JP2014172718A - エレベータ交通需要予測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物内の交通需要を正しく予測できるエレベータ交通需要予測装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るエレベータ交通需要予測装置は、取得部、算出部、特徴量データベース、予測部、及び選択部を備える。取得部は、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重を含むエレベータ制御結果を取得する。算出部は、前記エレベータ制御結果に基づいて、交通需要のカテゴリーを示すカテゴリー特徴量を含む交通需要の特徴量を算出する。特徴量データベースは、前記算出された交通需要の特徴量を属性情報及び時刻情報に関連付けて特徴量データベースに記録する。予測部は、前記特徴量データベースに含まれる異なるデータを参照して交通需要のカテゴリーを予測して予測値を生成する複数のエキスパートを含み、前記予測値のうちの1つを予測結果として採用する。選択部は、予め用意される複数の制御方式から前記予測結果に応じた制御方式を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータ交通需要予測装置に関する。
複数のエレベータカゴを有するエレベータ装置は、これらのエレベータカゴを統括的に制御する群管理制御装置を備える。群管理制御装置は、所定の制御方式に従って、ホール呼びに対してエレベータカゴを割り当てる。このような群管理制御装置では、曜日及び時間帯によって建物内の交通需要が変化すると仮定して、曜日及び時間帯で制御方式を変更している。
特開2006−56677号公報 特開2006−213445号公報
しかしながら、実際の交通需要は、エレベータ装置が設置される建物毎に異なる特徴を示し、また、時々刻々と変化するため、上記のような群管理制御装置では、実際の交通需要とは異なる交通需要に最適化された制御方式でエレベータカゴの割当を行うことがある。このような場合には、利用者の待ち時間の増大や輸送量の低下といったように、エレベータのサービス性能が低下する。従って、サービス性能を向上させるために実際の交通需要に適合した制御方式で割当を行うには、交通需要を正しく予測できることが重要である。
本発明が解決しようとする課題は、建物内の交通需要を正しく予測することができるエレベータ交通需要予測装置を提供することである。
一実施形態によれば、ホール呼びに対してエレベータカゴを割り当てる上下ボタン方式の群管理制御に適用されるエレベータ交通需要予測装置が提供される。このエレベータ交通需要予測装置は、取得部、算出部、特徴量データベース、予測部、及び選択部を備える。取得部は、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重を含むエレベータ制御結果を取得する。算出部は、前記エレベータ制御結果に基づいて、交通需要のカテゴリーを示すカテゴリー特徴量を含む交通需要の特徴量を算出する。特徴量データベースは、前記算出された交通需要の特徴量を属性情報及び時刻情報に関連付けて特徴量データベースに記録する。予測部は、前記特徴量データベースを参照して交通需要を予測して予測結果を生成するものであって、前記特徴量データベースに含まれる異なるデータを参照して交通需要のカテゴリーを予測して予測値を生成する複数のエキスパートを含み、前記予測値のうちの1つを前記予測結果として採用する。選択部は、予め用意される複数の制御方式から、前記予測結果に応じた制御方式を選択する。
第1の実施形態に係る交通需要予測装置を備えるエレベータ装置を概略的に示すブロック図。 Origin Destination(OD)表の一例を示す図。 図1に示した特徴量算出部が交通需要の特徴量を算出する手順を示すフローチャート。 移動方向別及び階床別の乗車割合及び降車割合の一例を示す図。 移動方向別及び階床別の乗車割合及び降車割合の他の例を示す図。 図1に示した特徴量算出部が利用者数の特徴量を算出する方法の一例を示す図。 図1に示した特徴量データベースが保持するデータの一例を示す図。 図1に示した予測パラメータデータベースが保持するデータの一例を示す図。 図1に示したエレベータ交通需要予測装置の動作例を示すフローチャート。 図1に示した制御方式選択部が保持する制御方式リストの一例を示す図。 第2の実施形態に係る交通需要予測装置を備えるエレベータ装置を概略的に示すブロック図。 図12に示した予測パラメータデータベースが保持するエキスパート予測結果データの一例を示す図。 第2の実施形態に係るエキスパートの設計例を示す図。 図12に示した交通需要予測装置が交通需要を予測する方法の一例を示すフローチャート。 図14のステップS1402におけるエキスパートのリストを作成する方法の一例を示すフローチャート。 図12に示した交通需要予測部が交通需要の特徴量を予測する方法の一例を示すフローチャート。 第3の実施形態に係る交通需要予測装置を備えるエレベータ装置を概略的に示すブロック図。 第3の実施形態に係る属性情報の一例を示す図。 図17に示した情報入力部で勤務体系情報を入力するための画面の一例を示す図。 図17に示した情報入力部で信頼度計算対象期間を設定するための入力画面の一例を示す。
以下、必要に応じて図面を参照しながら種々の実施形態を説明する。以下で説明する実施形態は、乗場に行先方向を指定するためのホール呼びボタンを備え且つエレベータカゴ内に行先階を指定するためのカゴ呼びボタンを備える上下ボタン方式のエレベータ装置に関する。該エレベータ装置には、建物内の交通需要を予測するエレベータ交通需要予測装置が接続されている。実施形態に係る交通需要予測では、一定時間間隔で交通需要の特徴量を計算し、該交通需要の特徴量を記録したデータベース及びオンラインアルゴリズムのエキスパートを用いて、次の時間帯での交通需要の予測を行う。このような交通需要の予測によれば、建物毎に交通需要の発生パターンが異なっていたとしても高い精度の予測を行うことができる。この予測結果に応じた制御方式で割当を行うことにより、実際の交通需要に適合したエレベータ運行を実現することができ、その結果、サービス性能を向上することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータ装置100を概略的に示している。このエレベータ装置100は、複数の階床を有する建物(例えばオフィスビル)に設置される。本実施形態では、建物が第1から第7階床を有するものとする。エレベータ装置100は、図1に示されるように、複数台のエレベータカゴ110A〜110Cを統括的に制御する群管理制御装置150を備える。以下では、エレベータカゴを単に「カゴ」と呼ぶ。図1では、3台のカゴ110A、110B、110Cが示されているが、カゴは、2台又は4台以上であってもよい。群管理制御装置150は、カゴ110A、110B、110Cそれぞれの運行計画を生成し、カゴ110A、110B、110Cそれぞれに対応して設けられているカゴ制御部120A、120B、120Cに送出する。カゴ制御部120A、120B、120Cは、カゴ110A、110B、110Cの運行計画に従ってカゴ110A、110B、110Cをそれぞれ制御する。カゴ制御部120A、120B、120Cの各々は、カゴの昇降制御及びドアの開閉制御といった種々の制御を行う。
カゴ110A、110B、110Cの各々には、行先階を指定するためのカゴ呼びボタン112が設けられている。利用者がカゴ呼びボタン112で行先階を指定すると、指定された行先階へのカゴの移動要求(カゴ呼び)が発生する。移動要求は、「新規カゴ呼びの発生」という形でカゴ呼び検出部156によって検出される。カゴ呼び検出部156は、検出したカゴ呼びに関するカゴ呼び情報を生成する。カゴ呼び情報は、利用者が指定した行先階である停止予定階、カゴの識別番号、カゴ呼びの発生時刻などを含む。カゴ呼び検出部156は、カゴ呼び情報をカゴ呼び情報記憶部157に格納する。カゴ呼び情報記憶部157は、カゴ呼び検出部156から受け取ったカゴ呼び情報を記憶する。カゴ呼び情報記憶部157は、カゴが停止予定階に停止した後に、対応するカゴ呼び情報を削除する。
