JP2014172832A - 半固形化流動食又は栄養剤 - Google Patents

半固形化流動食又は栄養剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
発生する離水が抑制されつつも、経管投与(チューブ注入)時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な胃瘻・腸瘻経管栄養法用の半固形化流動食又は栄養剤を提供する。また、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有し、胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入(経管投与)する際にかかる荷重を低下させる方法を提供する。
【解決手段】
キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有する半固形化流動食又は栄養剤中に、DE6未満の澱粉分解物を含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、胃又は腸に造設した瘻孔からチューブを挿入し、チューブを介して経管投与される半固形化流動食又は栄養剤に関する。具体的には、内径4mm程度の細いチューブであっても経管投与(チューブ注入)時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な半固形化流動食又は栄養剤に関する。本発明はまた、経管投与用の半固形化流動食又は栄養剤を経管投与(チューブ注入)する際にかかる荷重を低下させる方法にも関する。
咀嚼・嚥下機能の著しい低下や意識障害など、経口摂取が困難な患者に対する栄養摂取方法の一つとして胃瘻・腸瘻経管栄養法がある。胃瘻・腸瘻経管栄養法は、胃又は腸に手術的又は内視鏡的に造設した外瘻(瘻孔)からチューブを挿入し、チューブを介して胃や腸に直接栄養分を投与する方法である。
胃瘻・腸瘻経管栄養法では、下記(1)〜(4)に示す理由からから流動食又は栄養剤を半固形化する試みがなされている。(1)経腸栄養剤の投与時もしくは投与後に胃に造設した外瘻のチューブ口から経腸栄養剤が漏れることを防止するため。(2)液体の経腸栄養剤を胃に直接添加することにより、胃から腸に一気に経腸栄養剤が落下し(ダンピング)、糖質が急速に吸収されて高血糖症となったり、下痢の症状を引き起こすことを防止するため。(3)経管栄養法が適用される高齢者や患者などは胃上部の噴門の機能が著しく低下していることがあり、液体の経腸栄養剤では胃食道逆流を起こしてしまうことがあるため。(4)経腸栄養剤に保形性を付与することにより、数分といった極めて短時間での栄養摂取が可能であり、患者のQOL(Qualityof Life)に貢献できるため。
胃瘻・腸瘻経管栄養法に用いられる流動食又は栄養食を半固形化させる技術として、例えば、半固形化剤として寒天を用いる技術(特許文献1)、グァーガム、カラギナン、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の糊料を用いて経管栄養剤を粘体状に調製する技術(特許文献2)等が知られている。一方、流動食又は栄養剤の糖質成分として、若しくは糊料の分散性向上を目的として澱粉分解物が用いられる場合がある(特許文献3)。流動食又は栄養剤の糖質成分として澱粉分解物が用いられる場合、浸透圧及び粘度を調整するために、中間的な分解度(DE15〜30)の澱粉分解物が用いられることが一般的である。糊料の分散性向上を目的として用いられる場合も、澱粉分解物自体の溶解性の観点から、一般的に溶解性が低いとされる低分解度の澱粉分解物が選択される例は少なく、DE10以上の澱粉分解物が用いられることが一般的である。
特許第3516673号 特開2010−138181号公報 特公平04−46546号公報
半固形化剤として寒天を用いた場合、流通時や経管投与時における流動食又は栄養剤の離水が問題視される。経管投与時に発生する離水はチューブ内で潤滑剤として働き、流動食又は栄養剤を経管投与(チューブ注入)する際にかかる荷重(負荷)を低下させる機能を有する。しかし一方で、発生した離水が瘻孔に挿入したチューブから漏れる等の問題が生じたり、離水により胃内容物が流動しやすい状態となるため胃食道逆流についての懸念が残る。グァーガム、カラギナン、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の糊料を用いて経管栄養剤を粘体状に調製した場合には離水の発生が低減し、寒天を用いた場合の懸念点が解消される。しかし、潤滑剤としての役割を果たす離水の発生が低減することで、また経腸栄養剤を粘体状に形成することで経管投与時(チューブ注入時)にかかる荷重が大きくなり依然として改良の余地があった。
本発明ではかかる課題に鑑み、発生する離水が抑制されつつも、経管投与(チューブ注入)時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な胃瘻・腸瘻経管栄養法用の半固形化流動食又は栄養剤を提供することを目的とする。本発明はまた、胃瘻・腸瘻経管栄養法において、半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重(チューブ注入時の荷重)を低下させる方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料と、DE6未満の澱粉分解物を併用することで上記課題を解決することができ、チューブ注入時の荷重が小さく、過度な負担なく経管投与できる半固形化流動食又は栄養剤を提供できることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する半固形化流動食又は栄養剤、
