JP2014019092A - ヘッドクリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents

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Takeo Tsukamoto
武雄 塚本
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愛乃 長谷川
Hisayoshi Oshima
久慶 大島
Yuma Usui
祐馬 臼井
Manabu Seo
学 瀬尾
Hiroyuki Yamashita
宏之 山下
Takahiko Matsumoto
貴彦 松本
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
Takeshi Hihara
健 日原
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【課題】インク等の記録液を吐出するヘッドのクリーニングを記録液の垂れや気泡の巻き込みを抑制しながら行うことを可能としたヘッドクリーニング装置、これを備えた画像形成装置の提供。
【解決手段】ヘッド61Yに記録液を供給する供給部81Yとヘッド61Yとの間で記録液が移動する送液部92Yと、供給部81Yから記録液を供給され収容する収容部91Yとヘッド61Yとの間で記録液が移動する送液部93Yと、送液部92Yと送液部93Yとの合流位置とヘッド61Yとの間で記録液が移動する送液部94Yとを有し、送液部92Yと送液部93Yとのうち送液部92Yのみが送液部94Yに連なる第1の状態と送液部93Yのみが送液部94Yに連なる第2の状態とのうち、第1の状態を形成して収容部91Y内の記録液を加圧してから、第2の状態を形成することでヘッド61Yから記録液を排出させる。
【選択図】図11

Description

本発明は、インク等の記録液を吐出するヘッドのクリーニングを行うヘッドクリーニング装置及びこのヘッドクリーニング装置を備えヘッドから吐出された記録液によって画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等により画像形成を行う、インクジェットプリンタ等の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献3〕参照)。この画像形成装置は、画像情報に応じて、複数の微小ノズルからインク等の記録液を液滴化して吐出し紙等の記録媒体に付着させるヘッドを備え、インクジェット記録を行うインクジェット方式の画像形成技術を採用したものである。
このようなインクジェット方式の画像形成装置は、電子写真方式に比べた場合の装置構成の簡便さから、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等への適用範囲が拡大しつつある。また、電気回路形成やバイオテクノロジーへの応用など、新たな領域への発展が期待されている。
かかるインクジェット方式の画像形成装置においては、ノズル及びその周辺に付着したインクが増粘または乾燥したり、ノズルに埃等の異物、紙粉が付着したりすると、吐出不良やミスト、インク滴飛翔方向の乱れが生じ画像品質が劣化する。そこで、柔軟材でできたブレードをノズル面に当接させて、ノズル周辺の付着物を除去するヘッドクリーニング方法が従来から提案されている。
しかしながら、ノズル面に対するブレードの機械的な接触は、ノズル面とブレードとの摺擦により、ノズル面の劣化や、ブレード自身の劣化をもたらす。特に、インクジェットヘッドではインクの吐出性およびメニスカスの保持力を上げるために、ノズル面の表面が撥水膜処理されていることが多く、かかる機械的な接触は、この撥水膜に磨耗などのダメージを与え、耐久性を低下させる。
撥水膜のダメージは吐出液滴の飛翔曲がりやミスト発生、ばらつきなどの原因となり、画像品質を著しく劣化させる。また、ブレードが劣化した際には、ワイピング性能が落ちるためノズル面に付着したミスト、異物などがうまく除去されなくなり、やはり画像品質の劣化を招く。
これに対し、多孔質の弾性体からなる吸収体回転ローラであるクリーニングローラをノズル面に接触させながら回転させる方法が知られている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。この方法は、多孔質体のセルで生じる毛細管力を利用し、インクの吸収をしながら汚れや異物を払拭し耐久性を上げようとするものであり、機械的な接触によるノズル面やローラの劣化が抑制されると考えられる。
しかしながら、この方法は、乾燥の速いインクもしくは未硬化樹脂成分を含むインクや顔料を含むインクを使用する場合には、吸収体回転ローラの表面でインクの急激な増粘や顔料の凝集が起こる。そのため、ノズル面への増粘インクの再付着や凝集顔料によってブレード方式より軽微であるがノズル面にダメージを与えることがあると考えられる。
これに対し、ノズル面より濡れ性の高い硬質材料を鏡面加工したローラをノズル面に非接触で配置し、ノズル面とローラとの間にインクを充填した上でローラを回転させ、ノズル面からインクを除去する方式が知られている(たとえば、〔特許文献2〕参照)。この方法は、ノズル面に非接触の部材でクリーニングを行うため、ノズル面や当該部材のダメージが極めて少ないという利点がある。
しかしながら、この方法は、ノズル面とローラとの間に充填されたインクが、ノズル面を伝って垂れ、外部に落下して機内を汚染する可能性がある。
ところで、インク垂れに関しては、ヘッドの内圧を管理し微正圧を保つことが有効であることが知られている。
この点、加圧タンクからヘッドへ圧力を掛けて排出した後で、加圧タンクにある大気開放弁と加圧タンクへ圧縮空気を送り込む加圧弁を開閉制御し、ヘッド内部が微正圧になるように制御する方式が知られている(たとえば、〔特許文献3〕参照)。この方式によれば、インク垂れを抑制しうる。
一方、上述した、ノズルに埃等の異物、紙粉が付着すると吐出不良等が生じ画像品質が劣化する、という問題に対し、ノズル面と紙を対向させず、クリーニングし清浄な状態の中間転写体を対向させる技術が知られている(たとえば、〔特許文献3〕参照)。この技術は、異物、紙粉による影響の抑制に有効である。
中間転写体を用いた場合の構成のコンパクト化の観点では、中間転写体がローラ状である場合、この中間転写ローラを取囲む様に、ヘッドを傾けて配置することが有効である。
しかしながら、このようにヘッドを傾けて使用するインクジェット記録装置では、上述したインク垂れが生じ易い。このことは、インク垂れを抑制しうる上述の方式を用いても同様である。すなわち、かかる方式は、ヘッド直前のインク流路に弁が無いので、排出始めにインクが濡れ広がりノズル面のインク付着量が多く、斜めに設置されたヘッドでは、インクの量が多いことで垂れてしまい得る。
また、ヘッドを傾けて使用すると、インクの吐出後にその反動でヘッド内に気泡が巻き込まれやすくなる。ヘッド内に気泡が巻き込まれると、インクの吐出不良が生じ得るため問題である。
以上述べた事情から明らかなように、ヘッドのクリーニングを行う技術として、次のような技術が待たれている。すなわち、ヘッドに当接する部材を用いることなく、また、クリーニングの際のインクの垂れや気泡の巻き込みを、ヘッドを傾斜させて配置した場合であっても極力抑制しながら、ヘッドのクリーニングを行うことが可能な技術である。
本発明は、インク等の記録液を吐出するヘッドのクリーニングを、ヘッドに当接する部材を用いることなく、記録液の垂れや気泡の巻き込みを抑制しながら行うことを可能としたヘッドクリーニング装置及びこのヘッドクリーニング装置を備えヘッドから吐出された記録液によって画像形成を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、記録液を吐出するヘッドに記録液を供給する記録液供給部から記録液を供給され、同記録液供給部から供給された記録液を収容する記録液収容部と、前記記録液供給部から前記記録液収容部に記録液を供給させる記録液供給手段と、前記ヘッドから記録液を排出させるために前記記録液収容部内の記録液を加圧して前記ヘッドに供給させる記録液加圧手段と、前記記録液供給部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第1の送液部と、前記記録液収容部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第2の送液部と、第1の送液部と第2の送液部との合流位置と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第3の送液部と、前記合流位置に設けられ、第1の送液部と第2の送液部との何れかを第3の送液部に連ならせることで、第1の送液部を第3の送液部に連ならせた第1の状態と、第2の送液部を第3の送液部に連ならせた第2の状態との何れかを形成する切替弁と、前記記録液供給手段の動作を制御する記録液供給制御手段と、前記記録液加圧手段の動作を制御する記録液加圧制御手段と、前記切替弁の動作を制御して第1の状態と第2の状態との何れかを形成する切替弁制御手段とを有し、この切替弁制御手段により第1の状態を形成し前記記録液加圧制御手段により前記記録液加圧手段が前記記録液収容部内の記録液を加圧した状態としてから、前記切替弁制御手段により第2の状態を形成することで前記ヘッドから記録液を排出させる第1の工程を行うことで同ヘッドのクリーニングを行うヘッドクリーニング装置にある。
本発明は、記録液を吐出するヘッドに記録液を供給する記録液供給部から記録液を供給され、同記録液供給部から供給された記録液を収容する記録液収容部と、前記記録液供給部から前記記録液収容部に記録液を供給させる記録液供給手段と、前記ヘッドから記録液を排出させるために前記記録液収容部内の記録液を加圧して前記ヘッドに供給させる記録液加圧手段と、前記記録液供給部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第1の送液部と、前記記録液収容部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第2の送液部と、第1の送液部と第2の送液部との合流位置と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第3の送液部と、前記合流位置に設けられ、第1の送液部と第2の送液部との何れかを第3の送液部に連ならせることで、第1の送液部を第3の送液部に連ならせた第1の状態と、第2の送液部を第3の送液部に連ならせた第2の状態との何れかを形成する切替弁と、前記記録液供給手段の動作を制御する記録液供給制御手段と、前記記録液加圧手段の動作を制御する記録液加圧制御手段と、前記切替弁の動作を制御して第1の状態と第2の状態との何れかを形成する切替弁制御手段とを有し、この切替弁制御手段により第1の状態を形成し前記記録液加圧制御手段により前記記録液加圧手段が前記記録液収容部内の記録液を加圧した状態としてから、前記切替弁制御手段により第2の状態を形成することで前記ヘッドから記録液を排出させる第1の工程を行うことで同ヘッドのクリーニングを行うヘッドクリーニング装置にあるので、インク等の記録液を吐出するヘッドのクリーニングを、ヘッドに当接する部材を用いることなく、記録液の垂れや気泡の巻き込みを抑制しながら行うことを可能としたヘッドクリーニング装置を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の一実施例の概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから中間転写体に記録液が付与される様子を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置に備えられヘッドにおけるノズルの配置を例示した概略平面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された記録液中の色剤がプロトンを介して凝集した状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される記録液による液柱の状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドをクリーニングする動作における第1の工程を説明した概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドをクリーニングする動作の概略を説明したフローチャートである。 図1に示した画像形成装置においてヘッドをクリーニングする動作における第2の工程を説明した概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドをクリーニングする動作における第3の工程を説明した概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドをクリーニングするときの状態を示した概略正面図である。 図1に示した画像形成装置に備えられたヘッドクリーニング装置の一部の一実施例の概略ブロック図である。 本発明を適用した、中間転写体をベルト状とした画像形成装置の一部の一実施例の概略図である。 図12に示した画像形成装置の変形例の概略図である。 ヘッドから記録液を排出したときにヘッド内への気泡の巻き込みが生じる場合を説明するための図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能である。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性記録液である記録液を吐出するヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、かかる記録液を吐出する記録液吐出体としての記録ヘッドであるインクジェットヘッドとして機能する。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写ドラムである中間転写ローラとしての中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与される。これにより、中間転写体37は、その表面上に画像が形成される。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるように行われる。そのため、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10を有している。
