JP2014168222A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンテナ装置1は、誘電体基板2と、誘電体基板2の表面に形成されたパッチアンテナ5と、誘電体基板2の表面に形成された電力吸収用無給電素子21,24とを備える。電力吸収用無給電素子21,24は、誘電体基板2の表面におけるパッチアンテナ5の主偏波方向の端部とパッチアンテナ5との間に設けられる。電力吸収用無給電素子21,24によって、パッチアンテナ5で送・受信される電波の一部が吸収され、これにより誘電体基板2上の導体板(表面導体板3或いは裏面導体板4)において基板端部側へ流れる表面電流が抑制される。
【選択図】図1
Description
1.アンテナ装置の構成
図1(a)に示すように、本実施形態のアンテナ装置1は、長方形状の誘電体基板2の一方の面(表面)にパッチアンテナ5及び2つの無給電導体部11,12が形成されてなるものである。なお、以下の説明では、誘電体基板2における長辺方向(図1(a)の横方向)をx軸方向、短辺方向(図1(a)の縦方向)をy軸方向、誘電体基板2の板面に垂直な方向をz軸方向として説明する。
各無給電導体部11,12を構成する各電力吸収用無給電素子21,24は、それぞれ、パッチアンテナ5で送・受信される電波(電力)の一部を吸収する。各電力吸収用無給電素子21,24はいずれも、主偏波成分の方向がパッチアンテナ5の主偏波方向と同じ(すなわち水平偏波)であって、パッチアンテナ5の動作周波数と同じ周波数で共振するよう構成されている。
再放射用無給電素子22(25)は、電力吸収用無給電素子21(24)が吸収してマイクロストリップライン23(26)により伝送されてきた電力を空間へ放射する。各再放射用無給電素子22,25は、主偏波成分の方向がパッチアンテナ5の主偏波方向と垂直(すなわち垂直偏波)であって、パッチアンテナ5の動作周波数と同じ周波数で共振するよう構成されている。なお、各再放射用無給電素子22,25の共振周波数についても、上述した各電力吸収用無給電素子21,24の共振周波数と同様、必ずしもパッチアンテナ5の動作周波数に一致していなくてもよい。
本実施形態のアンテナ装置1では、各電力吸収用無給電素子21,24が電力を吸収して基板端部への表面電流の伝搬を抑制し、その吸収した電力を対応する各再放射用無給電素子22,25がそれぞれ偏波面を変えて(垂直偏波にして)主の指向性(水平偏波)に影響を及ぼさない成分で放射させる。
本実施形態のアンテナ装置1によれば、誘電体基板2上に無給電導体部11,12を配置して電波(電力)の一部を吸収させることで、表面電流が抑制され、基板端部からの不要な放射が抑制される。そのため、表面電流に起因するパッチアンテナ5の指向性の乱れを簡素な構成で抑制でき、指向性の乱れの抑制と設計自由度の向上との両立を実現することができる。
図3に示す本実施形態のアンテナ装置30は、図1に示した第1実施形態のアンテナ装置1と比較して、無給電導体部の搭載数が異なる。すなわち、第1実施形態のアンテナ装置1は、パッチアンテナ5の両端側にそれぞれ1つずつ無給電導体部11,12が設けられていたが、本実施形態のアンテナ装置30は、パッチアンテナ5の両端側にそれぞれ3つずつ無給電導体部31〜33,34〜36が設けられている。
図6に示す本実施形態のアンテナ装置40は、裏面に地板として機能する導体板(裏面導体板)4が形成された誘電体基板2の表面上に、パッチアンテナ5が形成されている。誘電体基板2の大きさや形状、パッチアンテナ5の構成、及び誘電体基板2におけるパッチアンテナ5の配置位置は、第1実施形態のアンテナ装置1と同じである。
なお、上記式(1)において、dx<λ0/2であり、nは基板端部から主アンテナ方向D1における無給電素子の配列順序(n=1,2,3,4)であり、λ0は自由空間波長である。また、θは、無給電素子からみたz軸方向と主アンテナ方向D1との角度差であり、本実施形態ではθ=90°である。
なお、素子配置間隔dxは、上記の通り、少なくとも自由空間波長λ0の1/2より短くすることが好ましい。その理由は、自由空間波長λ0の1/2以上の長さにすると、主アンテナ方向D1とは反対側の方向におけるグレーティングが大きくなり、その分、全体として主アンテナ方向のアレーファクタが低下するからである。
更に、x軸方向にアレー化された複数の無給電素子は、互いに接続された上で、電力消費用伝送線路65に接続されている。これにより、各無給電素子で吸収された表面波エネルギーは一括して電力消費用伝送線路65にて消費される。しかも、各無給電素子のx軸方向の配置間隔(素子配置間隔dx)及び各無給電素子の給電位相は、それぞれ、上記式(1)を満たすように設定されている。そのため、表面波エネルギーを簡素な構成ながら高い効率で吸収・消費することができる。
(1)無給電導体部は、図1に示した各無給電導体部11,12の形状に限らず、種々の形状のものを用いることができる。
(2)上記第1,第2実施形態では、無給電導体部において、電力吸収用無給電素子が吸収した電力が、再放射用無給電素子からの空間への放射という形で消費される構成であったが、他の方法で電力を消費するようにしてもよい。
図15に示すアンテナ装置100は、パッチアンテナ5の両端側にそれぞれ4つずつ無給電導体部101〜104,105〜108が設けられている。パッチアンテナ5の一方の端部側(図15の左側)に設けられている4つの無給電導体部101〜104はいずれも同じ形状である。また、パッチアンテナ5の他方の端部側(図15の右側)に設けられている4つの無給電導体部105〜108も、一方の端部側の無給電導体部101〜104と左右対称であることを除いて同じ形状である。そのため、各無給電導体部101〜108の構成について、代表として他方の端部側に設けられている1つの無給電導体部108を参照しつつ説明する。
