JP2000205951A - 光測定装置 - Google Patents

光測定装置

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JP2000205951A
JP2000205951A JP11008693A JP869399A JP2000205951A JP 2000205951 A JP2000205951 A JP 2000205951A JP 11008693 A JP11008693 A JP 11008693A JP 869399 A JP869399 A JP 869399A JP 2000205951 A JP2000205951 A JP 2000205951A
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light receiving
light
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JP11008693A
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English (en)
Inventor
Junji Miyazaki
潤二 宮崎
Masao Makiuchi
正男 牧内
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SEITAI HIKARI JOHO KENKYUSHO K
SEITAI HIKARI JOHO KENKYUSHO KK
Original Assignee
SEITAI HIKARI JOHO KENKYUSHO K
SEITAI HIKARI JOHO KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微弱光を精度よく測定することのできる高感
度の光測定装置を提供する。 【解決手段】 溶液注入信号20を受け複数の溶液を混
合して測定試料セル2に注入し、測定試料セル2内の混
合溶液から発せられ、測定試料セル2を透過した光4を
測定する光測定装置において、測定試料セル2を透過し
た光を受光して積分することにより積分信号5を得る受
光部6と、測定試料セル2に溶液を注入する前の積分信
号である背景信号を記憶しておく背景信号生成部7と、
測定試料セル2に溶液を注入した後の積分信号と背景信
号生成部7に記憶された背景信号との差分の信号を得る
差分器8とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微弱光の測定に好
適な光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微弱光の測定技術は、生物学、医療、天
文など広範囲な分野への応用が期待され、これを実現す
るための高感度の光測定技術の開発が進められている。
微弱光の測定には、従来、光電子倍増管(PMT)が使
用されているが、量子効率が小さく、また冷却が難しい
ため、最近では半導体受光素子の使用が有望視されてい
る。しかし、極めて微弱な光を測定するためには極めて
高感度の受光素子が必要であるが、現在得られる受光素
子の感度では不十分である。しかし、受光素子の感度を
大幅に高めるのは困難である。そこで、微弱な光電流を
長時間積分することにより発光現象を捕捉することので
きる測定方式として、電荷蓄積方式を用いた高感度の光
測定装置が近年使われ始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、微弱光の測定
に用いられる受光素子は、光を照射しなくても暗電流と
呼ばれる電流が生じる。この暗電流は、受光素子を冷却
することにより減少させることが可能であり、光電子増
倍管では−80℃程度、半導体受光素子では50Kから
100K程度に冷却して使用されているが、それでも微
弱光の測定にとっては無視できない量の暗電流が発生す
る。
【0004】また、電荷蓄積方式の光測定装置におい
て、測定試料の温度、測定試料を保持する測定試料セル
及び溶媒の温度などに依存する熱放射光、いわゆる背景
光が放出され、この背景光が受光素子に入射される。電
荷蓄積方式では、これらの暗電流及び背景光がバックグ
ラウンドノイズとして積分波形に重畳されるため、高感
度光測定に対する障害となっている。
【0005】近年、活性酸素と、生体の疾患すなわち炎
症・発癌・成人病・老化等との関連についての研究が進
み、活性酸素が微弱光測定の対象として注目され始めて
いる。活性酸素の中でも、波長約1.3μmの発光特性
を有する一重項酸素は特に発光が微弱でありしかも寿命
が短いために測定が難しい。特に、生体への関与のメカ
ニズムを研究する分野では、増感剤を用いずに直接測定
の可能な高感度光測定装置の開発が待たれている。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、微弱光を精
度よく測定することのできる高感度の光測定装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の光測定装置は、所定の溶液注入信号を受けて溶液
を測定試料セルに注入し、測定試料セル内の混合溶液か
ら発せられ測定試料セルを透過した光を測定する光測定
装置において、上記測定試料セルを透過した光を受光し
て積分することにより積分信号を得る受光部と、上記測
定試料セルに溶液を注入する前の積分信号に代わる背景
信号を生成する背景信号生成部と、上記測定試料セルに
溶液を注入した後の積分信号と上記背景信号生成部によ
り生成された背景信号との差分の信号を得る差分器とを
備えたことを特徴とする。
【0008】ここで、上記背景信号生成部が、上記測定
試料セルに溶液を注入する前の積分信号を記憶してお
き、記憶された積分信号を読み出すことにより背景信号
を生成するものであってもよい。
【0009】また、上記の本発明の光測定装置が、上記
