JP6149358B2 - 蛍光測定方法及び蛍光測定キット - Google Patents

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Description

本願の発明は、蛍光免疫測定のように蛍光強度を測定することで試料の同定又は定量等を行う技術に関するものであり、特に液相状態の対象物からの蛍光を測定する技術に関するものである。
光測定の一分野として、物質が発する蛍光を測定する蛍光測定の技術が広く知られている。蛍光測定は、試料の同定や定量、成分分析等の目的のためにしばしば行われる。
例えば、特許文献1には、液相状態の対象物について次々に蛍光測定を行う連続蛍光分析法が開示されている。また、特許文献2には、フォトダイオードを検出器とする半導体蛍光光度計が開示されている。この蛍光光度計は、発光ダイオードやレーザダイオードといった固体光源を励起光源として用いており、工業用水系等における試料のモニターを蛍光測定によって行っている。
また、特許文献3には、蛍光測定を免疫測定に応用した技術が開示されている。ここでは、抗体を蛍光色素により標識し、クエンチングの解消による蛍光強度の変化を指標として液相状態で抗原の濃度を測定したり抗原を可視化したりする技術が開示されている。
特開平10−19892号公報 特表2002−514308号公報 国際公開WO2011/061944号公報
このような蛍光測定の分野において、同定や定量をしようとする試料が非常に微量の場合がある。例えば、現在、違法薬物の蔓延が大きな社会問題となっている。違法薬物の摘発は、税関での検査や警察による取締等において行われる。特許文献1にも開示されているように、抗体反応を利用した蛍光測定によって違法薬物の検出を行うことが可能である。具体的には、液相状態の抗体についてその蛍光強度を最初に測定し、その後、その抗体に対して抗原となる試料(ここでは違法薬物)を加えた後、もう一度蛍光強度を測定する。この際、加えた抗原に抗体が反応し、クエンチングの解消の結果、抗体の蛍光強度が増加する。蛍光強度の増加は抗原の濃度に依存するため、蛍光強度の増加率を測定することで抗原の濃度測定が可能となる。
このように、微量の試料について蛍光測定を行うことが知られている。光測定によって物質の同定や成分分析を行う方法としては、この他、吸光度による場合等があるが、蛍光の発光強度による方法は、一般的に感度が良く、微量の試料についても精度の良い測定が行える。
しかしながら、発明者の研究によると、微量試料の蛍光測定、特に液相状態の微量試料の蛍光測定においては、精度低下の要因となる問題があることが判明した。本願発明は、この問題を解決するためになされたものであり、液相状態の微量試料の蛍光測定において、精度低下を招くことがない測定方法及びその方法に使用される測定キットを提供するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、試料容器のセル部に収容された液相対象物に励起光を照射し、液相対象物からの蛍光の強度を測定する蛍光測定方法であって、
セル部の底面からの液相対象物の液面の高さをh、
セル部内での励起光のビームの高さ方向の幅をw、
セル部の底面から見たセル部内での励起光のビームの中心位置の高さをaとしたとき、
h−(a+w/2)≧2.5mmの関係を維持しつつ液相対象物に励起光を照射し、照射された液相対象物からの蛍光の強度を測定するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記液相対象物の量は100マイクロリットル以下であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記液相対象物は、第一の検査液と、第一の検査液に対して別の検査液を加えてなる第二の検査液となっており、第一の検査液に対して励起光を照射して蛍光強度を測定する第一のステップと、第一のステップの後、第二の検査液に対して励起光を照射して蛍光強度を測定する第二のステップとを行う方法であり、
第一のステップにおいて前記h−(a+w/2)≧2.5mmを成立させ、その後、前記別の検査液を加えて第二の検査液とした後に、ビームの大きさ及び導入位置を変更せずに第二のステップを行うことで第二のステップにおいても前記h−(a+w/2)≧2.5mmを成立させて行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記第二の検査液の量は100マイクロリットル以下であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項4又は5の構成において、前記別の検査液は抗原を含んでおり、前記第一の検査液は、当該抗原に対する抗体を含んでおり、前記第一第二のステップを行うことで抗原の濃度を測定するという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項4、5又は6の構成において、前記第一のステップ及び前記第二のステップにおいて、前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、液相対象物の蛍光強度を測定する蛍光光度計とともに使用される蛍光測定キットであって、
