JP2014169394A - エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化剤を含有するコアと、前記コアを被覆するシェルとを有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤であって、前記シェルが、イソシアヌル基を有し、かつ、波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基x、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基y、波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基zを有し、前記シェル中の前記結合基x、y、及びzの濃度を、それぞれ、Cx、Cy、及びCzとしたとき、Cy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上1未満であるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤、それを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物及び硬化物。
【選択図】なし
Description
二液性エポキシ樹脂組成物は室温で硬化しうる反面、エポキシ樹脂と硬化剤とを別々に保管し、必要に応じて両者を計量・混合した後で使用する必要があるため、保管や取り扱いが煩雑である。その上、可使用時間が限られているため、予め大量に混合しておくことができず、使用の度に混合作業を行う必要がある。そのため、作業頻度が多くなり、作業能率の低下を免れない。
こうした二液性エポキシ樹脂組成物の問題を解決する目的で、これまでいくつかの一液性エポキシ樹脂組成物が提案されている。一液性エポキシ樹脂組成物としては、例えば、粉末状アミン化合物の表面をイソシアネートと反応させ、アミン化合物の表面を不活性化してマイクロカプセル型硬化剤としたものが、特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたマイクロカプセル型硬化剤では有機溶剤と混合する際の耐溶剤性が不十分であり、耐溶剤性に更に優れたマイクロカプセル型硬化剤が求められている。
前記事情に鑑み、本発明の目的は、有機溶剤中に分散させた際にも高い耐溶剤性を有するマイクロカプセル型硬化剤及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
硬化剤を含有するコアと、前記コアを被覆するシェルとを有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤であって、前記シェルが、イソシアヌル基を有し、かつ、波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基x、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基y、波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基zを有し、前記シェル中の前記結合基x、y、及びzの濃度を、それぞれ、Cx、Cy、及びCzとしたとき、Cy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上1未満である、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[2]
前記Cy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上0.62以下である、[1]に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[3]
前記コアが、金属アルコキシド類、第4級アンモニウム塩類、3級アルキルホスフィン類、スルフィン酸化合物、及び下記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を含んでもよい芳香族基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を含んでもよいフェノキシ基である。)
[4]
前記コアが、金属アルコキシド類、第4級アンモニウム塩類、3級アルキルホスフィン類、スルフィン酸化合物、及び前記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.1質量%以上50質量%以下含む、[3]に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[5]
前記コアが、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、ハロゲン化ホウ素系硬化剤、四級アンモニウム塩系硬化剤、尿素系硬化剤及びホスフィン系硬化剤からなる群より少なくとも一つ以上選ばれる硬化剤を含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[6]
前記コアが、アミン系硬化剤を50質量%以上含む、[5]に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[7]
前記アミン系硬化剤が、イミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物である、[6]に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
[8]
[1]〜[7]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤と、エポキシ樹脂と、を含む硬化性エポキシ樹脂組成物。
[9]
[8]に記載の組成物を硬化させて得られる硬化物。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態のマイクロカプセル型硬化剤は、硬化剤を含有するコアとコアを被覆するシェルとを含有する、いわゆるコアシェル型の硬化剤である。コアシェル型であることにより、潜在硬化性を備える。
本実施の形態におけるシェルは、イソシアヌル基を含み、かつ、波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基x、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基y、波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基zを有する。
本実施の形態の硬化剤は、シェルが、イソシアヌル基を有することにより、シェルの架橋密度が向上し、その結果耐溶剤性が向上する。また、シェルが前記結合基xを有することにより、機械的せん断力に対して高い耐性を有するマイクロカプセル型硬化剤を得るのに有利であり、シェルが前記結合基yを有することにより機械的せん断力、及び有機溶剤に対して高い耐性を有するマイクロカプセル型硬化剤を得るのに有利であり、シェルが前記結合基zを有することにより、機械的せん断力に対して高い耐性を有するマイクロカプセル型硬化剤を得るのに有利である。
前記結合基x、y及びzをシェル中に有することは、顕微FT−IRを用いて測定することができる。
