JP2014108053A - 粘稠乳化状栄養食品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である、粘稠乳化状栄養食品を提供するものである。
【解決手段】タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品。
【選択図】なし
【解決手段】タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品。
【選択図】なし
Description
本発明は、タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品およびその製造方法に関する。
粘稠乳化状栄養食品は、タンパク質やエネルギーなどの補給のため、高齢者や病者に使用されている。少量でタンパク質やエネルギーを摂取できるように設計された粘稠乳化状栄養食品や嚥下機能の低下や経管投与に適した物性に調整された粘稠乳化状栄養食品等が市販されている。
一方で、多くの粘稠乳化状栄養食品には乳原料が使用されており、高齢者には乳アレルギーの方が多いことから、乳タンパク質不使用の粘稠乳化状栄養食品が求められていた。
粘稠乳化状栄養食品の多くは、胃からの逆流や下痢防止、嚥下適性向上のため、粘度を一定以上にする必要があり、一般的には、ゲル化剤の組合せで粘稠乳化状栄養食品の粘度は調整されている。しかしながら、ゲル化剤で粘度を調整した粘稠乳化状栄養食品は、経管投与した際にチューブの内壁に付着しやすく、チューブの衛生管理の点で課題があった。
ゲル化剤の代わりに全卵を用いた半固形物の経腸栄養剤も提案されているが、プリンや茶碗蒸し状となり、離水しやすく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適切な物性ではなかった。
そこで本発明は、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である、粘稠乳化状栄養食品を提供するものである。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉、および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品、
(2)付着性が100J/m3以下である(1)記載の粘稠乳化状栄養食品、
(3)前記大豆タンパク質が豆乳由来である(1)または(2)に記載の粘稠乳化状栄養食品、
(4)乳化剤の含有量が0.02%以下である(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品、
(5)経管投与用である(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品、
(6)(1)に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、アセプティック充填法により容器に充填する工程を含む、粘稠乳化状栄養食品の製造方法、
(7)(6)に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、粉砕処理工程を含む、粘稠乳化状栄養食品の製造方法、
である。
(1)タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉、および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品、
(2)付着性が100J/m3以下である(1)記載の粘稠乳化状栄養食品、
(3)前記大豆タンパク質が豆乳由来である(1)または(2)に記載の粘稠乳化状栄養食品、
(4)乳化剤の含有量が0.02%以下である(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品、
(5)経管投与用である(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品、
(6)(1)に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、アセプティック充填法により容器に充填する工程を含む、粘稠乳化状栄養食品の製造方法、
(7)(6)に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、粉砕処理工程を含む、粘稠乳化状栄養食品の製造方法、
である。
本発明によれば、チューブへの付着が少なく、高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である粘稠乳化状栄養食品を提供することができる。これにより、高齢者や病者へのより衛生的かつ安全な栄養管理が可能となる。
以下本発明を説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることによって、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である、粘稠乳化状栄養食品を提供することができる。
本発明は、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有し、粘度(25℃)が6〜20Pa・s、であることによって、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である、粘稠乳化状栄養食品を提供することができる。
<粘稠乳化状栄養食品>