試料容器と、試料容器内に予め収容された検査液とから成っており、検査液は、試料が加えられた後に励起光が照射されて蛍光が測定されるものであり、
蛍光光度計は、試料容器を装着する容器装着部を備え、容器装着部に試料容器が装着された際に試料容器のセル部内の検査液に励起光を照射し、検査液から発せられた蛍光を検出器で検出してその強度を測定するものであり、
検査液は、試料容器が蛍光光度計の容器装着部に装着された際、セル部の底面からの検査液の液面の高さをh、セル部内での励起光のビームの高さ方向の幅をw、セル部の底面から見たセル部内での励起光のビームの中心位置の高さをaとしたとき、h−(a+w/2)≧2.5mmとなる量で試料容器内に予め収容されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記試料は抗原を含んでおり、前記検査液は当該抗原に対する抗体を含んでいるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項8又は9の構成において、前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の蛍光測定方法又は請求項記載の蛍光測定キットによれば、ビーム液面距離が2.5mm以上確保されているので、液面に反射した蛍光が測定値に取り込まれてしまうことが実質的になく、精度の高い測定が安定して行える。
また、請求項2又は記載の発明によれば、上記効果に加え、液相対象物の量が100マイクロリットル以下であるので、試料が限度以上に希釈化されて測定精度が低下したり、測定自体ができなくなってしまったりする問題がないという効果が得られる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、第一の検査液での測定と第二の検査液での測定とで、液面高さに依存した蛍光強度の変化が生じないので、測定精度の低下が防止される。
また、請求項記載の発明によれば、上記請求項4又は5の効果を得つつ蛍光免疫測定を行うことができ、抗原の濃度を精度良く測定することができる。
また、請求項記載の発明によれば、上記請求項の効果を得つつ蛍光免疫測定を行うことができ、抗原の濃度を精度良く測定することができる。
本願発明の実施形態に係る蛍光測定キットの概略図であり、(1)は試料容器の概略図、(2)は個装された状態のキットを示した概略図である。 図1に示す蛍光測定キットが使用される蛍光光度計の正面断面概略図である。 図1に示す蛍光測定キットが使用される蛍光光度計の正面から見た外観概略図である。 セル部におけるビームの大きさ、照射位置及び検査液の量について示した正面断面概略図である。 検査液が少ない場合に生じる問題について確認した実験の結果を示す図である。 蛍光強度の液面高さ依存性の要因について示した概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る蛍光測定キットの概略図であり、(1)は試料容器の概略図、(2)は個装された状態のキットを示した概略図である。
図1(1)に示すように、実施形態の蛍光測定キットは、試料容器1と、試料容器1内に予め収容されている検査液2とから成っている。「検査液」とは、測定に用いられる液相材料という程度の意味である。また、本明細書において、「対象物」の語は、励起光を照射し、そこからの蛍光を測定する一次的な対象という意味で用いられている。また、「試料」の語は、対象物の蛍光を測定することで最終的に同定や定量を行う目的物又はそのような目的物を含む材料の意味で用いられている。検査液に対してそのまま励起光を照射して蛍光を測定する場合には検査液が液相対象物ということになるし、検査液に試料を加えて測定する場合には試料を加えた検査液が液相対象物ということになる。また、後述するように試料は蛍光色素によって標識される場合があり、このような場合には、測定する蛍光は試料自体から発せられたものではないこともあり得る。尚、「蛍光」は、本明細書では広い概念であり、燐光を含む。
本実施形態のキットは、蛍光測定の一例として蛍光免疫測定を行うためのキットとなっている。蛍光免疫測定は、前述したように、抗原抗体反応を利用して試料の同定や定量測定等を行う方法であって、且つ蛍光を測定してその強度により同定や定量を行う方法である。したがって、検査液2としては、抗体をバッファ液に溶かし込んだものが使用される。抗体は、必要に応じて蛍光標識される。即ち、検査液2には必要に応じて蛍光色素が溶かし込まれており、抗体が蛍光色素により標識される。