受光部をリセットするリセット信号を所定周期で繰り返
し発生するリセット信号発生部と、所定のスタート信号
の入力に応じて、上記リセット信号を上記溶液注入信号
として通過させるゲート回路とを備えたものであっても
よい。
【0010】また、上記の本発明の光測定装置が、上記
ゲート回路の後段に、上記ゲート回路から出力された信
号を遅延させることにより、溶液注入のタイミングを遅
延させる遅延回路を備えたものであってもよい。
【0011】また、上記の本発明の光測定装置が、上記
測定試料セルに溶液を注入する前の上記受光部から出力
される積分信号に代わるバックグラウンド補正信号を生
成するバックグラウンド補正回路、および上記受光部
と、上記背景信号生成部および上記差分器との間に配置
され上記受光部から出力される積分信号と上記バックグ
ラウンド補正回路から出力されるバックグラウンド補正
信号との差分の信号を得る第2の差分器を備えたもので
あることも好ましい態様である。
【0012】さらに、上記受光部が、背景光と信号光と
を受光する第1の受光素子と、背景光のみを受光する第
2の受光素子とを備え、これら2つの受光素子で得られ
た各受光信号の差分の信号を出力するものであることも
好ましい態様の一つである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0014】図1は、本発明の光測定装置の第1の実施
形態を示す概略構成図である。
【0015】この第1の実施形態の光測定装置1は、複
数の溶液が注入される測定試料セル2、溶液注入信号2
0を受け複数の溶液を混合して測定試料セル2に注入す
る送液駆動装置3、測定試料セル2内の混合溶液から発
せられ測定試料セル2を透過した光4を受光して積分す
ることにより積分信号5を得る受光部6、測定試料セル
2に溶液を注入する前の積分信号を記憶しておき、記憶
された積分信号を読み出すことにより背景信号を生成す
る背景信号生成部7、測定試料セル2に溶液を注入した
後の積分信号と背景信号生成部7により生成された背景
信号との差分信号9を得る差分器8を備えている。
【0016】試料溶液リザーバ13には複数種類の溶液
が蓄えられており、測定試料セル2には、送液駆動装置
3により試料溶液リザーバ13からそれらの溶液が送り
込まれて混合される。ここでは、それらの溶液の混合に
より測定試料セル2の内部では一重項酸素が発生し、そ
れに伴って、1.3μmの波長の光が発せられるものと
する。測定試料セル2は、恒温の循環水により、通常の
化学反応測定では常温の25℃の恒温に保たれる。測定
試料セル2は外部からの漏光を防ぐために暗箱11内に
配置される。
【0017】受光部6は、受光素子6a、リセット回路
6b、および増幅器6cからなる。測定試料セル2内の
混合溶液から発せられ測定試料セル2を透過した光4は
受光部6内の受光素子6aで光電変換されるとともに積
分される。その積分された信号は受光部6内の増幅器6
cで増幅されて積分信号5として出力され、表示装置1
0にその測定結果が表示される。受光素子6aは暗電流
低減のために極低温に冷却する必要があるため、光透過
窓12aを有する真空デュア12内に配置される。
【0018】受光部6内の受光素子6aは、積分を開始
する前にリセットされる必要がある。そこで、この光測
定装置1には、リセット信号15を所定周期で繰り返し
発生するリセット信号発生部14と、リセット信号15
を受けて受光部6内の受光素子6aをリセットするリセ
ット回路6bとが備えられている。このリセット信号1
5によるリセットサイクルが積分時間に相当する。この
サイクルタイムは発光の測定時間に合わせて調整できる
ようになっている。
【0019】また、受光部6と背景信号生成部7との間
には積分信号5の通過をオンオフする第1のゲート回路
16が備えられており、リセット信号発生部14と送液
駆動装置3との間にはリセット信号15の通過をオンオ
フする第2のゲート回路17およびリセット信号15を
遅延させる遅延回路18が備えられている。
【0020】さらに、本実施形態の光測定装置1には、
操作者が光測定装置1に対して発光測定開始を指示する
スタート信号を入力するためのスタート信号入力装置1
9が備えられている。
【0021】なお、本実施形態における第2のゲート回
路17は、本発明にいう「リセット信号を所定のスター
ト信号の入力に応じて溶液注入信号として通過させるゲ
ート回路」に相当するものであり、また、本実施形態に
おける遅延回路18は、本発明にいう「ゲート回路から
出力された信号を遅延させることにより、溶液注入のタ
イミングを遅延させる遅延回路」に相当するものであ
る。
【0022】受光部6から出力された積分信号5は、差
分器8、表示装置10、および第1のゲート回路16に
送られる。第1のゲート回路16の制御端子および第2
のゲート回路17の入力端子は、リセット信号発生部1
4と接続しており、所定のリセットサイクル毎にリセッ
ト信号15が入力されるようになっている。
【0023】受光素子6aが受光する光には、測定試料
セル2内の混合溶液から発せられた信号光以外に、測定
試料セル2及び暗箱11内から発せられる背景光があ
る。暗箱11内の試料溶液リザーバ13に試料溶液をセ
ットするために暗箱11を開閉するとその暗箱の内部が
外光に曝され、それによる蓄光が原因となって、暗箱1
1を閉じた後も背景光にゆらぎが発生する。そこで、発
光測定の開始前に、すなわち送液駆動装置3による測定
試料セル2への溶液注入を開始する前に、背景光に基づ
く背景信号の波形をモニタしておき、背景信号の波形が
十分に安定したことが確認されてから発光測定を開始す
る必要がある。
【0024】本実施形態では、この背景信号のモニタ
は、操作者が表示装置10に表示される背景信号の波形
を監視することにより行われる。背景信号の波形が安定
したか否かの判定基準としては、予想される試料溶液の
発光波形に比して十分に小さな値、例えば、1/100
以下の値が閾値の目安として用いられる。背景信号の波