画像形成装置100はまた、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20を有している。
画像形成装置100はまた、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙台25を有している。
画像形成装置100はまた、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液である残インク等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての残インク除去機構である清掃手段34を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50を有している。
画像形成装置100はまた、キャリッジ50を同図に示されている位置とこの位置から中間転写体37に近づけた位置との間で変位させることでヘッド61Y、61M、61C、61BKを移動させるヘッド移動機構としての駆動部35を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液に電圧を印加するための電圧印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての制御機構である制御部40とを有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像をその転写紙Sに転写する転写手段64を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内するガイド板39を有している。
搬送ユニット10はまた、中間転写体37をA1方向に回転駆動する駆動手段としての中間転写体回転駆動モータである中間転写体駆動機構たるモータ32等を有している。
このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、中間転写体37に従動回転する転写ローラ38と、転写ローラ38を中間転写体37に圧接し転写ローラ38を加圧ローラとして機能させる加圧手段としての図示しないばねとを有している。
転写手段64はまた、このばねの付勢力に抗して転写ローラ38を中間転写体37から離間させる離間手段としての離間部36を有している。
このように、転写手段64は、中間転写体37と転写ローラ38との間において転写紙Sを加圧搬送するようになっている。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の円筒によって形成された支持体37aと、支持体37a上に形成されたシリコーンゴム製の表面層37bとを有している。
支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があれば、たとえばアルミ合金、銅、ステンレス等の金属によって形成しても良い。
表面層37bの材質はシリコーンゴムに限られるものではなく、記録液の剥離性が高いという利点のためには表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料であればよい。よって、表面層37bの材質は、たとえばニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムであっても良い。
なお、支持体37aを省略して中間転写体37の前パーツをかかるゴム材料で形成しても良い。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料に導電剤としてのカーボン、白金、金などの金属微粒子を分散して混入させた導電性ゴムとされ、導電層となっている。ただし、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係であるので、適宜、調整が必要である。
後述するように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に所望の電位差を形成するには、導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm未満であることが好ましく、また、記録液の体積抵抗率よりも小さいことが望ましい。
また、表面層37bの材質は、上述のようにシリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素系ゴムであって、後述するように、記録液に対する濡れ性が高い材質とされている。この濡れ性の観点から、表面層37bは、かかる材質の表面にフッ素系のコーティングを行ったエラストマーを備えていても良い。
なお、中間転写体37の表面の後退接触角については後述する。
表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。また、中間転写体37は、ドラム状でなく、後述するような無端ベルト状、その他可能であればシート状であっても良い。
モータ32は、中間転写体37の駆動速度すなわち回転速度を可変である。モータ32による中間転写体37の回転速度は、制御部40によって制御され、設定される。この点、中間転写体駆動機構であるモータ32は、駆動制御機構として機能し、制御部40は、中間転写体駆動速度制御機構である駆動速度制御手段として機能する。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22とを有している。
給紙ユニット20はまた、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23を有している。
給紙ユニット20はまた、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
清掃手段34は、図示を省略するが、中間転写体37上に形成された画像を構成する記録液のうち転写紙Sに転写されなかった記録液を残インクとして中間転写体37表面から掻き落とす、清掃部材としてのクリーニングブレードを有している。
清掃手段34はまた、クリーニングブレードを中間転写体37に押し当てる押し当て手段と、クリーニングブレードによって中間転写体37表面から掻き落とされた記録液や埃等の異物を収集するための廃液ボトルとを有している。
クリーニングブレードは、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接している。クリーニングブレードは、弾性体としてのゴムによって形成されたゴムブレードである。クリーニングブレードの材質は、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EPDM、エラストマーなどの弾性材料のほか、ステンレス、アルミなど金属、非鉄材料としても良い。
一般に、ブレードによる残インク除去を行う場合、残インクの除去対象に当接するブレード先端の状態が乾燥状態から保湿状態へ切替わるときに、除去不良がおき、ブレードを残インクがすり抜けてしまう。
そのため、印字中は保湿状態を保ちながら、クリーニングを行うのが良ことから、清掃手段34は印字中に記録液によってクリーニングブレード先端の保湿状態を保つようになっている。また、ヘッド61Y、61M、61C、61BKの少なくとも1つから印字前に記録液を吐出する制御を行い、清掃手段34が、クリーニングブレードの先端を、かかる記録液で湿潤させるようになっている。これは、一般に、ブレード先端を保水する制御があるとクリーニング性能が安定するためである。
清掃手段34はクリーニングブレードとともに、清掃部材としてのクリーニングローラを備えていてもよい。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。
これらによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
駆動部35は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを図1に示されているように中間転写体37から離間させた位置と中間転写体37に当接させた位置との間で変位させる。よって、ヘッド移動機構である駆動部35は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とを接離、すなわち互いに近接あるいは離間させる接離手段として機能する。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したメインタンクとしての記録液カートリッジであるインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに送液する記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、記録液をヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給する記録液供給部として機能するものである。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されるにつれてしぼむことが可能なように比較的やわらかいプラスチック素材で形成された袋状のインクパックとなっている。ただし、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、比較適合性の高いプラスチック素材で形成されていてもよい。
記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKのその余の詳細については後述する。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤と、この色剤の分散剤であるアニオン性分散剤と、溶媒とを少なくとも含んでいる。かかる色剤とかかる分散剤とにより、記録液のインク成分はアニオン性基を有している。溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
記録液に用いられる色剤である顔料としては、特に限定されないが、オレンジ又はイエロー用の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
アニオン性分散剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
記録液は、転写性の点から、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等が塩基を用いて中和されたアニオン性基を有する樹脂をさらに含むことが好ましい。
記録液は、水に可溶な溶媒をさらに含んでもよい。水に可溶な溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の炭酸アルキレンが挙げられ、二種以上併用してもよい。