試料容器1は、図1に示すような縦長の細長い容器である。試料容器1の上端には、試料を入れるための開口10が形成されている。開口10には、開閉蓋11が設けられている。
試料容器1は、下端にセル部12を有している。セル部12は、上側の部位に比べて内部空間の断面積が小さいものとなっている。セル部12の内部空間の形状は、この実施形態では直方体状となっている。
このような試料容器1は、励起光や蛍光を十分に透過する材料で形成されている。具体的には、硼珪酸ガラスや石英、サファイアのようなガラス製、PMMA(アクリル樹脂)、ポリスチレン、COC(環状オレフィン・コポリマー)のような樹脂製のものが試料容器1として使用される。尚、励起光を照射した際に試料容器1自体から多くの蛍光が放出されると、液相対象物からの蛍光との見分けが難しくなるので、試料容器1の材料としては、蛍光の自家発光(自ら放出する蛍光)が少ないものが選定される。
尚、測定精度の低下防止の観点から、試料容器1は使い捨て(1回限りの測定で使用されるもの)とされることが好ましい。この観点から、試料容器1の材質としては、PMMAのような樹脂製の方がコスト面で好ましい。
図1(2)に示すように、本実施形態の蛍光測定キットは、汚損や異物の混入がないよう個装袋4で密封されて個装された状態でユーザーに届けられる。個装袋4内は、キットの劣化防止のため、減圧脱気されたり、又は窒素充填されたりする場合がある。
次に、このような蛍光測定キットが使用される蛍光光度計について、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は、図1に示す蛍光測定キットが使用される蛍光光度計の概略図であり、図2は正面断面概略図、図3は正面から見た外観概略図である。
図2及び図3に示す蛍光光度計は、試料容器1を装着する容器装着部31と、励起光を放射する光源32と、励起光が照射された液相対象物からの蛍光を検出する検出器33と、光源32からの励起光を試料容器1のセル部12内に導くとともにセル部12内の液相対象物からの蛍光を検出器33に導く光学系34とを備えている。
光源32や光学系34は、筐体35内に収容されている。筐体35は、ほぼ直方体状の箱状である。本実施形態で使用される蛍光光度計は携帯型のものとなっており、筐体35は手のひらと同等のサイズ又はそれよりも少し大きいサイズとなっている。
筐体35は、上面部の一部が開閉蓋351となっている。開閉蓋351を開くと、図2に示すように、試料容器1の挿入孔350が形成されるようになっている。挿入孔350の付近から下方に延びるようにして、筐体35内には容器装着部31が形成されている。容器装着部31は、試料容器1の寸法形状に適合した枠状の部位である。
光源32としては、本実施形態ではLEDランプが使用されている。励起光を含む光を放射するものであれば特に制限なく使用可能であるが、本実施形態では、コスト上の優位性や省消費電力を考慮し、LEDランプが使用されている。例えば、波長525nmの緑色光を放射するLEDが各社から市販されており、レンズを備えた出力2mW程度のものが好適に採用できる。
光学系34は、光源32からの光を集光する集光レンズ341と、光路の折り曲げと光の選択を行うためのダイクロイックミラー342と、光路上に配置されたフィルタ343,344等から構成されている。
図2に示すように、ダイクロイックミラー342は、容器装着部31に装着された試料容器1のセル部12とほぼ同じ高さの位置に配置されている。ダイクロイックミラー342は、斜め45°の角度で配置されており、その上方に光源32が配置されている。光源32は、下方に向けて光を放出する姿勢となっている。ダイクロイックミラー342は、励起光の波長の光を反射し、測定する蛍光の波長の光を透過するものである。
また、ダイクロイックミラー342を挟んで容器装着部31とは反対側の位置に、検出器33が配置されている。容器装着部31に装着された試料容器1のセル部12と、ダイクロイックミラー342と、検出器33とは、同じ高さに位置しており、水平な光軸(検出用光軸)上に配置されている。一方、光源32から下方に延びる光軸(励起用光軸)は、ダイクロイックミラー342により垂直に折り曲げられ、セル部12に達している。尚、容器装着部31は、励起光や蛍光を遮らないよう開口又は切り欠きを有する形状となっている。
フィルタとしては、励起光用フィルタ343と、蛍光用フィルタ344とが配置されている。励起光用フィルタ343は、励起光となる波長の光を選択的に透過するものであり、光源32とダイクロイックミラー342との間の光路上に配置されている。例えば前述したように525nmの緑色光が励起光として使用される場合、510〜545nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが励起光用フィルタ343として使用される。