若しくは胃瘻・腸瘻経管栄養法により半固形化流動食又は栄養剤をチューブ注入する際にかかる荷重を低下させる方法に関する;
項1.胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤であって、
キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料と、
DE6未満の澱粉分解物を含有することを特徴とする、半固形化流動食又は栄養剤。
項2.キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有し、
胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤中に、
DE6未満の澱粉分解物を含有させることを特徴とする、半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重を低下させる方法。
本発明により、離水が抑制されつつも経管投与(チューブ注入)時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な半固形化流動食又は栄養剤を提供することが可能である。より具体的には、内径4mm程度の細いチューブであっても、チューブ注入時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な半固形化流動食又は栄養剤を提供することが可能である。
チューブ注入時の荷重測定方法において、テクスチャーアナライザーを用いる態様を示す。具体的には、シリンジの先端にチューブ(内径約4mm、長さ250mm)を接続し、半固形化栄養剤を充填したカテーテルチップシリンジがテクスチャーアナライザーにセットされている様子を示す。上部の矢印はテクスチャーアナライザーからシリンジに加わる力の向きを示し、下部の矢印はシリンジから半固形化栄養剤が押出される方向を示す。
本発明の半固形化流動食又は栄養剤は、胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与されるものであることを特徴とする。胃瘻・腸瘻経管栄養法は、胃又は腸に手術的又は内視鏡的に造設した外瘻(瘻孔)からチューブを挿入し、チューブを介して胃や腸に直接栄養分を投与する方法である。経管投与(チューブ注入)時に用いられるチューブの内径は特に制限されず、胃瘻・腸瘻経管栄養法に適したチューブを利用することができる。例えば内径が2〜10mm、好ましくは4〜8mmである。本発明では特にチューブ内径が8mm以下、更には4mm以下と内径が小さく細いチューブであってもチューブ注入時の荷重が小さく、過度な負担なく経管投与できるという利点を有する。
本発明において「半固形化」とは液状タイプの流動食又は栄養剤とは異なり、静置状態ではゲル状であるが変形あるいは力をかけることによりペースト状に変化する状態、若しくは包装容器から平板上に出した際にも平らに広がらず、高さを有したまま保型する状態をいう。
本発明の半固形化流動食又は栄養剤は、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン(例.グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム等)、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料と、DE6未満の澱粉分解物を含有することを特徴とする。
半固形化流動食又は栄養剤における上記糊料の含量は特に制限されない。通常、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜3質量%である。上記糊料を用いることで、離水が抑制されつつも経管投与(チューブ注入)時にかかる荷重が小さく、過度な負担なく押し込むことが可能な半固形化流動食又は栄養剤を提供することができる。なお、糊料としてα化澱粉、加工澱粉等の澱粉を用いた場合には、DE6未満の澱粉分解物を併用した場合であっても荷重が低下した半固形化流動食又は栄養剤を提供することができない。
本発明では上記糊料に加え、DE6未満の澱粉分解物を用いることを特徴とする。
DEとは、一般には澱粉の分解程度を還元糖の割合で示すものである。全ての還元糖をぶどう糖(dextrose)の量に換算し、その割合を全体の乾燥固形分に対する質量%で表わしたものである。DE値が大きいほど還元糖の含有量が多く、逆にDE値が小さいほど還元糖の含有量が少ないことを意味する。本発明ではDE6未満、好ましくは5以下の澱粉分解物を用いることを特徴とし、DEが6以上の澱粉分解物を用いた場合には本発明の効果を得ることができない。具体的には、澱粉分解物の添加有無によってチューブ注入時の荷重に差異が生じない又は添加により却って荷重が増加する等の現象が生じる。本発明で用いる澱粉分解物のDEの下限は特に制限されない。例えば下限値はDE1、好ましくはDE2である。澱粉分解物は原料澱粉を加水分解して得ることができ、原料は特に制限されない。例えば、コーン、ワキシーコーン、小麦、米、もち米、タピオカ、馬鈴薯等が挙げられ、好ましくはコーンである。半固形化流動食又は栄養剤における澱粉分解物含量は特に制限されないが、通常、1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
