JP2000241353A - 溶液測定装置および溶液測定用容器 - Google Patents

溶液測定装置および溶液測定用容器

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JP2000241353A
JP2000241353A JP11039912A JP3991299A JP2000241353A JP 2000241353 A JP2000241353 A JP 2000241353A JP 11039912 A JP11039912 A JP 11039912A JP 3991299 A JP3991299 A JP 3991299A JP 2000241353 A JP2000241353 A JP 2000241353A
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correction
fluorescence intensity
unit
substance
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JP11039912A
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Koichi Kugimiya
公一 釘宮
Kimimasa Miyazaki
仁誠 宮崎
Hiroshi Nakayama
浩 中山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度、溶液の透明度、不純物の含有等の外乱
影響を総括して補正できる溶液測定装置を提供する。 【解決手段】 被測定溶液の一部を保持するための貯液
空間または多孔体と特定物質とを有する反応部、前記被
測定溶液の別の一部を保持するための貯液空間または多
孔体と補正用物質とを有する補正部、前記反応部および
前記補正部に前記被測定溶液を親液性および/または毛
細管現象により導入する導入部とを有する交換体1と、
前記反応部に保持された前記被測定溶液の特定成分の濃
度を、前記補正用物質が前記被測定溶液の前記別の一部
に溶解したまたは混合した補正部溶液の蛍光強度を用い
て、前記反応物の蛍光強度の値を補正し、前記特定成分
と前記特定物質との反応物の蛍光強度の値に基づいて測
定する溶液測定装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液中の特定成分
の濃度を、前記特定成分と特定物質との反応物の蛍光強
度の値に基づいて測定する溶液測定装置および溶液測定
用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶液中の特定成分を検出する方法、また
は、溶液中の特定成分の濃度を測定する方法としては、
覚醒剤の主成分であるメタンフェタミンが特定成分であ
る場合を例にとると、ガスクロマトグラフィ法、液体ク
ロマトグラフィ法、質量分析法、フロー式検出法、酵素
免疫測定法等が挙げられる。しかし、これらの方法は、
不純物の影響を受けやすい、高感度な特定成分の検出ま
たは濃度測定ができない等の問題を有している。
【0003】また、上記方法とは別の方法として、特定
成分と特定物質とを反応させて、その反応物の蛍光強度
の値に基づいて、特定成分の検出または濃度測定を行う
方法(以下、蛍光強度の値に基づく検出/測定方法と記
す。)がある。この方法を用いて、上記問題を解決する
ものとして、特願平5−88316号、特願平5−12
8757号、特願平5−153321号、特願平6−1
72437号に記載の装置が提案されている。これらの
装置は、蛍光強度の値に基づく検出/測定方法を用いる
ことにより、不純物の影響を排除でき、高感度な特定成
分の検出または濃度測定を実現している。
【0004】また、特願平10−329898号におい
ては、持ち運びできる程度に小型化でき、高感度な特定
成分の検出または濃度測定を実現する溶液測定装置が提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
10−329898号で提案された溶液測定装置におい
ては、計測されたデータに対する、温度、溶液の透明
度、不純物の含有等の外乱の影響に対する対策について
は、温度影響単独についての対策が提案されているのみ
であり、これらの外乱影響を総括して補正できる溶液測
定装置の実現が望まれていた。
【0006】本発明は、上述した従来の溶液測定装置の
課題を考慮し、温度、溶液の透明度、不純物の含有等の
外乱影響を総括して補正できる溶液測定装置および溶液
測定用容器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、第1の本発明(請求項1に記載の本発明に対応)
は、被測定溶液の一部を保持するための貯液空間または
多孔体と特定物質とを有する反応部と、前記被測定溶液
の別の一部を保持するための貯液空間または多孔体と補
正用物質とを有する補正部と、前記反応部および前記補
正部に前記被測定溶液を親液性および/または毛細管現
象により導入する導入部と、前記反応部に保持された前
記被測定溶液の特定成分の濃度を、前記特定成分と前記
特定物質との反応物の蛍光強度の値に基づいて測定する
測定手段とを備え、前記反応部および前記補正部が、そ
れぞれ、前記被測定溶液の導入に伴う空気の排出を行う
空気孔と、前記測定手段が前記蛍光強度を検出するため
の、実質的に透明な蛍光検出用領域とを有し、前記測定
手段が、前記補正用物質が前記被測定溶液の前記別の一
部に溶解したまたは混合した補正部溶液の蛍光強度を用
いて、前記反応物の蛍光強度の値を補正し、前記補正用
物質が、前記補正部溶液の蛍光強度が前記特定成分の濃
度により実質的に影響を受けないものであることを特徴
とする溶液測定装置である。
【0008】また、第2の本発明(請求項25に記載の
本発明に対応)は、被測定溶液の一部を保持するための
貯液空間または多孔体と特定物質とを有する反応部と、
前記被測定溶液の別の一部を保持するための貯液空間ま
たは多孔体と補正用物質とを有する補正部と、前記反応
部および前記補正部に前記被測定溶液を親液性および/
または毛細管現象により導入する導入部とを備え、前記
反応部および前記補正部が、それぞれ、前記被測定溶液
の導入に伴う空気の排出を行う空気孔と、前記測定手段
が前記蛍光強度を検出するための、実質的に透明な蛍光
検出用領域とを有し、前記補正用物質が、前記補正部溶
液の蛍光強度が前記特定成分の濃度により実質的に影響
を受けないものであることを特徴とする溶液測定用容器
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0010】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る溶液測定装置の全体構成図であり、図2は、本発明の
第1の実施の形態における溶液測定装置の交換体(溶液
測定用容器)の詳細を示す断面図および平面図である。
本実施の形態における溶液測定装置は、本発明の被測定
溶液として体液(血液、尿、汗等)を対象とし、本発明
の補正用物質として抗アスコルビン酸抗体およびアスコ
ルビン酸検出用抗原標識色素を用いて、本発明の特定成
分としてメタンフェタミンの濃度を測定する装置であ
る。なお、図2(a)は、交換体(溶液測定用容器)の
立面の断面図を、図2(b)は、交換体(溶液測定用容
器)の平面図を、図2(c)は、図2(a)のA−A’
