JP4695025B2 - 生体及び化学反応分析キット - Google Patents

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Description

本発明は核酸、タンパク質、微生物などの生体物質を分析対象とする反応分析キットと、前記キットを応用した反応分析システムに関する。本発明の反応分析キット及びシステムは、イムノクロマト法に化学発光反応と、無線機能を有する光センサチップを適用することにより、安価・簡便かつ高感度・迅速な分析を可能にする。
成人病・腫瘍などの疾患マーカやウイルス・細菌の検体検査では、従来、省力化によるコスト削減の観点から専ら大規模病院や検査センタに設置された集中検査装置が利用されてきた。ところが、90年代後半に抗インフルエンザウイルス薬が開発され、診療現場においてウイルス種を同定し、その場で抗ウイルス薬を処方する迅速性が必要になった。この要求に、簡便性と一定の感度を備えた安価なイムノクロマト法が応え、急速に普及した。現場における検査:POCT(Point of Care Testing)は、感染症をはじめ心筋梗塞などの生活習慣病の予防、治療などの分野において、将来にわたる拡大が予想され、イムノクロマトはPOCTの有力デバイスのひとつとして期待されている。
イムノクロマト法は安価・簡便な、現場で使用される検査キットに適した技術である。しかし、目視によって呈色反応を検出するため、集中検査装置に比較すると感度が低く、定量が困難である。広く利用されているインフルエンザウイルス用のイムノクロマト検査薬は15分以内にウイルス感染の有無を表示できる迅速性を持つが(非特許文献1)、感染初期のウイルスが少ない時期の検体については偽陰性となり(非特許文献2)、感度の向上が望まれている(非特許文献3)。また、代表的な生活習慣病のひとつである心筋梗塞については、troponinやmyoglobinなどの疾患マーカと重篤な血栓発症の危険率との間に強い相関が見出されており(非特許文献4〜6)、リスクを有する人が胸部不快を感じた場合には、その迅速な定量計測が望ましい。
こうした背景から、疾患マーカやウイルス・細菌等の検査においては、より感度の高い、定量計測のための検査装置が提案されている。たとえば、イムノクロマトのもつ安価・簡便性を維持して、高感度化、定量計測を可能にするためイムノクロマトの膜部材を利用し、ここに発光ダイオード(LED; Light Emitting Diode)やレーザダイオード(LD; Laser Diode)によって光を照射し、フォトダイオード(PD; Photo Diode)で反射光を読取って呈色反応あるいは微粒子凝集の濃淡を数値化する方法が提案されている(特許文献1〜3)。しかし、これらの装置はイムノクロマト検査薬における反射光あるいは透過光を読取る方式であるため、膜部材に光学的な窓を設けるなどしてLED/LDからの光を膜部材に照射する必要があり、低コスト化・小型化の点で限界があった。また、目視観察による従来のイムノクロマト法と同様に呈色反応や微粒子凝集のメカニズムを用いることから、感度やダイナミックレンジの点で大型の集中型検査装置の性能を実現することは困難であった。
目視によらない検査方法として、無線通信機能及び光センサ機能を搭載したセンサ素子(特許文献4)が知られているが、この技術を免疫学的検査装置に適用した例はなく、また適用したとしても装置の大型化や感度の限界といった問題が残る。
特開2004-170217号公報 特開2005-077264号公報 特開2001-318100号公報 特開2004-0101253号公報 川上他,インフルエンザ,6(4),pp. 35 (2005) 日経メディカル 11月号 pp.46 (2003) 日経メディカル 2月号 pp.54 (2003) E. M. Ohman, et al., N. Engl. J. Med., 335, pp.1333, (1996) R. H. Christenson, et al., Clinical Chemistry, 44(3), pp. 494, (1998) P. Stubbs, et al., Circulation, 94(6), pp. 1291, (1996) RFID HANDBOOK, Finkenzeller, Wiley 68(1999)
本発明の課題は、高感度で定量計測が可能な簡便・安価な反応分析キット及びシステムを提供することにある。
上記課題を実現するため、本発明では、イムノクロマトをベースとする新規の検査デバイスを提案する。本発明では、まず、呈色反応・微粒子凝集反応に換えて化学発光反応を採用する。さらに、目視による検出の代わりに無線通信機能及び光センサ機能を搭載したセンサ素子を適用する。センサ素子は抗体が固定されたテスト部上に膜部材に密着させて置き、センサ素子への電力供給と通信は、膜部材の下側に設置したリーダコイルを使って行う。固定化抗体はセンサ素子の光感応部に対応する領域に限定し、スポット状に抗体を固定する。
分析対象物質が抗原の場合、検出・定量はイムノクロマトの場合と同様にサンドイッチ法を使う。まず、抗原を含む試料溶液を試料導入部に滴下する。抗原はあらかじめ膜部材上に保持された酵素修飾抗体と結合しながら毛管現象によってテスト部まで拡散する。抗原をはさんであらかじめ膜部材に固定された固定抗体に酵素修飾抗体が捕獲されることにより酵素が局在する。修飾抗体溶液、試料溶液に続いて導入された発光基質がテスト部に局在した酵素によって発光し、これをセンサ素子によりリアルタイムで検出する。
