JP2014169946A - 蛍光光度計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オフセットを適切に且つ煩雑にならずに取り扱うことで十分な精度の蛍光測定を容易に行えるようにした蛍光光度計を提供する。
【解決手段】 抗体を含む試薬を緩衝液に溶解させて得られた試薬液83を収容した試薬液容器8が装着され、試薬液83に対する試料の投入の前後で励起光が照射されて測定が行われ、測定値の比(蛍光増強比)が演算処理部61により求められる。測定プログラムは、記憶部62からオフセット値βを読み出し、各測定値からβを引いた上で比を算出する。オフセット値βは、試薬液が溶解していない緩衝液を収容した容器であって試薬液容器8と同一の材質、構造及び寸法形状の容器を装着して光源2を点灯させた際の検出器3からの出力値である。
【選択図】 図5

Description

本願の発明は、蛍光測定の技術に関するものである。
光測定の一分野として、物質が発する蛍光を測定する蛍光測定の技術が知られている。蛍光測定による材料分析(蛍光分析法)は、吸光光度法などに比べて高感度で選択性が高いという特徴があり、試料の同定や定量などを行う際に有効である。
蛍光測定によって試料の同定や定量を行うには、目的物質が蛍光物質である場合に限られるので、汎用性に欠けるとも言える。しかしながら、近年、材料を蛍光色素より成る試薬(蛍光試薬)で標識する蛍光標識法が開発されており、様々な材料を対象として各々蛍光試薬が市販されている。このため、様々な目的物質について蛍光測定による同定や定量が可能になってきており、新薬や新材料の研究開発、プラントにおけるプロセス監視、環境評価など、多くの分野で応用が検討されている。
このような蛍光測定において、測定を複数回行い、各測定における測定値(蛍光強度)の比を測定結果とする場合がある。例えば、免疫反応を利用した蛍光測定によって試料の同定や定量を行う技術が特許文献1に開示されている。この技術は、蛍光色素に生じていたクエンチング(蛍光消光)が免疫反応により解消することを利用するものであり、反応の前後における蛍光強度の増大を指標として試料の同定や定量を行う技術である。
このように蛍光測定の応用分野が広がっていくと、蛍光測定を実験室や測定室といった特別の部屋で測定するのではなく、他の様々な場所で測定したり、オンサイト即ち試料が採取される現場で測定して迅速に結果を得たりするニーズが生じてくると予想される。例えば、前掲の特許文献1が測定技術を開示しているメタンフェタミンは代表的な覚醒剤であり、いわゆる禁止薬物である。したがって、メタンフェタミンの検出は、例えば空港の税関における荷物検査や、警察による麻薬取締などで行われ得る。
税関における禁止薬物取締には、いわゆる麻薬犬の活動が広く知られているが、大量の手荷物を隈無く検査するには限界があるし、仮に禁止薬物と疑われる物質が見つかったとしても、最終的に摘発を行って法的措置を取るには、発見された物質を科学的に分析して同定しなければならない。このためには、当該手荷物を一時的に取り置き、発見された物質を検査機関に送るなどの措置を取ることが必要で、通関が一時的に保留にされた状態となる。仮に、禁止薬物の取締を行う現場で迅速に発見物質の同定ができれば、通関を一時的に保留にして旅行者を長時間留め置くような面倒はなく、すぐさま摘発や逮捕が行える。したがって、オンサイト(現場)で使用できる実用的な蛍光光度計が必要になってくる。
特開平10−19892号公報
他の光測定と同様に、蛍光測定においても測定値にはいわゆるオフセットが含まれる。オフセットとは、測定値がゼロになる状態で測定したにもかかわらず出力されて誤差量であり、正しい測定値に重畳される誤差(正しい値からのずれ量)である。通常、測定に先立って予めオフセット値が調べられ、オフセット値を差し引くことで測定値にオフセットが含まれないようにする。
蛍光測定でも、正しい測定を行うためにはオフセットの取り扱いは重要である。しかしながら、発明者の研究によると、蛍光測定においては他の光測定には無い特有の事情が存在し、それを考慮した上でオフセットを取り扱わないと、十分な精度の測定が行えないことが判ってきた。その一方、オフセットを考慮した蛍光測定があまりに煩雑になると、上述したオンサイトでの蛍光測定や、非熟練者(例えば税関の係官)が測定する場合、実用性に欠けてしまう問題もある。
本願の発明は、このような知見や検討に基づいて為されたものであって、オフセットを適切に且つ煩雑にならずに取り扱うことで十分な精度の蛍光測定を容易に行えるようにした蛍光光度計を提供する技術的意義を有している。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、抗体を含む試薬を緩衝液に溶解してなる試薬液を収容した試薬液容器を使用する蛍光光度計であって、
試薬液容器を保持する容器保持部と、
容器保持部に保持された試薬液容器内の試薬液に励起光を照射する光源と、
励起光の照射により励起された試薬液からの蛍光を捉える検出器と、
光源からの励起光を試薬液に導き、試薬液からの蛍光を検出器に導く光学系と、
検出器からの出力を処理して測定結果を得る演算処理部と、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、オフセット値βと、測定プログラムとが記憶されており、演算処理部は、測定プログラムを実行可能であり、
オフセット値βは、試薬を含まない緩衝液を収容した容器を容器保持部に装着した状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値であって、当該容器は試薬液容器と同一の材質、構造及び寸法形状であり、
測定プログラムは、試料が投入されていない試薬液容器を装着した状態で測定した第一の測定値aと、試料が投入された試薬液容器を装着した状態で測定した第二の測定値bについて比を求めるプログラムであって、記憶部からオフセット値βを読み出し、b−βとa−βとの比を求めるプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、雰囲気の温度を検出する温度センサを備えており、
前記オフセット値βは、異なる雰囲気温度についてそれぞれ前記記憶部に記憶された複数の値であり、
