JP2014169777A - 複列アンギュラ玉軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】複列アンギュラ玉軸受ユニット1aを構成する内輪3aの組み込み時に、冠型の保持器5aが脱落する事を防止できると共に、内輪3aを組み込んだ状態で、この内輪3aが脱落する事を防止できる構造を実現する。
【解決手段】内輪3aの外周面に形成した係合凹溝15aに係合させる為の、保持器5aを構成するリム部9の内周面に形成した係合突条14aを、複数の係合片16aから構成する。又、これら複数の係合片16aを、リム部9の内周面のうちで、円周方向に関して柱部10と整合する部分に配置し、係合片16aが円周方向に関してポケット11の底部18と整合しない様にする。又、係合突条14aの軸方向外側面を、径方向内方に向かうに従って軸方向内方に向かう方向に傾斜した傾斜面23とし、その傾斜角度を45度以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種産業機械の回転支持部や、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する部分に組み込んで使用する、複列アンギュラ玉軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニット、マシニングセンタ等の各種工作機械の主軸を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニット、印刷機や圧延機等の各種産業機械のドラム等を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニット、支持剛性を必要とする各種回転部分に組み込まれる転がり軸受ユニットとして、複列アンギュラ玉軸受ユニットが広く使用されている。
図8は、特許文献1に記載された従来構造の複列アンギュラ玉軸受ユニット1を示している。この複列アンギュラ玉軸受ユニット1は、外輪2と、1対の内輪3、3と、複数個の玉4、4と、1対の保持器5、5とから成る。このうちの外輪2は、内周面に複列の外輪軌道6、6を備えたもので、一体型である。又、前記両内輪3、3は、それぞれの外周面に内輪軌道7、7を備えたもので、互いに別体である。これら両内輪3、3は、互いに対向する小径側端面8、8同士を突き合わせた状態で、前記外輪2の内径側にこの外輪2と同心に配置されている。又、前記各玉4、4は、前記両外輪軌道6、6と前記両内輪軌道7、7との間に、両列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与された状態で、転動自在に設けられている。更に、前記両保持器5、5は、前記両列の玉4、4を転動自在に保持している。又、この状態で、これら各玉4、4には、必要に応じて予圧を付与している。この様な従来構造の複列アンギュラ玉軸受ユニット1は、ラジアル荷重に加えて、両方向のスラスト荷重を支承できる。
前記各保持器5、5は、冠型保持器と呼ばれるもので、合成樹脂を射出成形する事により全体を一体に造っており、小径で円環状のリム部9、9と、これら各リム部9、9の円周方向複数個所から軸方向外方に延出すると共に、先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜した複数の柱部10、10とを備える。そして、前記各リム部9、9と円周方向に隣り合う柱部10、10とにより三方を囲まれた部分を、前記各玉4、4を転動自在に保持する為のポケット11、11としている。これら各ポケット11、11は、凹球面状で、その内径寸法は前記各玉4、4の外径寸法よりも僅かに大きい。
又、前記外輪2の内周面と前記両内輪3、3の外周面との間に存在する、前記各玉4、4を設置した空間の軸方向外端開口部を、密封装置12a、12bにより塞いでいる。これにより、前記空間内に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部からこの空間内に、塵埃、水、泥水等の異物が侵入する事を防止している。
上述の様な構成を有する複列アンギュラ玉軸受ユニット1を組み立てるには、図9の(a)→(b)に示す様に、前記各玉4、4を、予め前記保持器5を構成するポケット11、11内に組み込んで中間組立体13、13とし、これら各中間組立体13、13を前記外輪2の外輪軌道6、6の内径側にそれぞれ配置する。そして、これら各中間組立体13、13の内径側に、前記各内輪3を小径側端面8側から挿入する。この様に組み立てられる複列アンギュラ玉軸受ユニット1は、使用箇所に組み付ける前の状態では、前記両内輪3、3が軸やハブ等に固定されていない。この為、何らかの対策を施さなければ、例えば搬送中に、前記両内輪3、3が分離する方向に変位して最終的に脱落する可能性がある。
