JP5942691B2 - 携帯型蛍光光度計及び携帯型蛍光光度計用試料容器 - Google Patents

携帯型蛍光光度計及び携帯型蛍光光度計用試料容器 Download PDF

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Description

本願の発明は、対象物に励起光を照射し、対象物から発せられた蛍光を測定する蛍光光度計に関するものであり、特に携帯型であって且つ液相状態のものを対象物とする蛍光光度計に関するものである。
光測定の一分野として、物質が発する蛍光を測定する蛍光測定の技術が知られている。蛍光測定による材料分析(蛍光分析法)は、吸光光度法などに比べて高感度で選択性が高いという特徴があり、例えば化学物質の同定や定量などを行う際に有効である。
従来知られた一般的な蛍光光度計は大型の測定器であり、実験室や測定室などに設置されている。同定又は定量などを行う対象材料(以下、本明細書では試料と呼ぶ)は、外部で採取され、実験室や測定室などに持ち込まれて蛍光測定が行われている。
特開平10−19892号公報 特表2002−514308号公報 特表2000−510592号公報
このような蛍光測定の技術は、近年、新薬や新材料の研究開発、プラントにおけるプロセス監視、環境評価など、様々な分野への応用が検討されている。また、試料を蛍光色素で標識する技術や免疫反応(抗体抗原反応)を蛍光測定に利用する技術についても、盛んに研究が進められている。
このように蛍光測定の応用分野が広がっていくと、蛍光測定を実験室や測定室といった特別の部屋で行うのではなく、他の様々な場所で測定したり、試料が採取される現場で測定して迅速に結果を得たりするニーズが生じてくると予想される。例えば、特許文献1には、アンフェタミンの定量を免疫反応を利用した蛍光測定によって行う技術が開示されている。この技術は、抗アンフェタミン抗体の溶液中に試料(アンフェタミンと疑われる物質)を添加し、添加前と添加後の蛍光強度の変化を測定することで試料のアンフェタミン濃度を測定する技術である。
アンフェタミンは代表的な覚醒剤であり、いわゆる禁止薬物である。したがって、アンフェタミンの検出は、例えば空港の税関における荷物検査や、警察による麻薬取締などで行われる。税関における禁止薬物取締には、いわゆる麻薬犬の活動が広く知られているが、大量の手荷物を隈無く検査するには限界があるし、仮に禁止薬物と疑われる物質が見つかったとしても、最終的に摘発を行って法的措置を取るには、発見された物質を科学的に分析して同定しなければならない。このためには、当該手荷物を一時的に取り置き、発見された物質を検査機関に送るなどの措置を取ることが必要で、通関が一時的に保留にされた状態となる。
仮に、禁止薬物の取締を行う現場で迅速に発見物質の同定ができれば、通関を一時的に保留にして旅行者を長時間留め置くような面倒はなく、すぐさま摘発や逮捕が行える。しかしながら、取締の現場で禁止薬物の同定を行うのに使用可能な検査機器は、現在までのところ開発されていない。
原理的には特許文献1に開示されたように免疫反応を利用することで、蛍光強度の測定によるアンフェタミンの検出は可能である。しかしながら、禁止薬物の取締の現場で行えるようにするには、携帯型の蛍光光度計が必要になってくる。現在までのところ、このような目的で使える携帯型の蛍光光度計は何ら開発されていない。
僅かに公知文献の範囲では、蛍光光度計を開示した特許文献2において、「電源(例えば、バッテリー)が、蛍光光度計の携帯を可能とするように、蛍光光度計に設けられている。」との記載があり、携帯型について示唆がされている。しかしながら、特許文献2において携帯型についての記載はこの部分のみであり、実用的な携帯型蛍光光度計の構造や機能について特許文献2は何ら具体的な教示をしていない。
また、特許文献3は、携帯型の光度計を開示している。しかしながら、この光度計は、励起光を照射して蛍光を測定するものではなく、試料を「反応体又はその他の薬剤」に混合し、その混合物からの化学発光を測定する光度計である。このような励起光を使用しない光度計は、試料からの光が極めて微弱になり易く、外光ノイズの影響を受け易い(このため、特許文献3は特別の光阻止構造を開示している)。
このように、携帯型の蛍光光度計は実用的なものが何ら開発されておらず、公知文献の範囲に限っても、実用的な携帯型蛍光光度計については何ら具体的な教示はされていない。このため、蛍光光度計を携帯型にして実用的なものにしていく際にはどのような課題が存在しているのかも、何ら明らかとなっていない。こういった状況ではあるが、携帯型蛍光光度計として実用的なものが開発できれば、上記禁止薬物の取締に限らず、プラント監視や環境評価など、各種分野で蛍光測定の技術が広く応用できるものと推測される。
本願発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、実用的な携帯型蛍光光度計を開発し、蛍光測定の技術の利用分野を広めていくことを課題としている。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
を備えており、
傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、傾斜対応制御回路は、前記傾きセンサで感知された傾きが限度以上の角度の場合に制御信号を出力するものである携帯型蛍光光度計であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記傾斜対応制御回路は、前記試料容器の内壁面のうち前記励起光のビームが入射する領域に対して前記液相対象物の液面が下回わる際の角度より小さい角度を限界角として設定しており、前記傾きセンサで感知された傾きが限界角を越えた場合に前記制御信号を出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記試料容器は着脱可能であって、前記試料容器を所定位置に装着して保持する容器装着部が設けられており、
前記容器装着部に前記試料容器が装着されていることを検知する容器センサが設けられており、
前記傾斜対応制御回路は、前記容器装着部に前記試料容器が装着されていることを前記容器センサが検知した場合に限り制御信号を出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、前記傾きセンサは、前記試料容器が傾く際の速度又は加速度を感知することができるものであり、前記傾斜対応制御回路は、感知された速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号を出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記試料容器が傾いている旨を測定者に知らせる告知手段が設けられており、前記制御信号は前記告知手段を動作させる信号であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記告知手段は、前記試料容器が傾いている旨を音、光、振動又はこれらの組合せにより測定者に知らせる手段であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項5又は6の構成において、前記傾斜対応制御回路は、前記試料容器が限度以上の角度で傾いている間は前記告知手段を動作させ続けるものであり、当該限度を下回った際に前記告知手段の動作を停止させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至7いずれかの構成において、前記制御信号は、測定を中止又は中断する信号であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