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、水溶性原料と脂溶性原料が乳化されてなる一定の粘稠度を有する食品であり、プリンや茶碗蒸し状の固化された物性とは異なり、流動性のある物体である。本発明の粘稠乳化状栄養食品は、タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gであって、経口的あるいは経管的に投与され、高齢者や病者の栄養管理に使用することができる。
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、水溶性原料と脂溶性原料が乳化されてなる一定の粘稠度を有する食品であり、プリンや茶碗蒸し状の固化された物性とは異なり、流動性のある物体である。本発明の粘稠乳化状栄養食品は、タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gであって、経口的あるいは経管的に投与され、高齢者や病者の栄養管理に使用することができる。
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、胃からの逆流や下痢防止のため、粘度を一定以上にする必要があり、粘度(25℃)が6〜20Pa・sである。さらに8〜18Pa・sであることができる。また、チューブへの付着が少ない観点から、付着性が100J/m3以下であることが好ましい。
本発明の粘稠乳化状栄養食品の粘度は、BH型粘度計(東京計器株式会社製)、ローターNo.2、20rpm、液温25℃で測定した粘度である。
本発明の粘稠乳化状栄養食品の付着性は、円筒形の試料の上部に円柱プランジャーを当てて上下して試料に変形を与え、応力と歪みの関係から測定することができる。具体的には、1回目の圧縮直後の引っ張り過程の負の応力を示すピーク面積を「付着性」という。より詳細には、強度測定機としてクリープメーター((株)山電社製、RE−3305)を用い、円柱プランジャーの直径20mmで圧縮速度10mm/sにてサンプルを厚さ10mmまで押し潰したときの付着性を測定することができる。
<粘稠乳化状栄養食品に用いる乾燥卵粉>
本発明の粘稠乳化状栄養食品に用いる乾燥卵粉の卵は、鳥類の全卵、卵黄、又は卵白を用いればよい。乾燥卵粉としては、例えば、鶏卵を割卵して得られる生全卵、生卵黄、生卵白をはじめ、当該生卵に加熱等による殺菌処理、凍結処理、ホスフォリパーゼ又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理、濃縮、希釈、特定の成分を除去する処理等を行った処理卵液等を、スプレードライ又はフリーズドライ等によって乾燥させ乾燥卵粉としたものを用いることができる。
本発明の粘稠乳化状栄養食品に用いる乾燥卵粉の卵は、鳥類の全卵、卵黄、又は卵白を用いればよい。乾燥卵粉としては、例えば、鶏卵を割卵して得られる生全卵、生卵黄、生卵白をはじめ、当該生卵に加熱等による殺菌処理、凍結処理、ホスフォリパーゼ又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理、濃縮、希釈、特定の成分を除去する処理等を行った処理卵液等を、スプレードライ又はフリーズドライ等によって乾燥させ乾燥卵粉としたものを用いることができる。
本発明の粘稠乳化状栄養食品に用いる乾燥卵粉は、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉であれば、全卵、卵黄、卵白のいずれの乾燥卵であってもよい。特にチューブへの付着を少なくする観点から、乾燥全卵を用いることができる。さらに、乾燥全卵に乾燥卵白を加えたものを用いることができる。また、これらの乾燥卵粉は、スプレードライにて乾燥された乾燥卵粉が好適である。
乾燥全卵と乾燥卵白の比率は、少なくとも卵白を含有するように調整すればよいが、乾燥全卵:乾燥卵白が95:5〜10:90とすることができる。さらに、70:30〜30:70とすることができる。
<粘稠乳化状栄養食品に用いる大豆タンパク質>
本発明に用いる大豆タンパク質は、濃縮大豆タンパク質や分離大豆タンパク質等を含み、大豆から抽出されたタンパク質であれば特に限定されないが、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である観点から、豆乳由来であることが好ましい。
本発明に用いる大豆タンパク質は、濃縮大豆タンパク質や分離大豆タンパク質等を含み、大豆から抽出されたタンパク質であれば特に限定されないが、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性である観点から、豆乳由来であることが好ましい。
本発明における豆乳とは、豆乳類の日本農林規格(昭和56年11月16日農林水産省告示第1800号)に記載されている大豆豆乳液、つまり、大豆(粉末状のもの及び脱脂したものを除く)から熱水等によりタンパク質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料であって、大豆固形分が8%以上のもの、及び調製脱脂大豆豆乳液、つまり、脱脂加工大豆(大豆を加えたものを含む。)から、熱水等によりタンパク質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られたものに大豆油その他の植物油脂及び砂糖類、食塩等の調味料を加えた乳状の飲料であって、大豆固形分が6%以上のもののことをいう。
本発明の粘稠乳化状栄養食品に用いる乾燥卵粉と大豆タンパク質の配合割合は、乾燥卵粉:大豆タンパク質が95:5〜10:90とすることができる。乾燥卵粉の配合割合が少ないと、所望の粘度に調整しにくくなることがある。また、大豆タンパク質の配合割合が少ないと、ゲル化が進み、固くなり離水が起きることがある。そのような場合、高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適切な物性になり難い。