この様な事情に鑑みて、従来構造の場合には次の様な構造を採用している。尚、前記両内輪3、3の分離防止構造は、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1を構成する両列でそれぞれ独立に採用される為、以下の説明は、一方の列に関してのみ行う。
従来構造の場合、図10に示す様に、前記保持器5を構成するリム部9の内周面に、径方向内方に向けて突出した係合突条14を形成し、この係合突条14を、前記内輪3の外周面のうちで、前記内輪軌道7から軸方向内側に外れた部分に形成した環状の係合凹溝15に係合させている。又、前記係合突条14とこの係合凹溝15との径方向に関する係り代hを、この係合突条14の径方向寸法dの0.2〜0.3倍に規制している。これにより、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1を使用箇所に組み付ける前の状態であっても、前記内輪3が前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1から脱落する事を防止している。又、従来構造の場合には、図11に示す様に、前記係合突条14を、円周方向に離隔した複数の係合片16、16から構成している。これら係合片16、16は、前記リム部9の内周面のうちで、円周方向に関して前記各ポケット11、11(底部18を含む)とのみ整合する部分に配置されている。
又、前記保持器5の係合突条14(係合片16、16)を前記内輪3の係合凹溝15に係合させる構造を採用した場合にも、この内輪3の周囲に前記保持器5をスムーズに組み付けられる様にする為、この内輪3の外周面のうちで軸方向に関して前記係合凹溝15と前記小径側端面8との間部分に、軸方向内側に向かう程径方向寸法が小さくなる方向に傾斜した傾斜案内面17を形成している。又、この傾斜案内面17の前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1の中心軸Oに対する傾斜角度を、10〜30度としている。これにより、前記図9の(b)に示した様に、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1の組立時、前記中間組立体13の内径側に前記内輪3を挿入した際に、前記係合突条14の内周縁部を前記傾斜案内面17により案内して、前記保持器5の芯出しを行う様にしている。
但し、上述した様な分離防止構造を採用する従来構造の複列アンギュラ玉軸受ユニット1の場合には、以下の点で未だ改良の余地がある。
即ち、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1は、前記保持器5を冠型保持器としているが、この様な冠型保持器は、その構造上、図12に示した様な、柱部の外径側端部も円周方向に連結した如き形状を有する、いわゆる傾斜型保持器に比べて、軸方向寸法を短くできるといった長所を有する反面、保持器が傾き易く、円周方向の一部分を軸方向内方に押された場合に、一部の玉を保持できなくなって保持器が脱落し易い(脱力値が低い)といった短所を有している。しかも、車輪支持用の複列アンギュラ玉軸受ユニットは、モーメントの負荷により玉の公転軌道が楕円軌道になる為、保持器に対し円周方向に向いた力が作用し易い。この様な力を軽減する為、一般的な車輪支持用の複列アンギュラ玉軸受ユニットに組み込まれる冠型保持器は、ポケットの内径寸法が一般的な玉軸受(2〜3%)に比べて大きく(3〜4%)、その結果、径方向に関する動き量が最大で玉のピッチ円直径の2%程度(ピッチ円直径が75mmであれば動き量は1.5mm程度)と比較的大きくなる。この為、上述した従来構造の様に、前記係合突条14と前記係合凹溝15との係り代を小さく設定した場合には、前記内輪3を挿入する際に、この内輪3の傾斜案内面17が、前記係合突条14の円周方向の一部分(一部の係止片16)を押圧し易くなる。
特に従来構造の場合には、前記係合突条14を構成する複数の係合片16、16を、前記リム部9の内周面のうちで、円周方向に関して前記各ポケット11、11のみと整合する部分に配置している為、前記傾斜案内面17による押圧によって前記保持器5が脱落し易くなる。この理由に就いて、図13を参照しつつ説明する。図13には、円周方向に関してポケット11と整合する位置に設けられた1つの係合片16が押圧位置(X部)となる場合(A)と、円周方向に関して柱部10と整合する位置に設けられた1つの係合片16aが押圧位置(X部)となる場合(B)とに就いてそれぞれ、端面図と、X部が押圧されて前記保持器5が角度θだけ傾いた状態の断面模式図とを示している。押圧位置が異なる(A)(B)を比較した場合、玉4に対するポケット11の移動量に相当するポケット中心Pa、Pbの移動量(Pa−Pa´、Pb−Pb´間距離)は、前記保持器5の中心軸O5 からこれら各ポケット中心Pa、Pbまでの高さ寸法Ha、Hbの相違(Ha>Hb)に基づいて、(B)に比べて(A)の方が大きくなる(LA>LB)。この為、従来構造の様に、前記係合突条14を構成する複数の係合片16、16を、円周方向に関してポケット11、11のみと整合する位置に配置した場合には、円周方向に関して柱部10、10と整合する位置に配置した場合に比べて、前記保持器5が脱落し易くなる。