本発明では、イムノクロマトをベースとすることにより簡便で低コストの反応検出キットを構成できる。化学発光の採用により標識プローブによる発光が不要となり、受光素子だけで検出部を構成することが可能になる。これによりプローブ光散乱の影響がなくなるためバックグランド信号が下がり、検出機構も単純化されるため、低コスト・小型化が容易になる。
具体的には、センサ素子を膜部材の発光部に密着させることは3つの利点がある。第1は光センサと発光部を密着させることによる光学結合効率の向上、第2は膜部材を拡散する試料溶液による電場の変化により光センサの出力変動から試料溶液の拡散検知が可能なこと、第3はセンサと発光部が密着されることで、部品の支持構造が不要になり、装置を大幅に簡略化できること、である。
また、ワイヤレス通信によるセンサ素子からのデータ送信には4つの利点がある。第1はセンサ素子から信号を取り出すためのワイヤ、電極が不要となり、反応検出キットの低コスト化、小型化が可能になること、第2はリーダなど外部機器との結合の無接点化により信頼性が向上すること、第3は、ひとつのリーダコイルによる複数のセンサ素子を扱う輻輳制御機能により、測定項目の増減や膜部材の形状変化についてセンサ素子の配置換えだけで対応できるといった設計の柔軟性が得られること、第4は、センサ素子へ電源供給はリーダコイルと誘導結合によるため、複数のセンサ素子を用いた場合でも、各センサ素子及び電源は互いに直流的に分離でき、各センサ素子は静電的にはフローティング状態にあるので分析対象物に対する静電ポテンシャルの影響を最小限にできること、である。
さらに、固定抗体の膜部材への固定化パターンをセンサ素子の光センサ部に対応する領域に限定することは2つの利点がある。第1は固定抗体パターン形成時において一定量をノズルから吐出すれば、所定量の抗体を再現性高く固定化できること、第2は抗体を限定された領域にのみ固定するために高価な抗体の使用量を低減することが可能となる。
以上のとおり、本発明によれば、単純な構造によって低コスト・小型、高感度で、信頼性が高く、種々の分析に柔軟に対応できる反応分析キットの提供が可能となる。
本発明の反応分析キットは、分析対象物質と特異的に結合する標識された第1抗体と、前記標識物質によって発光反応する試薬と、反応検出用プレートを含む。前記反応検出用プレートは、a)膜部材と、b)前記膜部材に面して設置され、前記第1抗体を保持するための第1抗体含浸部と、c)前記膜部材の一部に設けられ、かつ前記分析対象物質と特異的に結合する第2抗体を予め固定した第2抗体固定部と、d)前記第2抗体固定部に面して設置され、光検出部と信号送受信部とを具備するセンサ素子を有し、分析対象物質と抗体との反応によって生じる光を検出する。
ここで、感度の点から、センサ素子と第2抗体固定部はより近接(少なくとも200μm以内)していることが好ましく、密着していることより好ましい。
ある実施形態において、前記反応検出用プレートは、外部からの光の影響を遮断するように、遮光容器内に格納されて提供される。
前記センサ素子は、前記膜部材に対し、前記第1抗体含浸部と同じ側(重力に対して上側)に設置されていてもよいし、前記第1抗体含浸部とは異なる側(重力に対して下側)に設置されていてもよい。センサ素子は、第1抗体含浸部とは異なる側に設置されることにより、リーダコイルと近接し、より安定な通信が実現される。
前記キットにおいて、前記第2抗体固定部はスポット状、すなわち実質的に円形であり、その中心点は、前記光検出部の中心点と面していることが好ましい。光検出部と第2抗体固定部とが面する面での、光検出部の面積と第2抗体固定部の面積はどちらが大きくてもよいし、同じであってもよい。
ただし、前記第2抗体固定部の前記光検出部と面しない領域が存在する場合、当該領域は抗体不活性処理されていることが好ましい。これにより、測定の誤差を抑えて、より正確な検出が可能となる。
前記光検出部の中心点と前記第2抗体固定部の中心点とが面しており、かつ前記光検出部の直径が10μm以上2mm以下である場合、前記第2抗体固定部の前記中心点から2.5mm以上離れた領域は、抗体不活性処理がされていることが好ましい。
本発明の分析キットは、センサ素子への光の進入をより確実に遮断するため、前記遮光容器の内側に、膜部材と遮光容器の間隙を埋める凸部か、可視光透過率が1%以下の遮光フィルタを有することが好ましい。
本発明の分析キットにおいて、前記センサ素子や第2抗体固定部は1つに限らず、2以上あってもよい。たとえば、2以上の分析対象物質を分析する場合、その各々に対応する複数の第2抗体固定領域と複数のセンサ素子が必要となる。あるいは、抗体固定領域以外に面して第2のセンサ素子を設置し、第1のセンサ素子と第2のセンサ素子のフォトダイオード出力差分をとれば、化学発光以外の信号成分を除去することができる。
本発明の分析キットは、さらに前記第2抗体固定部の一部又は全部を覆うように設置された鏡(反射鏡)を有していてもよい。これにより光散乱の影響を最小化することができる。
また、前記遮光容器は、センサ素子の設置位置を規定するためのガイド構造を有していてもよい。
さらに、前記膜部材の一部には、クロストーク防止のための光吸収領域が設けられていてもよい。
本発明はまた、前記反応分析キットを使用した反応システムも提供する。このシステムは、i)前述の反応検出用プレートと、ii)前記反応検出用プレートを格納する遮光容器と、iii)前記遮光容器外部に設置され、前記センサ素子への信号送受信と電力供給を行なうリーダコイルと、iv)信号の復変調・復符合化・増幅を行なうリーダと、v)前記センサ素子を制御するアプリケーションプログラムを実行するための演算装置、を有する。