前記測定プログラムは、前記記憶部に記憶された各オフセット値βから、温度センサが検出した温度に応じて一つを選択し、選択されたオフセット値βを使用して、前記b−βとa−βとの比を求めるプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、抗体を含む試薬を緩衝液に溶解してなる試薬液を収容した試薬液容器を使用する蛍光光度計であって、
試薬液容器を保持する容器保持部と、
容器保持部に保持された試薬液容器内の試薬液に励起光を照射する光源と、
励起光の照射により励起された試薬液からの蛍光を捉える検出器と、
光源からの励起光を試薬液に導き、試薬液からの蛍光を検出器に導く光学系と、
検出器からの出力を処理して測定結果を得る演算処理部と、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、試薬液及び試薬液容器に由来したオフセット値である容器由来オフセット値γと、測定プログラムとが記憶されており、演算処理部は、測定プログラムを実行可能であり、
測定プログラムは、容器由来オフセット値γを記憶部から読み出すとともに、容器を装着していない状態で光源を点灯させ、この際の検出器からの出力を容器無しオフセット値α1として取得するプログラムであり、
測定プログラムは、試料が投入されていない試薬液容器を装着した状態で測定した第一の測定値aと、試料が投入された試薬液容器を装着した状態で測定した第二の測定値bについて比を求めるプログラムであって、b−γ−αとa−γ−αとの比を求めるプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記容器由来オフセット値γは、予め取得されて前記記憶部に記憶された値であって、試薬を含まない緩衝液を収容した容器を容器保持部に装着した状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値βと、容器を装着しない状態とする以外は値βを得た際と同じ状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値αとについて、β−αを行うことで取得された値であり、試薬を含まない緩衝液を収容した容器は、前記試薬液容器と同一の材質、構造及び寸法形状であるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、オフセット値が予め記憶部に記憶されており、測定プログラムは、測定値からオフセット値を差し引いた上で測定結果とするので、オフセットの影響の無い精度の高い測定結果を得ることができる。この際、オフセット値は、試薬を含まない緩衝液を収容した容器を装着して得たものであり、試薬が含まれていない以外は実際の測定と殆ど同じ条件で得たものとなっている。このため、記憶されたオフセット値は、実際の測定で得られるであろうオフセット値に近いものであり、この点でもより精度の高い測定が可能になる。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、実際に測定を行う際の雰囲気温度に応じて最適なオフセット値が選択されて使用されるので、オフセット値の温度依存性が高い場合にもより精度の高い測定が可能になる。
また、請求項3又は4記載の発明によれば、温度依存性のない容器由来オフセット値については予め記憶部に記憶したものを読み出して使用しつつ、他のオフセット値については、容器無し状態で実際に光源を点灯させて得たオフセット値を使用するので、測定作業が繁雑になることを回避しつつオフセット値が効果的に除去された測定結果を得ることができる。
本願発明の第一の実施形態の蛍光光度計の斜視概略図である。 図1に示す蛍光光度計の正面断面概略図である。 図1及び図2に示す蛍光光度計に使用される試薬液容器の一例を示した図であり、(1)は外観概略図、(2)は正面断面概略図である。 図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について示したブロック図である。 第一の実施形態の蛍光光度計における測定プログラムの概略を示したフローチャートである。 第一の実施形態の蛍光光度計の優位性について確認した実験の結果について示した図である。 第二の実施形態の蛍光光度計が備える測定プログラムの概略を示したフローチャートである。 容器由来オフセット値(β−α)が温度に依存しないことを確認した実験結果の一例を示す図である。
以下、本願発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る蛍光光度計の斜視概略図であり、図2に図1に示す蛍光光度計の正面断面概略図である。
図1及び図2に示す蛍光光度計は、前述したように、試料が採取される現場又はそこに近い場所で測定することを想定している。即ち、測定室や実験室といった特別の部屋に常時設置されるものではなく、携帯型の蛍光光度計となっている。
また、この蛍光光度計は、試料の同定を行うために蛍光測定を行う計器となっている。前述した禁止薬物の取締り等が典型的な使用目的である。同定は、試料が目的物質であるかどうか、又は目的物質を含むかどうかの判定である。
また、この蛍光光度計は、免疫反応を利用して試料の同定を行うものであり、試薬として抗体を使用するものとなっている。抗体は、予め蛍光色素により標識されており、緩衝液に溶解されている。このように蛍光色素により標識された抗体を緩衝液に溶解させた液を、以下、試薬液と呼ぶ。
試薬液は専用の容器によりユーザーに提供されるようになっている。この容器(以下、試薬液容器と呼ぶ。)は、試料を蛍光光度計に投入する際の容器としても兼用されるものとなっている。即ち、試薬液容器に試料が投入され、試薬液と混合された上で試薬液容器が蛍光光度計に装着される。この状態で、蛍光光度計により蛍光測定される。
具体的に説明すると、図1に示すように、蛍光光度計は、全体としては扁平なほぼ直方体の箱状のものである。携帯型であるので、大きさとしては人の手のひらサイズかそれよりも少し大きい程度である。扁平なほぼ直方体の箱状のケーシング1の上面には、開口11が形成されており、開口11には開閉蓋12が設けられている。