前記結合基xとしては、特に限定されず、例えば、ウレア基を挙げることができる。
前記結合基yとしては、特に限定されず、例えば、ビュレット基及びイソシアヌル基を挙げることができ、硬化物の耐熱性が高くなる傾向になるため、イソシアヌル基が好ましい。
前記結合基zとしては、特に限定されず、例えば、ウレタン基を挙げることができる。
(検量線の作成方法)
標準物質としてテレフタロニトリルを用い、下記モデル化合物(A)、(B)、(C)のそれぞれを、任意の割合で、精密に秤量して混合後、KBr粉末とともに粉砕して錠剤成型機を用いて赤外吸収スペクトルを測定する。得られたスペクトルにおける標準物質のテレフタロニトリルに起因するニトリル基の2240〜2260cm−1の吸収帯の面積に対して、モデル化合物(A)のウレア基の1630〜1680cm−1の吸収帯、モデル化合物(B)のイソシアヌル基の1680〜1725cm−1の吸収帯、モデル化合物(C)のウレタン基の1730〜1755cm−1の吸収帯の面積比をそれぞれ求め、この面積比と質量比の関係により検量線を作成する。
前記の検量線作成の際、標準物質であるテレフタロニトリル、モデル化合物(A)、モデル化合物(B)、及びモデル化合物(C)は、いずれも市販品を用いても、公知の方法で製造したものを用いてもかまわない。
マイクロカプセル型硬化剤をメタノールで洗浄、ろ過をおこなうことでシェル以外の成分を除去してシェルを単離する。50℃以下の温度でメタノールを完全に除去乾燥した後、このシェル1gに対して、標準物質であるテレフタロニトリルを3mg加えて、メノウ乳鉢で粉砕混合し、得られた混合物をKBr粉末とともに粉砕して錠剤成型機を用いて赤外吸収スペクトルを測定する。得られたスペクトルチャートと、前記の方法で作成した検量線を用いることで、結合基x、y、及びzのサンプル中の濃度を求めることができる。
前記イソシアネート化合物(s1)としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、ポリイソシアネートが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、4−4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,4−イソシアナトシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,3−ビス(2−イソシアナトプロピル−2イル)−シクロヘキサン等を挙げることができる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、1,3,6−トリイソシアネートメチルヘキサン、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシアナトエチル等を挙げることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートや前記ジイソシアネート化合物より誘導されるポリイソシアネートが挙げられる。前記ジイソシアネートより誘導されるポリイソシアネートとしては、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート、カルボジイミド型ポリイソシアネート等がある。
活性水素基を有する化合物(b1)としては、1分子中に1個以上の活性水素基を有する化合物が挙げられる。1分子中に2個以上の活性水素基を有する化合物は、コアの表面被膜が好適に成長し、更に優れた貯蔵安定性を有するマイクロカプセル型硬化剤を製造することができる観点から、好ましい。
活性水素基を有する化合物(b1)としては、例えばアルコールや一級アミン化合物、二級アミン化合物、チオール化合物、及び水などが挙げられる。活性水素基を有する化合物(b1)は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(e1)としてとしては、特に限定されず、例えば、後記のコア用に使用されるエポキシ樹脂(e2)の例で挙げるものを用いることができる。
また、本実施の形態において、活性水素基を有する化合物を有する化合物(b1)はイソシアネート化合物(s1)を三量化反応促進剤存在下で所望量反応させた後に添加することが好ましい。このような場合、イソシアネート化合物(s1)が三量化反応を起こしイソシアヌル基となる反応選択性が向上するため、Cy/(Cx+Cy+Cz)を0.4以上とすることが容易となる。
本実施の形態において、コアに含まれる硬化剤は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物の硬化性の観点から、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、ハロゲン化ホウ素系硬化剤、四級アンモニウム塩系硬化剤、尿素系硬化剤及びホスフィン系硬化剤からなる群より少なくとも一つ以上が好ましい。
前記酸無水物系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチルナジック酸等が挙げられる。
前記フェノール系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック等が挙げられる。
前記メルカプタン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール変性ポリメルカプタン、トリメチロールプロパンのチオグルコン酸エステル、ポリスルフィド樹脂等が挙げられる。
前記ハロゲン化ホウ素系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフルオロボランのエチルアミン塩等が挙げられる。
前記四級アンモニウム塩系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデカ−7−エンのフェノール塩等が挙げられる。
前記尿素系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等が挙げられる。
前記ホスフィン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
本実施の形態において、コア中のアミン系硬化剤の含有量は、特に限定されないが、50質量%以上であることが好ましい。コア中のアミン系硬化剤の含有量が50質量%以上であると、一液性エポキシ樹脂組成物の硬化性が良好となる傾向にある。より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
少なくとも1種の一級アミノ基を有するが、三級アミノ基を有しない化合物としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族第一アミン、脂環式第一アミン、芳香族第一アミン等が挙げられる。脂肪族第一アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等、脂環式第一アミンとしては、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン等、芳香族第一アミンとしては、アニリン、トルイジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等を挙げることができる。