<ゲル化剤>
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、ゲル化剤の含有量が0.01%以下である。ゲル化剤で粘度を調整した粘稠乳化状栄養食品は、経管投与した際にチューブの内壁に付着しやすく、チューブの衛生管理に課題があったことから、本願発明の粘稠乳化状栄養食品は、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であることで、チューブへの付着性が少ない粘稠乳化状栄養食品を実現できる。また、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有することで、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であっても胃からの逆流や下痢防止に適切な粘度を有する粘稠乳化状栄養食品とすることができる。
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、ゲル化剤の含有量が0.01%以下である。ゲル化剤で粘度を調整した粘稠乳化状栄養食品は、経管投与した際にチューブの内壁に付着しやすく、チューブの衛生管理に課題があったことから、本願発明の粘稠乳化状栄養食品は、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であることで、チューブへの付着性が少ない粘稠乳化状栄養食品を実現できる。また、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有することで、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であっても胃からの逆流や下痢防止に適切な粘度を有する粘稠乳化状栄養食品とすることができる。
本発明における「ゲル化剤」とは、ゲル化剤として食品や医薬品に添加されるものであれば特に限定されないが、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、グアガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、加工澱粉、寒天、蒟蒻、ペクチン、プルラン、マンナン、ガラクトマンナン、キチン、キトサン、デキストリン等を挙げることができる。
<乳化剤>
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、乳化剤の含有量が0.02%以下であることが好ましい。乳化剤の含有量を0.02%以下にすることで、食品や医薬品へ添加する添加物の使用量を抑えることができる。
本発明における粘稠乳化状栄養食品は、乳化剤の含有量が0.02%以下であることが好ましい。乳化剤の含有量を0.02%以下にすることで、食品や医薬品へ添加する添加物の使用量を抑えることができる。
本発明における「乳化剤」とは、乳化剤として食品や医薬品に添加されるものであれば特に限定されないが、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチン等を挙げることができる。
<本発明の粘稠乳化状栄養食品の製造方法>
本発明の粘稠乳化状栄養食品の製造方法は、上述の原料を清水に溶解させ、所望の容器に充填密封すれば特に限定されないが、原料を溶解混合させた後、粉砕処理工程を含むことができる。具体的には高圧ホモゲナイザー等の粉砕機により粉砕処理をすることができる。粉砕処理を行うことによって、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性の粘稠乳化状栄養食品とすることができる。
本発明の粘稠乳化状栄養食品の製造方法は、上述の原料を清水に溶解させ、所望の容器に充填密封すれば特に限定されないが、原料を溶解混合させた後、粉砕処理工程を含むことができる。具体的には高圧ホモゲナイザー等の粉砕機により粉砕処理をすることができる。粉砕処理を行うことによって、チューブへの付着が少なく高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適した物性の粘稠乳化状栄養食品とすることができる。
本発明の粘稠乳化状栄養食品の製造方法は、100℃を超える温度で高温短時間殺菌後、無菌的に容器に充填する、アセプティック充填法により容器に充填する工程を含むことができる。アセプティック充填法により、離水を防ぎ、高齢者や病者に使用する粘稠乳化状栄養食品として適切な物性に調整することができる。
<本発明の粘稠乳化状栄養食品の摂取方法>
本発明の粘稠乳化状栄養食品は、タンパク質やエネルギーなどの補給の必要な、高齢者や病者に摂取させることができるが、その方法としては、通常の食事として経口的に摂取することもできるし、経管栄養法を実施している患者に経管的に投与用することもできる。経管的に摂取する場合には、経胃瘻法、経腸瘻法や経鼻管法、経頸部食道瘻法によって投与することができる。
本発明の粘稠乳化状栄養食品は、タンパク質やエネルギーなどの補給の必要な、高齢者や病者に摂取させることができるが、その方法としては、通常の食事として経口的に摂取することもできるし、経管栄養法を実施している患者に経管的に投与用することもできる。経管的に摂取する場合には、経胃瘻法、経腸瘻法や経鼻管法、経頸部食道瘻法によって投与することができる。