たとえば、ブラック用の記録液すなわちブラックインクは、次のような組成とされている。固形分が20質量%のスルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液CAB−O−JET−200(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製)35.0質量%、2−ピロリドン10.0質量%、グリセリン14.0質量%、プロピレングリコールモノブチルエーテル0.9質量%、デヒドロ酢酸ソーダ0.1質量%及び蒸留水(残余)。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された導電性のノズル部材であるノズルプレートとしてのノズル板61aを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ノズル板61aに形成され、記録液が通過し、記録液を液滴として吐出するノズル61bを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKによってインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKから記録液を供給され記録液を充填されて保持する液室であるインク室61cを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル板61a、ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。
ノズル板61aは、詳細な図示を省略するが、導電性の基板と、この基板の、中間転写体37に対向する側の面に形成された撥水膜とを有している。撥水膜は、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤などを塗布して形成しても良いし、フッ素系高分子やフッ素―金属化合物共析などをメッキして形成しても良く、撥水性がある膜なら特に限定されない。ノズル板61aは、インク室61c側の面をインク室61c内の記録液との界面を形成する界面形成部として備えており、後述するようにカソードとして機能する。
ノズル板61aは、全体が導電性であっても良いし、インク室61c側の面のみを導電処理された部材であっても良いし、インク室61c側に配設された導電性部材と中間転写体37側に配設された絶縁性部材とによって構成しても良い。
ノズル板61aの導電性の部分は、後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、SUS合金、ニッケル等の金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
ノズル板61aは、画像形成時において中間転写体37とのギャップが50〜600μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが600μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。ただし、ギャップの維持さえ可能なら50μm未満でも特に問題はない。
ノズル板61aは、ノズル61bを備えたノズル部となっており、とくに、中間転写体37に対向した表面であるノズル面61dがノズル部となっている。
インク吐出手段は、各ノズル61bから記録液を液滴化して吐出させ中間転写体37に着弾させるための圧力印加を行うアクチュエータとして圧電素子を有している。具体的には、インク吐出手段は、制御部40による制御によって圧電素子に印加される電圧パルスに応じてノズル61bから記録液を吐出するようになっている。この点、制御部40は、インク吐出制御手段として機能する。
インク吐出制御手段として機能する制御部40は、かかる圧電素子を駆動するための電圧パルスを所定の信号波形でかかる圧電素子のそれぞれに入力する。インク吐出制御手段として機能する制御部40は、各ノズル61bから吐出された記録液により、任意のパターンすなわち画像を形成するように、各圧電素子を時系列に駆動する。この点、制御部40は、画像制御装置として機能する。
インク室61c内の圧力はノズル61bから記録液が吐出、排出されるとき、後述するクリーニング動作が行われるとき以外は負圧に保たれるようになっている。
インク吐出手段のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよい。またかかるアクチュエータは、サーマル方式等の加熱ヒータ方式を採用した加熱手段による記録液の沸騰によってノズル61bから記録液を吐出させるものであっても良いし、電圧印加手段による静電引力によって記録液吐出するものであっても良い。このように、かかるアクチュエータは、あらゆる方法で記録液を吐出するものを採用可能である。
すでに述べたように、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。図3に、ヘッド61Y、61M、61C、61BKの構成態様を例示する。
同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル板61aが、多数のノズル61bを同図左右方向に対応する主走査方向に沿ってライン状に有する。また同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、このライン状に配列された多数のノズルを副走査方向すなわち主走査方向に直交する同図上下方向に対応する方向に沿って2列備えている。これにより、同図(a)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、フルライン型のインクジェットヘッドとなっている。なお、主走査方向は、図1における紙面に垂直な方向に対応している。
同図(b)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図(a)に示したのと同様の態様で多数のノズル61bを備えたノズル板61aであって同図(a)に示したノズル板61aよりも小さなノズル板61aが、更に格子状に複数並設されている。これにより、同図(b)に示すヘッド61Y、61M、61C、61BKは、フルライン型のインクジェットヘッドとなっている。
このように、同図(a)、(b)のいずれにおいても、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル61bを2次元状に備えたライン型ヘッドとなっている。しかし、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、ノズル61bを主走査方向に複数備えた1次元状のライン型ヘッドであっても良い。なお、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、シリアルスキャン型のインクジェットヘッドであっても良い。
通電手段33は、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように電圧印加を行う。この電圧印加は、少なくとも次のタイミングで行われる。すなわち、少なくとも、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱が、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態となるタイミングで行われる。この電圧印加により、通電手段33は、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行いかかる状態の記録液に後述のように含まれている色剤の凝集を促進する。
通電手段33は、電源33aと、電源33aを支持体37aとノズル板61aとに接続した特に図示しない電気回路と、制御部40の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間を制御する電圧印加制御手段とを有している。電圧印加制御手段としての制御部40は、電源33aの電圧を変更する電圧変更手段としても機能する。
電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極をノズル板61aに接続されている。よって、通電手段33は、中間転写体37をアノードとして備え、ノズル板61aをカソードとして備えている。
中間転写体37の、記録液を付与され担持する部分すなわち表面は、ノズル面61dよりも後退接触角が小さいことが望ましい。後退接触角は、濡れ性を示す特性である。
一般的に濡れ性というと、静的接触角や表面張力など、基材、ここでは中間転写体37又はノズル面61dと、液、ここでは記録液との親和性をみる。しかし、動的接触角のうち後退接触角はかかる親和性の他に液の粘性による影響が加わった値として測定されるものである。
これを画像形成装置100にあてはめてみると、後退接触角が大きい部材からは記録液が良く離型され、後退接触角が小さい部材へは記録液がより吸着する事が確認された。
離型性がとくによい条件としては、ノズル面61dの後退接触角が純水に対して60°以上、望ましくは75°以上、中間転写体37表面の後退接触角が70°未満、更に望ましくは60°以下であるときであった。
中間転写体37表面の材質を、ノズル面61dよりも後退接触角の小さい材質として濡れ性を高くすることにより、ノズル面61d上に付着したインクミストに代表される液体成分である記録液を効率的に除去することが可能となる。
また、中間転写体37の表面は、ノズル面61dよりもタック性が高いことが望ましい。タック性は、べたつき感を示す特性であり、その値であるタック値が大きいほどべたつき感が高い。ノズル面61d上の記録液の乾燥物すなわちインク乾燥体等の高粘度成分や埃、紙粉といった固形物を、中間転写体37上の記録液によりノズル面61dから効率よく除去するためには、後退接触角よりもタック性が重要となる。中間転写体37表面の材質を、ノズル面61dよりもタック性の高い材質とすることにより、効率的に固形物をノズル面61dから中間転写体37へ移動させることが可能となり、より安定性の高い画像形成が可能となる。
なお、後退接触角は、自動接触角計DM500(協和界面科学社製)及び解析ソフトウェアFAMAS(協和界面科学社製)を用いて、23℃で測定した。また、タック値は、引っ張り試験機(レスカ社製)を用いて、直径が5mmの円柱形状のステンレスプローブを圧縮荷重200gfで1秒間押し付けた後、120mm/分で引き抜き、引き抜き時にかかる応力である。さらに、硬度は、JIS−A硬度計を用いて測定された値である。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転を開始する。中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が吐出される。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液の吐出は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で行われる。これにより、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このように、中間転写体37は、ノズル61bから吐出され付与された記録液によって形成される像を担持する像担持体として機能する。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液が吐出されるとき、電圧印加制御手段としての制御部40により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aとノズル板61aとの間に電圧が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、ノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動する。これにより、ノズル61bと中間転写体37との間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33により、記録液中の色剤成分が凝集作用を受ける。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードであるノズル板61aとアノードである中間転写体37とにはそれぞれ次の電極反応が生じ、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
反応式(1)によると、カソードとして機能するノズル面61d側では水酸化物イオンが生成して、結果、アルカリ性を示す。記録液の色剤がアニオン性顔料であるため、かかるアルカリ条件で高い分散性を示し、ノズル面61dに付着した記録媒体が溶解しやすくなる。
また反応式(2)によると、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化して水素イオンであるプロトン(H+)が生成して、結果、酸性を示す。
そのため、図4に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。すなわち、記録液の色剤がアニオン性顔料であるため、水素イオンのプラス電荷とアニオン系顔料のマイナス電荷とが打ち消しあい、静電反発が減少して凝集・増粘・固化といった現象が起こる。この現象は、対向電極である中間転写体37の近傍、特に電極界面である中間転写体37表面で起こる。
