JP2014168856A - 画像形成装置 - Google Patents

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学 瀬尾
Yuma Usui
祐馬 臼井
Yoshino Hasegawa
愛乃 長谷川
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
Hideomi Sakuma
英臣 佐久間
Hiroyuki Yamashita
宏之 山下
Takahiko Matsumoto
貴彦 松本
Hisayoshi Oshima
久慶 大島
Takeshi Hihara
健 日原
Mizuki Odagiri
瑞樹 小田切
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【課題】インク等の記録液をヘッドから吐出して中間転写部材に担持させ画像形成を行う中間転写方式を採用したインクジェット方式の画像形成装置であって、中間転写部材をクリーニングするときに液体が中間転写部材の表面にスジ状に残留することを防止し得る画像形成装置の提供。
【解決手段】ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写部材37と、中間転写部材37との相対移動により中間転写部材37の表面を清掃する清掃手段71とを有し、中間転写部材70の表面の、記録液に対する撥液性は、相対移動の方向A1に交わる交差方向Xにおける中央部よりも端部の方が高い状態である画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、インク等の記録液をヘッドから吐出して中間転写部材に担持させ画像形成を行う中間転写方式を採用したインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、インク等の記録液をヘッドから吐出して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献5〕参照)。このようなインクジェット方式の画像形成装置は、電子写真方式に比べた場合の装置構成の簡便さから、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等への適用範囲が拡大しつつある。また、電気回路形成やバイオテクノロジーへの応用など、新たな領域への発展が期待されている。
このようなインクジェット方式の画像形成装置の中でも、ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写部材を備えた中間転写方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献3〕参照)。
この中間転写方式の画像形成装置は、用紙等の被記録媒体が、通常、ヘッドに対向する位置を通過することがないため、一般的に、次のような利点が得られる。すなわち、被記録媒体がヘッドに触れることで、ノズル等が損傷したり、被記録媒体に付着している紙粉、埃等がノズル等に付着したりすることが防止される。そのため、ノズルから吐出される液滴の飛翔方向が乱れたり、ノズルが閉塞したりして、画像品質や信頼性が低下することが回避されるという利点が得られる。
その一方で、かかる中間転写方式の画像形成装置において、中間転写部材は直接被記録媒体に触れる部材であり、その表面に僅かに残った記録液の残留物や被記録媒体への転写の際に付着する紙粉・埃などは画像品質低下の原因になる。そのため、中間転写部材を清浄に保ち、被記録媒体に記録液の残留物や紙粉等を転写させないことは、高品質な画像形成等における信頼性確保のうえで必須である。
中間転写部材に付着した記録液や紙粉等の清掃方法としては、中間転写部材にクリーニング液を付与して汚れや異物を除去する方法が一般的である(たとえば、〔特許文献1〕参照)。なお、中間転写方式でなく、直接方式の画像形成装置において、複数のヘッドに対向する位置で被記録媒体を搬送する搬送ベルト等の搬送部材をクリーニングするためにクリーニング液を使用する技術も知られている(たとえば、〔特許文献4〕、〔特許文献5〕参照)。その他、インクジェット方式でなく、感光体を有する画像形成装置において、クリーニング液を用いて感光体をクリーニングする技術も知られている(たとえば、〔特許文献6〕参照)。インクがクリーニング液として用いられることもある。
しかしながら、インクやクリーニング液などの液体材料を、中間転写部材に当接したブレード等の当接部材で擦り取るときに、当接部材の両端から液体が溢れる場合がある。この場合、中間転写部材表面の、ブレード両端に対応する位置に、液体が、スジ状に残留する現象が生じる。このような現象は、湿式画像形成装置では液リングと呼ばれることがあり、この現象が生じた場合、次に述べるような不具合が生じることがある。以下、かかる現象を、液リングという。
液リングの形成に関して詳しく説明する。液リングは、図12に示すように、中間転写部材101の幅よりも当接部材であるクリーニングブレード102の幅が小さい場合に生じる。この場合、中間転写部材101上の液体がクリーニングブレード102によって掻き取られるとき、クリーニングブレード102の両端に液溜まり103が形成され、中間転写部材101の表面に筋状の残留液が発生することで、液リング104が生ずる。この残留液は、インクジェットヘッドや転写機構など他の機構に付着する、滴化して周囲に落ちる、被記録媒体を汚染する、などの不具合をもたらし得る。液リングに類似の現象として、図13に示すように、中間転写部材105の幅が当接部材106の幅と同じか大きいときに、中間転写部材105の側面に液溜まり107が発生するという現象がある。この現象でも前述と同様に他の機構に残留液が付着し得る他、画像形成装置が長時間使われていない間に残留液が固形分化し、当接部材106などのクリーニングブレードが中間転写部材105に正しく当接しなくなる等の不具合が発生し得る。
このような問題を解決するためには、液リングを除去する機構を加えることが有効であるが、この機構は大型になり易いため、この機構の他に、液リングを発生しにくくする技術の提案が待たれているところである。なお、直接方式において搬送部材上のクリーニング液をブレード部材で掻き取るときにスジ状の液体が生じにくくするために、ブレード部材の両端の表面エネルギーを中央部よりも低くする構成が知られている(たとえば、〔特許文献5〕参照)。また、感光体に当接したクリーニングブレードの両端部から中央部に向けてエアを吹き付けることによって、クリーニング液が感光体上でスジ状になることを防ぐ構成が知られている(たとえば、〔特許文献6〕参照)。
上述のように、液リングを発生しにくくする技術の提案が待たれているという事情がある。しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、たとえばかかる構成の何れを応用した場合であっても、液リングの形成をある程度抑制することは可能であるものの、完全に無くすことは容易ではないことが分かった。
そのため、本発明者らは、かかる構成を必須とすることなしに液リングの形成を抑制する技術を提案するために、さらに鋭意研究を行った。なおこのとき、かかる技術のみでは液リングが完全に防止されず液リングが残留し得るとしても、残留した液リングを除去可能とすることを図った。
本発明は、インク等の記録液をヘッドから吐出して中間転写部材に担持させ画像形成を行う中間転写方式を採用したインクジェット方式の画像形成装置であって、中間転写部材をクリーニングするときに液体が中間転写体の表面にスジ状に残留することを防止し得る画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写部材と、この中間転写部材との相対移動により同中間転写部材の表面を清掃する清掃手段とを有し、前記中間転写部材の表面の、記録液に対する撥液性は、前記相対移動の方向に交わる交差方向における中央部よりも端部の方が高い状態である画像形成装置にある。
