JP2014166879A - 包装用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品等の収納物を包装する包装用容器に関し、一度開封した後にも蓋材を底材に再封可能であり、かつ、一度開封したことが明確に判断可能な包装用容器を提供する。
【解決手段】蓋材2と、底材3と、蓋材2及び底材3との間に形成された収納部5からなり、蓋材2と底材3の再封を可能とする包装用容器1において、開け口12と第1の融着部11との間に、蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3aとを融着していない第2の非融着部13と、融着した第2の融着部14とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての第2の非融着部13及び第2の融着部14における蓋材2と底材3との粘着力を低下させるようにした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、食品等の収納物を包装する包装用容器に関し、特に、一度開封した後にも蓋材を底材に再封可能な包装用容器に関する。
一般に、食品等の収納物を包装する包装用容器は、収納物を凹部内に収納する底材と、これを封止する蓋材とからなる。収納物が食品等の場合、食品を一度に使いきれない場合を考慮し、収納物の酸化による劣化を避けるべく、蓋材を底材に対して再封可能な包装用容器が提案されている。また、食品等のみならず、化粧品や、医薬品等の吸湿、乾燥を避けるべき収納物においても、再封可能な包装用容器が同様に提案されている。
[従来の再封可能な包装用容器の一例]
以下に、従来の再封可能な包装用容器の一例を図9乃至図15を用いて説明する。図9は、従来の包装用容器を示す斜視図である。図10は、図9において蓋材を一部開いた状態の斜視図である。図11は、図9のC−C線部断面概念図である。図12は、図11において蓋材を一部開いた状態の断面概念図である。図13は、図11において蓋材を再封した状態の断面概念図である。図14は、図9の包装用容器の製造方法の一例を示す概略図である。図15は、ヒートシールの方法を示す図9のC−C線部断面概念図である。
[従来の再封可能な包装用容器の構成]
図9に示すように、従来の再封可能な包装用容器100は、大きく蓋材2と底材3から構成されるものであり。底材3は、内部に食品等の収納物6を収納な可能なように凹状の収納部5を備えるように成形されており、収納部5周囲の底材3部分と蓋材2の対応部分が接着されて封止されている。
図10に示すように、蓋材2と底材3は、互いに接着されていない開け口12を両者の接着部分の外側に有し、開け口12をつまむことにより、蓋材2と底材3とを剥離させて包装用容器100を開封することが可能である。
この場合、蓋材2の内側表面の底材3と接着されていた部分には、粘着素材12が用いられているため、その粘着性を利用して、蓋材2を底材3に再度接着して再封することが可能である。
その再封可能である包装用容器100の微視的な断面構造を図11乃至図13を用いて説明する。尚、図11乃至図13において包装用容器100内部の収納物は省略した。
図11に示すように、従来の包装用容器100において、蓋材2は、蓋材側表面樹脂層2a、粘着樹脂層2b及び蓋材側シール樹脂層2cが順に積層されている。
尚、蓋材2の厚さは、例えば、85μm程度である。また、蓋材側表面樹脂層2aは、例えば、PET、EVOH及びNyをラミネート加工により積層させて構成されており、これらの構成に限られるものではない。また、粘着樹脂層2bは、例えば、エチレン系熱可塑性エストラマー等を主成分として構成されており、これに限定されるものではない。さらに、蓋材側シール樹脂層2cについては、例えば、PEにより構成されており、これに限定されるものではない。
また、底材3は、底材側表面樹脂層3a及び底材側シール樹脂層3bが積層されている。尚、底材3の厚さは、例えば、265μm程度である。また、底材側表面樹脂層3aは、例えば、PET、EVOH及びNyをラミネート加工により積層させて構成されており、これらの構成に限られるものではない。また、底材側シール樹脂層3bについては、例えば、PEにより構成されており、これに限定されるものではない。
蓋材2の蓋材側シール樹脂層2cは、被シール体である底材3の底材側シール樹脂層3bとヒートシールされている。つまり、蓋材2と底材3とは、ヒートシールによって形成されたヒートシール部11で接着(融着)されており、第1の融着部11となる。
[従来の再封可能な包装用容器の作用]
