JP2014168392A - 苗移植機及び植付作業方法 - Google Patents

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Hisashi Kamiya
神谷  寿
Manabu Namoto
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Hideyuki Kusamoto
英之 草本
Makoto Kawada
誠 川田
Naoki Hotta
直岐 堀田
Chunbo Huang
春波 黄
Hitoshi Okumura
仁 奥村
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Abstract

【課題】
苗の植付作業を行う際、植付条数の整数倍の条数毎に広い幅の植付条間を形成し、後工程の作業時に作業者が移動する作業通路を形成することができる苗移植機を提供する。
【解決手段】
中央伝動ケース32と左右中央部分の植付体34の間に各々スペーサ35を設けることにより、左右中央部分の植付体34同士の左右間隔S1を他の部分の植付体34同士の左右間隔S2よりも広くして、左右中央部分の植付条間P1を他の部分の植付条間P2よりも広くして構成する複数条植えの苗移植機1により、複数行程の植付走行を行い、苗移植機1の植付条数の整数倍の条数毎に広い幅の植付条間を形成しながら植付作業を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、圃場に水稲等の苗を植え付ける苗移植機及びこの苗移植機を用いた苗の植付作業方法に関するものである。
歩行型の苗移植機として、苗載置部と苗植付装置を設けた苗移植機を、機体の後方に立つ作業者が追従操作するものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
これらの歩行型の苗移植機は、前進走行により苗同士の前後間隔を確保すると共に、複数の植込杆の配置構成により、苗同士の左右間隔を等間隔に確保する構成としている。
特開2009−118831号公報 特開2006−238790号公報
特許文献1及び2に開示されている歩行型の苗移植機では、苗同士の左右間隔は機体の組立の時点で略決められているので、一部の植込杆同士の左右間隔、即ち条間を他の条間よりも広く設定することはできない。
また、歩行型の苗移植機による一般的な植付作業工程は、圃場の一端から他端に向かって苗移植機で植付走行を行い、圃場端を180度旋回操作して次の作業条に向かうのが一般的である。
つまり、これらの技術を用いていると、苗の条間を画一的に揃えることはできるものの、変則的な条間を設定することは困難である。
苗は圃場に移植した後も、生育状況に合わせて肥料を追加したり、生育を妨げる草や害虫を除去したり、土中の苗の生育に有害なガスを抜きつつ空気が土中に入りやすくする溝を圃場面に切ったりする作業がある。
このため、地域によっては後工程の作業を行いやすくすべく、一部の植付条間を他の部分よりも広い植付条間とし、苗の植付作業時に後工程の作業用通路を形成することがあるが、植付条間が等間隔であると、後工程の作業性及び作業能率が低くなり、作業者の費やす時間と労力が極めて大きくなるという問題がある。
本発明は、上記課題を次の解決手段で解決しようとするものである。
請求項1記載の発明は、複数条植えの苗移植機(1)により複数行程の植付走行を行い、苗移植機(1)の植付条数の整数倍の条数毎に広い幅の植付条間を形成しながら植付作業を行うことを特徴とする植付作業方法とした。
請求項2記載の発明は、複数の植付体(34)により複数条に苗を植え付ける苗移植機において、左右中央部分の植付体(34)同士の左右間隔(S1)を他の部分の植付体(34)同士の左右間隔(S2)よりも広くして、左右中央部分の植付条間(P1)を他の部分の植付条間(P2)よりも広くしたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項3記載の発明は、前記左右中央部分の植付体(34)を駆動させる中央伝動ケース(32)を設け、該中央伝動ケース(32)と左右中央部分の植付体(34)の間に各々スペーサ(35)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機とした。
請求項4記載の発明は、前記中央伝動ケース(32)の下方に圃場面に接触する中央フロート(10)を上下回動自在に設け、該中央フロート(10)の左右両側に左右の第1側方フロート(16,16)を上下回動自在に設け、前記中央フロート(10)と左右の第1側方フロート(16,16)の間に左右の走行輪(6,6)を備える左右の走行伝動ケース(5,5)を各々回動自在に設けたことを特徴とする請求項3に記載の苗移植機とした。
請求項5記載の発明は、前記左右の第1側方フロート(16,16)よりも外側で且つ機体の左右両外側端部に設ける植付体(34)の下方に左右の第2側方フロート(17,17)を設け、左右中央部分の植付体(34)同士の左右間隔(S1)部以外の全ての植付体(34)同士の左右間隔(S2)を同じ間隔としたことを特徴とする請求項4に記載の苗移植機とした。
請求項6記載の発明は、前記中央フロート(10)と左右の第1側方フロート(16,16)と左右の第2側方フロート(17,17)の後部側を左右方向に設けるフロート回動支軸(20)で連結し、前記中央フロート(10)の前部側と左右の第1側方フロート(16,16)の前部側を第1連結部材(14,14)で連結し、該左右の第1側方フロート(16,16)の前部側と左右の第2側方フロート(17,17)の前部側を第2連結部材(18,18)で連結し、前記左右の第2側方フロート(17,17)の前端部は左右の第1側方フロート(16,16)の前端部よりも機体後側に配置し、前記左右の第1側方フロート(16,16)の前端部は中央フロート(10)の前端部よりも機体後側に配置したことを特徴とする請求項5に記載の苗移植機とした。
請求項7記載の発明は、前記中央伝動ケース(32)の下方に圃場面に接触する中央フロート(10)を上下回動自在に設け、該中央フロート(10)の左右両側に左右の第2側方フロート(17,17)を上下回動自在に設け、該左右の第2側方フロート(17,17)よりも機体外側に左右の第1側方フロート(16,16)を設け、該左右の第1側方フロート(16,16)の前端部を左右の第2側方フロート(17,17)の前端部よりも機体前側としたことを特徴とする請求項3に記載の苗移植機とした。
請求項1記載の発明の効果は、苗移植機(1)で植付条数の整数倍の条数に苗を植え付ける毎に植付条間の広い箇所を形成することにより、圃場に苗を植え付けながら肥料の追加、除草、除虫、溝切り等の後工程での作業時に作業者や作業機が移動する通路を圃場に形成することができるので、後工程作業の作業能率が向上する。
また、後工程での作業時に作業者が苗を踏んだり、作業機が苗を傷付けたりすることを防止できるので、苗の生育が安定し、作物の収穫量の増加が図られる。
そして、この作業用の通路を、苗移植機(1)で苗を植え付けながら形成することができるので、作業後に一部の苗を除去して作業用の通路を形成する必要がなく、苗の消費量が抑えられ、栽培作業に要するコストの低減が図られる。
請求項2記載の発明の効果は、左右中央部分の植込杆(34)同士の左右間隔(S1)を、他の植込杆(34)同士の左右間隔(S2)よりも広くすることにより、左右中央部分の苗の植付条間(P1)を他の部分の植付条間(P2)よりも広くなるので、苗の植付作業と同時に作業用の通路を形成でき、作業能率が向上する。