前記遮光容器内には、センサ素子側コイルが設置されていてもよい。また、さらに前記センサ素子側コイル及びリーダコイルと誘導結合する中継コイルが設置されていてもよい。
本発明の分析キット及びシステムは、イムノクロマトをベースとし、一般に多く用いられる微粒子凝集や酵素による呈色反応に換えて酵素による化学発光反応を採用する。さらに、目視検出の代わりに光センサを搭載した通信機能つきのセンサ素子を適用し、抗体が固定されたテスト部上に膜部材に密着させて置き、発光信号を検出し、ワイヤレスで遮光容器外のリーダに検出結果を送信する。膜部材、センサ素子、抗体、抗体を修飾する酵素は、保管やハンドリングの利便性、そして外部光遮断のため遮光容器に収納される。センサ素子への電力供給と通信は、遮光容器の外側に設置されたにリーダコイルによって行う。目的抗原の検出・定量は図1のイムノクロマトの場合と同様にサンドイッチ法を使う。まず、抗原を含む試料溶液を試料導入部に滴下する。抗原はあらかじめ膜部材に保持された酵素修飾抗体と結合しながら毛管現象によってテスト部に拡散する。抗原をはさんで固定抗体に酵素修飾抗体が捕獲されることにより酵素を局在させる。修飾抗体溶液、試料溶液に続いて導入された発光基質がテスト部に局在した酵素によって発光反応を生じさせる。酵素がアルカリフォスファターゼの場合、たとえば1,2 ジオキセタン系の発光基質を用いることができる。この発光反応をセンサ素子によりリアルタイムで検出する。
本発明の第1の実施例を、図1-4を参照しながら説明する。遮光容器250には抗体を固定した乾燥状態の膜部材200が収納される。ここで膜部材の材質はニトロセルロース、ナイロン、PVDF(polyvinylidene-Fluoride)などを使うことができるが、抗体固定化の容易さの点でニトロセルロースが多く利用されている。分析対象物質の検出・定量はイムノクロマトの場合と同様にサンドイッチ法を用いる。膜部材200の一部(テスト部)201には、図2のように対象抗原に特異的に結合する抗体が固定されている。血液などから抽出した試料は遮光容器250に設けられた開口部から膜部材200上の試料導入部206に滴下される。
膜部材200上の試料導入部206に置かれた試料パッド202にはあらかじめ分析対象物質の抗原に特異的な酵素修飾抗体224が保持されている。抗体を修飾する酵素としては、化学発光を触媒するアルカリフォスターゼ、パーオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼあるいはルシフェラーゼなどがあるが、基質安定性や感度の点からアルカリフォスファターゼやパーオキシダーゼが利用しやすい。試料溶液中の測定対象物質(この場合、抗原)220は、酵素修飾抗体224と結合しながら毛管現象によってテスト部201に到達し、酵素修飾抗体224は抗原220をサンドイッチする形で固定抗体222に捕獲され、集まった酵素の作用で化学発光基質225が発光する。試料溶液中に抗原220が存在しない場合、酵素修飾抗体224は固定抗体222に捕獲されないため発光は生じない。
化学発光の計測には図3に示す光センサを搭載した無線機能付きのセンサ素子を適用した。センサ素子(特開2004-0101253号公報参照)は、センサ102、信号処理回路107、通信制御回路104、チップコイル103、共振容量106から構成されている。図2では化学発光を検出するために、光センサが適用されている。光センサで得られた光信号は信号処理回路107で増幅、ディジタル変換され、通信制御回路104で符号化、変調されてチップコイル103から送信される。
図3に示されるように、各機能ブロックがひとつのシリコン基板上に集積されていることが望ましいが、各回路ブロックを別々に作成して、これらを組立てたモジュールとしてもよい。
センサ素子の電源は小型の電池を使用することも可能であるが、低コスト・小型化の点から、図4のようにリーダコイル151とチップコイル103の誘導結合によってリーダ150から供給される形態が望ましい。センサ素子101は抗体が固定されたテスト部201上に膜部材200に密着させて置く。ここでは、センサチップへの電力供給と通信を行うため、遮光容器250の下側にリーダコイル151を設置した。リーダコイル151はリーダ150に接続され、センサ素子101への電力供給並びにセンサ素子との信号送受信を行う。信号の復変調、復符号化はリーダが行う。電力供給と信号送受信に供する搬送波は、交流磁場、交流電場、電磁波を用いる事が出来る。搬送波の周波数は120-500kHz、13.56-50MHz、500-950MHz、2.5-5GHzあるいはこれらの値の中間値をとることができる。復変調の方式としてはASK(Amplitude shift keying)、FSK(Frequency shift keying)などを用いることができる。符号化方式としてマンチェスタ、NRZ(Non return to zero)、pulse position、mirrorなどの方式を採ることができる。リーダ150は演算装置160によって制御される。
ここで、分析対象物質として妊娠検査や腫瘍マーカに用いられるタンパク質であるhCG (human chorionic gonadotropin; ロート製薬,品番R-505,マウス由来細胞)を選択した場合について説明する。膜部材はニトロセルロース製の多孔質メンブレン(Whatman PRIMA85)、アルカリフォスファターゼ(AP)修飾した第1抗体は抗hCG IgG(MedixBiochemica, clone code 5008,マウス由来monoclonal anti-hCG)にAPラベリングキット(Dojindo,Alkaline Phosphatase Labeling Kit-SH)によりAP修飾したものを用いた。試料導入部から滴下されたhCG及びAP修飾抗体224は膜部材200中を拡散してテスト部201の固定抗体に直接結合し、APがテスト部201に局在する。続いて遊離された発光基質(Tropix CDP-StarTM)をセンサ素子101によって検出した。