図12に示すように、蓋材2と底材3とが融着されていない包装用容器100の端部においては、融着されていないことから、第1の非融着部12として、開け口12となり、開け口12をつまんで引っ張ると、開け口12に隣接するヒートシール部11において、先ず開け口12側の蓋材側シール樹脂層2cが蓋材2から破断されるとともに、蓋材2における粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの層間で剥離が開始される。
粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの剥離が開け口12側と反対側のヒートシール部11の端部に到達すると、蓋材2の蓋材側シール樹脂層2cが破断される。破断された蓋材側シール樹脂層2cは、被シート体である底材3側に移行し、粘着樹脂層2bの露出部2b1が形成されるとともに、それに伴い蓋材側シール樹脂層2cの剥離部分である第1の剥離部2c1が形成される。
これは、ヒートシールされた蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層2bとが、ヒートシール部11において熱融着しており、かつ、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとのラミネート強度が、ヒートシール部11における融着による結合強度よりも弱いことにより、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの間での層間剥離が起こることを利用したものである。
再封する場合には、図13に示すように、剥離した蓋材2を底材3に被せて、蓋材側表面樹脂層2aを手や指で加圧圧着し、蓋材2の粘着樹脂層4の露出部2b1と、底材2へ移行した蓋材側シール樹脂層2cの第1の剥離部2c1とを重ね合わせることにより蓋材2と底材3とを再封することができる。
尚、粘着樹脂層が蓋材ではなく、底材側に配された構造、即ち、上記従来の包装用容器において、蓋材の積層構造と底材の積層構造を反対に利用した場合であっても、同様に、粘着樹脂層と底材側シール樹脂層との間での層間剥離が起こることを利用して、再封を実現可能であることは言うまでもない。
[従来の再封可能な包装用容器の製造方法]
また、図14を用いてこれら包装用容器100の製造方法の一例を説明する。まず、蓋材2と底材3に対応させて、それらを構成するフィルムは上下2巻を必要とし、底材3側のフィルム(下側フィルム21)には、前述した素材等を積層してラミネート加工した成形型性の良いフィルムが好適である。蓋材2側のフィルム(上側フィルム22)は成型をしないので前述した素材等を積層してラミネート加工したバリアー性の良いものであればよく、予め、上側フィルム22の表面に、種々の写真、模様、文字が印刷され、又はそれらが印刷された印刷フィルムが貼着されている。
次に、下側フィルム21が間欠的に所定のピッチ宛(製品寸法)で完結的に前進するようにし、間欠動作の動作停止中に各部において包装作業が行われる。成形部23においては、所定の形状の凹部が形成されて収納部5が構成される。その後、収納部5に食品6等の収納物が人手又は自動で充填される(充填領域24)。
その後、ヒートシール部25に入る直前において蓋材2となる上側フィルム22は、下側フィルム21によって収納部5が形成された底材3を被覆し、一体となった状態でヒートシール部25へと向かう。このヒートシール部25においては、上下のボックスにより密閉されて収納部5の内部が真空脱気又はガス置換された後に収納部5の周囲において内部が密閉されるように蓋材2と底材3とがヒートシールされる。
ヒートシールが行われた後、横カッター部26によって、シールされた蓋材2及び底材3が、隣り合う蓋材2及び底材3とが横方向に切断される。さらに、縦カッター部27によって、シールされた蓋材2及び底材3が、隣り合う蓋材2及び底材3と縦方向に切断され、各々の食品6が収納された状態で包装用容器100が完成する。
この場合、ヒートシール部25におけるヒートシール作業について図15を用いて説明する。尚、図15において、包装用容器100内部の収納物は省略した。ヒートシールにあたっては、蓋材2と底材3とが、各々の蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3bとが接触するように一体となった状態で蓋材2と底材3とがヒートシール部25へと向かう。
次に、図15に示すように、底材3の収納部5周囲の蓋材2と接触する部分をシール型25bが支持する。シール型25bは、基体部25b2の表面にシールゴム25b1が被覆されて構成されている。
一方、蓋材2側においては、シール板となる熱板25aが配されて、高温の熱板25aがシール型25に対して押圧されること、即ち、蓋材2と底材3とに押圧されることにより、蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3bとが融着される。