少なくとも1種の二級アミノ基を有するが、三級アミノ基を有しない化合物としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族第二アミン、脂環式第二アミン、芳香族第二アミンのいずれを用いてもよい。脂肪族第二アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等、脂環式第二アミンとしては、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペリドン等、芳香族第二アミンとしては、ジフェニルアミン、フェニルメチルアミン、フェニルエチルアミン等を挙げることができる。
少なくとも1つの三級アミノ基と、少なくとも1つの活性水素基を有する化合物において、活性水素基としては、特に限定されないが、例えば、一級アミノ基、二級アミノ基、水酸基、チオール基、カルボン酸、ヒドラジド基等が挙げられる。
少なくとも1つの三級アミノ基と、少なくとも1つの活性水素基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン等のアミノアルコール類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ベンジルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−(o−トリル)−イミダゾリン、テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−イミダゾリン、1,1,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,3,3−トリメチル−1,4−テトラメチレン−ビス−4−メチルイミダゾリン、1,2−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,3−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−イミダゾリン、1,4−フェニレン−ビス−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジプロピルアミノエチルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、ジエチルアミノエチルピペラジン等の三級アミノアミン類;2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン等のアミノメルカプタン類;N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸等のアミノカルボン酸類;N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジド等のアミノヒドラジド類等が挙げられる。
本実施の形態において、硬化速度の観点から、少なくとも1つの三級アミノ基と、少なくとも1つの活性水素基を有する化合物としては、イミダゾール類、イミダゾリン類が好ましく、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールがより好ましい。
前記カルボン酸化合物としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ダイマー酸等が挙げられる。
前記スルホン酸化合物としては、特に限定されないが、例えば、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
前記尿素化合物としては、特に限定されないが、例えば、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、エチル尿素、t−ブチル尿素等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物(s2)としては、特に限定されず、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、ポリイソシアネートが挙げられ、具体的には、前記イソシアネート化合物(s1)で列記したもの等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂(e2)としては、特に限定されないが、モノエポキシ化合物、多価エポキシ化合物のいずれか又はそれらの混合物等が挙げられる。
前記モノエポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキサイド、パラキシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、グリシジルヘキソエート、グリシジルベンゾエート等が挙げられる。
前記多価エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、ビスフェノールAD 、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル) −1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル) エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等の多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド等が挙げられる。
本実施の形態において、エポキシ樹脂(e2)は、得られる硬化物の接着性や耐熱性が優れるため、多価エポキシ化合物が好ましく、より好ましくは多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂であり、更に好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂であり、ビスフェノールAのグリシジル化物とビスフェノールFのグリシジル化物がより一層好ましい。
前記アミン化合物(a2)としては、特に限定されないが、例えば、上述したアミン化合物(a1)で列挙したもの等が挙げられる。
これらのアミンアダクト(A)の中で、特に、エポキシ樹脂(e2)とアミン化合物(a2)との反応により得られるものが好ましい。エポキシ樹脂(e2)とアミン化合物(a2)との反応により得られるアミンアダクト(A)は、未反応のアミン化合物(a2)をアミン化合物(a1)として流用できる観点からも好ましい。
前記活性水素基を有する化合物(b2)としては、水酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、カルボキシル基、アミド基及び活性メチレン基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物等が挙げられ、コアの主成分である硬化剤中に含まれていることがより好ましい。なお、本実施の形態において、前記アミン化合物(a1)を活性水素基を有する化合物(b2)として用いることもできる。
{式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を含んでもよい芳香族基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を含んでもよいアリールオキシ基である。}