蛍光用フィルタ344は、発生する蛍光の波長の光を選択的に透過するものであり、ダイクロイックミラー342と検出器33との間に配置されている。例えば、発生する蛍光の波長が550〜630nmの場合、570〜610nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが蛍光用フィルタ344として使用される。
尚、このように励起用と検出用とでそれぞれにフィルタ343,344が用いられているので、ダイクロイックミラー342ではなく、波長選択性のないハーフミラーを使用しても良い。但し、ハーフミラーの場合には光量が半減するので、ダイクロイックミラー342の方が有利である。励起光用フィルタ343と蛍光用フィルタ344の透過波長域が前述した例である場合、ダイクロイックミラー342としては、例えば570nm以上の波長域の光を透過し、545nm以下の波長域の光を反射する特性(45°入射の場合)のものが使用できる。
また、集光レンズ341は、光源32からの光を細いビームにしてセル部12内の液相対象物に照射するためのものである。光源32としてのLEDランプは、ビームの広がり角が小さいものが好適に使用されるが、それでも小さなセル部12に照射するものとしては広がりが大きいので、集光レンズ341で絞ってから照射するようにしている。集光レンズ341の開口数NAは、それほど大きいものは必要ではなく、0.5程度で良い。
集光レンズ341による集光位置(最もビームが細くなる位置)は、セル部12の中央である。尚、ビーム径は最も細い位置で0.5〜1.5mm程度である。尚、集光レンズ341は、液相対象物から発せられた蛍光を集めて検出器33に入射させる目的でも配置されている。
検出器33は、本実施形態では、フォトダイオードや光電管等の中から適宜選択して使用される。本実施形態では、シリコンフォトダイオードが使用されている。
尚、筐体35内には、各部の動作の制御や信号処理を行う制御部を収容した制御ボックス36が設けられている。また、図3に示すように、筐体35の前面には、光度計の動作状態や測定結果を表示するための表示部38が設けられている。制御部は、検出器33で検出された蛍光強度の信号を処理して測定結果を表示部38に表示するプロセッサやデータを記憶するメモリ(RAM等)を有している。また、筐体35内には、電池ケース37が設けられている。電池ケース37には、光源32や検出器33等に必要な電圧を供給する電池が装着される。
筐体35には不図示の電源スイッチが設けられており、また図3に示すように筐体35の前面に幾つかの操作ボタン391〜396が設けられている。制御ボックス36内のメモリには、表示部38に表示する操作メニューの表示プログラムが記憶されている。プロセッサは、操作メニューを表示部38に表示し、操作ボタン391〜396を選択的に押下させて任意の操作をさせるようになっている。これら操作には、第一の測定操作、第二の測定操作、測定結果分析が含まれる。第一の測定操作は、第一の検査液での測定を行わせる操作であり、第二の測定操作は第二の検査液での測定を行わせる操作である。測定結果分析は、各検査液での測定結果を分析して抗原濃度等の算出を行わせる操作である。
尚、メモリには、第一の検査液での測定結果を記憶する第一の記憶領域と、第二の検査液での測定結果を記憶する第二の記憶領域が設定されている。メモリには分析に必要なプログラムも記憶されており、測定結果分析の際、プロセッサはメモリからプログラムを呼び出して実行するようになっている。
この他、制御部は、正確な測定に必要な校正のための設定回路も有している。検出器33からの信号は増幅回路で増幅され、設定回路で設定されている校正用の参照値と比較されて蛍光強度の測定値が出力される。
さて、このような蛍光光度計について使用される本実施形態の蛍光測定キットの大きな特徴点は、試料容器1のセル部12の寸法形状及びセル部12に収容されている検査液2の量が、蛍光光度計の光学系34との関連で最適化されている点である。より具体的には、セル部12内での励起光のビームの大きさ及びその照射位置との関連で検査液2の量が最適化されている。この点について、図4を参照しながら説明する。図4は、セル部におけるビームの大きさ、照射位置及び検査液の量について示した正面断面概略図である。
図4に示すように、セル部12の底面からの検査液2の液面の高さをh、セル部12内での励起光のビームBの高さ方向の幅(以下、ビーム高長と呼ぶ)をw、セル部12の底面から見たセル部12内での励起光のビームBの中心位置の高さをaとしたとき、本実施形態では、
h−(a+w/2)≧2.5mm 式(1)
の関係が維持されるようになっている。
また、図4(2)に示すように、励起光の光軸に垂直な水平方向でのセル部12内の空間の幅Dよりも、液面の高さhは高くなっている。