センサ素子は、図4(a)に示すようにリーダコイル151との誘導結合によって電力の供給と通信を行う。センサ素子上のコイル103に誘起される電流は図4(b)に示すように通信距離の増加とともに減少し、通信距離が1mmのときにセンサ素子の動作に必要な電流(800μA)に等しくなる。すなわちこのセンサ素子を駆動するためにはリーダコイル151とセンサ素子101の距離dを1mm以下にする必要がある。これは、遮光容器の下面を構成する材料の厚さは1mm以下としなければならないことを意味する。
次に、センサ素子101、膜部材200及び遮光容器250の組立てについて述べる。図1の構成において、センサ素子101の厚さをc、圧縮しない膜部材200の厚さをt、遮光容器の上下内壁の間隔をdとしたとき、d < c + tの関係が成り立つように各部の厚さを設計することにより、接着剤や特段の結合手段を用いることなく、各部品を組み立てることができる。接着剤あるいはシーラント等の充填材料を利用して、センサ素子101と膜部材200を密着させてもよいが、その場合これらの充填材料は試料溶液や発光溶液基質溶液に対して安定であることが必要である。また、膜部材とセンサ素子の光学的結合効率の観点から、充填材料の屈折率は1.3から1.8の間にあることが望ましい。
本発明の反応分析キットは、センサ素子と膜部材と遮光容器を一体として、ディスポーザブルの形態で提供される。そのため、遮光容器内でセンサ素子と膜部材を密着させることが可能である。一方、従来の反応分析キットでは膜部材及びこれを収納するケースをディスポーザブルとし、検出器は別にセットして、繰り返し使用していた。そのため、検出器保護のための窓材が必要となり、光源と受光部の間にスペースをとらなくてはならなかった。ここで、膜部材200とセンサ受光部の距離hが、光学結合効率に与える影響について検討する。光学結合は、図5に示す立体角によって計算した。従来の据え付け型検出系の場合、保護窓等の設置のために受光部と膜部材の距離として5mm程度が必要となる。従来方式で利用されるセンサの受光部サイズは1mm x 1mm程度であり、図5(c)の左表のように光学結合効率;光源を出た光が受光部に捕捉される確率(4Ωab/4π)は、0.04となる。センサ素子(受光部サイズ:0.16mm x 0.31mm)を適用した本発明に基づく反応分析キットでは図5(c)の右側の表に示すようにセンサ素子と光源の距離hを0.2mmとした場合の光学結合効率は0.176であり、従来型の光学結合効率(h=0.2のとき、5.17)を1桁以上改善することができる。
第2の実施例として、外部からの侵入光を抑制するために、遮光容器内部に凸部、膜部材中に侵入光吸収部を設けた例について、図6を参照しながら説明する。
センサ素子による化学発光を正確に計測するには、外部の光の侵入を抑制する手段が必要になる。本発明の反応分析キットでは試料を膜部材200に導入するために試料導入部206において遮光容器250に開口部が設けられており、ここから外部の光を遮断することが望ましい。そこで、まず遮光容器205の内側の一部に膜部材との間隙を埋めるように凸部を設ける。凸部は遮光容器内面の上側からの凸部252と下側からの凸部253のいずれか一方あるいは両方を設ける。これにより、試料導入部から侵入し、膜部材200と遮光容器250内壁との間隙を伝播してくる光を抑制できる。このとき、遮光容器の上下内壁の間隔をd、膜部材の厚さをtとしたとき、上側凸部252の高さs1、下側凸部253の高さs2は下記関係を満足することが必要である。
s1 + s2 > d + t
次に膜部材200中を伝播する光については前記上側凸部252と下側凸部253にはさまれた領域の一部又は全部の領域204に侵入光を吸収する色素を分散することによって、センサ素子101への到達を抑制することができる。分散する色素は、修飾抗体、抗原、発光基質の拡散を阻害しないことが必要であり、たとえば、セルロース系の膜部材に対してはMethylene Blue、Indigo、あるいはToluidine blue、PVDF(PolyVinyliDene Fluoride)系の膜部材に対しては、1,4-diaminoanthraquinone、ナイロン系の膜部材に対してはCI Mordant Black 3などの色素を使用できる。
第3の実施例として、遮光フィルタを使用した例について、図7を参照しながら説明する。
本実施例は、実施例2と同じく、試料導入部206上の遮光容器250の開口部からの光侵入の抑制を目的とする。遮光容器250の開口部を容器の内側から覆うように遮光性を有し、かつ溶液浸透性を有する遮光フィルタ205を配置する。遮光フィルタの材質はガラスファイバ、ニトロセルロース、PVDF、ナイロンなどを利用することができる。たとえば、実施例2に示した膜部材を染色する色素を各遮光フィルタの材質に応じて混合あるいは表面に吸着させることにより遮光性を付与することができる。
第4の実施例として、第2のセンサ素子を使用した例について、図8を参照しながら説明する。