本発明は、ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写部材と、この中間転写部材との相対移動により同中間転写部材の表面を清掃する清掃手段とを有し、前記中間転写部材の表面の、記録液に対する撥液性は、前記相対移動の方向に交わる交差方向における中央部よりも端部の方が高い状態である画像形成装置にあるので、中間転写部材をクリーニングするときに液体が中間転写部材の表面にスジ状に残留することを防止し得る画像形成装置を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の一実施例の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから中間転写部材に記録液が付与される様子を示す概念図である。 図1に示した中間転写部材の表面の撥液性を説明するための概略平面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられヘッドにおけるノズルの配置を例示した概略平面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された記録液中の色剤がプロトンを介して凝集した状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される記録液による液柱の状態を示す概念図である。 図1に示した当接部材によって中間転写体から掻き取られた液体の挙動を示した概略平面図である。 図1に示した画像形成装置において撥液剤を中間転写部材に塗布する撥液調整処理手段を備える構成例を示した概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてエネルギーと中間転写体に付与するエネルギー付与手段を備える構成例を示した概略正面図である。 図1に示した画像形成装置において送風手段と汚れ検知手段とを有する構成例を示した概略正面図である。 本発明を適用した、中間転写部材をベルト状とした画像形成装置の一部の一実施例の概略図である。 従来の画像形成装置の一部の一例の概略図である。 従来の画像形成装置の一部の他の例の概略図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能なインクジェット記録装置である。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体である被記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、被記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性記録液である記録液を吐出するヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、かかる記録液を吐出する記録液吐出体としての記録ヘッドであるインクジェットヘッドとして機能する。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写部材としての中間転写ドラムである中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写ローラである中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与される。これにより、中間転写体37は、その表面上に画像が形成される。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるように行われる。そのため、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送装置である搬送ユニット10を有している。
画像形成装置100はまた、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20を有している。
画像形成装置100はまた、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙台25を有している。
画像形成装置100はまた、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液である残インク等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての残インク除去機構である清掃手段70を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液に電圧を印加するための電圧印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての制御機構である制御部40と、画像形成装置100の各種状態等を表示する表示装置等を備えた図示しない操作パネルとを有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像をその転写紙Sに転写する転写手段64を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内するガイド板39を有している。
搬送ユニット10はまた、中間転写体37をA1方向に回転駆動する駆動手段としての中間転写体回転駆動モータである中間転写体駆動機構たるモータ32等を有している。
このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、中間転写体37に従動回転する転写ローラ38と、転写ローラ38を中間転写体37に圧接し転写ローラ38を加圧ローラとして機能させる加圧手段としての図示しないばねとを有している。
このように、転写手段64は、中間転写体37と転写ローラ38との間において転写紙Sを加圧搬送するようになっている。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の円筒によって形成された支持体37aと、支持体37a上に形成されたシリコーンゴム製の表面層37bとを有している。
支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があれば、たとえばアルミ合金、銅、ステンレス等の金属によって形成しても良い。
表面層37bは、基材である支持体37aの表面に、シリコーンゴムを塗布した後に固化することで形成されているが、成形によって形成しても良い。表面層37bの材質はシリコーンゴムに限られるものではなく、記録液の剥離性が高いという利点のためには表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料であればよい。よって、表面層37bの材質は、たとえばニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムであっても良い。
なお、支持体37aを省略して中間転写体37の全パーツをかかるゴム材料で形成しても良い。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料に導電剤としてのカーボン、白金、金などの金属微粒子を分散して混入させた導電性ゴムとされ、導電層となっている。ただし、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係であるので、適宜、調整が必要である。
後述するように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に所望の電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は、10Ω・cm未満であることが好ましい。また、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に所望の電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は、記録液の体積抵抗率よりも小さいことが望ましい。
また、表面層37bの材質は、上述のようにシリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素系ゴムであって、後述するように、その表面に、記録液に対する撥液性を調整する撥液調整処理が、中間転写体37の出荷前に予め施されている。なお、撥液調整処理は、後述するように、画像形成装置100の稼働中等に行われる場合もある。
表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。また、中間転写体37は、ドラム状でなく、後述するような無端ベルト状、その他可能であればシート状であっても良い。
モータ32は、中間転写体37の駆動速度すなわち回転速度を可変である。モータ32による中間転写体37の回転速度は、制御部40によって制御され、設定される。この点、中間転写体駆動機構であるモータ32は、駆動制御機構として機能し、制御部40は、中間転写体駆動速度制御機構である駆動速度制御手段として機能する。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22とを有している。
給紙ユニット20はまた、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23を有している。