さらに、カゴ110A、110B、110Cの各々には、積載荷重を測定する積載荷重測定部114が設けられている。積載荷重は、カゴに乗車中の利用者の荷重(即ち、重量)を主に表す。積載荷重は、利用者の手荷物などの荷重の影響も受けるが、基本的には利用者数に応じて変動するものと考える。積載荷重測定部114は、戸開中の積載荷重の変動を検出することで、その階床における乗車荷重及び降車荷重を測定することができる。ここで、乗車荷重は、ある階床でカゴに乗車した利用者の荷重であり、降車荷重は、ある階床でカゴから降車した利用者の荷重である。移動方向別及び階床別の乗車荷重並びに移動方向別及び階床別の降車荷重を示す荷重データは、カゴ110A、110B、110Cそれぞれに対応するカゴ制御部120A、120B、120Cを経由してエレベータ状態把握部153へ送られる。
一方、それぞれの階床の乗場には、行先方向(上方向又は下方向)を指定するためのホール呼びボタン130が設置されている。図1の例では、各階床に1つのホール呼びボタン130が設けられている。ある階床にいる利用者は、その階床のホール呼びボタン130を操作して所望の行先方向を入力する。具体的には、ホール呼びボタン130は上方向ボタン及び下方向ボタンを含み、利用者は所望の行先方向に応じたボタン(上方向ボタン又は下方向ボタン)を押下する。ホール呼びボタン130で行先方向が指定されると、カゴの配車要求(ホール呼び)が発生する。ここで、「配車」とは、ホール呼びに応じてカゴを配することを意味する。配車要求は、「新規ホール呼びの発生」という形でホール呼び検出部151よって検出される。ホール呼び検出部151は、検出したホール呼びに関するホール呼び情報を生成する。ホール呼び情報は、ホール呼びの発生時刻、発生階床、行先方向(上方向又は下方向)などを含む。ホール呼び検出部151は、ホール呼び情報をホール呼び情報記憶部152に格納する。さらに、ホール呼び検出部151は、エレベータ状態把握部153を経由してカゴ割当演算処理部154にホール呼び情報を送出する。
ホール呼び情報記憶部152は、未応答ホール呼びに関するホール呼び情報を記憶している。未応答ホール呼びとは、配車がまだ完了していないホール呼びを指す。ホール呼び情報記憶部152は、未応答ホール呼びそれぞれの発生時刻、発生階床、及び行先方向などを記憶している。未応答ホール呼びに関するホール呼び情報は、配車完了後にホール呼び情報記憶部152から削除される。
エレベータ状態把握部153は、ホール呼び情報記憶部152に記憶されているホール呼び情報、及びカゴ呼び情報記憶部157に記憶されているカゴ呼び情報を取得する。さらに、エレベータ状態把握部153は、カゴ制御部120A、120B、120Cからカゴ運行情報を受け取る。カゴ運行情報は、荷重データとともに、カゴの位置、移動方向(上方向又は下方向)、速度、ドアの状態(戸開中、戸閉中など)などの情報を含む。エレベータ状態把握部153は、ホール呼び情報、カゴ呼び情報、及びカゴ運行情報を統合した統合運行情報を生成する。統合運行情報に含まれる荷重データを統合荷重データと呼ぶ。統合荷重データは、個々のカゴで計測された荷重データを統合したものである。統合運行情報は、カゴ割当演算処理部154及び交通需要予測装置160へ与えられる。
カゴ割当演算処理部154は、新規に発生したホール呼びの情報をホール呼び検出部151から受け取る。カゴ割当演算処理部154は、交通需要予測装置160によって決定される制御方式に従って、カゴ110A、110B、110Cの中からホール呼びに応答させるカゴを選択し、即ち、ホール呼びにどのカゴを割り当てるかを決定する。ホール呼びにカゴを割り当てる方法としては、例えば、特許第4454979号に記載されている方法を利用することができる。カゴ運行制御部155は、カゴ割当演算処理部154の割当結果を反映してカゴ110A、110B、110Cの運行計画を立てる。カゴ制御部120A、120B、120Cは、カゴ運行制御部155が立てた運行計画に従ってカゴ110A、110B、110Cをそれぞれ運行する。
交通需要予測装置160は、エレベータ状態把握部153から受け取る統合運行情報に基づいて建物内の交通需要を予測し、その予測結果に基づいて、カゴ割当演算処理部154で使用する制御方式を決定する。交通需要予測装置160は、交通需要の予測及び制御方式の決定を一定時間間隔で(例えば5分間隔で)行う。具体的には、交通需要予測装置160は、エレベータ制御結果取得部161、特徴量算出部162、特徴量データベース(DB)163、予測パラメータデータベース(DB)164、交通需要予測部165、及び制御方式選択部166を備える。
エレベータ制御結果取得部161は、エレベータ状態把握部153で生成された統合運行情報からエレベータ制御結果を取得する。特徴量算出部162は、エレベータ制御結果から交通需要の特徴量を算出する。特徴量DB163は、属性情報及び時刻(又は時間帯)情報に関連付けて、交通需要の特徴量を記憶する。予測パラメータDB164は、属性情報及び時刻情報に関連付けて、交通需要の予測に用いるパラメータを記憶する。交通需要予測部165は、特徴量DB163及び予測パラメータDB164を参照して、交通需要を予測する。制御方式選択部166は、予め用意される複数の制御方式の中から、交通需要予測部165の予測結果に応じた制御方式を選択する。制御方式選択部166によって選択された制御方式は、カゴ割当演算処理部154へ送られる。
上記構成を備えるエレベータ装置100は、建物内の交通需要を周期的に予測し、その予測結果に応じた制御方式に従ってカゴの割当を行う。これにより、実際の交通需要に対応してカゴの割当を行うことが可能となり、その結果、サービス性能を向上することができる。
図1に示される群管理制御装置150は、ホール呼び検出部151、ホール呼び情報記憶部152、エレベータ状態把握部153、カゴ割当演算処理部154、カゴ運行制御部155、カゴ呼び検出部156、カゴ呼び情報記憶部157、及び交通需要予測装置160を備える。なお、交通需要予測装置160は、群管理制御装置150に含まれる例に限らず、独立した装置として実現されてもよい。
本実施形態のような上下ボタン方式のエレベータ装置では、乗場にいる利用者は、進みたい方向に応じたボタンを押下する。このとき、エレベータ装置は、ホール呼びボタンが操作されたことを観測できるが、それにより発生したホール呼びに対して何人の利用者が待っているか、さらに、利用者の行先階がどこであるかを知ることはできない。計測可能なデータは、例えば、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重である。これら乗車荷重及び降車荷重について図2を参照して説明する。
図2は、建物内の交通需要を表現するOrigin Destination(OD)表の一例を示している。OD表は行列表現することができ、その行は乗場階を表し、列は行先階を表す。行列成分はそれぞれ、ある乗場階からある行先階に何人の利用者が移動したかを表す。図2のOD表は、ある一定時間に360人の利用者が計測されたデータを示す。ただし、図2のような厳密なODを計測できるのは、利用者一人一人について情報を収集した場合である。
上下ボタン方式のエレベータ装置では、移動方向別及び階床別に乗車荷重及び降車荷重を得ることはできるが、この情報から図2のような厳密なODを得ることはできない。上下ボタン方式のエレベータ装置は、例えば、上方向に移動するカゴに2階から乗車する利用者の合計荷重、即ち、2階から3階以上の階床に移動する利用者の合計荷重を得ることができる。この合計荷重は、図2の上三角行列の2行目要素の総和である5に人間の平均体重(例えば65kg)を掛けて得られる値に対応する。同様に、下方向に移動するカゴに5階から乗車した利用者の合計荷重を得ることができる。この合計荷重は、図2の下三角行列の5行目要素の総和である57に平均体重を掛けて得られる値に対応する。降車荷重に関しても、上方向に移動するカゴから3階で降車する利用者の合計荷重、即ち、上方向に移動するカゴに1階から乗車し3階で降車する利用者と2階から乗車し3階で降車する利用者との合計荷重が得られる。この合計荷重は、図2の上三角行列の3列目要素の総和である2に平均体重を掛けて得られる値に対応する。
次に、交通需要予測装置160をより詳細に説明する。