を備えており、
傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、
試料容器は着脱可能であって試料容器を所定位置に装着して保持する容器装着部が設けられており、
容器装着部に前記試料容器が装着されていることを検知する容器センサが設けられており、
傾斜対応制御回路は、容器装着部に試料容器が装着されていることを前記容器センサが検知した場合に限り制御信号を出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
を備えており、
傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、
傾きセンサは、試料容器が傾く際の速度又は加速度を感知することができるものであり、
傾斜対応制御回路は、感知された速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号を出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項1乃至10いずれかの構成において、前記試料容器を、前記光源、前記検出器及び前記光学系と一体に保持する筐体を備えており、
前記傾きセンサは、前記筐体の水平面に対する傾きを感知するものであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の携帯型蛍光光度計によれば、携帯型であるので、実験室や測定室といった限られた場所での測定だけではなく、様々な場所で自由に蛍光測定を行うことができ、試料が採取された現場で蛍光測定を行って迅速に結果を得ることもできる。この際、傾きセンサが設けられているので、試料容器が傾いているのを知ることができる。このため、測定精度が低下しそうなことを事前に知ったり、測定精度が低下しそうな場合には測定を中止したりすることができる。
また、傾きセンサで感知された傾きが限度以上の角度の場合に傾斜対応制御回路が制御信号を出力するので、不必要に制御信号が出力される煩わしさが無い。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、限界角を越えた場合に制御信号が出力されるので、励起光の照射が不十分となることを確実に防止しつつ不必要に制御信号が出力される煩わしさを無くすことができる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、容器装着部に試料容器が装着されていることを検知した場合に限り傾斜対応制御回路が制御信号を出力するので、試料容器が無いにもかかわらず不必要に制御信号が出力される煩わしさが無い。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、試料容器が傾けられる際の速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号が出力されるので、気泡が発生するような傾斜動作が生じた場合に適宜制御を行うことができる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、試料容器が傾いている旨が測定者に知らされるので、測定精度が低下する恐れがあることを知らずに測定を行ってしまうことが無くなる。また、蛍光光度計を傾けないようにして測定する習慣づけを測定者に対してすることもできる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、試料容器が限度以上の角度で傾いている間は告知手段を動作し続けるので、試料容器が傾いているのを忘れて測定してしまうミスが防止される。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、試料容器が傾いている際には測定が中止又は中断されるので、精度の低い測定結果が出力されることが無くなる。
また、請求項9記載の発明によれば、携帯型であるので、実験室や測定室といった限られた場所での測定だけではなく、様々な場所で自由に蛍光測定を行うことができ、試料が採取された現場で蛍光測定を行って迅速に結果を得ることもできる。この際、傾きセンサが設けられているので、試料容器が傾いているのを知ることができる。このため、測定精度が低下しそうなことを事前に知ったり、測定精度が低下しそうな場合には測定を中止したりすることができる。また、容器装着部に試料容器が装着されていることを検知した場合に限り傾斜対応制御回路が制御信号を出力するので、試料容器が無いにもかかわらず不必要に制御信号が出力される煩わしさが無い。
また、請求項10記載の発明によれば、携帯型であるので、実験室や測定室といった限られた場所での測定だけではなく、様々な場所で自由に蛍光測定を行うことができ、試料が採取された現場で蛍光測定を行って迅速に結果を得ることもできる。この際、傾きセンサが設けられているので、試料容器が傾いているのを知ることができる。このため、測定精度が低下しそうなことを事前に知ったり、測定精度が低下しそうな場合には測定を中止したりすることができる。また、試料容器が傾けられる際の速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号が出力されるので、気泡が発生するような傾斜動作が生じた場合に適宜制御を行うことができる。
また、請求項11記載の発明によれば、上記効果に加え、試料容器を、光源、検出器及び光学系と一体に保持する筐体を有し、傾きセンサは、筐体の水平面に対する傾きを感知するものであるので、コンパクトで実用的な携帯型蛍光光度計をさらに実用的にすることができる。
本願発明の実施形態に係る携帯型蛍光光度計の斜視概略図である。 実施形態に係る携帯型蛍光光度計の正面断面概略図である。 実施形態に係る携帯型蛍光光度計に使用される蛍光測定キットの概略図である。 図3の蛍光測定キットに含まれる試料容器の概略図である。 実施形態に係る携帯型蛍光光度計のブロック図である。 蛍光光度計が傾くことにより生じる問題について示した概略図であり、光度計が傾くことで気泡が発生する問題を示している。 蛍光光度計が傾くことにより生じる問題について示した概略図であり、光度計が傾くことで励起光が正しく照射されない問題を示している。 傾き角の限度について示した正面概略図である。 実施形態における励起光の照射構造の優位性について示した平面概略図である。 筐体内でのセル部の配置方向について示した平面断面概略図である。 断面方形のセル部の二つの方向における臨界角の違いについて示した正面概略図である。 光学系が異なる他の実施形態の主要部を示した概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る携帯型蛍光光度計の斜視概略図、図2は実施形態に係る携帯型蛍光光度計の正面断面概略図である。
