JP6160052B2 - 丸み出し装置 - Google Patents

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Description

本発明は冊子の背に丸みをつける丸み出し装置に関する。
例えば、冊子としてのブックブロックの製本過程において、機械作業により背に丸みをつけることが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に示す丸み出し装置は、ブックブロックを受けレールにあてることによって背に丸みをつける装置であり、ブックブロックの厚みの変化に応じて曲率が調整されて背の丸み出しが行われる。
特開平7−1863号公報
しかしながら、特許文献1に示す丸み出し装置は、ブックブロックの厚みの変化に応じてブックブロックの背に押し当てる受けレール(丸み出しセグメント)を交換又は調整する必要があり、完全に人手を排除した自動化構造にはなっていないため、作業者が必ず必要でなり、作業者の負担増や製造コストの高騰を招く。
本発明は、このような問題の解消を一つの課題とし、その目的の一例は、簡易に厚みの異なる冊子に応じて曲率の異なる背の丸み出しを自動的に行う丸み出し装置を提供するものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の丸み出し装置(10)は、シート体(15a)を巻回することによって形成される湾曲形成体(15)と、積層体(3)の厚み情報を取得し、その厚み情報に基づいて、前記シート体の巻回量を調整し、前記湾曲形成体の曲率を調整する曲率調整手段(20)と、当該積層体を前記湾曲形成体に押し当てる積層体押し当て機構部(16)と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の丸み出し装置は、請求項1に記載の丸み出し装置において、前記湾曲形成体は、前記シート体が架け渡されて配置される一対の回転体(18、19)と、各回転体を回転駆動させる駆動部(M)と、当該駆動部の駆動制御を行う制御部(20)と、を具備し、前記制御部は、前記積層体の厚み情報に基づいて、前記駆動部を制御し、前記湾曲形成体として機能する一方の回転体に巻回されるシート体の巻回量を調整することを特徴とする。
自動的に積層体の厚みに応じた丸み出し処理を行うことができる。
本実施形態の冊子の一例を示す外観斜視図である。 丸み出し装置の構成を示す模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第1工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第2工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第3工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第4工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第5工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第6工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第7工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第8工程を説明するための模式図である。 丸み出し装置を用いた積層体の丸み出し工程の第9工程を説明するための模式図である。 薄い冊子の背に丸みをつける時の丸み出し装置の動作を説明するための模式図である。 厚い冊子の背に丸みをつける時の丸み出し装置の動作を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(冊子の丸み出し方法等)
まず、製本される冊子1について簡単に説明する。なお、図1において、便宜上、冊子1の上下方向を天地方向とし、正面側を小口側、奥行側を背側として説明する。
冊子1は、本紙となる複数の枚葉紙2を重ね合わせて構成される積層体3を備え、当該積層体3の背、及び表裏面の両側がカバー紙4によってくるまれる。
積層体3は、丁合された複数の枚葉紙2の背側にホットメルト等の熱によって溶融する糊が塗布されて各枚葉紙2が互いに接着され、小口側を開き易くするためにその背に丸みがつけられる。なお、本実施形態では、各枚葉紙2を接着するための接着体としてホットメルト等の熱によって溶融する糊が用いられているが、一般的に公知な糊を適宜用いても構わない。