エレベータ制御結果取得部161は、エレベータ状態把握部153から統合運行情報を受け取り、この統合運行情報からエレベータ制御結果を取得する。エレベータ制御結果は、交通需要の特徴量を算出する際に用いる計測データを含む。計測データは、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重を示す統合荷重データを含む。本実施形態では、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重はベクトルで表現され、統合荷重データは、上向き乗車荷重ベクトル、上向き降車荷重ベクトル、下向き乗車荷重ベクトル、及び下向き降車荷重ベクトルを含む。これらのベクトルは、建物がN階床であればN個の要素を持つ。本実施形態のような7階建ての建物では、上向き乗車荷重ベクトルは、第1から第7要素がそれぞれ1階から7階で上方向に移動するカゴに乗車した利用者の荷重を示すベクトルである。上向き降車荷重ベクトルは、第1から第7要素がそれぞれ1階から7階で上方向に移動するカゴから降車した利用者の荷重を示すベクトルである。下向き乗車荷重ベクトルは、第1から第7要素がそれぞれ1階から7階で下方向に移動するカゴに乗車した利用者の荷重を示すベクトルである。下向き降車荷重ベクトルは、第1から第7要素がそれぞれ1階から7階で下方向に移動するカゴから降車した利用者の荷重を示すベクトルである。計測データは、一定時間間隔で取得される。本実施形態では、エレベータ制御結果取得部161は、5分間隔で計測データを取得する。なお、計測データを取得する時間間隔(計測期間ともいう)は、5分間隔に限らず、適宜に設定することができる。
計測データは、未応答時間をさらに含んでもよい。未応答時間は、ホール呼びが発生してからこのホール呼びにカゴが応答するまでの時間間隔を示し、階床別及び移動方向別に取得可能である。エレベータ制御結果取得部161は、階床別及び移動方向別に未応答時間から平均未応答時間を算出することができる。
特徴量算出部162は、エレベータ制御結果に含まれる統合荷重データから、交通需要の特徴量を算出する。交通需要の特徴量は、上向き乗車割合の特徴量、上向き降車割合の特徴量、下向き乗車割合の特徴量、下向き降車割合の特徴量、利用者数の特徴量、及びカテゴリー特徴量を含む。これら特徴量については後述する。図3を参照して交通需要の特徴量を算出する方法について説明する。
図3のステップS301では、特徴量算出部162は、時間帯t−1の統合荷重データから、乗車割合及び降車割合を移動方向別及び階床別に算出するとともに、利用者数の推定値を算出する。ここで、時間帯t−1とは、時刻t−2から時刻t−1までの期間を指す。乗車割合は、乗車荷重を乗車荷重総和で割ったものであり、ここで、乗車荷重総和は、移動方向別及び階床別の乗車荷重の合計である。従って、移動方向別及び階床別に算出された乗車割合の総和は1である。また、降車割合は、降車荷重を降車荷重総和で割ったものであり、ここで、降車荷重総和は、移動方向別及び階床別の降車荷重の合計である。従って、移動方向別及び階床別に算出された降車割合の総和は1である。
本実施形態では、移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重を4つのベクトル(上向き乗車荷重ベクトル、上向き降車荷重ベクトル、下向き乗車荷重ベクトル、及び下向き降車荷重ベクトル)で表現している。このため、移動方向別及び階床別の乗車割合及び降車割合もまた4つのベクトル(上向き乗車割合ベクトル、上向き降車割合ベクトル、下向き乗車割合ベクトル、及び下向き降車割合ベクトル)で表現する。上向き乗車割合ベクトルは、上向き乗車荷重ベクトルを乗車荷重総和で割ることで得られる。上向き降車割合ベクトルは、上向き降車荷重ベクトルを降車荷重総和で割ることで得られる。下向き乗車割合ベクトルは、下向き乗車荷重ベクトルを乗車荷重総和で割ることで得られる。下向き降車割合ベクトルは、下向き降車荷重ベクトルを降車荷重総和で割ることで得られる。図4は、移動方向別及び階床別に算出された乗車割合及び降車割合の一例を示すグラフである。図4の例は、出勤時間帯に観測されるような、出入口がある1階から各階床に向かう利用者が大多数を占める交通需要に対応する。図5は、移動方向別及び階床別に算出された乗車割合及び降車割合の他の例を示すグラフである。図5の例は、退勤時間帯に観測されるような、各階床から出入口がある1階に向かう利用者が大多数を占める交通需要に対応する。
続いて、特徴量算出部162は、乗車荷重総和を人間の平均体重(例えば65kg)で割ることで、計測期間中の乗車人数の推定値を求め、この乗車人数の推定値を利用者数の推定値とする。なお、特徴量算出部162は、降車荷重総和を人間の平均体重で割ることで得られる降車人数の推定値を利用者数の推定値としてもよい。或いは、利用者数の推定値は、乗車荷重総和と降車荷重総和との平均を人間の平均体重で割ることで求めてもよい。
図3のステップS302では、特徴量算出部162は、ステップS301で算出した上向き乗車割合ベクトル、上向き降車割合ベクトル、下向き乗車割合ベクトル、及び下向き降車割合ベクトルから上向き乗車割合の特徴量、上向き降車割合の特徴量、下向き乗車割合の特徴量、及び下向き降車割合の特徴量を算出するとともに、ステップS301で算出した利用者数の推定値から利用者数の特徴量を算出する。本実施形態では、上向き乗車割合の特徴量、上向き降車割合の特徴量、下向き乗車割合の特徴量、及び下向き降車割合の特徴量もまたそれぞれN個の要素を持つN次元ベクトルで表現する。ここで、Nは上述したように建物の階床数を表す。これらのベクトルを上向き乗車割合の特徴量ベクトル、上向き降車割合の特徴量ベクトル、下向き乗車割合の特徴量ベクトル、及び下向き降車割合の特徴量ベクトルと呼ぶ。
具体的には、まず、特徴量算出部162は、利用者数の推定値を離散化することにより、即ち、利用者数の推定値に対して閾値処理を行うことにより得られる値を利用者数の特徴量とする。このように利用者数の推定値を離散化することにより、組み込みシステムにデータを保存する際に、連続値で記録するよりもデータ量を小さくすることができる。閾値処理について簡単に説明する。一例として、計測期間が5分間隔であり、利用者数の推定値がNupと算出されたとする。1時間当たりの利用者数をΔN(例えば100)人刻みで離散化する場合、Nup/ΔN/(300/3600)を計算し、その商を利用者人数の特徴量とする。具体例として、計測期間が5分間隔である場合において利用者数の推定値を利用者数の特徴量に換算する換算表を図6に示す。図6の例では、ΔN=300としている。図6に示されるように、利用者数の推定値Nupが0以上25未満である場合、利用者数の特徴量は0と求まる。また、利用者数の推定値Nupが25以上50未満である場合、利用者数の特徴量は1になる。利用者数の特徴量は、その値が大きいほどその期間にエレベータを利用した利用者の数が多いことを示す。
続いて、特徴量算出部162は、上向き乗車割合ベクトル、上向き降車割合ベクトル、下向き乗車割合ベクトル、及び下向き降車割合ベクトルを閾値処理によって離散化して上向き乗車割合の特徴量ベクトル、上向き降車割合の特徴量ベクトル、下向き乗車割合の特徴量ベクトル、及び下向き降車割合の特徴量ベクトルをそれぞれ得る。閾値処理は、要素が閾値ωを超える場合には1を返し、要素が閾値ω以下である場合には0を返す処理である。従って、各要素は、0又は1の値を持つ。
例えば閾値ωを0.25とした場合、図4に示すデータからは、次のように特徴量ベクトルが求まる。
上向き乗車割合の特徴量ベクトル(1,0,0,0,0,0,0)
上向き降車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
下向き乗車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
下向き降車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
また、例えば閾値ωを0.25とした場合、図5に示すデータからは、次のように特徴量ベクトルが求まる。
上向き乗車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