ケーシング1内には容器保持部5が設けられており、開閉蓋12を開けると、容器保持具5の上端の挿入孔50が露出するようになっている。図1中不図示の試薬液容器は、挿入孔50から容器保持具5に挿入され、容器保持具5に保持されることでケーシング1内の所定位置に装着されるようになっている。この他、ケーシング1の前面には、測定に必要な情報や測定結果を表示するためのディスプレイ13、測定ボタン141を含む各種操作ボタン141〜146等が設けられている。
図2に示すように、ケーシング1内には、試料を励起して蛍光を放出させることが可能な波長の光(励起光)を発する光源2と、発生した蛍光を捉える検出器3と、励起光を試料に導き、発生した蛍光を検出器3に導く光学系4と、励起光の照射位置(測定位置)に液相試料が位置するように試薬液容器8を保持する容器保持部5等が設けられている。
図3は、図1及び図2に示す蛍光光度計に使用される試薬液容器の一例を示した図であり、(1)は外観概略図、(2)は正面断面概略図である。
試料は、pH値などの調整のため、希釈液に溶解して希釈してから試薬液に投入される。このため、試薬液容器は、希釈液の提供の目的も兼ねている。即ち、試薬液容器8は、希釈液と試薬液とを予め収容したものとなっている。
具体的には、試薬液容器8は、測定位置に位置せしめられる収容部(以下、第一の収容部)81と、これとは別の第二の収容部82とを有している。第一の収容部81には、試薬液83が予め収容され、第二の収容部82には希釈液85が予め収容されている。第二の収容部82は、第一の収容部81に対して破断可能な隔壁84で区画されており、試料を希釈液85に投入して所定の濃度に調整した後、隔壁84を破断して第一の収容部試薬液83に混合するようになっている。
図3に示すように、試薬液容器8は細長いものである。容器保持部5は、試薬液容器8の寸法形状に適合した枠状の部材である。図3に示すように、第一の収容部81は試薬液容器8の下端部に設けられており、第二の収容部82は中腹部に設けられている。試薬液容器8が容器装着部5に正しく保持されて装着されると、第一の収容部81が測定位置に位置した状態となる。測定位置は、光学系4を介して励起光が照射され、発生した蛍光が光学系4を介して検出器3に捉えられる位置である。
ケーシング1内に設けられた光源2には、コスト上の優位性や省消費電力を考慮してLEDランプが使用される。例えば、波長525nmの緑色光を放射するもので、出力2mW程度のものが使用される。
光学系4は、光源2からの光を集光する集光レンズ41と、光路の折り曲げと光の選択を行うためのダイクロイックミラー42と、光路上に配置されたフィルタ43,44等から構成される。光源2は、下方に向けて光を放出する姿勢となっており、ダイクロイックミラー42は、光源2の下方において斜め45°の角度で配置されている。ダイクロイックミラー42は、励起光の波長の光を反射するとともに、測定する蛍光の波長の光を透過するものである。
検出器3は、ダイクロイックミラー42を挟んで容器装着部5とは反対側の位置に配置されている。検出器3には、例えばシリコンフォトダイオードにより光電変換を行うものが使用される。
また、光源2とダイクロイックミラー42との間には、励起光用フィルタ43が配置され、ダイクロイックミラー42と検出器との間には蛍光用フィルタ44が配置されている。525nmの緑色光が励起光として使用される場合、510〜545nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが励起光用フィルタ43として使用される。この場合、測定する蛍光の波長は550〜630nm程度であり、蛍光用フィルタ44としては、570〜610nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが使用される。尚、集光レンズ41は、光源2からの光を細いビームにして収容部81内の試薬液に照射するとともに、試薬液から発せられた蛍光を集めて検出器3に入射させるものである。
次に、図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について説明する。図4は、図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について示したブロック図である。
図2に示すように、ケーシング1内には、制御ボックス60が設けられている。制御ボックス60内には、各部の制御や信号処理を行う制御部(図2中不図示)が設けられている。図4に示すように、制御部6は、各種プログラムを実行する演算処理部61や、データやプログラムを記憶するための記憶部62などを備えている。記憶部62は、メモリである場合が多いが、他の記憶素子が用いられることもある
この他、蛍光光度計や、試薬液容器の装着を検出する容器センサ63や、測定時の温度(雰囲気温度)を検出する温度センサ64等を備えている。これらセンサ63,64の出力は、制御部6に送られる。
検出器3は、蛍光を受光する光電変換部(この例ではシリコンフォトダイオード)31と、光電変換部31の出力信号を増幅する増幅器32と、増幅された信号に基づいて蛍光強度の信号として出力する出力回路33とを含んでいる。出力回路33は、光度(蛍光強度)を絶対値で表示するための較正回路を必要に応じて含む。
制御部6には、検出器3からの出力の他、各操作ボタン14からの操作信号や電源スイッチからの信号が入力されるようになっている。また、制御部6には、不図示のインターフェースを介してディスプレイ13が接続されている。
尚、図2に示すように、ケーシング1内には、電池ケース(符号省略)が設けられている。電池ケースには、光源2や検出器3、制御部6などに必要な電圧を供給する電池が装着される。
このような蛍光光度計を使用して測定を行う場合、試料を所定量採取して第二の収容部82に投入して希釈液85に溶かし込む。この状態で試薬液容器8を容器装着部5に装着し、光源2を点灯させて測定を行う。この状態では、試料は第二の収容部82にあるのみであり、測定位置の第一の収容部81には試薬液83があるのみである。したがって、試料未投入の状態の蛍光標識抗体について励起光を照射して発生蛍光を測定していることになる。その後、不図示の治具等を使用して試薬液容器8の隔壁84を破断し、試料が溶かし込まれている希釈液85を試薬液83に投入して混合した上で、再度測定を行う。試料が抗原であれば、免疫反応が生じてクエンチングの解消が生じ、試薬液83において発生する蛍光が増強される。したがって、2つの測定値の比を算出することで、試料が抗原であるかどうかの同定をすることができる。尚、蛍光増強比を所定の較正用データと比較することで、試料の定量を行うこともできる。
