するとともに、定着性をさらに向上させる観点から、親疎水度係数が0.26以上の親水的傾向の小さい水溶性化合物が好ましい。なかでも、水溶性化合物としては、親水性基が結合している炭素原子の数が、親水性基が結合していない炭素原子の数以下である、グリコール構造を有する化合物が好ましい。このような水溶性化合物は、水や自己分散顔料との親和性は比較的小さいが、印刷用紙の塗工層との親和性は高いと考えられる。このため、インク液滴が印刷用紙に着弾すると、このような水溶性化合物は速やかに塗工層に吸収されて、画像が高速定着する傾向にある。
上記式(A)で定義される親疎水度係数が0.26以上0.37未満の水溶性化合物としては、トリメチロールプロパンが特に好ましい。また、親疎水度係数が0.37以上の水溶性化合物としては、炭素数4〜7のグリコール構造を有する化合物が好ましい。なかでも、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。1,2−ヘキサンジオールは、その水分活性値が0.37以上であるとともに、20℃における蒸気圧が5.3Pa以下であるために特に好ましい。インク中の水溶性化合物の含有量は、インク全質量に対して5.0質量%以上であることが好ましく、6.0質量%以上であることがさらに好ましく、7.0質量%以上であることが特に好ましい。また、インク中の水溶性化合物の含有量は、インク全質量に対して40.0質量%以下であることが好ましく、35.0質量%以下であることがさらに好ましくは、30.0質量%以下であることが特に好ましい。
(樹脂微粒子)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクには、樹脂微粒子が含有される。この樹脂微粒子は、そのガラス転移温度が25℃以下の樹脂により構成されている。このような樹脂微粒子を含有するインクを用いることで、ビーディング及びドット内濃度ムラが抑制されるとともに、定着性及び耐擦過性に優れた画像を形成することができる。樹脂のガラス転移温度(Tg)を25℃以下に限定したのは、室内環境の平均温度が概ね25℃であることを想定したためである。ガラス転移温度が25℃を超える樹脂からなる樹脂微粒子を用いた場合には、吐出されたインク液滴が印刷用紙に着弾した後も樹脂微粒子の粒子構造が崩れず、膜化も起こらない。すなわち、インク液滴の急激な粘度上昇も生じないため、ビーディングを抑制することができず、画像の定着性も低下する。樹脂のガラス転移温度は15℃以下であることが好ましい。また、樹脂のガラス転移温度は−60℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがさらに好ましい。樹脂のガラス転移温度が−60℃未満であると、形成される膜の強度が低すぎる場合がある。なお、樹脂のガラス転移温度は、通常の方法に従って測定することができる。具体的には、示差走査熱量計(DSC)などの熱分析装置を用いて測定することができる。
樹脂微粒子は、水系媒体に良好に分散するものであることが好ましい。樹脂微粒子を構成する樹脂は、親水性アクリル系樹脂又は親水性ウレタン系樹脂が好ましい。親水性アクリル系樹脂は、アクリルモノマーと、共重合可能なその他のモノマーとを共重合して得られる共重合体である。アクリルモノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー、重合可能な二重結合を二以上有する架橋性アクリル系モノマーなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などを挙げることができる。不飽和スルホン酸モノマーの具体例としては、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル類を挙げることができる。
メタクリル酸エステルモノマーの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートなどを挙げることができる。
重合可能な二重結合を二以上有する架橋性アクリル系モノマーの具体例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどのジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどのテトラアクリレート化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのヘキサアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;メチレンビスアクリルアミドなどを挙げることができる。