上向き降車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
下向き乗車割合の特徴量ベクトル(0,0,0,0,0,0,0)
下向き降車割合の特徴量ベクトル(1,0,0,0,0,0,0)
図3のステップS303では、特徴量算出部162は、ステップS302で算出した4つの特徴量ベクトルからカテゴリー特徴量を算出する。カテゴリー特徴量は、交通需要のカテゴリー(分類)を示す。本実施形態では、カテゴリー特徴量は、4つの要素を持つ4次元ベクトル(以下、カテゴリー特徴量ベクトルと呼ぶ)で表現される。カテゴリー特徴量ベクトルの第1要素は、上向き乗車割合の特徴量ベクトルの要素に1が存在する場合は1であり、存在しない場合は0である。その第2要素は、上向き降車割合の特徴量ベクトルの要素に1が存在する場合は1であり、存在しない場合は0である。その第3要素は、下向き乗車割合の特徴量ベクトルの要素に1が存在する場合は1であり、存在しない場合は0である。その第4要素は、下向き降車割合の特徴量ベクトルの要素に1が存在する場合は1であり、存在しない場合は0である。図4の例では、カテゴリー特徴量ベクトルは(1,0,0,0)と求まる。図5の例では、カテゴリー特徴量ベクトルは(0,0,0,1)と求まる。
カテゴリー特徴量ベクトルの要素数は建物の階床数に依存せずに常に4であり、どのような階床数の建物に対してもこの表現を用いることができる。本実施形態では、カテゴリー特徴量ベクトルの4つの要素はそれぞれ0又は1の値を持つ。即ち、交通需要が16個のカテゴリーに分類されている。
なお、上述した交通需要の特徴量を算出する方法は一例であり、交通需要の特徴量は、他の方法で算出されてもよい。例えば、ベクトル表現を用いなくてもよい。
ステップS301からS303で特徴量算出部162によって算出された交通需要の特徴量は、特徴量DB163に記録される。以下では、特徴量算出部162によって算出された交通需要の特徴量を交通需要の特徴量の実測値、又は単に実測値と呼ぶこともある。特徴量DB163が記録するデータの一例を図7に示す。特徴量DB163は、属性情報及び時刻情報に関連付けて交通需要の特徴量を格納している。本実施形態の属性情報は、交通需要予測装置160の運用開始日(又はデータ収集開始日)から経過した日数を示す経過日数、日付、曜日の情報を含む。なお、属性情報は、経過日数、日付、及び曜日の全てを含む例に限らない。属性情報は、経過日数、日付、又は他の同種の情報を含んでいればよい。例えば、属性情報が日付情報を含む場合、経過日数は、日付と既知の運用開始日とから計算することができ、また、曜日は、日付と交通需要予測装置160が備えるカレンダー機能とから特定することができる。
次に、交通需要予測部165が交通需要を予測する方法について説明する。交通需要の予測は、経過日数dの時間帯tにおける交通需要の特徴量が何であるかを、経過日数dの時刻t−1までに取得された交通需要の特徴量の実測値データから予測する問題である。本実施形態では、交通需要の予測の基本的なアルゴリズムとしてオンライン学習アルゴリズムのエキスパート連盟モデルを利用する。
交通需要の予測の問題は、予測値を出力する複数の(例えばN個の)エキスパート、これらエキスパートの予測値を統合して自分の予測値を出力するアルゴリズム(学習者)、及び真の結果を提示する環境の間で毎時刻行われる繰り返しゲームとして、次のように定式化することができる。
Yを実測値の集合、Y´を予測値の集合とし、予測の良さを評価するための損失関数L:Y×Y´→[0,∞]が与えられているとする。学習者(エレベータの学習機能)の立場から見た各時刻tにおける一連の動作は次の通りである。
1.各エキスパートi(i={1,2,…,N})から予測値xt,i´(∈Y´)を受け取る。
2.全てのエキスパートの予測値を統合して自分の予測値y´(∈Y´)を出力する。
3.環境から実測値y(∈Y)を受け取る。
4.学習者及び各エキスパートiはそれぞれL(y,y´)及びL(y,xt,i´)の損失を被る。
以上のプロセスが時刻Tまで行われたとすると、学習者の累積損失L 及び各エキスパートiの累積損失L はそれぞれ下記式(1)及び式(2)で表すことができる。
Figure 2014172718
学習者の目標は、下記式(3)に示す学習者の累積損失と最適なエキスパートの累積損失との差R をなるべく小さくすることである。これを学習者のリグレットと呼ぶ。
Figure 2014172718
統合アルゴリズム(Aggregating Algorithm、以下AAと称する。)と呼ばれる学習者の戦略スキームがVovkによって提案されている。Vovkは、AAが任意のゲームに対してある緩い仮定のもとで最適な予測を行うことを示した。AAは、時刻tにおいてエキスパートiに下記式(4)に示す重みνt,iを割り当てる。
Figure 2014172718
ここで、式(5)に示すLt−1 は時刻t−1におけるエキスパートiの累積損失を表す。また、βは学習係数又は学習定数と呼ばれるパラメータであり、0<β<1である。式(4)から分かるように、累積損失の大きいエキスパート、即ち、多く間違えるエキスパートほど小さい重みが割り当てられる。重みの初期値ν1,iはエキスパートi毎に任意に設定することができる。典型的には、重みの初期値ν1,iは1/Nに設定される。
実際には、上記式の関係を維持するために、時刻tにおける各エキスパートiの損失L(y,xt,i´)が明らかになったときに、式(4)で算出された重みνt,i下記式(6)に従って更新すればよい。式(6)において、左辺のνt,iが更新後の重みを表す。
Figure 2014172718
次に、学習者の予測について説明する。学習者は、エキスパートの予測と重みを用いて、下記式(7)を満たす関数F(・)によって予測する。
Figure 2014172718
本来予測したいのは交通需要のパターンであるが、細分化された交通需要を的確に予測するのは困難である。そこで、本実施形態では、次のような戦略を取る。
1.交通需要のカテゴリーを予測する。
2.重みが最も大きいエキスパートの予測を用いて、移動方向別の乗車割合及び降車割合並びに利用者数の特徴量を予測する。
交通需要のカテゴリーを予測するのは、後述する制御方式選択部166において交通需要のカテゴリー毎に1以上の制御方式候補(ゾーニング、複数台割当、引き戻し、分散待機など)を決めているためである。さらに、制御方式候補から実際に用いる制御方式を選択する条件として、移動方向別の乗車割合及び降車割合の特徴量並びに利用者数の特徴量を利用する。
次に、エキスパートが予測を行う方法について説明する。各エキスパートは、特徴量DB163の特定箇所のデータを参照し、そのデータから予測結果を出力する。ここでは、説明を簡単にするために、交通需要予測部165が3つのエキスパートを備える場合を例に挙げて説明する。例えば、経過日数dの時間帯tの交通需要のカテゴリーを予測する場合、3つのエキスパートは以下のように設定される。
エキスパート1:経過日数dの時間帯t−3,t−2,t−1のデータから予測する。
エキスパート2:経過日数d−3,d−2,d−1の時間帯t+1のデータから予測する。
エキスパート3:経過日数d−21,d−14,d−7の時間帯tのデータから予測する。
エキスパート1は、予測の直前に取得されたデータを用いて予測値を生成する。例えば、8時00分から8時05分の時間帯の交通需要を予測する場合、エキスパート1は、同日の7時45分から7時50分、7時50分から7時55分、7時55分から8時00分の時間帯のデータを参照して3つのカテゴリー特徴量ベクトルを取得する。そして、エキスパート1は、取得した3つのカテゴリー特徴量ベクトルで多数決判定を行って予測値を生成する。エキスパート1のように過去の時間帯のデータを用いる予測を過去時間帯予測と呼ぶ。
エキスパート2は、1日前、2日前、3日前の時間帯t+1に取得されたデータを用いて予測値を生成する。例えば、4月28日の8時00分から8時05分の時間帯の交通需要を予測する場合、エキスパート2は、4月27日、4月26日、4月25日の8時05分から8時10分の時間帯のデータを参照して3つのカテゴリー特徴量ベクトルを取得し、取得した3つのカテゴリー特徴量ベクトルで多数決判定を行って予測値を生成する。エキスパート2のように未来の時間帯のデータを用いる予測を未来時間帯予測と呼ぶ。