なお、電力吸収用無給電素子におけるチップ抵抗112の接続部位は適宜決めることができるが、好ましくは、図15に例示したように、電力吸収用無給電素子における基板端部側の領域に接続するとよい。
(9)パッチアンテナ5を構成する各パッチ放射素子6〜9の形状や数、配置方法などについても、上記実施形態はあくまでも一例であり、種々の形態をとることができる。
Claims (13)
- 誘電体基板(2)と、
前記誘電体基板上に形成されるパッチアンテナであって、給電が行われる少なくとも1つのパッチ放射素子(6〜9)を有し、前記誘電体基板の板面における所定方向を主偏波方向とするパッチアンテナ(5)と、
前記誘電体基板の前記パッチアンテナが形成される面における、前記誘電体基板の前記主偏波方向の両端部のうち少なくとも一方の端部と前記パッチアンテナとの間に設けられる、少なくとも1つの第1の無給電素子(21,24,51a〜51d,52a〜52d,53a〜53d,54a〜54d,91,94,111)と、
を備えることを特徴とするアンテナ装置(1,30,40,80,100)。 - 請求項1に記載のアンテナ装置であって、
前記第1の無給電素子は、前記パッチアンテナの動作周波数を含む所定の周波数範囲内の周波数で共振するよう構成されている
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置であって、
前記誘電体基板の前記パッチアンテナが形成される面における、前記誘電体基板の前記主偏波方向の両端部のうち少なくとも一方の端部と前記パッチアンテナとの間には、前記主偏波方向に所定の素子配置間隔で配置された複数の前記第1の無給電素子を有するアレー部(51,52,53,54)が、少なくとも1つ設けられている
ことを特徴とするアンテナ装置(40)。 - 請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置であって、
前記第1の無給電素子には、その第1の無給電素子が外部からの電界によって励振されることにより生じる電気エネルギーを消費するためのエネルギー消費部材(22,25,65,72,77,92,95,112)が設けられている
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項3に記載のアンテナ装置であって、
前記アレー部が有する複数の前記第1の無給電素子が互いに接続部材(56〜59,61〜63)により接続されており、
前記接続部材における所定の位置に、前記アレー部が有する複数の前記第1の無給電素子が外部からの電界によって励振されることにより生じる電気エネルギーを消費するためのエネルギー消費部材(65,72,77)が設けられている
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4又は請求項5に記載のアンテナ装置であって、
前記エネルギー消費部材は、対応する前記第1の無給電素子と高周波的に接続された第2の無給電素子(22,25,72,92,95)である
ことを特徴とするアンテナ装置(1,30,80)。 - 請求項6に記載のアンテナ装置であって、
前記第2の無給電素子は、前記周波数範囲内の周波数で共振し、その共振時の主偏波成分の方向が前記主偏波方向とは異なる方向となるように構成されている
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項6又は請求項7に記載のアンテナ装置であって、
前記第2の無給電素子と対応する前記第1の無給電素子とは、前記誘電体基板上に形成されたマイクロストリップ線路(23,26,56〜59,61〜63,93,96)により接続されている
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4又は請求項5に記載のアンテナ装置であって、
前記エネルギー消費部材は、対応する前記第1の無給電素子と電気的に接続され、前記電気エネルギーを消費させるための抵抗素子(77,112)を有する抵抗回路(77,112,3)である
ことを特徴とするアンテナ装置(100)。 - 請求項9に記載のアンテナ装置であって、
前記抵抗素子はチップ抵抗(77,112)であることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4又は請求項5に記載のアンテナ装置であって、
前記エネルギー消費部材は、対応する前記第1の無給電素子と高周波的に接続された伝送線路(65)である
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
前記第1の無給電素子は、前記共振時の主偏波成分の方向が前記主偏波方向と略同じである
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1〜請求項12の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
前記第1の無給電素子は、前記誘電体基板の前記パッチアンテナが形成される面における、前記誘電体基板の前記主偏波方向の両端部と前記パッチアンテナとの間にそれぞれ少なくとも1つずつ設けられている
ことを特徴とするアンテナ装置。
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