断面構造を図8(a)、膜部材周囲の平面図を図8(b)に示す。固定抗体が固定された領域201上に配置された第1のセンサ素子101aに加えて、第2のセンサ素子101bを固定抗体が固定された領域201を除く膜部材200上に配置する。第1のセンサ素子101aと第2のセンサ素子101bの光センサすなわちフォトダイオードの出力の差分をとることにより、化学発光以外の信号成分を除去することにより高い精度で化学発光反応を分析することができる。
第5の実施例として、複数のセンサ素子を一括して制御する方法について、図9を参照しながら説明する。
センサ素子の駆動において複数センサ素子の識別、搭載センサの制御、センサ出力の読取りなどの各種制御はリーダ150からのコマンドによって実行する。本センサ素子としては、識別番号(UID: Unique Identifier)を持っているもの(特開2004-0101253号公報参照)を使用する。そして、このセンサ素子の利用を前提とした本反応検査システムの特徴は、リーダからセンサ素子に送る2種のコマンドモードを使い分けることによって複数のセンサ素子における計測タイミングの正確な同期性を実現する点にある。以下に計測のシーケンスを図9により説明する。
光センサ駆動の場合、(i)通信可能範囲に存在するセンサ素子の検出(inventory)161、(ii) 電荷蓄積モードでフォトダイオードを駆動するため、フォトダイオードを所定の電圧に充電(pre-charge)162、(iii) pre-charge後、所定の信号蓄積時間(Tss)経過した後フォトダイオードの電圧をディジタル信号に変換(measure)163、(iv) 各センサ信号の出力信号(ディジタル信号)の読取り(read)164、165、の各コマンドが順次送信されることによって信号を読み出す。ここで、inventoryコマンドは個別のセンサ素子を特定せずにリーダから送信され、inventoryコマンド161を受信した各センサ素子は自身のUIDにしたがって特定のタイミング(タイムスロット)で自身のUIDをリーダに返す。図9の場合、第1のセンサ素子101aからUID1 131aを、第2のセンサ素子101bからUID2 131bがリーダに応答される。pre-chargeコマンド162も個別のセンサ素子を特定せずにリーダから送信され(非アドレスモード)、各センサ素子はフォトダイオードを充電して、信号蓄積状態に入る。measureコマンド163も個別のセンサ素子を特定せずにリーダから送信され(非アドレスモード)、入射光によって変化したフォトダイオードのカソード電圧をADC(Analog to Digital Converter)によりディジタル変換される。ディジタル変換された計測値は各センサ素子にラッチされる。readコマンド164、165は、UIDによって個別のセンサ素子に向けて送信され(アドレスモード)、各センサ素子にラッチされたフォトダイオード出力のディジタル値data1;134a、data2;134bを読取る。
複数のセンサ素子を一括して制御する場合、コマンドをアドレスモードで実行し、個々のセンサ素子にアクセスすると、ひとつのセンサ素子に対するコマンド送信には10msから300msの時間を要するため、複数のセンサ素子について計測時刻を正確に一致させることができなかった。しかし、上記のように非アドレスモードとアドレスモードのコマンドを使い分けることによって、正確に計測時刻を同期させることが可能になる。本発明にかかわる化学発光計測においては微弱な信号を検出するために、信号蓄積時間を100msから20sと非常に長く設定する場合があり、こうした場合には、計測期間中に発生するコモンモードのノイズを除去するため、信号検出用の第1のセンサ素子とレファレンス用の第2のセンサ素子の計測タイミングを正確に同期させる必要がある。本実施例の方式により、複数個のセンサ素子について正確に計測時刻を一致させることが可能になった。
第6の実施例として、実施例4、5にしたがって計測した結果を、図10に示す。横軸は時間、縦軸はセンサ素子から送信されたフォトダイオード出力値である。testは固定抗体が固定化された領域(テスト部)201からの信号をセンサ素子101aで計測した結果、blankは固定抗体のない領域の信号をセンサ素子101bで計測した結果である。試料はhCG、hCG濃度100ng/ml、滴下量は30μlである。
時刻130s付近においてtest、blankともに出力の減少が観測され、試料溶液がセンサ素子に到達したことがわかる。本計測で用いた膜部材(Whatman PRIMA85)の溶液浸透速度は0.38-0.53mm/s、滴下点から抗体固定領域201までの距離は3mmである。したがって溶液滴下の時刻はグラフ上において122-124sに対応する。滴下試料溶液量が十分であったか、溶液中の不純物等が拡散阻害しなかったか、などを確認する上で溶液が抗体固定領域に到達したことを検出することは、反応分析におけるプロセスの正常性判定の重要なチェック項目である。本発明ではblankとtest用のフォトダイオード出力の同相変化を読み取ることによって溶液到達を検出できる。この方式は特別の機構を必要としないため、反応分析キットの小型化、低コスト化に有効である。
図10(a)を見ると、化学発光は250s付近から立ち上がり、400sを過ぎてからプラトーに達する。図10(a)’は溶液が抗体固定部に到達した時刻の挙動を拡大したものである。詳しく見ると溶液到達直後からblankとtestの差が接近し始めているが、化学発光の立ち上がりを明確に判定することはできない。図10(b)、(b)’はtestとblankの差分:Dを示している。遅くとも150sを過ぎた時点で化学発光が立ち上がっていることがわかる。さらにtestとblankの差分の時間積分:Iを図10(c)及び(c)’に示す。ここでI(T)は以下のように定義した。なおTssは1回の計測における信号の蓄積時間であり、図10の計測ではTss=500msとしている。