エキスパート3は、1週間前、2週間前、3週間前の時間帯tに取得されたデータを用いて予測値を生成する。例えば、4月28日の8時00分から8時05分の時間帯の交通需要を予測する場合、エキスパート2は、特徴量DB163から、4月21日、4月14日、4月7日の8時00分から8時05分の時間帯のデータを参照して3つのカテゴリー特徴量を取得し、取得した3つのカテゴリー特徴量ベクトルを用いて多数決判定を行って予測値を生成する。エキスパート3のように同一時間帯のデータを用いる予測を現在時間帯予測と呼ぶ。
各エキスパートは、特徴量DB163から取得したカテゴリー特徴量ベクトルに同じカテゴリー特徴量ベクトルが2つ以上含まれる場合には、そのカテゴリー特徴量ベクトルを予測値として生成する。3つのカテゴリー特徴量がそれぞれ異なる場合には、エキスパートは、予測を保留し、即ち、予測値を生成しない。エキスパートに予測の保留を許すモデルは、オンライン学習アルゴリズムのスペシャリストモデルと呼ばれるものである。
一般的なVovkのアルゴリズムでは、学習者の予測値は、エキスパートの予測値の重み付け和によって出力される。しかしながら、本実施形態のような離散化されたパターンを予測する場合には、Vovkのアルゴリズムをそのまま適用することができない。本実施形態では、学習者は重みが最も大きいエキスパートの予測値を採用する。このモデルは、エキスパート連盟モデルと呼ばれるものであり、広く理論的な研究が行われている。
本実施形態では、時刻tにおけるエキスパートiの損失関数L(y,xt,i)を下記式(8)のように定義する。
Figure 2014172718
この損失関数は、一般に0−1損失と呼ばれ、予測値と実測値が異なってなる場合に損失が発生したと見なすものである。この損失関数を用いると、スペシャリスト連盟モデルの重みの更新式は下記式(9)のように表すことができる。
Figure 2014172718
ここで、γは保留時の損失関数であり、0<γ<1である。さらに、ut,iは、下記式(10)のように、エキスパートiが時刻tで予測を保留したかどうかを表す変数である。この変数(以下では保留変数と呼ぶ。)は、エキスパートiが予測をするたびに変更される。式(9)によれば、エキスパートそれぞれの重みは、予測が正解である(即ち、予測値と実測値が同じである)場合に重みを相対的に大きくし、予測が不正解である(即ち、予測値と実測値が異なる)場合に重みを相対的に小さくするように、更新される。
Figure 2014172718
エキスパートの重みは、付加情報及び時刻情報(時間帯)に関連付けて予測パラメータDB164に記録される。予測パラメータDB164に記録されている重みデータの一例を図8に示す。図8は、4つのエキスパートの重みが曜日及び時刻情報に関連付けて記録される例を示す。例えば、交通需要予測部165は、2011年4月28日(木曜日)の8時00分から8時05分までの交通需要を予測する場合には、木曜日の8時00分から8時05分でのそれぞれのエキスパートの重みを参照して重みが最も高いエキスパートを選択する。その後に、2011年4月28日(木曜日)の8時00分から8時05分までの時間帯の実測値が特徴量算出部162によって算出されると、交通需要予測部165は、例えば式(9)に示されるように、その時間帯の各エキスパートの予測値と実測値とに基づいて各エキスパートの重みを更新する。
なお、重みデータは、図8に示すような曜日及び時刻情報に関連付けて重みを記録する例に限定されず、平日や休日などのカレンダー情報を付加情報に含めて重みを記録していてもよい。だたし、本実施形態では、説明を簡単にするために、曜日及び時刻情報に関連付けて重みが記録されているものとする。この場合、ある曜日のある時間帯の重みは1週間に1回更新される。平日や休日を含めると付加情報が一致するたびに重みが更新されることになる。
図9を参照して、予測パラメータDB164に記録されている重みを更新する手順を具体的に説明する。
図9の処理は、交通需要予測部165が2011年4月28日(木曜日)の時間帯t−1の交通需要を予測した後に開始するものとする。ステップS901では、特徴量算出部162は、2011年4月28日(木曜日)の時間帯t−1の統合荷重データから交通需要の特徴量の実測値を算出する。例えば、特徴量算出部162は、図3を参照して上述した手順に従って交通需要の特徴量の実測値を算出する。これにより、2011年4月28日(木曜日)の時間帯t−1における交通需要の特徴量の実測値が得られる。この実測値は特徴量DB163に記録される。
ステップS902では、交通需要予測部165は、2011年4月28日(木曜日)の時間帯t−1の交通需要の特徴量の実測値と、同日の時間帯t−1の予測の際に生成されたエキスパートの予測値と、を用いて、木曜日の時間帯t−1におけるエキスパートの重みを更新する。
ステップS903では、交通需要予測部165は、2011年4月28日(木曜日)の時間帯tの交通需要を予測する。具体的には、交通需要予測部165は、予測パラメータDB164から木曜日の時間帯tにおけるエキスパートの重みを取得し、重みが最も大きいエキスパートの予測値を2011年4月28日(木曜日)の時間帯tの交通需要の特徴量として決定する。各エキスパートの予測値及び保留変数は、次の時間帯t+1の予測が終了するまで保存される。
このようにして、エキスパートそれぞれの重みは、予測が行われるたびに更新される。
交通需要予測部165は、予測パラメータDB164からエキスパートそれぞれの重みを受け取り、特徴量DB163を参照してエキスパートそれぞれの予測値を算出し、エキスパートそれぞれの重みに基づいて学習者の予測値を決定する。交通需要予測部165は、学習者の予測値を予測結果として出力する。予測結果は、カテゴリー特徴量を含む。予測結果は、移動方向別の乗車割合及び降車割合並びに利用者数の特徴量をさらに含むことができる。
制御方式選択部166は、交通需要予測部165から予測結果を受け取り、予め用意される制御方式リストから予測結果に応じた制御方式を選択する。制御方式選択部166が保持している制御方式リストの一例を図10に示す。図10の制御方式リストでは、カテゴリー特徴量の各々について複数の制御方式候補が決められている。図10の例では、予測結果に含まれるカテゴリー特徴量及び利用者数の特徴量によって制御方式が決定される。例えば、カテゴリー特徴量が(1,0,0,0)であり且つ利用者数の特徴量が2以下であるという予測結果が得られた場合、制御方式は分散待機に決定され、カテゴリー特徴量が(1,0,0,0)であり且つ利用者数の特徴量が6以上であるという予測結果が得られた場合、制御方式は複数台割当に決定される。図10において、分散待機とは、利用者が少ない場合にカゴの待機位置を制限する制御方式である。複数台割当とは、1つのホール呼びに対して複数台のカゴを配車する制御方式である。また、ゾーニングとは、カゴの周回時間を短縮するために、ホール呼びを制限する制御方式である。本実施形態では、これらの制御方式を実現する方法は既存の方法を使用するものとし、詳細には言及しない。図10においては、制御方式は交通需要予測部165の予測結果によって一意に決まる。しかしながら、ある条件で起動され得る制御方式候補を複数用意しておき、実際に運行した結果によって複数の制御方式候補を評価し、この条件で起動する制御方式候補を1つに絞ってもよい。
以上のように、第1の実施形態に係るエレベータ装置では、オンラインアルゴリズムのエキスパートを用いて交通需要を予測する交通需要予測装置を備えることにより、交通需要を正しく予測することができる。それにより、実際の交通需要に適合した割当を行うことが可能になり、その結果、サービス性能を向上することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、交通需要の特徴量を予測する方法について説明している。第1の実施形態では、各エキスパートの重みは曜日及び時間帯に関連付けて予測パラメータDB164に記録される。該重みは、同じ曜日及び時間帯で得られた実測値を用いて更新される。そのため、各エキスパートの予測値は、重みの更新時に使用するが、その後は使用されないので記録する必要がない。