また、後工程での作業時に作業者が苗を踏んだり、作業機が苗を傷付けたりすることを防止できるので、苗の生育が安定し、作物の収穫量の増加が図られる。
そして、作業後に一部の苗を除去して作業用の通路を形成する必要がなく、苗の消費量が抑えられ、栽培作業に要するコストの低減が図られる。
請求項3記載の発明の効果は、請求項2記載の発明の効果に加えて、中央伝動ケース(32)に、スペーサ(35)を介して左右中央部分の植付体(34)を設けたことにより、左右中央部分の植付体(34)が中央伝動ケース(32)に接近し過ぎることを防止できるので、左右中央部分の植付体(34)の左右間隔(S1)が狭くなることが防止され、作業用の通路が圃場に確実に形成される。
また、スペーサ(35)を外すと、左右中央部分の植付体(34)を狭い左右間隔(S2)に設定することができるので、苗の植付作業時に作業用の通路を形成しないときは、全ての植付体(34)が苗を同じ左右間隔(S2)で植え付けることができ、苗の植付精度が向上する。
請求項4記載の発明の効果は、請求項3に記載の発明の効果に加えて、中央フロート(10)と左右の第1側方フロート(16,16)の間に左右の走行輪(6,6)を設けたことにより、左右の走行輪(6,6)の回転により生じる水流や泥土の飛散を左右の第1側方フロート(16,16)で受けることができるので、水流や泥土が隣接する植え付けられた苗を押し流したり、埋めたりすることを防止でき、欠株となった箇所に作業者が苗を植え付ける作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、左右の走行伝動ケース(5,5)を上下回動自在に設けたことにより、左右の走行輪(6,6)が圃場の凹凸を通過する際、凹凸に合わせて左右の走行伝動ケース(5,5)が上下回動して機体を水平に保つことができるので、機体の傾斜により複数の植付体(34)の植付深さが浅く、または深くなり過ぎることが防止され、苗の生育が安定する。
請求項5記載の発明の効果は、請求項4記載の本発明の効果に加えて、左右の第1側方フロート(16,16)よりも外側に左右の第2側方フロート(17,17)を設けたことにより、中央フロート(10)や左右の第1側方フロート(16,16)が水や圃場面に接して生じさせた水流を左右の第2側方フロート(17,17)で弱めることができるので、水流が隣接する植え付けられた苗を押し流したり、埋めたりすることを防止でき、欠株となった箇所に作業者が苗を植え付ける作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、左右中央部分の植付体(34)以外の植付体(34)の左右間隔(S2)を同じ間隔としたことにより、作業用の通路を形成する箇所以外の条間を揃えることができるので、肥料不足による苗の生育不良や、病害虫による立ち枯れが防止され、作物の品質や収穫量が向上する。
請求項6記載の発明の効果は、請求項5記載の発明の効果に加えて、中央フロート(10)の前部側と左右の第1側方フロート(16,16)の前部側を第1連結部材(14,14)で連結し、左右の第1側方フロート(16,16)の前部側と左右の第2側方フロート(17,17)の前部側を第2連結部材(18,18)で連結したことにより、中央フロート(10)、左右の第1側方フロート(16,16)及び左右の第2側方フロート(17,17)が圃場面との接地抵抗で左右方向に移動することが防止できるので、圃場面が確実に均され、苗の植付深さが安定する。
そして、左右の第2側方フロート(17,17)の前端部は左右の第1側方フロート(16,16)の前端部よりも機体後側に配置し、左右の第1側方フロート(16,16)の前端部は中央フロート(10)の前端部よりも機体後側に配置したことにより、中央フロート(10)が掻き分けることにより生じた水流の勢いを左右の第1側方フロート(16,16)で弱め、さらに左右の第2側方フロート(17,17)で弱めてから隣接位置に移動させるので、水流が隣接する植え付けられた苗を押し流したり、埋めたりすることを防止でき、欠株となった箇所に作業者が苗を植え付ける作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
請求項7記載の発明の効果は、請求項3記載の発明の効果に加えて、左右の第1側方フロート(16,16)を左右の第2側方フロート(17,17)よりも機体外側に設けると共に、左右の第1側方フロート(16,16)の前端部を左右の第2側方フロート(17,17)の前端部よりも機体前側としたことにより、走行車体(2)の前進に伴い中央フロート(10)が発生させた水流を左右の第1側方フロート(16,16)が受け、この左右の第1側方フロート(16,16)の左右間に誘導することができるので、前工程で苗を植え付けた隣接条に水流が向かうことが防止され、苗が流されて欠株が生じることが防止される。
また、左右の第2側方フロート(17,17)の前端部が左右の第1側方フロート(16,16)の前端部よりも後方に位置することにより、左右の第1側方フロート(16,16)の左右間に誘導される水流を左右の第2側方フロート(17,17)に接触させ、流速を弱めてから後方に移動させることができるので、複数の植付体(34)が植え付けた苗が水流に流されることが防止され、苗を手作業で植え直す作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
歩行型田植機の側面図 歩行型田植機の平面図 歩行型田植機の苗植付部とカバーを取り除いた平面図 中央植付伝動ケースの要部斜視図 外側及び内側サイドフロートの別構成例を示す要部平面図 ローリング機構を示す要部平面図 ローリング機構を示す要部側面図 8条植えの苗移植機で、苗の植付を行いながら作業用通路を形成する作業を示す説明図 8条植えの苗移植機で、次工程の植付開始位置を調節して作業用通路を形成する作業を示す説明図 4条植えの苗移植機で、所定条数ごとに作業用通路を形成する作業を示す説明図 (a)植付クラッチ機構の要部背面図、(b)クラッチ体の爪部を示す要部拡大図 (a)植付クラッチ機構の別構成例の要部背面図、(b)別構成例のクラッチ体の爪部を示す要部拡大図 苗送りベルトに形成する突起体の要部側面図 苗送りベルトに形成する突起体の別構成例の要部側面図 苗送りベルトに形成する突起体の別構成例の要部側面図 作業操作レバーをスタンドとして苗移植機を倒立させた側面図 (a)作業時のエンジンと燃料タンクとキャブレターを示す図、(b)燃料排出時のエンジンと燃料タンクとキャブレターを示す図 (a)左右の苗取り爪を太い苗株に対応させた状態を示す正面図、(b)左右の苗取り爪を太い苗株に対応させた状態を示す平面図、(c)左右の苗取り爪を細い苗株に対応させた状態を示す正面図、(d)左右の苗取り爪を細い苗株に対応させた状態を示す平面図、(e)従来の苗取り爪を示す正面図
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1〜図7で示す苗移植機1は、苗の植付作業時に、作業者が機体の一部を把持し、前進する機体に追従して歩行する、所謂歩行型の苗移植機1として構成されている。
該苗移植機1は、駆動源であるエンジン3と、該エンジン3が発生させる駆動力を各部に伝動する伝動装置4を走行車体2に搭載し、該伝動機構4の左右両側に設ける上下回動自在な左右の走行伝動ケース5,5に、圃場面に接地して走行する左右の走行輪6,6を各々設け、前記走行車体2の後部に機体後側に向かって上方傾斜姿勢となる、圃場に植え付ける苗を複数条分積載する苗タンク7を設け、該苗タンク7の下部に伝動機構4からの駆動力で作動して苗タンク7に積載された苗を掻き取って圃場に植え付ける苗植付装置8を設けると共に、前記苗タンク7の後側で作業者が走行車体2の走行や苗植付装置8の植付動作を操作する操縦部9を設けて構成する。