給紙ユニット20はまた、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
清掃手段70は、中間転写体37上に形成された画像を構成する記録液のうち転写紙Sに転写されなかった記録液を残留液である残インクとして中間転写体37表面から掻き落とす、清掃部材としてのクリーニングブレードであるブレード71を有している。
清掃手段70はまた、かかる清掃部材として、ローラー状部材としてのクリーニングローラであるローラ72を有している。
清掃手段70はまた、ローラ72に当接しローラ72をクリーニングするブレード73を有している。
清掃手段70はまた、ブレード71またはローラ72によって中間転写体37表面から掻き落とされた記録液や埃等の異物、ブレード73によってローラ72表面から掻き落とされた記録液や埃等の異物を収集するための廃液タンクたる廃液ボトル74を有している。
清掃手段70はまた、ブレード71、ローラ72、ブレード73、廃液ボトル74を内部に収容しているとともに、ブレード71、ブレード73を所定の位置に位置決めした状態で支持し、ローラ72を回転自在に支持したハウジング75を有している。
清掃手段70はまた、図示を省略するが、ブレード71を中間転写体37に押し当てる押し当て手段と、ローラ72を、中間転写体37の表面の移動速度に対して速度差が付くように回転駆動する駆動源としてのモータとを有している。
ブレード71は、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接している。ブレード71は、中間転写体37との相対移動により、すなわち中間転写体37がA1方向に回転することにより、中間転写体37の表面を清掃する当接部材としての第1の当接部材として清掃手段70に備えられている。
ブレード71は、弾性体としてのゴムによって形成されたゴムブレードである。ブレード71の材質は、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EPDM、エラストマーなどの弾性材料のほか、ステンレス、アルミなど金属、非鉄材料としても良い。
図3に示すように、ブレード71は、X方向に延在している。このX方向は、中間転写体37との相対移動の方向であるA1方向に交わる交差方向であり、より詳しくはA1方向に直交している。X方向はまた、図1の紙面に垂直な方向であり、中間転写体37の幅方向、言い換えると中間転写体37の回転中心軸に平行な軸方向に一致している。
ブレード71は、X方向において領域Aで中間転写体37に当接している。よって、領域Aは、ブレード71が中間転写体37の表面に当接する当接領域、言い換えると当接部となっている。領域Aは、X方向において中間転写体37が占めている領域Bの中央部、言い換えると中心位置を占め、領域Bに含まれている。領域Aは、X方向において転写紙Sが中間転写体37の表面に当接する通紙領域である領域Cを、X方向における中央部に含んでいる。なお、領域Cは、転写紙Sが中間転写体37に接触する接触領域であり、転写紙Sに対する最大の印字幅に対応している。
ローラ72は、モータによって駆動されることで生じる中間転写体37との相対移動により、中間転写体37の表面を清掃する当接部材としての第2の当接部材として清掃手段70に備えられている。ローラ72は複数設けられていても良い。ローラ72はX方向に延在し、回転中心軸がX方向に平行となっている。ローラ72は、領域Aを含む領域で中間転写体37に当接している。
モータによるローラ72の回転速度は、上述の速度差が付くように設定されているが、この速度差の好適な値については、中間転写体37表面の材質とローラ72表面の材質との組み合わせによって適宜設定される。
ブレード71とローラ72とは、かかる相対移動により、液状インク等の上述の残インク、転写紙Sから中間転写体37に移動した紙粉、中間転写体37に付着している埃等を、中間転写体37表面から掻き落として除去することで中間転写体37を清掃する。
なお、ブレード71とローラ72とは、かかる相対移動によって中間転写体37の表面を清掃するものであるため、少なくともかかる相対移動が生じるときに中間転写体37の表面に当接する部材であればよい。よって、清掃手段70は、ブレード71、ローラ72を変位させるとともに、かかる相対移動が生じるときにブレード71、ローラ72を中間転写体37に当接させる駆動手段を備えていてもよい。
ブレード73は、ローラ72に対していわゆるカウンター当接の態様で当接しており、ローラ72との相対移動により、ローラ72の表面を清掃する。
廃液ボトル74は、ブレード71、ローラ72が中間転写体37表面から除去し、またブレード73がローラ72表面から除去し、落下してきた上述の残インク、紙粉、埃等を内部に収集する。
なお、ローラ72は、上述の速度差が付くように駆動されることが好ましいが、駆動源を省略して中間転写体37に従動回転するようにしてもよい。また、ローラ72は省略してもよい。
清掃手段70のその余については後述する。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。
これらによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したメインタンクとしての記録液カートリッジであるインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに送液するポンプ82Y、82M、82C、82BKを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、記録液をヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給する記録液供給部として機能するものである。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されるにつれてしぼむことが可能なように比較的やわらかいプラスチック素材で形成された袋状のインクパックとなっている。ただし、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、比較適合性の高いプラスチック素材で形成されていてもよい。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤と、この色剤の分散剤であるアニオン性分散剤と、溶媒とを少なくとも含んでいる。かかる色剤とかかる分散剤とにより、記録液のインク成分はアニオン性基を有している。溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
記録液に用いられる色剤である顔料としては、特に限定されないが、オレンジ又はイエロー用の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
アニオン性分散剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
記録液は、転写性の点から、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等が塩基を用いて中和されたアニオン性基を有する樹脂をさらに含むことが好ましい。
記録液は、水に可溶な溶媒をさらに含んでもよい。水に可溶な溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の炭酸アルキレンが挙げられ、二種以上併用してもよい。
たとえば、ブラック用の記録液すなわちブラックインクは、次のような組成とされている。固形分が20質量%のスルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液CAB−O−JET−200(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)35.0質量%、2−ピロリドン10.0質量%、グリセリン14.0質量%、プロピレングリコールモノブチルエーテル0.9質量%、デヒドロ酢酸ソーダ0.1質量%及び蒸留水(残余)。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された導電性のノズル部材であるノズルプレートとしてのノズル板61aを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ノズル板61aに形成され、記録液が通過し、記録液を液滴として吐出するノズル61bを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ポンプ82Y、82M、82C、82BKによってインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKから記録液を供給され記録液を充填されて保持する液室であるインク室61cを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル板61a、ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。