図1に示すように、本実施形態の携帯型蛍光光度計は、全体としては扁平なほぼ直方体の箱状のものである。携帯型であるので、大きさとしては人の手のひらサイズかそれよりも少し大きい程度である。
この携帯型蛍光光度計は、図2に示すように、光源1と、光学系2と、検出器3と、容器装着部4などを備えている。光源1や光学系2、検出器3などは、図1に示すような扁平なほぼ直方体状の筐体5内に収められている。
本実施形態の蛍光光度計は、専用の容器に試料を入れて蛍光を測定するようになっている。以下、この容器を試料容器と呼ぶ。試料容器には、予め検査液が収容されており、蛍光測定キットとして測定者に提供されるようになっている。尚、「検査液」とは、検査に用いられる液相材料という程度の意味である。また、本明細書において「対象物」とは、蛍光測定を行う対象物の意味である。通常は、試料が検査液に溶かされたものが液相対象物ということになるが、試料が全体として液相の蛍光物質であって特に検査液を使用しない場合、試料=液相対象物ということになる。尚、本明細書において「蛍光」とは一般より広い概念であり、燐光を含む。
図3は、実施形態に係る携帯型蛍光光度計に使用される蛍光測定キットの概略図、図4は図3の蛍光測定キットに含まれる試料容器の概略図である。
蛍光測定キットは、汚損や異物の混入がないよう個装袋90に試料容器91を封入したものとなっている。試料容器91は、図4に示すような縦長の細長い容器である。個装袋90内は、キットの劣化防止のため、減圧脱気されたり、又は窒素充填されたりする場合がある。
図4に示すように、試料容器91の上端には、試料を入れるための開口910が形成されている。開口910には、開閉蓋911が設けられている。試料容器91は、下端にセル部912を有している。セル部912には、予め検査液92が収容されている。蛍光測定の際には、試料がセル部912に投入されて検査液92と混合される。セル部912は、上側の部位に比べて内部空間の断面積が小さいものとなっている。セル部912の内部空間の形状は、この実施形態では直方体状となっている。
このような試料容器91は、励起光や蛍光を十分に透過する材料で形成されている。具体的には、硼珪酸ガラスや石英、サファイアのようなガラス製、PMMA(アクリル樹脂)、ポリスチレン、COC(環状オレフィン・コポリマー)のような樹脂製のものが試料容器91として使用される。尚、励起光を照射した際に試料容器91自体から多くの蛍光が放出されると、液相対象物からの蛍光との見分けが難しくなるので、試料容器91の材料としては、蛍光の自家発光(自ら放出する蛍光)が少ないものが選定される。
尚、測定精度の低下防止の観点から、試料容器91は使い捨て(1回限りの測定で使用されるもの)とされることが好ましい。この観点から、試料容器91の材質としては、PMMAのような樹脂製の方がコスト面で好ましい。
一方、図1及び図2に示すように、蛍光光度計の筐体5は、上面部の一部が開閉蓋51となっている。開閉蓋51を開くと、図2に示すように、試料容器91の挿入孔50が形成されるようになっている。挿入孔50の付近から下方に延びるようにして、筐体5内には容器装着部4が形成されている。容器装着部4は、試料容器91の寸法形状に適合した枠状の部位である。
試料容器91を蛍光光度計に装着する場合、図2に示すように開閉蓋51を開け、試料容器91を挿入孔50に挿入する。試料容器91は、容器装着部4に装着されて所定位置で保持される。その後、開閉蓋51は閉じられる。
光源1は、液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることができる光(励起光)を放射するものである。本実施形態では、LEDランプが光源1として使用されている。励起光を含む光を放射するものであれば特に制限なく使用可能であるが、本実施形態では、コスト上の優位性や省消費電力を考慮し、LEDランプが使用されている。例えば、波長525nmの緑色光を放射するLEDが各社から市販されており、レンズを備えた出力2mW程度のものが好適に採用できる。
光学系2は、光源1からの励起光を試料容器91のセル部912内に導くとともにセル部912内の液相対象物からの蛍光を検出器3に導くものである。本実施形態では、光学系2は、光源1からの光を集光する集光レンズ21と、光路の折り曲げと光の選択を行うためのダイクロイックミラー22と、光路上に配置されたフィルタ23,24等から構成されている。
図2に示すように、ダイクロイックミラー22は、容器装着部4に装着された試料容器91のセル部912とほぼ同じ高さの位置に配置されている。ダイクロイックミラー22は、斜め45°の角度で配置されており、その上方に光源1が配置されている。光源1は、下方に向けて光を放出する姿勢となっている。ダイクロイックミラー22は、励起光の波長の光を反射し、測定する蛍光の波長の光を透過するものである。
また、ダイクロイックミラー22を挟んで容器装着部4とは反対側の位置に、検出器3が配置されている。容器装着部4に装着された試料容器91のセル部912と、ダイクロイックミラー22と、検出器3とは、同じ高さに位置しており、水平な光軸(検出用光軸)上に配置されている。一方、光源1から下方に延びる光軸(励起用光軸)は、ダイクロイックミラー22により垂直に折り曲げられ、セル部912に達している。尚、容器装着部4は、励起光や蛍光を遮らないよう開口又は切り欠きを有する形状となっている。
フィルタとしては、励起光用フィルタ23と、蛍光用フィルタ24とが配置されている。励起光用フィルタ23は、励起光となる波長の光を選択的に透過するものであり、光源1とダイクロイックミラー22との間の光路上に配置されている。例えば前述したように525nmの緑色光が励起光として使用される場合、510〜545nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが励起光用フィルタ23として使用される。
蛍光用フィルタ24は、測定する蛍光の波長の光を選択的に透過するものであり、ダイクロイックミラー22と検出器3との間に配置されている。例えば、蛍光の波長が550〜630nmの場合、570〜610nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが蛍光用フィルタ24として使用される。
尚、このように励起用と検出用とでそれぞれにフィルタ23,24が用いられているので、ダイクロイックミラー22ではなく、波長選択性のないハーフミラーを使用しても良い。但し、ハーフミラーの場合には光量が半減するので、ダイクロイックミラー22の方が有利である。励起光用フィルタ23と蛍光用フィルタ24の透過波長域が前述した例である場合、ダイクロイックミラー22としては、例えば570nm以上の波長域の光を透過し、545nm以下の波長域の光を反射する特性(45°入射の場合)のものが使用できる。
また、集光レンズ21は、光源1からの光を細いビームにしてセル部912内の液相対象物に照射するためのものである。光源1としてのLEDランプは、ビームの広がり角が小さいものが好適に使用されるが、それでも小さなセル部912に照射するものとしては広がりが大きいので、集光レンズ21で絞ってから照射するようにしている。集光レンズ21の開口数NAは、それほど大きいものは必要ではなく、0.5程度で良い。