I(T) = ∫0 T (D(T)/Tss) dT
上記積分によって、データの変動が減少し、化学発光の立ち上がりがより正確に読取れるようになった。
本実施例に示されるよう、第1及び第2のセンサ素子の同相の出力変動から、試料溶液・発光基質溶液の拡散状況の検出が可能になり、そして第1及び第2のセンサ素子出力の差分あるいは差分の積分を計算して正確な化学発光の計測が可能となった。
第7の実施例として、2乃至3以上の分析対象物質を検出する例について、図11を参照しながら説明する。
図11(a)および(b)に示すように膜部材中に複数の分析対象物に特異的に結合する抗体の固定領域211a、211bを設け、それらの領域に密着してセンサ素子101a、101bを設ける。センサ素子はワイヤレス通信により信号を送信するので、リーダコイル151との通信が可能な場所に設置するだけでよい。配線や電極などをセンサ位置に応じて新たに設計する必要はないため、3以上の分析対象物にも対応できる。
図11(c)に2乃至3以上の分析対象物を検出する他の例を示す。図11(b)では、抗体固定領域211aおよび211bは試料溶液が拡散する方向に順に配置されているが、図11(c)では2つの抗体固定領域はセンサ素子101a、101bの直下であって、試料溶液が拡散する方向に対して垂直な線上に配置されている。この配置により、2種の分析対象物は同じ距離を拡散して、同じ時刻に2つの抗体固定領域に到達する。すなわち2つの分析対象物は同じ条件で計測出来ることになり、計測の定量性が向上することが期待出来る。
第8の実施例として、反射鏡を使用した例について、図12を参照しながら説明する。
抗体固定部201において化学発光反応によって生ずる化学発光は膜部材200で乱反射される。そこで、センサ素子101が設置された側と反対側に光を反射する鏡を設置する。これにより、センサ素子と反対側に放出され、信号として利用できなかった光の一部をセンサ素子の受光部に取り込むことが可能になり、感度を向上できる。
第9の実施例として、センサ素子を膜部材の下側設置した例について、図13を参照しながら説明する。
遮光容器250において試料導入部206は、作業性の観点から通常は重力に対して上方に設けられる。そしてリーダコイルは作業性の観点から、重力に対して下方、すなわち、試料導入部206とは反対側に設置される。そこで、センサ素子201a、201bを膜部材200に対して試料導入部206とは反対側に設置する。これにより、センサ素子は膜部材200の厚さ分だけリーダコイルに近づけることができ、遮光容器250とリーダコイル151の間隔に余裕を持たせることができる。かくして、遮光容器250をリーダコイル151に近接させる場合にリーダコイルとセンサ素子間の距離の自由度が拡大し、安定した通信を実現できる。
第10の実施例として、遮光容器内側にガイドを設置した例について、図14を参照しながら説明する。
ここでは、遮光容器の内側にセンサ素子を設置する場合のガイドとなる構造215、216、217を設けた。これにより、反応分析キットの作製にあたってセンサ素子200を簡単かつ正確に位置合わせすることが可能になる。さらに、膜部材200のための位置あわせガイド218及び219を設けておけば、膜部材200とセンサ素子101との位置関係も簡単、正確に決めることが可能になる。
第11の実施例として、実施例1にしたがって化学発光を生じさせた時の検出例を、図15-18を参照しながら説明する。
図15は、化学発光のCCD像である。試料としては、濃度1μg/mlのhCGを用いた。抗体固定領域201に沿って化学発光が観測されているが、図15(b)のA-A’にそって発光強度分布を見ると、図15(c)に示すようにA-A’上の位置によって変動していることが明らかになった。この強度変動の原因は抗体の固定密度が変動しているためと考えられる。ディスペンサを用いて抗体を固定する場合、抗体溶液の吐出速度を一定とし、吐出ノズルを一定速度で移動して抗体固定領域を形成するが、吐出ノズル先端における表面張力の影響により吐出速度を一定に保つことは困難であった。そこで、一定の吐出量を決めて一箇所に抗体を固定する。こうすれば、吐出速度は必ずしも一定である必要はなく、所定量を所定位置に吐出したことを確認してから、次の固定位置にノズルを移動することができる。表面張力によるノズルからの溶液分離に変動が出る場合には、安定した分離が得られる吐出量にあらかじめ設定しておけば、一定量を一箇所に固定することができる。
従来のイムノクロマト法では目視によって呈色反応を確認するため、視認性の観点からライン状の抗体固定パターンが多く用いられてきた。しかし、本発明ではセンサ素子によって発光を検出するため、図16に示すように発光検出部に限定して一定の抗体の量が分布するようにすればよい。所定位置に抗体溶液を吐出する場合、センサ素子の受光部と抗体固定部の関係を最適化しておくことが望ましい。すなわち、抗体の分布は、受光部の大きさaに対し、図17(a)に示すように一定であるか、図17(b)のように、aの領域内にすべての抗体が分布するようにする。かくして、抗体分布曲線おいて変化の大きい部分が受光部領域にかからないようにすることにより、反応分析キットの組立時におけるセンサ素子の位置ずれに対して特性変動を少なくすることができる。