これにより、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。また、かかる電圧印加によりノズル61bの目詰まりが予防されるという利点もある。なお、かかるブリッジを形成する時間は、圧電素子に印加される電磁パルスのピーク電圧とパルス幅等により制御可能である。
ここで、図5を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層Eの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成し、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集する。
すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジに、顔料の凝集作用をもたらすイオンが効率よく生成することで、記録液の中間転写体37への着液と同時に顔料の凝集が行われる。その結果、隣接する記録液ドット間における顔料の滲みが発生せず、非常に高精細な溶質画像が形成される。
このように、通電手段33は、液柱のブリッジBを形成している記録液を電気分解するための、中間転写体37と、ヘッド61Y、61M、61C、61BK、具体的にはノズル板61aとの間の電圧印加を行なうための構成となっている。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数百mS/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
液柱のブリッジBが形成されている状態は、高速度カメラによって観察することが可能である。この観察により、インク吐出制御手段として機能する制御部40によりインク吐出手段の圧電素子に電圧パルスを入力してから、ノズル61bから記録液が吐出されるタイミングが、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。また、記録液が吐出されてから中間転写体37との間でブリッジBが形成されるまでのタイミング、ブリッジの継続時間も、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。
なお、反応式(1)、(2)に加えて、電極自身の酸化還元反応も同時に起こる。どのような反応が起きるかは、電極材料、電極電位、及び記録液のpHによるが、電位−pH状態図(Pourbaix Diagram)を参照すれば容易に類推される。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給される。そうすると、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、凝集成分を含む記録液が転写紙Sに転写される。したがって、上述の凝集作用により凝集した色剤によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングを防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能である。
また、高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高いが、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなる。しかし、かかる凝集作用により記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されるためかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。
さらにまた、記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されることにより、転写紙Sのコックリングやカールなどの変形も抑制ないし防止される。またこれによって画像を担持した転写紙Sの搬送性が向上し、ジャムが防止ないし抑制されるなど、転写紙Sの取り扱いが容易化する。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分はほとんど残っていないが、中間転写体37は清掃手段34によるクリーニングを受けることで、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制される。よって、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
以上のような画像形成動作を行う際あるいは非画像形成時である待機時には、記録液の飛散等によるインクミスト等により、図6(a)に示すように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKの、ノズル板61aのノズル面61dに、記録液が付着することがある。ノズル面61dに付着した記録液は、雰囲気中の埃、紙粉等の異物を吸着する場合がある。その他、ノズル面61dには埃、紙粉等の異物が直接付着し得る。
ノズル面61dに付着した記録液、異物による汚れが、とくにノズル61bの周辺において、進行すると、ノズル61bから吐出される記録液の曲がりによる精密な画像形成に対する悪影響が生じることがある。またかかる汚れがノズル61bに付着するとノズル61bの詰まりによる画像形成不良等の原因となり、画像形成に悪影響を及ぼすことがある。
また、記録液中の水分の蒸発等によって、ノズル61b内あるいはインク室61c内のノズル61bの周辺の記録液が増粘した場合、増粘が進んで凝集物が生じた場合や、ノズル61b内に気泡が生じた場合にも、同様の現象すなわち画像形成への悪影響が生じる。
これら悪影響が生じる状態はノズルダウンといわれる。
そのため、画像形成装置100においては、画像形成を行った転写紙Sの枚数が所定枚数となったときに、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのクリーニング、より具体的にはノズル61b及びノズル面61dのクリーニングを行うようになっている。このクリーニング動作を、図6ないし図11を参照しながら説明する。
かかるクリーニング動作を行うタイミングとしては、画像形成を行った転写紙Sの枚数が所定枚数となったときのほかに、たとえば次のタイミングが挙げられる。
すなわち、非印字時間言い換えると非画像形成時間をタイマーによって計測し、非印字時間が所定時間以上となったときである。この場合、画像形成装置100にタイマーを配設して非印字時間を計測する。
また、ノズルダウンすなわちヘッド61Y、61M、61C、61BKからの記録液の不吐出やヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液の曲がりである吐出曲がり等が発生したことが検知されたときである。この場合、画像形成装置100に、ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの記録液の吐出状態をセンシングするセンシング機構を配設し、このセンシング機構により、ノズルダウンを検知する。
かかるセンシング機構としては、中間転写体37上に形成された画像パターンを認識し取得する1次元又は2次元の受光センサと、受光センサによって取得された画像パターンを解析する解析手段とを備えたものを用いることが可能である。ノズルダウン言い換えると吐出異常の検出を行うための検査吐出すなわち画像パターンの形成は、画像形成装置100が外部から画像信号言い換えるとプリント信号を受信したときに、印字前すなわち画像形成開始前に行う。
ノズルダウンが検知されたこと等を条件として、図7に示す各工程によってクリーニング動作を行うヘッドクリーニングモードに移行する。
ヘッドクリーニングモードにおいては、クリーニング動作を行った後に、クリーニング動作及びセンシングを繰り返してからヘッドクリーニングモードを終了するようにしても良い。すなわち、クリーニング動作を行った後に、センシング機構によってヘッド61Y、61M、61C、61BKからの記録液の吐出状態をセンシングして、かかる吐出状態が十分良好な状態になるまで、クリーニング動作を行う。
図7に示すように、かかるクリーニング動作は、主にノズル61bをクリーニングするためにヘッド61Y、61M、61C、61BKから記録液を排出させる、具体的にはノズル61bから中間転写体37に向けて記録液を吐出させる第1の工程(S1)を含む。
また、かかるクリーニング動作は、第1の工程において吐出された記録液の少なくとも一部をノズル板61aと中間転写体37との間から除去して減量する第2の工程(S2)を含む。
また、かかるクリーニング動作は、第2の工程において減量されたもののノズル面61dに付着している記録液をノズル面61dから除去する第3の工程(S3)を含む。
そして、かかるクリーニング動作は、これら第1の工程、第2の工程、第3の工程を、この順で行うことによって実行される。
第1の工程は、図6に示すように行われるものであり、記録液がノズル61b近傍より広がらないように、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKにより、記録液をノズル61bから中間転写体37に向けて排出する、記録液排出工程として行われる。
この記録液排出工程を行うための記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKの構成及び動作については後述する。
第2の工程は、図8に示すように行われるものである。すなわち、第2の工程は、第1の工程でノズル61bから排出された記録液がノズル61b近傍から外側に広がらないように中間転写体37をA1方向に移動させながら行われる。そして、かかる排出された記録液を、中間転写体37により、ノズル面61dと中間転写体37との対向領域外に運搬し、ノズル面61dに付着している記録液の液量を第3の工程において中間転写体37で良好に除去されるように適量化する。このように、第2の工程は、記録液液量制御工程として行われる。
第3の工程は、図9に示すように行われるものであって、第2の工程の後にノズル面61dを中間転写体37によってクリーニングするために次のような動作を行う。すなわち第3の工程は、ノズル面61dと中間転写体37との距離を短くしてノズル面61dに付着している記録液を中間転写体37に付着させてからかかる距離を長くする動作を行う。このように、第3の工程は、記録液除去工程として行われる。
このようなクリーニング動作を行うにあたり、中間転写体37は、第1の工程においてヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向した状態でノズル61bから吐出された記録液を付与されるクリーニング体としてのクリーニング部材として機能する。
また、駆動部35は、かかるクリーニング動作を行うにあたり、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との距離が変化するように、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との相対移動を行う。この相対移動は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが対向する第1の方向、すなわち図1において上下方向であるX方向における、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との相対移動として行われる。駆動部35は、かかる相対移動を行う第1の移動手段として機能する。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37が対向する第1の方向は、厳密には、中間転写体37がローラ状であり、その周面が曲面であることから、鉛直方向と交差する方向であり、鉛直方向と異なる方向となっている。なお、このように、中間転写体37をローラ状として、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを、中間転写体37を取り囲むように鉛直方向に対して傾けて配置する構成は、画像形成装置100のコンパクト化という観点から採用されている。
モータ32は、かかるクリーニング動作を行うにあたり、X方向に交差する第2の方向であるA1方向における、ヘッド61Y、61M、61C、61BK、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との相対移動を行う。この点、モータ32は、距離制御機構としての第2の移動手段として機能する。
以下、第1の工程、第2の工程、第3の工程のそれぞれについてより詳しく説明することで、かかるクリーニング動作をより詳しく説明する。
クリーニング動作を行う場合は、まず第1の工程を行う。