また、アクリルモノマーと共重合可能なモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;ブタジエン、クロロプレンなどのジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドンなどのビニル単量体類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有単量体類;スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸モノマー類を挙げることができる。
樹脂の重量平均分子量は、インクの吐出特性、印字濃度、及び耐擦過性の観点から、100,000以上50,000,000以下であることが好ましい。また、樹脂の重量平均分子量は200,000以上であることがさらに好ましく、250,000以上であることが特に好ましい。また、樹脂の重量平均分子量は10,000,000以下であることがさらに好ましく、8,000,000以下であることがさらに好ましい。樹脂の重量平均分子量が100,000未満であると、形成される画像の耐擦過性が低下する場合がある。一方、樹脂の重量平均分子量が50,000,000超であると、インクの吐出特性が損なわれる場合がある。
樹脂微粒子は、例えば、樹脂微粒子が溶媒中に分散した樹脂エマルションの状態でインクに配合される。インク中の樹脂エマルションの含有量は、インク全質量に対して、固形分換算で0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂エマルションの含有量が固形分換算で0.1質量%未満であると、画像の定着性が不十分になる場合がある。一方、樹脂エマルションの含有量が固形分換算で10.0質量%超であると、自己分分散顔料の分散安定性が低下する場合がある。
(塩)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクには、塩を含有させることが好ましい。塩を含有するインクを用いることで、自己分散顔料の析出及び凝集を促進させて、ドット内濃度ムラをより改善することができる。塩としては、有機酸及び/又は無機酸から構成される水溶性の塩を用いることができる。なお、塩はインク中で解離し、イオンとして存在しているが、本明細書においては便宜上「塩を含有する」と表現する。
有機酸は、炭素原子から構成される分子構造を有し、その分子内にカルボキシル基、ホスホン酸基、又はスルホン基等の、中性付近のpHにおいて水素イオンが解離する官能基を一以上有する酸である。有機酸の具体例としては、クエン酸、コハク酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、タルトロン酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸などのアルキルカルボン酸;安息香酸、フタル酸、トリメット酸などのアリールカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸を挙げることができる。なかでも、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの水溶性のアルキルカルボン酸;コハク酸、酒石酸などの複数のカルボキシル基を有するアルキルカルボン酸;フタル酸、トリメット酸などの複数のカルボキシル基を有するアリールカルボン酸が好ましい。これらの有機酸を用いて得られる塩を含有するインクを使用することで、画像の光学濃度を高めるとともに、ノズルの目詰まりを防止することができる。
無機酸は、塩酸、硝酸、硫酸、炭酸、及びリン酸などの鉱酸である。なかでも、硫酸、炭酸、又はリン酸が好ましい。これらの無機酸を用いて得られる塩を含有するインクを使用することで、画像の光学濃度を高めるとともに、ノズルの目詰まりを防止することができる。
有機酸や無機酸の対イオンとしては、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウム、及び有機アンモニウムなどが好ましい。アルカリ金属の具体例としては、Li、Na、K、Rb、及びCsなどを挙げることができる。有機アンモニウムの具体例としては、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、モノヒドロキシメチル(エチル)アミン、ジヒドロキシメチル(エチル)アミン、トリヒドロキシメチル(エチル)アミンなどが挙げられる。なかでも、アンモニウム、K、Rb、及びCsが特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクには、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤を含有させることで、よりバランスのよいインクの吐出安定性を得ることができる。