本発明では、DE6未満の澱粉分解物を用いることで、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有する糊料を含有し、胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤をチューブ注入する際にかかる荷重を低下させることができる。かかる点、本発明はまた、胃瘻・腸瘻経管栄養法により半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重を低下させる方法にも関する。具体的には本発明は、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有し、胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤中にDE6未満の澱粉分解物を含有させることを特徴とする、半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重を低下させる方法にも関する。
半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重(チューブ注入時の荷重)が低下しているか否かは、DE6未満の澱粉分解物の有無で荷重が低下しているか否かを測定することで確認できる。チューブ注入時の荷重は下記測定方法に従って測定できる。
(チューブ注入時の荷重測定方法)
(1)半固形化流動食又は栄養剤を20℃に調温する。
(2)調温した半固形化流動食又は栄養剤を直径30mmの円柱状にくり抜き、50mlカテーテルチップシリンジに充填する。
(3)シリンジの先端にチューブ(内径約4mm、長さ250mm)を接続したものを、図1のようにテクスチャーアナライザーに固定する。
(4)ピストンを0.8mm/secで30mm押し込み、その間の最大荷重値を測定する。
本発明において流動食又は栄養剤とは、カロリー値が0.2kcal/mL以上、好ましくは0.5kcal/mL以上で栄養成分としてタンパク質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミン等を含むものをいい、食品扱いのものを流動食、医薬品扱いのものを栄養剤として区別している。特に好ましくはカロリー値が1kcal/mL以上の濃厚流動食又は経腸栄養剤である。なお、本明細書においてカロリー値は、半固形化流動食又は栄養剤中のカロリー値をいう。以下、本発明で用いられる流動食又は栄養剤を構成する各成分につき詳述する。
タンパク質
栄養摂取として利用可能なタンパク質であれば、特に制限されず各種タンパク質を用いることができる。具体的には動物タンパク質(例.全脂粉乳、脱脂粉乳、脱脂豆乳粉末、カゼイン、ホエイタンパク質、全乳タンパク質等)、植物タンパク質(例.大豆タンパク質、小麦タンパク質等)、又はこれらの分解物等を例示できる。半固形化流動食又は栄養剤におけるタンパク含量は、上記カロリー値を満たす範囲であれば特に制限されない。通常、15質量%以下、好ましくは1〜10質量%である。なお、タンパク質含量が3質量%以上、更には5質量%以上では流動食又は栄養剤を半固形化した場合に荷重が大きくなり易いが、本発明ではタンパク質含量が3質量%以上、更には5質量%以上であっても、チューブ注入時の荷重が小さい(有意に低下している)という利点を有する。
脂質
栄養摂取として利用可能な脂質であれば、特に制限されず各種脂質を用いることができる。具体的には、植物油(例.大豆油、綿実油、サフラワー油、コーン油、米油、ヤシ油、シソ油、ゴマ油、アマニ油等)、動物油(例.イワシ油、タラ肝油等)、必須脂肪酸源としての長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等を例示できる。半固形化流動食又は栄養剤における脂質含量は、上記カロリー値を満たす範囲であれば特に制限されない。通常、30質量%以下、好ましくは1〜20質量%である。
糖質
栄養摂取として利用可能な糖質であれば、特に制限されず各種糖質を用いることができる。具体的にはグルコース、フラクトース等の単糖類、マルトース、蔗糖等の二糖類等の通常の各種糖類や、キシリトール、ソルビトール、グリセリン、エリスリトール等の糖アルコール類、粉あめ、デキストリン等の澱粉分解物や、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクトスクロース等のオリゴ糖類等が挙げられる。
本発明で用いるDE6未満の澱粉分解物は、半固形化流動食又は栄養剤の糖質源として利用することも可能であるが浸透圧および栄養吸収速度の観点から、好ましくは他の糖質を併用することが望ましい。半固形化流動食又は栄養剤における糖質含量は、上記カロリー値を満たす範囲であれば特に制限されない。通常、40質量%以下、好ましくは2〜30質量%である。
ミネラル、ビタミン
栄養摂取として利用可能な素材を使用できる。例えば、ミネラルであれば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄等は食品添加物扱いの塩の形で添加することができる。ビタミンであれば、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、K、ナイアシン、ニコチン酸アミド、パントテン酸、又は葉酸等を使用することができる。流動食又は栄養剤中のミネラル、ビタミンの量は「日本人の食事摂取基準[2005年度版]」に記載の推奨量、目安量、目標量又は上限量に従い適宜設定することが可能である。