集光レンズ21による集光位置(最もビームが細くなる位置)は、セル部912の中央である。尚、ビーム径は最も細い位置で0.5〜1.5mm程度である。尚、集光レンズ21は、液相対象物から発せられた蛍光を集めて検出器3に入射させる目的でも配置されている。
検出器3は、フォトダイオードを使用したものや光電管などの中から適宜選択される。本実施形態では、シリコンフォトダイオードを使用したものが採用されている。
また、図1に示すように、筐体5の前面には、光度計の動作状態や測定結果を表示する表示部52と、幾つかの操作ボタン531〜536が設けられている。この他、筐体5の側面には、不図示の電源スイッチが設けられている。
次に、実施形態の携帯型蛍光光度計の信号処理系について説明する。図5は、実施形態に係る携帯型蛍光光度計のブロック図である。
図2に示すように、筐体5内には、制御ボックス60が設けられている。制御ボックス60内には、各部の制御や信号処理を行う主制御部6が設けられている。主制御部6は、図5に示すように、演算処理を行うプロセッサ61や、データやプログラムを記憶するためのメモリ62などを有している。
検出器3は、蛍光を受光する光電変換部(この例ではシリコンフォトダイオード)31と、光電変換部31の出力信号を増幅する増幅器32と、増幅された信号に基づいて蛍光強度の信号として出力する出力回路33とを含んでいる。出力回路33は、蛍光強度を絶対値で表示するための校正回路を必要に応じて含む。
主制御部6には、検出器3からの出力の他、各操作ボタン531〜536からの操作信号や電源スイッチからの信号が入力されるようになっている。また、主制御部6には、不図示のインターフェースを介して表示部52が接続されている。表示部52としては、液晶ディスプレイが採用でき、タッチパネルが採用されることもあり得る。プロセッサ61によって実行されるプログラムには、表示部52に表示する操作メニューの表示プログラムや、測定の際の分析プログラムなどが含まれる。
尚、図2に示すように、筐体5内には、電池ケース37が設けられている。電池ケース37には、光源1や検出器3、主制御部6などに必要な電圧を供給する電池が装着される。
このような本実施形態の携帯型蛍光光度計の大きな特徴点の一つは、試料容器91の水平に対する傾きを感知する傾きセンサ7を備えている点である。以下、この点について説明する。
傾きセンサ7としては、本実施形態では、半導体加速度センサが使用されている。半導体加速度センサは、MEMS技術(微細加工技術)を応用した微小センサであり、携帯電話などに傾きセンサとして搭載されている。例えば、STMICROELECTRONICS社(本社、ジュネーブ)のLIS331DLHなどが使用できる。
図2に示すように、筐体内5には、光源1や光学系2などを保持したフレーム55が設けられており、傾きセンサ7はこのフレーム55に固定されている。フレーム55は筐体5に対して固定されており、容器装着部4もフレーム55に固定されている。したがって、容器装着部4に試料容器91が装着されると、試料容器91は、筐体5と一体に傾き、この傾きが傾きセンサ7によって感知される。尚、傾きは、便宜上、試料容器91の幅方向を基準として考えて水平に対する傾きとするが、垂直に対する傾きとしても全く差し支えない。
傾きセンサ7を設けることは、実施形態の蛍光光度計が励起光により蛍光を発生させるものであること、携帯型であること、試料が微量であること、さらに対象物が液相状態であることという特有の諸事情によって生じる新たな問題に対応したものである。発明者は、携帯型蛍光光度計によって液相対象物の蛍光を測定する場合、測定精度が低下させる新たな問題が生じ得ることを見い出した。
携帯型の蛍光光度計は、手に持って測定することが想定されるから、当然に傾いた状態で測定が行われることがあり得る。本実施形態では、光源1や光学系2、容器装着部4などが筐体5と一体なので、筐体5を傾いた状態で持てば、当然ながら試料容器91も傾くことになる。
発明者の研究によると、液相対象物に励起光を照射して測定する蛍光光度計が傾けられると、大きく分けて二つの問題が生じ得ることが判明した。一つは、液相対象物内に気泡が発生することで測定精度が低下する問題である。もう一つは、励起光が正しく照射されなくなることによる測定精度の低下の問題である。
図6及び図7は、光度計が傾くことにより生じる問題について示した概略図であり、図6は、光度計が傾くことで気泡が発生する問題を示している。
図6(1)に示すように、光度計が傾くと試料容器91も傾くので、液相対象物93の液面は試料容器91の幅方向に対して斜めの状態となる。元の姿勢に戻る際又はこのように斜めになる際、図6(2)に示すように、液面は少し波打つような状態になる。液相対象物93の粘性や動作の速さによっては波打ちは大きくなる。波打ちがあると、図6(3)に示すように元の姿勢に戻った際、液面が空気を巻き込み、液面付近に気泡94が形成されることがある。
図6(3)に示すように液相対象物93中に気泡94が発生すると、励起光が液相対象物に照射された際、励起光が気泡94に散乱される結果、液相対象物93中の蛍光物質に十分に励起光が照射されない状態となる。また、発生した蛍光が気泡94によって散乱される結果、十分に検出器に捉えられないことにもなる。気泡94の発生はランダムであり、気泡94がある場合とない場合では蛍光物質の濃度が同じであっても測定結果が異なってくるから、測定精度が低下することになる。
容易に理解できるように、このような気泡94は、液相対象物93の量が少ない場合に生じ易い。液面の波打ちが相対的に大きくなるからである。前述した禁止薬物の検出のような場合には、検査すべき試料は非常に微量である場合が多い。試料が微量の場合には、検査液も少量とされる。検査液を多くすると試料が希釈され過ぎてしまい、蛍光強度が弱くなってしまうからである。つまり、微量試料の蛍光測定の場合に、上記気泡発生の問題は深刻化する。
また、図7には、光度計が傾くことで励起光が正しく照射されない問題が示されている。図7に示すように、セル部912の傾きが大きくなり、液相対象物93の液面がセル部912に対して限度以上に斜めになると、励起光のビームbの入射領域に対して液面の一部が下回る状態となる。この状態になると、励起光のビームbは、一部又は全部がセル部912中の空気の空間部分を抜けて液面に達するので、液面で多くが反射するか全反射してしまうことになる。この状態では、励起光の多くは液相対象物93中を進行しないので、蛍光物質を励起することができない。このため、蛍光強度が正常値よりもかなり低く測定されてしまう。
容易に理解できるように、このように励起光の照射が不十分となる問題は、やはり試料が微量の場合に深刻化する。試料が微量のために液相対象物93の量が少ない場合には、励起光のビームbの入射領域と液面との距離が小さくなり、少しの傾きで液面が入射領域を下回ってしまうからである。
発明者は、光度計が傾くことによりこのような問題が生じることを見い出し、傾きセンサ7を設ける構成を想到するに至った。傾きセンサ7の感知結果の利用の仕方については、幾つか考えられる。まず、傾きセンサ7が感知結果を測定者に知らせ、光度計が傾いていることを認知させることが考えられる。また、傾きセンサ7により傾きが限度以上であると感知された場合、測定結果をキャンセルする構成も有効である。