コアが前記金属アルコキシド類等の化合物を含有する場合に有機溶剤に対する耐溶剤性がより向上する理由は定かではないが、マイクロカプセル型硬化剤を製造する際に、前記化合物が、シェルを形成するイソシアネート基が三量化反応する際の触媒として機能し、イソシアヌル基の形成量が増加し、その結果、シェル中の結合基濃度の割合、すなわちCy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上の値をとりやすくなるためであると考えられる。
前記の理由から、前記金属アルコキシド類等の化合物に限らず、コアが、イソシアネート基が三量化反応する際の触媒として機能を発揮する化合物(三量化反応促進剤)を含有することが好ましい。
前記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物において、式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を含んでもよい芳香族基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を含んでもよいアリールオキシ基である。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
前記炭素数1〜20のアルキル基とは、直鎖若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基であり、脂環基のような環状飽和炭化水素基を含む構造でも構わない。さらにはこれらのアルキル基中に、反応に影響を与えない範囲で置換基を含んでいてもよく、これらの置換基としては、例えば、芳香族基、ハロゲン原子、水酸基、ニトリル基等が挙げられる。
前記芳香族基とは、共役環状構造を有する官能基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等が挙げられる。さらにはこれらの芳香族基中に、反応に影響を与えない範囲で置換基を含んでいてもよく、これらの置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記炭素数1〜20のアルコキシ基とは、前記炭素数1〜20のアルキル基が結合したオキシ基を言い、直鎖構造でも分岐構造でもよい。さらにはこれらのアルコキシ基中には、反応に影響を与えない範囲で置換基を含んでいてもよく、これらの置換基としては、例えば、芳香族基、ハロゲン原子、水酸基、ニトリル基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基中には、反応に影響を与えない範囲で置換基を含んでいてもよく、これらの置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物としては、特に限定されず、例えば、後記で、少なくとも1つの三級アミノ基と少なくとも1つの活性水素基を有する化合物の例として挙げるイミダゾール類と、前記エポキシ樹脂(e2)との反応生成物を挙げることができる。
本実施の形態において、前記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物は、2−メチルイミダゾールとモノエポキシ化合物との反応生成物であることが、硬化剤の拡散性が良好となる傾向にあるため、好ましい。
以下、コアをシェルによりカプセル化し、マイクロカプセル型硬化剤を製造する方法について説明する。
本実施の形態のマイクロカプセル型硬化剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、(i)コアを被覆するシェルを形成するカプセル形成工程と、カプセル形成後に分散媒を除去する溶媒除去工程とを含む工程によりマイクロカプセル型硬化剤を製造する方法や、(ii)エポキシ樹脂(e3)の中でコアシェル型硬化剤の生成反応を行い、マスターバッチ型としてマイクロカプセル型硬化剤を製造する方法などが挙げられる。
カプセル形成工程では、コア、イソシアネート化合物(s1)、及び、イソシアネート化合物(s1)と反応する官能基を有する化合物を反応させることにより、コアを被覆するカプセルが反応生成物として形成される。
コアの製造方法は、特に限定されず、例えば、コアがアミン系硬化剤等を含有する場合、アミン化合物(a2)とエポキシ樹脂(e2)からアミンアダクト(A)を生成した後、得られたアミンアダクト(A)と、必要に応じて、金属アルコキシド類等の化合物等を溶媒に溶解させた後、溶媒を除去し、乾燥した後、粉砕してアミンアダクト粒子(コアに相当)とする方法等が挙げられる。
分散媒の種類は、コアが溶解しなければ特に限定はなく、例えば、シクロヘキサン(沸点80.7℃、粘度0.898mPa・s:25℃)及びヘキサン(沸点69℃、粘度0.299mPa・s:25℃)が挙げられる。
カプセル形成工程後の分散媒には、未反応のイソシアネート化合物(s1)やイソシアネート化合物(s1)と反応する官能基を有する化合物等が残存する場合がある。これらの残存物が残存することで、貯蔵安定性が低下するため、カプセル形成工程後に分散媒を除去することが好ましい。
ろ過や洗浄を行った後にマイクロカプセル型硬化剤を乾燥することは、粉末状のマイクロカプセル型硬化剤が得られる観点から好ましい。乾燥の方法は、特に限定されないが、コアの融点又は軟化点以下の温度で乾燥することが好ましく、例えば減圧乾燥が挙げられる。マイクロカプセル型硬化剤の粉末状化は、一液性エポキシ樹脂組成物における幅広い種類の配合を容易化できる観点から好ましい。
マスターバッチ型としてエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤を製造する方法としては、例えば、エポキシ樹脂(e3)の中でコアシェル型硬化剤の生成反応を行う製造方法がある。
前記エポキシ樹脂(e3)としては、特に限定されず、前記エポキシ樹脂(e1)と同様のものが挙げられる。
前記酸無水物類としては、特に限定されず、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水−3−クロロフタル酸、無水−4−クロロフタル酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水ジメチルコハク酸、無水ジクロールコハク酸、メチルナジック酸、ドテシルコハク酸、無水クロレンデックク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記フェノール類としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA ノボラック等が挙げられる。
前記ヒドラジン類としては、特に限定されず、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドテレフタル酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
前記グアニジン類としては、特に限定されず、ジシアンジアミド、メチルグアニジン、エチルグアニジン、プロピルグアニジン、ブチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トルイルグアニジン等が例示される。