本実施形態の丸み出し方法は、シート体15aを巻回することによって形成される湾曲形成体15に積層体3の小口側の端面を押し当てて背の丸み出しを行うものであって、積層体3の厚み情報を取得し、この厚み情報に応じて前記シート体5aの巻回量を調整し、湾曲形成体15の曲率を自動的に調整するものである。ここで、曲率とはシート体15aを巻回した時の外周面がなす曲がり量であり、曲がり具合がきついほど、この値は大きくなる。
なお、冊子は、積層体3の背が丸み出しされた後、カバー紙4によってくるまれる。
本実施形態の丸み出し方法は、図2に示す丸み出し装置10を用いて処理される。
(丸み出し装置の構成等)
図2に示すように、丸み出し装置10は、積層体3の小口側を押し当て背の丸み出しを行うための湾曲形成体15と、積層体3の厚みや小口側から背側の長さ等の形状情報に基づいて、前記湾曲形成体15の曲率を調整する制御部20(本願の曲率調整手段)と、当該積層体3の表裏面の両側に配置され、協働して当該積層体3を挟持しつつ回転させて積層体3の背を丸く整える一対のニップ体17、17と、積層体3の背に接触させる接触体16と、当該積層体3の表裏面の両側に配置され、協働して当該積層体3を挟持するクランパ25と、を備えている。
湾曲形成体15は、平行に配置される一対の軸体18、19と、各軸体18、19の間に架け渡される帯状のシート体15aと、を備え、一方の軸体18に巻回されたシート体15aの外周面の一部によって形成される。
この湾曲形成体15の曲率は、軸体18に巻回されるシート体15aの巻回量を変化させることによって調整される。一方の軸体18に巻回されるシート体15aの巻回量が少ない場合には、曲率が大きくなり、巻回量が多い場合には、曲率が小さくなる。
各軸体18、19には、例えばモータ等の駆動部Mが歯車群を介して取り付けられている。この駆動部Mは、制御部20によって制御され、各軸体18、19を回転させたり、湾曲形成体15を含む機構部を上下方向に移動させたりする。そして、制御部20によって駆動部Mが制御されて、当該一対の軸体18、19に架け渡された帯状のシート体15aがどちらか一方の軸体18、19に所定の巻回量で巻回されることで、湾曲形成体15の曲率が調整されて、当該積層体3の小口側下方にその湾曲形成体15が配置される。具体的に、本実施形態では、積層体3の厚みに適した曲率となるように、一方の軸体18に巻回されるシート体15aの巻回量が調整される。
制御部20は、積層体3の背に丸みを形成する際に、積層体3の形状情報を取得し、その形状情報に含まれる厚み情報に基づいて、前記湾曲形成体15の曲率を調整するための制御を行う。また、制御部20は、積層体3の形状情報に含まれる小口側から背側の長さ情報に基づいて、湾曲形成体15を含む機構部を積層体3の小口側に近接させるように上方へと移動制御する。
なお、積層体3の形状情報は、図示しないが、例えば、積層体3の形状情報を機械的又は電気的に検出して取得される。例えば、積層体3の厚みを検出するための電気的な検出手法とは、光電素子などを用いて積層体の厚みを検出するものであって、積層体3の厚みを検出するための機械的な検出手法とは、移動体を積層体の幅方向に接触させた時の移動体の移動量から積層体3の厚みを測定するものである。
ニップ体17は、軸体の外周面に設けられる回転体であって、この軸体には、例えば、モータ等の駆動部Mが歯車群を介して取り付けられている。この駆動部Mは、制御部20によって制御されて、図2中の矢印に示すように、積層体3を挟持して把持するためにニップ体17を水平方向に移動したり、丸みをより確実につけるために積層体3を挟持した状態でニップ体17を所定の方向に回転したりする。
クランパ25は、例えば、板状に形成され、積層体3の表裏面に接触させる接触部材を備え、この接触部材には、例えば、モータ等の駆動部Mが歯車群を介して取り付けられている。この駆動部Mは、制御部20によって制御されて、積層体3を挟持して把持、若しくは積層体3から離反して解放するために接触部材を水平方向に移動する。
接触体16は、下端面が略逆V字状に形成され、例えば、モータ等の駆動部Mが歯車群を介して取り付けられている。この駆動部Mは、制御部20によって制御されて、接触体16を上下方向に移動する。