形が十分に安定したと判定された場合は、操作者はスタ
ート信号入力装置19によりスタート信号を入力する。
【0025】このスタート信号が入力されるまでは、す
なわち操作者による背景光のモニタが行われている間
は、第1のゲート回路16は開かれており、積分信号5
は第1のゲート回路16を経由して背景信号生成部7に
送られここに記憶される。背景信号はリセットサイクル
毎に繰り返し背景信号生成部7に上書き記憶されるの
で、背景信号生成部7には常に最新の背景信号が記憶さ
れている。
【0026】操作者が、背景信号の波形が安定に達した
と判定してスタート信号入力装置19によりスタート信
号を入力すると、第2のゲート回路17が開かれ、スタ
ート信号を入力した時点以降にリセット信号発生部14
で最初に発生したリセット信号15が第2のゲート回路
17を通過する。第2のゲート回路17を通過したリセ
ット信号15は遅延回路18に入力される。遅延回路1
8は所定の遅延時間だけ信号の通過を遅延させた後、送
液駆動装置3に溶液注入信号20を送る。これらの第2
のゲート回路17および遅延回路18の作用については
さらに後述する。
【0027】送液駆動装置3に溶液注入信号20が送ら
れると、送液駆動装置3は試料溶液リザーバ13に蓄え
られた2種類の試料溶液を測定試料セル2に注入する。
試料溶液は測定試料セル2内で混合され、一重項酸素由
来による発光が起こり、この光は受光部6で受光され積
分信号5が出力される。この積分信号5の発光波形は、
操作者により表示装置でモニタされるとともに、差分器
8に入力される。
【0028】差分器8は、受光部6から出力された積分
信号5と背景信号生成部7に記憶されている背景信号と
の差分を演算する。演算結果である差分信号9は表示装
置10に送られ表示される。なお、受光部6と差分器8
との間に、図示されない発光波形記憶装置を設けて、差
分器8に入力される積分信号5を一旦記憶し、その記憶
された積分信号5と背景信号生成部7に記憶されている
背景信号との差分を演算するようにしてもよい。
【0029】図2は、第1の実施形態における積分信号
の波形を示すグラフである。
【0030】試料溶液は、NaOCl(100μM)、
溶液H22、およびNa−Piバッファー(PH7.
4)である。溶液H22の濃度は1μMであり、積分時
間は9秒である。
【0031】図2に示す波形aは、ベースライン波形、
すなわち測定試料セルに溶液を注入する前の積分信号で
ある背景信号の出力波形であり、波形bは、試料溶液の
発光波形、すなわち測定試料セルに溶液を注入した後の
積分信号の出力波形である。波形bは、波形aに比して
一重項酸素由来の発光分だけ信号レベルは上昇している
が、この波形bには暗電流と背景光による背景信号の分
も含まれている。
【0032】波形cは、測定試料セル2(図1参照)に
溶液を注入した後の積分信号5と背景信号生成部7に記
憶された背景信号との差分信号9の波形である。従っ
て、波形cは、波形b−波形aであり、試料溶液の発光
による真の積分波形を提供するものである。
【0033】図3は、図2に示した測定結果に対し、溶
液H22の濃度を変えた場合の測定結果を示すグラフで
ある。
【0034】一重項酸素の発生原因である溶液H22
濃度を図2の場合の1/10、すなわち0.1μMに変
更すると、図3に示すように、発光量もそれに比例して
変化しているが、上記と同様にして波形cを求めること
により、真の一重項酸素由来の発光量が測定できる。
【0035】前述のように、暗箱11のドアの開閉によ
り背景信号のゆらぎが発生するが、暗箱11のドアを閉
じた後も、送液駆動装置3の準備サイクルにおいて反応
系のゆらぎが生じるので、微弱光の測定においては、こ
のような背景信号のゆらぎが落ち着くまでの安定時間に
ついても考慮する必要がある。
【0036】図4は、一般的な積分器を用いて構成した
受光部の回路図である。
【0037】図4に示すように、この受光部100は、
受光素子101、リセットスイッチ102、積分コンデ
ンサ103、積分器104よりなる。リセットスイッチ
102が閉じると積分コンデンサ103の両端がリセッ
トされ、そのリセットスイッチ102が開くことにより
積分が開始される。積分開始後、受光素子101からの
光電流は積分コンデンサ103に充電され、積分器10
4の出力電圧として出力される。
【0038】図5は、半導体受光素子を用いて構成した
受光部の回路図(a)および半導体受光素子の等価回路
図(b)である。
【0039】図5(a)に示すように、この受光部11
0は、半導体受光素子111およびリセット回路112
よりなる。半導体受光素子111は、図5(b)に示す
ように、電流Ipdを発生する電流源、容量Cpdを持
つ等価内部コンデンサ、抵抗値Rpdを持つ等価内部抵
抗よりなる等価回路として表される。電流源からの出力
電流Ipdは等価内部コンデンサに充電され、その両端
には、 Vout=[∫Ipddt]/Cpd の電圧が生じる。
【0040】電流源は、試料が発光した光を受光しなく
ても、半導体受光素子の暗電流および測定試料セルから
の背景光成分による背景信号を出力する。
【0041】図6は、図5に示した半導体受光素子によ
り得られる積分信号の波形を示すグラフである。
【0042】図6に示すように、試料の発光測定が開始
される以前に、半導体受光素子の電流源からは、波形a
として示す暗電流および背景光による積分波形が出力さ
れる。試料の発光反応の開始と同時に試料の発光測定を
開始すると、波形bとして示す積分波形が出力される。
波形bの中には波形aの成分も含まれているので、波形
b−波形aを演算することにより測定試料による真の発
光波形cが得られる。
【0043】このように、受光部に半導体受光素子を用
いた場合は、半導体受光素子111の等価内部コンデン
サの存在により半導体受光素子自身が積分動作を行うの
で、図4に示した積分器を用いて構成した受光部におけ
る積分コンデンサは必要なくなり、装置を簡素化するこ
とができる。