又、前記各係合片16、16が、前記リム部9の内周面のうちで、円周方向に関して前記各ポケット11、11の底部18、18と整合する部分にも存在する為、これら各ポケット11、11の底部18、18は前記各係合片16、16によって補強された状態となる。この為、前記内輪3を挿入する際に、前記リム部9のうちで、円周方向に関して前記各ポケット11、11の底部18、18と整合する部分が弾性変形しにくくなり、前記保持器5が撓みにくくなる。従って、前記内輪3を挿入する際に、この内輪3の傾斜案内面17が前記係合突条14(係合片16、16)を押圧した場合にも、前記保持器5が十分に撓まず(大径化せず)に、前記内輪3による挿入方向に押し出され易くなる。尚、前記ポケット11の底部18とは、このポケット11の円周方向中央位置に存在し、前記リム部9のうちで軸方向に関する肉厚(断面積)が最小になる部分(最も括れた部分)をいう。
更に、前記内輪3に形成した傾斜案内面17により前記保持器5の芯出しを行う際に、前記各玉4、4の内径側端部は前記内輪3の外周面によって支持されていない為、前記中間組立体13を前記外輪軌道6の内径側に配置した状態での、前記保持器5の芯ずれ量は大きくなり易い。この為、前記傾斜案内面17の傾斜角度をある程度大きく確保して、この傾斜案内面17の径方向寸法を大きくする必要があるが、これに伴って、突き合わせ面である前記内輪3の小径側端面8の面積が減少してしまい、この小径側端面8に作用する面圧が高くなる。この為、路面反力に基づくモーメント荷重が負荷された際の回転曲げ荷重により、揺動鍛造を行う場合のような荷重が作用し、前記小径側端面8が変形して、前記各玉4に付与した予圧が抜ける可能性がある。
又、従来構造の場合には、合成樹脂製の保持器5が、大気中の湿気を吸収して膨張したり、乾燥して縮径したりする事に就いては、全く考慮していない。この為、前記保持器5が膨張する事で、前記係合突条14と前記係合凹溝15との係合が外れて、前記内輪3が脱落する可能性があると共に、前記保持器5が縮径する事で、前記係合突条14の内周縁部と前記係合凹溝15の溝底部とが干渉する可能性もある。
尚、本発明に関連するその他の先行技術文献として、上述した特許文献1の他に、特許文献2〜4があるが、これら特許文献2〜4に記載された何れの発明も、上述した様な何れの問題も解決できない。
特開2010−127323号公報 特開平6−300036号公報 特開2008−144813号公報 特開2010−180979号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、保持器を構成するリム部の内周面に形成した係合突条を内輪の外周面に形成した係合凹溝に係合させる際に、前記保持器が脱落する事を有効に防止できると共に、この係合凹溝に前記係合突条を係合させた状態で、前記内輪が脱落する事を有効に防止できる、複列アンギュラ玉軸受ユニットを実現すべく発明したものである。
又、本発明は、必要に応じて、内輪の小径側端面の面積を大きく確保できる構造を実現するものである。
本発明の複列アンギュラ玉軸受ユニットは、外輪と、1対の内輪と、複数個の玉と、1対の保持器とを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有している。
又、前記両内輪は、それぞれの外周面に内輪軌道を有しており、軸方向に互いに対向する小径側端面同士を突き合わせている。
又、前記各玉は、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与された状態で転動自在に設けられている。
又、前記両保持器は、両列毎に互いに独立したもので、前記各玉を転動自在に保持している。
又、前記両保持器はそれぞれ、冠型保持器で、合成樹脂を射出成形する事により造られており、円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数個所から軸方向外方に延出すると共に先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜した複数の柱部とを備える。又、前記リム部と円周方向に隣り合う1対の柱部とにより三方を囲まれた部分を、前記各玉を転動自在に保持する為のポケットとしている。又、前記各保持器を構成するリム部の内周面には、径方向内方に向けて突出した係合突条を形成しており、これら各係合突条を、前記各内輪の外周面のうちで、前記各内輪軌道から軸方向内側に外れた部分に形成した環状の係合凹溝に係合させている。
特に本発明の複列アンギュラ玉軸受ユニットの場合には、前記各係合突条を、複数の係合片から構成している。そして、これら複数の係合片を、前記各保持器を構成するリム部の内周面のうち、円周方向に関して前記各柱部と整合する部分を含み且つ前記各ポケットの底部と整合する部分から外れた(円周方向に外れた)部分に配置している。