硬化剤(h)としては、グアニジン類及び酸無水物類が好ましく、ジシアンジアミド、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸であることがより好ましい。これらの硬化剤は、硬化性と貯蔵安定性に優れた組成物を与え、耐熱性、耐水性に優れた硬化物を得ることができる観点から好ましい。
本実施の形態の硬化性エポキシ樹脂組成物は、前記のマイクロカプセル型硬化剤とエポキシ樹脂とを含有する。
0.1:100以上で実用的に満足し得る硬化性能を得ることができ、500:100以下で本発明のエポキシ樹脂組成物が偏在することなく、バランスの良い硬化性能を有する硬化剤を与える。
前記増量剤の例としては、例えば、熱可塑性樹脂やセルロース等の高分子体や、フタル酸エステル等の低分子体、マイカ等の無機物質等が挙げられる。
前記充填剤の例としては、例えば、コールタール、ガラス繊維、アスベスト繊維、ほう素繊維、炭素繊維、セルロース、ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉、石英紛、鉱物性ケイ酸塩、雲母、アスベスト粉、スレート粉、カオリン、酸化アルミニウム三水和物、水酸化アルミニウム、チョーク粉、石こう、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、ペントン、シリカ、エアロゾル、リトポン、バライト、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、酸化鉄、金、銀、アルミニウム粉、鉄粉、ナノサイズの金属結晶、金属間化合物等を挙げることができ、これらはいずれもその用途に応じて有効に用いられる。
前記導電微粒子の例としては、例えば、金や銀等の金属粒子で表面コートされた樹脂粒子、黒鉛粒子等が挙げられる。
前記顔料の例としては、例えば、二酸化チタン等の無機顔料やアゾ顔料等の有機顔料等が挙げられる。
前記有機溶剤の例としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
前記反応性希釈剤の例としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、N,N’−グリシジル−o−トルイジン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記非反応性希釈剤の例としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジベート、石油系溶剤等が挙げられる。
前記樹脂類の例としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、アルキッド変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂が挙げられる。
前記結晶性アルコールの例としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、トリメチロールプロパンが挙げられる。
硬化方法は、特に限定されず、例えば、25℃〜350℃で1秒〜120時間加熱する方法などが挙げられる。
フィルム状接着剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、特開昭62−141083号公報や、特開平05−295329号公報などに記載された方法がある。より具体的には、固形エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂、さらに固形のウレタン樹脂を、50質量% になるようにトルエンに溶解・混合・分散させた溶液を製造した後、本実施の形態の硬化性エポキシ樹脂組成物を、前記溶液に対して30質量%添加し、分散させてワニスを調製する。得られたワニスを、例えば厚さ50μmの剥離用ポリエチレンテレフタレート基材に、トルエンが乾燥後に厚さ30μmとなるように塗布する。トルエンを乾燥させることにより、常温では不活性であるが、加熱により接着性を発揮する、潜在硬化性を有する接合用フィルムを得ることができる。
前記導電粒子としては、特に限定されず、半田粒子、ニッケル粒子、ナノサイズの金属結晶、金属の表面を他の金属で被覆した粒子、銅と銀の傾斜粒子等の金属粒子や、例えば、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン− ブタジエン樹脂等の樹脂粒子に金、ニッケル、銀、銅、半田などの導電性薄膜で被覆を施した粒子等が使用される。一般に導電粒子は1〜20μm程度の球形の微粒子である。フィルムにする場合の基材としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン等を使用できる。
(検量線の作成)
標準物質としてテレフタロニトリルを用い、下記モデル化合物(A)、(B)、(C)のそれぞれを、任意の割合で、精密に秤量して混合後、KBr粉末とともに粉砕して錠剤成型機を用いて錠剤に成型した後、赤外分光光度計(日本分光(株)社製FT/IR−410)を用いて、赤外吸収スペクトルを測定した。得られたスペクトルにおける標準物質のテレフタロニトリルに起因するニトリル基の2240〜2260cm−1の吸収帯の面積に対して、モデル化合物(A)のウレア基の1630〜1680cm−1の吸収帯、モデル化合物(B)のイソシアヌル基の1680〜1725cm−1吸収帯、モデル化合物(C)のウレタン基の1730〜1755cm−1吸収帯の面積比をそれぞれ求め、この面積比とサンプルの質量比の関係により検量線を作成した。なお、標準物質であるテレフタロニトリル、モデル化合物(A)、モデル化合物(C)はいずれも東京化成工業(株)製のもの用い、モデル化合物(B)は公知の方法で製造したものを用いた。
実施例1〜8及び比較例1、2で得られたマイクロカプセル型硬化剤をメタノールで洗浄、ろ過をおこなうことでシェル以外の成分を除去してシェルを単離した。50℃以下の温度でメタノールを完全に除去乾燥した後、このシェル1gに対して、標準物質であるテレフタロニトリルを3mg加えて、メノウ乳鉢で粉砕混合した。得られた混合物をKBr粉末とともに粉砕して錠剤成型機を用いて赤外吸収スペクトルを測定した。得られたスペクトルチャートと、前記の方法で作成した検量線を用いて、結合基(x)、(y)、(z)のサンプル中の濃度を求めることでその濃度比を決定した。
マイクロカプセル型硬化剤30質量部に対してビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER250、エポキシ当量185g/eq)70質量部を配合し、130℃のホットプレート上でのゲルタイムを測定した。ゲルタイムが90秒以下であるものを◎、90秒から120秒までの場合を○、120秒を超えるものを×とした。
マイクロカプセル型硬化剤30質量部に対してビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185g/eq)70質量部を混合し、トルエン15質量部、酢酸エチル5質量部と混合したサンプルを調製し、40℃6時間加温し、加温前後でサンプルの粘度を測定し、粘度上昇倍率で評価した。なお、粘度は、25℃でBM型粘度計を使用して測定した。粘度上昇率が2倍未満である場合を○、2倍以上5倍未満である場合を△、5倍以上である場合を×とした。
