JP2014172996A - ジャトロファ種子油の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧搾することによりジェトロファ種子油を製造する方法において、製造工程を簡素化するとともに、油分のロスを少なくすることで搾油の高効率化を達成することを目的とする。
【解決手段】ジェトロファ種子を割砕して搾油する方法において、
前記割砕後の種子を、胚乳側に主として比較的大きな胚乳片と果皮の一部を、また、果皮側に主として果皮と比較的小さな胚乳片を、それぞれ分別するように一次選別し、さらに、前記果皮側粉砕物を二次選別して果皮の大半を分離除去する一方、その余の粉砕物を前記胚乳側に配合して搾油することを特徴とする。
【選択図】図１
【解決手段】ジェトロファ種子を割砕して搾油する方法において、
前記割砕後の種子を、胚乳側に主として比較的大きな胚乳片と果皮の一部を、また、果皮側に主として果皮と比較的小さな胚乳片を、それぞれ分別するように一次選別し、さらに、前記果皮側粉砕物を二次選別して果皮の大半を分離除去する一方、その余の粉砕物を前記胚乳側に配合して搾油することを特徴とする。
【選択図】図１
Description
本発明は、バイオディーゼル燃料となるジャトロファ（学名：Jatropha curcas、和名：南洋油桐）種子油の製造方法に係り、詳細には、ジャトロファ種子を圧搾して搾油する方法において、製造工程を簡素化するとともに油分のロスを少なくすることで搾油の高効率化を達成することに関する。
従来、ジャトロファ種子の搾油においては、種子を割砕し、風選別によって胚乳と果皮とに分離し、胚乳のみから搾油しているが、選別された果皮側の中には割砕によって分割された細かい胚乳が混入しており、また、割砕された果皮片にも胚乳が残留しているものが少なからず存在し、その分、搾油すべき油分をロスしている。さらに、特許文献１に記載されているように、圧搾時における胚乳原料の滑り・逃げを防止するために、前記選別された果皮の所定量を再度胚乳側へ配合することが行われている。
ここで、図２を参照しながら従来の製造フローチャートについて説明する。
原料となる乾燥済みのジャトロファ種子１００ｋｇ（油量３９ｋｇ）をローラミル等によって８分割程度に割砕し、次いで、風選別により果皮と胚乳とに選り分ける。果皮側に選別された４０ｋｇ中には果皮と共に果皮に残存する胚乳及び比較的微細な胚乳片が混在しており、油量は６ｋｇである。一方、胚乳側の全重量は６０ｋｇであり、そのうち油量は３３ｋｇであった。
次に、果皮の内、胚乳側の重量の１０％に当たる６ｋｇ（油量０.９ｋｇ）を胚乳側へ戻し、合わせて重量６６ｋｇの果皮配合原料（油量３３.９ｋｇ、油分５１.４％）を得て、これを搾油機によって圧搾したところ、２５.４ｋｇの粗油を得た。種子における油量が３９ｋｇであったので、粗油における油回収率は６５％であった。
原料となる乾燥済みのジャトロファ種子１００ｋｇ（油量３９ｋｇ）をローラミル等によって８分割程度に割砕し、次いで、風選別により果皮と胚乳とに選り分ける。果皮側に選別された４０ｋｇ中には果皮と共に果皮に残存する胚乳及び比較的微細な胚乳片が混在しており、油量は６ｋｇである。一方、胚乳側の全重量は６０ｋｇであり、そのうち油量は３３ｋｇであった。
次に、果皮の内、胚乳側の重量の１０％に当たる６ｋｇ（油量０.９ｋｇ）を胚乳側へ戻し、合わせて重量６６ｋｇの果皮配合原料（油量３３.９ｋｇ、油分５１.４％）を得て、これを搾油機によって圧搾したところ、２５.４ｋｇの粗油を得た。種子における油量が３９ｋｇであったので、粗油における油回収率は６５％であった。
ところで、上記した従来の製造方法においては、風選別した果皮側の一部を胚乳側へ再び戻すのは煩わしいことであり、また、果皮側のほとんどは廃棄処分されており、果皮側の油量６ｋｇの大半をロスしていることになる。
そこで、本発明は、前記した問題点にかんがみ、圧搾することによりジャトロファ種子油を製造する方法において、製造工程を簡素化するとともに、油分のロスを少なくすることで搾油の高効率化を達成することを技術的課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明のジャトロファ種子を割砕して搾油する方法においては、前記割砕後の種子を、胚乳側に主として比較的大きな胚乳片と果皮の一部を、また、果皮側に主として果皮と比較的小さな胚乳片を、それぞれ分別するように一次選別し、さらに、前記果皮側粉砕物を二次選別して果皮の大半を分離除去する一方、その余の粉砕物を前記胚乳側に配合して搾油することを特徴とするものである。