断面の断面図を、それぞれ示すものである。
【0012】図1および図2に示すように、交換体1
は、多空隙体16の親液性により反応部11および補正
部22に被測定溶液である体液99をそれぞれ導入する
導入部12a、12bと、導入された体液99を保持す
るための貯液空間15a、および、体液99の導入に伴
う反応部11および導入部12a内の空気の排出を行う
空気孔14aを有する反応部11と、導入された体液9
9を保持するための貯液空間15b、および、体液99
の導入に伴う補正部22および導入部12b内の空気の
排出を行う空気孔14bを有する補正部22とで構成さ
れている。また、貯液空間15a内には、本発明の第1
の特定物質である抗メタンフェタミン抗体および本発明
の第2の特定物質であるメタンフェタミン検出用抗原標
識色素をそれぞれ粉末状態にして混合したものが特定物
質層13として予め収められており、貯液空間15b内
には、本発明の第1の補正用物質である抗アスコルビン
酸抗体および本発明の第2の補正用物質であるアスコル
ビン酸検出用抗原標識色素をそれぞれ粉末状態にして混
合したものが補正用物質層23として予め収められてい
る。また、貯液空間15aおよび導入部12aと、貯液
空間15bおよび導入部12bとを仕切る仕切壁24が
設けられている。この仕切壁24は、貯液空間15a内
の反応物100と貯液空間15b内の補正部溶液101
とが、互いに熱交換しやすいような構成であることが望
ましい。なお、交換体1は、装置本体10から取り外し
/置き換えが可能なものである。また、多空隙体16
は、例えば、紙、布等の親液性、浸潤性を有するもので
あり、導入部12の導入口付近に設置されており、図2
のように体液99を配置することによって、導入部12
a,12bが毛細管現象により、体液99が矢印の方向
に導入されるものであり、導入後は、交換体1から取り
外すことができるようになっている。なお、導入部12
a,12bは、毛細管現象を引き起こすものである代わ
りに、多空隙対6のように、たとえば、紙、布などの親
液性、浸潤性を有するものであってもよい。
【0013】図1において、照射部2aは、交換体1の
反応部11で生成された反応物100を照射して蛍光を
励起させるもの(例えばLED)であり、照射部2b
は、交換体1の補正部22(貯液空間15b)内に体液
99が導入されて補正物質層23が体液99に溶解する
ことによって得られる補正部溶液101を照射して蛍光
を励起させるもの(例えばLED)である。受光部3
a、3bは、それぞれ反応物100、補正部溶液101
からの、励起された蛍光を受光してその蛍光強度を検出
する受光センサーである。解析部4は、受光部3aで検
出された蛍光強度の値を、受光部3bで検出された蛍光
強度の値を用いて補正し、その補正値を記憶部5に記憶
されている基準蛍光強度(メタンフェタミン濃度が0の
ときの蛍光強度)の値と比較して、反応部11内の体液
99のメタンフェタミンの濃度を測定するものであり、
解析部4および記憶部5は、本発明の測定手段に対応す
るものである。記憶部5は、所定の状態(所定の温度、
所定の透明度等の条件;以下、「基準状態」と称す)で
の基準蛍光強度と、基準状態でのメタンフェタミンの濃
度に対する蛍光強度比の関係と、受光部3aで検出され
た蛍光強度の値を基準状態での値に補正するのに用いる
係数等とを記憶している。表示部6は、解析部4で測定
されたメタンフェタミンの濃度を表示するものであり、
本発明の表示手段に対応するものである。なお、照射部
2a、2b、受光部3a、3b、解析部4、記憶部5お
よび表示部6は、装置本体10内に収納配置されてお
り、表示部6の一部(表示パネル)は、外面に露出して
おり、表示するメタンフェタミンの濃度の値が外部から
視認できるようになっている。
【0014】交換体1を構成する部材のうち、少なくと
も、照射部2a、2bから発せられた照射光のうち反応
物100、補正部溶液101にそれぞれ入射する照射光
a1、a2を遮る位置にあるもの、および、励起された
蛍光のうち受光部3a、3bにそれぞれ入射する蛍光c
1、c2を遮る位置にあるものは、透明で光を透過する
ものを用いている。受光部3a、3bは、図1に示すよ
うに、それぞれ照射光a1、a2の反射光b1、b2に
よる影響を受けずに、反応物の蛍光c1、c2を受光で
きるような位置に配置されている。なお、図1の場合
は、受光部3a、3bは、交換体1に対して照射部2
a、2bと同じ側(上側)にあるため、反射光b1、b
2の影響を受けない配置とするが、反対側(下側)にあ
る場合は、それぞれ照射部2a、2bから発せられるす
べての照射光およびそれらの透過光(図示せず)の影響
を受けずに、反応物100または補正部溶液101の蛍
光を受光できるような位置に配置するものとする。ま
た、蛍光を透過する透明部は、受光部3a、3bが受光
する蛍光が所定の面積の領域(本発明の蛍光検出用領域
に対応)からのみ蛍光を受光できるように、前記所定の
面積の領域の周辺部がレーザーで焼かれているもしくは
黒く塗りつぶされている等の処理を施されることによっ
て、前記周辺部から出射しようとする蛍光を遮蔽してい
る。さらに、照射部2a、2bは、前記所定の面積の領
域およびその周辺部との境界部分を含む領域を、照射範
囲としており、これによって、確実に前記所定の面積の
領域全域に照射光が照射されるようになっている。この
所定の面積の領域をできるだけ広くとれるように、貯液
空間15a、15bをできるだけ広くかつ薄くすれば、
少量の体液で効率的な計測を行うことができる。なお、
透明でない被測定溶液を測定の対象とする場合、被測定
溶液自身が照射光a1、a2を遮蔽してしまう恐れがあ
るので、受光部3a、3bを交換体1に対してそれぞれ
照射部2a、2bと同じ側(上側)に配置する必要があ
る。
【0015】なお、受光部3a、3bが反応部11また
は補正部22内の一点からのそれぞれ蛍光c1、c2だ
けを計測するのではなく、反応部11、補正部22の前
記所定の面積の領域の複数点からの蛍光c1、c2をそ
れぞれ計測できるものであり、これら複数点での蛍光強
度の平均値を計測値として採用する構成(受光部3a、
3bが可動式である、もしくは、それぞれ複数の受光部
3a、3bを備える等)であれば、蛍光強度の計測精度
はより向上される。このときの照射部も前記複数点に照
射光Aを照射できる構成(照射部2a、2bが可動式で
ある、もしくは、それぞれ複数の照射部2a、2bを備
える等)とする必要がある。もちろん、照射部2a、2
bが前記所定の面積の領域全域を照射できるものであ
り、受光部3a、3bが前記所定の面積の領域全域の蛍
光強度を平均して計測できるような構成であってもよ
い。なお、本実施の形態においては、後述するように、
照射部2a、2bが照射する照射光の波長は同じであ
り、それによって励起される蛍光の波長(受光部3a、
3bが受光する光の波長)も同じであるので、照射部2
a、2bを兼用すること、および/または、受光部3
a、3bを兼用することも、可能である。
【0016】ここで、本実施の形態で用いる、メタンフ
ェタミンの濃度の測定原理ついて、説明する。抗体(抗
メタンフェタミン抗体)とその疑似抗原である抗原標識
色素を反応させると、抗体と抗原標識色素が結合するこ
とにより、抗原標識色素単独での蛍光色素よりも蛍光強
度が増加する。例えば、抗原標識色素が化1で表される
ものであり、抗体と抗原標識色素が結合したものに、6
00nmの波長の照射光で照射する場合、照射光によっ
て励起される蛍光の波長は660nmとなり、その蛍光