又、前記各係合突条の軸方向外側面を、径方向内方に向かうに従って軸方向内方に向かう方向に傾斜させており、その傾斜角度を前記複列アンギュラ玉軸受ユニットの中心軸に対して45度以下としている。
尚、前記各係合片の具体的な配置例としては、例えば、円周方向に関して前記各柱部及び前記各ポケットの円周方向端部にそれぞれ整合する様に配置する構成や、円周方向に関して前記各柱部にのみ整合する様に配置(ポケットには一切整合させない様に配置)する構成を採用できる。
上述した様な本発明の複列アンギュラ玉軸受ユニットを実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記外輪軌道の内径側に、前記各玉を前記保持器を構成するポケット内に保持した状態で配置し、これら各玉及び保持器の内径側に前記内輪を小径側端面側から挿入した際に、この内輪の小径側端面の外径側部分が、前記保持器の係合突条の軸方向外側面に当接するよりも前に、この内輪の外周面のうちで軸方向に関して前記内輪軌道と前記係合凹溝との間に存在する部分を、前記各玉の内径側端部に当接させる様にする。
以上の様な構成を有する本発明の複列アンギュラ玉軸受ユニットによれば、保持器を構成するリム部の内周面に形成した係合突条を内輪の外周面に形成した係合凹溝に係合させる際に、前記保持器が脱落する事を有効に防止できると共に、この係合凹溝に前記係合突条を係合させた状態で、前記内輪が脱落する事を有効に防止できる。
即ち、本発明の場合には、前記係合突条を、複数の係合片から構成すると共に、これら複数の係合片を、前記リム部の内周面のうち、円周方向に関して各柱部と整合する部分を含み且つ各ポケットの底部と整合する部分から外れた部分に配置している。この為、前記係合突条を前記係合凹溝に係合させる際に、前記内輪がこの係合突条を構成する一部の係合片を押圧し、前記保持器が傾斜した場合にも、前述した従来構造の場合に比べて、各玉に対する各ポケットの移動量を小さく抑えられる。従って、前記保持器を脱落しにくくできる。又、前記各係合片により前記各ポケットの底部を補強していない為、前記内輪を挿入する際に、前記リム部のうちで、円周方向に関して前記各ポケットの底部と整合する部分を弾性変形させ易くなり、前記保持器を撓ませ易くなる(柔軟性を確保できる)。これにより、前記内輪を挿入する際に、前記保持器を十分に撓ませる事ができて、この保持器が前記内輪による挿入方向に押し出される事を有効に防止できる。
又、前記係合突条の軸方向外側面の傾斜角度を45度以下に設定している為、前記内輪から前記係合突条に作用する力のラジアル方向(径方向外方)の分力を大きくできる。この為、前記保持器をより撓ませ易くできる。
従って、本発明の場合には、前記保持器に形成した係合突条を前記内輪に形成した係合凹溝に係合させる際に、この保持器が脱落する事を有効に防止できる。
又、本発明の場合には、上述した様に、前記保持器を撓ませ易くなる(柔軟性を確保できる)ので、前述した従来構造の場合に比べて、前記係合突条と前記係合凹溝との係り代を大きくできる。
又、前記係合突条の軸方向外側面の傾斜角度を45度以下に設定している為、この係合突条の基端部(径方向外端部)の軸方向に関する肉厚を確保し易くなる。この為、この係合突条を軸方向に弾性変形しにくくできる。
従って、本発明の場合には、前記係合凹溝に前記係合突条を係合させた状態で、前記内輪が脱落する事を有効に防止できる。
又、上述した様な請求項2に記載した発明によれば、前記複列アンギュラ玉軸受ユニットの組立時、前記各玉の内径側端部を前記内輪の外周面により支持した状態で、前記保持器の芯出しを行える為、この保持器の芯ずれ量を少なく抑えられる。この為、前記係合突条の軸方向外側面を押圧する前記内輪の小径側端面の外径側部分には、前述した従来構造の場合の様な、径方向寸法の大きい傾斜案内面を形成する必要がない。従って、前記内輪の小径側端面の面積を大きく確保できる。この結果、この内輪の小径側端面の変形を有効に防止できて、前記各玉に付与した予圧が抜ける事を防止できる。
本発明の実施の形態の1例を示す、図8のA部に相当する拡大断面図。 同じく内輪の小径側端部の断面図。 同じく内輪の外周面に総型砥石により研削加工を実施している状態を示す断面図。 同じく保持器を取り出し、各柱部の先端側から見た状態で示す端面図。 同じく保持器の含水率と直径の膨張率との関係の実験結果を表す図。 同じく中間組立体の内径側に内輪を挿入する状態を示す断面図。 本発明に採用できる保持器の別例を示す図4と同様の図。 従来構造の1例の複列アンギュラ玉軸受ユニットを示す断面図。 同じく組立状態を段階的に説明する為の断面図であり、(a)は外輪軌道の内径側に中間組立体を配置した状態を、(b)は中間組立体の内径側に内輪を挿入している状態をそれぞれ示す。 同じく図8のB部拡大図。 同じく保持器を取り出し、各柱部の先端側から見た状態で示す端面図。 傾斜型保持器を備えた従来構造のアンギュラ玉軸受の断面図。 押圧位置の相違により保持器の脱落し易さが異なる事を説明する為の図であり、(A)は円周方向に関してポケットと整合する位置の係合片が押圧位置になる場合を、(B)は円周方向に関して柱部と整合する位置の係合片が押圧位置になる場合をそれぞれ示している。