第1の工程においては、図6(a)に示した通常の印字状態すなわち画像形成状態においてヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが離間したホームポジションから、図6(b)に示す状態とする。すなわち制御部40によって第1の移動手段としての駆動部35を制御することでヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37から離間させノズル面61dと中間転写体37とが離間した離間位置である記録液排出ポジションとする。またこれに加えて、図10に示すように、制御部40によって離間部36を制御することで転写ローラ38を中間転写体37から離間させた状態とする。
次いで、制御部40によって第2の移動手段としてのモータ32を制御することで中間転写体37をA1方向に回転駆動する。このとき、第2の移動手段としてのモータ32による、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向に沿った相対移動の速度は、10mm/s以上100mm/s未満の範囲で設定された速度とされる。この速度は、記録液の特性(表面張力や粘度等。以下同じ)に応じたものである。
記録液排出ポジションにおいて、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離は、ホームポジションにおけるかかる距離よりも長く、具体的には、記録液の特性に応じて1.5mm以上で設定された距離とされる。
かかる状態を維持させながら、図6(c)に示すように、制御部40によって記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKを駆動することでインク室61c内を負圧から正圧とする。これにより、各ノズル61bからヘッド61Y、61M、61C、61BK内に内蔵された記録液を強制的に排出させ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向した中間転写体37に付与する。記録液の強制排出により、各ノズル61b内に気泡、記録液の凝集物、紙粉、埃などの異物が存在している場合にはこれらが各ノズル61bから排出される。
このように、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKは、記録液とともにかかる異物をノズル61b内から排出させる記録液排出機構としての記録液排出手段として機能する。
中間転写体37に付与された記録液等は、中間転写体37によりA1方向に運ばれ、転写部31において中間転写体37と離間した転写ローラ38との間を通過し、清掃手段34によって中間転写体37から除去される。
このときの、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向に沿った相対移動の速度が上述のように設定されていることにより、次の利点が得られる。すなわち、ノズル61bから排出された記録液等が、中間転写体37側に効率的に速やかに移動するとともに効率的に速やかに運ばれ、中間転写体37との間に充填されることがない。これにより、ノズル61bから排出された記録液等が、ノズル面61dに広がることがなく、ノズル面61dが汚れることがないという利点が得られる。
これは、かかる距離が長ければ、言い換えると、記録液の自重での落下による排出を高い位置から行えば、排出された記録液が、回転している中間転写体37の影響で移動することがなく、ノズル61b近傍にとどまるためと考えられる。また、かかる速度が大きければ、排出された記録液のうちの中間転写体37側の記録液は、中間転写体37の回転に伴って移動するものの、次の作用を受けるためと考えられる。すなわち、ノズル面61d側の記録液は中間転写体37側の記録液と分断される作用を受けてノズル面61d上にとどまり、回転している中間転写体37の影響で移動することがないためと考えられる。
次いで、第2の工程を行う。すなわち、制御部40によって第2の移動手段としてのモータ32を制御することで、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向沿った相対移動の速度が、100mm/s以上の速度となるように、中間転写体37を回転駆動する。かかる速度は、記録液の特性に応じて設定されたものである。
この状態で、図8(a)に示すように、制御部40によって第1の移動手段としての駆動部35を制御することでヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に近接させたうえで停止させる。この動作により、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離が縮まる。このときに占めるヘッド61Y、61M、61C、61BKの位置を、減量位置である記録液量制御ポジションとする。
記録液量制御ポジションにおいて、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離は、ホームポジションにおけるかかる距離よりも長いとともに、記録液排出ポジションにおけるかかる距離よりも短い。具体的に、記録液量制御ポジションにおけるかかる距離は、記録液の特性に応じて0.8mm以上で設定された距離とされる。
これにより、中間転写体37の回転に伴って、ノズル面61dと中間転写体37との間の記録液が、中間転写体37の表面の移動につられてA1方向に引っ張られて移動し始める。かかる記録液は、さらに移動すると、図8(b)に示されているように、ノズル面61d側と中間転写体37側とで分断される。この分断は、中間転写体37の表面の濡れ性が上述のようにノズル面61dの濡れ性より高いことによって良好に生ずる。
このようにして、第1の工程においてノズル61bから吐出された記録液の少なくとも一部がノズル板61aと中間転写体37との間から除去される。中間転写体37側に付着した記録液等は、中間転写体37によりA1方向に運ばれ、転写部31において中間転写体37と離間した転写ローラ38との間を通過し、清掃手段34によって中間転写体37から除去される。
このときの、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向に沿った相対移動の速度が上述のように設定されていることにより、次の利点が得られる。すなわち、ノズル61bから排出された記録液がノズル面61d上に付着していても、かかる記録液等の量は第3の工程で中間転写体37に全量が効率的に転移する量となるように制御されている。これにより、記録液等は中間転写体37側に効率的に速やかに移動するとともにノズル面61dに広がることがなく、ノズル面61dが汚れることがないという利点が得られる。よって記録液の垂れが生じることもない。
これは、図6に示した場合よりもノズル面61dと中間転写体37との間の距離が短いものの、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向に沿った相対移動の速度が大きいことにより、次の作用が得られるためと考えられる。すなわち、排出された記録液のうちの中間転写体37側の記録液は中間転写体37の回転に伴って移動するが、ノズル面61d側の記録液は中間転写体37側の記録液と分断される作用を受けてノズル面61d上にとどまるためである。つまり、ノズル面61d側の記録液は、回転している中間転写体37の影響で移動することがないため、記録液がノズル面61dで移動せず、広がらないと考えられる。
なお、ここにいう全量とは、かりに、第3の工程終了後に、記録液等がノズル面61dに残留しているとしても、その後の画像形成に与える影響が無視される程度の量を含む(以下同じ)。
次いで、制御部40によって第2の移動手段としてのモータ32を制御して、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのA1方向沿った相対移動を停止する。
この状態で、第3の工程を開始する。すなわち、図9(a)に示すように、制御部40によって第1の移動手段としての駆動部35を制御することでヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に近接させる。このときに占めるヘッド61Y、61M、61C、61BKの位置を、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離が最近接位置となる記録液除去ポジションとする。
記録液除去ポジションにおいて、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との間の距離は、ホームポジション、記録液排出ポジション、記録液量制御ポジションのいずれにおけるかかる距離よりも短い。
この距離は、具体的には、記録液の特性に応じて10μm以上600μm未満で設定され、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37とを非接触に保つとともに、ノズル面61dに付着している記録液を、中間転写体37の表面に当接させる距離とされる。このとき、この距離を、かかる記録液の先端が中間転写体37の表面に付く距離とする。
ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37とを非接触に保つことで、クリーニングの際にノズル面61dに中間転写体37やブレード等の部材が当接することがない。よって、ノズル面61dの撥水性が保たれ、磨耗も生じることがなく、また中間転写体37の磨耗も防止される。よって、クリーニングによるノズル板61a、ノズル面61d、中間転写体37の劣化が防止され、これらの耐久性が向上する。
次いで、図9(b)に示すように、制御部40によって第1の移動手段としての駆動部35を制御することでヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37からゆっくり離間させ、ホームポジションに復帰させる。これにより、ノズル面61dに付着していた記録液等の全量が中間転写体37側に付着しノズル面61dから分離され、ノズル面61dのクリーニングが完了する。この分離は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との相対移動が停止状態にあり、また中間転写体37の表面の濡れ性が上述のようにノズル面61dの濡れ性より高いことによって良好に生ずる。
そして、図9(c)に示すように、制御部40によって第2の移動手段としてのモータ32を制御して、中間転写体37をA1方向に回転駆動する。この回転駆動は、中間転写体37側に付着した記録液等が、転写部31において中間転写体37と離間した転写ローラ38との間を通過し、清掃手段34によって中間転写体37から除去されるまで継続する。その後、離間部36による中間転写体37に対する転写ローラ38の当接を行う。
このように、第3の工程は、第2の工程の後にノズル板61a、ノズル面61dを中間転写体37によってクリーニングするために行われる。そのため、第1の移動手段としての駆動部35によるノズル板61aと中間転写体37との相対移動を、ノズル板61aと中間転写体37との距離が短くなるように行わせてから、かかる距離が長くなるようにすることで行われる。
以上述べたように、第1の工程により、ノズル61bのクリーニングを行い、第2の工程により、ノズル面61dに付着している記録液の液量を、速やかに、第3の工程でノズル面61dのクリーニングが行われる程度の液量とする。また、第3の工程では、ノズル面61dのクリーニングを簡易且つ確実に行う。これにより、ノズル61b、ノズル面61dのクリーニングが良好且つ速やかに完了し、クリーニング完了までの待ち時間が短縮されるとともにその後の画像形成が良好に行われる。
なお、このような接離動作、すなわち図9(a)、(b)に示した、中間転写体37に対するヘッド61Y、61M、61C、61BKの接離動作を1回行うのみでは、ノズル面61dに付着していた記録液等の全量が中間転写体37側に転移しない場合も生じ得る。そこで、かかる接離動作を複数回行うようにしてもよい。
この場合、かかる接離動作すなわち第1の移動手段としての駆動部35によるノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との相対移動を、回を重ねるほど、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との距離が短くなるように行う。これは、上述のように、ノズル板61a、ノズル面61dと中間転写体37との距離は、かかる記録液の先端が中間転写体37の表面に付く距離とされるためである。すなわちかかる相対移動を繰り返すと、ノズル面61dに付着している記録液の量が減少していくことから、かかる距離が順次短くなることとなる。
また、この場合、図9(b)に示した状態から図9(a)に示した状態とする前に、制御部40によって第2の移動手段としてのモータ32を制御して、中間転写体37をA1方向に回転駆動することが望ましい。中間転写体37側に一旦転移した記録液等がノズル面61dに再付着することのないようにするためである。