この場合、シール板となる熱板25aは、その蓋材2側の表面に突部25a1が設けられており、この突部25a1が配された位置のみが、蓋材2に接触することとなり、蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3bにおける突部25a1に対応した部分のみが融着することとなる。
また、熱板の温度は、例えば、140℃のように、蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3bとのみが融着し、蓋材側表面樹脂層2a、粘着樹脂層2b及び底材側表面樹脂層3aといった他の素材は融着しない温度に設定されている。
以上の製造工程を経て、従来の再封可能な包装用容器100が完成する。
特開2009−241477号公報
しかしながら、従来の包装用容器100においては、再封可能であっても、店頭においては、再封可能であるがゆえに、一度も開封されていないことの確認ができなかった。即ち、開封されて悪戯等されていないことを判断できないため、対策が求められている。
そこで、本発明は、食品等の収納物を包装する包装用容器に関し、一度開封した後にも蓋材を底材に再封可能であり、かつ、一度開封したことが明確に判断可能な包装用容器を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明の包装用容器は、蓋材と、底材と、当該蓋材及び底材との間に形成された収納部からなり、前記蓋材は、蓋材側表面樹脂層と粘着樹脂層と蓋材側シール樹脂層とを順に積層させてなり、前記底材は、底材側表面樹脂層と底材側シール樹脂層とを積層させてなり、前記収納部周囲の前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とはヒートシールにより融着されて第1の融着部が形成されており、開封時は、前記収納部に対して前記第1の融着部よりも外側に形成された前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とをヒートシールしていない第1の非融着部を開け口として、前記粘着樹脂層と前記蓋材側シール樹脂層との間における層間剥離により、前記粘着樹脂層を露出させ、当該粘着樹脂層に対して前記底材に融着された前記蓋材側シール樹脂層を粘着させることにより、前記蓋材と前記底材の再封を可能とする包装用容器であって、前記開け口と前記第1の融着部との間に、前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とを融着していない第2の非融着部と、融着した第2の融着部とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての前記第2の非融着部及び前記第2の融着部における前記蓋材と前記底材との粘着力を低下させたことを特徴とする。
また、本発明に係る包装用容器は、蓋材と、底材と、当該蓋材及び底材との間に形成された収納部からなり、前記蓋材は、蓋材側表面樹脂層と蓋材側シール樹脂層とを積層させてなり、前記底材は、底材側表面樹脂層と粘着樹脂層と底材側シール樹脂層とを順に積層させてなり、前記収納部周囲の前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とはヒートシールにより融着されて第1の融着部が形成されており、開封時は、前記収納部に対して前記第1の融着部よりも外側に形成された前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とをヒートシールしていない第1の非融着部を開け口として、前記粘着樹脂層と前記底材側シール樹脂層との間における層間剥離により、前記粘着樹脂層を露出させ、当該粘着樹脂層に対して前記蓋材に融着された前記底材側シール樹脂層を粘着させることにより、前記蓋材と前記底材の再封を可能とする包装用容器であって、前記開け口と前記第1の融着部との間に、前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とを融着していない第2の非融着部と、融着した第2の融着部とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての前記第2の非融着部及び前記第2の融着部における前記蓋材と前記底材との粘着力を低下させたことを特徴とする。
また、本発明の前記第2の非融着部と前記第2の融着部とは、規則的又は不規則的に連続することを特徴とする。
また、本発明の前記蓋材及び/又は前記底材は透明であることを特徴とする。
また、本発明の前記第2の非融着部は、規則的に複数が平行に配された線条体であることを特徴とする。
また、本発明の前記第2の非融着部は、周囲を第2の融着部に囲まれていることを特徴とする。
また、本発明の前記蓋材は、予め、前記底材とは反対側に反るような素材特性を持ったフィルムにより構成されていることを特徴とする。