強度は、抗原標識色素単独での蛍光強度よりも、約45
%増加する。これにメタンフェタミンを加えると、抗原
標識色素より抗体に対するアフィニティーの高いメタン
フェタミンが、抗原標識色素と置換して抗体と結合す
る。そうなると、抗原標識色素は再び単独となり、その
蛍光強度が減少する。したがって、メタンフェタミンの
濃度に応じて、蛍光強度の減少量が決まるので、予めこ
の関係を調べておき、蛍光強度の減少量を測定すること
によって、メタンフェタミンの濃度を求めるものであ
る。なお、上記のように、本発明の特定成分(メタンフ
ェタミン)が本発明の第2の特定物質(抗原標識色素)
に優先して本発明の第1の特定物質(抗体)と結合反応
するものである場合は、特定物質層13として収められ
ている抗原標識色素の量は、特定物質層13として収め
られている抗体全てと結合反応する以上の量とする必要
がある。そうしないと、余った抗体が先にメタンフェタ
ミンと結合してしまうため、単独となるべき抗原標識色
素の全部または一部が抗体と結合したままとなってしま
い、期待される蛍光強度の減少が起こらなくなるからで
ある。
【0017】
【化1】
【0018】図3に、化1で表される抗原標識色素を用
いた場合の上記関係の一例を示す。図3において、横軸
は、被測定溶液中のメタンフェタミン濃度(%)であ
り、縦軸は、抗体と化1で表される抗原標識色素が結合
しているときの蛍光強度を100%としたとき、それぞ
れのメタンフェタミン濃度のメタンフェタミンが混入さ
れた場合での蛍光強度の比(蛍光強度比)を示すもので
ある。なお、上記関係は、温度条件等の変化に伴って、
変化するものである。すなわち、温度他の外乱による測
定値のバラツキに対する補正が必要となる。
【0019】本実施の形態における、上記温度他の外乱
による測定値のバラツキに対する補正の原理について説
明する。
【0020】メタンフェタミン、抗メタンフェタミン抗
体およびメタンフェタミン検出用抗原標識色素のよう
に、これらを混合した場合に、その混合物から発する蛍
光の蛍光強度が、メタンフェタミン濃度によって変化す
るものをまとめて、メタンフェタミン測定系と呼ぶこと
にすると、アスコルビン酸(ビタミンC)、抗アスコル
ビン酸抗体およびアスコルビン酸検出用抗原標識色素を
まとめて、アスコルビン酸測定系と呼ぶことができる。
アスコルビン酸測定系は、メタンフェタミン濃度により
実質的に影響を受けることがない上に、溶液の温度、透
明度等の外乱による影響特性が、メタンフェタミン測定
系に似ているため、本実施の形態においては、本発明の
補正用物質としてアスコルビン酸測定系を使用してい
る。
【0021】アスコルビン酸測定系において、例えば、
アスコルビン酸検出用抗原標識色素として、メタンフェ
タミン検出用抗原標識色素に対応する分子配置を有する
ものを用いる場合、抗アスコルビン酸抗体とアスコルビ
ン酸検出用抗原標識色素が結合したものに、600nm
の波長の照射光で照射すると、照射光によって励起され
る蛍光の波長は660nmとなり、その蛍光強度は、ア
スコルビン酸検出用抗原標識色素単独での蛍光強度より
も、約45%増加する。これにアスコルビン酸を加える
と、メタンフェタミン測定系と同様に、アスコルビン酸
検出用抗原標識色素より抗アスコルビン酸抗体に対する
アフィニティーの高いアスコルビン酸が、アスコルビン
酸検出用抗原標識色素と置換して抗アスコルビン酸抗体
と結合する。そうなると、アスコルビン酸検出用抗原標
識色素は再び単独となり、その蛍光強度が減少する。
【0022】ただし、本発明の補正用物質として、アス
コルビン酸測定系を用いる場合は、アスコルビン酸は必
要ではなく、少なくとも、抗アスコルビン酸抗体および
アスコルビン酸検出用抗原標識色素が補正用物質に含ま
れておればよい。すなわち、抗アスコルビン酸抗体とア
スコルビン酸検出用抗原標識色素のみが結合したときに
励起される蛍光の蛍光強度によって、メタンフェタミン
測定系から発する蛍光の蛍光強度の計測値を補正するも
のである。
【0023】アスコルビン酸が実質的に含まれていない
被測定溶液中のメタンフェタミン濃度を測定する場合、
このときの被測定溶液の状態(温度、透明度等の条
件、)を、前述した「基準状態」に対して、「測定状
態」と呼ぶことにする。被測定溶液中のメタンフェタミ
ンの濃度をdとし、所定量v1の基準状態の被測定溶液
が、所定量v2の抗メタンフェタミン抗体およびメタン
フェタミン検出用抗原標識色素メタンフェタミンと反応
したときに発する蛍光の蛍光強度を(Fm(d))st
a.、所定量v1の測定状態の被測定溶液が、所定量v2
の抗メタンフェタミン抗体およびメタンフェタミン検出
用抗原標識色素メタンフェタミンと反応したときに発す
る蛍光の蛍光強度を(Fm(d))act.、所定量v3の
基準状態の被測定溶液に所定量v4の抗アスコルビン酸
抗体およびアスコルビン酸検出用抗原標識色素が溶解し
たときに発する蛍光の蛍光強度を(Fa)sta.、所定量
v3の測定状態の被測定溶液に所定量v4の抗アスコル
ビン酸抗体およびアスコルビン酸検出用抗原標識色素が
溶解したときに発する蛍光の蛍光強度を(Fa)act.と
すると、これらの関係は、補正係数Cを用いて、数2の
ように表される。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、Cは、実際はメタンフェタミンの
濃度d等の関数であるが、溶液の温度、透明度等の外乱
による影響特性が、アスコルビン酸測定系とメタンフェ
タミン測定系とが似ているため、定数に近似することが
できる。したがって、予め、実験等により定数Cおよび
(Fa)sta.を求めておき、(Fm(d))act.および
(Fa)act.を測定して、これらの値を数2に代入する
ことによって、基準状態に補正された蛍光強度(Fm
(d))sta.を求めることができる。
【0026】また、アスコルビン酸の替わりに、ビタミ
ン類(ビタミンA〜K)、単糖類(例:グルコース)、
核酸類(グアニン、アデニン、チミン、シトシンな
ど)、アミノ酸類(例:グリシン、アラニンなど)を初
めとする低分子物質を用いた測定系も、アスコルビン酸
測定系と同様に、溶液の温度、透明度等の要因による影
響特性が似ているため、上記と同様に取り扱うことが可
能である。
【0027】次に、このような本実施の形態における溶
液測定装置を用いて体液中のメタンフェタミンの濃度を
測定する場合の、手順および本実施の形態における溶液
測定装置の動作を、図面を参照して説明する。
【0028】まず、装置本体10から取り外した状態の
交換体1の導入部12a、12bの導入口に取り付けら
れた多空隙体16上に被測定溶液である体液99を載せ
る。これによって、体液99の一部は多空隙体16の親
液性により反応部11の貯液空間15a内に導入され、
体液99の別の一部は補正部22の貯液空間15b内に
導入される。このとき、貯液空間15a、15bおよび
導入部12a、12b内の空気は、それぞれ空気孔14
a、14bから排出される。反応部11の貯液空間15
a内に体液99が導入され始めると、この体液に特定物
質層13が溶解して、抗メタンフェタミン抗体とメタン
フェタミンとの結合反応、抗メタンフェタミン抗体とメ
タンフェタミン検出用抗原標識色素との結合反応がそれ
ぞれ開始する。また、補正部22の貯液空間15b内に
体液99が導入され始めると、この体液に補正用物質層
23が溶解して、抗アスコルビン酸抗体とアスコルビン
酸検出用抗原標識色素が開始する。貯液空間15a、1