このように、かかるクリーニングは、従来から一般的に知られた、ゴムなどの柔軟材でできたブレード、ワイパー等の部材を用いてノズル面を掻き取るクリーニングと異なり、記録液でノズル面61dを拭き取るいわば非接触方式によって行うものである。そのため、非常に薄い撥水膜の磨耗により撥水効果がなくなり吐出不良につながるという、かかる部材を用いたクリーニングによる不具合が生じることがない。
よって、かかる部材を用いたクリーニングと比べて、撥水膜が長寿命化し、撥水膜の寿命によって左右される製品寿命を延ばすことにも貢献する。
撥水膜の寿命は画像形成装置100のようなインクジェットプリンタにおいて製品寿命に与える影響が大きいため、撥水膜の長寿命化は製品寿命を延ばすことに貢献するものであり、撥水膜の長寿命化による利点はきわめて大きい。
かかるクリーニングは、上述のようにいわば非接触方式であるためかかる利点があるが、さらに、かかるクリーニングは、このように物理的に行われるのに加え、化学的に行うようにしても良い。
すなわち、クリーニング動作において、通電手段33を駆動し、ノズル板61aと中間転写体37との間に電圧印加を行っても良い。この電圧印加を行えば、反応式(1)、反応式(2)、図4、図5に沿って説明した反応が、ノズル面61dに付着している記録液の成分具体的にはインク成分の電気分解によっても生じることとなる。よって、この電気分解により、対向電極である中間転写体37表面に記録液の顔料が濃縮することとなる。これにより、ノズル面61dと中間転写体37との間に介在する、記録液中のインク濃度を低下させて、ノズル面61dに付着した記録液付着物の溶解を促進するようにすることが可能となる。
このように、かかるクリーニングにおいては、記録液がアニオン性であることを利用して、通電手段33が、ノズル板61aをカソードとして機能させ、中間転写体37をアノードとして機能させるようにすることが可能である。このようにすることで、記録液が物理的のみならず化学的にも作用するクリーニング液として機能することとなる。
このように画像形成装置100においては、ノズル面61dのクリーニングが、物理的なクリーニングと同時に、化学的なクリーニングによって行われるようにして、ノズル面61dが高度に清浄に保たれるようにしてもよい。この化学的なクリーニングは、インク凝集体の再分散を促進させること、すなわち上述の凝集作用により中間転写体37に色剤を凝集させることによるクリーニングである。
上述のように、中間転写体37に担持された記録液等、すなわち、ノズル面61dから除去した記録液、異物、中間転写体37に凝集した記録液の凝集成分は、中間転写体37のA1方向への回転に伴って清掃手段34に到達し、中間転写体37から除去される。これによって、中間転写体37は清浄な状態に保たれる。よって、ノズル板61aのクリーニングよって中間転写体37に付着した記録液や異物のオフセットが高度に防止ないし抑制され、その後に画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制される。よって、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能となっている。
図1に示すように、画像形成装置100は、すでに述べた構成で上述のようにしてノズル板61aをクリーニングしてヘッド61Y、61M、61C、61BKのクリーニングを行い正常な画像形成が行われる状態とするヘッドクリーニング装置41を有している。
ノズル板61aをクリーニングしてヘッド61Y、61M、61C、61BKをクリーニングするには、少なくとも第1の工程が行われればよい。そのため、ヘッドクリーニング装置41は、以上述べた構成のうち、第1の工程を行うのに必須の、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKを少なくとも有している。
画像形成装置100では、ノズル板61a、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをより良くクリーニングするべく、ヘッドクリーニング装置41は次の構成となっている。すなわち、ヘッドクリーニング装置41は、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKの他に、中間転写体37、駆動部35、モータ32も有している。また、ヘッドクリーニング装置41は、ヘッドクリーニング装置41に備えられている各構成の動作を制御する制御部40も備えており、この点、制御部40は、ヘッドクリーニングを制御するヘッドクリーニング制御手段として機能する。
このように、ヘッドクリーニング装置41は、画像形成装置100において画像形成を行うために備えられている構成によって構成されている。たとえば、中間転写体37についてはクリーニング部材として機能するのみならずノズル61bから吐出され付与された記録液が転写紙Sに転写される部材として機能するなど、部品の共通化が高度に実現されている。よって、画像形成装置100において、ヘッドクリーニング装置41を備えることによる装置の大型化、高価格化が高度に抑制されている。
ところで、第1の工程においてノズル61bから記録液を排出するとき、排出された記録液が、特に排出始めにノズル面61dに濡れ広がると、記録液の垂れが生じ、記録液による機内の汚染が生じ得る。なお、排出始めにおける濡れ広がりは、ヘッド直前の液流路に弁がない構成において生じ易いことが、本発明者らの鋭意研究により明らかとなった。
記録液の垂れは、ノズル面61dに濡れ広がった記録液の量が多いと生じ易い。ノズル面61dに濡れ広がった記録液の量が多い場合、記録液の垂れは、記録液がノズル面61dと中間転写体37との間に充填された状態となるときに、ノズル面61dを伝って垂れることによっても生じる。
また、記録液の垂れは、ノズル面61dが鉛直方向に対して垂直でない場合にも生じ易くなる。すでに述べたように、本形態では、中間転写体37の周面が曲面であることから、第1の方向が鉛直方向と交差する方向となっているため、ノズル面61dが鉛直方向に対して垂直でない。
また、ノズル面61dが鉛直方向に対して垂直でないと、ノズル61bからの記録液の排出の反動により、インク室61c内の記録液への空気の巻き込みが生じ易くなる。この巻き込みによりインク室61c内の記録液に気泡が生じると、記録液の吐出の妨げとなり、ノズルダウンの原因となる。
そのため、第1の工程における記録液の排出を、記録液の垂れや気泡の巻き込みを極力抑制しながら行うことが重要である。
そこで、画像形成装置100においては、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKが、第1の工程における記録液の排出を、記録液の垂れや気泡の巻き込みを極力抑制しながら行うようになっている。
そのため、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKは、図11に示して以下説明する構成を採用しているとともに、後述するように動作するものとなっている。同図に示されているように、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKは、互いに同じ構成となっている。そこで、記録液送液機構90Yを、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKの代表として説明する。
記録液送液機構90Yは、インクカートリッジ81Yから記録液を供給され、インクカートリッジ81Yから供給された記録液を収容する記録液収容部としてのタンク91Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、インクカートリッジ81Yとヘッド61Yとの間で記録液を移動させるための第1の送液部としてのチューブであるパイプ92Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、タンク91Yとヘッド61Yとの間で記録液を移動させるための第2の送液部としてのチューブであるパイプ93Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、パイプ92Yとパイプ93Yとの合流位置とヘッド61Yとの間で記録液を移動させるための第3の送液部としてのチューブであるパイプ94Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、インクカートリッジ81Yからタンク91Yに向けて記録液が通過する第4の送液部としてのチューブであるパイプ95Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、パイプ92Yとパイプ93Yとの合流位置に設けられた流路切替弁としての切替弁96Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、パイプ95Yの中途部に設けられ、インクカートリッジ81Yからタンク91Yに記録液を供給させる記録液供給手段としてのポンプ97Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、ヘッド61Yから記録液を排出させるためにタンク91Y内の記録液を加圧してヘッド61Yに供給させる記録液加圧手段としてのポンプ98Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、タンク91Y内の圧力を計測する圧力計82Yを有している。
記録液送液機構90Yはまた、制御部40の一機能として実現され、切替弁96Yの動作を制御する切替弁制御手段を有している。
記録液送液機構90Yはまた、制御部40の一機能として実現され、ポンプ97Yの動作を制御する記録液供給制御手段を有している。
記録液送液機構90Yはまた、制御部40の一機能として実現され、ポンプ98Yの動作を制御する記録液加圧制御手段を有している。
切替弁96Yは、パイプ92Yとパイプ93Yとの何れかをパイプ94Yに連ならせることで、パイプ92Yをパイプ94Yに連ならせた第1の状態と、パイプ93Yをパイプ94Yに連ならせた第2の状態との何れかを形成する。
切替弁制御手段として機能する制御部40が切替弁96Yの動作を制御することで、第1の状態と第2の状態との何れかが形成される。第1の状態では、インクカートリッジ81Yとヘッド61Yとの間で、パイプ92Yとパイプ94Yとを通じて記録液が移動可能であるが、パイプ93Yとパイプ94Yとの間は遮断されている。第2の状態では、タンク91Yとヘッド61Yとの間で、パイプ93Yとパイプ94Yとを通じて記録液が移動可能であるが、パイプ92Yとパイプ94Yとの間は遮断されている。
ポンプ97Yは、チュービングポンプである。ポンプ97Yは、パイプ95Yを通じてインクカートリッジ81Y内の記録液をタンク91Yに供給する送液ポンプである。ポンプ97Yは、インクカートリッジ81Y内の記録液をタンク91Yに供給するときを除き、内蔵している図示しないコロでパイプ95Yを押圧することによって、インクカートリッジ81Yとタンク91Yとの間を遮断し、記録液の移動を禁止する。
ポンプ97Yは、インクカートリッジ81Yとタンク91Yとの間を遮断し、記録液の移動を禁止している状態で、インクカートリッジ81Yとタンク91Yとの間で圧力が伝達されることを禁止する。ポンプ97Yがチュービングポンプであって、そのコロでかかる圧力の伝達を禁止することにより、機能を集約して記録液送液機構90Yのコンパクト化に寄与している。
記録液供給制御手段として機能する制御部40がポンプ97Yの動作を制御することで、インクカートリッジ81Y内の記録液をタンク91Yに供給する状態である供給状態が形成される。また、記録液供給制御手段として機能する制御部40がポンプ97Yの動作を制御することで、インクカートリッジ81Yとタンク91Yとの間での圧力の伝達が禁止される状態である圧力伝達禁止状態が形成される。
よって、記録液供給制御手段として機能する制御部40がポンプ97Yの動作を制御することで、供給状態と圧力伝達禁止状態との何れかが形成される。
ポンプ98Yは、タンク91Y内を加圧してタンク91Yの内圧を高める加圧ポンプである。ポンプ98Yは、タンク91Y内を加圧する他、タンク91Y内を大気に開放可能であり、またタンク91Y内を大気に対して遮断可能である。ポンプ98Yは、正転でタンク91Y内を加圧し、逆転でタンク91Y内を減圧する。このように、ポンプ98Yが加圧機能のみならず減圧機能も有していることで、機能の集約により、たとえば記録液送液機構90Yを含めたマシンサイズのコンパクト化を図っている。
タンク91Yは、ポンプ98Yによって内圧が高められたときに、収容している記録液を加圧する加圧タンクとして機能する。
圧力計82Yは、検知したタンク91Yの内圧を制御部40に入力する。
記録液加圧制御手段として機能する制御部40は、第1の工程においてノズル61bから記録液を排出させるときに、ポンプ98Yを駆動してタンク91Yの内圧を高める。このとき、記録液加圧制御手段として機能する制御部40は、圧力計82Yから入力されたタンク91Yの内圧に基づいて、言い換えるとモニタリングしながら、ポンプ98Yを駆動し、タンク91Yの内圧を設定値とした加圧状態を形成する。設定値は、本形態では200kPa程度の正圧であるが、記録液の粘度によって適宜変更する。たとえば記録液の粘度が低い方が、設定圧力は小さくなる。