次に、本発明を実施例および試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例において、粘稠乳化状栄養食品の粘度および付着性は、上述の実施形態で説明された方法で測定された。また、粘稠乳化状栄養食品の熱量(kcal/g)は、以下の式から算出された。
熱量(kcal/g)=脂質含有量(g/g)×9+タンパク質含有量(g/g)×4+炭水化物含有量(g/g)×4
熱量(kcal/g)=脂質含有量(g/g)×9+タンパク質含有量(g/g)×4+炭水化物含有量(g/g)×4
〔実施例1〕
下記の配合割合に準じ、本発明の粘稠乳化状栄養食品を製造した。すなわち、各原料をミキサーに投入して攪拌混合した後、高圧ホモゲナイザーにて10MPaの圧力で均質化処理を行い、スチームインジェクション式のUHT殺菌機にて、142℃で4秒間殺菌した。その後、200mL容量の耐熱性パウチ容器に無菌的にアセプティック充填し、実施例1の粘稠乳化状栄養食品を得た。
下記の配合割合に準じ、本発明の粘稠乳化状栄養食品を製造した。すなわち、各原料をミキサーに投入して攪拌混合した後、高圧ホモゲナイザーにて10MPaの圧力で均質化処理を行い、スチームインジェクション式のUHT殺菌機にて、142℃で4秒間殺菌した。その後、200mL容量の耐熱性パウチ容器に無菌的にアセプティック充填し、実施例1の粘稠乳化状栄養食品を得た。
デキストリン 16.0%
クエン酸三ナトリウム 0.3%
炭酸カルシウム 0.1%
豆乳(大豆タンパク質10%含有) 20.0%
乾燥全卵 1.0%
乾燥卵白 1.0%
大豆油 1.0%
ビタミンミックス 0.3%
ミネラルミックス 0.1%
清水 60.2%
合計 100.0%
クエン酸三ナトリウム 0.3%
炭酸カルシウム 0.1%
豆乳(大豆タンパク質10%含有) 20.0%
乾燥全卵 1.0%
乾燥卵白 1.0%
大豆油 1.0%
ビタミンミックス 0.3%
ミネラルミックス 0.1%
清水 60.2%
合計 100.0%
実施例1で得られた粘稠乳化状栄養食品は、粘度が10.3Pa・s、付着性が70J/m3、熱量は1.0kcal/g、タンパク質含量は4%(卵由来2%、大豆由来2%)、脂質含量は1%であった。
実施例1より、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有することで、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であっても、粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度とすることができた。
実施例1より、少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉および大豆タンパク質を含有することで、ゲル化剤の含有量が0.01%以下であっても、粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度とすることができた。
〔比較例1〕
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、卵由来のタンパク質量が実施例1と同じ(2%)になるように生全卵(16.5%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例1の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、乾燥全卵および乾燥卵白を生全卵に置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、卵由来のタンパク質量が実施例1と同じ(2%)になるように生全卵(16.5%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例1の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、乾燥全卵および乾燥卵白を生全卵に置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
比較例1で得られた粘稠乳化状栄養食品は、粘度が5.8Pa・s、付着性が33J/m3、熱量は1.0kcal/g、タンパク質含量は4%、脂質含量は1%であった。
比較例1は胃からの逆流や下痢防止の観点から粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度ではなかった。
比較例1は胃からの逆流や下痢防止の観点から粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度ではなかった。
〔比較例2〕
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、カゼインナトリウム由来のタンパク質含量が実施例1の卵由来のタンパク質量と同じ(2%)になるようにカゼインナトリウム(2.2%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例2の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、乾燥全卵および乾燥卵白をカゼインナトリウムに置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、カゼインナトリウム由来のタンパク質含量が実施例1の卵由来のタンパク質量と同じ(2%)になるようにカゼインナトリウム(2.2%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例2の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、乾燥全卵および乾燥卵白をカゼインナトリウムに置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