上記の構成を詳細に説明する。なお、本件で示す苗移植機1は、一例として左右方向に8条分の苗を植え付ける8条型の歩行型の苗移植機としているが、特段の記載の無い限り、条数の違いに拘束されないものである。
また、機体の作業時の進行方向を前後とし、この進行方向に直交する方向を左右と定義する。
図1及び2で示す通り、苗の植付作業時に圃場面に接触して均す前後方向に長いセンターフロート10に前記エンジン3と伝動装置4を搭載し、該エンジン3を始動させると伝動装置4に駆動力が伝達される構成とする。この駆動力の伝達は、伝動ベルト(図示省略)や、伝動シャフト(図示省略)で行うものとするのが一般的である。前記伝動装置4は、機体左右方向に駆動力を伝動する左右の走行伝動軸11,11を備えており、該左右の走行伝動軸11,11に前記左右の走行伝動ケース5,5の基部を上下回動自在に装着する。
なお、前記左右の走行伝動ケース5,5は、前記センターフロート10よりも左右両側に設け、センターフロート10が左右の走行伝動ケース5,5の下方回動を妨げない配置構成とすると、左右の走行伝動ケース5,5の下方回動量が制限されることがなく、圃場の凹凸に合わせて左右の走行伝動ケース5,5を各々上下回動させることができるので、走行車体2や苗植付装置8等が圃場面に対して水平姿勢となり、機体を直進走行させやすく操作性が向上すると共に、植え付けられる苗が左右に乱れにくくなり、苗の植付精度が向上する。
そして、前記左右の走行伝動ケース5,5の端部に左右の車軸12,12を各々設け、該左右の車軸12,12に前記左右の走行輪6,6を設ける。該左右の走行輪6,6には、平面視における走行輪6の左右幅よりも幅広いラグ6a…を、円周方向に所定間隔毎に取り付け、左右の走行後輪6,6の接地面積を大きくし、水田圃場に回転を妨げられない構成とする。
なお、前記左右の走行伝動ケース5,5は駆動及び従動スプロケット、伝動チェーン(図示省略)を内装し、前記左右の走行伝動軸11,11の回転駆動力を走行輪6,6に伝動する構成が一般的である。
また、前記エンジン3の上部には、エンジン3を作動させるガソリン等の燃料を貯留する燃料タンク13を設け、該燃料タンク13の上部に燃料投入口を塞ぐ蓋13aを着脱自在に設ける。
さらに、図1から図3に示す通り、前記左右の走行伝動軸11,11よりも機体前側に、エンジン3の左右側部から機体左右方向に向かって突出する左右の支持ロッド14,14を各々設け、該左右の支持ロッド14,14の外側端部に後部に長孔を形成した左右の回動アーム15,15を各々機体後側で且つ機体外側に向かって設け、該左右の回動アーム15,15の長孔に、圃場面に接触して機体の沈降を防止すると共に、圃場面を均す左右の第1サイドフロート16,16の前部に各々設ける左右の取付ステー16a,16aを装着する。
該左右の第1サイドフロート16,16の前側端部は、センターフロート10の前側端部よりも機体後側であり、且つ平面視における左右の走行輪6,6の前端部よりも機体前側に位置する。また、左右の第1サイドフロート16,16の後側端部は、センターフロート10の後側端部と略同じ位置に配置する。
図2、図3で示す通り、本例の8条型の歩行型の苗移植機1においては、該左右の第1サイドフロート16,16よりも機体外側に、左右の第2サイドフロート17,17を設けている。該左右の第2サイドフロート17,17は、前記左右の第1サイドフロート16,16の機体前側寄りの位置の左右両側に設けた取付凸部17a,17aと、該左右の第2サイドフロート17,17の前端部を、左右の連結バー18,18で各々連結して取り付けている。
さらに、前記センターフロート10、左右の第1サイドフロート16,16並びに左右の第2サイドフロート17,17には、後部支持ステー19…を各々設け、該複数の後部ステー19…を左右方向に長いフロート回動シャフト20で連結する。
これにより、左右の第1サイドフロート16,16及び左右の第2サイドフロート17,17の機体後部側が接地抵抗等によって左右に移動することを防止できるので、機体の直進性が向上すると共に、苗の植付位置が確実に均されるため、苗の植付精度が向上する。
そして、前記センターフロート10、左右の第1サイドフロート16,16並びに左右の第2サイドフロート17,17の上部に、前記苗タンク7を支持する側面視L字形状のタンク支持アーム22…を各々設け、該複数のタンク支持アーム22…の機体前側に苗タンク7を左右方向に移動自在に受けると共に、苗タンク7に積載したマット状に育成した苗の下端部を受ける前板23を機体左右方向に亘って設ける。該前板23の左右幅は、8条型の歩行型の苗移植機1においては、前記左右の第2サイドフロート17,17の機体外側端部よりも外側に突出するものとする。
また、該前板23の上方に左右移動自在に載置する苗タンク7は、複数の、本例では8条分の苗を左右方向に1条分ずつ積載する苗載せ台24…と、該24の上端部からはみ出す苗を受ける各条の苗ガイド25…と、複数の苗載せ台24…の下部で苗タンク7を前板23に沿って左右方向に移動させる横送り装置26と、該横送り装置26が苗タンク7を左または右端部まで移動させると作動して積載した苗を各々下方に移動させる苗送りベルト27…で構成する。
該苗送りベルト27…は、ゴム等の弾性材で構成するが、表面が平らであると積載された苗が摩擦抵抗で下方に滑らなくので、苗が前板23まで移動せず、苗の植付深さが浅くなったり、植込杆34…が苗を掻き取れずに欠株が発生し、作業者が苗を植え付けねばならず、作業者の労力が増加する問題がある。
このため、苗送りベルト27…の表面には、苗の接触面積を減らして前板23まで苗が運ばれるように、四角形や円錐形状の無数の突起体27a…を形成している。しかしながら、この突起の形状によっては、苗を構成する培土に潜り込みやすく、培土を崩したり苗の根を千切ってしまったりして、苗の植付位置が乱れたり、苗が生育不良を起こす問題がある。
これを防止すべく、図13で示す通り、側面視において、突起体27a…の上面に円弧部27abを形成し、苗の培土に接触しても引っ掛かりにくい形状とする。
これにより、苗の接触面積を減少させて前板23に苗を確実に送ることができるので、苗の植付深さが安定すると共に、欠株が防止される。
また、突起体27a…の上面に円弧部27abを形成したことによって、突起体27a…が苗を構成する土中に入り込みにくく、また苗の根に引っ掛かることを防止できるので、根の千切れた苗が枯れたり、生育不良が発生することが防止され、作物の収穫量が増加する。
上記とは異なり、苗を構成する培土の土質や苗の根の張り具合によっては、突起体27a…を形成しているにもかかわらず、苗が苗送りベルト27…が作動していないにもかかわらず、前板23に移動する、または苗載せ台24…から圃場に落下することがあり、苗同士が押し潰し合い、植え付けられてから枯れる問題や、落下した苗を拾うことにより、作業能率が低下する問題がある。
この問題を防止すべく、図14で示す通り、前記突起体27a…の上部に円弧部27abを形成すると共に、突起体27a…の突出端部27acを下方に向けて屈曲させて、突起体27a…を鉤形状とする。
これにより、突起体27aの突出端部27acが苗の底面に引っ掛かるので、苗が苗載せ台24…から滑り落ちることを防止でき、潰れた苗が生長途中で枯れることが防止され、作物の収穫量が増加する。
また、苗が苗載せ台24…から落下しないので、作業者が落下した苗を拾う作業が不要となり、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