[実施の形態の1例]
図1〜6は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の特徴は、保持器5aに形成した係合突条14aを内輪3aに形成した係合凹溝15aに係合させる際に、この保持器5aを脱落しにくくすると共に、この係合凹溝15aに前記係合突条14aを係合させた状態で、前記内輪3aを脱落しにくくする部分の構造にある。その他の部分の構成及び作用効果に就いては、組立方法を含め、従来構造の場合と基本的には同じである。この為、重複する部分の図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の複列アンギュラ玉軸受ユニット1aは、一般的に第1世代と呼ばれ、自動車の車輪を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットとして用いられるものであり、前記図8に示した従来構造の場合と同様、外輪2と、1対の内輪3aと、複数個の玉4と、1対の保持器5aとを備えている。
前記外輪2及び前記両内輪3aは、S53C等の中炭素鋼或いはSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼製等の金属製の素材に、鍛造加工、削り加工、熱処理等を施す事により造られている。このうちの外輪2は、一体型で、内周面に複列の外輪軌道6を設けている。一方、前記両内輪3aは、それぞれの外周面に内輪軌道7を設けており、互いに別体である。これら両内輪3aは、互いに対向する小径側端面8a同士を突き合わせた状態で、前記外輪2の内径側にこの外輪2と同心に配置されている。
前記内輪3aの外周面のうちで、前記内輪軌道7から軸方向内側に外れた部分には、環状の係合凹溝15aを全周に亙り形成している。この係合凹溝15aの両側縁部のうち、軸方向内側の側縁部には、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1aの中心軸に対する傾斜角度が10度程度以下(図示の例では10度)である、緩斜面19を形成している。この緩斜面19は、前記係合突条14aを前記係合凹溝15aにスムーズに係合させるべく、この係合凹溝15aの側縁部に存在するバリを除去する為に形成されたものであり、前記緩斜面19に代えてR面取りを形成した場合と比較しても、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの係り代をそれ程小さくしなくて済むものである。又、前記内輪3aの外周面のうちで、軸方向に関して前記係合凹溝15aと前記内輪軌道7との間部分には、この内輪軌道7の溝底径(外径)と同径の支持円筒面部20を設けている。更に、前記内輪3aの小径側端面8aの外径側部分には、前述した従来構造の傾斜案内面17に比べて径方向寸法の十分に小さい、面取り部21を形成している。
本例の場合、この様な外周面形状を有する内輪3aを得る為に、図3に示す様に、総型砥石22によりこの内輪3aの外周面(内径側端面8aの全面を含む)に研削加工を施している。即ち、内周面の断面形状が完成後の内輪3aの断面形状に見合う(凹凸が逆になった)総型砥石22を回転させる事により、この内輪3aの外周面のうち前記係合凹溝15aの溝底部を除いた部分及び前記内径側端面8aの全面(図1〜3に破線を付した部分の周囲)に、同時に研削加工を施している。
前記保持器5aは、冠型保持器と呼ばれるもので、強度、耐熱性、低摩耗性及び柔軟性をそれぞれ確保すべく、熱可塑性合成樹脂であるポリアミド66に、強化充填材料であるグラスファイバーを少量(15重量%以下)含有或いは全く含有しない無添加の材料を採用し、射出成形する事により一体に造られている。又、前記保持器5aは、小径で円環状のリム部9と、これら各リム部9の円周方向複数個所から軸方向外方に延出すると共に、先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜した複数の柱部10、10を備える。そして、前記各リム部9と円周方向に隣り合う柱部10、10とにより三方を囲まれた部分を、前記各玉4を転動自在に保持する為のポケット11、11としている。これら各ポケット11、11は、凹球面状で、その内径寸法は前記各玉4の外径寸法よりも僅かに(ポケット隙間の分だけ)大きい。
又、前記保持器5aを構成するリム部9の内周面には、径方向内方に向けて突出した、断面台形状の係合突条14aを形成している。この係合突条14aは、図4に示す様に、円周方向に離隔した複数(図示の例では15個)の係合片16a、16aから構成されている。特に本例の場合には、これら各係合片16a、16aを、前記リム部9の内周面のうちで、円周方向に関して前記各柱部10、10(の全体)及び前記各ポケット11、11の円周方向端部にそれぞれ整合する部分に配置している。前記各係合片16a、16aは、円周方向に関して前記各ポケット11、11の底部18、18と整合する部分には配置していない。