【0044】次に、図1に示した第2のゲート回路1
7、遅延回路18、およびスタート信号入力装置19の
作用について説明する。
【0045】図7は、本発明の第1の実施形態における
受光部、および受光部周辺の回路図、図8は、本発明の
第1の実施形態におけるタイムチャート、図9は、本発
明の第1の実施形態による測定波形図である。
【0046】以下に、図7、図8、および図9を参照し
ながら第1の実施形態における各部の動作について説明
する。
【0047】先ず、試料発光測定に先立ち、バックグラ
ウンド測定、すなわち、暗電流と背景光による背景信号
の測定が行われる。リセット信号発生部14(図1参
照)から出力されたリセット信号15(図7参照)は、
受光部6のリセット回路6bに供給され積分信号をリセ
ットするとともに第2のゲート回路17にも供給され
る。第2のゲート回路17は、スタート信号入力装置1
9(図1参照)からスタート信号が入力されるまでは閉
じられており、リセット信号15は遅延回路18には送
られず、従って送液駆動装置3への溶液注入信号20の
入力はない。すなわち、バックグラウンド測定時間T1
(図8参照)中は、測定試料セル2への試料溶液の注入
・混合は禁止されている。
【0048】このバックグラウンド測定は、リセット信
号発生部14から出力されるリセット信号15により受
光部6のリセット回路6bがリセットされてから、次に
出力されるリセット信号15によりリセット回路6bが
リセットされるまでの時間、すなわち、図8に示すよう
にバックグラウンド測定時間T1の間続けて行われ、暗
電流と背景光による背景信号が時間T1の間積分された
積分信号Voutが増幅器6cから出力され、図8に示
すようなベースライン波形aが得られる。
【0049】このバックグラウンド測定は、ベースライ
ン波形aをモニタしている操作者によるスタート信号入
力が行われるまでは、所定周期で繰り返し行われる。操
作者が、ベースライン波形aが十分に安定したと判定
し、例えば、ある時刻tsにおいてスタート信号入力装
置19を操作してスタート信号を入力すると、第2のゲ
ート回路17が開かれる。第2のゲート回路17が開か
れた後にリセット信号発生部14から最初に出力された
リセット信号15は第2のゲート回路17を通過して遅
延回路18に送られ、遅延回路18により所定の遅延時
間tdだけ遅らされた後、送液駆動装置3に溶液注入信
号20が送られ測定試料セル2への溶液の注入・混合が
実行され、一重項酸素由来の発光反応が開始される。操
作者により入力されたスタート信号は、第1のゲート回
路16(図1参照)にも送られ、このスタート信号によ
って第1のゲート回路16は閉じられ、積分信号5の背
景信号生成部7への上書き記憶は停止される。
【0050】こうして、図8に示すように、試料発光測
定時間T2の間、試料発光による受光信号が積分され、
その積分信号Voutが増幅器6cから出力され、差分
器8および表示装置10に送られる。
【0051】上記のように、リセット信号15が遅延回
路18に入力されてから遅延時間tdだけ遅れて溶液注
入信号20が出力されるので、積分波形も図8に示すよ
うに、遅延時間tdだけ遅れた時刻から立ち上がり始め
ており、図8の発光波形bに示すような途中で屈折した
形の波形が得られる。
【0052】ところで、このように試料発光のタイミン
グを遅延させているのは、一重項酸素由来の発光は寿命
が短いので、その発光開始時期を明確にする必要がある
からである。電荷蓄積方式において、積分のリセットを
終了し積分を開始する時に、リセット回路6bからノイ
ズが発生し、これが積分信号に重畳され測定波形の乱れ
として発光開始時期が明確に捕まえられないことがしば
しばある。そこで、本実施形態では、遅延回路18を用
いて試料発光測定開始のタイミングを遅延させることに
より、リセット回路のノイズによる影響を回避するよう
にしている。
【0053】すなわち、図9に示すように、積分開始時
刻t1の直後はベースラインの測定波形aは、しばらく
の間はリセット回路のノイズ発生している。そこで、積
分開始時刻t1からtd時間だけ経過した時刻t2に溶
液注入信号を出力することにより発光測定波形として波
形bが得られ、従って差分器からは、t1からt2の間
でほぼ直線に近い波形cを得ることができる。
【0054】なお、以上説明した第1の実施形態の光測
定装置1においては、背景信号生成部7は、測定試料セ
ル2に溶液を注入する前の積分信号を記憶しておき、記
憶された積分信号を読み出すことにより背景信号を生成
するように構成されているが、背景信号生成部7は必ず
しもこのように積分信号を記憶しておき、記憶された積
分信号を読み出すことにより背景信号を生成するもので
ある必要はなく、測定試料セル2に溶液を注入する前の
積分信号に代わる背景信号を生成するものであればよ
い。
【0055】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0056】図10は、本発明の第2の実施形態におけ
る受光部の回路図、図11は、本発明の第2の実施形態
の受光部に備えられたバックグラウンド補正回路の内部
構造を示す回路図である。
【0057】図10に示すように、第2の実施形態の受
光部26には、図7に示した第1の実施形態における受
光部6とは異なり、バックグラウンド補正回路27およ
び差動増幅器28が備えられている。なお、本実施形態
における差動増幅器28は、本発明にいう第2の差分器
に相当するものである。これら以外の構成は、図7に示
した第1の実施形態におけると同様であり、この図10
に示す受光部26が、図7に示す受光部6に代わりその
同じ位置に配置される。
【0058】バックグラウンド補正回路27は、測定試
料セル2(図1参照)に溶液を注入する前の受光部26
から出力される積分信号である背景光に代用されるバッ
クグラウンド補正信号27sを生成するものである。ま
た、差動増幅器28は、受光素子26aと、背景信号生