あるいは、図15で示す通り、苗送りベルト27…の表面に形成する突起体27aを、例えば、高さの異なる第1、第2、第3、第4、第5の突起体27a1、27a2,27a3,27a4,27a5とし、該第1から第5の突起体27a1、27a2,27a3,27a4,27a5を苗送りベルト27…に無作為に配置する構成としても良い。
これにより、苗が高さの異なる第1から第5の突起体27a1、27a2,27a3,27a4,27a5に沿って僅かに撓んだ状態で保持されるので、培土や苗の根を傷付けることなく保持すると共に、適切なタイミングで前板23に苗を送ることができるので、苗の植付精度が向上すると共に、苗の生育が安定する。
特に、苗の裏面が不均一になりやすい柔らかい苗を受ける際、上記効果が大きく発揮される。
これに加えて、前記複数の苗載せ台24…の下部には、前記苗植付装置8を構成する各条の植込杆34…が積載された苗を掻き取る際に通過する苗取り空間部24a…を各々切り欠いて形成し、苗載せ台24に積載する苗が隣接する苗載せ台24、または機体左右外側に落下することを防止する複数の苗フェンス28…を、苗ガイド24の左右両側を塞ぐ位置に設ける。
そして、図2、図3で示す通り、前記苗植付装置8を構成する植付伝動ケース29を、前記苗タンク7よりも機体前側に、機体左右方向に長手方向を向けて設け、該植付伝動ケース29の左右方向の略中央部に、前記伝動装置4から機体後方に向けて突出させる植付伝動シャフト30を取り付け、伝動装置4から駆動力を受ける構成とする。
さらに、前記植付伝動ケース29には、左右の両端部に左右の外側植付伝動ケース31a,31aを設け、該左右の外側植付伝動ケース31a,31aよりも機体の左右内側に左右の内側植付伝動ケース31b,31bを設ける。該左右の外側植付伝動ケース31a,31aは前記左右の第2サイドフロート17,17の上方に設け、左右の内側植付伝動ケース31b,31bは前記左右の第1サイドフロート16,16の上方に設ける。
このとき、前記左右の外側植付伝動ケース31a,31aには、前記各条の苗載せ台24…の各苗取り空間部24a…を通過して積載された苗を所定量掻き取って圃場に植え付ける植込杆34を取り付ける、左右の外側植付回転軸33a,33aを各々機体外側に向かって突出させて設け、左右の内側植付伝動ケース31b,31bには、左右の内側植付回転軸33b,33bを各々左右両側に向かって突出させて設ける。また、前記センターフロート10の上方で且つ植付伝動ケース29の左右方向中央部には、図4に示すT字形状の中央植付伝動ケース32を設け、該中央植付伝動ケース32の下部に、中央植付回転軸33cを左右両側に突出させて設ける。
前記左右の外側植付回転軸33a,33aに各々設ける植込杆34,34は、前記左右の第2サイドフロート17,17の外側位置に苗を植え付ける配置構成とする。そして、左右の内側植付回転軸33b,33bに各々設ける左右の植込杆34,34は、前記左右の第1サイドフロート16,16の左右両側に苗を植え付ける配置構成とする。そして、中央植付回転軸33cに設ける植込杆34は、前記センターフロート10の左右両側に苗を植え付ける配置構成とする。
複数の植込杆34…を装着して左右方向に複数条分の作物の苗を同時に植え付ける苗移植機においては、苗が養分を奪い合うことや、病害虫の発生を防止すべく、苗同士の間隔を空けて移植するのが一般的な作業方法である。前後方向の間隔、即ち株間は、植込杆34…が苗タンク7から苗を取る際に描く楕円軌跡により決定され、左右方向の間隔、即ち条間は、複数の植込杆34…同士の装着位置により決定さる。
これに加えて、苗を植え付けた後、生長する苗への肥料の供給作業や、害虫や雑草の除去作業、溝切り作業(苗と苗の左右間に溝を掘り、土中の有害なガス抜きをしつつ、空気を取り入れやすくする作業)等を行うべく、作業者が苗を踏むことなく圃場内を移動するための通路を、苗の植付作業時に形成することがある。
本構成では、植込杆34…同士の左右間隔、即ち条間S2を25cmとすると共に、圃場内の移動通路を形成すべく、機体中央部の植込杆34,34の条間S1は、30〜50cmとする構成を例として示す。
前記外側植付伝動ケース31aから機体外側に向けて外側植付回転軸33aを設け、内側植付伝動ケース31bから左右両側に向けて内側植付回転軸33bを設け、この外側植付回転軸33aの外側端部に植込杆34を設けると共に、内側植付回転軸33bの機体外側を機体内側よりも長く突出させて左右両側に各々植込杆34,34を設けたことにより、機体最外側の植込杆34と二番目に外側の植込杆34の条間S2、及び二番目と三番目の植込杆34の条間S2を同じ左右長さ、本件では25cmにすることができる。
そして、図4で示す通り、前記中央植付伝動ケース32の中央植付回転軸33cには、中央植付伝動ケース32の左右幅を30〜50cmで構成し、各々スペーサ35,35を着脱自在に設け、中央植付回転軸33cに装着する植込杆34,34を機体左右外側に寄せて配置する。本例では、上記左右のスペーサ35,35の左右長さを5cmとすることにより、外側から三番目に位置する植込杆34と機体の最も内側に位置する植込杆34の条間S2を25cmとすると共に、機体の最も内側に位置する左右の植込杆34,34同士の条間S1を、少なくとも25cm以上、本例では30から50cmとすることができる。
なお、このとき左右の第1サイドフロート16,16及び左右の第2サイドフロート17,17のうち、少なくとも植込杆34…が苗を植え付ける箇所については、植込杆34…同士の左右間隔である25cmよりも左右幅を狭く構成する。また、センターフロート10についても、最も機体内側の左右の植込杆34,34の苗の植付位置においては、30〜50cmよりも左右幅を狭く構成するものとする。
これにより、図2、図8で示す通り、左右4条の植込杆34,34…の条間S2を各々25cmとすることができると共に、最も内側の左右の植込杆34,34同士の条間S1を25cm以上とし、苗の植付作業をしながら苗の栽培中の各作業時に作業者が通過する作業空間部を確保することができるので、作業能率が大幅に向上する。
また、作業中に生長中の苗を踏むことを防止できるので、苗が生長途中で枯れて育たなくなることが防止され、作物の収穫量が維持される。
なお、最も機体内側の左右の植込杆34,34の条間S1は、左右のスペーサ35,35を左右方向に移動させ、所定の位置でピンやボルトで固定することにより、30cm、40cm、50cmと変更できる構成とすると、苗の植え付け量や、植え付け後の各作業に用いる道具や、作業を行う人数等の条件に合わせて作業空間部を形成することができるので、作業能率が大きく向上する。
図1から図3に示す通り、前記左右の走行伝動軸11,11の外周部に左右の軸カバー51,51を各々設け、該左右の軸カバー51,51に左右の連結ロッド52,52の基部を回動自在に設け、該左右の連結ロッド52,52の端部を、機体上下方向の回動軸53aを中心に前後回動自在なリンクアーム53の左右両側に設ける。該回動軸53aは前記植付伝動シャフト30を覆う伝動カバー30aに設け、該伝動カバー30aには前記左右の走行伝動ケース5,5を上下回動させる昇降油圧シリンダ54を設ける。
前記上下回動自在な左右の走行伝動ケース5,5に、左右の連結ロッド52,52の基部を上下回動自在に設けたことにより、該左右の連結ロッド52,52は、左右の走行伝動ケース5,5を上下回動させると共に上下回動する。
そして、図1から図3、図6、図7で示す通り、前記リンクアーム53の左右両側を機体前側に向けて屈曲させ、この左右の屈曲部に前記左右の連結ロッド52,52の端部を取り付けると共に、前記昇降シリンダ54の伸縮移動側の外周部で且つリンクアーム53の前方に、前方から後方に押す方向の付勢力を有するスプリング55を設ける。