又、前記係合突条14aの軸方向外側面を、径方向内方に向かうに従って軸方向内方に向かう方向に傾斜した傾斜面23としている。又、この傾斜面23の前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1aの中心軸に対する傾斜角度を、45度以下(図示の例では45度)に設定している。これに対し、前記係合突条14aの軸方向内側面は、前記中心軸に対して直交する仮想平面上に位置させている。
又、本例の場合には、前記保持器5aが、大気中の湿気を吸収して膨張したり、乾燥して縮径したりする事を考慮して、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの係り代の大きさを規制している。この為に、前記保持器5aを構成する材料として、膨張量及び縮径量が最大になる、ポリアミド66にグラスファイバーを無添加とした3種類の試料(保持器A、B、C)を用意し、これら試料毎に含水率と直径の膨張率との関係を求めた。この関係を表す図5から、前記材料(グラスファイバーを無添加としたポリアミド66)を使用した場合には、含水率が1重量%増加すると、直径が約0.2%ずつ大きくなる事が確認された。又、本例の複列アンギュラ玉軸受ユニット1aは、自動車の車輪を回転自在に支持する為の用途に使用するものである為、この複列アンギュラ玉軸受ユニット1aを使用箇所に組み付ける際(内輪3を回転軸に外嵌固定する作業時)の保持器5aの含水率を調べたところ、1〜3重量%であった。又、複列アンギュラ玉軸受ユニット1aの使用時には、その温度が上昇する為、前記保持器5a中の水分は抜けていく(含水率は低下する)と考えられる。
これらの事情を考慮した場合、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1aを使用箇所に組み付ける際に、前記内輪3aの脱落を防止する為には、含水率が3重量%の状態(直径が0.6%膨張した状態)での脱落防止を保証する必要がある。つまり、前記保持器5aの直径が設計値(膨張率0%の場合)よりも0.6%分だけ大きくなった状態でも、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの係り代を確保する必要がある。この為に、本例の場合には、前記係合突条14aの径方向寸法D(径方向内方への突出量)を、従来構造の場合よりも大きくしている。具体的には、含水率が3重量%の状態での係り代H3を、前記係合突条14aの径方向寸法Dの0.2〜0.3倍としている(図示の例では0.2倍としている)。
但し、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1aの使用時には、前記保持器5aは乾燥して縮径する(係合突条14aの内径寸法は小さくなる)事から、この状態でも、前記係合突条14aの内周縁部が前記係合凹溝15aの溝底部に干渉しない様にする必要がある。この為、前記保持器5aの含水率が0重量%の状態で、前記係合突条14aの内周縁部と前記係合凹溝15aの溝底部との間に、ある程度の大きさの隙間を確保できる様に、前記係合突条14aの径方向寸法D及び前記係合凹溝15aの外径寸法を規制すると共に、これら係合突条14及び係合凹溝15aの形状を規制している。
本例の複列アンギュラ玉軸受ユニット1aを組み立てる際には、図6に示した様に、前記各玉4を、予め前記保持器5aを構成するポケット11内に組み込んで中間組立体13aとし、この中間組立体13aを前記外輪2の外輪軌道6の内径側にそれぞれ配置する。ここで、この外輪2の外輪軌道6の軸方向外側に隣接する肩部(小肩部)の内径は、前記中間組立体13aを構成する総ての玉4を内径側に押し付けた状態での、これら各玉4の外接円の直径とほぼ同じかこれよりも若干大きいので、前記中間組立体13aは、前記各玉4のピッチ円直径を狭めた(最小)状態で前記肩部の内側を通過させた後、これら各玉4のピッチ円直径が拡がる事で、この肩部に係止される。この様にして、前記外輪軌道6の内径側に前記中間組立体13aを配置したならば、この中間組立体13aの内径側に、前記内輪3aを小径側端面8a側から挿入する。特に本例の場合には、この様に内輪3aを挿入した際に、この内輪3aの小径側端面8aの外径側部分に設けた面取り部21が、前記保持器5aの係合突条14aの傾斜面23に当接するよりも前に、前記内輪3aの外周面のうちの支持円筒面部20が、前記各玉4の内径側端部に当接する。この為、この支持円筒面部20の外周面によってこれら各玉4の内径側端部を支持した状態(玉4の径方向変位を阻止した状態)で、前記内輪3の面取り部21を前記係合突条14aの傾斜面23に向けて押圧する。そして、この傾斜面23を前記面取り部21により案内して、前記保持器5aの芯出しを行い、前記内輪3a(面取り部21)から前記係止突条14a(傾斜面23)に作用する力のラジアル方向の分力により、前記保持器5aを撓ませつつ、前記内輪3aを挿入方向に更に押し込む。これにより、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの軸方向位置が一致した状態で、前記保持器5aが弾性的に復元し、前記係合突条14aが前記係合凹溝15aに係合する。