コア剤:エポキシ樹脂=30:70(質量比)となるようにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185g/eq)を混合し、トルエン15質量部、酢酸エチル5質量部と混合したサンプルを調製し、40℃6時間加温し、加温前後でサンプルの粘度を測定し、粘度上昇倍率で評価した。なお、粘度は、25℃でBM型粘度計を使用して測定した。粘度上昇率が2倍未満である場合を○、2倍以上5倍未満である場合を△、5倍以上である場合を×とした。
セパラブルフラスコにn−ブタノールとトルエンを質量比1/1で混合した溶液50gに2−メチルイミダゾール(東京化成工業(株)製)とビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量176g/eq)をモル比1/1で加え、80℃で反応させた。その後、その後、減圧下で2−メチルイミダゾールの含有量が0.5質量%以下になるまで溶剤とともに留去し、室温まで冷却後、固体状のアミンアダクト(1)を得た。
セパラブルフラスコにn−ブタノールとトルエンを質量比1/1で混合した溶液50gに1,2−ジメチルイミダゾール(東京化成工業(株)製)とフェニルグリシジルエーテル(東京化成工業(株)製)をモル比1/1で加え、80℃中で反応させた。その後、減圧下で1,2−ジメチルイミダゾールの含有量が0.5質量%になるまで溶剤とともに留去し、室温まで冷却後、固体状のアミンアダクト(2)(一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物に該当する)を得た。
得られたアミンアダクト(1)及びトルエンスルフィン酸ナトリウム(東京化成工業社製)を質量比90/10でセパラブルフラスコに入れ、メタノール中で溶解させた。メタノールを溶媒留去し、さらに減圧下で乾燥をおこないメタノールを完全に除去した。得られた固体をジェットミル粉砕することで、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(1)を得た。
アミンアダクト(1)及びトルエンスルフィン酸ナトリウムの質量比を80/20とした以外は製造例3と同様にして、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(2)を得た。
アミンアダクト(1)及びトルエンスルフィン酸ナトリウムの質量比を60/40とした以外は製造例3と同様にして、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(3)を得た。
トルエンスルフィン酸ナトリウムを用いる代わりにナトリウムメトキシドを用いた以外は製造例4と同様にして、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(4)を得た。
トルエンスルフィン酸ナトリウムを用いる代わりに製造例2で得られたアミンアダクト(2)を用いた以外は製造例4と同様にして、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(5)を得た。
製造例1で得られたアミンアダクト(1)をジェットミル粉砕することで、平均粒径2μmのアミンアダクト粒子(6)を得た。
表1に製造例3〜8で得られたアミンアダクト粒子についてまとめた。
セパラブルフラスコに製造例3で得られたアミンアダクト粒子(1)を45gとシクロヘキサン171gを加え、50℃に加熱したのち、MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)3gを加えて反応させ、その後水1.2gを加えてさらに反応をおこなった。反応終了後に懸濁液をろ過し、回収した粉末をシクロヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させることでマイクロカプセル型硬化剤(1)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例1において、アミンアダクト粒子(1)を用いる代わりにアミンアダクト粒子(2)を用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(2)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例1において、アミンアダクト粒子(1)を用いる代わりにアミンアダクト粒子(3)を用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(3)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例2において、MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)用いる代わりにキシリレンジイソシアネートを用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(4)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例2において、MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)を用いる代わりにトルエンジイソシアネートを用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(5)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例1において、アミンアダクト粒子(1)を用いる代わりにアミンアダクト粒子(4)を用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(6)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
実施例1において、アミンアダクト粒子(1)を用いる代わりにアミンアダクト粒子(5)を用いた以外は同様にしてマイクロカプセル型硬化剤(7)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量176g/eq)200gに、アミンアダクト粒子(2)100g、水2.7g、MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)6.7gを加えて、40℃で攪拌しながら反応させ、マスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
セパラブルフラスコに製造例8で得られたアミンアダクト粒子(6)45gとシクロヘキサン171gを加え、50℃に加熱したのち、水1.2gを加えて10分間撹拌した。その後MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)3gを加えて反応させて、反応終了後に懸濁液をろ過し、回収した粉末をシクロヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させることで比較マイクロカプセル型硬化剤(1)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