上記の構成により、左右の走行輪6,6のいずれか一方、または両方が圃場の凹凸部を通過すると走行伝動ケース5,5が上方または下方に回動し、この回動量がスプリング55の付勢力を上回るときは、左右の連動ロッド52,52がリンクアーム53を回動させることにより、左右の走行輪6,6の上下位置を左右で合わせることができる構成となるので、苗の植付作業中に走行車体2や苗タンク7が傾斜し、苗の植付深さが左右方向で乱れたり、走行車体2が左右方向に曲がりながら進んで苗の植付条列が蛇行したりすることが防止され、苗の植付精度が向上する。
圃場の凹凸部を通過すると、スプリング55の付勢力によってリンクアーム53が回動し、左右の連結ロッド52,52によって走行伝動ケース5,5が上方または下方回動することにより、左右の走行輪6,6を圃場面に確実に接地させることができるので、作業者が左右の走行輪6,6の接地位置を修正する作業が不要となる。
そして、後述する油圧操作レバー41で昇降油圧シリンダ54を伸縮させると左右の走行伝動ケース5,5が自動的に上下回動することにより、圃場面と苗植付装置8の複数の植込杆34…の距離を調節することができるので、圃場の深さに合わせた適切な苗の植付ができ、苗の植付精度が向上する。
また、苗移植機1を圃場外で移動させるときには、昇降油圧シリンダ54を伸張させてセンター、左右のサイド及び左右の補助フロート10,16,16,17,17を地上から浮かせることができるので、上記の各フロート10,16,16,17,17の底面がアスファルトや石との接触で傷付くことを防止できるので、圃場面が均されることにより苗の植付深さが安定すると共に、接地時に走行車体2が傾くことが防止される。
これに加えて、図6、図7で示す通り、前記左右の連結ロッド52,52を正面視で門(コ)形状の連結アーム56で連結する。該連結アーム56は、前記昇降油圧シリンダ54及びスプリング55の上方を跨いで配置する。
該連結アーム56は、力が掛かる際に捩れることができる板バネ等の素材で構成し、前記左右の連結ロッド52,52の前後移動やリンクアーム53の回動により、捩れたり元に戻ったりする構成とする。
さらに、走行車体2には、機体のローリングを抑えるロック機構が備えられている。具体的には、前記リンクアーム53の下部に、ローリングロック機構57が回動不可能に配設されている。該ローリングロック機構57は、左右方向における中央付近でリンクアーム53に重ねられて配設されており、回動不可の状態で配設されている。
該ローリングロック機構57には、リンクアーム53の回動範囲を規制する規制突起58が前部に設けられている。具体的には、ローリングロック機構57は、ローリングロック機構57の左右方向における一端寄りに位置し、上下方向に延在する回動軸を中心として回動可能に構成されており、規制突起58は、ローリングロック機構57の回動により、リンクアーム53と重なったり重ならなかったりするように設けられている。
つまり、前記規制突起58は、ローリングロック機構57の前部に設けられているため、ローリングロック機構57を前方に向う方向に回動させたときにはリンクアーム53とは重ならず、ローリングロック機構57を後方に向う方向に回動させたときにはリンクアーム53とは重なるように設けられている。
このように設けられる規制突起58は、リンクアーム53と重なった状態におけるリンクアーム53との距離が、ローリングロック機構57における規制突起58以外の部分とリンクアーム53との距離よりも小さくなっている。即ち、規制突起58は、リンクアーム53に近付く方向にローリングロック機構57から突出して形成されている。また、このように形成される規制突起58は、リンクアーム53の左右方向における中央部付近を中心とする左右両側に配設されている。
上記の構成において、左右の連結ロッド52,52の左右間を、ローリング時の作動量の大きい連結アーム56で連結したことにより、左右の走行輪6,6の上下動の位相差を正確に拾うことができるので、左右どちらか一方、または両方の走行輪6,6が浮いた状態になることを防止することができ、走行性を向上させることができる。
また、捩れ可能な材質で連結アーム56を構成したことにより、ローリングする際の左右の走行輪6,6の上下動を、左右の走行輪6,6間で伝達し易くすることができるので、圃場の凹凸に反応し易くすることができ、走行性能や苗の植付精度が向上する。
そして、連結アーム56を、昇降油圧シリンダ54及びスプリング55の上方を跨いで配置したことにより、連結アーム56が他の部材と干渉することを防止することができるので、ローリングの対応幅を十分に確保することができ、走行性能が向上する。
さらに、連結アーム56が昇降油圧シリンダ54及びスプリング55の上方及び左右側方のガードになるので、昇降油圧シリンダ54及びスプリング55に石や泥等が接触して破損することが防止され、耐久性の向上が図られる。
また、規制突起58を有するローリングロック機構57を設けて、リンクアーム53の回動範囲を規制することを可能にしたことにより、過度のローリングを抑制することができるので、路上走行時の安定性を確保することができる。
図1から図3に示す通り、前記植付伝動ケース29の後部に、左右のハンドルフレーム36,36を側面視において後上がり傾斜姿勢で設け、該左右のハンドルフレーム36,36の機体後部側を屈曲させ、作業時に機体を操作する作業者が握る左右のハンドルグリップ37,37を各々設ける。該左右のハンドグリップ37,37の下部には、前記左右の走行伝動ケース5,5に内装する走行伝動クラッチ(図示省略)を切替操作する左右のクラッチレバー38,38を各々設け、停車したいときには左右両側のクラッチレバー38,38を握り、旋回時などの左右どちらか一方の走行輪6を停止させたいときには、該当する側のクラッチレバー38を握り、左右の走行伝動ケース5,5のいずれか一方、または両方を非伝動状態とする構成とする。
そして、前記左右のハンドルグリップ37,37のうち、左右どちらか一側には、前記エンジン3の回転数を増減させるスロットルレバー39を設ける。さらに、左右のハンドルグリップ37,37の左右間に操作パネル40を設け、該操作パネル40の左右一側に、前記昇降油圧シリンダ54の伸縮を操作する油圧操作レバー41を設ける。
該油圧操作レバー41は、昇降油圧シリンダ54の伸縮に加え、伸張または収縮中の任意の位置で作動を停止させる、油圧ロックを行える構成とすると、苗の植付作業高さを固定して苗の植付深さを安定させることができるので、凹凸が小さい圃場で不要なローリングが発生することや、凹凸の多い圃場でローリングを行い、かえって植付深さが乱れることを防止でき、苗の植付精度が向上する。
また、路上での移動走行中に各フロート10,16,16,17,17が地面に接触することを防止できるので、各フロート10,16,16,17,17の底部の破損が防止され、耐久性が向上すると共に、圃場面の整地性が向上し、苗の植付精度が向上する。
前記油圧操作レバー41を設けた側とは反対側には、走行車体2の走行、及び苗植付装置8の作動等、各作業機の動作の入切を一括して切り替えるメインクラッチレバー42を設ける。該メインクラッチレバー42を切操作すると、その場で走行車体2が停車すると共に、苗植付装置8による苗の植付が中断される。
一方、メインクラッチレバー42を入操作すると、走行車体2の走行及び苗植付装置8の苗の植付が開始されるが、走行開始と苗植付の開始を同時に行うことができるので、苗の植付作業中に停車し、作業を再開するときなどに、苗の植付開始が遅れて株間が設定よりも広くなることが防止されると共に、走行開始が遅れて同じ箇所に苗が植え付けられることが防止され、無駄な苗の消費が抑えられる。