ノズル板61aは、詳細な図示を省略するが、導電性の基板と、この基板の、中間転写体37に対向する側の面に形成された撥水膜とを有している。撥水膜は、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤などを塗布して形成しても良いし、フッ素系高分子やフッ素―金属化合物共析などをメッキして形成しても良く、撥水性がある膜なら特に限定されない。ノズル板61aは、インク室61c側の面をインク室61c内の記録液との界面を形成する界面形成部として備えており、後述するようにカソードとして機能する。
ノズル板61aは、全体が導電性であっても良いし、インク室61c側の面のみを導電処理された部材であっても良いし、インク室61c側に配設された導電性部材と中間転写体37側に配設された絶縁性部材とによって構成しても良い。
ノズル板61aの導電性の部分は、後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、SUS合金、ニッケル等の金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
ノズル板61aは、画像形成時において中間転写体37とのギャップが50〜600μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが600μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。ただし、ギャップの維持さえ可能なら50μm未満でも特に問題はない。
ノズル板61aは、ノズル61bを備えたノズル部となっており、とくに、中間転写体37に対向した表面であるノズル面61dがノズル部となっている。
インク吐出手段は、各ノズル61bから記録液を液滴化して吐出させ中間転写体37に着弾させるための圧力印加を行うアクチュエータとして圧電素子を有している。具体的には、インク吐出手段は、制御部40による制御によって圧電素子に印加される電圧パルスに応じてノズル61bから記録液を吐出するようになっている。この点、制御部40は、インク吐出制御手段として機能する。
インク吐出制御手段として機能する制御部40は、かかる圧電素子を駆動するための電圧パルスを所定の信号波形でかかる圧電素子のそれぞれに入力する。インク吐出制御手段として機能する制御部40は、各ノズル61bから吐出された記録液により、任意のパターンすなわち画像を形成するように、各圧電素子を時系列に駆動する。この点、制御部40は、画像制御装置として機能する。
インク室61c内の圧力はノズル61bから記録液が吐出、排出されるとき以外は負圧に保たれるようになっている。
インク吐出手段のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよい。またかかるアクチュエータは、サーマル方式等の加熱ヒータ方式を採用した加熱手段による記録液の沸騰によってノズル61bから記録液を吐出させるものであっても良いし、電圧印加手段による静電引力によって記録液吐出するものであっても良い。このように、かかるアクチュエータは、あらゆる方法で記録液を吐出するものを採用可能である。
すでに述べたように、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。図4に、ヘッド61Y、61M、61C、61BKの構成態様を例示する。
同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル板61aが、多数のノズル61bを同図左右方向に対応しX方向に平行な主走査方向に沿って画像形成幅に亘ったノズル列を成すようにライン状に有する。また同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、このライン状に配列された多数のノズルを副走査方向すなわち主走査方向に直交する同図上下方向に対応しA1方向に平行な方向に沿って2列備えている。これにより、同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、フルライン型のインクジェットヘッドとなっている。なお、主走査方向は、図1における紙面に垂直な方向に対応している。
同図(b)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図(a)に示したのと同様の態様で多数のノズル61bを備えたノズル板61aであって同図(a)に示したノズル板61aよりも小さなノズル板61aが、更に格子状に複数並設されている。これにより、同図(b)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、フルライン型のインクジェットヘッドとなっている。
このように、同図(a)、(b)のいずれにおいても、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル61bを2次元状に備えたライン型ヘッドとなっている。しかし、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル61bを主走査方向に複数備えた1次元状のライン型ヘッドであっても良い。なお、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、シリアルスキャン型のインクジェットヘッドであっても良い。
通電手段33は、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように電圧印加を行う。この電圧印加は、少なくとも次のタイミングで行われる。すなわち、少なくとも、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱が、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態となるタイミングで行われる。この電圧印加により、通電手段33は、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行いかかる状態の記録液に後述のように含まれている色剤の凝集を促進する。
通電手段33は、電源33aと、電源33aを支持体37aとノズル板61aとに接続した特に図示しない電気回路と、制御部40の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間を制御する電圧印加制御手段とを有している。電圧印加制御手段としての制御部40は、電源33aの電圧を変更する電圧変更手段としても機能する。
電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極をノズル板61aに接続されている。よって、通電手段33は、中間転写体37をアノードとして備え、ノズル板61aをカソードとして備えている。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転を開始する。中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が吐出される。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液の吐出は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で行われる。これにより、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このように、中間転写体37は、ノズル61bから吐出され付与された記録液によって形成される像を担持する像担持体として機能する。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液が吐出されるとき、電圧印加制御手段としての制御部40により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aとノズル板61aとの間に電圧が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、ノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動する。これにより、ノズル61bと中間転写体37との間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33により、記録液中の色剤成分が凝集作用を受ける。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードであるノズル板61aとアノードである中間転写体37とにはそれぞれ次の電極反応が生じ、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