5bおよび導入部12a、12bが体液99で満たされ
ると、導入を終了し、多空隙体16に残っている体液9
9と特定物質層13とが反応しないように、多空隙体1
6を交換体1から取り外す。貯液空間15aおよび導入
部12a内の体液99は、特定物質層13と反応して反
応物100となる。また、貯液空間15bおよび導入部
12b内の体液99に、補正用物質層23が溶解したも
のが、補正部溶液101である。これらの反応、溶解を
促進させるために、交換体1に振動を与えるとしてもよ
い。なお、所定の量の体液99と特定物質層13とを反
応させ、所定の量の体液99に補正用物質層23を溶解
させなければならないため、体液99が導入部12a、
12bの導入口付近まで満たされた状態で導入を終了す
る必要がある。これを確実に確認するために、図4に示
すように、導入部12a、12bの導入口付近にそれぞ
れ電極17a、17bを、貯液空間15a、15bの導
入口側と反対側の端部にそれぞれ電極17c、17dを
配置して、電極17aと電極17cとの間の抵抗変化に
よって、体液99が貯液空間15aおよび導入部12a
内に行き渡ったことを、電極17bと電極17dとの間
の抵抗変化によって、体液99が貯液空間15bおよび
導入部12b内に行き渡ったことを、それぞれ検出する
としてもよい。
【0029】多空隙体16が取り外された交換体1を装
置本体10に装着する。具体的には、例えば、装置本体
10に設けられた交換体用の挿入口に交換体1を挿入す
ることによって装着する。交換体1が装着されると、照
射部2a、2bからそれぞれ照射光a1、a2が照射さ
れ、それによる蛍光c1、c2をそれぞれ受光部3a、
3bが受光して、それぞれの蛍光強度の値(Fm
(d))act.、(Fa)act.を計測する。蛍光強度の値
(Fm(d))act.、(Fa)act.の計測方法として
は、照射光a1、a2を照射しながら、それぞれ反応物
100、補正部溶液101の発する特定の波長(本実施
の形態においては、ともに660nm)のみを透過する
フィルターを付した受光部3a、3bによって、一定時
間計測した蛍光強度をそれぞれ(Fm(d))act.、
(Fa)act.とする。なお、この方法によらず、例え
ば、照射を終了した後一定時間計測した蛍光強度をそれ
ぞれ(Fm(d))act.、(Fa)act.としてもよい。
このとき、フィルターを用いずに、暗室状態にして計測
するとしてもよい。暗室状態にして計測する場合は、上
述したような受光部3a、3bが、それぞれ、照射光a
1、a2の反射光b1、b2または透過光による影響を
受けずに、反応物の蛍光c1、c2を受光できるような
位置に配置されている必要はない。
【0030】(Fm(d))act.、(Fa)act.が計測
されると、解析部4は、計測された(Fm(d))act.
および(Fa)act.と、記憶部5に予め記憶されている
(Fa)sta.およびCとを、数2を変形して得られる数
3に代入して、基準状態に補正された蛍光強度(Fm
(d))sta.を求める。
【0031】
【数3】
【0032】(Fm(d))sta.が求まると、記憶部5
に予め記憶されている、基準状態での基準蛍光強度(F
m(0))sta.を用いて、(Fm(d))sta.と(Fm
(0))sta.との比である蛍光強度比(Fm(d))st
a./(Fm(0))sta.を求め、この蛍光強度比(Fm
(d))sta./(Fm(0))sta.に対応するメタンフ
ェタミン濃度dを、予め記憶部5に記憶されている、基
準状態でのメタンフェタミン濃度と蛍光強度比の関係
(例えば、図3)から求めて、これを測定値として、表
示部6に表示させるものである。このとき、基準蛍光強
度の値(Fm(0))sta.は、体液の替わりに、基準状
態の水を反応部11に導入したときに計測された蛍光強
度の値である。
【0033】以上の手順および本実施の形態における溶
液測定装置の動作によって、被測定溶液である体液中の
メタンフェタミンの濃度の測定が完了する。
【0034】以上説明したところから明らかなように、
本実施の形態における溶液測定装置および溶液測定用容
器は、交換体1が反応部11に被測定溶液を親液性によ
り導入するものであるため、ポンプ等の大がかりな設備
を必要としないので、交換体1をコンパクトにすること
ができるとともに、これに応じて、装置本体10につい
ても、手軽に持ち運びできる程度に小型化が図れること
に加えて、温度、溶液の透明度、不純物の含有等の外乱
影響を総括して補正できる。また、被測定溶液の特定成
分の濃度を、特定成分と特定物質との反応物の蛍光強度
の値に基づいて測定するため、高感度な特定成分の検出
または濃度測定を実現できる。また、交換体1が取り外
し/置き換え式になっていることにより、一測定に一交
換体を使用して、使い捨てとすることも可能となる。
【0035】なお、本実施の形態においては、本発明の
特定物質は、反応部11の貯液空間15内に収められて
いるとして説明したが、これに限るものではなく、反応
部11内に多孔体が配置されており、これに特定物質が
収められているとしてもよい。なお、このときの反応は
多孔体内でも行われるものとする。
【0036】また、本実施の形態においては、本発明の
特定物質、本発明の補正用物質は、それぞれ、反応部1
1の貯液空間15a内、補正部22の貯液空間15b内
に粉末状態で収められているとして説明したが、これに
限るものではなく、固体状態で収められているとしても
よい。
【0037】また、本実施の形態においては、貯液空間
15a、15bおよび導入部12a、12bが体液99
で満たされると、導入を終了し、多空隙体16に残って
いる体液99と特定物質層13とが反応しないように、
多空隙体16を交換体1から取り外すとして説明した
が、これに限るものではなく、例えば、導入部12a、
12bの導入口付近において導入部12a、12bと多
空隙体16とを仕切るとしてもよい。
【0038】なお、本実施の形態における溶液測定装置
は、本発明の被測定溶液として体液(血液、尿、汗等)
を対象として、本発明の特定成分としてメタンフェタミ
ンの濃度を測定する装置であるとして説明したが、これ
に限るものではなく、例えば、被測定溶液としては粉末
サンプルの水溶液であってもよいし、特定成分はコカイ
ンであってもよい。特定成分がコカインの場合の一例と
して、本発明の第1の特定物質として抗コカイン抗体
を、本発明の第2の特定物質として化2で表される抗原
標識色素を用いる場合が挙げられる。この場合の照射光
の波長は、530nm、照射光によって励起される蛍光
の波長は、590nmとなる。この場合も、メタンフェ
タミン濃度の測定と同様に、本発明の補正用物質とし
て、ビタミン類(ビタミンA〜K)、単糖類(例:グル
コース)、核酸類(グアニン、アデニン、チミン、シト
シンなど)、アミノ酸類(例:グリシン、アラニンな
ど)を初めとする低分子物質を用いた測定系を用いる
と、これらの測定系は、コカイン測定系に、溶液の温
度、透明度等の要因による影響特性が似ているため、本
実施の形態の場合と同様に取り扱うことが可能である。
【0039】
【化2】
【0040】また、本実施の形態における溶液測定装置
は、本発明の表示手段を備えるとして説明したが、これ
に限るものではなく、例えば、解析部が直接、別の装置
へ測定結果を出力するものであってもよい。
【0041】また、本実施の形態においては、本発明の
特定物質は、本発明の第1の特定物質および第2の特定
物質であるとして説明したが、これに限るものではな
く、例えば、単一の特定物質であり、本発明の特定成分