上記のような検討を踏まえ、本実施形態の蛍光光度計は、図5に示すように、傾きセンサ7と、傾きセンサ7からの出力に応じて制御信号を出力する制御回路(以下、傾斜対応制御回路)71と、告知手段72とを備えている。傾斜対応制御回路71の出力は主制御部6に送られるようになっており、主制御部6は、送られた制御信号に従って告知手段72などを制御する。
告知手段72は、光度計が傾いていることを音、光、振動又はこれらの組み合わせにより測定者に知らせる手段である。例えば音による告知を行う告知手段72の場合、筐体5にスピーカを設け、ブザー音を鳴らして傾いていることを知らせたり、又は傾いていることを人の音声で知らせたりする構成が採用し得る。光による告知手段72としては、筐体5に表示ランプを設けて傾きセンサ7の出力に応じて点灯させたり、又は表示部52にエラーメッセージを表示したりする構成が採用し得る。振動による手段としては、筐体5にバイブレータを設け、傾きセンサ7の出力に応じて動作させる構成が採用し得る。これらの手段のいずれかを選択して採用してもよく、また組み合わせて採用しても良い。
傾斜対応制御回路71は、告知手段72などをどのような条件でどのようなタイミングで動作させるのかを最適化するために設けられる。前述したように、光度計が傾くことによる問題は、測定の際に生じる問題であり、液相対象物が収容された試料容器91の装着時に光度計が傾くことによる問題である。したがって、試料容器91が装着されていない状態では傾いても問題はなく、告知手段72を動作させる必要はない。試料容器91が装着されていないのに告知手段72が動作してエラー音が鳴るなどするのは、かえって煩わしい。そこで、本実施形態では、図5に示すように、試料容器91が装着されていることを検知する容器センサ73を設けており、容器センサ73の出力が傾斜対応制御回路71に入力されるようになっている。傾斜対応制御回路71は、容器センサ73の出力がオンの場合(試料容器91が装着されている場合)に限り、制御信号を発するようになっている。図2中不図示であるが、容器装着部4に近接センサ又はリミットスイッチ等を設けることで容器センサ73とすることができる。
また、図6に示すような問題(気泡の発生)は、試料容器91が勢いよく傾けられたときに生じ易い。したがって、傾けられた際の速度又は加速度を傾きセンサ7で感知し、それが限度以上であった場合に告知手段72を動作させたり、測定中止の処理をしたりすることも有効である。前述した半導体加速度センサは、傾く際の速度や加速度を出力信号から得ることができるから、この目的で使用することができる。この場合、傾斜対応制御回路71は、速度又は加速度の上限値を設定した設定回路を備えたものとされ、傾きセンサ7からの出力がそれを超えた場合に主制御部6に制御信号を出力する構成とされる。
また、試料容器91が装着されている状態に限り傾きセンサ7の出力信号を利用する場合でも、僅かに光度計が傾いただけでエラー音が鳴ったり測定が中止されたりすると煩わしい。現実に測定精度に影響が出る恐れがある場合にだけエラーとすべきである。図7に示す問題は、ある限度以上に光度計が傾いた場合にだけ生じるから、傾き角の限度を設定し、それを超えた場合にのみエラー音を鳴らしたり、測定中止としたりすることが好ましい。
図8は、この傾き角の限度について示した正面概略図である。セル部912の内壁面のうち励起光が入射する側の内壁面における励起光のビームbの入射領域をビーム入射領域と呼ぶ。理論的には、傾き角の限度は、光度計が傾くことによって液相対象物の液面が試料容器91に対して相対的に傾き、ビーム入射領域を液面が一部下回ってしまう際の角度である。図示及び説明を簡単にするため、図8に示すように、セル部912は垂直なままとし、液面93Sが傾いた状態で考える。実際にはセル部912が傾き液面93Sは水平な状態を維持するが、この状態は、試料容器91が垂直なままで液面93Sが傾くのと等価である。
図8に示すように、ビーム入射領域の高さ方向の長さ(以下、ビーム高長と呼ぶ。円形ビームの場合にはビーム径となる)をaとし、ビームbの光軸と液面93Sとの距離(以下、光軸液面間距離)をhとする。さらに、光軸方向で見たセル部912の内部空間の長さ(以下、セル奥行き)をdとする。また、ビーム入射領域のうち最も高い箇所bmをビーム最高点と呼び、セル部912が水平状態である場合の液面93Sとビーム最高点bmとの距離を水平時液面距離と呼ぶ。
図8に示すように、ビーム入射領域を液面93Sが一部下回ってしまう際の角度(以下、臨界角という)θは、ビーム最高点bmと液面93Sの端部とが一致する際の角度である。臨界角θは、以下の式(1)で表せる。
θ=tan−1{(h−a/2)/(d/2)}
=tan−1{(2h−a)/d}…式(1)
傾斜対応制御回路71が制御信号を発生させる際の角度(以下、設定限界角と呼ぶ)は、図8に示す臨界角θよりも余裕をみて少し小さい角とされる。例えば、ビーム高長aが1mm、セル奥行きdが5mm、光軸液面間距離hが5mmの場合、水平時液面距離(h−a/2)は4.5mmだから、臨界角θは60.9°になる。この場合、例えば10°程度余裕をみて、設定限界角は50°とされる。このような設定限界角を設定する回路が傾斜対応制御回路71内に設けられており、傾斜対応制御回路71は、傾きセンサ7の出力が設定限界角を超えた場合にのみ制御信号を発するよう構成される。
尚、臨界角θは、式(1)から明らかなように、セル部912に収容される液相対象物93の量により変わる。液相対象物93が少なくなると、臨界角θは小さくなる。したがって、試料容器91に予め収容されている検査液の量、検査液に追加する試料の量等を考慮し、想定される最も少ない液相対象物93の量において臨界角θを予測し、これに基づいて設定限界角が設定される。
また、告知手段72は、設定限界角を上回っている間は継続して動作することが好ましい。即ち、傾斜対応制御回路71は、傾きセンサ7で感知された角度が設定限界角を上回っている間は常に制御信号を出力させるようになっており、告知手段72が常に動作することが好ましい。例えば、エラー音が常に鳴りっぱなしの状態となる。そして、光度計が水平又は水平に近い姿勢に戻され、傾き角が設定限界値を下回ったら、告知手段72の動作が停止する(例えばエラー音が止む)ようにする。光度計が傾いた際に告知手段が一回動作するだけの構成であると、傾いた状態であることを忘れて測定しまうこともあり得るが、このように傾いている間中、告知手段が動作すれば、傾いていることを忘れて測定を行ってしまうことが無くなる。
尚、傾斜対応制御回路71が出力する制御信号は、測定を中止又は中断するのにも使うことができる。例えば、主制御部6に測定中止用の回路を設け、制御信号が出力された場合には測定結果を出力しないようにする。この場合、表示部52には測定結果が表示されないが、傾きが限度以上なので測定が中止された旨が表示されるようにしておくと好適である。尚、測定結果を表示部52に表示しつつも、傾きが限度以上であるので測定精度が低下している恐れがある旨を表示するようにしても良い。尚、測定の中止とは、例えば測定結果を出力せずに各部の動作を終了させる制御であり、測定の中断とは、例えば光源1や検出器3を動作させたままとし、傾斜が解消されて水平な姿勢に戻ったことを感知した後に測定を再開する(検出器3の出力を処理して測定結果とする)制御である。