前記油圧操作レバー41とメインクラッチレバー42の左右間には、エンジン3を始動可能にするスタートスイッチ43と、エンジン3の始動時に空気を取り入れるチョーク(図示省略)の開度を調節するチョークレバー44が設けられており、これにより操縦部9が構成される。
上記により、作業者は機体を後方から追従しながら、作業状況に合わせて走行や苗の植付、植付深さを調節することができるので、操作の度に機体の周囲を移動する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
また、前記左右のハンドルフレーム36,36の下部に、左右の第1サイドフロート16,16及び左右の第2サイドフロート17,17を上下回動操作するフロート操作レバー45,45を各々配置する。
該フロート操作レバー45,45を操作すると、前記左右の第1サイドフロート16,16及び左右の第2サイドフロート17,17を上下回動させることができるので、左右の第1サイドフロート16,16及び左右の第2サイドフロート17,17の一方が泥を押すような圃場の状態であっても、上下位置を変更して泥押しすることを防止でき、押されて生じた泥の塊が植え付けられた苗を押し潰すことがなく、苗が安定して生長でき、作物の収量が増加する。
前記昇降油圧シリンダ54の左右両側と、前記植付伝動ケース29の上部で且つ左右両側を、側面視で門型の保持アーム46,46で各々連結し、該左右の保持アーム46,46の上部に、補充用の苗を複数積載する予備苗載せ台47を設ける。該予備苗載せ台47は、左右の保持アーム46,46の上部に前後方向に摺動するスライドフレーム48を介して設け、該スライドフレーム48に設ける前後操作レバー48aを操作すると前後方向に移動する構成とする。
なお、予備苗載せ台47の左右両側端部は、前記左右の第1サイドフロート16,16の左右幅内の上方に位置する左右長さとする。
この予備苗載せ台47は、マット状に育成した苗を並べて複数枚積載することや、長いマット状の苗を巻いてロール状にしたものを複数個積載し、苗タンク7を構成する複数の苗載せ台24…から苗が無くなった際、その場で補充するためのものである。
前記前後操作レバー48aを操作してスライドフレーム48を機体後方に摺動させると、予備苗載せ台47が操縦部9側に接近するので、作業者は苗を予備苗載せ台47から取り出して各条の苗載せ台24…に補充しやすくなり、作業能率が向上する。
なお、前後操作レバー48aの後端部は上方に向けて屈曲させておくと、操縦部9付近に立って作業する作業者が手を届かせやすく、作業者の労力をさらに軽減することができる。
前記左右の保持アーム46,46の機体後部には、スタータ保持部材49aを機体後方に向けて配置し、該スタータ保持部材49aにエンジン3を始動させるリコイルスタータ(図示省略)を操作する操作グリップ49を設ける。該操作グリップ49には、リコイルスタータに繋がれたケーブル49bの端部が繋がれており、作業者は操作グリップ49を持ってこのケーブル49bを引っ張り、エンジン3の始動操作を行う。低温時等、操作グリップ49の操作だけではエンジン3が始動しないときは、前記チョークレバー44を操作してチョーク開度を変更し、空気の吸入量を変えることで、エンジン3の始動を促す。
さらに、前記スタータ保持部材49aの下方には、前記伝動装置4を切替操作して、走行車体2の走行速度や進行方向、苗植付操作の入切を段階的に行う、作業操作レバー50を設けている。該作業操作レバー50は、作業者が操作するグリップ部50aを操作グリップ49の近傍に設けており、伝動装置4とはロッド部50bで連結されている。
前記作業操作レバー50は、左右方向に回転操作するものであり、植付作業を行わず走行のみ行う「路上走行」、苗の植付を行いながら圃場内を走行する「植付」、走行車体2を後進させる「後進」に操作することができる。
作業操作レバー50のグリップ部50aが機体後部側に向けられていることにより、作業者は作業の切替や進行方向の切替を操縦部9から殆ど移動することなく行なうことができるので、操作性が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
また、前記左右のハンドルフレーム36,36の下部には、次の工程で苗を植え付ける箇所の圃場面に接触し、走行の目安となる線を形成する左右の線引きマーカ62,62を各々機体左右外側方向に回動自在に装着する。
該左右の線引きマーカ62,62は、非作業時は左右のハンドルフレーム36,36に設ける保持フック(図示省略)に引っ掛けておき、機体の振動等により回動して地面に接触することを防止している。一方、作業時には作業者が左右どちらか一側の線引きマーカ62を、植付作業を行う作業条の隣の条に下降させ、他側の線引きマーカ62は保持フックに引っ掛けたままとし、苗の植え付けられている前工程側を線引きマーカ62が通過し、苗を潰したり引き抜いたりすることを防止し、欠株の発生を防止している。
前記左右の線引きマーカ62,62の接触部には、左右の線引き体62a,62aを各々設ける。該左右の線引き体62a,62aは、円盤の外周に複数の円弧状の板体を設けた、水車形状としてもよい。
また、前記エンジン3及び伝動装置4の前側には、苗移植機1と前方の障害物との接触を防止するバンパー63を設ける。該バンパー63は正面視で門型に構成し、作業者が手でバンパー63を掴んだり、バンパー63にロープ等の牽引部材を巻きかけたりして、苗移植機1を前側から引っ張って移動可能に構成する。
これにより、苗移植機1を移動させる際、作業者が操作しやすい方向から苗移植機1を移動させることができるので、苗移植機1を倉庫に収納したり、トラック等の移動手段に積載したりする際の作業能率が向上する。
また、圃場の耕盤までの深度が深く、作業者が手作業では苗移植機1を移動させられなくなっても、バンパー63にロープ等を結んでトラックやトラクタ等で牽引して圃場から脱出させることができるので、苗移植機1の回収作業に要する労力が軽減される。
そして、図1及び図2で示す通り、前記エンジン3、伝動装置4及び燃料タンク13の上方に、上部カバー64を設ける。該上部カバー64には前記燃料タンク13の蓋13aが露出する孔部を構成すると共に、機体後方に延長部64aを形成する、この延長部64aは、昇降油圧シリンダ54やスプリング55の上方を覆う。
上記構成により、上部カバー64を外すことなく燃料タンク13の蓋13aを開けて燃料の補充を行うことができるので、燃料の補充作業に要する時間が短縮され、作業能率が向上する。
また、上部カバー64の後部に延長部64aを形成し、この延長部64aが昇降油圧シリンダ54やスプリング55の上方を覆うことにより、予備苗載せ台47に積載した苗を構成する培土等の夾雑物が下方に落下しても、昇降油圧シリンダ54やスプリング55が培土等の夾雑物を受けることを防止できるので、昇降油圧シリンダ54やスプリング55の伸縮が夾雑物に阻害されることがなく、圃場の深さや凹凸にかかわらず安定した姿勢で走行及び苗の植付作業ができ、苗の植付精度や操作性が向上する。
なお、上記の構成では、左右の第1サイドフロート16,16が機体内側に設けられているが、図5で示す通り、左右の第2サイドフロート17,17を左右の第1サイドフロート16,16とセンターフロート10との間に設ける構成としてもよい。このとき、左右の第1サイドフロート16,16を取り付ける左右の支持ロッド14,14の左右長さは長くし、左右各4条の植込杆34…の条間S2である25cm、及び最も機体内側の左右の植込杆34,34の条間S1である30〜50cmは維持される構成とする。