このような第一の実施形態の蛍光光度計を使用した蛍光測定において、測定精度を十分に高くするには、オフセットの取り扱いが重要となる。前述したように、オフセット値は、測定値がゼロになる状態で測定した際の出力値であり、本来の測定値からのずれ量である。オフセット値については、幾つかの異なる要因(由来)がある。まず考えられるのは、蛍光を電気信号に変えて処理する電子回路に由来するオフセット値である。検出器3として用いたフォトダイオードや光電変換信号を増幅するオペアンプ等に由来するオフセット値である。これら電子回路系では、暗状態(光を入射させない状態)でも僅かな出力値があり、これがオフセットである。
また、光学系4に由来したオフセットも存在する。一般的にあり得るのは、外部から迷い込んでくる光(以下、外部迷光と呼ぶ)を検出器3が捉えてしまうオフセットである。光学系4は、試薬液容器8で発生した蛍光のみを検出器3が捉えるように設計されており、また外部迷光がないように筐体で遮蔽がされているが、それでも僅かな光が外から迷い込んでしまうことがあり、これが検出器3に捉えられてしまうことがある。この結果、オフセット値が生じる。
このような外部からの要因によるオフセットではなく、光学系4の内部に由来するオフセットもある。例えば、発生蛍光ではなく、光源2からの光が検出器3に入射してしまうことがある。光学系4は、試薬液容器8の第一の収容部81内で発生した蛍光のみを検出器3に入射させるように設計されているが、それでも意図しない光の伝搬が生じて光源2からの光が検出器3に入射することがある。例えば、レンズ41やフィルタ43,44等の光学要素に埃等の異物が付着し、これによって光が乱反射し、これが原因で光源2からの光が検出器3に入射してしまうことがあり得る。オフセットは、このような内部的な迷光(以下、内部迷光と呼ぶ)によっても生じる。
尚、検出器3は、測定する蛍光の波長以外の波長についても広く感度があるのが普通である。このため、外部迷光や内部迷光が入射すると、オフセットを生じさせる。上述した蛍光用フィルタ44は、このような測定対象の蛍光の波長以外の波長をカットするものとして設けられているが、フィルタには角度特性があるのが普通で、斜めに入射する光についてはカットできずに透過させてしまう。このため、検出器3に捉えられてオフセットを生じさせてしまう。また、迷光が、測定する蛍光と同じ波長だった場合には、当然に蛍光用フィルタ44を透過してしまい、オフセットを生じさせてしまう。
一方、発明者の研究によると、このような電子回路系のオフセットや迷光によるオフセット以外にも、蛍光測定特有のオフセットがあることが判ってきた。測定すべきは、試料が発生させた蛍光である。しかしながら、試料以外の材料や部材が蛍光を発生させることがあり、発生した蛍光が検出器3に捉えられると、本来の測定値に重畳した形で出力される。このような本来測定すべき対象物以外から発生して測定に紛れ込んでしまう蛍光は、自家蛍光と呼ばれる。
発明者の研究によると、上述したように試薬液容器8を使用した測定では、試薬液容器8や緩衝液が自家蛍光の発生源となることが判ってきた。試薬液容器8については、励起光や発生蛍光の透過率が高い材質で形成することが必要とされる。この点を考慮すると、ガラス製の試薬液容器を使用することが考えられる。しかしながら、ガラス製の容器は、破損し易いという欠点があり、コストの面で欠点がある。即ち、試薬液容器8は、使用後に容器内を空にして再度利用することもあり得ないではないが、回収や洗浄等のコストを考えると、使い捨てとするのが合理的である。この場合、ガラス製の容器はコスト高となる欠点がある。
このように、破損しにくさやコストの面を考えると、ガラス製の容器は実用的ではなく、樹脂製の容器を使用することになる。光透過性の高い種々の樹脂が開発されており、適宜選択して採用することが可能である。しかしながら、蛍光測定の観点では、殆どすべての樹脂は、励起光の照射によって蛍光を発生させる性質があり、自家蛍光の発生源となる。即ち、試薬液容器8の器壁から発生した蛍光が検出器3に捉えられる結果、オフセットとなる。
また、試薬液容器8内の試薬以外の材料も、自家蛍光の発生源となる。即ち、緩衝液や各種添加剤である。例えば、緩衝液としてしばしば使用されるリン酸緩衝生理食塩水(PBS溶液)は僅かながら蛍光を発生させる。また、抗体のような有効成分の分子が試薬液容器8の器壁に付着して凝集するのを防止するため、BSA(ウシ血清アルブミン)のような付着防止剤が添加されることがある。また、抗体や蛍光色素はタンパク質である場合が多く、防腐剤が添加されることもある。また、免疫反応のためにはpH値の調整が必要になる場合もあり、このための添加剤が添加されることもある。これら添加剤が蛍光物質であることがしばしばであり、同様に自家蛍光の発生源となり得る。即ち、これら緩衝液や添加剤由来の発生蛍光がオフセットを生じさせる。
さらに言うと、試薬液容器8の器壁が自家蛍光の発生源となる場合についても、容器の材料に由来した場合の他、器壁に付着した異物が蛍光物質である場合もあり得る。例えば、日常的に存在する埃は、衣服の繊維や皮脂等に由来する場合が多いが、これらはしばしば蛍光物質である。蛍光物質である異物が試薬液容器8に付着し、その状態で試薬液容器8が装着されて測定が行われると、自家蛍光を発生させ、オフセットとなる。
このように各種の要因で生じるオフセットについては、実際の測定において生じると予想されるオフセットの大きさ(オフセット値)を予め求めておき、測定値からオフセット値を差し引くことでオフセットの無い測定結果を得ることができる。これが、基本的なオフセットの取り扱い方である。
オフセット値は、本来測定値が出力されない(ゼロになる)筈の状態での測定値ということであるから、上記蛍光光度計を使用した蛍光測定では、まず光源2を点灯させないで検出器3からの出力をチェックすることが考えられる。光源2を点灯しなければ、励起光は照射されないので、検出器3に捉えられる光はなく、出力はゼロになる筈である。しかし、検出器3からは相当の出力があり、オフセットが存在する。このオフセットは、検出器3等の電子回路系のオフセットが主であり、この他、外部迷光によるオフセットが含まれる。