本実施形態の蛍光光度計は、このように傾きセンサ7を設けた構成を最適化する他、光度計が傾いて使用されることによる問題を小さくするため、人間工学的な検討を加えた構成も採用している。以下、この点について説明する。
図9は、実施形態における励起光の照射構造の優位性について示した平面概略図である。特許文献3の光度計において試料が入れられる部分は、サンプル瓶56である。特許文献3の図2から明らかなように、サンプル瓶56は円筒状である。仮に、このサンプル瓶のように円筒状のセル部に収容された液相対象物に励起光を照射して蛍光強度を測定しようとした場合を想定する。図9(1)に示すように、円筒状のセル部の場合、光軸から離れた場所では励起光はセル部の壁面に全反射し易い。励起光が内部に入りにくいため、液相対象物を広い領域に亘って励起することができない(励起効率が悪い)。一方、図9(2)に示すように、直方体状のセル部912であれば、入射側の内壁面を光軸に対して垂直にできるので、励起効率を高くできるメリットがある。
このように断面方形のセル部912とする場合、図9(2)に示すように光軸方向に長いものとすることがさらに励起効率を高める上で有利である。即ち、図9(2)に示すように長手方向を光軸方向とした方が、励起光の光線が液相対象物93中の蛍光物質の分子に到達する確率が高い。短手方向を光軸方向とした場合でも、励起光のビームの断面積を大きくすれば同程度の確率になるとも予想されるが、光源の出力が一定である限り、ビームのエネルギー密度が低下することになるため、全体としての励起効率は低下せざるを得ない。本実施形態では、このような点を考慮し、セル部912の断面形状を方形としつつ、その長手方向を光軸方向に一致させた配置としている。
一方、本実施形態の蛍光光度計は携帯型であり、前述したように手のひらサイズ又はそれから少し大きいサイズである。操作メニューや測定結果を表示する表示部52を備えることを考慮すると、筐体5は図1に示すように扁平なもの(厚さの薄いもの)にならざるを得ない。
この際、上述した傾きの問題と関連させて考えると、人間工学的な配慮が必要になってくる。図1に示す携帯型蛍光光度計を手に持って測定を行う場合を想定してみると、操作メニューを表示部52で見たり、各操作ボタン531〜536を押したりする関係から、筐体5の幅方向を軸として傾ける動作(図1中に矢印t1で示す)は、してしまい易い。その一方、筐体5の厚さ方向を軸として傾ける動作(図1中に矢印t2で示す)は、かえって表示部52が見づらくなるから、殆どしない。つまり、人間工学的には、矢印t1の向きの傾きは生じ易いものの、矢印t2の向きの傾きは生じにくい。
一方、筐体内でのセル部の配置方向については、大きく分けて二通り考えられる。図10は、筐体内でのセル部の配置方向について示した平面断面概略図である。断面方形のセル部912を筐体5内に配置する場合、図10(1)に示すようにセル部912の長手方向を筐体5の幅方向とするレイアウトと、図10(2)に示すようにセル部912の短手方向を筐体5の幅方向とするレイアウトが考えられる。この場合、図1に示した傾きが生じ易い向きt1を考慮すると、図10(1)に示すレイアウトの方が有利である。この点について、図11を参照して説明する。図11は、断面方形のセル部の二つの方向における臨界角の違いについて示した正面概略図である。
図11(1)は、図8と同様の図であり、長手方向を筐体5の幅方向として配置したセル部を正面から見た概略図であり、短手方向を軸として傾けられた場合の臨界角を示している。図11(2)は、(1)と同様の配置のセル部の側面概略図であって、長手方向を軸としてセル部が傾けられた場合の臨界角を示している。図11(2)に示すように、この例では、励起光のビームbは、セル部912の短手方向の長さよりも少し小さい径の円形のパターンとなっている。液面93Sが相対的に傾いてビームbのパターンに接する際の傾き角θが、臨界角である。
図11の(1)と(2)とを比較するとわかるように、臨界角θは、短手方向を軸にして傾く場合に比べ長手方向を軸にして傾く方が遙かに大きい。つまり、断面方形のセル部は、長手方向を軸にして傾く場合には傾きの許容度が非常に大きい。
この点と、図1に示した傾きの生じ易い向きt1とを考え合わせると、セル部912の長手方向を筐体5の幅方向に一致させた状態で配置することが効果的であると結論づけられる。セル部912の長手方向と筐体5の幅方向とが一致するということは、生じ易い傾きの向きと、傾く際の許容度が大きい方向とが一致しているということであり、最も生じ易い傾きの向きにおいて最も許容度を大きくしているということである。つまり、人間工学的に傾きが生じ易くても、問題となる可能性は低く、測定精度に影響を与えてしまうことが少ない。本実施形態において、セル部912を断面方形とし、その長手方向を筐体5の幅方向に一致させているのは、このような重要な意義を有する。
次に、このような携帯型蛍光光度計の使用方法について説明する。
実施形態の携帯型蛍光光度計を使用して蛍光測定を行う場合、図3〜図4に示す蛍光測定キットを用意する。図4に示す個装袋90を破り、試料容器91を個装袋90から取り出す。そして、試料容器91の開閉蓋911を開け、試料を投入する。投入された試料は、試料容器91のセル部912で、予め収容されている検査液92と混合される。
次に、蛍光光度計の筐体5の開閉蓋51を開け、試料を投入した試料容器91を筐体5内に挿入して容器装着部4に装着する。そして、電源スイッチをオンにし、表示部52に操作メニューを表示する。そして、操作ボタン391〜396を選択的に操作し、蛍光光度計を垂直に立てた姿勢を保持しながら蛍光測定を行う。光源1が動作して励起光がセル部912内の液相対象物に照射され、液相対象物中の蛍光物質からの蛍光が検出器3により捉えられる。検出器3の出力信号は、プロセッサ61で処理され、測定結果として表示部52に表示される。
上記測定において、蛍光クエンチングを解消する作用を利用した免疫測定の場合のように、参照値的なデータを取得するため、最初は試料を投入しないで測定する場合もある。この場合には、試料容器91を個装袋90から取り出してそのまま測定し、その後、試料を加えてもう一度測定する。プロセッサ61は、各測定で得られた出力の比を取るなどして試料の同定又は定量を行う。
免疫測定を例にして測定のより具体的な例について示すと、前述したメタンフェタミンについては、動物に免疫して得られた細胞株を培養することによってモノクローナル抗体を抗メタンフェタミン抗体として製造する技術が開示されている(特開平1−96198号公報,特開平5−7497号公報,特開平6−261784号公報等)。また、メタンフェタミンの蛍光標識色素としては、ペンタメチンシアニン誘導体からなるもの(特開平6−66725号公報)やメロシアニン誘導体からなるもの(特開平8−92211号公報)が知られている。
したがって、メタンフェタミン検出用の検査液としては、適宜選択された抗メタンフェタミン抗体に対して、適宜選択された蛍光標識色素を結合させて標識し、それをPBS溶液(リン酸バッファ液)に溶かしたものを検査液(第一の検査液)として使用することができる。
実際にメタンフェタミンの検出をする場合、このような第一の検査液が試料容器91に所定量収容されている蛍光測定キットを用意し、まず第一の検査液のままで蛍光を測定し、蛍光強度をメモリ62に記憶する。次に、第二の検査液としてPBS溶液(リン酸バッファ液)を使用し、試料(ここではメタンフェタミンではないかと疑われる物質)をこれに溶かす。そして、溶かしたものを第一の検査液に加え、これを液相対象物とする。この液相対象物について同様に蛍光を測定し、蛍光強度を測定する。そして、その強度比を算出する等の分析処理をプロセッサ61に行わせ、その結果を表示部52に表示する。