前述したように、本実施形態の方法やキットは、違法薬物の取締のように試料が非常に微量であることを想定したものとなっている。試料が微量である場合、検査液の量も微量にならざるを得ない。微量の試料に対して多量の検査液を使用すると、試料の希釈化の度合いが大きくなってしまう。この結果、発せられる蛍光量が少なくなり、測定精度が低下したり、測定自体ができなくなってしまったりする問題が生じ得る。このような問題を避けるため、検査液の量を少なくせざるを得ない。一つの目安として、試料を加えた後の検査液の総量は100μL(マイクロリットル)以下とされる。
しかしながら、その一方、検査液の量が少なくなると、従来指摘されていない検出精度上の問題が生じることが発明者の研究により判明した。以下、この問題を確認した実験の結果について、図5を参照して説明する。図5は、検査液が少ない場合に生じる問題について確認した実験の結果を示す図である。
図5に結果を示す実験では、蛍光色素をバッファ液に溶かしたものを検査液として用いた。使用した蛍光色素はTAMRA(励起光555nm、発生蛍光580nm)で、バッファ液としては、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を用いた。蛍光色素の濃度は10nmol/Lで一定とし、セル部12への投入量を変化させながら、その蛍光強度を測定した。
図5に示すように、実験では、セル部12の断面の寸法形状が異なる三つの試料容器A〜Cが使用された。各試料容器におけるセル部12は、容器Aでは幅2mm×奥行き10mm、容器Bでは幅2mm×奥行き5mm、容器Cは幅10mm×奥行き2mmであった。各セル部12の高さは皆同じで10mmであった。尚、セル部12の入射側内壁面におけるビーム高長wは1mm、ビーム中心位置の高さaも1mmであった。
図5に示すように、検査液の量を増加させて液面の高さを高くしていくと、検出器で検出された蛍光強度はいずれの場合も上昇していった。しかし、蛍光強度は上がり続ける訳ではなく、液面高さが3mmを越えたあたりで一定値に落ち着き、それ以上液面高さを上げても変化していない。即ち、図5の結果は、検査液の量が少ない(液面高さが低い)状況では、蛍光色素濃度が一定であるにもかかわらず蛍光強度が液面高さに応じて変化してしまうことを示している。
尚、容器Bに比べて容器Aの方が蛍光強度が大きい結果となっているが、これは、セル部12の奥行きが容器Aの方が大きいため、励起光で励起される蛍光色素の総量が多くなることによる。容器Bの方が容器Cより蛍光強度が大きいのも同様の理由である。
このような検査液が少ない場合の蛍光強度の液面高さ依存性は、液面における蛍光の反射が影響しているものと推測される。この点について、図6を使用して説明する。図6は、蛍光強度の液面高さ依存性の要因について示した概略図である。
図6に示すように、励起光Lが検査液2に照射されると、検査液2中の蛍光色素Mから蛍光Fが放出される。蛍光Fは、四方八方に放出され、その一部が図6中不図示の検出器の方向に向かい、検出器に捉えられる。この際、放出された蛍光の一部は、検出液2の液面の方向に向かい、液面で反射する。液面で反射した蛍光Fの一部は検出器の方向に向かい、検出器に捉えられる。この際、図6(1)に示すように、液面が低い場合(検査液が少ない場合)には、液面に反射して検出器の方向に向かう蛍光の量は多い。特に、液面の上側は空気(屈折率1)であり、検査液2はそれより大きな屈折率であるため、反射して検出器の方に向かい易い。一方、図6(2)に示すように、液面が高くなると、蛍光Fは液面に反射しても検出器から外れた方向に進むものが多くなる。このため、液面に反射して検出器に捉えられる蛍光Fは殆ど無くなる。図5に示す結果は、このような状況を示しているものと推測される。
蛍光色素の濃度が一定なのにもかかわらずこのように蛍光強度が異なった値で測定されてしまうということは、測定精度の低下に直結するものであり、望ましいものではない。但し、液面高さが一定であれば液面で反射した蛍光の量も一定であり、校正を適正に行えば、測定精度の低下は避けられる。
しかしながら、本実施形態のような二液での蛍光測定の場合、不可避的な問題になり得る。即ち、所定量の検査液で最初に蛍光測定を行い、次に追加検査液を加えて再度蛍光測定を行う場合、検査液の全量は不可避的に増加するから、液面での蛍光反射の問題は不可避となる。この場合、前述した蛍光免疫測定のように、最初の検査液での蛍光強度と追加検査液を加えた際の蛍光強度の比を測定するような場合には、蛍光強度の変化が対象物の本来的な性質や量によるものなのか、それと単に液面高さが上昇したことによるものなのかの見分けがつかなくなってしまう。
また、二液タイプの蛍光測定ではなく検査液の追加がない蛍光測定の場合であっても、液面高さが低いと、試料容器1に収容された検査液の量の僅かなばらつきが測定結果がばらつきに直結することになる。したがって、やはり測定精度の低下につながる。