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましい。また、ノニオン系界面活性剤のなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやアセチレングリコールなどのエチレンオキサイド付加物が好ましい。これらのノニオン系界面活性剤のHLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)は、10以上である。インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上とすることが好ましく、0.2質量%以上とすることがさらに好ましくは、0.3質量%以上とすることが特に好ましい。また、インク中の界面活性剤の含有量は、インク全質量に対して5.0質量%以下とすることが好ましく、4.0質量%以下とすることがさらに好ましく、3.0質量%以下とすることが特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクには、インクの物性値を調整などの目的のために、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。添加剤の具体例としては、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、浸透剤などを挙げることができる。
(表面張力)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクの表面張力は、34mN/m以下であり、好ましくは33mN/m以下、さらに好ましくは32mN/m以下である。また、インクの表面張力は20mN/m以上であることが好ましく、23mN/m以上であることがさらに好ましく、26mN/m以上であることが特に好ましい。表面張力が上記の範囲にあるインクを用いることで、ビーディング及びドット内濃度ムラが抑制されるとともに、定着性及び耐擦過性に優れた画像を高速に形成可能であるといった本発明の効果が最大限に発揮される。インクの表面張力が34mN/m超であると、印刷用紙の塗工層に対してインク液滴が濡れにくくなり、塗工層中への液体成分の吸収速度が遅くなって画像の定着性が低下する。なお、インクの表面張力は垂直平板法によって測定された値である。インクの表面張力を測定する測定装置の具体例としては、商品名「CBVP−Z」(協和界面科学製)などを挙げることができる。
(粘度)
本発明のインクジェット画像形成方法で用いるインクの粘度は14mPa・s以下であり、好ましくは10mPa・s以下、さらに好ましくは6mPa・sである。粘度が上記の範囲にあるインクを用いることで、インクジェットプリンターなどの記録装置の記録ヘッドからインク液滴を高周波数で容易に吐出することが可能となる。このため、高速で印刷する本発明のインクジェット画像形成方法への適用が容易になる。
<記録装置>
本発明のインクジェット画像形成方法で好適に使用される記録装置は、インクを印刷用紙に吐出して付与する記録ヘッドを搭載したものである。記録ヘッドは、前述のインクを吐出させることが可能なものであれば、そのインク吐出方式は特に限定されるものではない。インク吐出方式としては、ポンプ又は流路内に設けた圧電素子の変形でインクに圧力を加えて吐出させる方式;インクに熱エネルギーを与えて気泡を発生させる方式;インクを帯電させて静電吸引力を利用する静電吸引方式などがある。本発明のインクジェット画像形成方法では、いずれの方式でインクを吐出させる記録ヘッドを備えた記録装置であっても使用することができる。また、インクを吐出させるタイミングを制御する方式としては、常にインクを吐出させ、不要分は印刷用紙に着弾する前に回収するコンティニュアス方式;印刷用紙に着弾させたいときのみインクを吐出するオンデマンド方式などがある。本発明のインクジェット画像形成方法では、いずれの方法でインクを吐出させるタイミングを制御する方式の記録装置であっても使用することができる。
図1は、シリアル型記録ヘッドを有するインクジェット記録装置の一例を示す模式図である。キャリッジ20には、インクジェット記録方式で吐出を行う記録ヘッドが搭載されている。記録ヘッドは、複数のインク吐出口211〜215を備える。記録ヘッドの1回の走査でインクを付与する態様としては、一つのノズル列(インク吐出口)から一色のインクを吐出する態様と、複数のノズル列から一色又は複数色のインクを吐出する態様とがある。インクカートリッジ221〜225は、記録ヘッドと、インク吐出口211〜215と、これらにインクを供給するためのインクタンクとを備える。濃度センサ40は反射型の濃度センサであり、キャリッジ20の側面に設置された状態で印刷用紙24に記録されたテストパターンの濃度を検出する。制御信号などは、フレキシブルケーブル23を介して記録ヘッドへと転送される。