反応式(1)によると、カソードとして機能するノズル面61d側では水酸化物イオンが生成して、結果、アルカリ性を示す。記録液の色剤がアニオン性顔料であるため、かかるアルカリ条件で高い分散性を示し、ノズル面61dに付着した記録媒体が溶解しやすくなる。
また反応式(2)によると、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化して水素イオンであるプロトン(H+)が生成して、結果、酸性を示す。
そのため、図5に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。すなわち、記録液の色剤がアニオン性顔料であるため、水素イオンのプラス電荷とアニオン系顔料のマイナス電荷とが打ち消しあい、静電反発が減少して凝集・増粘・固化といった現象が起こる。この現象は、対向電極である中間転写体37の近傍、特に電極界面である中間転写体37表面で起こる。
これにより、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。また、かかる電圧印加によりノズル61bの目詰まりが予防されるという利点もある。なお、かかるブリッジを形成する時間は、圧電素子に印加される電磁パルスのピーク電圧とパルス幅等により制御可能である。
ここで、図6を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層Eの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成し、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集する。
すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジに、顔料の凝集作用をもたらすイオンが効率よく生成することで、記録液の中間転写体37への着液と同時に顔料の凝集が行われる。その結果、隣接する記録液ドット間における顔料の滲みが発生せず、非常に高精細な溶質画像が形成される。
このように、通電手段33は、液柱のブリッジBを形成している記録液を電気分解するための、中間転写体37と、ヘッド61Y、61M、61C、61BK、具体的にはノズル板61aとの間の電圧印加を行なうための構成となっている。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数百mS/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
液柱のブリッジBが形成されている状態は、高速度カメラによって観察することが可能である。この観察により、インク吐出制御手段として機能する制御部40によりインク吐出手段の圧電素子に電圧パルスを入力してから、ノズル61bから記録液が吐出されるタイミングが、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。また、記録液が吐出されてから中間転写体37との間でブリッジBが形成されるまでのタイミング、ブリッジの継続時間も、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。
なお、反応式(1)、(2)に加えて、電極自身の酸化還元反応も同時に起こる。どのような反応が起きるかは、電極材料、電極電位、及び記録液のpHによるが、電位−pH状態図(Pourbaix Diagram)を参照すれば容易に類推される。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給される。そうすると、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、凝集成分を含む記録液が転写紙Sに転写される。したがって、上述の凝集作用により凝集した色剤によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングを防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能である。
また、高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高いが、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなる。しかし、かかる凝集作用により記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されるためかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。
さらにまた、記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されることにより、転写紙Sのコックリングやカールなどの変形も抑制ないし防止される。またこれによって画像を担持した転写紙Sの搬送性が向上し、ジャムが防止ないし抑制されるなど、転写紙Sの取り扱いが容易化する。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分はほとんど残っていないが、中間転写体37は清掃手段70によるクリーニングを受けることで、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制される。このクリーニングの動作すなわち清掃動作によって、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
以上のような画像形成動作を行い、清掃動作を行う過程において、ブレード71によって中間転写体37から掻き取った記録液が、ブレード71の両端から溢れると、図12を参照して上述した液リングが生じ得る。液リングは、ヘッド61Y、61M、61C、61BKや転写手段64など他の機構に付着する、滴化して周囲に落ちる、転写紙Sを汚染する、などの不具合をもたらし得る。なお、かりに、この液リングが中間転写体37に生じるとすると、液リングの発生位置は、X方向における、領域Aの端部位置となり、記録液がこの位置にスジ状に残留することとなる。
画像形成装置100においては、この液リングへの対策を、中間転写体37の表面の、記録液に対する撥液性を調整することによって行っている。
具体的に、後述する撥液調整処理を行い、中間転写体37の表面の、記録液に対する撥液性が、X方向における中央部よりも端部の方が高い状態(以下、「撥液調整状態」という)であるようにすることで、液リング対策を行っている。
ここで、撥液性とは、記録液に対する相溶性を意味し、本形態においては中間転写体37の表面エネルギーに依存し、一般的には記録液に対する接触角として現れる性質である。たとえば撥液性が高い場合は、中間転写体37の表面エネルギーが低く、記録液に対する相溶性が低い場合であり、一般的には記録液に対する接触角が低くなる場合である。本形態の記録液は水を主成分とするため、撥液性は撥水性と略同義となり、撥液性が高いと撥水性が高くなるが、記録液の成分によっては撥液性が高いと撥水性が低くなることもあり得る。
本形態において、撥液調整状態は、図3に示すように、X方向における中間転写体37の表面の各端部に、それぞれ撥液処理ここでは撥水処理を施した撥水領域である撥液領域としての領域Dを形成することによって得られている。
X方向において、この2つの領域Dは、領域Aの各端部にまたがっており、各領域Dの撥液性が、これら領域Dで挟まれている領域Eの撥液性より高いことで、撥液調整状態が形成されている。
撥液調整状態がこのように形成されているため、清掃動作を行うと、ブレード71によって中間転写体37の表面から掻き取られた、紙粉、埃等を含み得る記録液は、領域Aにたまる。同図において、かかる記録液を符号Fで示している。