セパラブルフラスコに製造例3で得られたアミンアダクト粒子(1)45gとシクロヘキサン171gを加え、50℃に加熱したのち、水1.2gを加えて10分間撹拌した。その後MR−200(日本ポリウレタン社製、ポリメチレンフェニレンポリイソシアネート)3gを加えて反応させて、反応終了後に懸濁液をろ過し、回収した粉末をシクロヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させることで比較マイクロカプセル型硬化剤(1)を得た。得られたマイクロカプセル型硬化剤を用いて、前記記載の方法で結合基濃度の測定、耐溶剤性の評価、及び硬化特性の評価をおこなった。得られた結果を表2にまとめた。
XDI:キシリレンジイソシアネート
TDI:トリレンジイソシアネート
ビスフェノールA型エポキシ樹脂( 旭化成ケミカルズ社製AER−2603)10質量部、フェノールノボラック樹脂( 昭和高分子社製、商品名「BRG−558 」)6質量部、合成ゴム(日本ゼオン社製商品名「ニポール1072」、重量平均分子量30万)4質量部を、メチルエチルケトンとブチルセロソルブアセテートの1:1(質量比) 混合溶剤20質量部に溶解した。この溶液に銀粉末74質量部を混合し、さらに三本ロールにより混練した。これにさらに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を40質量部加えて、さらに均一に混合させて、導電性接着剤を得た。得られた導電性接着剤を用いて、厚さ40μmのポリプロピレンフィルム上にキャストして、80℃で60分間、乾燥半硬化させ厚さ35μmの導電性接着剤層を有する導電性フィルムを得た。この導電性フィルムを用い、80℃のヒートブロック上でシリコンウェハー裏面に導電性接着剤層を転写させた。さらにシリコンウェハーをフルダイシングし、ヒートブロック上でリードフレームに導電性接着剤付半導体チップを、200℃、3分間の条件で接着硬化させたところ、チップの導電性の問題がなかった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂( 旭化成ケミカルズ社製AER−2603)85質量部に、実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を45質量部に、平均粒子径が14μm、アスペクト比が11の鱗片状銀粉(徳力化学研究所(株)製)150g及び平均粒子径が10μm、アスペクト比が9の鱗片状ニッケル粉(高純度化学(株)製、商品名「NI11010104」)60gを添加し、均一になるまで撹拌後、三本ロールで均一に分散して導電ペーストとした。得られた導電ペーストを、厚さ1.4mmのポリイミドフィルム基板上にスクリーン印刷した後、200℃で1時間、加熱硬化させた。得られた配線板の導電性を測定した結果、導電性ペーストとして有用なものであった。
ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER−6097、エポキシ当量42500g/eq)30質量部、フェノキシ樹脂(東都化成製、YP−50)30質量部を酢酸エチル30質量部に溶解し、それに、実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)40質量部と、粒径8μmの導電粒子(金メッキを施した架橋ポリスチレン)5質量部とを加え均一に混合し、一液性エポキシ樹脂組成物を得た。これをポリエステルフィルム上に塗布し、70℃で酢酸エチルを乾燥除去し、異方導電性フィルムを得た。得られた異方導電性フィルムをICチップと電極間に挟み、210℃のホットプレート上で30kg/cm2、25秒間熱圧着を行った結果、電極間が接合し、導通がとれ、異方導電性材料として有用であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER−6091、エポキシ当量480g/eq)50質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER2603)40質量部と導電粒子としてミクロパールAu−205(積水化学製、比重2.67)5質量部を混合後、実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を45質量部加えて、さらに均一に混合させて、異方導電性ペーストを得た。得られた異方導電性ペーストを、ITO電極を有する低アルカリガラス上に塗布した。230℃ のセラミックツールで、45秒間、2MPaの圧力にて試験用TAB(Tape Automated Bonding)フィルムと圧着し貼り合わせを行った。隣接するITO電極間の抵抗値を測定したところ、異方導電性ペーストとして有用であった。
ビスフェノールF 型エポキシ樹脂( 油化シェルエポキシ株式会社製、商品名「YL983U」)100質量部、ジシアンジアミドを4質量部、シリカ粉末100質量部、希釈剤としてフェニルグリシジルエーテル10質量部、及び有機リン酸エステル(日本化薬社製、商品名「PM−2」)1質量部を十分混合した後、さらに三本ロールで混練する。さらに、そこに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を45質量部加えて、さらに均一に混合させて、減圧脱泡及び遠心脱泡処理を行い、絶縁性ペーストを製造した。得られた絶縁性ペーストを用いて、半導体チップを樹脂基板に220℃で1時間加熱硬化させて接着したところ、絶縁性ペーストとして有用であった。
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「YP−50」)180質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量200g/eq、日本化薬株式会社製商品名「EOCN−1020−80」)40質量部、球状シリカ(平均粒径:2μm、アドマテック株式会社製、商品名SE−5101)300質量部、メチルエチルケトン200質量部を調合し均一分散させた後、これに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を250質量部加えてさらに攪拌・混合してエポキシ樹脂組成物を含む溶液を得る。得られた溶液を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレート上に、乾燥後の厚さが50μm になるように塗布し、熱風循環式乾燥機の中で加熱乾燥を行い、半導体接着用の絶縁性フィルムを得た。得られた半導体接着用の絶縁性フィルムを5インチのウェハサイズよりも大きく支持基材ごと切断し、バンプ電極付きウェハの電極部側に樹脂フィルムを合わせる。次に離型処理付き支持基材を上に挟み、85℃、1MPa、加圧時間15秒で真空中加熱圧着し接着樹脂付きウェハを得る。続いて、ダイシングソー(DISCO製DAD−2H6M)を用いてスピンドル回転数30,000rpm、カッティングスピード20mm/secで切断分離した個片の接着フィルム付き半導体素子の樹脂剥がれがないことを観察した。