このように光源2を消灯した状態での測定値をオフセット値とすることも可能であるが、実際の測定では光源2は点灯されるので、オフセット値としては不十分である。即ち、内部迷光分のオフセットが加味されない。したがって、光源2を点灯した状態での検出器3の出力をオフセット値とし、内部迷光分を含める必要がある。
しかしながら、まだオフセット値としては不十分である。即ち、実際の測定では試薬液容器8が装着された状態で励起光が照射される。試薬液容器8は、前述したように自家蛍光の発生源となるのであるから、試薬液容器8を装着した状態で光源2を点灯させないと、オフセット値としては正確ではない。理想的は、試料が投入されていないことを除き、実際の測定と全く同じ試薬液容器8及び試薬液83を使用し、試料の投入だけが実際の異なる状態とした上で光源2を点灯させてオフセット値とすべきである。
しかしながら、免疫反応を利用した蛍光測定では、前述したように、試薬(蛍光色素で標識された抗体)が予め緩衝液に溶かし込まれ、これが試薬液としてユーザーに提供される。ユーザーは、試料を試薬液容器8に投入し、試料の投入前と投入後とで測定を行って蛍光増強比を得る。従って、蛍光測定の対象を厳密に考えると、まず第一は試料投入前の試薬(抗体)であり、第二は試料投入後の試薬(抗体+試料)ということになる。となると、理想的なオフセット値を取得するには、第一の測定に先立って試薬(抗体)の無い状態で測定をし、それをオフセット値とする必要がある。
しかしながら、上記理想的な方法は、種々の観点で困難である。即ち、上記理想的なやり方でオフセット値を取得するには、試薬(抗体)が含まれていないもののその他は試薬液と同じ成分、濃度である液(以下、試薬無し液と呼ぶ)を収容した容器と、試薬とを別々にユーザーに提供する。そして、ユーザーにおいて、まず試薬無し液の状態で容器を装着して測定を行ってオフセット値を取得した後、試薬を容器に投入して試薬液を得る。その後、上記二回の測定を行うことになる。しかしながら、このようなやり方はあまりにも煩雑であるし、ユーザーにおいて試薬の投入量を僅かでも間違うと、測定精度の悪化に直結してしまう。税関の係官のような非熟練者が測定を行う場合や、オンサイトで簡便に蛍光測定を行うことが必要な場合を考慮すると、実用性に著しく欠ける。
上記の点を改善したやり方として、試薬無し液のみが収容された容器を通常の試薬液容器8とは別にユーザーに提供することが考えられる。この場合、ある程度精度の高いオフセット値の取得は可能であるが、ユーザーは、2回の容器の差し替えを強いられることになり、やはり煩雑である。ユーザーは、オフセット値取得用の容器と通常の測定用の容器とを二つを用意し、選択して使用するが、選択を間違えると、測定結果の誤りに直結してしまう。従って、実用性が高いやり方とは言えない。
ユーザーにとって簡便で実用性が高いやり方は、予めオフセット値を測定しておき、蛍光光度計が備える記憶部62に記憶しておくやり方である。測定の際には、蛍光光度計に実装されたプログラムが記憶部62からオフセット値を読み出し、測定値からオフセット値を差し引いて測定結果とする。
第一の実施形態の蛍光光度計は、この観点に立って構成されたものであり、記憶部62に記憶されたデータと、このデータを利用した測定データの処理(測定プログラム)に大きな特徴点がある。
図5は、第一の実施形態の蛍光光度計における測定プログラムの概略を示したフローチャートである。図5に示すように、測定プログラムが起動すると、プログラムは、まず、予め記憶されている定数を記憶部62から読み出す。定数とは、前述したオフセット値や試料の同定のための閾値等である。通常、これら定数は、測定プログラムの起動の際に記憶部62から読み出され、引数として測定プログラムに渡される。
測定プログラムは、次に、試薬液容器8の装着を促す画面がディスプレイ13に表示し、試薬液容器8が装着されたかどうか判断待ちの状態となる。容器センサ63からの信号により試薬液容器8の装着が確認されると、測定プログラムは、容器の装着を確認したので、1回目の測定(試料未投入の状態での測定)を行うようメッセージをディスプレイ13に表示する。そして、測定ボタン141が押されると、測定プログラムは、光源2を点灯させ、検出器3から出力される測定値をメモリ変数に一時的に記憶する。
次に、測定プログラムは、2回目の測定(試料投入後の状態での測定)を行うようメッセージをディスプレイ13に表示する。即ち、試薬液容器8の隔壁84を破断して第二の収容部82内の試料入りの希釈液85を第一の収容部81に投入し、試料が第一の収容部81に収容された状態として測定ボタン141を押すことを促すメッセージをディスプレイ13に表示する。測定ボタン141が押されると、測定プログラムは、光源2を再度点灯させ、検出器3からの出力される測定値を別のメモリ変数に一時的に記憶する。
次に、測定プログラムは、各メモリ変数から測定値を読み出すとともに、各測定値から各々オフセット値を差し引き、その上で強度比(1回目の測定値に対する2回目の測定値の大きさ)を算出する。即ち、オフセット値をβ、一回目の測定での測定値をa、2回目の測定での測定値をbとしたとき、(b−β)/(a−β)を算出する。
そして、測定プログラムは、予め取得されている閾値をメモリ変数から読み出し、算出された蛍光増強比が閾値を超えているかどうか判断する。越えていえれば、試料は目的物質である(又は目的物質を含んでいる)と同定される。測定プログラムは、判断の結果をディスプレイに表示し、プログラムを終了する。
上記のように、第一の実施形態の蛍光光度計によれば、オフセット値が予め記憶部62に記憶されており、測定プログラムは、測定値からオフセット値を差し引いた上で測定結果とするので、オフセットの影響の無い精度の高い測定結果を得ることができる。
この際、オフセット値は、試薬無し液容器を蛍光光度計に装着して光源2を点灯させて得たものであるので、試薬が含まれていない以外は実際の測定と殆ど同じ条件で得たものとなっている。このため、記憶されたオフセット値は、実際の測定で得られるであろうオフセット値に近いものであり、この点でもより精度の高い測定が可能になる。