このとき、かかる記録液Fは、領域Eよりも撥液性の高い2つの領域Dが領域Aの各端部にまたがっていること等により、図7に矢印で示すように、X方向における中央側に寄せられる作用を受ける。かかる作用は、記録液Fが、領域Dにおいては中間転写体37の表面からはじかれ、また領域Eの親液性、親水性が領域Dより高くなっているとともに、ブレード71および記録液F自体の表面張力により、X方向における中央側に向けた応力を受けるために生ずる。よって、中間転写体37の表面から掻き取られた記録液Fは、ブレード71の両端部をすり抜けて中間転写体37上に留まることが最小限に抑制され、領域Aの端部位置に存在しないか、領域Aの端部位置における存在が抑制され、液リングが防止又は抑制される。
このような作用を得るために、撥液調整状態は、X方向における撥液性が、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように撥液調整処理が行われることで、形成されても良い。このようにすれば、記録液FがX方向の中央部の方に移動する力を受け易くなり、かかる作用が効率的に得られる。液リングの防止のためには、少なくとも、X方向においてブレード71の各端部にまたがる、領域Dのような領域において、かかる漸増の態様による撥液性の調整が行われていることが望ましい。
X方向において、各領域Dは、領域Cとは重複せず、領域Cの外側に位置している。撥液調整処理は、次に述べるように、撥液剤による中間転写体37の表面のコーティング、中間転写体37の表面への凹凸構造の形成、撥液剤の中間転写体37の表面への塗布によって施されるが、これらの処理は、転写紙Sとの当接、接触によって劣化する。しかし、画像形成装置100、中間転写体37において、領域Dは、領域Cと非重複であるため、転写紙Sとの当接、接触によって撥液性が変化することが防止され、長期にわたって撥液性が保持され、液リング対策が長期にわたってなされるという利点がある。これにより、中間転写体37の長寿命化という利点も得られる。このような利点を得るために、X方向において、領域Dは、領域Cと非重複であることが望ましいが、これは必須ではない。
撥液調整処理を具体的に説明する。
本形態における撥液調整処理は、表面層37bの形成後に、撥液材料言い換えると撥水材料を、表面層37bの、中間転写体37の表面のX方向における領域Cよりも端部側に塗布し、成膜する第1の撥液処理を施すことによって領域Dを形成することで行われる。撥液材料は、フッ素系樹脂であるが、他の材料であってもよい。領域Dを形成している撥液材料の膜厚は、領域Dに撥液性を発揮させるために、数100nm〜数μmあれば十分である。
撥液調整処理は、中間転写体37の表面すなわち表面層37bの表面の、X方向における領域Cよりも端部側に、微細な凹凸構造を形成する第2の撥液処理を施すことによって領域Dを形成することで行っても良い。このような、微細構造により撥液性、ここでは撥水性が大きく高まる現象は、蓮の葉効果(Lotus effect)と言われ、ある程度の撥水性を有する材料の表面に凹凸を有する微細構造を形成して撥水性を高める手法としてよく知られている。
かかる微細構造を形成するための手法としては、ゴム層である表面層37bの成形に、成形面の一部に凹凸が形成された金型を用い、この凹凸を有する金型面によって、中間転写体37の、領域Dに相当する端部位置に凹凸を転写することが挙げられる。かかる微細構造を形成する手法としては、この手法の他に、表面層37bの形成後にX方向における端部を研磨やプラズマ照射などの手段によって荒らす手法や、第1の撥液処理で撥水材料を端部に塗布する際に、凹凸を有する面を押し当てる手法などが挙げられる。
かかる微細構造を用いれば、X方向における撥液性が、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように撥液調整処理を行うことが可能である。なお、この場合も、領域Aの各端部にまたがる2つの領域の撥液性を、この2つの領域の挟まれる領域の撥液性より高くすることが可能である。
凹凸構造を表層に有する中間転写体37を画像形成に用いることは、通常、転写紙Sとの接触の点で問題を生じ得るが、領域Dは、前述のとおり転写紙Sと非接触の部位にのみ形成するため、摩耗による損傷が少なく安定的に利用することが可能である。
撥液調整処理は、液体状の撥液剤言い換えると撥水剤である塗布液を、中間転写体37の表面のX方向における領域Cよりも端部側に塗布する第3の撥液処理を施すことによって領域Dを形成することで行っても良い。塗布液としては、記録液よりも中間転写体37に対する親和性が高く、記録液との相溶性が低い材料を用いる。記録液が水性顔料インクである場合、塗布液は記録液よりも表面張力の低い油類等とすることが可能である。かかる油類としては、たとえばパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、又、オリーブオイル、パームオイル、菜種油、胡麻油、等の植物油、牛脂等の動物油等が挙げられる。
図8に、第3の撥液処理を施す場合の画像形成装置100の構成例を示す。
同図において、符号76は、第3の撥液処理を行うことで撥液調整状態を形成する撥液調整処理手段としての第1の撥液処理手段を示している。
第1の撥液処理手段76は、A1方向において、清掃手段70による中間転写体37の清掃位置よりも下流側、且つ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出位置よりも上流側の位置で、中間転写体37に対向している。
第1の撥液処理手段76は、かかる位置で塗布液を中間転写体37に塗布する塗布ローラ77と、塗布液をためているとともにためている塗布液に塗布ローラ77の一部を浸漬して塗布ローラ77に塗布液を供給する液タンク78とを有している。
第1の撥液処理手段76はまた、塗布ローラ77を中間転写体37の表面に接離させるための駆動手段と、この駆動手段を制御して塗布ローラ77を中間転写体37の表面に接離させる、制御部40の一機能として実現された塗布制御手段とを有している。
塗布ローラ77は、中間転写体37の、領域Dに相当する部分である塗布位置において、中間転写体37に当接するように一対備えられている。各塗布ローラ77は、中間転写体37に当接した状態で中間転写体37に従動回転するようになっており、従動回転時に液タンク78より塗布液を汲み上げて、中間転写体37の端部に塗布液を塗布することで領域Dを形成する。
塗布液を定期的に中間転写体37に塗布するため、塗布制御手段として機能する制御部40は、塗布ローラ77を、定期的に、たとえば所定回数印字する度に、及び/又は、所定時間経過する度に、塗布ローラ77を中間転写体37に当接させる。なお、第1の撥液処理手段76は、中間転写体37の表面における塗布液の塗布状態を検知する塗布状態検知手段としてのセンサを有していてもよい。この場合、塗布制御手段として機能する制御部40が、このセンサの出力に基づいて、中間転写体37の表面における塗布液の量が減ったときに、塗布ローラ77を中間転写体37に当接させる態様で、中間転写体37への塗布ローラ77の当接を制御する。
X方向における塗布液の量を、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように調整すれば、X方向における撥液性が、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように撥液調整処理を行うことが可能である。この場合も、領域Aの各端部にまたがる2つの領域の撥液性を、この2つの領域の挟まれる領域の撥液性より高くすることが可能である。
なお、塗布液を常時塗布するようにして、センサ、塗布制御手段を省略してもよい。また、第1の撥液処理手段76を省略し、画像形成装置100あるいは中間転写体37の出荷前や、サービスマンのメンテナンスによって、塗布液を塗布して撥液調整処理を行うようにしてもよい。
以上は、撥液性を高めることで撥液調整処理を行い、領域Dと領域Eとの撥液性を異ならせて撥液調整状態を形成する例を説明したが、撥液性を低下させることで撥液調製処理を行って撥液調整状態を形成するようにしてもよい。
図9に、撥液性を低下させることで撥液調整処理を行い、領域Dと領域Eとの撥液性を異ならせて撥液調整状態を形成する第4の撥液処理を施す場合の画像形成装置100の構成例を示す。
同図において、符号79は、第4の撥液処理を行うことで撥液調整状態を形成する撥液調整処理手段としての第2の撥液処理手段を示している。
第2の撥液処理手段79は、A1方向において第1の撥液処理手段76が中間転写体37に対向する位置と同様の位置において、中間転写体37に対向している。第2の撥液処理手段79は、X方向において領域Eに相当する位置に、中間転写体37の表面の親水性を高めるためのエネルギーを付与するエネルギー付与手段である。弾性層37bはシリコーンゴム製であって撥水性の高い材料であるため、エネルギーを付与されることで表面が親水化する。このように、離型性を有する材料表面の濡れ性を、エネルギーを付与することで高めて親水化することは既知の技術である。