成部7および差分器8(図1参照)との間に配置され、
受光素子26aから出力される積分信号26sとバック
グラウンド補正回路27から出力されるバックグラウン
ド補正信号27sとの差分信号28s、すなわち図10
に示すVoutを得るものである。
【0059】図11に示すように、このバックグラウン
ド補正回路27は、定電圧電源27a、ポテンショメー
タ27b、入力抵抗27c、リセットスイッチ27d、
積分コンデンサ27e、および積分器27fからなる。
【0060】このバックグラウンド補正回路27は、図
10に示す受光部26内に配置され、定電圧電源27a
で発生した電圧は、操作者により操作されるポテンショ
メータ27bで所望の電圧に調整され入力抵抗27cを
経て積分コンデンサ27eおよび積分器27fに入力さ
れ、積分されたバックグラウンド補正信号27sが、図
10に示す差動増幅器28に入力される。なお、このバ
ックグラウンド補正回路27は、リセット信号15(図
10参照)がリセットスイッチ27dに入力されること
によりリセットされるようになっている。
【0061】差動増幅器28(図10参照)は、バック
グラウンド補正回路27からのバックグラウンド補正信
号27sと、受光素子26aからの出力信号26sとの
差分を演算し、その差分信号28s(Vout)を出力
し、このVoutが、例えば表示装置10(図1参照)
に表示される。
【0062】図12は、本発明の第2の実施形態におけ
るバックグラウンド補正回路による補正結果の説明図で
ある。
【0063】図12(a)は、バックグラウンド補正回
路27から補正信号を出力しなかった場合の第2の差分
器(図10:差動増幅器28)からの出力信号28sの
波形Aを示しており、図12(b)は、操作者がバック
グラウンド補正回路27のポテンショメータ27bを操
作して第2の差分器からの出力が波形Bのようになるよ
うにバックグラウンド補正回路からの出力を調整した場
合のバックグラウンド補正回路出力および第2の差分器
出力の波形を示している。
【0064】図12(a)に示すように、バックグラウ
ンド補正回路27による補正が行われない場合には波形
Aの出力が受光部26(図10参照)から出力されるの
で、受光素子26aからの出力信号26sのレベルが極
めて高い場合は、受光部26から出力信号により、光測
定装置を構成する各回路を飽和させ測定不能に陥る恐れ
がある。そこで、図12(b)に示すように、バックグ
ラウンド補正回路27による補正により受光部26から
波形Bのように信号レベル全体を大幅に低下させること
により、回路飽和の危険性が回避され安定した微弱光測
定を行うことができる。
【0065】なお、このバックグラウンド補正は適切に
行われないと差動増幅器28の出力Voutに、背景光
と暗電流に起因する積分信号が残留することになり、後
段の増幅器の増幅率を上げることができなくなる。な
お、差動増幅器28からの出力Vout、すなわちバッ
クグラウンド補正後の出力信号28sは0Vであること
が理想的であるが、後段の増幅器の増幅率との兼ね合い
から0V近傍であればよい。
【0066】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。
【0067】通常、背景光と暗電流に起因するベースラ
イン信号は一定出力であるので、その積分波形は直線で
定義することができる。従って、ベースライン信号のう
ちの飽和していない立ち上がり部分の波形を取り出して
その波形の立ち上がりの傾斜を求め、その傾斜を有する
直線波形の補正信号で補正を行うようにすることによ
り、上記の第2の実施形態におけるような人による調整
操作を省くことが可能である。
【0068】図13は、本発明の第3の実施形態におけ
る受光部の回路図である。
【0069】図13に示すように、第3の実施形態の受
光部36には、図10に示した第2の実施形態の受光部
26におけるバックグラウンド補正回路27に代わり、
バックグラウンド補正回路37が備えられている。な
お、この受光部36におけるバックグラウンド補正回路
以外の構成要素は、図7に示した第1の実施形態および
図10に示した第2の実施形態におけると同様であるの
で、説明は省略する。
【0070】この図13に示す受光部36が、図7に示
す受光部6および図10に示す受光部26に代わりその
同じ位置に配置される。
【0071】図14は、本発明の第3の実施形態の受光
部に備えられたバックグラウンド補正回路の回路図であ
る。
【0072】図14には、A/D変換器37a、CPU
37b、D/A変換器37c、入力抵抗37d、リセッ
トスイッチ37e、積分コンデンサ37f、および積分
器37gからなるバックグラウンド補正回路37が示さ
れている。この図14に示すバックグラウンド補正回路
37は、図13に示す受光部36の内部に配置される。
【0073】このバックグラウンド補正回路37では、
差動増幅器38(図13参照)の出力38sをA/D変
換器37aでデジタル信号に変換しCPU37bに入力
する。CPU37bは、入力信号の単位時間当りの電圧
増加率Vbaseを演算し、それをD/A変換器37c
でアナログ信号に変換して積分器37gに入力する。
【0074】ここで、差動増幅器28の増幅率をA、積
分器37fの入力抵抗37dの抵抗値をRin、積分コ
ンデンサ37fの静電容量をCintとすると、D/A
変換器37cの電圧Vdaを、 Vda=(1/A)×Vbase×Rin×Cint とすることにより、バックグラウンド補正信号37sを
得ることができる。
【0075】この第3の実施形態の補正方式は、人によ
る補正操作を必要とせずに自動的にバックグラウンド補
正を行うことができるので極めて有用であるが、その積
分波形がほぼ直線で近似できる場合にしか採用できない
という制約がある。
【0076】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。
【0077】図15は、本発明の第4の実施形態におけ