得られたフィルムは絶縁性フィルムとして有用なものであった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER−2603)30質量部、フェノキシ樹脂としてYP−50を30質量部(東都化成製)、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液(荒川化学工業(株)製、商品名「コンポセランE103」)を50質量部、これに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)30質量部加えて、メチルエチルケトンで50質量% に希釈・混合させた溶液を調製した。調製した溶液を、剥離PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(パナック(株)製SG―1)上に、ロールコーターを用いて塗布し、150℃ で15分、乾燥、硬化させ、剥離フィルム付き半硬化樹脂(ドライフィルム)膜厚100μmを作製した。これらのドライフィルムを先の銅張り積層板上に120℃で、15分間、6MPaで加熱圧着した後、室温に戻して剥離フィルムを除去し、200℃で2時間硬化させたところ、層間絶縁用のコーティング材として有用なものが得られた。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER−6091、エポキシ当量480g/eq)45質量部に、二酸化チタン30質量部、タルク70質量部を配合し、混合溶剤としてメチルイソブチルケトン/キシレンの1:1 混合溶剤140質量部を添加、攪拌、混合して主剤とする。これに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を40質量部添加し、均一に分散させることにより、エポキシ塗料組成物として有用なものが得られた。
130℃のオイルバス中のフラスコ内にノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製のEP ICLON N−740)を15質量部、ビスフェノールF 型エポキシ樹脂(JER製のエピコート4005)を40質量部、ビスフェノールA 型液状エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER2603)20質量部を溶解・混合し80℃ まで冷やす。さらに実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)を25質量部加えて、十分、攪拌して混合する。室温に冷ました前記樹脂組成物を離型紙上にドクターナイフを用いて樹脂目付162g/m2で塗布し、樹脂フィルムとした。次にこの樹脂フィルム上に弾性率24トン/ mm2の炭素繊維を12.5本/インチで平織りした三菱レイヨン製CFクロス(型番:TR3110、目付200g/m2)を重ねて樹脂組成物を炭素繊維クロスに含浸させた後、ポリプロピレンフィルムを重ねて表面温度90℃のロール対の間を通して、クロスプリプレグを作製した。樹脂の含有率は45質量%だった。得られたプリプレグを、繊維方向を揃えてさらに積層し、硬化条件150℃×1時間で成形を行い、炭素繊維を補強繊維とするFRP成形体を得ることができ、作製したプリプレグは有用なものであった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製AER2603)90質量部、エポキシ樹脂用硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「タマノル759」)のメチルエチルケトン50%溶液を40質量部、鱗片状グラファイト粉末(ユニオンカーバイト社製の商品名HOPG)15質量部を均一になるまで攪拌後、3本ロールで均一に分散させた。これにさらに、実施例8で得られたマスターバッチ型のマイクロカプセル型硬化剤(8)25質量部を加えて、十分、攪拌して混合する。得られた導電ペーストを、用いてCuリードフレーム上に半導体チップ(1.5mm角、厚み0.8mm)をマウントし、かつ、160℃、30分で加熱硬化させて評価用サンプルを得た。得られたサンプルの熱伝導性についてレーザフラッシュ法により測定する。すなわち、測定した熱拡散率α、比熱Cp、密度σから、以下の式、K=α×Cp×σより熱伝導率Kを求めたところ、Kが5×10−3Cal/cm・sec・℃ 以上あり、熱伝導性ペーストとして、有用なものであった。
Claims (9)
- 硬化剤を含有するコアと、前記コアを被覆するシェルとを有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤であって、前記シェルが、イソシアヌル基を有し、かつ、波数1630〜1680cm−1の赤外線を吸収する結合基x、波数1680〜1725cm−1の赤外線を吸収する結合基y、波数1730〜1755cm−1の赤外線を吸収する結合基zを有し、前記シェル中の前記結合基x、y、及びzの濃度を、それぞれ、Cx、Cy、及びCzとしたとき、Cy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上1未満である、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 前記Cy/(Cx+Cy+Cz)が0.4以上0.62以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 前記コアが、金属アルコキシド類、第4級アンモニウム塩類、3級アルキルホスフィン類、スルフィン酸化合物、及び下記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を含んでもよい芳香族基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を含んでもよいフェノキシ基である。) - 前記コアが、金属アルコキシド類、第4級アンモニウム塩類、3級アルキルホスフィン類、スルフィン酸化合物、及び前記一般式(1)で表される構造を分子内に有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、0.1質量%以上50質量%以下含む、請求項3に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 前記コアが、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、ハロゲン化ホウ素系硬化剤、四級アンモニウム塩系硬化剤、尿素系硬化剤及びホスフィン系硬化剤からなる群より少なくとも一つ以上選ばれる硬化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 前記コアが、アミン系硬化剤を50質量%以上含む、請求項5に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 前記アミン系硬化剤が、イミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物である、請求項6に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤と、エポキシ樹脂と、を含む硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項8に記載の組成物を硬化させて得られる硬化物。
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