第1の実施形態では、例えば建物内の会社が入れ替わるなどして交通需要の傾向が変化した場合には、交通需要予測部165の予測結果が特定の曜日及び時間帯で外れるようになることがある。これは、エキスパートの成績の変化が重みに反映されるのにある程度の期間を要することに起因する。例えば、あるエキスパートは、ある曜日のある時間帯で予測の正解率が高かったが、交通需要の傾向が変化した後に、その曜日のその時間帯で正解率が低くなることがある。この場合、交通需要の傾向が変化した後のある程度の期間では、その曜日のその時間帯においてこのエキスパートの重みが大きいので、このエキスパートの予測値が交通需要予測部165の予測結果として採用される。
第2の実施形態では、重みに代えて、所定期間内での正解率を示す信頼度を使用する。以下、図11から図16を参照して第2の実施形態について具体的に説明する。
図11は、第2の実施形態に係るエレベータ装置1100を概略的に示している。図11に示すエレベータ装置1100は、図1に示すエレベータ装置100の構成に加えて、信頼度算出部1101及び情報入力部1102を備える。信頼度算出部1101は、所定期間内のエキスパートの成績に基づいてそのエキスパートの信頼度を算出する。情報入力部1102は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器を含み、オペレータからの入力を受け付ける。本実施形態では、情報入力部1102は、信頼度算出部1101で信頼度を算出する際に使用するデータの数を設定するために使用される。信頼度の算出に使用する予測結果の数はエキスパート毎に設定することができる。
本実施形態では、予測パラメータDB164は、各エキスパートの予測値が実測値と一致したかどうかを属性情報及び時刻に関連付けて記録するエキスパート予測結果データを保持している。エキスパート予測結果データの一例を図12に示す。図12において、各欄の記号「○」は予測値と実測値が一致したこと(即ち、正解)を示し、記号「×」は予測値と実測値が不一致であったこと(即ち、不正解)を示す。エキスパートが予測値の出力を保留した場合には、不正解であるとする。さらに、エキスパート予測結果データには、属性情報及び時刻に関連付けて、選択したエキスパートの番号及びその予測値が実測値と一致したかどうかが記録されている。
図13は、本実施形態に係るエキスパートの設計の一例を示す。図13に示されるように、各エキスパートは、予測時に参照するデータ及び信頼度計算対象期間を指定されている。ここで、D(t|d)は、経過日数dの時間帯tにおけるデータを示す。例えば、エキスパート1は、D(t−3|d)、D(t−2|d)、及びD(t−1|d)を用いて、経過日数dの時間帯tにおける交通需要を予測する。また、信頼度計算対象期間は、信頼度の計算に使用するデータの数を示す。信頼度計算対象期間は、情報入力部1102を用いて設定されることができる。信頼度の計算方法については後述する。
次に、図14を参照して本実施形態に係る交通需要の特徴量を予測する方法を説明する。
図14のステップS1401では、特徴量算出部162は、時間帯t−1の統合荷重データから交通需要の特徴量を算出し、算出した交通需要の特徴量を特徴量DB163に記録する。例えば、特徴量算出部162は、図3を参照して上述した手順に従って交通需要の特徴量を算出する。
ステップS1402では、信頼度算出部1101は、時間帯tの交通需要を予測するために、予測パラメータDB164が保持するエキスパート予測結果データを参照して複数のエキスパートの信頼度を算出し、信頼度によってソートされたエキスパートのリストを作成する。ステップS1402の処理について図15を参照して説明する。
図15のステップS1501では、信頼度算出部1101は、予測パラメータDB164が保持するエキスパート予測結果データを参照して複数のエキスパートの信頼度を算出する。各エキスパートの信頼度を算出する方法を具体的に説明する。ある曜日のある時間帯の予測を行う場合、過去P週分のその曜日のその時間帯でのエキスパートの正解率を信頼度として算出する。ここで、Pは、自然数であり、信頼度計算対象期間を表す。正解率は、正解(○)の数をPで割った値である。図13の例では、エキスパート3の信頼度計算対象期間Pは3であり、例えば2011年4月28日(木曜日)の7時00分から7時05分の時間帯の予測を行う場合には、信頼度算出部1101は、2011年4月21日の7時05分から7時10分の時間帯、7時10分から7時15分の時間帯、及び7時15分から7時20分の時間帯での正解(○)の数を3で割ることによってエキスパート3の信頼度を算出する。なお、信頼度は、予測を行う曜日及び時間帯と同じ曜日及び時間帯のデータから算出する上述の例に限らず、他の曜日及び時間帯のデータを用いて算出してもよい。
ステップS1502では、信頼度算出部1101は、信頼度が高い順にエキスパートをソートしたリストを作成する。このように信頼度でソートするのは、信頼度が高いエキスパートを選択するためである。具体的には、まず、信頼度を第1キーとしてエキスパートをソートする。このとき、信頼度が同じエキスパートが複数存在する場合、各エキスパートが予測に用いるデータを取得するのに要する時間(期間)を第2キーとして同じ信頼度を持つエキスパートをソートする。予測に用いるデータを取得するのに要する時間は、図13の例では、エキスパート1では15分、エキスパート2では21日、エキスパート3では7日、エキスパート4では3日である。
図14に戻ると、ステップS1403では、交通需要予測部165は、ステップS1402で作成したリストを用いて、時間帯tにおける交通需要を予測する。本実施形態に係る交通需要の予測方法について図16を参照して説明する。
図16のステップS1601では、ステップS1402で作成されたエキスパートのリストを参照する際に用いるindexを初期化する。例えば、index=1とする。ステップS1602では、交通需要予測部165は、リスト中のindex番目のエキスパートを用いて、交通需要の特徴量を予測する。エキスパートによる予測に関しては第1の実施形態で説明したものと同じ方法を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
ステップS1603では、index番目のエキスパートが予測を保留したかどうかを判断する。index番目のエキスパートが予測を保留しない、即ち、予測値を生成した場合は、交通需要予測部165は、このエキスパートの予測値を予測結果として出力し、処理が終了になる。ただし、後に信頼度を算出することができるように、index番目以降の全てのエキスパートも予測を行う必要がある。
ステップS1603においてindex番目のエキスパートが予測を保留した場合、ステップS1604に進む。ステップS1604では、indexをインクリメントする。ステップS1605では、indexの値がエキスパートの個数(N)を超えているかどうかを判断する。indexの値がエキスパートの個数以下である場合、ステップS1602に戻る。indexの値がエキスパートの個数を超えている場合、即ち、全てのエキスパートが予測を保留した場合、ステップS1606に進む。ステップS1606では、交通需要予測部165は、直前の時間帯に得られた実測値を予測結果として採用する。
以上のように、第2の実施形態に係る交通需要予測装置160は、所定期間内の成績に基づいて信頼度をエキスパート毎に算出し、信頼度に基づいてエキスパートを選択する。それにより、ある曜日のある時間帯で正解率が高いエキスパートが変化したとしても、比較的に短い時間でその変化に追従することができる。交通需要予測装置160は、最近の成績がよいエキスパートの予測値を予測結果として採用することにより、交通需要を的確に予測することができる。なお、信頼度計算対象期間Pを1とすると、一週前のデータから信頼度を求めることになり、これは最も変化に対する追従性があるが、一方で、偶然当たった場合の区別もできなくなる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、交通需要が主に曜日に依存すると想定している。しかしながら、実際の建物では単に曜日に応じて周期的に同じ交通需要が発生するとは限らない。例えば、属性を平日(月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日)と週末(土曜日、日曜日)に分けると、オフィスビルでは、平日同士、週末同士の交通需要のパターンは似ているが、平日の交通需要と週末の交通需要は似ていないなどの傾向があり得る。また、平日であっても、勤務日か休暇日かによっても発生する交通需要のパターンに違いが見られると予想できる。第3の実施形態では、曜日以外の情報も考慮する。