ディスペンサで膜部材に抗体を固定化する場合、抗体の濃度の分布は図17(c)(d)の斜線部に示すように周辺部においてテールを引く形になる。こうしたテール領域は、後に図18(b)において述べる様に異なる抗体を隣接して配置する際に、隣接する抗体上のセンサ素子へのクロストークの原因になったり、複数抗体を高い密度で配置する場合の障害となる。この問題はテール領域の抗体を不活性化することで解決することができる。不活性化には、(i) 金属板を加工したマスクによってテール部(図17(c)、(d)の斜線部)を覆った状態で光を照射する、(ii)テール部に合わせた形状の高温(例えば100℃以上)の金型をテール部に接触させる、(iii) テール部以外を覆った状態で抗体を変性させる様なpH溶液に浸潤させる、等の手段を利用することができる。
このように抗体固定領域をスポット状(実質的に円形)にすると、複数の分析対象物質を扱う場合、図18(b)のように試料溶液の流れ方向に対して垂直方向に抗体固定部205a、205bを配置することができる。ライン状に抗体固定パターンでは図18(a)のように試料溶液の流れ方向に対して前後の関係でラインを配置しなければならない。この配置の場合、201aと201bに対応する分析対象物は、膜部材を流れる距離が異なるため、比較定量などが困難である。図18(b)の抗体固定パターンによれば205a、205bに対応する分析対象物の測定条件は等しいため、比較定量が可能になる。図18(b)の場合、抗体固定パターンの大きさa及び配置間隔dは、センサ素子のサイズbによって以下のように制限される。クロストーク低減の観点から(i) a<b、センサ素子重ならないための物理的な制約から (ii) d > bとなる。センサ素子101a、101bが重ならずに間隔d’で配置されている場合は、(iii) d = d’ となる。
第12の実施例として、光吸収領域を設けた例について、図19を参照しながら説明する。
複数の分析対象物質を扱う場合、図19に示すように抗体固定領域の間に、光吸収領域213あるいは214を設けることによりクロストークを低減することが可能になる。光吸収領域形成には、実施例2と同様の方法を用いることができる。
第13の実施例として、センサ素子側コイルを使用した例について、図20を参照しながら説明する。
まず遮光容器にセンサ素子側コイル254を設置し、ここにセンサ素子101を接続する。センサ素子側コイル254とセンサ素子101はセンサ素子側コイルのパッド255とセンサ素子のパッド110を対向させ、フリップチップ、ワイヤボンディング、導電性接着剤などの接続手段111によりセンサ素子101とセンサ素子側コイル254を接続する。ここで、接続手段として異方性導電性フィルムを用いると、より単純な工程で接続することが可能となる。
こうして、センサ素子側コイルを用いることによりコイル径をセンサ素子のサイズの制限を受けずに決めることができるようになり、反応分析キットとリーダ間の通信距離を拡大でき、分析現場における利便性を向上することができる。
第14の実施例として、遮光容器に中継コイルを設置した例について、図21を参照しながら説明する。
ここでは、センサ素子101上に通信コイルを形成する。中継コイル256はセンサ素子側コイルに対向する部分とリーダコイルに対向する部分と整合回路からなる。こうした中継コイルを用いることによりコイル径をセンサ素子のサイズの制限を受けずに決めることができるようになり、反応分析キットとリーダ間の通信距離を拡大でき、分析現場における利便性を向上することができる。
本発明は、イムノクロマトの技術を使用した、高感度で定量計測が可能な簡便・安価な反応分析キットと分析装置を提供する。本発明の分析装置は、小型化が可能であり、またディスポーザブルなキットとして提供される。したがって、がんや感染症、心筋梗塞などの生活習慣病の診断、予防、治療における、疾患マーカやウイルス・細菌の現場における検査:POCT(Point of Care Testing)用デバイスとして有用である。
実施例1における反応分析キットの構成を示す図。 本発明における反応分析キットの化学発光のメカニズムの一例を示す図。 センサ素子構成の一例を示す図。 センサ素子の動作原理を示す図。 センサ素子と膜部材中の発光との光学的結合を示す図。 試料導入部からの光侵入を抑制する構造の一例を示す図。 試料導入部からの光侵入を抑制する構造の一例を示す図。 抗体固定部とブランク領域からの発光を一括計測する構造を示す図。 複数のセンサ素子を駆動するシーケンスを説明する図。 センサ素子からの計測データの処理法の一例を説明する図。 複数の検出対象物質を扱う構造の一例を説明する図。 鏡により感度を向上する方法の一例を説明する図。 センサ素子の配置の一例を説明する図。 センサ素子の位置決めガイド構造の一例を説明する図。 化学発光の不均一性を説明する図。 スポット状の抗体固定パターンの一例を説明する図。 スポット状の抗体固定パターン作製の一例を説明する図。 複数の検出対象物質を扱う構造の一例を説明する図。 クロストーク低減構造の一例を説明する図。 遮光容器にセンサ素子側コイルを設置した一例を説明する図。 遮光容器に中継コイルを設置した一例を説明する図。
符号の説明
101:無線機能を搭載したセンサ素子
101a:無線機能を搭載した第1のセンサ素子
101b:無線機能を搭載した第2のセンサ素子
102:センサ素子に搭載された光センサ部
103:チップコイル
104:通信制御回路
105:信号処理回路
106:共振容量
107:信号処理回路
108:光センサの短辺方向のサイズ
121:リーダ
122:演算装置
110:センサ素子側接続パッド
111:導電性接着剤
150:リーダ
151:リーダコイル
152:リーダコイル
160:演算装置
200:膜部材
201:抗体固定部
202:試料導入パッド