塗工層を有する印刷用紙24は、不図示の搬送ローラを経て排紙ローラ25に挟持され、搬送モータ26の駆動に伴い矢印方向(副走査方向)に搬送される。ガイドシャフト27及びリニアエンコーダ28により、キャリッジ20は案内支持されている。キャリッジ20は、キャリッジモータ30の駆動により、駆動ベルト29を介して、ガイドシャフト27に沿って主走査方向に往復運動する。記録ヘッドの内部(液路)には、インク吐出用の熱エネルギーを発生する発熱素子(電気・熱エネルギー変換体)、又はピエゾ素子(電気・圧力変換体)が設けられている。リニアエンコーダ28の読みとりタイミングに伴い、発熱素子又はピエゾ素子を記録信号に基づいて駆動させ、印刷用紙24上にインク液滴を吐出し、付着させて画像を形成する。
記録領域外に配置されたキャリッジ20のホームポジションには、キャップ311〜315を有する回復ユニット32が設置されている。記録しないときには、キャリッジ20をホームポジションに移動させて、インク吐出口211〜215をそれぞれに対応するキャップ311〜315で密閉する。これにより、液体成分の蒸発に起因するインクの固着、又は塵埃などの異物の付着による目詰まりなどを防止することができる。また、キャップによるキャッピング機能は、記録頻度の低いインク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消するために利用される。具体的には、キャップは、インク吐出口の吐出不良防止のための空吐出に利用される。さらに、キャップは、不図示のポンプによりインク吐出口からインクを吸引して吐出不良を起こしたインク吐出口の吐出回復に利用される。
インク受け部33は、記録ヘッドが記録動作直前にその上部を通過する時に、予備的に吐出されたインク液滴を受容する役割を有する。また、キャップ311〜315に隣接した位置に不図示のブレードや拭き部材を配置することにより、インク吐出口211〜215をクリーニングすることが可能である。記録ヘッドの回復手段や、その他の予備的な手段などを記録装置の構成に付加することは、記録動作を安定化させることができるために好ましい。具体的には、記録ヘッドにキャッピング手段、クリーニング手段、加圧若しくは吸引手段、又は電気熱変換体、その他の加熱素子、若しくはこれらを組み合わせた予備加熱手段などを記録装置の構成に付加することが好ましい。また、記録のための吐出以外の吐出を行う予備吐出モードを備えることも、記録動作を安定化させるために有効である。さらに、インクタンクが一体的に配設されたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。また、記録装置の本体に装着されることで、記録装置の本体との電気的な接続や記録装置からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
図2は、シリアル型記録ヘッドの一例を示す模式図である。図2においては、図1に示したインク吐出口211〜215を備えた記録ヘッドが示されている。なお、図2中、記録ヘッドの走査方向(記録走査方向)は矢印で示した方向である。記録ヘッドは、記録走査方向と略直行する方向に配列した複数のインク吐出口211〜215を備える。記録ヘッドは、記録走査方向へと移動走査しながら、それぞれの吐出口より所定のタイミングでインク液滴を吐出する。これにより、印刷用紙には、インク吐出口(ノズル列)の配列密度に応じた記録解像度で画像が形成される。なお、記録ヘッドは、記録走査方向と、記録走査方向の逆方向のいずれで記録動作を行ってもよい。
記録装置としては、印刷用紙の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを備えたフルラインタイプの記録装置を使用することもできる。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、例えば、目的とする長さになるようにシリアルタイプの記録ヘッドを千鳥状又は並列に配列させて長尺化した構成のものを挙げることができる。あるいは、図3に示すような、当初より長尺化したインク吐出口216〜220(ノズル列)が一体的に形成された1個の記録ヘッドであってもよい。
<記録媒体>
本発明のインクジェット画像形成方法で使用する記録媒体は、主としてオフセット印刷やグラビア印刷などに用いられる塗工層を有する印刷用紙である。塗工層は、紙の表面の美感や平滑さを高めるために、上質紙や中質紙の表面及び/若しくは裏面に配設された塗料からなる層、又は抄紙時に形成された塗料からなる層である。