第2の撥液処理手段79は、本形態においてはプラズマを発生させるプラズマ処理手段としてのプラズマ照射装置である。中間転写体37は、プラズマの照射により、弾性層37bの表面に親水性の官能基が形成されることで親水化されて撥液性の低い領域Eが形成され、このプラズマ処理が施されなかった領域が、結果として、この領域Eと相対的に撥液性が高い領域Dとなる。第2の撥液処理手段79は、紫外線の照射を行う紫外線照射手段、フレーム処理を行うフレーム処理手段、コロナ放電を行うコロナ放電処理手段等であっても良い。また、第2の撥液処理手段79は、これらを適宜の組み合わせで組み合わせたものであっても良い。
第2の撥液処理手段79は、撥液調整処理を常時行うようにしてもよいが、定期的に撥液調整処理を行うようにしても良い。定期的に撥液調整処理を行う場合、第2の撥液処理手段79は、制御部40の一機能として実現されたエネルギー付与制御手段を有する。そして、エネルギー付与制御手段として機能する制御部40は、プラズマの照射を、定期的に、たとえば所定回数印字する度に、及び/又は、所定時間経過する度に、中間転写体37に施す。
X方向におけるプラズマの照射量を、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように調整すれば、X方向における撥液性が、中央部よりも端部の方が、段階的にあるいは滑らかに漸増するように撥液調整処理を行うことが可能である。この場合も、領域Aの各端部にまたがる2つの領域の撥液性を、この2つの領域の挟まれる領域の撥液性より高くすることが可能である。
なお、第2の撥液処理手段79を省略し、画像形成装置100あるいは中間転写体37の出荷前や、サービスマンのメンテナンスによって、撥液調整処理を行うようにしてもよい。
以上、第1〜第4の撥液処理を説明したが、撥液調整処理はこれらと異なる撥液処理手法であっても良いし、第1〜第4の撥液処理等を適宜の組み合わせで組み合わせて用いても良い。
以上のような撥液調整処理によって撥液調整状態を形成することで、液リングが防止又は抑制される。よって、液リングによる、ヘッド61Y、61M、61C、61BKや転写手段64、転写紙S等の汚染などの不具合が防止ないし抑制される。よって、画像形成装置100では、安定して良好な画像が得られる。
ただし、たとえば、商業印刷で用いられるような高速なインクジェット装置で、かつ表面張力の低い記録液を用いたときに、液リングが完全に排除されない場合が生じ得る。
このような場合には、生じ得る液リングをも除去可能し、液リングを解消可能とすることが好ましい。
図10に、このように生じ得る液リングをも除去可能とする残留インク除去手段としての残留記録液除去手段80の構成例を示す。
残留記録液除去手段80は、A1方向において、清掃手段70による中間転写体37の清掃位置よりも下流側の位置で、X方向における中間転写体37の中央側から端部側に向けて空気を吹き付ける送風手段としてのエアカッター83を有している。
残留記録液除去手段80はまた、X方向における中間転写体37の外側であってエアカッター83によって形成される空気流の流れ込む位置に配設された記録液受けとしてのインク受け84を有している。
残留記録液除去手段80はまた、X方向における中間転写体37の端部位置、具体的には液リングが生じ得る位置に対応した各領域Dの汚れを検出する汚れ検出手段としてのセンサ85とを有している。
残留記録液除去手段80はまた、制御部40の一機能として実現され、エアカッター83による空気流の形成を制御する空気流制御手段を有している。
エアカッター83は、空気流を形成するための空気流形成手段である図示しないポンプと、ポンプによって形成された空気流を流す流路を形成するパイプ86と、パイプの先端に取り付けられ空気を吹き出す吹き出し部87とを有している。
吹き出し部87は、中間転写体37に、X方向における中間転写体37の中央側から端部側に向けて空気を吹き付ける。
インク受け84は、吹き出し部87からの空気の吹き付けによって中間転写体37の表面から吹き飛ばされた、液リングを形成していた記録液Fを受ける。インク受け84は、記録液等が付着する部分が撥液性を有しており、受けた記録液Fをその部分に沿って落下させ、廃液ボトル74に導く。
センサ85は、中間転写体37の表面の汚れを光学的に検出する光学センサであり、中間転写体37に向けて光を照射する光照射部としてのLEDである発光部材88を有している。
センサ85はまた、発光部材88からの光を領域Dへ導く光学素子としてのレンズであるコリメートレンズ89を有している。
センサ85はまた、発光部材88から照射され領域Dにおいて中間転写体37によって反射された光を受けて検知し、受けた光の強度をエアカッターの駆動を制御する空気流制御手段として機能する制御部40に入力する受光部としての受光素子90を有している。
受光素子90は、発光部材88から照射され領域Dにおいて中間転写体37によって正反射された光を受けて検知する正反射光受光素子90aを有している。受光素子90はまた、発光部材88から照射され領域Dにおいて中間転写体37の表面で散乱した光を受ける散乱光受光素子90bを有している。
領域Dが、フッ素樹脂等による撥液処理によって形成されている場合には、汚れが付着していないときは正反射光が強いのに対して、汚れが付着しているときは正反射光が減少し、散乱光が増加する。一方、領域Dが、微細凹凸構造による撥液処理によって形成されている場合には、汚れが付着していないときは散乱光が強いのに対して、汚れが付着しているときは散乱光が減少する。
このような原理を用い、空気流制御手段として機能する制御部40は、領域Dがどのような撥液処理によって形成されているかに応じて、正反射光受光素子90aによって検知された光量と、散乱光受光素子90bによって検知された光量とを適切に処理する。この処理により、空気流制御手段として機能する制御部40は、領域Dにおける汚れの付着量を推定し、推定した付着量が多いときに、推定する付着量が所定の値に低下するまでエアカッター83を駆動する。すなわち、エアカッター83は、センサ85からの出力に応じて駆動される。
このようにエアカッター83の駆動を適切なタイミングで制御することによって、送風に伴う騒音の発生およびエネルギーの使用量が最小限に抑えられる。送風動作を行ったにも関わらず推定される汚れの付着量が所定の値まで低下しない場合、言い換えると汚れが検知され続けるときは、装置に異常が発生している可能性がある。よってこの場合は、推定される異常の内容を画像形成装置100の操作パネルに表示してユーザーに報知する。センサ85は、光学的に中間転写体37の表面の汚れを検出するのではなく、たとえば中間転写体37上の画像を取得する画像取得装置を用いて中間転写体37の表面の汚れを検知する手法を用いても良い。
エアカッター83の駆動は、定期的に行うようにしてもよい。たとえば所定回数印字する度に、及び/又は、所定時間経過する度、及び/又は、装置立ち下げ時に、エアカッター83を駆動する。このようにすれば、センサ85、空気流制御手段が省略される。
残留記録液除去手段80を有することで、かりに液リングが生じたとしても、液リングを構成している記録液Fは中間転写体37から除去され、中間転写体37が清浄な状態とされる。よって、液リングによる、ヘッド61Y、61M、61C、61BKや転写手段64、転写紙S等の汚染などの不具合が防止ないし抑制される。なお、エアカッター83で中間転写体37に吹き付ける空気を、温風、たとえば60℃〜80℃としてもよい。この場合、空気加熱手段として、たとえば、パイプ86あるいは吹き出し部87にヒータを設ける。
残留記録液除去手段80は、ウェブやスポンジローラーなどの吸収部材等を押し当てる構成を採用しても良い。領域Dは撥水性の高い領域であるために、吸収部材等によって容易に払拭可能である。ただし、物理的な接触は領域Dの損傷を与え、残留記録液が吸収部材等の脇を抜けてしまう可能性がある。この点、本形態の残留記録液除去手段80は、領域Dへの物理的な接触を行わないため、領域Dが経時的に良好に撥液性を維持するという利点が得られる。
以上は、中間転写体37がローラ状である場合を説明したが、図11に示すように、中間転写体37は無端のベルト状をなすものであっても良い。
図11に示す形態について、図1等に示した上述の形態と異なる部分について主に説明する。
中間転写体37がベルト状であることに伴って、搬送ユニット10は、中間転写体37を巻き掛けたローラ42、43、44と、ローラ43を付勢した図示しないバネとを有している。モータ32は、ローラ42を回転駆動するようになっており、ローラ42は駆動ローラとなっている。ローラ43は、バネにより、中間転写体37の張力を一体に保つように変位するテンションローラとなっている。ローラ44は、中間転写体37を介して転写ローラ38に対向する定位置に配設されており、転写対向ローラとなっている。