上記の構成では、左右の第1サイドフロート16,16の前部が左右の第2サイドフロート17,17の前部よりも機体外側に位置することにより、センターフロート10に接触して左右に掻き分けられた水流や泥土が左右の第1サイドフロート16,16の前部に接触しやすくなるので、既に苗を植え付けている前工程の作業条に水流や泥土が移動することが防止され、苗が流されたり潰されたりして欠株が生じ、作業者が手作業で苗を植え付ける必要が無く、作業者の労力が軽減される。
本例において、図8に示す通り、作業通路は8条につき1つ形成するものであり、機体の最も内側の左右の植込杆34,34の条間S1を30〜50cmとした苗移植機1では、圃場の一端から他端まで植付走行を行うと、中央に作業通路を形成しつつ、左右に4条ずつ苗が植え付けられる。その後、圃場端で半円を描く旋回、即ち180度旋回し、前工程の植付位置に隣接する位置で苗の植付走行を行うと、圃場端まで移動し終えたときには、圃場には4条の植付条列、作業通路、4条と4条が並ぶ8条、作業通路、4条の植付条列が形成される。
この作業工程を繰り返すと、圃場の端部である枕地を除いて、左右の両端に各4条の植付条列が形成され、これら4条の植付条列の左右間に、作業通路と8条の植付条列が交互に形成されることになる。
なお、枕地植えにおいては、枕地を何条とするかによって条件が変わる。例えば、枕地が8条であれば、枕地には左右各4条の植付条列と、その間の作業通路が形成され、枕地が16条であれば、左右各4条の植付条列と、中央の8条の植付条列と、2つの作業通路が形成される。
上記の作業通路の左右に植え付けられる苗の植付間隔P1は、その他の苗の植付間隔P2よりも広いものとなる。
次に、上記の構成と異なり、8条全ての植込杆34…の条間S2を25cmとする苗移植機1において、苗植付作業の後工程の作業を行うための作業通路を形成する、苗移植機1の植付作業の方法について説明する。
全ての植込杆34…の条間S2が同じ25cmであるので、圃場の一端から他端まで苗の植付作業を行うと、8条の植付条列が形成される。作業通路を形成しないのであれば、圃場端で180度旋回を行い、前工程の8条のすぐ傍に次の8条の植付条列を形成する。
一方、図9で示す通り、8条ごとに植付条列と植付条列の間に作業通路を形成するときは、旋回走行中に苗移植機1が苗の植付条列に直交する姿勢となったとき、苗の植付条列に直交する方向に直進走行し、その後に次の植付作業開始位置に向かって苗移植機1を旋回操作する。このとき、旋回内側のサイドマーカ61の下方に苗が無い位置まで移動していれば、苗の植付条間S2である25cmよりも広い空間を前工程の植付条間との間に形成することができるので、この空間部を作業通路とすることができる。
上記の方法により、機体の最も内側の左右の植込杆34,34の植付間隔P1を、他の植込杆34…同士の植付間隔P2と異ならせる構成が不要となるので、苗移植機1の構成が簡潔且つ安価になる。
また、作業通路が不要な箇所では180度旋回することにより、作業通路が形成されなくなるので、苗の栽培条件に合わせた苗の植付作業を能率的に行うことができる。
なお、図10で示す通り、上記の植付作業方法を4条植えの苗移植機1で行うときは、圃場の一端から他端に移動し、180度旋回して圃場の他端から一端まで移動する、一往復分の苗の植付作業を行った後、次の旋回時に180度旋回をせず、植付条列に直交する姿勢となったときに直進走行を行ってから旋回し、作業通路を8条ごとに形成する。あるいは、180度旋回を行わず、4条ごとに作業通路を形成してもよく、一往復分の植付後に180度旋回した後で圃場の一端から他端まで苗の植付を行い、12条ごとに作業通路を形成しても良い。
図11(a)で示す通り、前記植付伝動ケース29の内部には、伝動装置4からの駆動力の伝動を入切する植付クラッチ機構66が設けられている。該植付クラッチ機構66は、前記植付伝動シャフト30の端部に設けた出力ベベルギア68aと噛み合う入力ベベルギア68bと、第1クラッチ体69aを装着した第1植付シャフト67aと、該第1クラッチ体69aと噛み合う第2クラッチ体69bと、該第2クラッチ体69bを第1クラッチ体69a側に付勢するクラッチスプリング70を装着した第2植付シャフト67bと、該第1クラッチ体69aと第2クラッチ体69bに接触して噛合状態を解除するクラッチ切ピン71で構成する。
前記第1クラッチ体69aと第2クラッチ体69bは、植付作業中に噛合状態が解除され、苗の植え付けが作業者の意図しないタイミングで中断されることを防止すべく、上記の通り第2クラッチ体69bをクラッチスプリング70で第1クラッチ体69a側に付勢しているが、さらに相互の接触面を噛み合い易くすべく、略四角形の第1爪部72aと第2爪部72bを各々形成している。
これにより、植付クラッチ機構66が植付作業中に突然切れることは防止できるが、第1クラッチ体69aと第2クラッチ体69bの連結を解除する際、第1爪部72aと第2爪部72aが互いに四角形であると共に、第1植付シャフト67aが回転していることにより、第1爪部72aと第2爪部72aが離間する際に接触し合うことで金属同士が擦れ合う耳障りな音、即ち異音が生じ、作業者に不快感を抱かせる問題がある。
また、第1爪部72aと第2爪部72aの接触により余分に負荷が掛かるので、植付クラッチ機構66の耐久性が低下しやすくなる問題がある。
上記の問題を解消すべく、図11(b)で示す通り、前記第2クラッチ体69bに形成する第2爪部72aの端部を、第1植付シャフト67a及び第1クラッチ体69aの回転方向上手側から下手側に向かうほど左右幅が広くなる形状とした。
これにより、植付クラッチ機構66を切操作して第2クラッチ体69bを第1クラッチ体69aから離間させる際、第2爪部72bが第1爪部72aに接触しにくくなる、もしくは接触してもすぐ退避することができるので、異音の発生が防止され、作業者が落ち着いて作業を行える。
また、第1爪部72aと第2爪部72bが無理に噛み合って負荷が発生することを防止できるので、植付クラッチ機構66の耐久性が向上する。
これに加えて、植付クラッチ機構66の切断時の異音の発生や、耐久性の低下を防止する構成として、図12(a)(b)に示す通り、前記第1爪部72aと第2爪部72bの端面を各々円弧状に加工する方法が考えられる。
これにより、植付クラッチ機構66を切操作した際に、第1爪部72aと第2爪部72bが接触しても互いに円弧面同士が接触し合うので、接触時間が短く、また接触時の抵抗が小さくなり、異音の発生が防止されて作業者が不快感を覚えることが防止されると共に、植付クラッチ機構66の耐久性が維持される。
苗移植機1を長期に亘って収納するときは、エンジン3や燃料タンク13の内部の錆付きの原因とならないように、エンジン3や燃料タンク13から燃料を抜き取る必要がある。このとき、キャブレターの取付位置によっては、キャブレター内に残っている燃料が燃料タンク13に移動させられず、キャブレターのドレンコック(図示省略)を空けて排出ホースから燃料を排出する必要がある。この作業は燃料タンク13内の燃料を抜き取ってから行う必要があるので、燃料の排出作業に時間が余分にかかる問題がある。
但し、この作業はエンジン3がガソリンエンジンであるときには必要であるが、ディーゼルエンジンにおいては不要である。
上記の問題を解決すべく、図17(a)(b)で示す通り、前記燃料タンク13を着脱自在に構成し、該燃料タンク13の底部とエンジン3に設けるキャブレター73を送油ホース74で連結する。そして、燃料を排出するときは、前記燃料タンク13をエンジン3の上部から、エンジン3及び該キャブレター73よりも下方に移動させる。
これにより、キャブレター73内の燃料が重力によって燃料タンク13に流下移動することができるので、キャブレター73内の燃料を容易に排出でき、燃料排出作業に要する時間が短縮される。
また、燃料の気化に伴い水分が浸入してキャブレター73の内部を錆びさせることが防止され、キャブレター73の耐久性が向上すると共に、エンジン3の性能が低下することが防止される。