上記一次選別の胚乳側歩留まりを６２.４〜６６.０％とするとよく、また、上記一次選別は風選別とするとともに上記二次選別はロータリーシフタとすることができる。
本発明によれば、上記したように、割砕後の種子を、胚乳側に主として比較的に大きな胚乳片と果皮の一部を、また、果皮側に主として果皮と比較的小さな胚乳片を、それぞれ分別するように一次選別し、さらに、前記果皮側粉砕物を二次選別して果皮の大半を分離除去する一方、その余の粉砕物を前記胚乳側に配合して搾油するものであることから、一次選別した果皮側の一部を胚乳側へ再び戻すという煩わしい工程を経ることなく、一次選別工程において所定量の果皮を胚乳側へ残すことによって無駄な戻し工程を省略することができ、また、果皮側を二次選別して比較的油分の多い微細な胚乳片や胚乳が残留した果皮片を胚乳側へ戻して搾油することによって油分のロスが減り、油回収利率が向上することになる。
また、本発明によれば、上記一次選別の歩留まりを６２.４〜６６.０％とすることにより、あらかじめ、果皮を胚乳側の重量に対して４〜１０％配合したこととなり、従来の戻し工程を省略しても、従来同様に効率よく搾油することができる。
さらに、本発明によれば、上記一次選別は風選別とするとともに上記二次選別はロータリーシフタとすることによって、比較的大きな胚乳片と比較的小さな胚乳片、及び、胚乳が残留する果皮片と微細な果皮片、を効果的に選り分けることができる。
以下、本発明を、図１を参照しながらその実施形態について詳細に説明する。
上記した従来のフローチャート（図２）の場合と同じ原料のジャトロファ種子１００ｋｇ（油量３９ｋｇ）を準備し、ローラミルによって８分割程度に割砕し、次いで、前記割砕物を風選別により胚乳側と果皮側とに選り分ける（風選別機はサタケ製「レッグアスピレータ」を使用）一次選別を行う。
上記した従来のフローチャート（図２）の場合と同じ原料のジャトロファ種子１００ｋｇ（油量３９ｋｇ）を準備し、ローラミルによって８分割程度に割砕し、次いで、前記割砕物を風選別により胚乳側と果皮側とに選り分ける（風選別機はサタケ製「レッグアスピレータ」を使用）一次選別を行う。
すなわち、胚乳側には大きく割砕された胚乳だけでなく、比較的大きめで重い果皮も分別され、他方の果皮側には比較的小さく軽めの果皮と小さく砕かれた胚乳片が分別されるように風選別機を調整する。本実施形態においては、胚乳側の重量が６６ｋｇ（油量３３.９ｋｇ）に対し、果皮側の重量が３４ｋｇ（油量５.１ｋｇ）であった。このとき重要なことは、胚乳側の歩留まりが６２.４〜６６.０％とすることであり、これにより、従来のフローチャートにおいて果皮側の粉砕物を胚乳側に対して重量比４〜１０％戻す工程を省略することができる。
次に、前記果皮側の分別物をロータリーシフタによって、胚乳が残存した果皮及び小さな胚乳片を合わせた１０.２ｋｇ（油量３.９１ｋｇ、油分３８.３％）と、果皮のみの２.３８ｋｇ（油量１.１９ｋｇ）とに篩い分ける二次選別を行う。そして、胚乳が残存した果皮片及び小さな胚乳片からなる粉砕物１０.２ｋｇは前記胚乳側粉砕物６６ｋｇに再配合され、総重量７６.２ｋｇ（油量３７.８ｋｇ、油分４９.６％）の果皮配合原料となる。一方、果皮のみの２.３８ｋｇ（油量１.１９ｋｇ）は破棄処分される。
最終的に得られた７６.２ｋｇの前記果皮配合原料は、スエヒロEPM社製のエキスペラー式圧搾機によって搾油し、重量２８.４ｋｇの粗油を得た。種子における油量が３９ｋｇであったので、粗油における油回収率は７２.８％であり、上記した従来のフローチャートにおける回収率６５％に比して大幅に改善された（搾油率は共に７５％）。
本発明のジャトロファ種子油の製造方法によれば、従来に比して効率よく搾油することができるのでバイオディーゼル燃料を製造するうえで非常に有用といえる。
Claims (3)
- ジャトロファ種子を割砕して搾油する方法において、前記割砕後の種子を、胚乳側に主として比較的大きな胚乳片と果皮の一部を、また、果皮側に主として果皮と比較的小さな胚乳片を、それぞれ分別するように一次選別し、さらに、前記果皮側粉砕物を二次選別して果皮の大半を分離除去する一方、その余の粉砕物を前記胚乳側に配合して搾油することを特徴とするジャトロファ種子油の製造方法。
- 上記一次選別の歩留まりを６２.４〜６６.０％としてなる請求項１のジャトロファ種子油の製造方法。
- 上記一次選別は風選別とするとともに上記二次選別はロータリーシフタによる篩分けとしてなる請求項１又は２のジャトロファ種子油の製造方法。
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