試料がメタンフェタミンであれば、抗メタンフェタミン抗体が抗原(メタンフェタミン)に反応することでクエンチングの解消作用が生じる。このため、蛍光強度が増加する。したがって、強度比が一定以上の大きさであるかどうかで、試料がメタンフェタミンかどうか判断することができる。
例えば、税関の検査において荷物に禁止薬物らしい白色の粉が付着していたとする。係員は、検査が必要だと判断し、荷物を一時的に取り置いた上で、粉を採取する。そして、上述したように測定を行い、粉がメタンフェタミンかどうか判断する。メタンフェタミンだと判断されれば、荷物のどこかに大量のメタンフェタミンが隠されている可能性が高いので、より詳しい調査、捜索を行うようにする。メタンフェタミンの他、アンフェタミン、コカイン等の禁止薬物についても、それぞれに抗体及び蛍光色素を用意することで同様に検出することができる。
税関での禁止薬物の取締以外にも、本実施形態の蛍光光度計を用いることができる。例えば、犯罪捜査の現場で禁止薬物を検出したり、犯行現場に残された化学物質を同定して証拠としたりする場合などである。これらの他にも、例えばスポーツ競技において行われるドーピング検査でも、本実施形態の蛍光光度計を使用することができる。この場合、被検者の尿を微量採取して試料とすることがあり得る。
いずれにしても、本実施形態の蛍光光度計によれば、携帯型であるので、実験室や測定室といった限られた場所での測定だけではなく、他の様々な場所で蛍光測定を行ったり、試料が採取されるその現場で蛍光測定を行って迅速に結果を得たりすることができる。
この際、光度計に傾きセンサ7が設けられているので、試料容器91が傾いているのを知ることができる。このため、測定精度が低下しそうなことを事前に知ったり、測定精度が低下しそうな場合には測定を中止したりすることができる。本実施形態では、傾きセンサ7の出力に応じて制御信号を発する傾斜対応制御回路71を設けたが、傾きセンサ7の出力を単に表示部52に表示するだけの構成であっても良い。この場合は、光度計の傾き角が表示部52に数値表示される。尚、傾斜対応制御回路71を設ける点は、問題にならない小さい角度の傾きについては無視しつつ、問題となる角度で傾けられた場合にのみ必要な対応をするものであり、煩雑にならない範囲で必要な制御が行える意義を有する。
また、本実施形態では、容器センサ73が設けられており、試料容器91が装着されているときのみ制御信号が出力されるので、不必要にエラー音等を発生させてしまったり、測定を中止したりする煩わしさが避けられる。
さらに、本実施形態では、励起光のビームの入射領域を液相対象物の液面が下回ってしまう臨界角よりも小さな角度で限界角が設定され、この角度を超えた場合に制御信号が出力されるので、液相対象物への励起光の照射が不十分となるエラーを完全に防止することができる。
尚、励起光の入射方向に対して液面が傾くことが問題であるので、理論的には試料容器91の傾きを感知すれば良い。但し、試料容器91だけを持って測定する構造の蛍光光度計は携帯型のものとしては実用的ではなく、光源1、光学系2及び検出器3を筐体5内に収容して一体に保持する構造のものが携帯型としてはコンパクトであり実用的である。筐体5の傾きを感知する傾きセンサ7を設ける点は、このようなコンパクトで実用的な携帯型蛍光光度計をさらに実用的にする意義を有する。
また、光度計が傾いていることを測定者に告知する点は、測定精度の低くなることを事前に知らせて測定を中止させることで、誤った試料の同定や定量を未然に防止する意義を有する他、光度計を傾けないようにして測定する習慣づけを測定者に対してすることができる意義も有する。
本実施形態の携帯型蛍光光度計は、前述した禁止薬物の取締や犯罪捜査の用途の他、各種プラントにおけるプロセス監視、水質検査のような環境調査、新薬の研究開発、各種疾病の臨床診断、さらには各種食品や化学品の検査などの目的で使用することができる。このような調査や、研究開発、各種検査などの現場でも、試料を採取する現場で蛍光を測定して迅速に同定や定量すべき場合が多々あり、本実施形態の携帯型蛍光光度計は利用価値は極めて高い。
次に、光学系が異なる他の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、光学系が異なる他の実施形態の主要部を示した概略図である。
図2に示す実施形態の携帯型蛍光光度計では、励起光を照射する側と蛍光を検出する側が同じであったが、照射と検出とを異なる側で行う光学系を採用しても良い。図12に示す各実施形態は、この構成となっている。
図12(1)は正面概略図である。ここに示す実施形態では、励起光を照射する光学系81の光軸81Aと蛍光を検出する光学系82の光軸82Aとは180度隔てられており、水平な同一直線上に延びている。また、図12(2)は平面概略図である。ここに示す実施形態では、励起光を照射する光学系81の光軸81Aと、蛍光を検出する光学系82の光軸82Aが、水平な面内で垂直に交差している。このような光学系81,82であっても、本願発明の携帯型蛍光光度計は実施可能である。このような光学系81,82を採用する場合でも、図12(1)(2)に示すように、セル部912の短手方向を筐体5の厚さ方向とすることで、光度計を傾けてしまうことが測定精度に影響を与えにくい構造とすることができる。
尚、図12に示す各実施形態と比べると、図2に示す実施形態の光学系2は、励起用光軸と検出用光軸とが一部共通しており、集光レンズ21を兼用した構造となっているので、光学系全体がコンパクトであるという長所を有する。
また、前述した実施形態では、光学系2は励起光を集光した状態にしてセル部912に入射させたが、平行光にして入射させる光学系が採用されることもある。また、光源1からの励起光の広がりが小さい場合には、そのままセル部912に入射させる場合もある。また、光源1としてはレーザ発振器が使用されることもあり、紫外線が励起光として使用されることもある。
尚、本願発明において、「光学系」の語は広義に解される必要がある。本願発明における「光学系」は、励起光から液相対象物に照射されるようにし、発生した蛍光が検出器に捉えられるようにするものであり、必ずしも集光、光の反射等が行われることを必須要件とするものではない。試料容器に対して光源や検出器を所定の位置に配置する部材だけのものであっても、「光学系」と呼び得る。
上述した各実施形態において、傾きセンサ7として、異なる方向の傾きをそれぞれ感知することができるものが採用されることもある。例えばピエゾ抵抗型の半導体加速度センサなどは、3軸方向での傾き量をそれぞれ出力することが可能である。したがって、このようなセンサを傾きセンサ7として用い、制御を最適化しても良い。例えば、各軸方向で異なる限界角を設定し、それぞれについて限界角をオーバーした場合にエラー音などを発生させるようにする。例えば、前述したように図1のt2の向きに傾くと、測定精度の低下につながり易いので、この向きには傾けないように測定者に習慣づけする必要がある。したがって、この向きについては他に比べて限界角を小さく設定し、少し傾けただけでもエラー音などが発生するようにすると好適である。