との反応物の蛍光強度の値から、直接、特定成分の濃度
を算定できるようなものであってもよい。同様に、本発
明の補正用物質も、単一の補正用物質であり、本発明の
被測定溶液に溶解または混合して蛍光を発するものであ
ってもよい。
【0042】また、本実施の形態においては、本発明の
反応部、補正部および導入部は、一体で構成され、装置
本体から取り外し/置き換えが可能な交換体であるとし
て説明したが、これに限るものではなく、一測定に一交
換体を使用して使い捨てとすることを必要としない場合
は、装置本体に固定としてもよい。
【0043】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なる点は、本発明の溶
液測定装置が被測定溶液中の複数の特定成分の濃度を測
定するものであることに関する点である。したがって、
本実施の形態において、特に説明のないものについて
は、第1の実施の形態と同じとし、第1の実施の形態と
同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、
第1の実施の形態と同様の機能を持つものとする。ま
た、第1の実施の形態において説明した各変形例につい
ても、特にことわらない限り、同様の変形を行うことに
よって、本実施の形態に適用されるものとする。
【0044】図5は、本発明の第2の実施の形態におけ
る溶液測定装置の全体構成図である。本実施の形態にお
ける溶液測定装置は、本発明の被測定溶液として体液
(血液、尿、汗等)を対象として、本発明の特定成分と
してメタンフェタミンの濃度およびコカインの濃度を測
定する装置である。
【0045】なお、図5に示す本実施の形態における溶
液測定装置の交換体61は、図2で示した第1の実施の
形態における交換体1の反応部11、補正部22の導入
部12a、12bと反対側の端部に、その交換体がメタ
ンフェタミン用のものであるのか、コカイン用のもので
あるのかを示す識別子を備えていること、および、コカ
イン濃度測定用の交換体の場合は、特定物質層(図2の
特定物質層13に対応)が抗コカイン抗体および化2で
示したコカイン検出用抗原標識色素をそれぞれ粉末状態
にして混合したものであり、補正用物質層(図2の補正
用物質層23に対応)が抗アスコルビン酸抗体およびコ
カイン検出用抗原標識色素に対応する分子配置を有する
アスコルビン酸検出用抗原標識色素をそれぞれ粉末状態
にして混合したものであること以外は、交換体1と同じ
ものであるので、交換体の詳細についての図示および識
別子以外の説明を省略する。交換体61が備えている識
別子は、例えば、バーコード等の光学的手段によるも
の、磁気テープ等の磁気的手段によるもの、機械的な切
り欠き等の機械的手段によるものが挙げられ、後述する
識別子読取手段69は、これらの手段に対応して識別情
報を読み取れるものである。
【0046】図5において、照射部62a、62bは、
図1で示した照射部2と同じものであり、受光部63
a、63bは、図1で示した受光部3a、3bと同じも
のである。ただし、受光部63a、63bはそれぞれ、
メタンフェタミン濃度測定時に励起される波長660n
mのみを透過するフィルターと、コカイン濃度測定時に
励起される波長590nmのみを透過するフィルターと
を切り替えて使用できる切替フィルター68a、68b
によって、いずれかの波長のみの蛍光c1、c2を受光
できるようになっている。識別子読取手段69は、交換
体61の識別子を読み取って、解析部64へ出力するも
のである。解析部64は、識別子読取手段69によって
読み取られた交換体61の識別子に応じて切替フィルタ
ー68a、68bを切り替えて、受光部63aで検出さ
れた蛍光強度の値を、受光部63bで検出された蛍光強
度の値を用いて補正し、その補正値を記憶部65に記憶
されている基準蛍光強度(メタンフェタミン濃度および
コカイン濃度が0のときの蛍光強度)の値と比較して、
反応部内の体液99のメタンフェタミンの濃度を測定す
るものであり、解析部64および記憶部65は、本発明
の測定手段に対応するものである。記憶部65は、基準
状態での基準蛍光強度と、基準状態でのメタンフェタミ
ンまたはコカインの濃度に対する蛍光強度比の関係と、
受光部63aで検出された蛍光強度の値を基準状態での
値に補正するのに用いる係数等とを、メタンフェタミ
ン、コカイン毎に記憶している。表示部66は、解析部
64で測定されたメタンフェタミンまたはコカインの濃
度を表示するものであり、本発明の表示手段に対応する
ものである。なお、照射部62a、62b、受光部63
a、63b、解析部64、記憶部65、表示部66、切
替フィルター68a、68bおよび識別子読取手段69
は、装置本体70内に収納配置されており、表示部66
の一部(表示パネル)は、外面に露出しており、表示す
るメタンフェタミンまたはコカインの濃度の値が外部か
ら視認できるようになっている。
【0047】なお、切替フィルター68a、68bを備
えずに、波長660nmのみを透過するフィルターを有
する第1の受光部と、波長590nmのみを透過するフ
ィルターを有する第2の受光部とを備え、解析部64
は、識別子読取手段69によって読み取られた交換体6
1の識別子に応じて第1の受光部と第2の受光部とを切
り替えて使用するとしてもよい。また、照射部62a、
62bは、発する照射光が波長600nmおよび波長5
30nmの光を含んでおりさえすればよいが、他の波長
の影響を排除してより精度の高い測定を行うことが要求
される場合は、受光部63a、63bと同様に、波長6
00nmのみを透過するフィルターと、波長530nm
のみを透過するフィルターとを切り替えて使用できる切
替フィルターによって、または、波長600nmのみを
透過するフィルターを有する第1の照射部と、波長53
0nmのみを透過するフィルターを有する第2の照射部
とを備えることによって、いずれかの波長のみの照射光
a1、a2を照射できるようにしてもよい。
【0048】次に、このような本実施の形態における溶
液測定装置を用いて体液中のメタンフェタミンまたはコ
カインの濃度を測定する場合の、手順および本実施の形
態における溶液測定装置の動作を、図面を参照して説明
する。
【0049】被測定溶液である体液99を交換体61の
反応部および補正部に導入して、反応物100および補
正部溶液101を生成するまでの手順は、第1の実施の
形態において説明した手順と同じである。
【0050】多空隙体が取り外された交換体61を装置
本体70に装着する。具体的には、例えば、装置本体7
0に設けられた交換体用の挿入口に交換体61を挿入す
ることによって装着する。交換体61が装着されると、
識別子読取手段69は、交換体61の識別子を読み取
り、解析部64へ出力する。解析部64は、読み取られ
た識別子により、装着された交換体61がメタンフェタ
ミン用のものであるのか、コカイン用のものであるのか
を特定し、これに応じて、切替フィルター68a、68
bを切り替える。照射部62a、62bからそれぞれ照
射光a1、a2が照射され、それによる蛍光c1、c2
をそれぞれ受光部63a、63bが受光して、それぞれ
の蛍光強度の値(Fm(d))act.、(Fa)act.を、
第1の実施の形態で説明したのと同様の方法で、計測す
る。
【0051】(Fm(d))act.、(Fa)act.が計測
されると、解析部64は、交換体61がメタンフェタミ
ン用のものであるのか、コカイン用のものであるのかに
応じて、計測された(Fm(d))act.、(Fa)act.