経済産業省の「工業調査統計」や日本製紙連合会「紙・板紙統計年報」の「紙・板紙の品種分類表」によると、塗工層を有する印刷用紙は「印刷・情報用紙」の中の塗工層を有する印刷用紙及び微塗工印刷用紙に分類される。前者は、1m2当り両面で15g前後から40g前後の塗料が紙の表面に塗布されて形成された塗工層を有するものである。後者は、1m2当り12g以下の塗料が紙の表面に塗布されて形成された塗工層を有するものである。さらに塗工印刷用紙は、塗料の塗布量や塗布後の表面処理の方法などで、アート紙、コート紙、軽量コート紙、その他(キャストコート紙、エンボス紙)などに分類される。また、表面の光沢感の違いで、グロス系、マット系、ダル系などに分類されることもある。本発明のインクジェット画像形成方法で使用する印刷用紙は、塗工層を有するこれらの印刷用紙のいずれであってもよい。
印刷用紙は、その全体を蛍光X線分析(XRF)法により測定した場合に、炭素及び酸素以外のその他の元素の含有率が10.0質量%以上であることが好ましい。また、炭素及び酸素以外のその他の元素に占める、カルシウムの比率が5.0質量%以上であることが好ましい。このような印刷用紙を使用することで、前述のインクとの相互作用によって顔料の凝集速度が向上し、画像ムラが低減する。なお、上述のXRF法によれば、膜厚100μm程度の紙であれば、試料(紙)を試料台に固定してX線を照射するだけで、再現性よく各種元素の存在量を測定することができる。XRF法では、その測定原理から、水素、ヘリウム、リチウム、及びウラン以上の超重元素を検出することはできない。ただし、ヘリウム、リチウム、及びウラン以上の超重元素が無視できない比率で紙に存在することはほぼあり得ない。したがって、紙をXRFで分析して得られた元素比率は、実質的には紙を構成する全元素から水素を除いたものに占める割合といってよい。
現在の印刷の主流は、油系インキを用いたオフセット印刷である。このため、塗工層はインクに含有される色材や液体成分(特に親水性の液体成分)が内部に浸透しにくい構造を有する。したがって、平均細孔直径が0.1μm以下、及び細孔容積が0.3mL/g以下の細孔が形成された塗工層を有する印刷用紙を用いることが好ましい。
本発明のインクジェット画像形成方法においては、塗工層を有する印刷用紙として以下に示す商品名の印刷用紙を用いることができる。
アート紙としては、OKウルトラアクアサテン、OK金藤、SA金藤、サテン金藤(以上、王子製紙製);ハイパーピレーヌ、シルバーダイア(以上、日本製紙製);グリーンユトリロ(大王製紙製);パールコート、ニューVマット(以上、三菱製紙製);雷鳥スーパーアート(中越パルプ製);ハイマッキンレー(五條製紙製)などを挙げることができる。コート紙としては、OKトップコート、OKトップコートダル、OKトップコートマット、OKトリニティ、OKカサブランカ(以上、王子製紙製);オーロラコート、シルバーダイア、しらおいマット(以上、日本製紙製);グリーンユトリロ(大王製紙製);パールコート、ニューVマット(以上、三菱製紙製)などを挙げることができる。
軽量コート紙としては、OKコートL(王子製紙製);オーロラL、イースターDX、ペガサス(以上、日本製紙製);ユトリロコートL(大王製紙製);パールコートL(三菱製紙製);スーパーエミネ(中越パルプ製);ドリームコート(丸住製紙製)などを挙げることができる。キャストコート紙などとしては、ミラーコートプラチナ、OKクローム(以上、王子製紙製);エスプリコート(日本製紙製)、ピカソコート(大王製紙製)などを挙げることができる。また、微塗工印刷用紙としては、OKエバーライト、OKクリスタル、OKプラナスホワイト(以上、王子製紙製);ピレーヌDX、オーロラS(以上、日本製紙製)などを挙げることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の記載で「部」及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。また、インクの表面張力は、表面張力計(商品名「CBVP−Z」、協和界面科学製)を使用して測定した。さらに、インクの粘度は、粘度計(商品名「RE80型粘度計」、東機産業製)を使用して測定した。
<親水性樹脂エマルションAの製造>
スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸を3.0/6.0/1.5(質量比)、ドデシル硫酸ナトリウムを0.25(質量比)、及び開始剤として過硫酸カリウム(Sigma−Aldrich製)を用いて、常法に従って重合した。重合後、水酸化カリウム(KOH)水溶液で中和し、精製及び濃縮することで固形分濃度10%の親水性樹脂エマルションAを得た。得られた親水性樹脂エマルションAのpHは8.5に調整した。親水性樹脂エマルションAに含まれる樹脂微粒子の平均粒子径(D50)は122nmであった。また、樹脂微粒子を構成する樹脂の酸価は101mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は−3℃であった。