本実施形態では、このような知見を踏まえ、測定結果の精度に影響を与えることがない液面高さになる量で検査液2を予め試料容器1に収容した状態としている。より具体的に説明すると、図5では、液面高さが3.5〜4mm程度を越えると蛍光強度はほぼ一定に安定している。この実験では、ビーム高長wは1mm、ビーム中心高さhも1mmであるから、ビームのうち最も高い箇所(最も高い位置で対象物を励起する箇所。以下、最高点と呼ぶ)はセル部12の底面から1.5mmの高さとなる。したがって、蛍光強度が一定に安定する際の最高点から液面までの距離は2〜2.5mmということになる。
液面高さをどの程度まで高くしておけば液面での蛍光の反射の影響が無くなるかは、最高点から液面までの距離(以下、ビーム液面離間距離という)をどの程度取れば良いかという問題である。上記の実験では、ビーム液面離間距離として2〜2.5mm取れば良いという結果となっている。どの程度のビーム液面距離を取れば良いかは、集光レンズ341等の光学系34の構成、検出器33からセル部12を見込む際の視野の大きさ等に依存すると推測されるが、本実施形態のような携帯型の(即ち小型の)蛍光光度計において採用され得る光学系34や検出器33においては、ビーム液面離間距離を2.5mm以上確保しておけば、液面での蛍光の反射による測定精度の低下の問題が回避されることが、発明者の実験及び検討の結果から判明した。
本実施形態の蛍光測定キットは、上記のような実験及び検討結果に基づき、前述した式h−(a+w/2)≧2.5mmを満足するようにしている。即ち、この式が満足される量の検査液2を試料容器1に予め収容している。一例を示すと、例えばセル部12の内部空間が幅2mm、奥行き10mmの方形であった場合、検査液の量は80μLとされる。この場合、セル部12内の液面高さhは4.0mm程度となり、ビーム高長wが1.0mm、ビーム中心高さaが1.0mmの場合、前記式(1)を満足する。そして、試料を含む別の検査液を20μLの量で加え、検査液の総量を100μLとした上で蛍光測定を行う。最初の段階で式(1)を満足しているので、当然ながら試料追加後も式(1)を満足していることになる。
尚、前述したように、本実施形態では、ビームは集光レンズ341により集光されながらセル部12に入射し、セル部12のほぼ中央で最も細いビームとなる。したがって、光軸方向のどの位置かによってビーム高長は厳密には異なってくる。ビーム液面離間距離が最も狭くなる箇所で2.5mm以上を満足すれば他の箇所でも2.5mm以上を満足する。したがって、光軸上の各点のち、最も最高点が高くなる箇所において式(1)を満足すれば良い。本実施形態では、セル部12内の空間のうち、入射側の内壁面又はこれに向かい合う反対側の内壁面において最高点が最も高くなる。したがって、例えば入射側の内壁面でのビーム高長をwとしたときに式(1)が満足されるようにすれば良い。但し、液面反射の蛍光の影響の度合いによっては、最高点がより低い箇所(例えばビームが最も細くなる箇所)で式(1)が満足されていれば良い場合もあり得る。
このような蛍光測定キットを使用した蛍光測定方法について、以下に説明する。測定を行う際には、図1(2)に示す個装袋4を破り、試料容器1を個装袋4から取り出す。そして、蛍光光度計に試料容器1を挿入し、容器装着部31に装着する。
次に、蛍光光度計を垂直に立てた姿勢を保持しながら、電源スイッチをオンにし、表示部38に操作メニューを表示する。そして、操作ボタン391〜396を選択的に操作し、第一の測定操作を行う。これにより、第一の検出液における蛍光強度が測定される。測定結果はメモリの第一の記憶領域に記憶されるとともに、表示部38に表示される。
次に、試料容器1を筐体35から取り出し、開閉蓋11を開け、追加検査液を加える。そして、開閉蓋11を閉じた後、必要に応じて試料容器1を振って攪拌した後、蛍光光度計に再度装着する。そして、蛍光光度計を垂直な姿勢にしながら操作ボタン391〜396を選択的に操作し、第二の測定操作を行う。これにより、第二の検出液における蛍光強度が測定される。測定結果は、メモリの第二の記憶領域に記憶されるとともに、表示部38に表示される。
次に、操作ボタン391〜396を選択的に操作し、測定結果分析を行う。これにより、分析用のプログラムがメモリから呼び出される。プログラムにより、第一の検査薬における蛍光強度と第二の検査薬における蛍光強度が比較され、抗原濃度の測定結果が出力されて表示部38に表示される。
免疫測定を例にして測定のより具体的な例について示すと、代表的な覚醒剤として知られるメタンフェタミンについては、動物に免疫して得られた細胞株を培養することによってモノクローナル抗体を抗メタンフェタミン抗体として製造する技術が開示されている(特開平1−96198号公報,特開平5−7497号公報,特開平6−261784号公報等)。また、メタンフェタミンの蛍光標識色素としては、ペンタメチンシアニン誘導体からなるもの(特開平6−66725号公報)やメロシアニン誘導体からなるもの(特開平8−92211号公報)が知られている。