と、記憶部65に予め記憶されている、メタンフェタミ
ンまたはコカインに対応する(Fa)sta.およびCと
を、第1の実施の形態において説明した数3に代入し
て、基準状態に補正された蛍光強度(Fm(d))sta.
を求める。
【0052】(Fm(d))sta.が求まると、記憶部6
5に予め記憶されている、メタンフェタミンまたはコカ
インに対応する基準状態での基準蛍光強度(Fm
(0))sta.を用いて、(Fm(d))sta.と(Fm
(0))sta.との比である蛍光強度比(Fm(d))st
a./(Fm(0))sta.を求め、この蛍光強度比(Fm
(d))sta./(Fm(0))sta.に対応するメタンフ
ェタミンまたはコカインの濃度dを、予め記憶部65に
記憶されている、基準状態でのメタンフェタミン濃度ま
たはコカイン濃度と蛍光強度比の関係(例えば、図3)
から求めて、これを測定値として、表示部66に表示さ
せるものである。このとき、基準蛍光強度の値(Fm
(0))sta.は、体液の替わりに、基準状態の水を反応
部11に導入したときに計測された、メタンフェタミン
測定用の波長(660nm)またはコカイン測定用の波
長(590nm)の蛍光強度の値である。
【0053】以上の手順および本実施の形態における溶
液測定装置の動作によって、被測定溶液である体液中の
メタンフェタミンの濃度またはコカインの濃度の測定が
完了する。
【0054】本実施の形態においては、第1の実施の形
態の効果に加えて、1台の装置本体で複数の特定成分の
濃度を測定できるという効果が得られる。
【0055】なお、本実施の形態のように、交換体毎に
対応する特定成分を変える方法は、本発明の反応部、補
正部および導入部が、一体で構成され、装置本体から取
り外し/置き換えが可能な交換体である場合にのみ適用
できる。
【0056】なお、本実施の形態においては、メタンフ
ェタミンの濃度およびコカインの濃度を測定するため
に、交換体毎に対応する特定成分を変える例を説明した
が、本実施の形態における交換体61の特定物質層を、
抗メタンフェタミン抗体、メタンフェタミン検出用抗原
標識色素、抗コカイン抗体およびコカイン検出用抗原標
識色素をそれぞれ粉末状態にして混合したもの、また
は、塗り分け等により互いに分離された状態のものと
し、交換体61の補正用物質層を、例えば、抗アスコル
ビン酸抗体、メタンフェタミン検出用抗原標識色素に対
応する分子配置を有するアスコルビン酸検出用抗原標識
色素およびコカイン検出用抗原標識色素に対応する分子
配置を有するアスコルビン酸検出用抗原標識色素をそれ
ぞれ粉末状態にして混合したもの、または、塗り分け等
により互いに分離された状態のものとすることにより
(以下、このような交換体を「兼用交換体」と称す)、
複数の特定成分の濃度を1つの交換体で測定することが
できる。このときの手順および本実施の形態における溶
液測定装置の動作について、以下に説明する。なお、交
換体毎に対応する特定成分を変える例で説明したのと同
じものについては、説明を省略する。
【0057】兼用交換体を装置本体70に装着するまで
の手順は、交換体毎に対応する特定成分を変える例と同
じである。
【0058】兼用交換体が装着されると、識別子読取手
段69は、兼用交換体の識別子を読み取り、解析部64
へ出力する。兼用交換体の識別子は、兼用であることを
示すものであってもよいし、識別子がないことにより識
別子読取手段69が兼用交換体であることを判断しても
よい。解析部64は、読み取られた識別子により、兼用
交換体であることを判断し、これに応じて、切替フィル
ター68a、68bを切り替えて、最初にメタンフェタ
ミン濃度またはコカイン濃度のいずれかを測定する。測
定が終了した後、切替フィルター68a、68bを切り
替えて、残りの一方の濃度を測定する。各々の濃度の測
定方法の詳細は、交換体毎に対応する特定成分を変える
例と同じである。
【0059】以上のように、兼用交換体を用いることに
より、1回の被測定溶液の採取で、メタンフェタミン濃
度およびコカイン濃度を測定することができる。
【0060】なお、上記において、兼用交換体のみを用
いる場合は、図5の装置の構成において、識別子読取手
段69は不要となり、手順としては、常に、最初にメタ
ンフェタミン濃度またはコカイン濃度のいずれかを測定
し、測定が終了した後、切替フィルター68a、68b
を切り替えて、残りの一方の濃度を測定することにな
る。この場合、本発明の反応部、補正部および導入部
が、一体で構成され、装置本体から取り外し/置き換え
が可能な交換体である必要はなく、一測定に一兼用交換
体を使用して使い捨てとすることを必要としない場合
は、装置本体に固定としてもよい。
【0061】なお、本実施の形態における溶液測定装置
およびその変形例は、本発明の複数の特定成分として、
メタンフェタミンおよびコカインの2つの特定成分を対
象とするとして説明したが、これに限るものではなく、
例えば、3つ以上の特定成分を対象とするものであると
してもよい。この場合、切替フィルターは、各特定成分
に対応する波長のみを透過するフィルターを持つ必要が
あり、記憶部65は、特定成分毎の、基準状態での基準
蛍光強度と、基準状態での特定成分の濃度に対する蛍光
強度比の関係と、検出された蛍光強度の値を基準状態で
の値に補正するのに用いる係数等とを記憶しておく必要
がある。
【0062】なお、上述した第1、第2の実施の形態お
よびそれらの変形例においては、本発明の導入部は、多
空隙体16の親液性及び導入部自体の毛細管現象または
親液性により導入するとして説明したが、多空隙体16
を省略した構成であってもよい。要するに、本発明の溶
液測定装置は、被測定溶液の一部を保持するための貯液
空間または多孔体と特定物質とを有する反応部と、前記
被測定溶液の別の一部を保持するための貯液空間または
多孔体と補正用物質とを有する補正部と、前記反応部お
よび前記補正部に前記被測定溶液を親液性および/また
は毛細管現象により導入する導入部と、前記反応部に保
持された前記被測定溶液の特定成分の濃度を、前記特定
成分と前記特定物質との反応物の蛍光強度の値に基づい
て測定する測定手段とを備え、前記反応部および前記補
正部が、それぞれ、前記被測定溶液の導入に伴う空気の
排出を行う空気孔と、前記測定手段が前記蛍光強度を検
出するための、実質的に透明な蛍光検出用領域とを有
し、前記測定手段が、前記補正用物質が前記被測定溶液
の前記別の一部に溶解したまたは混合した補正部溶液の
蛍光強度を用いて、前記反応物の蛍光強度の値を補正
し、前記補正用物質が、前記補正部溶液の蛍光強度が前
記特定成分の濃度により実質的に影響を受けないもので
ありさえすればよい。また、本発明の溶液測定用容器
は、被測定溶液の一部を保持するための貯液空間または
多孔体と特定物質とを有する反応部と、前記被測定溶液
の別の一部を保持するための貯液空間または多孔体と補
正用物質とを有する補正部と、前記反応部および前記補
正部に前記被測定溶液を親液性および/または毛細管現
象により導入する導入部とを備え、前記反応部および前
記補正部が、それぞれ、前記被測定溶液の導入に伴う空
気の排出を行う空気孔と、前記測定手段が前記蛍光強度
を検出するための、実質的に透明な蛍光検出用領域とを
有し、前記補正用物質が、前記補正部溶液の蛍光強度が
前記特定成分の濃度により実質的に影響を受けないもの
でありさえすればよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、温度、溶液の透明度、不純物の含有等の
外乱影響を総括して補正できる溶液測定装置および溶液
測定用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における溶液測定装
置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における溶液測定装
置の交換体(溶液測定用容器)の詳細を示す断面図およ
び平面図である。
【図3】メタンフェタミンの濃度と蛍光強度比との関係
を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における溶液測定装
置の交換体の変形例の詳細を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における溶液測定装
置の全体構成図である。
【符号の説明】
1、61 交換体 2a、2b、62 照射部 3a、3b、63 受光部 4、64 解析部 5、65 記憶部 6、66 表示部 10、70 装置本体 11 反応部 12a、12b 導入部 13 特定物質層 14a、14b 空気孔 15a、15b 貯液空間 16 多空隙体 17a、17b、17c、17d 電極 22 補正部 23 補正物質層 24 仕切壁 68a、68b 切替フィルター 69 識別子読取手段 99 体液 100 反応物 101 補正部溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/07 G01N 27/07 2G060 31/22 121 31/22 121F (72)発明者 中山 浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD20 CA10 CB03 DA09 FA20 2G043 AA01 BA16 CA03 DA02 EA01 FA07 GA02 GA03 GA06 GA21 JA01 2G054 AA07 AB04 CA30 CE10 EA03 EB05 FA06 FA19 FA32 FB02 FB03 JA04 JA05 JA08 2G057 AA04 AB01 BA01 2G059 AA01 BB12 CC12 CC16 DD03 EE07 HH02 JJ02 MM10 2G060 AA07 AC02 AE17 AF07 KA07

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定溶液の一部を保持するための貯液
    空間または多孔体と特定物質とを有する反応部と、前記
    被測定溶液の別の一部を保持するための貯液空間または
    多孔体と補正用物質とを有する補正部と、前記反応部お
    よび前記補正部に前記被測定溶液を親液性および/また
    は毛細管現象により導入する導入部と、前記反応部に保
    持された前記被測定溶液の特定成分の濃度を、前記特定
    成分と前記特定物質との反応物の蛍光強度の値に基づい
    て測定する測定手段とを備え、前記反応部および前記補
    正部は、それぞれ、前記被測定溶液の導入に伴う空気の
    排出を行う空気孔と、前記測定手段が前記蛍光強度を検
    出するための、実質的に透明な蛍光検出用領域とを有
    し、前記測定手段は、前記補正用物質が前記被測定溶液
    の前記別の一部に溶解したまたは混合した補正部溶液の
    蛍光強度を用いて、前記反応物の蛍光強度の値を補正
    し、前記補正用物質は、前記補正部溶液の蛍光強度が前
    記特定成分の濃度により実質的に影響を受けないもので
    あることを特徴とする溶液測定装置。
  2. 【請求項2】 前記反応部および前記補正部は、互いに
    隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記
    載の溶液測定装置。
  3. 【請求項3】 前記蛍光検出用領域は、その周辺部が前
    記反応部および前記補正部から発生する蛍光を遮蔽する
    ことによって、所定の面積に相当する領域からのみ前記
    蛍光を出射させるものであることを特徴とする請求項1
    または2に記載の溶液測定装置。
  4. 【請求項4】 前記導入部の導入側の端部と前記反応部
    の前記導入側と反対側の端部にそれぞれ配置された電極
    と、前記電極間の抵抗変化によって、前記被測定溶液が
    前記反応部内に行き渡ったことを検出する検出手段とを
    備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の溶液測定装置。
  5. 【請求項5】 前記測定手段は、前記反応物および前記
    補正部溶液に、それぞれ、所定の波長の照射光を照射す
    ることによって、前記反応物および前記補正部溶液に蛍
    光を励起させる照射部と、前記蛍光を受光する受光部と
    を有し、前記受光部が受光した前記蛍光の強度にしたが
    って前記蛍光強度を計測することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の溶液測定装置。
  6. 【請求項6】 前記受光部は、前記照射光、前記照射光
    の透過光および前記照射光の反射光が入射しないように
    配置されていることを特徴とする請求項5に記載の溶液
    測定装置。
  7. 【請求項7】 前記蛍光検出用領域は、前記照射光によ
    って照射される範囲に含まれており、前記照射部は、前
    記蛍光検出用領域を介して前記反応物および前記補正部
    溶液に前記照射光を照射することを特徴とする請求項5
    または6に記載の溶液測定装置。
  8. 【請求項8】 前記受光部は、前記反応部に保持された
    前記被測定溶液の液面に対して前記照射部と反対側にあ
    る第1の受光部と、前記液面に対して前記照射部と同じ
    側にある第2の受光部とを有し、前記第1の受光部と前
    記第2の受光部とは、切り替えられて使用され、前記被
    測定溶液の透明度が所定の値より低くなった場合、前記
    第2の受光部に切り替えられて使用されることを特徴と
    する請求項5〜7のいずれかに記載の溶液測定装置。
  9. 【請求項9】 前記測定手段による前記特定成分の濃度
    の測定結果を表示する表示手段を備えることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の溶液測定装置。
  10. 【請求項10】 前記測定手段は、所定の条件での前記
    反応物の蛍光強度と前記特定成分の濃度との関係である
    蛍光強度−濃度関係をあらかじめ記憶しておく記憶部を
    有し、前記反応物の蛍光強度を計測し、その値を、前記
    補正部溶液の蛍光強度の値を用いて、前記所定の条件で
    の値に補正して、前記蛍光強度−濃度関係にしたがっ
    て、前記特定成分の濃度の測定値を決定することを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶液測定装置。
  11. 【請求項11】 前記特定物質は、第1の特定物質およ
    び第2の特定物質であり、前記第1の特定物質および前