清掃手段70は、ローラ43に対向する位置で中間転写体37を清掃するようになっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61は、中間転写体37の、ローラ42とローラ43との間に張設されている部分に対向するように平行に並べられる態様で備えられている。
その他、図11に示す形態では、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに対向した位置であって中間転写体37の内側に配設されたガイド部材45を有している。ガイド部材45を有することで、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのギャップが管理されるという利点がある。
中間転写体37は、ニッケルやステンレスなどの金属無端ベルト上にゴム層が形成された構成の他、ポリイミドベルトや、ポリイミド上にゴム層が形成されたベルトなど、多様な構成を取ることが可能である。
中間転写体37の撥液調整処理は、第2の撥液処理手段79によって行われるようになっているが、すでに述べたように、撥液調整処理をどのように行うかは、これに限るものではない。
中間転写体37をベルト状とすることの利点は、この形態のように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKが並設可能となるなど、ヘッド61Y、61M、61C、61の配置上の自由度が高くなることが挙げられる。また、中間転写体37をベルト状とすることの利点として、転写のニップ幅を大きくとることが可能となることも挙げられる。
ただし、中間転写体37は、ドラム状であるほうが、ベルト状の中間転写体37の、端部のない形状に加工することが容易でない、駆動時にばたつきが生じ得る、巻き掛けるローラを複数要する、といった事情がないという利点がある。よって、中間転写体37をドラム状とするかベルト状とするかは、種々の事項を比較検討して適宜選択される。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明を適用した画像形成装置は、クリーニング液を用いて中間転写体をクリーニングするためにクリーニング液を中間転写体に付与するクリーニング液付与手段を備えていてもよい。クリーニング液を用いて中間転写体をクリーニングすれば、中間転写体のクリーニングが高度に行われる。クリーニング液を用いると、記録液のみならずクリーニング液によっても液リングが生じる可能性があるが、液リングは上述のように防止ないし抑制あるいは解消される。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置であってもよい。すなわち、本発明を適用する画像形成装置は、ヘッドに関してシャトル型であってもよい。また、本発明を適用する画像形成装置は、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機であってもよい。その他、本発明を適用する画像形成装置は、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。
導電性記録液中の顔料は、カチオン性分散剤により分散し、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集する構成であっても良い。
ヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、複数であっても、1つであってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
37 中間転写部材
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
70 清掃手段
71 当接部材
79 エネルギー付与手段
83 送風手段
85 汚れ検出手段
88 光照射部
90 受光部
100 画像形成装置
A 交差方向における当接領域
A1 相対移動の方向
B 交差方向において中間転写体が占めている領域
C 交差方向における通紙領域
D 2つの領域
E 2つの領域で挟まれる領域
X 交差方向
特許第5014936号公報 特許第4054721号公報 特許第4054722号公報 特許第4371060号公報 特開2006−198987号公報 特開2003−066806号公報

Claims (12)

  1. ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写部材と、
    この中間転写部材との相対移動により同中間転写部材の表面を清掃する清掃手段とを有し、
    前記中間転写部材の表面の、記録液に対する撥液性は、前記相対移動の方向に交わる交差方向における中央部よりも端部の方が高い状態である画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記清掃手段は、前記相対移動のときに前記中間転写部材の表面に当接する当接部材を有し、
    前記交差方向において、前記当接部材が前記中間転写部材の表面に当接する当接領域は、同中間転写部材が占めている領域に含まれているとともに、被記録媒体が同中間転写部材の表面に当接する通紙領域を含んでいることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2記載の画像形成装置において、
    前記交差方向において、前記当接領域の各端部にまたがる2つの領域の前記撥液性が、この2つの領域で挟まれる領域の前記撥液性より高いことで、前記状態が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記中間転写部材の表面に撥液処理を施すことによって前記状態が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4記載の画像形成装置において、
    前記撥液処理が前記交差方向において前記通紙領域よりも端部側に施されることによって前記状態が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置において、
    前記中間転写部材の表面に撥液剤を塗布することで前記撥液処理を施すことによって前記状態が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記中間転写部材の表面に凹凸構造を形成することで前記撥液処理を施すことによって前記状態が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記中間転写部材の表面に、同表面の親水性を高めるためのエネルギーを付与することによって前記状態が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8記載の画像形成装置において、
    前記エネルギーを付与するエネルギー付与手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1ないし9の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記相対移動の方向における、前記清掃手段が前記中間転写部材の表面を清掃する清掃位置よりも下流側の位置で、前記交差方向における前記中間転写部材の中央側から端部側に向けて空気を吹き付ける送風手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10記載の画像形成装置において、
    前記中間転写部材の、前記交差方向における端部位置の汚れを検出する汚れ検出手段を有し、
    前記送風手段は、前記汚れ検出手段からの出力に応じて駆動されることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11記載の画像形成装置において、
    前記汚れ検出手段は、前記中間転写部材の表面に向けて光を照射する光照射部と、この光照射部から照射され前記中間転写部材の表面で反射された光を検知する受光部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019188787A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 株式会社ミマキエンジニアリング インクジェット式の印刷装置

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