JP2014168897A - 丸み出し装置、及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易に厚みの異なる冊子に応じて曲率の異なる丸み出しを自動的に行い、生産能力の向上を図れる丸み出し方法等を提供する。
【解決手段】積層体3の背に押し当てるための開き角度αが異なる押当体15が複数組連続して直線状に並んで配置される押当体15の中から積層体3の厚みに応じた開き角度αを有する押当体15を選択し、選択された押当体15を積層体3の背に押し当てて背の丸み出しを行う。
【選択図】図2
【解決手段】積層体3の背に押し当てるための開き角度αが異なる押当体15が複数組連続して直線状に並んで配置される押当体15の中から積層体3の厚みに応じた開き角度αを有する押当体15を選択し、選択された押当体15を積層体3の背に押し当てて背の丸み出しを行う。
【選択図】図2
Description
本発明は上製本の製本過程において、背に丸みをつける丸み出し装置等に関する。
背が丸みをおびた丸製上製本は、複数の枚葉紙からなる用紙束が下固め工程、丸み出し工程、耳出し工程、背固め工程、表紙くるみ工程の順に処理され製本されることが知られている。
この種の上製本の製本過程において、手作業又は機械作業により背に丸みをつけることが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に示す丸み出し装置は、ブックブロック(冊子)を受けレールにあてることによって背に丸みをつける装置であり、ブックブロックの厚みの変化に応じて曲率が調整されて背の丸み出しが行われる。
しかしながら、特許文献1に示す丸み出し装置は、ブックブロックの厚みの変化に応じてブックブロックの背に当てる受けレール(丸み出しセグメント)を交換又は調整する必要があり、完全に人手を排除した自動化構造にはなっていないため、作業者が必ず必要となり、作業者の負担増や製造コストの高騰を招く。
本発明は、このような問題の解消を一つの課題とし、その目的の一例は、簡易に厚みの異なる冊子に応じて曲率の異なる丸み出しを自動的に行い、生産能力の向上を図れる丸み出し方法等を提供するものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の丸み出し装置(10)は、開き角度(α)が異なる押当体(15)を複数有する治具(30)と、積層体(3)の形状情報を取得し、当該形状情報に適した押当体を前記治具から選択する押当体選択部(20)と、選択された押当体を前記積層体の背に押し当て、前記積層体の背に丸みを形成することを特徴とする。
また、請求項2に記載の丸み出し装置は、請求項1に記載の丸み出し装置において、前記押当体は、略逆V字状のテーパ部(25)を有し、前記治具は、前記テーパ部の開き角度が異なる押当体が複数組連続して直線状に並んで配置され、開き角度が同じ押当体が等間隔に複数配置されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の丸み出し方法は、積層体の背に押し当てるための開き角度が異なる押当体が複数組連続して直線状に並んで配置される押当体の中から当該積層体の厚みに応じた開き角度を有する押当体を選択し、当該選択された押当体を当該積層体の背に押し当てて背の丸み出しを行うことを特徴とする。
自働的に積層体の厚みに応じた丸み出し処理を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(上製本の丸み出し方法等)
まず、製本される上製本(以下、「冊子1」と称する。)について簡単に説明する。なお、図1において、便宜上、冊子1の上下方向を天地方向とし、正面側を小口側、奥行側を背側として説明する。
まず、製本される上製本(以下、「冊子1」と称する。)について簡単に説明する。なお、図1において、便宜上、冊子1の上下方向を天地方向とし、正面側を小口側、奥行側を背側として説明する。
冊子1は、本紙となる複数の枚葉紙2を重ね合わせて構成される積層体で構成される本文3を備え、当該本文3の背、及び表裏面の両側が表紙4によってくるまれる。
本文3は、丁合工程によって丁合された複数の枚葉紙2からなる積層体の背側に、下固め工程においてホットメルト等の熱によって溶融する糊が塗布されて各枚葉紙2が互いに接着され、丸み出し工程においてその背に丸みがつけられる。なお、本実施形態では、各枚葉紙2を接着するための接着体としてホットメルト等の熱によって溶融する糊が用いられているが、一般的に公知な糊を適宜用いても構わない。
丸み出し工程では、ローラなどによって本文3の表裏を挟持しつつ絞りあげることによって背が丸く形成されるが、この絞りあげのみでは規定の丸み形状に仕上げることが困難であるため、まず、図2に示すように、本文3の背に略逆V字状のテーパ部25を有する押当体15を押し当てて、初期の丸みを形成した後、図4に示すように、ニップ体55を用いて絞りあげることで背の形状を整えて規定の丸み形状に仕上げられる。