    記第2の特定物質は、混合された状態で、反応した状態
    で、または、互いに分離された状態で前記反応部に収め
    られており、前記補正用物質は、第1の補正用物質およ
    び第2の補正用物質を含むものであり、前記第1の補正
    用物質および前記第2の補正用物質は、混合された状態
    で、反応した状態で、または、互いに分離された状態で
    前記補正部に収められていることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれかに記載の溶液測定装置。
  12. 【請求項12】 前記特定成分が前記第2の特定物質に
    優先して前記第1の特定物質と結合反応するものである
    場合、前記反応部に収められている第2の特定物質の量
    は、前記反応部に収められている前記第1の特定物質全
    てと結合反応する以上の量であることを特徴とする請求
    項11に記載の溶液測定装置。
  13. 【請求項13】 前記特定成分は、メタンフェタミンま
    たはコカインであり、前記第1の特定物質は、抗メタン
    フェタミン抗体または抗コカイン抗体であり、前記第2
    の特定物質は、前記特定成分に対応する抗原標識色素で
    あり、前記第1の補正用物質は、低分子物質に対応する
    抗体であり、前記第2の補正用物質は、前記低分子物質
    に対応する抗原標識色素であることを特徴とする請求項
    11または12に記載の溶液測定装置。
  14. 【請求項14】 前記低分子物質は、ビタミン類、単糖
    類、核酸類、または、アミノ酸類であることを特徴とす
    る請求項13に記載の溶液測定装置。
  15. 【請求項15】 前記低分子物質は、前記被測定溶液と
    して想定される溶液には、実質的には、含まれていない
    ものであることを特徴とする請求項13または14に記
    載の溶液測定装置。
  16. 【請求項16】 前記反応物の蛍光強度と、前記第1の
    特定物質を前記第2の特定物質と反応させたときの蛍光
    強度である基準蛍光強度との比を蛍光強度比とすると、
    前記測定手段は、所定の条件での前記蛍光強度比と前記
    特定成分の濃度との関係である蛍光強度比−濃度関係お
    よび前記所定の条件での前記基準蛍光強度の値をあらか
    じめ記憶しておく記憶部を有し、前記蛍光強度を計測
    し、その値を、前記補正部溶液の蛍光強度の値を用い
    て、前記所定の条件での値に補正したものから前記蛍光
    強度比を求め、前記蛍光強度比−濃度関係にしたがっ
    て、前記特定成分の濃度の測定値を決定することを特徴
    とする請求項11〜15のいずれかに記載の溶液測定装
    置。
  17. 【請求項17】 前記測定手段は、前記計測された前記
    反応物の蛍光強度の値(Fm)act.、前記補正部溶液の
    蛍光強度の計測値を(Fa)act.、前記所定の条件の溶
    液を前記補正部に導入したときに計測された蛍光強度の
    値(Fa)sta.、および、補正係数Cを用いて、数1に
    より、前記反応物の蛍光強度の補正値(Fm)sta.を求
    め、 【数1】 前記記憶部は、前記(Fa)sta.、前記(Fm)sta.お
    よび前記Cをあらかじめ記憶していることを特徴とする
    請求項10または16に記載の溶液測定装置。
  18. 【請求項18】 前記被測定溶液中の複数の前記特定成
    分の濃度を測定する前記溶液測定装置であって、前記反
    応部は、前記特定成分毎に対応する前記特定物質を有
    し、前記補正部は、前記特定成分毎に対応する前記補正
    用物質を有し、前記測定手段は、前記各特定成分の濃度
    を、前記特定成分毎に対応する前記反応物の前記蛍光強
    度の計測値を、前記補正部溶液の前記特定成分毎に対応
    する前記蛍光強度を用いて、前記反応物の蛍光強度の値
    を補正し、その補正値に基づいて測定することを特徴と
    する請求項1〜17のいずれかに記載の溶液測定装置。
  19. 【請求項19】 前記各特定物質は、混合された状態
    で、または、互いに分離された状態で前記反応部に収め
    られていることを特徴とする請求項18に記載の溶液測
    定装置。
  20. 【請求項20】 前記各補正用物質は、混合された状態
    で、または、互いに分離された状態で前記補正部に収め
    られていることを特徴とする請求項18または19に記
    載の溶液測定装置。
  21. 【請求項21】 前記測定手段は、前記特定成分毎およ
    び前記補正用物質毎に対応する、前記複数の前記受光部
    を有することを特徴とする請求項18〜20のいずれか
    に記載の溶液測定装置。
  22. 【請求項22】 前記測定手段が前記照射部および前記
    受光部を有する場合、前記受光部は、前記照射光により
    前記特定成分毎におよび前記補正用物質毎励起される特
    定の波長の前記蛍光を透過する受光部用フィルターを前
    記特定成分毎および前記補正用物質毎に有し、前記測定
    手段は、測定しようとする前記特定成分または前記補正
    用物質に応じて、前記受光部用フィルターをそれぞれ切
    り替えて使用することを特徴とする請求項18〜20の
    いずれかに記載の溶液測定装置。
  23. 【請求項23】 前記反応部、前記補正部および前記導
    入部は、一体で構成され、装置本体から取り外し/置き
    換えが可能な交換体であることを特徴とする請求項1〜
    22のいずれかに記載の溶液測定装置。
  24. 【請求項24】 前記被測定溶液中の複数の前記特定成
    分の濃度を測定する前記溶液測定装置であって、前記交
    換体は、1つの前記特定成分のみに対応するものであ
    り、前記測定手段が前記1つの特定成分を識別するため
    の識別子を有しており、前記測定手段は、前記識別子を
    読み取ることによって前記1つの特定成分を識別して、
    前記1つの特定成分に対応する測定を行うことを特徴と
    する請求項23に記載の溶液測定装置。
  25. 【請求項25】 被測定溶液の一部を保持するための貯
    液空間または多孔体と特定物質とを有する反応部と、前
    記被測定溶液の別の一部を保持するための貯液空間また
    は多孔体と補正用物質とを有する補正部と、前記反応部
    および前記補正部に前記被測定溶液を親液性および/ま
    たは毛細管現象により導入する導入部とを備え、前記反
    応部および前記補正部は、それぞれ、前記被測定溶液の
    導入に伴う空気の排出を行う空気孔と、前記測定手段が
    前記蛍光強度を検出するための、実質的に透明な蛍光検
    出用領域とを有し、前記補正用物質は、前記補正部溶液
    の蛍光強度が前記特定成分の濃度により実質的に影響を
    受けないものであることを特徴とする溶液測定用容器。
  26. 【請求項26】 請求項23または24に記載の溶液測
    定装置が備える前記交換体であることを特徴とする請求
    項25に記載の溶液測定用容器。
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