このような第一の実施形態の蛍光光度計の優位性について確認した実験の結果について、以下に説明する。
図6は、第一の実施形態の蛍光光度計の優位性について確認した実験の結果について示した図である。この実験では、濃度比が既知である二種類の蛍光色素溶液を容器に収容し、光源2を点灯させて順次蛍光強度を測定した。そして、各測定値の比を取り、既知である濃度比にどの程度一致しているかどうか調べた。
より具体的に説明すると、実験では、各測定において、同一の蛍光光度計を使用し、前述した試薬液容器8と同一の材質、構造、寸法形状の容器(以下、実験用容器)を使用して測定を行った。実験用容器の各収容部81,82に同一の蛍光色素ながらも濃度の異なる蛍光色素溶液を収容し、濃度の異なる二つの蛍光試薬溶液についての測定が可能とした。例えば、第一の収容部81には、蛍光試薬TAMRAを1ナノモル/リットルの濃度で75μリットル収容し、第二の収容部82には同じくTAMRAを17ナノモル/リットルの濃度で25μリットル収容した。混合前と混合後の濃度比は、5倍である。また、第一の収容部81にTAMRAを1ナノモル/リットルの濃度で75μリットル収容し、第二の収容部82には同じくTAMRAを5ナノモル/リットルの濃度で25μリットル収容した。混合前と混合後の濃度比は、2倍である。尚、溶液(緩衝液)としては、いずれについてもPBS溶液が使用された。
まず、第一の収容部81に1ナノモル/リットルのTAMRAが収容されたままの状態で一回目の測定をした(測定値a)。次に、隔壁を破断し、第二の収容部82の17ナノモル/リットル又は5ナノモル/リットルのTAMRAをすべて第一の収容部81のTAMRA+PBSに混合し、その上で2回目の測定を行った(測定値b)。
また、同じ成分の緩衝液(PBS溶液)であってTAMRAが混合されていない液を第一の収容部81に収容した実験用容器を用意し、この実験用容器を蛍光光度計に装着して予め測定を行った。得られた測定値を、オフセット値(以下、容器有りオフセット値)βとした。
また、別のオフセット値として、容器を何ら装着していない状態で光源2を点灯し、その状態で得られた検出器3の出力を、別のオフセット値(以下、容器無しオフセット値)αとした。
図6中の(1)は、濃度比2倍の場合の実験結果、(2)には5倍の場合の実験結果が示されている。図中、理論値とあるのは、TAMRAを緩衝液に溶解させる際の誤差(濃度誤差)を加味した値である。
図6に示すように、いずれの濃度比においても、オフセット値βを差し引いた値は、理論値に非常に近いのに対し、オフセット値αを差し引いた値は理論値からかなりかけ離れている。理論値からかなり少ない値となっているが、これは、(b−α)/(a−α)とした際、αが小さいために相対的に分母の値が大きくなり、実際より少ない値で蛍光強度比が算出されてしまったものである。
ここで重要なことは、容器有りオフセット値βの取得の際にも、光源2の点灯その他条件は容器無しオフセット値と同様であるから、迷光由来その他の由来のオフセット値は、容器有りオフセット値βに当然に含まれていることである。つまり、容器有りオフセット値と容器無しオフセット値との差分(β−α)は、実は、容器由来のオフセット値(試薬液入りの容器を装着したことによって生じたオフセット値)ということである。容器由来のオフセット値とは、前述したように、自家蛍光(容器の自家蛍光、緩衝液の自家蛍光、容器に異物が付着していた場合の異物の自家蛍光等)によるオフセット値、及び容器の壁面で反射した光に由来した内部迷光によるオフセット値である。これら容器由来のオフセットが加味されている分、より正確なオフセット値となり、より理論値に近い値の測定結果となったのである。
この実験の結果が示すように、第一の実施形態の蛍光光度計によれば、試薬液無し溶液を収容した同一材質、構造、寸法形状の容器を装着して予め測定した値をオフセット値とするので、より正確な蛍光測定が行える。そして、オフセット値が予め記憶部62に記憶されており、測定プログラムが記憶部62からオフセット値を読み出して測定値から差し引いて測定結果とするので、ユーザーが測定の際にオフセット値を取得するための測定動作を行う必要が無い。このため、測定精度の向上を確保しつつも、測定作業が繁雑になることはない。
次に、本願発明の第二の実施形態の蛍光光度計について説明する。図7は、第二の実施形態の蛍光光度計が備える測定プログラムの概略を示したフローチャートである。
第二の実施形態の蛍光光度計でも、記憶部62には予めオフセット値が記憶されており、実装された測定プログラムは、記憶部62からオフセット値を読み出してオフセット値を差し引いて測定結果とする。しかしながら、記憶されているオフセット値の内容、及び測定プログラムの構成が第一の実施形態とは異なる。
前述したように、第一の実施形態では、予め測定して記憶部62に記憶した容器有りオフセット値βを使用し、測定値から容器有りオフセット値βを差し引いて測定結果としているので、測定精度を高めることができる。
ここで注意しなければならないのは、オフセット値の測定条件依存性である。記憶部62に記憶されているオフセット値βを取得した際の測定条件と、実際に測定を行う際の測定条件とが大きく異なる場合がある。この場合、オフセット値に大きな測定条件依存性があると、記憶されているオフセット値と、実際の測定で生じるオフセット値と大きく乖離してしまうことになる。この結果、測定精度の向上ができないばかりか、測定精度を悪化させる原因にもなり得る。
測定条件として主たるものは、温度である。オンサイトでの蛍光測定ということを考慮すると、測定温度(測定の際の雰囲気温度)は様々に変わり得る。測定温度が変わってもオフセット値の大きな乖離がないようにしなければならない。温度依存性のあるオフセット要因の代表的なものは、電子回路系のオフセットである。例えば、検出器3からの出力を増幅させるのにオペアンプが使用されるが、オペアンプのオフセット値は殆どの場合、温度に依存して変化する。また、光源2の発光特性も、温度依存性がある場合がある。
ここで非常に興味深いことに、発明者が行った多くの実験において、ある種のオフセット値は、測定条件に殆ど依存しないことが確認された。即ち、前述した容器由来オフセット値(β−α)は、測定条件には殆ど依存しない。