以上の様な構成を有する本例の複列アンギュラ玉軸受ユニット1aによれば、前記保持器5aに形成した係合突条14aを前記内輪3aに形成した係合凹溝15aに係合させる際に、前記保持器5aが脱落する事を有効に防止できる共に、この係合凹溝15aに前記係合突条14aを係合させた状態で、前記内輪3aが脱落する事を有効に防止できる。
即ち、本例の場合には、前記係合突条14aを、複数の係合片16a、16aから構成すると共に、これら複数の係合片16a、16aを、前記リム部9の内周面のうち、円周方向に関して前記各柱部10、10(の全体)及び前記各ポケット11、11の円周方向端部にそれぞれ整合する部分に配置しており、円周方向に関してこれら各ポケット11、11の底部18、18と整合する部分には配置していない。
この為、前記係合突条14aを前記係合凹溝15aに係合させる際に、前記内輪3aがこの係合突条14aを構成する一部の係合片16aを押圧し、前記保持器5aが傾斜した場合にも、前述した従来構造(係合片16をポケット11のみと整合する部分に設けた構造)に比べて、前記図13を用いて説明した様に、前記各玉4に対する前記各ポケット11の移動量を小さく抑えられる。この為、前記保持器5aを脱落しにくくできる。
又、前記各係合片16a、16aにより前記各ポケット11、11の底部18、18を補強していない為、前記内輪3aを挿入する際に、前記リム部9のうちで、円周方向に関して前記各ポケット11、11の底部18、18と整合する部分を弾性変形させ易くなり、前記保持器5aを撓ませ易くなる(柔軟性を確保できる)。これにより、前記内輪3aを挿入する際に、前記保持器5aを十分に撓ませる事ができて、この保持器5aが前記内輪3aによる挿入方向に押し出される事を有効に防止できる。
更に、前記係合突条14aの軸方向外側面に設けた傾斜面23の傾斜角度を45度以下に設定している為、前記内輪3aから前記係合突条14aに作用する力のラジアル方向の分力を大きくできて、前記保持器5aをより撓ませ易くできる。
以上の様な理由から、本例の場合には、前記保持器5aに形成した係合突条14aを前記内輪3aに形成した係合凹溝15aに係合させる際に、この保持器5aが脱落する事を有効に防止できる。
又、本例の場合には、上述した様に、前記保持器5aを撓ませ易くなる(柔軟性を確保できる)ので、前述した従来構造の場合に比べて、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの係り代を大きくできる。特に本例の場合には、上述した様に、前記保持器5aの含水率が3重量%の状態(直径が0.6%膨張した状態)でも、前記係合突条14aと前記係合凹溝15aとの係り代H3が確保される様に、この係合突条14aの径方向寸法Dを大きくしている。
又、前記係合突条14aの軸方向外側面に設けた傾斜面23の傾斜角度を45度以下に設定している為、この係合突条14aの基端部(径方向外端部)の軸方向に関する肉厚を確保し易くなり、この係合突条14aを軸方向に弾性変形しにくくできる。
従って、以上の様な理由から、本例の場合には、前記係合凹溝15aに前記係合突条14aを係合させた状態で、前記保持器5aの含水率の変化に拘わらず、前記内輪3aが脱落する事を有効に防止できる。
又、本例の場合には、前記複列アンギュラ玉軸受ユニット1aの組立時、前記各玉4の内径側端部を前記内輪3aの外周面に形成した支持円筒面部20より支持した状態で、前記保持器5aの芯出しを行える為、この保持器5aの芯ずれ量を少なく抑えられる。この為、前記係合突条14aの傾斜面23を押圧する為に、前記内輪3aの小径側端面8aの外径側部分には、前述した従来構造の場合の様な、径方向寸法の大きい傾斜案内面17(図9等参照)を形成する必要がなく、前記小径側端面8aの径方向寸法の8〜12%である、径方向寸法の小さい(傾斜案内面17の径方向寸法の1/3〜1/2倍程度である)前記面取り部21を形成すれば足りる。従って、前記内輪3aの小径側端面8aの面積を大きく確保できる。この結果、この内輪3aの小径側端面8aの変形を有効に防止できて、前記各玉4に付与した予圧が抜ける事を防止できる。尚、本例の場合には、前記支持円筒面部20の表面は、前記総型砥石22による研削加工により、その表面粗さが十分に低い平滑面に加工されている為、前記各玉4の内径側端部を支持する為に使用した場合にも、これら各玉4の転動面に傷等の損傷が生じる事を防止できる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の場合と同様である。