本発明によると、一度開封した後にも蓋材を底材に再封可能であり、かつ、第2の非融着部の存在により、開け口と第1の融着部との間の第2の非融着部の周囲において、部分的に再封が困難となるため、再封されていないことにより、又は、仮に再封されたとしても非常に容易にその部分の再封が解除されてしまうことから、一度開封したことが明確に判断可能となり、店頭において悪戯等がされていないことを確認することができ、安心して商品を提供及び購入可能となる。
また、本発明によると、蓋材又は底材を構成する素材等を変更することなしに、蓋材又は底材のフィルム特性を生かしたまま、ヒートシールを行う部分を追加するのみで実現可能であり、非常に容易に達成可能である。
また、本発明によると蓋材及び/又は底材を透明素材で構成した場合には、開け口と第1の融着部との間の第2の非融着部(を構成する線)が蓋材と底材側の両者に剥離することにより2倍数看取されることとなるので、その部分が全体的に白濁した外観となるため、この点からも再封された点が容易に確認可能である。
また、本発明によると、第2の非融着部は、周囲を第2の融着部に囲まれていることから、未開封時において、第2の非融着部から自然と蓋材と底材が剥離してしまうことが防止される。
さらに、本発明によると、予め、蓋材が底材とは反対側に反るような素材特性を持ったフィルムにより構成することにより、蓋材と底材との間において、より粘着力を低下させて、第2の非融着部の周囲において蓋材が反ることにより、底材から離間しやすい構成として、より確実に未開封の確認を容易とすることも可能である。
本発明の実施形態に係る包装用容器を示す斜視図である。 図1において蓋材を一部開いた状態の斜視図である。 図2において蓋材を再封した状態の斜視図である。 図1のA−A線部断面概念図である。 図4において蓋材を一部開いた状態の断面概念図である。 図5において蓋材を再封した状態の断面概念図である。 ヒートシールの方法を示す図1のA−A線部断面概念図である。 本発明の変形例を(a)乃至(c)に示す図1のB−B線部拡大正面図である。 従来の包装用容器を示す斜視図である。 図9において蓋材を一部開いた状態の斜視図である。 図9のC−C線部断面概念図である。 図12において蓋材を一部開いた状態の断面概念図である。 図11において蓋材を再封した状態の断面概念図である。 図9の包装用容器の製造方法の一例を示す概略図である。 ヒートシールの方法を示す図9のC−C線部断面概念図である。
[本発明の実施形態]
以下、本発明による包装用容器の実施形態について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る包装用容器を示す斜視図である。図2は、図1において蓋材を一部開いた状態の斜視図である。図3は、図2において蓋材を再封した状態の斜視図である。図4は、図1のA−A線部断面概念図である。図5は、図4において蓋材を一部開いた状態の断面概念図である。図6は、図5において蓋材を再封した状態の断面概念図である。図7は、ヒートシールの方法を示す図1のA−A線部断面概念図である。また、背景技術の説明において、既に説明した事項と共通の事項は省略し、同一の符号を用いる。尚、図1乃至図7において、包装用容器1内部の収納物は省略した。
[本発明の実施形態の構成]
本実施の実施形態に係る包装用容器1は、図1に示すように、従来の再封可能な包装用容器100と同様に、大きく蓋材2と底材3から構成されるものであり。底材3は、内部に食品等の収納物を収納な可能なように凹状の収納部5を備えるように成形されており、収納部5周囲の底材3部分と蓋材2の対応部分が接着されて封止されている。
図2に示すように、蓋材2と底材3は、互いに接着されていない開け口12を両者の接着部分の外側に有し、開け口12をつまむことにより、蓋材2と底材3とを剥離させて包装用容器1を開封することが可能である。
また、図2に示すように、蓋材2の内側表面の底材3と接着されていた部分には、粘着素材2b1が用いられているため、その粘着性を利用して、図3に示すように、蓋材2を底材3に再度接着して再封することが可能である点も、従来の包装用容器100と同様である。
尚、開け口12の収納部5側の端部は、従来の包装用容器100が外側に対して円弧状に膨らむラインであるのに比して、収納部5側に対して中心部分が先窄まり状となる略三角形状となっている。これにより、開け口12をつまむ指を開け口12内部に挿入しやすくしたものである。
本発明の包装用容器1は、図1乃至図6に示すように、これら構成に対して、さらに、第2の非融着部13を設けたことを特徴とするものである。即ち、開け口12と第1の融着部11(蓋材2と底材3との接着部分)との間に、蓋材2と底材3とを融着していない第2の非融着部13と、その周囲を囲む融着した第2の融着部14とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての第2の非融着部13及び第2の融着部14における蓋材2と底材3との粘着力を低下させて、再封確認を行うものである。