したがって、メタンフェタミン検出用の検査液としては、適宜選択された抗メタンフェタミン抗体に対して、適宜選択された蛍光標識色素を結合させて標識し、それをPBS溶液(リン酸バッファ液)に溶かしたものを第一の検査液として使用することができる。このような第一の検査液を前述したように100μL以下であって前記式(1)が満足されるように試料容器1に予め収容しておく。
実際にメタンフェタミンの検出をする場合、このようなキットを使用してまず第一の検査液のままで蛍光を測定し、蛍光強度を記憶する。次に、追加検査液としてPBS溶液(リン酸バッファ液)を使用し、試料(ここではメタンフェタミンではないかと疑われる物質)をこれに溶かす。そして、溶かしたものを第一の検査液に加え、第二の検査液を得る。そして、第二の検査液について同様に蛍光を測定し、蛍光強度を測定する。そして、分析用のプログラムを動作させ、その強度比を算出する。
試料がメタンフェタミンであれば、抗メタンフェタミン抗体が抗原(メタンフェタミン)に反応することでクエンチングの解消作用が生じる。このため、蛍光強度が増加する。したがって、強度比が一定以上の大きさであるかどうかで、試料がメタンフェタミンかどうか判断することができる。
例えば、税関の検査において荷物に違法薬物らしい白色の粉が付着していたとする。係員は、検査が必要だと判断し、荷物を一時的に取り置いた上で、粉を採取する。そして、上述したように検査を行い、粉がメタンフェタミンかどうか判断する。メタンフェタミンだと判断されれば、荷物のどこかに大量のメタンフェタミンが隠されている可能性が高いので、より詳しい調査、捜索を行う。メタンフェタミンの他、アンフェタミン、コカイン等の違法薬物についても、それぞれに抗体及び蛍光色素を用意することで同様に実施することができる。
違法薬物の取締以外にも、試料が微量にならざるを得ない状況は種々存在しており、本実施形態の測定キット及び方法を用いることができる。例えば、犯罪捜査の現場で違法薬物を検出したり、現場に残された化学物質を同定して証拠としたりする場合に、本実施形態の測定キット及び方法を用いることができる場合がある。これらの他にも、例えばスポーツ競技において行われるドーピング検査でも、本実施形態の測定キット及び方法を使用することができる。この場合、被検者の尿を微量採取して試料とすることがあり得る。
いずれにしても、本実施形態の蛍光測定キット及び蛍光測定方法によれば、試料を加えた検査液の量が100μL以下であるので、試料が限度以上に希釈化されて測定精度が低下したり、測定自体ができなくなってしまったりする問題はない。その一方、ビーム液面距離が2.5mm以上確保されているので、液面に反射した蛍光が測定値に取り込まれてしまうことが実質的になく、精度の高い測定を安定して行える。特に、クエンチング解消作用を利用した液相状態の蛍光免疫測定の場合、途中で検査液を追加する(液面高さが変化する)ので、この効果は顕著である。
本実施形態の蛍光測定キットや蛍光測定方法は、前述した違法薬物の取締や犯罪捜査の用途の他、新薬の研究開発、各種疾病の臨床診断、さらには各種の環境調査、各種食品や化学品の検査等の目的で使用することができる。このような研究開発や各種検査の現場でも、試料が微量しか得られない場合があり、そのような場合、本実施形態の測定キットや測定方法は好適に使用できる。
また、図1に示すように、本実施形態では、試料容器1が下部に備えるセル部12は、その上側の部分よりも断面積が小さいものとなっている。この構造は、試料の投入を容易にしつつ上記式(1)を満足するのに好適なものとなっている。即ち、100μL以下という微量な検査液を励起光照射の対象としつつも液面高さを高くするには、容器の断面積は小さくせざるを得ない。つまり、試料容器1は全体に細長いものにならざるを得ない。しかし、断面積が小さいということは、試料を入れるための開口10も小さいということになるので、このままでは試料が入れにくくなってしまう。この問題を解決するには、試料容器1のうち励起光を照射する部位であるセル部12については断面積を小さくし、その他の部位については断面積を大きくして試料を入れ易くすれば良い。本実施形態の試料容器1は、このような考えに基づいた構造となっている。
尚、試料を加えた検査液の総量は100μL以下であるべきことは前述したが、十分な精度で安定して蛍光測定を行うためには、試料を加えた検査液の総量は20μL以上であるべきである。20μL未満では、前記式(1)を満足する液面高さとすることが難しくなる。セル部12をより小さくすれば可能ではあるが、セル部12内に十分な光量で励起光を入射させるのが難しくなったり、検査液の表面張力やセル部12の内壁面の濡れ性等の問題で、セル部12内に正しく検査液が収容されなくなってしまう問題も生じ得る。このため、試料を加えた検査液の総量は20μL以上とすることが好ましい。このためには、試料を加える前の状態で検査液の量を20μL以上としておくことも好適である。