上述した実施の形態では、複列アンギュラ玉軸受ユニットとして、いわゆる第1世代と呼ばれる、自動車の車輪支持用の転がり軸受ユニットに、本発明を適用した場合に就いて説明したが、本発明は、この様な用途に限定されるものではなく、例えば、外輪の外周面に取付フランジ部を一体に設けた、いわゆる第2世代と呼ばれる、車輪支持用の転がり軸受ユニットに適用する事もできる。更には、マシニングセンタ等の各種工作機械の主軸を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットや印刷機や圧延機等の各種産業機械のドラム等を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットに適用しても良い。
又、本発明は、上述した実施の形態の構造に限定されず、図7の(A)に示した様に、係合片16b、16bの円周方向に関する幅寸法を大きくして、円周方向に関して柱部10、10及びポケット11、11の円周方向端部と整合させた構造を採用する事もできるし、同図の(B)に示した様に、係合片16c、16cを、円周方向に関して柱部10、10のみと整合させた構造を採用する事もできる。即ち、本発明は、複数の係合片が、円周方向に関して各柱部と整合する部分を含み且つ各ポケットのうちの底部と整合する部分から外れた位置に配置されていれば良い。又、本発明の複列アンギュラ玉軸受ユニットに組み込む保持器の材質は、実施の形態で例示したものに限定されず、例えばポリアミド46、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を基本材として、これにグラスファイバー等の強化繊維材料を少量添加したもの若しくは無添加のものなどを採用できる。
1、1a 複列アンギュラ玉軸受ユニット
2 外輪
3、3a 内輪
4 玉
5、5a 保持器
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 小径側端面
9 リム部
10 柱部
11 ポケット
12a、12b 密封装置
13、13a 中間組立体
14、14a 係合突条
15、15a 係合凹溝
16、16a、16b、16c 係合片
17 傾斜案内面
18 底部
19 緩斜面
20 支持円筒面部
21 面取り部
22 総型砥石
23 傾斜面

Claims (2)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を備えた外輪と、それぞれの外周面に内輪軌道を備え、軸方向に互いに対向する小径側端面同士を突き合わせた1対の内輪と、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型の接触角を付与された状態で転動自在に設けられた玉と、これら各玉を転動自在に保持した、両列毎に互いに独立した1対の保持器とを備え、これら両保持器がそれぞれ、合成樹脂を射出成形する事により造られ、円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数個所から軸方向外方に延出すると共に先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜した複数の柱部とを備え、前記リム部と円周方向に隣り合う1対の柱部とにより三方を囲まれた部分を前記各玉を転動自在に保持する為のポケットとした冠型保持器であり、前記各保持器を構成するリム部の内周面には、径方向内方に向けて突出した係合突条が形成されており、これら各係合突条を、前記各内輪の外周面のうちで、前記各内輪軌道から軸方向内側に外れた部分に形成された環状の係合凹溝に係合させている複列アンギュラ玉軸受ユニットに於いて、
    前記各係合突条が複数の係合片から構成されており、これら各係合片が、前記各保持器を構成するリム部の内周面のうち、円周方向に関して前記各柱部と整合する部分を含み且つ前記各ポケットのうちの底部と整合する部分から外れた部分に配置されており、前記各係合突条の軸方向外側面は、径方向内方に向かうに従って軸方向内方に向かう方向に傾斜しており、その傾斜角度は前記複列アンギュラ玉軸受ユニットの中心軸に対して45度以下である事を特徴とする複列アンギュラ玉軸受ユニット。
  2. 前記外輪軌道の内径側に、前記各玉を前記保持器を構成するポケット内に保持した状態で配置し、これら各玉及び保持器の内径側に前記内輪を小径側端面側から挿入した際に、この内輪の小径側端面の外径側部分が、前記保持器の係合突条の軸方向外側面に当接するよりも前に、この内輪の外周面のうちで軸方向に関して前記内輪軌道と前記係合凹溝との間に存在する部分が、前記各玉の内径側端部に当接する、請求項1に記載した複列アンギュラ玉軸受ユニット。
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