第2の非融着部13は、図1に示すように、開け口12と第1の融着部11(蓋材2と底材3との接着部分)との間に、第2の融着部14に周囲を囲まれて形成されているものであり、本実施の形態においては、開け口12と相補的な関係で配置されていることから、2つのグループに分けられて配されており、各々が線状(線状非融着部13)に複数回平行に連続するように配されて、全体として線条状となっている。
例えば、線状非融着部13の幅が0.5mmであり、かつ、隣り合う線状非融着部13との間に介された第2の融着部14の幅が0.5mmであれば、非融着部としての線状非融着部13と第2の融着部14とを合わせた単位面積あたりの粘着力は半分となる。
再封を行った場合においては、図3に示すように、第2の非融着部13の周囲においては、第2の非融着部13の存在故に、開封前は蓋材2と底材3とが接着されていたのに対して、粘着力の低下により、第2の非融着部13の周囲において、部分的に再封が困難となるため、再封されていないことにより(同図3)、又は、仮に再封されたとしても非常に容易にその部分の再封が解除されてしまうことから、一度開封したことが明確に判断可能となり、店頭において悪戯等がされていないことを確認することができ、安心して商品を提供及び購入可能となる。
また、図3に示すように、蓋材2及び/又は底材3を透明素材で構成した場合には、第2の非融着部13(を構成する線)が蓋材2と底材3側の両者に剥離することにより2倍数看取されることとなるので、その部分が全体的に白濁した外観となるため、この点からも再封された点が容易に確認可能となる。
本発明の包装用容器1の微視的な断面構造を図4乃至図6を用いて説明する。図4に示すように、包装用容器1においては、従来の包装用容器100と同様に、蓋材2は、蓋材側表面樹脂層2a、粘着樹脂層2b及び蓋材側シール樹脂層2cが順に積層されており、その素材や、積層構造等はやはり従来の包装用容器100と同様である。
また、底材3についても、従来の包装用容器100と同様に、底材側表面樹脂層3a及び底材側シール樹脂層3bが積層されており、その素材や、積層構造等はやはり従来の包装用容器100と同様である。
また、蓋材2の蓋材側シール樹脂層2cは、被シール体である底材3の底材側シール樹脂層3bとヒートシールされている。つまり、蓋材2と底材3とは、ヒートシールによって形成されたヒートシール部11で接着(融着)されており、第1の融着部11となり、この点も従来の包装用容器100と同様である。
本発明の実施形態においては、この第1の融着部11の他、第2の融着部14を備えるものである。即ち、開け口12と第1の融着部11との間に、蓋材2と底材3とを融着していない第2の非融着部13と、その周囲を囲む融着した第2の融着部14とが規則的に連続しているため、図4のように、第2の融着部14と第2の非融着部13とが等間隔で繰り返されている構成となっている。
[本発明の実施形態の作用]
図5に示すように、蓋材2と底材3が融着されていない包装用容器1の端部においては、融着されていないことから、第1の非融着部12として、開け口12となり、開け口12をつまんで引っ張ると、開け口12に隣接する第2の融着部14において、先ず開け口12側の蓋材側シール樹脂層2cが蓋材2から破断されるとともに、蓋材2における粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの層間で剥離が開始される。
その第2の融着部14において、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの剥離が開け口12側と反対側の第2の融着部14の端部に到達すると、蓋材2の蓋材側シール樹脂層2cが破断される。破断された蓋材側シール樹脂層2cは、被シート体である底材3側に移行し、粘着樹脂層2bの露出部2b1が形成されるとともに、それに伴い蓋材側シール樹脂層2cの剥離部分である第2の剥離部2c2が形成される。
また、これは、次に収納部5側に配された第2の融着部14、さらには、さらにその次に収納部5側に配された第2の融着部においても同様に、破断された蓋材側シール樹脂層2cは、被シート体である底材3側に移行し、粘着樹脂層2bの露出部2b1が形成されるとともに、それに伴い蓋材側シール樹脂層2cの剥離部分である第2の剥離部2c2が形成され、これが繰り返される。
最後に、第1の融着部11において、先ず開け口12側の蓋材側シール樹脂層2cが蓋材2から破断されるとともに、蓋材2における粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの層間で剥離が開始され、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの剥離が開け口12側と反対側の第1の融着部11の端部に到達すると、蓋材2の蓋材側シール樹脂層2cが破断される。破断された蓋材側シール樹脂層2cは、被シート体である底材3側に移行し、粘着樹脂層2bの露出部2b1が形成されるとともに、それに伴い蓋材側シール樹脂層2cの剥離部分である第1の剥離部2c1が形成されて、同図5の状態となる。