<親水性樹脂エマルションBの製造>
スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸を7.0/2.0/1.5(質量比)用いたこと以外は、前述の「親水性樹脂エマルションAの製造」と同様にして固形分濃度10質量%の親水性樹脂エマルションBを得た。得られた親水性樹脂エマルションBのpHは8.5に調整した。親水性樹脂エマルションBに含まれる樹脂微粒子の平均粒子径(D50)は130nmであった。また、樹脂微粒子を構成する樹脂の酸価は100mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
<インク(インク1〜18)の調製>
インクを構成する各成分を表2−1及び2−2に示す組成(合計:100部)で混合した後、1時間撹拌した。次いで、孔径2.5μmのフィルターでろ過してインクを得た。なお、表2−1及び2−2中の「水」はイオン交換水であり、「アセチレノールEH」はノニオン界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、表2−1及び2−2中の「顔料種」としては、以下に示す各種のアニオン性自己分散顔料の水分散体を用いた。
・CW−1S:オリヱント化学工業製のブラック顔料(商品名「BONJET BLACK CW−1S」)
・COJ400:キャボット製のブラック顔料(商品名「CAB−O−JET400」)
Figure 2013176879
Figure 2013176879
<画像形成方法I(実施例1及び2、比較例1及び2)>
調製したインク1〜4及び記録装置Aを使用し、塗工層を有する印刷用紙(商品名「OKトップコート」、王子製紙製)に画像を形成した。具体的には、インクを充填したインクタンクを記録装置(プリンター)のブラックインクヘッド部に搭載した。次いで、1200dpi×1200dpi相当で、duty10%とduty20%の均一な印字パターンを使用して画像を印刷した。なお、すべて1パスで目的の画像を印刷した。記録装置、使用したインク、ドット径、ドット内平均インク付与量、及び画像の評価結果を表3に示す。また、使用した記録装置の種類を以下に示す。
(記録装置)
・記録装置A:商品名「PIXUS iP480」(キヤノン製、記録ヘッド:9吐出口列×512ノズル、インク吐出量:1.0pL(定量)、記録密度:9600dpi(横)×2400dpi(縦))
・記録装置B:圧搾方式のピエゾ単一ノズルヘッド(開口直径:8μm、インク吐出量1.0pL(定量))を6個備えたドラム固定方式のインクジェット記録装置である。図4及び5に示すように、記録ヘッド1〜6は、隣接する吐出口同士の間隔が10.6μm(2400dpi)ずつ横方向にずれるように配列されている。なお、記録媒体をドラム10に貼り付け、ドラム10の回転速度と記録ヘッド1〜6の周波数を調節して、10.6μm(2400dpi)間隔で画像を形成した。
・記録装置C:記録装置Aを改良してインク吐出量を0.5pL(定量)としたもの。
・記録装置D:記録装置Aを改良してインク吐出量を0.6pL(定量)としたもの。
・記録装置E:商品名「BJF950」(キヤノン製、インク吐出量:2.0pL(定量))
・記録装置F:商品名「PIXUS PRO 9500」(キヤノン製、インク吐出量:3.0pL(定量))
・記録装置G:商品名「PIXUS6500i」(キヤノン製、インク吐出量:5.0pL(定量))
(ドット径の測定)
duty10%のドットパターン部分を光学顕微鏡で目視観察し、独立しているとともに、比較的円形に近く、かつ、サテライト(主滴から外れた小液滴)の少ないドットを20個選択して長径と短径を測定した。そして、測定したドットの長径と短径の平均値を「ドット径」とした。
<画像の評価方法>
(ドット内濃度ムラ)
印刷した画像(ドット画像)を光学顕微鏡で目視観察し、以下に示す評価基準に従ってドット内濃度ムラを評価した。なお、以下に示す評価基準においては、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
A:ドット内濃度ムラがまったく認められず、良好な画像が形成された。
B:ドット内濃度ムラが僅かに認められるが、良好な画像が形成された。
C:ドット内濃度ムラが発生し、画質の低い画像が形成された。
(ビーディング)
duty20%のドットパターン部分を光学顕微鏡で目視観察し、任意の視野内における全てのドットのうち、隣接するドット同士が重なり合って形成されたドットについて、以下に示す評価基準に従ってビーディングを評価した。なお、以下に示す評価基準においては、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