203:吸収パッド
204:光吸収部
205:光吸収フィルタ
206:試料導入部
207:膜部材中の溶液の流れ
208:円形の抗体固定部
211a:抗体固定領域
211b:抗体固定領域
213:光吸収部
214:光吸収部
215:センサ素子位置決め用ガイド
216:センサ素子位置決め用ガイド
217:センサ素子位置決め用ガイド
218:膜部材位置決め用ガイド
219:膜部材位置決め用ガイド
220:測定対象物
221:ピペット
222:固定抗体
223:酵素
224:修飾抗体
225:発光基質
250:遮光容器
252:光遮断用凸部
253:光遮断用凸部
254:遮光容器に設置されたセンサ素子側コイル
255:遮光容器に設置されたセンサ側コイル用接続パッド
256:中継コイル
257:中継コイル用整合回路

Claims (18)

  1. 分析対象物質と特異的に結合する標識された第1抗体と、前記標識物質によって発光反応する試薬と、反応検出用プレートを含む反応分析キットであって、
    前記反応検出用プレートは、a)膜部材と、b)前記膜部材に面して設置され、前記第1抗体を保持するための第1抗体含浸部と、c)前記膜部材の一部に設けられ、かつ前記分析対象物質と特異的に結合する第2抗体を予め固定した第2抗体固定部と、d)前記第2抗体固定部に面して設置され、光検出部と信号送受信部とを具備するセンサ素子、を有することを特徴とする反応分析キット。
  2. 前記反応検出用プレートが遮光容器内に格納されていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  3. 前記第2抗体固定部が実質的に円形であることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  4. 前記光検出部の中心点と前記第2抗体固定部の中心点とが面していることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  5. 前記センサ素子が、前記膜部材に対し、前記第1抗体含浸部と同じ側に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  6. 前記センサ素子が、前記膜部材に対し、前記第1抗体含浸部とは異なる側に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  7. 前記第2抗体固定部の前記光検出部と面しない領域は、抗体不活性処理されていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  8. 前記光検出部の中心点と前記第2抗体固定部の中心点とが面しており、かつ前記光検出部の直径が10μm以上2mm以下で、前記第2抗体固定部の前記中心点から2.5mm以上離れた領域は、抗体不活性処理がされていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  9. 前記センサ素子への光の進入を遮断するため、前記遮光容器の内側に、膜部材と遮光容器の間隙を埋める凸部か、遮光フィルタが設けられていることを特徴とする、請求項に記載の反応分析キット。
  10. 前記センサ素子を2以上有することを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  11. 以上の分析対象物質について、その各々に対応する複数の第2抗体固定領域と複数のセンサ素子を有することを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  12. さらに前記第2抗体固定部の一部又は全部を覆うように設置された鏡を有することを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  13. 前記遮光容器が、センサ素子の設置位置を規定するためのガイド構造を有することを特徴とする、請求項に記載の反応分析キット。
  14. 前記膜部材の一部に、クロストーク防止のための光吸収領域が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の反応分析キット。
  15. a)膜部材と、b)前記膜部材に面して設置され、分析対象物質と特異的に結合する標識された第1抗体を保持するための第1抗体含浸部と、c)前記膜部材の一部に設けられ、かつ前記分析対象物質と特異的に結合する第2抗体を予め固定した第2抗体固定部と、d)前記第2抗体固定部に面して設置され、光検出部と信号送受信部とを具備するセンサ素子、を有することを特徴とする反応検出用プレートと、
    前記反応検出用プレートを格納する遮光容器と、
    前記遮光容器外部に設置され、前記センサ素子への信号送受信と電力供給を行なうリーダコイルと、
    信号の復変調・復符合化・増幅を行なうリーダと、
    前記センサ素子を制御するアプリケーションプログラムを実行するための演算装置、を有することを特徴とする反応分析システム。
  16. さらに、前記遮光容器内にセンサ素子側コイルが設置されていることを特徴とする、請求項15に記載の反応分析システム。
  17. さらに、前記センサ素子側コイル及びリーダコイルと誘導結合する中継コイルを有することを特徴とする、請求項16に記載の反応分析システム。
  18. 前記センサ素子を2以上有することを特徴とする、請求項15に記載の反応分析システム。
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