本発明の半固形化流動食又は栄養剤は、キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料とDE6未満の澱粉分解物を含有する以外は常法に従って製造可能である。例えば、水に上記糊料、DE6未満の澱粉分解物、タンパク質、脂質、糖質、必要に応じてミネラル、ビタミンを添加する。次いで任意で均質化処理を行ない、殺菌、冷却することで半固形化流動食又は栄養剤を調製することができる。市販の流動食又は栄養剤に上記糊料及びDE6未満の澱粉分解物を添加することでも、本発明の半固形化流動食又は栄養剤を調製することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「質量部」、「%」は「質量%」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実験例1 胃瘻・腸瘻経管栄養法用の半固形化栄養剤の調製(1)
表1の処方に従い、半固形化栄養剤を調製した。詳細には、水にゲル化剤製剤1及び澱粉分解物(DE4〜40)を添加し、80℃で5分間加熱攪拌溶解した。別容器で80℃に加温しておいた栄養剤(経腸栄養剤:100ml当たり、熱量200kcal、タンパク質7g、脂質6g、糖質30g)を上記溶液に添加、混合した後、さらに80℃で5分間撹拌溶解した。全量が100質量%となるように蒸発水を補正した後、プリンカップに充填して121℃、20分間加熱殺菌処理を行い、冷蔵庫(5℃)で一晩冷却することで、半固形化栄養剤を得た。調製した半固形化栄養剤について、チューブ注入時の荷重、チューブ通過後の試料粘度及び離水について、表2に示す方法に従って評価した。結果を表1に示す。
注1)寒天25質量%及びグァーガム30質量%含有製剤を使用。
表2からも分かるように、実施例1−1及び1−2の半固形化栄養剤は澱粉分解物無添加区のブランクに比べて、半固形化栄養剤のチューブ注入時の荷重が有意に低下した。一般的に、チューブ注入時の潤滑剤の役割を担う離水が減少すると、チューブ注入時の荷重は増加する傾向がある。実際、比較例1−1〜1−3の半固形化栄養剤は、ブランクに比べて離水が低減しているが、チューブ注入時の荷重は上昇している。かかるところ、実施例1−1及び1−2の半固形化栄養剤は離水が低減しているにも関わらず、チューブ注入時の荷重が有意に低下しており、非常に優れた半固形化栄養剤であることが分かる。また、実施例1−1及び1−2の半固形化栄養剤は、ブランクと比べてチューブ通過後の粘度が大きく変化することなくチューブ注入時の荷重を有意に低下できるという利点も有する。以上のように、DE4の澱粉分解物を添加することは、半固形化栄養剤を経管投与に優れたものとする上で有効な手段であると言える。
実験例2 胃瘻・腸瘻経管栄養法用の半固形化栄養剤の調製(2)
表3の処方に従い、半固形化栄養剤を調製した。詳細には、水にゲル化剤製剤2及び澱粉分解物(DE4〜40)を添加し、80℃で5分間加熱攪拌溶解した。別容器で80℃に加温しておいた栄養剤(経腸栄養剤:100ml当たり、熱量200kcal、タンパク質7g、脂質6g、糖質30g)を上記溶液に添加、混合した後、さらに80℃で5分間撹拌溶解した。全量が100質量%となるように蒸発水を補正した後、プリンカップに充填して121℃、20分間加熱殺菌処理を行い、冷蔵庫(5℃)で一晩冷却することで、半固形化栄養剤を得た。実験例1と同様に、調製した半固形化栄養剤についてチューブ注入時の荷重、チューブ通過後の試料粘度及び離水について、表2に示す方法に従って評価した。結果を表3に示す。
注2)ジェランガム21質量%及びグァーガム30質量%含有製剤を使用。
表3からも分かるように、実施例2−1及び2−2の半固形化栄養剤は澱粉分解物無添加区のブランクに比べて、半固形化栄養剤のチューブ注入時の荷重が有意に低下した。一般的に、チューブ注入時の潤滑剤の役割を担う離水が減少すると、チューブ注入時の荷重は増加する傾向がある。実際、比較例2−1〜2−3の半固形化栄養剤は、ブランクに比べて離水が低減しているが、チューブ注入時の荷重は上昇している。かかるところ、実施例2−1及び2−2の半固形化栄養剤は離水が低減しているにも関わらず、チューブ注入時の荷重が有意に低下しており、非常に優れた半固形化栄養剤であることが分かる。また、実施例2−1及び2−2の半固形化栄養剤は、ブランクと比べてチューブ通過後の粘度が大きく変化することなくチューブ注入時の荷重を有意に低下できるという利点も有する。以上のように、DE4の澱粉分解物を添加することは、半固形化栄養剤を経管投与に優れたものとする上で有効な手段であると言える。

Claims (2)

  1. 胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤であって、
    キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料と、
    DE6未満の澱粉分解物を含有することを特徴とする、半固形化流動食又は栄養剤。
  2. キサンタンガム、カラギナン、ガラクトマンナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、グルコマンナン及びアルギン酸類からなる群から選択される一種以上の糊料を含有し、
    胃瘻・腸瘻経管栄養法により経管投与される半固形化流動食又は栄養剤中に、
    DE6未満の澱粉分解物を含有させることを特徴とする、半固形化流動食又は栄養剤をチューブを介して注入する際にかかる荷重を低下させる方法。

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