これは、前述の如く、ヒートシールされた蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層2bとが、ヒートシール部11において熱融着しており、かつ、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとのラミネート強度が、ヒートシール部11における融着による結合強度よりも弱いことにより、粘着樹脂層2bと蓋材側シール樹脂層2cとの間での層間剥離が起こることを利用したものである。
再封する場合には、図6に示すように、剥離した蓋材2を底材3に被せて、蓋材側表面樹脂層2aを手や指で加圧圧着し、蓋材2の粘着樹脂層4の露出部2b1と、底材2へ移行した蓋材側シール樹脂層2cの第1の剥離部2c1及び第2の剥離部2c2とを重ね合わせることにより蓋材2と底材3とを再封することができる。
[その他構成]
しかしながら、第2の非融着部13の周囲においては、第2の非融着部13の存在故に、単位面積あたりの粘着力の低下が発生し、第2の非融着部13の周囲において、部分的に再封が困難となるため、同図6のように、再封されたとしても非常に容易にその部分の再封が解除されてしまう。又は、図3のように第2の非融着部13の周囲において、蓋材2と底材3の粘着(再封)が維持できずに、蓋材が開封時の塑性変形も相俟って、底材3から離間した状態となる。
また、予め、蓋材2が底材3とは反対側に反るような素材特性を持ったフィルムにより構成して、蓋材2と底材3との間において、より粘着力を低下させることも可能である。即ち、第2の非融着部13の周囲において、蓋材2が反ることにより、底材3から離間しやすい構成とすることも可能である。
尚、粘着樹脂層が蓋材ではなく、底材側に配された構造、即ち、上記本発明の包装用容器において、蓋材の積層構造と底材の積層構造を反対に利用した場合であっても、同様に、粘着樹脂層と底材側シール樹脂層との間での層間剥離が起こることを利用して、本発明の目的を実現可能であることは言うまでもない。
[本発明の実施形態におけるヒートシール]
次に、図14において説明した、蓋材2と底材3とのヒートシールを行うヒートシール部25について図7を用いて説明する。ヒートシール部25においては、シール板となる熱板25aの形状が第2の非融着部13及び第2の融着部14の存在を考慮して、図7に示すように、突部25a1が複数配されている。
突部25a1が存在する位置においては、高温の熱板25aが蓋材2に接触することとなり、蓋材側シール樹脂層2cと底材側シール樹脂層3bにおける突部25a1に対応した部分のみが融着することとなり、第1の融着部11及び第2の融着部14が形成されることとなり、図4に示す状態となる。
[本発明の実施形態の変形例]
以下に、本発明の実施形態の変形例について図8を用いて説明する。図8は、本発明の変形例を(a)乃至(c)に示す図1のB−B線部拡大正面図である。この本発明の実施形態の変形例において、本発明の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
変形例に係る包装用容器は、図1に係る製品1と同様の構成を有するものであるが、本発明の実施形態における、第2の非融着部としての線状非融着部13の形態のみ異なるものである。
即ち、図8(a)乃至(c)に示すように、第2の非融着部17は、種々の形態が想定される。即ち、第2の非融着部17の周囲において、蓋材2と底材3との粘着力を低下させることが出来れば良いことから、第2の非融着部17は、種々の形態が想定される。
そのため、第2の非融着部17と第2の融着部18とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての第2の非融着部17及び第2の融着部18における蓋材2と底材3との粘着力を低下させられれば、本発明の目的を実現可能である。
従って、同図(a)の如く、円形状又は点状の第2の非融着部17を連続して繰り返し、規則的に配した場合、また、同図(b)の如く、三角形の如き幾何学模様状に第2の非融着部17を配した場合、さらに、同図(c)の如く、不規則的に幾何学模様の第2の非融着部17を配したような構成でも、本発明の目的を実現可能である。
本発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
1 包装用容器
2 蓋材
2a 蓋材側表面樹脂層
2b 粘着樹脂層
2b1 露出部(粘着素材)
2c 蓋材側シール樹脂層