図8は、容器由来オフセット値(β−α)が温度に依存しないことを確認した実験結果の一例を示す図である。図8に示す実験では、5℃、15℃、25℃、35℃、45℃の各測定温度において、最初に容器を装着しない状態で光源2を点灯させて検出器3の出力を取得した(容器無しオフセット値α)。次に、試薬無し液容器を蛍光光度計に装着し、光源2を点灯して検出器3の出力を取得した(容器有りオフセット値β)。試薬液無し液としては、PBS溶液を使用した。試薬液容器8の材質は、ポリスチレンである。
図8に示すように、容器無しオフセット値αは、温度に依存して大きく変化している。一方、容器有りオフセット値βも温度依存して変化しているが、β−α(容器由来オフセット値)は、図8に示すように殆ど変化していない。大まかには、±10%程度の変化に過ぎない。容器由来オフセット値(β−α)が温度に依存しない理由については、完全に明らかではないものの、ある要因は温度が高くなるについてオフセット値が大きくなる一方、他の要因は温度が高くなるにつれて小さくなるので、相殺されるといったことが推測される。
いずれにしても、オフセット値のうち、温度に依存しない容器由来オフセット値については記憶値に記憶されたものをそのまま使用しても測定精度を低下させることはない。その一方、容器由来オフセット値だけでは、迷光由来のオフセット値や電子回路系由来のオフセット値を含んでいないので、測定値からそれらオフセット値も差し引かれるようにする必要がある。
但し、これら容器由来以外のオフセット値(以下、非容器由来オフセット値と呼ぶ)は、温度依存性があるので、それを考慮した上で差し引く必要がある。非容器由来オフセット値は、前述した容器無しオフセット値αそのものであるが、一つの方法として、温度をパラメーターにして非容器由来オフセット値を測定し、各温度での値をテーブル(表)のデータにして記憶部62に記憶することが考えられる。そして、蛍光光度計に温度センサ64を設けておき、測定された温度に従ってテーブルから値を選択し、それを容器由来オフセット値とともに差し引くようにする。
このようにしても良いのであるが、より精度の高い測定のためにはより多くの測定点で予め測定を行ってテーブルを作成しておく必要があって煩雑である。経時変化を加味した値にすることができない問題もある。即ち、電子回路系由来のオフセット値は、電子回路の経時変化(劣化)で変化することがあり得るし、内部迷光についても光源2の劣化によって経時的に減少することがある。これらを考えると、非容器由来オフセット値は、やはり測定のたびに光源2を測定して取得することが好ましい。
第二の実施形態の蛍光光度計は、これら種々の観点を考慮に入れて構成されたものである。具体的に説明すると、まず、記憶部62には、容器由来オフセット値(β−α)が記憶されている。即ち、前述したように試薬無し液容器を蛍光光度計に装着して測定して値βを取得するとともに、容器無しの状態で測定を行って容器無しオフセット値αを取得する。そして、β−αを計算して記憶部62に記憶しておく。以下、説明の都合上、このβ−α(容器由来オフセット値)をγとする。
第二の実施形態では、測定プログラムは、このγを使用してオフセットの処理をするとともに、非容器由来オフセット値をその都度取得するようにしている。具体的に説明すると、図7に示すように、第二の実施形態の測定プログラムが起動すると、容器由来オフセット値γが記憶部62から読み出され、測定プログラムに引数として渡される。測定プログラムは、まず、容器センサ63の出力をチェックし、容器が未装着であることを確認する。その上で光源2を点灯させ、検出器3からの出力値を通常の測定と同様に取得する。そして取得した容器無しオフセット値αを、非容器由来オフセット値としてメモリ変数に一次的に記憶する。
そして、測定プログラムは、第一の実施形態と同様に、試料未投入の状態の試薬液容器8の装着を促すメッセージをディスプレイ13に表示し、試薬液容器8の装着が容器センサ63によって確認されると、測定ボタン141を押させる。測定ボタン141が押されると、光源2が点灯して1回目の測定が行われる。同様に、試料を投入して2回目の測定を行うようメッセージが表示される。試薬液容器8が再び装着されて測定ボタン141が押されると、測定プログラムは光源2を再度点灯させ、2回目の測定を行う。
次に、測定プログラムは、各測定値からオフセット値を差し引いた上で蛍光増強比を求める演算を行う。即ち、1回目の測定値aからγとαを差し引くとともに2回目の測定値からもγとαを差し引き、それらオフセット値を差し引いた測定値の比を取る((b−γ−α)/(a−γ−α)を計算する)。その後の処理は同様であり、得られた蛍光増強比が閾値を超えているかどうか判断し、越えていれば試料は目的物質であると同定され、越えていなければ同定されない。測定プログラムはこれら結果をディスプレイ13に表示し、プログラムを終了する。
尚、上記第二の実施形態の説明で、(b−γ−α)/(a−γ−α)を計算するとしたが、ここでのαは容器由来オフセット値γを取得する際のαとは異なる点に注意を要する。γを取得した際の測定温度と、上記実際の測定の際の測定温度が異なることがあり得るからである。即ち、蛍光増強比r=(b−γ−α)/(a−γ−α)=(b−β+α−α)/(a−β+α−α)とされるべきものである。この式で、αは、βを取得した際の容器無しオフセット値であり、αは、実際の測定の際の容器無しオフセット値である。
このように、第二の実施形態の蛍光光度計では、記憶部62に記憶しておいて使用するオフセット値は、温度依存性がない容器由来オフセット値γ(=β−α)としておき、実際の測定の際には測定に先立って容器無しオフセット値αを取得するようにする。そして、それぞれを測定値から差し引いた上で測定結果とする。即ち、オフセット値のうち、温度に依存する成分については測定の際の状況下で取得した値とする。このため、差し引くオフセット値が、実際に生じているであろうオフセットの値により近いものとなり、測定精度がさらに向上する。
その一方、容器由来オフセットについては記憶部62に記憶した値を利用するので、試薬無し液を容器に収容して測定するような面倒な作業は不要である。その上、この実施形態では、容器無しオフセット値は、測定プログラムが起動した際に自動的に光源2を点灯させて取得するので、ユーザーは容器無しオフセット値αの取得を意識することはなく、煩雑さは全くない。