苗移植機1は、上記の通り左右の走行輪6,6が圃場の凹凸を通過すると、左右の走行伝動ケース5,5が各々上下回動して走行車体2及び苗タンク7を圃場面に対して水平に保つべく、リンクアーム53、昇降油圧シリンダ54、スプリング55、ローリングロック機構57等で構成する、所謂ローリング機構を備えている。
このローリング機構が従来どおり作動しないときは、機体の前部が下方を向く姿勢で苗移植機1を立たせて、昇降油圧シリンダ54やスプリング55に付着した泥土の詰まりを除去したり、ローリングロック機構57を操作してリンクアーム53の回動量を変更調節する必要がある。
しかしながら、苗移植機1の最前部に位置するセンターフロート10の先端部と上部カバー64の先端部だけでは、苗タンク7や苗植付装置8等を機体後部に備える苗移植機1を倒立姿勢で保持することは困難である。しかも、バンパー63を外す必要があり、倒立姿勢に切り替えるだけでも相当な時間を要するので、作業能率が悪くなる問題がある。
このため、バンパー63を外した箇所に、中空の金属棒を組み合わせて構成したスタンド(図示省略)を取り付けて、苗移植機1の前後の重量バランスを殆ど考慮することなく倒立姿勢にする方法がある。
しかしながら、バンパー63を取り外してスタンドに付け替える必要があるので、作業能率が悪く、また、植付作業中に使うかどうかわからないスタンドを圃場まで持ってくる必要がある。
上記の問題を解消すべく、図16で示す通り、前記作業操作レバー50を着脱自在に構成する。
一方、バンパー63の左右方向中央部には、前記作業操作レバー50の基部を取付可能な連結プレート63zを下方に向けて設け、該連結プレート63zに作業操作レバー50を取り付けると苗移植機1の上下長さよりも長くなり、倒立状態とした苗移植機1を受け得るスタンドとなる。
上記構成により、スタンドとバンパー63を取り替える必要がなくなるので、作業能率が向上する。
また、スタンドを別途持って来る必要がなくなるので、苗移植機1の圃場までの移送作業に要する時間と労力が軽減される。
前記植込杆34は、苗載せ台24…から苗を掻き取る苗取り爪34aを各々ボルト34bで固定して装着している。図18(e)に示す、該苗取り爪34aは一体成形されるものであるので、苗を挟み込む左右一対の串部34a1,34a1の左右間隔は決まっている。
このため、苗の生育状況や植付作業の違いによっては、苗取り爪34aの左右の串部34a1,34a1の左右間隔が広過ぎて、苗が圃場に植え付けられるまでに下方に滑り、植付深さが浅く、または深くなったり、苗が前方または後方に倒れ掛かった姿勢で植え付けられる問題がある。
この問題を解決すべく、図18(a)〜(d)に示す、前記苗取り爪34aを左苗取り爪34aLと右苗取り爪34aRで構成し、該左右の苗取り爪34aL,34aRの下部側には左右の串部34cL,34cRを構成すると共に、上部側には前記ボルト34bを差し込む、半円形状の左右の取付孔34d,34dを形成する。
なお、前記左右の串部34cL,34cRは、左右の苗取り爪34aL,34aRの機体後部側、即ち裏面に上下方向に亘って形成する。
また、前記植込杆34には、該左右の苗取り爪34aL,34aRを受ける凹部を左右一対形成した、ガイドプレート34eを設けている。この左右の凹部の幅は、左右の串部34cL,34cRの径より大径としている。
上記構成の苗取り爪34aを装着するときは、ガイドプレート34eに形成した左右の凹部に左右の串部34cL,34cRを接触させ、苗取り爪34aL,34aRを左右方向に移動させて、左右の苗取り爪34aL,34aRの左右間隔を調節する。そして、左右の取付孔34d,34d内にボルト34bを差し込み、左右の苗取り爪34aL,34aRを植込杆34に取り付ける。
これにより、苗の生育状態や植付作業条件に適した苗取り爪34aの串部34cL,34cRの左右間隔で作業することができるので、苗の植付深さや植付姿勢が安定し、苗の生育が良好なものになる。
1 苗移植機
5 走行伝動ケース
6 走行輪
10 センターフロート(中央フロート)
14 支持ロッド(第1連結部材)
16 第1サイドフロート(第1側方フロート)
17 第2サイドフロート(第2側方フロート)
18 連結バー(第2連結部材)
20 フロート回動シャフト(フロート回動支軸)
32 中央植付伝動ケース(中央伝動ケース)
34 植込杆(植付体)
35 スペーサ
P1 左右中央部分の植付条間
P2 その他の部分の植付条間
S1 左右中央部分の植込杆同士の左右間隔
S2 他の部分の植込杆同士の左右間隔

Claims (7)

  1. 複数条植えの苗移植機(1)により複数行程の植付走行を行い、苗移植機(1)の植付条数の整数倍の条数毎に広い幅の植付条間を形成しながら植付作業を行うことを特徴とする植付作業方法。
  2. 複数の植付体(34)により複数条に苗を植え付ける苗移植機において、
    左右中央部分の植付体(34)同士の左右間隔(S1)を他の部分の植付体(34)同士の左右間隔(S2)よりも広くして、左右中央部分の植付条間(P1)を他の部分の植付条間(P2)よりも広くしたことを特徴とする苗移植機。
  3. 前記左右中央部分の植付体(34)を駆動させる中央伝動ケース(32)を設け、該中央伝動ケース(32)と左右中央部分の植付体(34)の間に各々スペーサ(35)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記中央伝動ケース(32)の下方に圃場面に接触する中央フロート(10)を上下回動自在に設け、該中央フロート(10)の左右両側に左右の第1側方フロート(16,16)を上下回動自在に設け、前記中央フロート(10)と左右の第1側方フロート(16,16)の間に左右の走行輪(6,6)を備える左右の走行伝動ケース(5,5)を各々回動自在に設けたことを特徴とする請求項3に記載の苗移植機。
  5. 前記左右の第1側方フロート(16,16)よりも外側で且つ機体の左右両外側端部に設ける植付体(34)の下方に左右の第2側方フロート(17,17)を設け、左右中央部分の植付体(34)同士の左右間隔(S1)部以外の全ての植付体(34)同士の左右間隔(S2)を同じ間隔としたことを特徴とする請求項4に記載の苗移植機。
  6. 前記中央フロート(10)と左右の第1側方フロート(16,16)と左右の第2側方フロート(17,17)の後部側を左右方向に設けるフロート回動支軸(20)で連結し、
    前記中央フロート(10)の前部側と左右の第1側方フロート(16,16)の前部側を第1連結部材(14,14)で連結し、該左右の第1側方フロート(16,16)の前部側と左右の第2側方フロート(17,17)の前部側を第2連結部材(18,18)で連結し、
    前記左右の第2側方フロート(17,17)の前端部は左右の第1側方フロート(16,16)の前端部よりも機体後側に配置し、前記左右の第1側方フロート(16,16)の前端部は中央フロート(10)の前端部よりも機体後側に配置したことを特徴とする請求項5に記載の苗移植機。
  7. 前記中央伝動ケース(32)の下方に圃場面に接触する中央フロート(10)を上下回動自在に設け、該中央フロート(10)の左右両側に左右の第2側方フロート(17,17)を上下回動自在に設け、該左右の第2側方フロート(17,17)よりも機体外側に左右の第1側方フロート(16,16)を設け、
    該左右の第1側方フロート(16,16)の前端部を左右の第2側方フロート(17,17)の前端部よりも機体前側としたことを特徴とする請求項3に記載の苗移植機。
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