2c1 第1の剥離部
2c2 第2の剥離部
3 底材
3a 底材側表面樹脂層
3b 底材側シール樹脂層
5 収納部
6 食品
11 第1の融着部(ヒートシール部)
12 第1の非融着部(開け口)
13 第2の非融着部(線状非融着部)
14 第2の融着部
17 第2の非融着部(変形例)
18 第2の融着部
21 底材側フィルム
22 蓋材側フィルム
23 成形部
24 充填領域
25 ヒートシール部
25a 熱板(シール板)
25a1 突部
25b シール型
25b1 シールゴム
25b2 基体部
26 横カッター部
27 縦カッター部
100 従来の包装用容器

Claims (7)

  1. 蓋材と、底材と、当該蓋材及び底材との間に形成された収納部からなり、
    前記蓋材は、蓋材側表面樹脂層と粘着樹脂層と蓋材側シール樹脂層とを順に積層させてなり、
    前記底材は、底材側表面樹脂層と底材側シール樹脂層とを積層させてなり、
    前記収納部周囲の前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とはヒートシールにより融着されて第1の融着部が形成されており、
    開封時は、前記収納部に対して前記第1の融着部よりも外側に形成された前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とをヒートシールしていない第1の非融着部を開け口として、前記粘着樹脂層と前記蓋材側シール樹脂層との間における層間剥離により、前記粘着樹脂層を露出させ、当該粘着樹脂層に対して前記底材に融着された前記蓋材側シール樹脂層を粘着させることにより、前記蓋材と前記底材の再封を可能とする包装用容器であって、
    前記開け口と前記第1の融着部との間に、前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とを融着していない第2の非融着部と、融着した第2の融着部とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての前記第2の非融着部及び前記第2の融着部における前記蓋材と前記底材との粘着力を低下させたこと
    を特徴とする包装用容器。
  2. 蓋材と、底材と、当該蓋材及び底材との間に形成された収納部からなり、
    前記蓋材は、蓋材側表面樹脂層と蓋材側シール樹脂層とを積層させてなり、
    前記底材は、底材側表面樹脂層と粘着樹脂層と底材側シール樹脂層とを順に積層させてなり、
    前記収納部周囲の前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とはヒートシールにより融着されて第1の融着部が形成されており、
    開封時は、前記収納部に対して前記第1の融着部よりも外側に形成された前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とをヒートシールしていない第1の非融着部を開け口として、前記粘着樹脂層と前記底材側シール樹脂層との間における層間剥離により、前記粘着樹脂層を露出させ、当該粘着樹脂層に対して前記蓋材に融着された前記底材側シール樹脂層を粘着させることにより、前記蓋材と前記底材の再封を可能とする包装用容器であって、
    前記開け口と前記第1の融着部との間に、前記蓋材側シール樹脂層と前記底材側シール樹脂層とを融着していない第2の非融着部と、融着した第2の融着部とを規則的又は不規則的に設けて、再封時においての前記第2の非融着部及び前記第2の融着部における前記蓋材と前記底材との粘着力を低下させたこと
    を特徴とする包装用容器。
  3. 前記第2の非融着部と前記第2の融着部とは、規則的又は不規則的に連続することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の包装用容器。
  4. 前記蓋材及び/又は前記底材は透明であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の包装用容器。
  5. 前記第2の非融着部は、規則的に複数が平行に配された線条体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の包装用容器。
  6. 前記第2の非融着部は、周囲を第2の融着部に囲まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載の包装用容器。
  7. 前記蓋材は、予め、前記底材とは反対側に反るような素材特性を持ったフィルムにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の包装用容器。
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