本実施形態の丸み出し方法は、テーパ部25の開き角度αが異なる複数の押当体15が設けられた治具30を用いて、当該複数の押当体15の中から選択される押当体15のテーパ部25に本文3の背を押し当てて背に丸みをつけるものであって、当該本文3の厚みに適した開き角度αを有する押当体15が自動的に選択されることによって、当該本文3の背を適切に丸み出し可能となっている。
なお、冊子1は、本文3の背が丸み出しされた後、表紙4によってくるまれて製本される。
本実施形態の丸み出し方法は、図2に示す第1の丸み出し装置10、及び図4に示す第2の丸み出し装置50を用いて処理される。第1の丸み出し装置10は、本文3の背に初期の丸みを形成するものであって、第2の丸み出し装置50は、本文3の背を規定の丸み形状に整えるものである。
なお、規定の丸み形状とは、冊子1(又は本文3)の厚みに応じて異なるものであって、予め規定された曲率を有した湾曲形状をいう。
(丸み出し装置の構成等)
図2に示すように、第1の丸み出し装置10は、略逆V字状に形成されたテーパ部25の開き角度αが異なる複数の押当体15を備え、後述する制御部20によって選択される押当体15を本文3の背に押し当てるための治具30と、本文3の厚みや小口側から背側の長さ等の形状情報を取得し、この形状情報に基づいて、当該冶具30に設けられる複数の押当体15の中から本文3の厚みに適した開き角度を有する押当体15を選択する制御部20(本願の押当体選択部)と、を備えている。
(丸み出し装置の構成等)
図2に示すように、第1の丸み出し装置10は、略逆V字状に形成されたテーパ部25の開き角度αが異なる複数の押当体15を備え、後述する制御部20によって選択される押当体15を本文3の背に押し当てるための治具30と、本文3の厚みや小口側から背側の長さ等の形状情報を取得し、この形状情報に基づいて、当該冶具30に設けられる複数の押当体15の中から本文3の厚みに適した開き角度を有する押当体15を選択する制御部20(本願の押当体選択部)と、を備えている。
図2に示すように、治具30は、クランパ等の挟持具(図を省略)を用いて背を上側にして挟持された本文3の上方に設けられる開き角度が異なる複数の押当体15と、この押当体15を支持するとともに各押当体15を独立して上下方向に移動可能なシリンダ装置17と、このシリンダ装置17を保持する基台19と、を備えている。
シリンダ装置17は、複数のシリンダ17A〜17Cで構成され、各シリンダ17A〜17Cには、例えば、図示しないがエアーを供給可能な配管が取り付けられ、制御部20によるエアーの供給制御によって上下方向にそのシリンダ17A〜17Cの全長を伸縮可能であって、図2(b)に示すように制御部20によって選択されたシリンダ17A〜17Cを伸ばすことで当該シリンダ17A〜17Cに取り付けられた押当体15を下方へと移動し、本文3の背に押し当てる。
図2及び図3に示すように、押当体15は、開き角度が同じ押当体15A〜15Cが所定の間隔を有して配置され、その開き角度が同じ押当体(例えば15A)の間に開き角度が異なる押当体(例えば15B、15C)が配置され、開き角度の異なる押当体15A〜15Cが複数組連続して直線状に並んで配置されている。
また、各押当体15のテーパ部25は、厚みの異なる本文3に対応可能なようにその開き角度αが異なり、薄い本文3の丸み出し処理を行う場合には、開き角度αが小さい押当体15Cが選択され、厚い本文3の丸み出し処理を行う場合には、開き角度αが大きい押当体15Aが選択される。
また、シリンダ装置17の代わりに、ラック&ピニオン式の移動機構部を設け、ピニオンにモータ等の駆動部を取り付け、この駆動部を制御部によって制御することでラックを上下方向に移動させて、押当体15を本文3の背に押し当てるようにしてもかまわない。
制御部20は、本文3の形状情報を取得し、その形状情報に含まれる厚み情報に基づいて、本文3の厚みに適した開き角度を有する押当体(例えば15A)を選択し、図2(b)に示すように、当該選択された押当体15Aが本文3の背に押し当てられるように各シリンダ17A〜17Cを伸縮制御する。
なお、本文3の形状情報は、図示しないが、例えば、本文3の形状情報を機械的又は電気的に検出して取得され、この検出結果が制御部20に送信される。ここで、例えば、本文3の厚みを検出するための電気的な検出手法とは、光電素子などを用いて本文3の厚みを検出するものであって、本文3の厚みを検出するための機械的な検出手法とは、本文3の幅方向に水平に移動可能な移動体を本文3に接触させた時の移動体の移動量から本文3の厚みを測定するものである。
一方、図4に示すように第2の丸み出し装置50は、本文3を挟持して搬送するためのクランパ51と、本文3の表裏面の両側に配置され、協働して当該本文3を挟持しつつ回転させて本文3の背を丸く整える一対のニップ体55、55と、を備えている。