また、記録液加圧制御手段として機能する制御部40は、加圧状態を形成するタイミングと異なるタイミングで、ポンプ98Yの動作を制御することで、タンク91Y内が大気に開放されタンク91Yの内圧が大気圧とされる開放状態を形成する。開放状態を形成するのは、クリーニング動作を行っているとき以外のマシンへのストレス、たとえばタンク91Y、パイプ93Y、切替弁96Y等へのストレスを軽減するためである。
その他、記録液加圧制御手段として機能する制御部40は、加圧状態、開放状態を形成するタイミングと異なるタイミングで、ポンプ98Yの動作を制御することで、タンク91Y内を大気に対して遮断した遮断状態を形成する。遮断状態を形成する意義については後述する。
以上のような構成の記録液送液機構90Yは、第1の工程においてノズル61bから記録液を排出させるとき、まず、第1の状態を形成してパイプ93Yとパイプ94Yとの間を遮断するとともに、圧力伝達禁止状態を形成してから、加圧状態を形成する。圧力伝達禁止状態は、後述する、切替弁96Yの繰り返しの切替えの終了まで継続される。
加圧状態が形成されると、第2の状態を形成し、パイプ93Yとパイプ94Yとの間を連ならせることで、タンク91Yからヘッド61Yに記録液を圧送して、ヘッド61Y具体的にはノズル61bから記録液を勢い良く柱状に排出させる。
これが図6(c)に示した状態である。このとき、約0.2mlの記録液が排出される。
加圧状態が形成されてから第1の状態から第2の状態に移行するときまでの間に、記録液化圧制御手段として機能する制御部40は、ポンプ98Yを駆動して遮断状態を形成している。遮断状態は、後述する、切替弁96Yの繰り返しの切替えの終了まで継続される。
第1の状態から第2の状態に移行するときには、タンク91Yの内圧が200kPa程度まで高められているため、ノズル61bから排出される記録液の流速は高い。したがって、排出された記録液は、排出始めであってもノズル面61dに濡れ広がることが防止ないし抑制されており、記録液の垂れが防止ないし抑制され、記録液による機内の汚染が生じることが防止ないし抑制される。
排出始めを含む記録液の濡れ広がりの防止ないし抑制は、タンク91Yからの記録液の圧力を、第1の状態から第2の状態への切替弁96Yの切替えによって、一気にヘッド61Yに伝達すること等によって成されている。かかる圧力がかかる切替えによって一気にヘッド61Yに伝達されるのは、ヘッド61Y直前の記録液の流路であるパイプ94Yに切替弁96Yが連結されていることによるものである。
また、かかる圧力がかかる切替えによって一気にヘッド61Yに伝達されるのは、圧力伝達禁止状態が継続されていることにもよる。かかる圧力がかかる切替えによって一気にヘッド61Yに伝達されるようにするため、圧力伝達禁止状態は、少なくとも第1の状態が形成されてから第2の状態が形成されるまで継続する。ただし、本形態では、圧力伝達禁止状態は、すでに述べたように、後述する、切替弁96Yの繰り返しの切替えの終了まで継続される。
上述した記録液の排出量である約0.2mlは、気泡の排出など、ノズルダウンの解消に十分な量であるが、記録液の粘性等に応じて適宜調整される。この量の記録液が排出完了するタイミングで、切替弁96Yの切替えによって、第1の状態を形成する。ヘッド61Y直前の記録液の流路であるパイプ94Yに連結されている切替弁96Yの切替えによって第1の状態を形成するため、インク室61c内の圧力の低下が防止ないし抑制される。よって図14(a)において破線の波形で示すようなアンダーシュートも防止される。
アンダーシュートは、記録液の粘性が高い場合には生じにくいが、記録液の粘性が低いと生じやすい。また、記録液の排出の勢いが強いほど、その反動でアンダーシュートが生じやすい。アンダーシュートが生じると、図14(b)に示すように、ノズル61bからインク室61c内への気泡の巻き込みが生じ得る。
しかし、記録液送液機構90Yでは、ヘッド61Y直前の記録液の流路であるパイプ94Yに連結されている切替弁96Yの切替えによって第1の状態を形成するため、アンダーシュートも防止される。切替弁制御手段として機能する制御部40による、第2の状態から第1の状態に切替えるための切替弁96Yの切替制御は、図14(a)において実線で示す波形のように、このアンダーシュートが防止されるタイミングで行われるものである。この切替制御は気泡巻き込み制御として行われる。このタイミングで切替弁96Yの切替制御を行うと、本形態では、上述のように、ノズル61bから約0.2mlの記録液が排出されることとなる。
アンダーシュートの防止には、遮断状態の継続も寄与している。かりに、第2の状態において開放状態が形成されていると、ノズル61bからの記録液の排出に伴ってタンク91Y内の圧力が低下する。そして、ノズルダウンの解消に十分な量の記録液がノズル61bから排出される前に、インク室61c内の圧力も低下してアンダーシュートを起こし得る。しかし、第2の状態において遮断状態が継続しているため、アンダーシュートが生じることが防止されている。
上述のように第2の状態から第1の状態に切替えると、パイプ94Yとパイプ92Yとが連なる。このとき、気泡巻き込み制御により、図14(a)に示されているように、インク室61c内は正圧であって、インクカートリッジ81Y内の圧力よりも高圧である。そのため、第2の状態から第1の状態に切替えると、ヘッド61Yからインクカートリッジ81Y内に記録液が流れ込み、インクカートリッジ81Yが膨らんで全体の圧力が低下する。
この場合にもアンダーシュートを防止するため、切替弁96Yの切替えを繰り返し行い、第1の状態と第2の状態とを繰り返し形成することで、インクカートリッジ81Yを緩衝部として用いヘッド61Yおよびタンク91Yの内圧を漸減させる。繰り返しの回数は、アンダーシュートが確実に防止される回数に適宜調整される。この間、第2の状態が形成されても、インク室61c内の圧力は、ノズル61bからの記録液の排出が生じることのない程度に低下しているため、記録液の垂れが生じることはない。
なお、かかる繰り返しのタイミング、言い換えると第1の状態と第2の状態とを切替える時間は、アンダーシュートの防止に加えて全体の所要時間の短縮の観点から、切替えの回を重ねるごとに短くする。
第2の状態から第1の状態への初回の切替えでアンダーシュートが防止される場合には、かかる繰り返しの切替えは省略する。この場合も同様に、記録液の垂れが生じることはない。
ヘッド61Yおよびタンク91Yの内圧がアンダーシュートの防止に十分な圧力まで減少すると、開放状態を形成する。また、ノズル61bからの記録液の排出によって減少したタンク91Y内の記録液を補充するため、供給状態を形成してインクカートリッジ81Y内の記録液をタンク91Yに供給する。
以上のようにして、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKを有する画像形成装置100では、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのノズル面61dが鉛直方向に対して垂直でない構成であっても、次のような利点が得られる。すなわち、かかる構成においても、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKを用いて第1の工程における記録液の排出を行うことにより、記録液の垂れや気泡の巻き込みが防止ないし抑制される。また、気泡の巻き込みによるノズルダウンも防止ないし抑制される。
なお、通常の画像形成時における、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKによる、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKからヘッド61Y、61M、61C、61BKへの記録液の供給は、次のようにして行われる。この場合も、記録液送液機構90Yによる、インクカートリッジ81Yからヘッド61Yへの記録液の供給を代表して説明する。
通常の画像形成時においてインクカートリッジ81Yからヘッド61Yに記録液を供給する場合は、第2の状態と遮断状態とを形成し、これを継続する。そして、記録液供給制御手段として機能する制御部40によりポンプ97Yを駆動し、インクカートリッジ81Y内の記録液を、パイプ95Y、タンク91Y、パイプ93Y、パイプ94Yの順で通過させてヘッド61Yに供給する。なお、通常の画像形成時においてインクカートリッジ81Yからヘッド61Yに記録液を供給しない場合、言い換えるとポンプ97Yの駆動時以外は、開放状態を形成し、上述したようにマシンへのストレスを軽減する。
このことから明らかとなったように、パイプ92Yは、記録液を送るための圧力を発生させる手段を備えていない、ヘッド61Yとインクカートリッジ81Yとの間の記録液の短絡経路として、記録液送液機構90Yに備えられているといえる。
以上は、クリーニング部材がローラ状の中間転写体37である場合を説明したが、図12に示すように、中間転写体37は無端のベルト状をなすものであっても良い。
図12に示す形態について、図1等に示した上述の形態と異なる部分について主に説明する。
中間転写体37がベルト状であることに伴って、搬送ユニット10は、中間転写体37を巻き掛けたローラ42、43、44と、ローラ43を付勢した図示しないバネとを有している。モータ32は、ローラ42を回転駆動するようになっており、ローラ42は駆動ローラとなっている。ローラ43は、バネにより、中間転写体37の張力を一体に保つように変位するテンションローラとなっている。ローラ44は、中間転写体37を介して転写ローラ38に対向する定位置に配設されており、転写対向ローラとなっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61は、中間転写体37の、ローラ42とローラ43との間に張設されている部分に対向するように平行に並べられる態様で備えられている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKのノズル面61dは鉛直方向に対して垂直となっている。
中間転写体37をベルト状とすることの利点は、この形態のように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKが並設可能となるなど、ヘッド61Y、61M、61C、61の配置上の自由度が高くなることが挙げられる。また、ヘッド61Y、61M、61C、61BKがかかる態様で備えられている構成ではさらにヘッド61Y、61M、61C、61をノズル面61dに平行に移動させることなくノズル面61dの全面をクリーニング可能となるという利点もある。
さらに、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのノズル面61dが鉛直方向に対して垂直であるため、第1の工程における記録液の排出時、その他通常の画像形成時にも、記録液の垂れや気泡の巻き込みが生じにくいという利点もある。
ただし、中間転写体37は、ドラム状であるほうが、ベルト状の中間転写体37の、端部のない形状に加工することが容易でない、駆動時にばたつきが生じる、巻き掛けるローラを複数要する、といった事情がないという利点がある。また、上述のように画像形成装置100のコンパクト化という利点も得られる。よって、中間転写体37をドラム状とするかベルト状とするかは、種々の事項を比較検討して適宜選択される。
その他、図12に示す形態では、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに対向した位置であって中間転写体37の内側に配設されたガイド部材45を有している。
このような構成の画像形成装置100におけるノズル面61dのクリーニング動作を、図12を参照しながら説明する。
クリーニング動作を行うにあたって、制御部40によって第1の移動手段としての駆動部35を制御する。これにより、図12(a)に示したポジションと、図12(b)に示したポジションとの間で、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対して移動させるなどする。そして、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とのギャップを、図6、図8、図9に示した場合と同様のギャップとした各ポジションに位置決めするとともに、適宜、図12(b)に示すように、制御部40によって離間部36を制御することで転写ローラ38を中間転写体37から離間させた状態とする。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKのポジション、記録液送液機構90Y、90M、90C、90BKによる記録液の排出、中間転写体37の回転等については、すでに述べたのと同様であるため、ここでの説明を省略する。