るバックグラウンド補正回路の回路図である。
【0078】図15には、A/D変換器47a、補正波
形メモリ47b、CPU47c、D/A変換器47dか
らなるバックグラウンド補正回路47が示されている。
この図15に示すバックグラウンド補正回路47は、図
13に示す受光部36の内部に配置される。
【0079】このバックグラウンド補正回路47は、補
正波形メモリ47bに前回のバックグラウンド補正信号
の波形、すなわち差動増幅器38の出力38s(図13
参照)を記憶させておき、それを用いてバックグラウン
ド補正を行うものである。従って、この補正方式は、第
3の実施形態における補正方式とは異なり、積分波形が
直線状でない場合にも採用することができるが、試料の
発光と同時に溶媒の発熱反応が発生する場合には、溶媒
だけの発熱反応を予め測定しておき、それをベースとし
て補正を行う必要がある。通常、この発熱反応による信
号波形は直線状ではなく、また溶媒によっても波形が異
なるので予め測定しておく必要がある。なお、この補正
方式は、受光素子36aからの出力信号36sのレベル
がそれほど高くなく、増幅器が飽和する恐れがない場合
にのみ採用することができる。
【0080】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。
【0081】微弱光の測定においては、試料から得られ
た受光信号のレベルは極めて低いため、周辺からのノイ
ズが混入しやすく測定に悪影響を及ぼすことがある。上
記の各実施形態におけるバックグラウンド補正回路から
発生するノイズが受光信号に混入する恐れがあるので、
バックグラウンド補正回路を受光信号ライン付近から少
しでも離れた場所に配置し、かつ電気的に絶縁すること
がノイズ低減対策として有効である。
【0082】図16は、本発明の第5の実施形態におけ
るノイズ低減対策を施したバックグラウンド補正回路の
概要図である。
【0083】図16に示すように、このノイズ低減型バ
ックグラウンド補正回路50は、図11に示したバック
グラウンド補正回路27のポテンショメータ27bの電
圧出力を光に変換する発光素子51、発光素子51から
の光を受光して電気信号に変換する受光素子52、リセ
ットスイッチ53、および積分コンデンサ54を備えて
いる。
【0084】受光素子52から出力された信号はリセッ
トスイッチ53、積分コンデンサ54を経て補正信号5
7sとして差動増幅器38(図13参照)に入力され
る。
【0085】このように構成したノイズ低減型バックグ
ラウンド補正回路を用いることにより、バックグラウン
ド補正量可変回路と受光信号ラインとの間の電気的絶縁
を得ることができるのでノイズの軽減に有効である。そ
れとともに試料測定用の受光素子と同特性の受光素子を
このノイズ低減回路に用いることにより、受光素子の熱
ドリフト等がキャンセルされるという効果も期待でき
る。
【0086】次に、本発明の第6の実施形態について説
明する。
【0087】図17は、本発明の第6の実施形態におけ
るノイズ低減型バックグラウンド補正回路の概要図であ
る。
【0088】図17に示すように、このノイズ低減型バ
ックグラウンド補正回路60は、図11に示したバック
グラウンド補正回路27のポテンショメータ27bの電
圧出力を光に変換する発光素子61、発光素子61から
の光を搬送する光ファイバ62、光ファイバ62で搬送
されてきた光を発する発光端63、発光端63からの光
を受光して電気信号に変換する受光素子64、リセット
スイッチ65、および積分コンデンサ66を備えてい
る。
【0089】発光素子61から発せられた光を光ファイ
バ62を介して搬送し、発光端63からの光を受光素子
64で受光する。受光素子64から出力された信号はリ
セットスイッチ65、積分コンデンサ66を経て補正信
号67sとして差動増幅器38(図13参照)に入力さ
れる。
【0090】このノイズ低減型バックグラウンド補正回
路60を用いることにより、バックグラウンド補正回路
と受光信号ラインとを電気的に完全に絶縁することがで
きるので、上記第5の実施形態よりも更にノイズを軽減
することが可能である。
【0091】次に、本発明の第7の実施形態について説
明する。
【0092】図18は、本発明の第7の実施形態におけ
る光測定装置の一部を示す概略構成図である。
【0093】この第7の実施形態の光測定装置には、図
18に示すように、2つの測定試料セル91,92、お
よびこれら2つの測定試料セル91,92に複数の溶液
を混合して注入する送液駆動装置93が備えられてい
る。この2つの測定試料セル91,92のうち、一方の
測定試料セル91には微弱光を発する試料溶液を含んだ
溶液を注入し、測定試料セル91に対応する第1の受光
素子71により、微弱光を発する試料溶液から発せられ
る信号光と背景光との双方を受光するとともに、他方の
測定試料セル92には微弱光を発する試料溶液を含まな
いブランクの溶液を注入し、測定試料セル92に対応す
る第2の受光素子72により背景光のみを受光するよう
に構成されている。
【0094】受光部70では、これら2つの受光素子7
1,72から得られた各受光信号の差分の信号を演算す
ることにより、背景光の分が取り除かれた信号光のみを
取り出すことができる。なお、受光部70からの信号を
処理する背景信号生成部、差分器、表示装置その他の部
分は図1に示した光測定装置1と同様であるので、図1
8では図示省略してある。
【0095】図19は、本発明の第7の実施形態におけ
る受光部の回路図である。
【0096】図19に示すように、この受光部70に
は、背景光と信号光とを受光する第1の受光素子71、
および背景光のみを受光する第2の受光素子72が互い
に逆極性で並列に接続された状態で備えられており、こ
れら2つの受光素子71,72の受光信号から得られた
差分信号73が差動増幅器76に入力される。差動増幅
器76には、差分信号73とともにバックグラウンド補
正回路75からのバックグラウンド補正信号75sが入