クランパ51は、ニップ体55、55により本文3が挟持された後は、本文3の両側に離れ、後述するニップ体55の丸み形成処理が終了した後、再度、本文3を挟持して次工程へと本文3を搬送する。
ニップ体55は、軸体の外周面に設けられる回転体であって、この軸体には、例えば、モータ等の駆動部Mが歯車群を介して取り付けられている。そして、この駆動部Mが制御部70によって制御されて、図4(b)に示すように、所定の方向に回転し本文3を挟持しつつ上方に絞り上げて第1の丸み出し装置10によって形成された初期の丸みを整えて正規の丸みを形成する。
なお、この種の第2の丸み出し装置50は上製本の製造装置として公知であるため、その詳細の説明は省略する。また、この第2の丸み出し装置50の構成を第1の丸み出し装置10に組み入れて構成してもかまわない。
そして、本文3の背には、第1及び第2の丸み出し装置10、50によって、本文3の厚みに応じた正規の丸みが形成される。
具体的には、まず、第1の丸み出し装置10は、前処理から図示しないクランパ等によって把持され搬送される本文3に対して、本文3の厚みに対応する押当体15が制御部20によって選択されるとともに、この制御部20によってこの選択された開き角度αを有する押当体(例えば15A)が本文3の背に押し当てられるように各シリンダ17Aが伸縮制御される(図2(b)参照)。
このようにして第1の丸み出し装置10によって、本文3の背に制御部20によって選択された押当体15Aが押し当てられることで本文3の背に初期段階の丸みが形成される。
次に、第2の丸み出し装置50によって、図4に示すように、前処理からクランパ51によって把持され搬送される本文3に対して、ニップ体55、55を移動させて本文3を挟持し、更に、ニップ体55、55を回転させて本文3を上方へと絞り上げて、本文3の背に形成された初期段階の丸みが整えられ、本文3の背が最終的な丸み形状に形成され、本文3の背の丸見出し処理を終了する。
以上に説明したように、本実施形態の丸み出し装置10は、本文3の形状情報に応じて適正な開き角度αを有する押当体15A〜15Cを選択し、その選択した押当体15A〜15Cを用いて本文3の背に初期段階の丸みを形成する。
このような丸み出し装置10によれば、本文3の厚みに応じて適正な開き角度αを有する押当体15A〜15Cが自動的に選択されるので、簡易且つ自動的に本文3の厚みに応じた適正な初期段階の丸みを背につけることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、本実施形態では、本文3は移動せずに本文3に対して押当体15を移動する構成であるが、本文3を移動させる構成としたり、本文3と押当体15のそれぞれを移動させる構成としても構わない。また、シリンダ装置17はエアーシリンダの代わりに電動シリンダを用いるなど、押当体15を移動可能な駆動機構であれば良く、公知の駆動機構を適宜用いることができる。
3 積層体
10 丸み出し装置
15 押当体
20 制御部
25 テーパ部
30 治具
10 丸み出し装置
15 押当体
20 制御部
25 テーパ部
30 治具
Claims (3)
- 開き角度が異なる押当体を複数有する治具と、
積層体の形状情報を取得し、当該形状情報に適した押当体を前記治具から選択する押当体選択部と、
選択された押当体を前記積層体の背に押し当て、前記積層体の背に丸みを形成することを特徴とする丸み出し装置。 - 前記押当体は、
略逆V字状のテーパ部を有し、
前記治具は、
前記テーパ部の開き角度が異なる押当体が複数組連続して直線状に並んで配置され、開き角度が同じ押当体が等間隔に複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の丸み出し装置。 - 積層体の背に押し当てるための開き角度が異なる押当体が複数組連続して直線状に並んで配置される押当体の中から当該積層体の厚みに応じた開き角度を有する押当体を選択し、当該選択された押当体を当該積層体の背に押し当てて背の丸み出しを行うことを特徴とする丸み出し方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013041960A JP2014168897A (ja) | 2013-03-04 | 2013-03-04 | 丸み出し装置、及びその方法 |
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JP2013041960A Pending JP2014168897A (ja) | 2013-03-04 | 2013-03-04 | 丸み出し装置、及びその方法 |
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- 2013-03-04 JP JP2013041960A patent/JP2014168897A/ja active Pending
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