比較例2で得られた粘稠乳化状栄養食品は、粘度が0.04Pa・s、付着性が2J/m3、熱量は1.0kcal/g、タンパク質含量は4%、脂質含量は1%であった。
比較例2は胃からの逆流や下痢防止の観点から粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度ではなかった。
比較例2は胃からの逆流や下痢防止の観点から粘稠乳化状栄養食品として適切な粘度ではなかった。
〔比較例3〕
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、豆乳(20%)、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、総タンパク質量が実施例1と同じ(4%)になるように生全卵(32.6%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例3の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、豆乳、乾燥全卵および乾燥卵白を生全卵に置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
実施例1の粘稠乳化状栄養食品において、豆乳(20%)、乾燥全卵(1%)および乾燥卵白(1%)を、総タンパク質量が実施例1と同じ(4%)になるように生全卵(32.6%)に置き換えた以外は同様の方法で、比較例3の粘稠乳化状栄養食品を製造した。なお、豆乳、乾燥全卵および乾燥卵白を生全卵に置き換えたことによる配合量の違いは清水で調整した。
比較例3で得られた粘稠乳化状栄養食品は、いり卵状に卵が変性し液と分離してしまい、均一な粘稠乳化状栄養食品とならず、粘度および付着性の測定ができなかった。
比較例2は粘稠乳化状栄養食品として適切な物性ではなかった。
比較例2は粘稠乳化状栄養食品として適切な物性ではなかった。
〔試験例1〕
実施例1の粘稠乳化状栄養食品のチューブへの付着を確認した。
50mLのシリンジで粘稠乳化状栄養食品を胃瘻用の栄養チューブ(太さ20Fr.、ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)製)に通し、チューブへの付着を目視にて確認した(図1(a))。比較として、ゲル化剤として寒天とペクチンを0.01%よりも多く使用した市販品の粘稠乳化状栄養食品(熱量1.5kcal/g、タンパク質含量6%、脂質含量3%、粘度20Pa・s)についても同様に付着を確認した(図1(b))。
実施例1の粘稠乳化状栄養食品のチューブへの付着を確認した。
50mLのシリンジで粘稠乳化状栄養食品を胃瘻用の栄養チューブ(太さ20Fr.、ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)製)に通し、チューブへの付着を目視にて確認した(図1(a))。比較として、ゲル化剤として寒天とペクチンを0.01%よりも多く使用した市販品の粘稠乳化状栄養食品(熱量1.5kcal/g、タンパク質含量6%、脂質含量3%、粘度20Pa・s)についても同様に付着を確認した(図1(b))。
図1より、実施例1の粘稠乳化状栄養食品は、ゲル化剤を使用した粘稠乳化状栄養食品に比べてチューブへの付着を軽減させる効果があることが確認できた。
Claims (7)
- タンパク質含量が3〜10質量%、脂質含量が0.5〜5質量%、熱量が0.5〜5kcal/gの粘稠乳化状栄養食品であって、
ゲル化剤の含有量が0.01%以下であって、
少なくとも卵白を含有した乾燥卵粉、および大豆タンパク質を含有し、
粘度(25℃)が6〜20Pa・s、
であることを特徴とする粘稠乳化状栄養食品。 - 付着性が100J/m3以下である
請求項1記載の粘稠乳化状栄養食品。 - 前記大豆タンパク質が豆乳由来である
請求項1または2に記載の粘稠乳化状栄養食品。 - 乳化剤の含有量が0.02%以下である
請求項1ないし3のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品。 - 経管投与用である請求項1ないし4のいずれかに記載の粘稠乳化状栄養食品。
- 請求項1に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、
アセプティック充填法により容器に充填する工程を含む、
粘稠乳化状栄養食品の製造方法。 - 請求項6に記載の粘稠乳化状栄養食品の製造方法であって、
粉砕処理工程を含む、
粘稠乳化状栄養食品の製造方法。
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JP2012262238A Pending JP2014108053A (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 粘稠乳化状栄養食品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014108053A (ja) |
-
2012
- 2012-11-30 JP JP2012262238A patent/JP2014108053A/ja active Pending
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