また、測定キットの発明の実施形態としては、追加検査液についても容器に封入した上でキットに含めても良い。この場合、第一の検査液が入った試料容器と追加検査液が入った別の容器とを一つの個装袋に密封したキットとすることができる。尚、追加検査液としては、単なるバッファ液の他、蛍光色素を含んでいる場合もある。例えば、蛍光共鳴エネルギー転移の効率の変化を指標として抗体や抗原の濃度を測定する蛍光共鳴エネルギー転移法(FRET)では、抗体と抗原とはそれぞれ別の蛍光色素で標識される。したがって、この場合、追加検査液として抗原用の蛍光色素を含むものが使用されることになる。
尚、蛍光光度計の光学系としては、セル部の一方の側から励起光を照射し、セル部の挟んで反対側で蛍光を検出器に取り込む構造のものが採用されることもある。さらには、励起用光軸と検出用光軸が90°の角度で交差している光学系が用いられることもある。
1 試料容器
10 開口
11 開閉蓋
12 セル部
2 検査液
31 容器装着部
32 光源
33 検出器
34 光学系
341 集光レンズ
342 ダイクロイックミラー
343 励起光用フィルタ
344 蛍光用フィルタ
35 筐体

Claims (10)

  1. 試料容器のセル部に収容された液相対象物に励起光を照射し、液相対象物からの蛍光の強度を測定する蛍光測定方法であって、
    セル部の底面からの液相対象物の液面の高さをh、
    セル部内での励起光のビームの高さ方向の幅をw、
    セル部の底面から見たセル部内での励起光のビームの中心位置の高さをaとしたとき、
    h−(a+w/2)≧2.5mmの関係を維持しつつ液相対象物に励起光を照射し、照射された液相対象物からの蛍光の強度を測定することを特徴とする蛍光測定方法。
  2. 前記液相対象物の量は100マイクロリットル以下であることを特徴とする請求項1記載の蛍光測定方法。
  3. 前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光測定方法。
  4. 前記液相対象物は、第一の検査液と、第一の検査液に対して別の検査液を加えてなる第二の検査液となっており、第一の検査液に対して励起光を照射して蛍光強度を測定する第一のステップと、第一のステップの後、第二の検査液に対して励起光を照射して蛍光強度を測定する第二のステップとを行う方法であり、
    第一のステップにおいて前記h−(a+w/2)≧2.5mmを成立させ、その後、前記別の検査液を加えて第二の検査液とした後に、ビームの大きさ及び導入位置を変更せずに第二のステップを行うことで第二のステップにおいても前記h−(a+w/2)≧2.5mmを成立させて行うことを特徴とする請求項1記載の蛍光測定方法。
  5. 前記第二の検査液の量は100マイクロリットル以下であることを特徴とする請求項記載の蛍光測定方法。
  6. 前記別の検査液は抗原を含んでおり、前記第一の検査液は、当該抗原に対する抗体を含んでおり、前記第一第二のステップを行うことで抗原の濃度を測定することを特徴とする請求項4又は5記載の蛍光測定方法。
  7. 前記第一のステップ及び前記第二のステップにおいて、前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いことを特徴とする請求項4、5又は6に記載の蛍光測定方法。
  8. 液相対象物の蛍光強度を測定する蛍光光度計とともに使用される蛍光測定キットであって、
    試料容器と、試料容器内に予め収容された検査液とから成っており、検査液は、試料が加えられた後に励起光が照射されて蛍光が測定されるものであり、
    蛍光光度計は、試料容器を装着する容器装着部を備え、容器装着部に試料容器が装着された際に試料容器のセル部内の検査液に励起光を照射し、検査液から発せられた蛍光を検出器で検出してその強度を測定するものであり、
    検査液は、試料容器が蛍光光度計の容器装着部に装着された際、セル部の底面からの検査液の液面の高さをh、セル部内での励起光のビームの高さ方向の幅をw、セル部の底面から見たセル部内での励起光のビームの中心位置の高さをaとしたとき、h−(a+w/2)≧2.5mmとなる量で試料容器内に予め収容されていることを特徴とする蛍光測定キット。
  9. 前記試料は抗原を含んでおり、前記検査液は当該抗原に対する抗体を含んでいることを特徴請求項記載の蛍光測定キット。
  10. 前記励起光の光軸に垂直な水平方向での前記セル部内の空間の幅よりも、前記液面の高さhは高いことを特徴とする請求項8又は9に記載の蛍光測定キット。
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