図8に結果を示す実験において、既知の濃度比の蛍光試薬溶液を使用して測定精度の確認がされているので、この点について併せて説明する。例えば、図8中に示す各測定温度のうち、温度25℃において、濃度比2倍のTAMRA溶液について測定してみると、1回目の測定での測定値aは228.54、2回目の測定での測定値bは423.94であった。この場合、25℃での容器有りオフセット実測値βは、43.87であるので、測定の都度、容器有りオフセット値を取得するやり方をする場合、蛍光増強比rは、r=(b−β)/(a−β)=2.058となる。一方、γ(=β−α)の平均値を採用し、これとその都度取得する容器無しオフセット値αとを併用するやり方(第二の実施形態)をする場合、r=(b−γ−α)/(a−γ−α)=2.064となる。即ち、第二の実施形態の蛍光光度計によれば、試薬無し液容器を使用してその都度オフセット値を取得する方法と遜色のない高い精度の蛍光測定を実現することができることが、実験によって確認された。
尚、各温度条件においてオフセット値を予め求めてテーブルにして記憶部62に記憶しておく点は、前述したような欠点はあるものの、温度依存性があるオフセットの取り扱いとして有効なことは言うまでもない。従って、例えば上記第一の実施形態において、複数のオフセット値βよりなるテーブルを記憶部62に記憶しておく構成を採用することができる。即ち、容器有りオフセット値βを取得する作業を異なる温度条件下においてそれぞれ行い、それぞれの温度に対応させた状態で容器有りオフセット値βを記憶しておく。そして、温度センサ64からの信号に従い、測定時の温度に最も温度が近い容器有りオフセット値βを選択して読み出し、これを使用して各測定値a,bの補正をするようにする。このようにしても、オフセットの影響の無い精度の高い測定が可能となる。
1 ケーシング
2 光源
3 検出器
4 光学系
5 容器装着部
6 制御部
61 演算処理部
62 記憶部
63 容器センサ
64 温度センサ
8 試薬液容器
81 第一の収容部
82 第二の収容部
83 試薬液
84 隔壁
85 希釈液

Claims (4)

  1. 抗体を含む試薬を緩衝液に溶解してなる試薬液を収容した試薬液容器を使用する蛍光光度計であって、
    試薬液容器を保持する容器保持部と、
    容器保持部に保持された試薬液容器内の試薬液に励起光を照射する光源と、
    励起光の照射により励起された試薬液からの蛍光を捉える検出器と、
    光源からの励起光を試薬液に導き、試薬液からの蛍光を検出器に導く光学系と、
    検出器からの出力を処理して測定結果を得る演算処理部と、
    記憶部と
    を備えており、
    記憶部には、オフセット値βと、測定プログラムとが記憶されており、演算処理部は、測定プログラムを実行可能であり、
    オフセット値βは、試薬を含まない緩衝液を収容した容器を容器保持部に装着した状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値であって、当該容器は試薬液容器と同一の材質、構造及び寸法形状であり、
    測定プログラムは、試料が投入されていない試薬液容器を装着した状態で測定した第一の測定値aと、試料が投入された試薬液容器を装着した状態で測定した第二の測定値bについて比を求めるプログラムであって、記憶部からオフセット値βを読み出し、b−βとa−βとの比を求めるプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。
  2. 雰囲気の温度を検出する温度センサを備えており、
    前記オフセット値βは、異なる雰囲気温度についてそれぞれ前記記憶部に記憶された複数の値であり、
    前記測定プログラムは、前記記憶部に記憶された各オフセット値βから、温度センサが検出した温度に応じて一つを選択し、選択されたオフセット値βを使用して、前記b−βとa−βとの比を求めるプログラムであること特徴とする請求項1記載の蛍光光度計。
  3. 抗体を含む試薬を緩衝液に溶解してなる試薬液を収容した試薬液容器を使用する蛍光光度計であって、
    試薬液容器を保持する容器保持部と、
    容器保持部に保持された試薬液容器内の試薬液に励起光を照射する光源と、
    励起光の照射により励起された試薬液からの蛍光を捉える検出器と、
    光源からの励起光を試薬液に導き、試薬液からの蛍光を検出器に導く光学系と、
    検出器からの出力を処理して測定結果を得る演算処理部と、
    記憶部と
    を備えており、
    記憶部には、試薬液及び試薬液容器に由来したオフセット値である容器由来オフセット値γと、測定プログラムとが記憶されており、演算処理部は、測定プログラムを実行可能であり、
    測定プログラムは、容器由来オフセット値γを記憶部から読み出すとともに、容器を装着していない状態で光源を点灯させ、この際の検出器からの出力を容器無しオフセット値αとして取得するプログラムであり、
    該測定プログラムは、試料が投入されていない試薬液容器を装着した状態で測定した第一の測定値aと、試料が投入された試薬液容器を装着した状態で測定した第二の測定値bについて比を求めるプログラムであって、b−γ−αとa−γ−αとの比を求めるプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。
  4. 前記容器由来オフセット値γは、予め取得されて前記記憶部に記憶された値であって、試薬を含まない緩衝液を収容した容器を容器保持部に装着した状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値βと、容器を装着しない状態とする以外は値βを得た際と同じ状態で光源を点灯させた際に検出器から出力された値αとについて、β−αを行うことで取得された値であり、試薬を含まない緩衝液を収容した容器は、前記試薬液容器と同一の材質、構造及び寸法形状であることを特徴とする請求項3記載の蛍光光度計。
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