力され、それらの差分信号77が出力される。バックグ
ラウンド補正回路75および差動増幅器76は、図10
に示した受光部26におけるバックグラウンド補正回路
27および第2の差分器28と同様のものである。ま
た、2つの受光素子71,72と並列に接続されたリセ
ット回路74は、図7に示したリセット回路6bと同様
のものである。
【0097】このように、2つの受光素子71,72の
受光信号から得られた差分信号73は、暗電流と背景光
による背景信号の成分がキャンセルされているので、1
つの受光素子を用いた受光部と比べて、本実施形態の受
光部70におけるバックグラウンド信号は、1/10〜
1/100に軽減されており、より高感度の光測定装置
を実現することができる。更に高感度を追求するため
に、2つの受光素子の暗電流のばらつきの差によるバッ
クグラウンド信号成分の補正を行うことも有効である。
【0098】次に、本発明の第8の実施形態について説
明する。
【0099】図20は、半導体受光素子の暗電流が温度
に依存して変化する様子を示すグラフである。
【0100】通常、半導体受光素子の暗電流は温度に依
存して変化する。例えば、図20に示す如く、半導体受
光素子の温度を50K、180K、200K、…、30
0Kというように上昇させるに従い、半導体受光素子の
暗電流のレベルは次第に増加する。そこで、本発明の第
8の実施形態では、半導体受光素子の温度を制御するこ
とにより2つの半導体受光素子間の暗電流のアンバラン
スを解消するようにしている。
【0101】なお、この第8の実施形態の光測定装置
も、第7の実施形態と同様、図18に示すように、2つ
の測定試料セル91,92、およびこれら2つの測定試
料セル91,92に複数の溶液を混合して注入する送液
駆動装置93が備えられており、これに対応して、受光
部80は、背景光と信号光とを受光する第1の受光素子
81と、背景光のみを受光する第2の受光素子82とを
備え、これら2つの受光素子81,82で得られた各受
光信号の差分の信号を出力するよう構成されている。
【0102】図21は、本発明の第8の実施形態におけ
る受光部の回路図である。
【0103】図21に示す受光部80には、背景光と信
号光とを受光する第1の半導体受光素子81、背景光の
みを受光する第2の半導体受光素子82、第1の半導体
受光素子81および第2の半導体受光素子82の温度を
それぞれ制御する吸・発熱素子83,84および温度制
御回路85,86、リセット回路87,88、および差
動増幅器89が備えられている。なお、本実施形態にお
ける差動増幅器89は、本発明にいう第2の差分器に相
当するものである。
【0104】半導体受光素子の温度を制御する発熱素子
として、電力消費による発熱体を用いてもよいし、吸・
発熱素子として、ペルチェ効果を使ったペルチェ素子を
用いてもよい。
【0105】このように構成したことにより、2つの半
導体受光素子81,82の温度を個別に制御することが
できるので、2つの半導体受光素子81,82間の暗電
流のアンバランスによる極微弱光の測定出力信号のアン
バランスが解消される。
【0106】以上説明した各実施形態には、受光素子と
して半導体受光素子を用いた例を示しているが、受光素
子は必ずしも半導体受光素子に限られるものではなく、
例えば光電子増倍管を用いても同様の効果を上げること
ができる。
【0107】なお、上記の各実施形態では、測定試料セ
ルに1つ又は複数の溶液を注入する方式の光測定装置に
ついて説明したが、このほかに、すでに測定試料セルに
入っている溶液に、新たに試薬を加える方式の光測定装
置についても本発明を適用することができる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光測定装
置によれば、微弱光を精度よく測定することのできる高
感度の光測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光測定装置の第1の実施形態を示す概
略構成図である。
【図2】第1の実施形態における積分信号の波形を示す
グラフである。
【図3】図2に示した測定結果に対し、溶液H22の濃
度を変えた場合の測定結果を示すグラフである。
【図4】一般的な積分器を用いて構成した受光部の回路
図である。
【図5】半導体受光素子を用いて構成した受光部の回路
図(a)および半導体受光素子の等価回路図(b)であ
る。
【図6】図5に示した半導体受光素子により得られる積
分信号の波形を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施形態における受光部、およ
び受光部周辺の回路図である。
【図8】本発明の第1の実施形態におけるタイムチャー
トである。
【図9】本発明の第1の実施形態による測定波形図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施形態における受光部の回
路図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の受光部に備えられ
たバックグラウンド補正回路の内部構造を示す回路図で
ある。
【図12】本発明の第2の実施形態におけるバックグラ
ウンド補正回路による補正結果の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態における受光部の回
路図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の受光部に備えられ
たバックグラウンド補正回路の回路図である。
【図15】本発明の第4の実施形態におけるバックグラ
ウンド補正回路の回路図である。
【図16】本発明の第5の実施形態におけるノイズ低減
対策を施したバックグラウンド補正回路の概要図であ
る。
【図17】本発明の第6の実施形態におけるノイズ低減
型バックグラウンド補正回路の概要図である。
【図18】本発明の第7の実施形態における光測定装置
の一部を示す概略構成図である。