図17は、第3の実施形態に係るエレベータ装置1700を概略的に示している。図17に示すエレベータ装置1700は、図1に示すエレベータ装置100の構成に加えて、情報入力部1701、エキスパート作成部1702、及び信頼度算出部1703を備える。情報入力部1701は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器を含み、オペレータからの入力を受け付ける。情報入力部1701は、建物内の会社に関する勤務体系情報を入力するために使用される。エキスパート作成部1702は、情報入力部1701が取得した勤務体系情報に基づいてエキスパートを作成する。信頼度算出部1703は、第2の実施形態の信頼度算出部1101(図11)と同様の動作を行うので、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、属性情報は、平日、週末、祝日、祭日などの暦に関する情報(即ち、カレンダー情報)と、会社毎に定まる午前休暇日、午後休暇日、定時退社日、特別休暇日などの勤務体系に関する情報(勤務体系情報)と、を含む。図18は、属性情報の一例を示す。図18において、「week_num」は、曜日を表す変数である。「weekend」は平日と週末を区別するための変数である。「holiday」は祝日及び祭日(祝祭日)を表す変数である。「working_day」は勤務体系を表す変数である。week_num、weekend及びholidayの変数は、カレンダー情報から、ある日付「day」に対して一意に決まる。week_numは、その値が1、2、3、4、5、6、7であるときにそれぞれ月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日を表す。weekendは、その値が0であれば平日(月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日)を表し、その値が1であれば週末(土曜日、日曜日)を表す。holidayは、その値が1であれば祝祭日を表し、その値が0であればそれ以外の日を表す。日付dayが2011年4月29日である場合、week_num=5、weekend=0、holiday=1のように一意に決まる。
working_dayは建物内にある会社の勤務体系を表す情報であり、事前に入力する必要がある。勤務体系情報は、情報入力部1701を用いてオペレータによって入力される。パーソナルコンピュータ(PC)の表示部(例えば液晶表示装置)に表示される勤務体系情報を入力するための画面の一例を図19に示す。本実施形態では、PCを用いて勤務体系情報を入力する例を説明するが、入力方法はこの例に限定されない。図19に示されるように、画面には一般的な表示形式のカレンダーが表示される。具体的には、画面上部に西暦(又は年号表示)及び月の情報が表示され、画面中央部に、横軸を曜日に設定して日付が配置されている。カレンダー情報によって決まる祝祭日は、対応するカラムがカラー表示される。画面上でカーソルを2011年4月29日に合わせると、勤務体系のリストが吹き出し表示で現れる。オペレータは、リストの中から適切な項目を選択することで、その日の勤務体系情報を設定する。ここでは、建物内に1つの会社だけが存在するものとして説明している。しかしながら、建物内に勤務体系の異なる複数の会社が存在してもよい。その場合、勤務体系情報は会社ごとに入力される。
次に、エキスパート作成部1702について説明する。エキスパート作成部1702は、情報入力部1701で入力された勤務体系情報を用いて、エキスパートを作成する。
第1の実施形態では、エキスパートは次のように設定されている。
エキスパート1:経過日数dの時間帯t−3,t−2,t−1のデータから予測する。
エキスパート2:経過日数d−3,d−2,d−1の時間帯t+1のデータから予測する。
エキスパート3:経過日数d−21,d−14,d−7の時間帯tのデータから予測する。
これらエキスパートは、次のように表示することができる。
エキスパート1:Prediction[D(t-3|d), D(t-2|d), D(t-1|d)]
エキスパート2:Prediction[D(t+1|d-1), D(t+1|d-2), D(t+1|d-3)]
エキスパート3:Prediction[D(t|d-21), D(t|d-14), D(t|d-7)]
ここで、Prediction[D(x1),D(x2),D(x3)]は、データD(x1)、D(x2)、D(x3)を用いて多数決判定によって予測を行うことを示す。エキスパート1、2、3においては、次のように時間帯tの交通需要のカテゴリーを予測するために用いるデータの時間帯が異なっている。
エキスパート1:直前の時間帯t−3、t−2、t−1のデータを用いる。
エキスパート2:最近3日の時間帯t+1のデータを用いる。
エキスパート1:同一曜日、同一時間帯tのデータを用いる。
予測を行う際には、どの時間帯のデータを用いてもよいが、それでは、エキスパートを無限に作成することが可能になる。エキスパート作成部1702は、過去時間帯予測、未来時間帯予測、現在時間帯予測の3つの予測形態を基本としてエキスパートを作成する。エキスパート作成部1702は、経過日数d、日付day、平日週末weekend、祝祭日holiday。勤務体系working_dayをどのように組み合わせて用いるかによって決まる。組み合わせは、以下の10通りが考えられる。
(1)曜日、祝祭日、勤務体系
(2)平日週末、祝祭日、勤務体系
(3)曜日、祝祭日
(4)曜日、勤務体系
(5)平日週末、祝祭日
(6)平日週末、勤務体系
(7)祝祭日、勤務体系
(8)曜日
(9)祝祭日
(10)勤務体系
例えば(1)曜日、祝祭日、勤務体系を考慮する場合、エキスパート作成部1702は、以下の3つのエキスパートm1、m2、m3を作成する。
データD(t-3|d, week_num, holiday, working_day)
データD(t-2|d, week_num, holiday, working_day)
データD(t-1|d, week_num, holiday, working_day)
を用いて予測を行うエキスパートm1
データD(t+1|d-7*x_1, week_num, holiday, working_day)
データD(t+1|d-7*x_2, week_num, holiday, working_day)
データD(t+1|d-7*x_3, week_num, holiday, working_day)
を用いて予測を行うエキスパートm2(ただし、x_1、x_2、x_3は自然数であり、*は乗算記号を示す。)
データD(t|d-7*y_1, week_num, holiday, working_day)
データD(t|d-7*y_2, week_num, holiday, working_day)
データD(t|d-7*y_3, week_num, holiday, working_day)
を用いて予測を行うエキスパートm3(ただし、y_1、y_2、y_3は自然数である。)