以上説明した形態では、駆動部35は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを同時に駆動して中間転写体37に接離させる構成である。しかし、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは互いに異なる色の記録液を吐出するものであるため、これらを中間転写体37で同時にクリーニングすると、混色の可能性がある。すなわち、中間転写体37によってノズル面61dから除去されたある色の記録液が、他の色の記録液を吐出するノズル61bに付着し、その後の記録液吐出時に混色を生じる可能性がある。またそのノズル61bからこれに連なるインク室61c内に逆流して混色する可能性もある。混色は、画像形成の色品質を劣化させる要因となる。
そこで、かかる混色の問題を回避するために、駆動部35を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを独立して中間転写体37に接離可能とすることが望ましい。この場合、クリーニング制御手段としての制御部40は、上述のクリーニング動作を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれのノズル面61dについて独立して行うようにする。各色のヘッド61Y、61M、61C、61BKのノズル面61dをそれぞれ独立して順次クリーニングすることで混色が回避可能となる。
なお、この場合、駆動部35により各色のヘッド61Y、61M、61C、61BKについての各ポジションを順次独立して形成し、これに加えて離間部36による中間転写体37に対する転写ローラ38の当接を次のようにすることが望ましい。すなわち、全ての各色のヘッド61Y、61M、61C、61BKについてのクリーニング動作の後にかかる当接を行う。このようにすれば、中間転写体37に対する転写ローラ38の接離の回数を最小限として、クリーニング動作に要する時間が抑制される。
以上述べた各形態では、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37側に移動させることでヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とを互いに接離させる構成とした。しかし、図13に示すように、中間転写体37をヘッド61Y、61M、61C、61BK側に移動させるようにしても良い。このようにしてヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とを互いに近接させることでクリーニングポジションとする。
図13に示す形態について、図12に示した上述の形態と異なる部分について主に説明する。
同図に示す形態では、駆動部35は、ガイド部材45と、各ガイド部材45を下方から支持した支持部材46とを有している。支持部材46は、各ガイド部材45を一体でヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて押し上げることで中間転写体37をヘッド61Y、61M、61C、61BKに近接させクリーニングポジションとする。
この形態では、クリーニング動作時に駆動部35により支持部材46を変位させることで中間転写体37をヘッド61Y、61M、61C、61BKに接離させて各ポジションとするが、その余の点は図12に示した上述の形態と同様である。
駆動部35は、各ガイド部材45を同時に駆動してヘッド61Y、61M、61C、61BKに接離させる構成である。しかし、すでに述べたのと同じように、混色を回避するために、各ガイド部材45を独立して駆動可能とし、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを順次クリーニングするようにしても良い。
この形態では、クリーニングポジションにおいて中間転写体37のテンションが上昇するため、クリーニング動作中において、中間転写体37のばたつきや、長期放置時などにローラ42、43、44に巻き掛けた部分で発生する中間転写体37の変形が矯正される。そのため、ローラ42とローラ43との間に張設されている部分における中間転写体37の平面度が向上し、安定して良好なクリーニングが行われるという利点がある。
図1等に示した、ローラ状の中間転写体37を有する形態においても、中間転写体37をヘッド61Y、61M、61C、61BKに接離させる構成を採用してもよい。また、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの両者を互いに接離させる構成を採用してもよい。
駆動部35、離間部36はそれぞれ、中間転写体37、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを上述のように変位させるものであれば、その構成として、カム及びこれを駆動するモータ等を採用したものでも良い。また、ピニオン、ラック、ピニオンを駆動するモータ等を採用したものでも良いし、ソレノイド等を採用したものでも良い。本形態におけるヘッド61Y、61M、61C、61BKは上述のようにフルライン型であるが、クリーニング機構は、大型化が防止ないし抑制されており、比較的低コストで省スペースとなっている。
なお、記録液は、色の違い、機種等によってその処方が異なり、表面張力や粘度といった特性値が異なる。そのため、各ポジションにおけるノズル面61dと中間転写体37表面とのギャップや、クリーニング動作中におけるノズル面61dと中間転写体37との相対移動速度は、かかる特性値に応じて最適なクリーニングが行われるように設定されれば良い。かかる相対移動速度は中間転写体37やノズル面61dの移動速度によって決まるものである。これらギャップや速度は、駆動部35、モータ32の構成により、かかる特性値に応じて最適なクリーニングが行われるように可変となっていることが望ましい。
ここで、制御部40は、メモリに、以上述べた、第1の工程を行うこと、及びこれに加えて第2の工程、第3の工程を行うことで、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのクリーニングを行うヘッドクリーニング方法を実行するためのヘッドクリーニングプログラムを記憶している。この点、制御部40ないしメモリは、ヘッドクリーニングプログラム記憶手段として機能している。かかるヘッドクリーニングプログラムは、制御部40に備えられたメモリのみならず、半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかるヘッドクリーニングプログラムを記憶した場合に、かかるヘッドクリーニングプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、導電性記録液中の顔料は、カチオン性分散剤により分散し、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集する構成であっても良い。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置、すなわち、ヘッドに関してシャトル型であってもよいし、また、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。ヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、複数であっても、1つであってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
32 第2の移動手段
35 第1の移動手段
37 クリーニング部材、像担持体
40 記録液供給制御手段、記録液加圧制御手段、切替弁制御手段
41 ヘッドクリーニング装置
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
81Y、81M、81C、81BK 記録液供給部
91Y、91M、91C、91BK 記録液収容部
92Y、92M、92C、92BK 第1の送液部
93Y、93M、93C、93BK 第2の送液部
94Y、94M、94C、94BK 第3の送液部
96Y、96M、96C、96BK 切替弁
97Y、97M、97C、97BK 記録液供給手段
98Y、98M、98C、98BK 記録液加圧手段
100 画像形成装置
S1 第1の工程
S2 第2の工程
S3 第3の工程
A1 第2の方向
X 第1の方向
特許第3587648号公報 特許第3834049号公報 特許第4741031号公報

Claims (8)

  1. 記録液を吐出するヘッドに記録液を供給する記録液供給部から記録液を供給され、同記録液供給部から供給された記録液を収容する記録液収容部と、
    前記記録液供給部から前記記録液収容部に記録液を供給させる記録液供給手段と、
    前記ヘッドから記録液を排出させるために前記記録液収容部内の記録液を加圧して前記ヘッドに供給させる記録液加圧手段と、
    前記記録液供給部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第1の送液部と、
    前記記録液収容部と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第2の送液部と、
    第1の送液部と第2の送液部との合流位置と前記ヘッドとの間で記録液を移動させるための第3の送液部と、
    前記合流位置に設けられ、第1の送液部と第2の送液部との何れかを第3の送液部に連ならせることで、第1の送液部を第3の送液部に連ならせた第1の状態と、第2の送液部を第3の送液部に連ならせた第2の状態との何れかを形成する切替弁と、
    前記記録液供給手段の動作を制御する記録液供給制御手段と、
    前記記録液加圧手段の動作を制御する記録液加圧制御手段と、
    前記切替弁の動作を制御して第1の状態と第2の状態との何れかを形成する切替弁制御手段とを有し、
    この切替弁制御手段により第1の状態を形成し前記記録液加圧制御手段により前記記録液加圧手段が前記記録液収容部内の記録液を加圧した状態としてから、前記切替弁制御手段により第2の状態を形成することで前記ヘッドから記録液を排出させる第1の工程を行うことで同ヘッドのクリーニングを行うヘッドクリーニング装置。
  2. 請求項1記載のヘッドクリーニング装置において、
    第1の工程において同ヘッドから排出された記録液を付与されるクリーニング部材と、
    前記ヘッドと前記クリーニング部材との間の距離が変化するように、同ヘッドと同クリーニング部材との、同ヘッドと同クリーニング部材とが対向する第1の方向における相対移動を行う第1の移動手段と、
    前記ヘッドと前記クリーニング部材との、第1の方向に交差する第2の方向における相対移動を行う第2の移動手段とを有し、
    第1の工程において前記ヘッドから排出された記録液の少なくとも一部を同ヘッドと前記クリーニング部材との間から除去するために、第2の移動手段による前記相対移動を行わせる第2の工程と、
    前記ヘッドを前記クリーニング部材によってクリーニングするために、第1の移動手段による前記相対移動を、前記距離が短くなるように行わせてから同距離が長くなるように行わせる第3の工程とを行うことで同ヘッドのクリーニングを行うことを特徴とするヘッドクリーニング装置。
  3. 請求項2記載のヘッドクリーニング装置において、
    第3の工程における、第1の移動手段による前記相対移動を、回を重ねるほど前記距離が短くなるように複数回行うことを特徴とするヘッドクリーニング装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載のヘッドクリーニング装置において、
    前記記録液加圧手段は、前記記録液収容部内を大気に開放可能であることを特徴とするヘッドクリーニング装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載のヘッドクリーニング装置において、
    前記記録液供給手段は、前記記録液供給部と前記記録液収容部との間を遮断可能であり、
    前記記録液供給制御手段は、第1の工程において、少なくとも第1の状態が形成されてから第2の状態が形成されるまで、前記記録液供給手段により、前記記録液供給部と前記記録液収容部との間を遮断させることを特徴とするヘッドクリーニング装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載のヘッドクリーニング装置を有する画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置において、
    前記クリーニング部材は、前記ヘッドから吐出され付与された記録液によって形成される像を担持する像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    第1の方向が鉛直方向と異なる方向であることを特徴とする画像形成装置。
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