【図19】本発明の第7の実施形態における受光部の回
路図である。
【図20】半導体受光素子の暗電流が温度に依存して変
化する様子を示すグラフである。
【図21】本発明の第8の実施形態における受光部の回
路図である。
【符号の説明】
1 光測定装置 2 測定試料セル 3 送液駆動装置 4 光 5 積分信号 6 受光部 6a 受光素子 6b リセット回路 6c 増幅器 7 背景信号生成部 8 差分器 9 差分信号 10 表示装置 11 暗箱 12 真空デュア 12a 光透過窓 13 試料溶液リザーバ 14 リセット信号発生部 15 リセット信号 16,17 ゲート回路 18 遅延回路 19 スタート信号入力装置 20 溶液注入信号 26 受光部 26a 受光素子 26b リセット回路 26s 積分信号 27 バックグラウンド補正回路 27a 定電圧電源 27b ポテンショメータ 27c 入力抵抗 27d リセットスイッチ 27e 積分コンデンサ 27f 積分器 27s バックグラウンド補正信号 28 差動増幅器 28s 出力信号 36 受光部 37 バックグラウンド補正回路 37a A/D変換器 37b CPU 37c D/A変換器 37d 入力抵抗 37e リセットスイッチ 37f 積分コンデンサ 37g 積分器 37s バックグラウンド補正信号 38 差動増幅器 38s 出力 47 バックグラウンド補正回路 47a A/D変換器 47b 補正波形メモリ 47c CPU 47d D/A変換器 50 ノイズ低減型バックグラウンド補正回路 51 発光素子 52 受光素子 53 リセットスイッチ 54 積分コンデンサ 57s 補正信号 60 ノイズ低減型バックグラウンド補正回路 61 発光素子 62 光ファイバ 63 発光端 64 受光素子 65 リセットスイッチ 66 積分コンデンサ 67s 補正信号 70 受光部 71,72 受光素子 73 差分信号 74 リセット回路 75 バックグラウンド補正回路 75s バックグラウンド補正信号 76 差動増幅器 77 差分信号 80 受光部 81,82 受光素子 83,84 吸・発熱素子 85,86 温度制御回路 87,88 リセット回路 89 差動増幅器 91,92 測定試料セル 93 送液駆動装置 100 受光部 101 受光素子 102 リセットスイッチ 103 積分コンデンサ 104 積分器 110 受光部 111 半導体受光素子 112 リセット回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 AA03 CA01 CB03 CB21 CB42 CD13 CD24 CD38 2G043 BA09 CA09 EA10 EA13 FA07 KA01 LA01 MA01 MA03 MA12 NA01 NA13 2G059 AA06 BB12 CC07 EE01 EE06 FF08 HH01 KK01 MM01 NN01 NN08 2G065 AA11 AB02 AB19 BA02 BA18 BA36 BA37 BB02 BC15 BC22 BC28 BC33 BC35 CA01 CA12 CA17 CA19 CA21 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の溶液注入信号を受けて溶液を測定
    試料セルに注入し、該測定試料セル内の混合溶液から発
    せられ該測定試料セルを透過した光を測定する光測定装
    置において、 前記測定試料セルを透過した光を受光して積分すること
    により積分信号を得る受光部と、 前記測定試料セルに溶液を注入する前の積分信号に代わ
    る背景信号を生成する背景信号生成部と、 前記測定試料セルに溶液を注入した後の積分信号と前記
    背景信号生成部により生成された背景信号との差分の信
    号を得る差分器とを備えたことを特徴とする光測定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記背景信号生成部が、前記測定試料セ
    ルに溶液を注入する前の積分信号を記憶しておき、記憶
    された積分信号を読み出すことにより背景信号を生成す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の光測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記受光部をリセットするリセット信号
    を所定周期で繰り返し発生するリセット信号発生部と、 所定のスタート信号の入力に応じて、前記リセット信号
    を前記溶液注入信号として通過させるゲート回路とを備
    えたことを特徴とする請求項1記載の光測定装置。
  4. 【請求項4】 前記ゲート回路の後段に、該ゲート回路
    から出力された信号を遅延させることにより、溶液注入
    のタイミングを遅延させる遅延回路を備えたことを特徴
    とする請求項3記載の光測定装置。
  5. 【請求項5】 前記測定試料セルに溶液を注入する前の
    前記受光部から出力される積分信号に代わるバックグラ
    ウンド補正信号を生成するバックグラウンド補正回路、
    および前記受光部と、前記背景信号生成部および前記差
    分器との間に配置され前記受光部から出力される積分信
    号と前記バックグラウンド補正回路から出力されるバッ
    クグラウンド補正信号との差分の信号を得る第2の差分
    器を備えたことを特徴とする請求項1記載の光測定装
    置。
  6. 【請求項6】 前記受光部が、背景光と信号光とを受光
    する第1の受光素子と、背景光のみを受光する第2の受
    光素子とを備え、これら2つの受光素子で得られた各受
    光信号の差分の信号を出力するものであることを特徴と
    する請求項1記載の光測定装置。
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