ここで、D(t|M)は属性Mの時間帯tのデータを示す。エキスパートm2におけるx_1、x_2、x_3は同じ属性を持つ日がx_1週前、x_2週前、x_3週前であることを表し、エキスパートm3におけるy_1、y_2、y_3は同じ属性を持つ日がy_1週前、y_2週前、y_3週前であることを表す。平日週末情報を除いたのは、平日週末が曜日によって決まるものなので曜日を考慮することは平日週末を考慮することを含むためである。ただし、平日週末を考慮することは、曜日を考慮することを含んでいないことに注意されたい。エキスパートm1、m2、m3はそれぞれ過去時間帯予測、未来時間帯予測、現在時間帯予測のエキスパートであるが、(1)の場合であっても複数作成することができる。例えば、2011年4月28日の7時00分から7時05分までの時間帯の予測を行う際には、2011年4月28日の6時55分から7時00分、6時50分から6時55分、6時45分から6時50分の時間帯のデータを使うエキスパートも作成でき、2011年4月21日の6時55分から7時00分、6時50分から6時55分、6時45分から6時50分の時間帯のデータを使うエキスパートも作成できる。これでは、エキスパートの作成に一意性がないため、自動で作成することはできない。そこで、そこで、同じ属性のデータを用いる際には、エキスパートは最新のデータを用いることとする。すると、(1)の過去時間帯予測では、2011年4月28日の7時00分から7時05分までの時間帯の予測を行う際には、2011年4月28日の6時55分から7時00分、6時50分から6時55分、6時45分から6時50分の時間帯のデータを使うエキスパートが用いられることになる。
このように属性が同じである場合、最新のデータで予測を行うという条件を加えることで、(1)から(10)のような属性の組に対しても各エキスパートでそれぞれ一意に設定することができる。
情報入力部で勤務体系情報が入力されない場合、エキスパート作成部1702は、勤務体系を含むものを除いて(3)、(5)、(8)、(9)を考慮してエキスパートを作成する。エキスパート作成部1702で作成されたエキスパートは、予測パラメータDB164に送信され、予測に用いるエキスパートとして登録され、各時間帯で予測を行う。第3の実施形態での最終的な予測結果を決定するには第2の実施形態で説明されるような信頼度を用い、信頼度が最も高いエキスパートの予測値を予測結果として採用する。
なお、交通需要予測部165は、第1の実施形態で説明したような重みを使用して、どのエキスパートの予測値を予測結果として採用するかを決定することもできる。しかしながら、重みはエキスパート間で相対的に変更されることから、エキスパートが多数存在する場合には重みの変化(増減)が小さくなることがある。
一方、第2の実施形態で説明した信頼度は、エキスパートごとに個別に算出される。このため、多数のエキスパートが存在する場合には信頼度を用いるのが有効である。エキスパート作成部1702で作成されたエキスパートそれぞれには、信頼度計算対象期間Pが設定される。図20は、本実施形態に係る信頼度計算対象期間を設定するための入力画面の一例を示す。図20に示されるように、信頼度計算対象期間は、(1)から(10)までの属性の組み合わせごと及び3つの予測形態ごとに設定される。オペレータは、情報入力部1701を用いて各欄に信頼度計算対象期間を入力設定する。一例では、全ての欄に初期値として3が格納されている。
信頼度の算出方法は、第2の実施形態で説明したものと同様の方法を用いることができる。具体的には、各エキスパートの信頼度は、過去の同一属性の日における成績から算出される。曜日属性を考慮する場合、同一属性の日は1週間ごとに現れる。一方、平日は週に5日あり、週末は週に2日あるので、平日週末の属性を考慮する場合には、同一属性の日が現れる頻度は、曜日属性を考慮する場合より多くなる。このように、頻繁に現れる属性に関しては信頼度の更新が頻繁になる。一方、めったに現れない属性に関しては信頼度の更新は稀になる。しかしながら、多数のエキスパートを用意することで、正答を出すエキスパートが存在する確率が高くなる。さらに、その中でも信頼度の高いエキスパートの予測値を予測結果として採用することから、めったに発生しない属性の日を除いては、正しい予測を行えるようになる。
以上のように、第3の実施形態に係る交通需要予測装置は、建物内の会社に関する勤務体系を含む種々の属性の組み合わせに関して複数のエキスパートを作成する。より多くのエキスパートを利用して予測を行うことにより、予測の精度をより高めることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態に係る交通需要予測装置は、一定時間間隔で交通需要の特徴量を計算し、該交通需要の特徴量を記録したデータベース及びオンラインアルゴリズムのエキスパートを用いて、次の時間帯での交通需要の予測を行うことにより、建物内の交通需要を正しく予測することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…エレベータ装置、110A,110B,110C…エレベータカゴ、112…カゴ呼びボタン、114…積載荷重測定部、120A,120B,120C…カゴ制御部、130…ホール呼びボタン、150…群管理制御装置、151…ホール呼び検出部、152…ホール呼び情報記憶部、153…エレベータ状態把握部、154…カゴ割当演算処理部、155…カゴ運行制御部、156…カゴ呼び検出部、157…カゴ呼び情報記憶部、160…交通需要予測装置、161…エレベータ制御結果取得部、162…特徴量算出部、163…特徴量データベース、164…予測パラメータデータベース、165…交通需要予測部、166…交通需要予測部、1100…エレベータ装置、1101…信頼度算出部、1102…情報入力部、1700…エレベータ装置、1701…情報入力部、1702…エキスパート作成部、1703…信頼度算出部。

Claims (7)

  1. ホール呼びに対してエレベータカゴを割り当てる上下ボタン方式の群管理制御に適用されるエレベータ交通需要予測装置であって、
    移動方向別及び階床別の乗車荷重及び降車荷重を含むエレベータ制御結果を取得する取得部と、
    前記エレベータ制御結果に基づいて、交通需要のカテゴリーを示すカテゴリー特徴量を含む交通需要の特徴量を算出する算出部と、
    前記算出された交通需要の特徴量を属性情報及び時刻情報に関連付けて記録する特徴量データベースと、
    前記特徴量データベースを参照して交通需要を予測して予測結果を生成する予測部であって、前記特徴量データベースに含まれる異なるデータを参照して交通需要のカテゴリーを予測して予測値を生成する複数のエキスパートを含み、前記予測値のうちの1つを前記予測結果として出力する予測部と、
    予め用意される複数の制御方式から、前記予測結果に応じた制御方式を選択する選択部と、
    を具備するエレベータ交通需要予測装置。
  2. 前記複数のエキスパートのそれぞれは重みを有し、前記複数のエキスパートそれぞれの前記重みは、予測が行なわれるたびに、予測が正解である場合に重みを相対的に大きくし、予測が不正解である場合に重みを相対的に小さくするように、更新され、
    前記予測部は、前記重みが最も大きいエキスパートによって生成された予測値を前記予測結果として出力する、請求項1に記載のエレベータ交通需要予測装置。
  3. 前記複数のエキスパートそれぞれの前記重みを曜日及び時刻情報に関連付けて記録する予測パラメータデータベースをさらに具備する請求項2に記載のエレベータ交通需要予測装置。
  4. 前記複数のエキスパートは、過去時間帯予測を行う第1エキスパート、現在時間帯予測を行う第2エキスパート、及び未来時間帯予測を行う第3エキスパートを含む、請求項1に記載のエレベータ交通需要予測装置。
  5. 前記属性情報は、当該エレベータ交通需要予測装置の運用開始日から経過した日数を示す経過日数及び日付の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のエレベータ交通需要予測装置。
  6. 前記複数のエキスパートそれぞれに関して、所定期間内での予測の正解率を示す信頼度を算出する信頼度算出部をさらに具備し、
    前記予測部は、前記複数のエキスパートそれぞれの前記信頼度に基づいて、
    請求項1に記載のエレベータ交通需要予測装置。
  7. 建物内の会社に関する勤務体系を示す勤務体系情報を入力する入力部と、
    前記勤務体系情報に基づいて前記複数のエキスパートを作成するエキスパート作成部と、
    をさらに具備し、前記属性情報は、前記勤務体系情報を含む、請求項1に記載のエレベータ交通需要予測装置。
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