また、上記各実施形態では、試料容器91は蛍光測定キットの一部として提供されるものであり、蛍光光度計に装着されて使用されるものであったが、試料容器が蛍光光度計の一部であっても理論的には本願発明の実施は可能である。
尚、蛍光測定キットの発明の実施形態としては、前述した第二の検査液についても容器に封入した上でキットに含めても良い。この場合、第一の検査液が入った試料容器と第二の検査液が入った別の容器とを一つの個装袋に密封したキットとすることができる。尚、第二の検査液としては、単なるバッファ液の他、蛍光色素を含んでいる場合もある。例えば、蛍光共鳴エネルギー転移の効率の変化を指標として抗体や抗原の濃度を測定する蛍光共鳴エネルギー転移法(FRET)では、抗体と抗原とはそれぞれ別の蛍光色素で標識される。したがって、この場合、第二の検査液として抗原用の蛍光色素を含むものが使用されることになる。
尚、液相対象物が傾くことで気泡が発生して測定精度が低下する問題は、励起光を照射することなく液相対象物からの発光強度を測定する光度計においても同様である。したがって、化学発光の強度を測定する光度計や生物発光の強度を測定する光度計において傾きセンサを設けることは、同様の技術的意義がある。このような光度計は、前述した各実施形態の構成において、光源及び励起光を導くための光学系を省略した構成を備えたものとなる。
1 光源
2 光学系
21 集光レンズ
22 ダイクロイックミラー
23 励起光用フィルタ
24 蛍光用フィルタ
3 検出器
4 容器装着部
5 筐体
51 開閉蓋
52 表示部
531〜536 操作ボタン
6 主制御部
7 傾きセンサ
71 傾斜対応制御回路
72 告知手段
73 容器センサ
91 試料容器
911 開閉蓋
912 セル部
92 検査液

Claims (11)

  1. 試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
    蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
    光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
    試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
    を備えており、
    傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、傾斜対応制御回路は、前記傾きセンサで感知された傾きが限度以上の角度の場合に制御信号を出力するものであることを特徴とする携帯型蛍光光度計。
  2. 前記傾斜対応制御回路は、前記試料容器の内壁面のうち前記励起光のビームが入射する領域に対して前記液相対象物の液面が下回わる際の角度より小さい角度を限界角として設定しており、前記傾きセンサで感知された傾きが限界角を越えた場合に前記制御信号を出力するものであることを特徴とする請求項記載の携帯型蛍光光度計。
  3. 前記試料容器は着脱可能であって前記試料容器を所定位置に装着して保持する容器装着部が設けられており、
    前記容器装着部に前記試料容器が装着されていることを検知する容器センサが設けられており、
    前記傾斜対応制御回路は、前記容器装着部に前記試料容器が装着されていることを前記容器センサが検知した場合に限り制御信号を出力するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型蛍光光度計。
  4. 前記傾きセンサは、前記試料容器が傾く際の速度又は加速度を感知することができるものであり、前記傾斜対応制御回路は、感知された速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号を出力するものであることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の携帯型蛍光光度計。
  5. 前記試料容器が傾いている旨を測定者に知らせる告知手段が設けられており、前記制御信号は前記告知手段を動作させる信号であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の携帯型蛍光光度計。
  6. 前記告知手段は、前記試料容器が傾いている旨を音、光、振動又はこれらの組合せにより測定者に知らせる手段であることを特徴とする請求項記載の携帯型蛍光光度計。
  7. 前記傾斜対応制御回路は、前記試料容器が限度以上の角度で傾いている間は前記告知手段を動作させ続けるものであり、当該限度を下回った際に前記告知手段の動作を停止させるものであることを特徴とする請求項5又は6記載の携帯型蛍光光度計。
  8. 前記制御信号は、測定を中止又は中断する信号であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の携帯型蛍光光度計。
  9. 試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
    蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
    光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
    試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
    を備えており、
    傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、
    試料容器は着脱可能であって試料容器を所定位置に装着して保持する容器装着部が設けられており、
    容器装着部に前記試料容器が装着されていることを検知する容器センサが設けられており、
    傾斜対応制御回路は、容器装着部に試料容器が装着されていることを前記容器センサが検知した場合に限り制御信号を出力するものであることを特徴とする携帯型蛍光光度計。
  10. 試料容器内の液相対象物中の蛍光物質を励起して蛍光を放出させることが可能な励起光を放射する光源と、
    蛍光物質が放出した蛍光を検出する検出器と、
    光源からの励起光を試料容器内の液相対象物に導くとともに液相対象物からの蛍光を検出器に導く光学系と、
    試料容器の水平に対する傾きを感知する傾きセンサと
    を備えており、
    傾きセンサの感知結果に応じて動作を制御する傾斜対応制御回路が設けられており、
    傾きセンサは、試料容器が傾く際の速度又は加速度を感知することができるものであり、
    傾斜対応制御回路は、感知された速度又は加速度が限度以上の場合に制御信号を出力するものであることを特徴とする携帯型蛍光光度計。
  11. 前記試料容器を、前記光源、前記検出器及び前記光学系と一体に保持する筐体を備えており、
    前記傾きセンサは、前記筐体の水平面に対する傾きを感知するものであることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の携帯型蛍光光度計。
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