そして、丸み出し装置10は、図3に示す工程順に処理されて積層体の背が丸み出しされる。まず、図3Aに示すように、前処理からクランパ25によって把持され搬送される積層体3に対して、積層体3の厚みに対応する曲率に湾曲形成体15が調整される。具体的には、制御部20によって他方の軸体19を反時計周りに回転させ、一方の軸体19に巻回されるシート体5aの巻回量が調整される。
次に、図3Bに示すように、湾曲形成体15を含む機構部を上方へと移動させ、積層体3の小口側に湾曲形成体15を近接させる。なお、この機構部の移動量は、積層体3の形状情報に基づいて制御部20によって制御される。
次に、図3Cに示すように、クランパ25を移動させて積層体3の表裏面から離反させ、積層体3を解放し、積層体3の小口側を選択された湾曲形成体15と接触させる。
次に、図3Dに示すように、接触体16を積層体3の背側に押し当て、積層体3の小口側を湾曲形成体15に押し付けて積層体3の背に初期段階の丸みが形成される。次に、図3Eに示すように、接触体16を積層体3の背側から離反させ、初期位置へと戻す。
次に、図3Fに示すように、ニップ体17を移動させて積層体3を挟持し、更に、図3Gに示すように、ニップ体17を回転させて積層体3を背側に絞り上げて、積層体3の背に形成された初期段階の丸みが整えられ、積層体3の背が最終的な丸み形状に形成される。
次に、図3Hに示すように、クランパ25を移動させて積層体3の表裏面に接触させ、積層体3を挟持し、更に、図3Iに示すように、ニップ体17を移動させて積層体3の表裏面から離反させるとともに、湾曲形成体15を含む機構部を下方へと移動させ湾曲形成体15を積層体3の小口側から離反させ、それぞれを初期位置へと戻し、積層体3の背の丸み出し処理を終了する。
次に、異なる厚みを有する積層体3の具体的な丸み出し処理を行う際の丸み出し装置の作用について図4及び図5を用いて説明する。
まず、図4に示すように、薄い積層体3aの丸み出し処理を行う場合、制御部20は、駆動部Mを制御し、他方の軸体19に巻回されるシート体15aの巻回量を多くする。これによって、湾曲形成体15の曲率が大きな値に調整される。
積層体3aは、接触体16の下方への移動により、曲率が大きく調整された湾曲形成体15に小口側が押し当てられ、大きな曲率で丸みが付けられ、上述したように背が丸み出しされる。
一方で、図5に示すように、厚い積層体3bの丸み出し処理を行う場合、制御部20を制御し、一方の軸体18に巻回されるシート体15aの巻回量を多くする。これによって湾曲形成体15の曲率が小さな値に調整される。
積層体3bは、接触体16の下方への移動により、曲率が小さく調整された湾曲形成体15に小口側が押し当てられ、小さな曲率で丸みが付けられ、上述したように背が丸み出しされる。
以上に説明したように、本実施形態の丸み出し装置20は、積層体3の形状情報に応じて湾曲形成体15を適切な曲率に調整し、曲率が調整された湾曲形成体15を用いて積層体3の背を丸み出しする。
このような丸み出し装置10によれば、積層体3の厚みに応じて自動的に湾曲体15が所定の曲率に調整されるため、積層体3の厚みに応じた適正な丸みを背につけることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、本実施形態では、一方の軸体18に巻回されるシート体15aの一部で湾曲形成体15を形成しているが、配置位置を変えることで、他方の軸体19に巻回されるシート体15aの一部で湾曲形成体15を形成することが可能である。
3 積層体
10 丸み出し装置
15 湾曲形成体
15a シート体
17 ニップ体
20 制御部

Claims (2)

  1. シート体を巻回することによって形成される湾曲形成体と、
    積層体の厚み情報を取得し、その厚み情報に基づいて、前記シート体の巻回量を調整し、前記湾曲形成体の曲率を調整する曲率調整手段と、
    当該積層体を前記湾曲形成体に押し当てる積層体押し当て機構部と、
    を備えていることを特徴とする丸み出し装置。
  2. 前記湾曲形成体は、
    前記シート体が架け渡されて配置される一対の回転体と、各回転体を回転駆動させる駆動部と、当該駆動部の駆動制御を行う制御部と、を具備し、
    前記制御部は、前記積層体の厚み情報に基づいて、前記駆動部を制御し、前記湾曲形成体として機能する一方の回転体に巻回されるシート体の巻回量を調整することを特徴とする請求項1に記載の丸み出し装置。
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