A:隣接するドット同士がそれぞれ単独のドット形状を維持している。
B:隣接するドット同士が僅かに融合している。
C:隣接するドット同士が融合してほぼ一体化している。
(定着性)
ベタ画像を印刷してから20秒経過後、360gの重りを載せたシルボン紙によりベタ画像を1回擦過した。ベタ画像のインクの退色の度合いを目視観察し、以下に示す評価基準に従って定着性を評価した。なお、以下に示す評価基準においては、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
A:退色は認められず、シルボン紙も汚れていない。
B:退色が僅かに認められる。
C:退色がはっきりと認められる。
Figure 2013176879
表3に示すように、ガラス転移温度が−3℃の樹脂からなる樹脂微粒子を含有するインク1を使用した場合には、ドット内濃度ムラ及びビーディングが抑制されるとともに、定着性に優れた画像を記録することができた(実施例1)。さらに、塩を添加したインク2を使用した場合には、ドット内濃度ムラの発生をさらに抑制することが可能であった(実施例2)。一方、ガラス転移温度が58℃の樹脂からなる樹脂微粒子を含有するインク3を使用した場合には、画像の定着性が顕著に低下した(比較例1)。さらに、樹脂微粒子を含有しないインク4を使用した場合には、ドット内濃度ムラが抑制されず、画像の定着性も顕著に低下した(比較例2)。
<画像形成方法II(実施例3〜5、比較例3及び4)>
調製したインク5〜9及び記録装置Bを使用したこと以外は、前述の「画像形成方法(I)」と同様にして画像を形成(印刷)した。記録装置、使用したインク、ドット径、ドット内平均インク付与量、及び画像の評価結果を表4に示す。
Figure 2013176879
表4に示すように、高粘度のインク8を使用した場合には、画像は定着性が悪化した(比較例3)。また、表面張力が高いインクを使用して記録した画像は、ビーディングが抑制されず、定着性が顕著に低下した(比較例4)。
<画像形成方法III(実施例6〜12、比較例5及び6)>
調製した10及び11と記録装置A及びC〜Gを使用したこと以外は、前述の「画像形成方法(I)」と同様にして画像を形成(印刷)した。記録装置、使用したインク、ドット径、ドット内平均インク付与量、及び画像の評価結果を表5に示す。
Figure 2013176879
表5に示すように、所定のドット内平均インク付与量とした場合には、ドット内濃度ムラ及びビーディングが抑制されるとともに、定着性に優れた画像を記録することができた(実施例6〜12)。特に、ドット内平均インク付与量を0.1〜0.2μL/cm2の範囲とした場合には、ビーディングをさらに抑制することができた(実施例6〜8及び12)。一方、ドット内平均インク付与量が多すぎた場合には、ビーディングが抑制されず、画像の定着性が低下した(比較例5)。また、ドット内平均インク付与量が少なすぎた場合には、ドット内濃度ムラが抑制されなかった(比較例6)。
1〜6:記録ヘッド
10:ドラム
20:キャリッジ
23:フレキシブルケーブル
24:印刷用紙
25:排紙ローラ
26:搬送モータ
27:ガイドシャフト
28:リニアエンコーダ
29:駆動ベルト
30:キャリッジモータ
32:回復ユニット
33:インク受け部
40:濃度センサ
211〜215:インク吐出口(シリアルタイプ)
216〜220:インク吐出口(フルラインタイプ)
221〜225:インクカートリッジ
311〜315:キャップ

Claims (3)

  1. 1滴のインクにより形成されるドットの直径が20μm以上40μm以下となるように、記録媒体に前記インクを付与して画像を形成するインクジェット画像形成方法であって、
    前記インクが、水、自己分散顔料、及びガラス転移温度が25℃以下の樹脂からなる樹脂微粒子を含有するとともに、その粘度が14mPa・s以下であり、かつ、その表面張力が34mN/m以下であり、
    前記記録媒体が、塗工層を有する印刷用紙であり、
    前記ドット内の単位面積当たりの平均インク付与量が、0.09μL/cm2以上0.30μL/cm2以下であることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  2. 前記インクが、有機酸及び/又は無機酸からなる塩をさらに含有する請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 前記記録媒体が、蛍光X線分析(XRF)法により測定した炭素及び酸素以外のその他の元素の含有率が10.0質量%以上であるとともに、前記その他の元素に占めるカルシウムの比率が5.0質量%以上である請求項1又は2に記載のインクジェット画像形成方法。
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