JP2014166785A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Naoto Sakai
直人 酒井
Hidenobu Suzuki
秀伸 鈴木
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Abstract

【課題】エアバッグの外殻部が、外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とを備えた構成でありながら、過大な製造コストを発生させることもなく、設計の自由度を高めることができる。
【解決手段】ガスが導入されて膨張展開する袋状をなす外殻部11を備え、外殻部11は、外殻中央部(20,30)と、外殻右側面部40と、外殻左側面部50とを備え、外殻中央部(20,30)と外殻右側面部40とが結合され、外殻中央部(20,30)と外殻左側面部50とが結合されて構成され、外殻中央部(20,30)は、外殻部11の膨張展開による展開方向を該外殻中央部の基布面に沿って投影した方向Aと略平行な折返し線31,32で所定回数折り返されることにより形成されたひだ形状の部分30を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、インフレータ等からのガスの圧力により膨張展開するエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
従来より、車両の助手席前方のインストルメントパネル内に配置する助手席用のエアバッグ装置が知られている。こうしたエアバッグ装置では、何らかの保護対象物がインストルメントパネル近くに存在する場合の対策として、その保護対象物を収納できる凹状部をエアバッグの外殻部に設ける構成が知られている。
特許文献1、2は、こうしたエアバッグ装置の一例を示す。特許文献1を参照すると、エアバッグの外殻部を上側と下側により構成したいわゆる2ピースの構成で、下側の外殻部にタック面部を設けた構成が記載されている。
また、特許文献2を参照すると、エアバッグの外殻部を外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とにより構成したいわゆる3ピースの構成で、外殻中央部の下側にタック面部を設けた構成が記載されている。
特開2009−241642号公報 特開2008−44479号公報
上述した特許文献1、2のようないわゆる2ピース、3ピースのエアバッグについて、模式図を用いて説明する。
2ピースのエアバッグの外殻部は、図8に示すように、上側基布81と、下側基布82とを備え、下側基布82における開口部82aにタック面部83を設けるようになっている。タック面部83におけるひだ形状を形成するための折返し線は車幅方向Bとおおよそ平行に設けられるが、この折返し線の長さM1は開口部82aの大きさによって定まる。このため、設計上必要と考えられる長さM1を確保するに当たって、設計における制約は特に発生しない。
一方、エアバッグの外殻部が膨張展開した際に求められる形状によっては、エアバッグの外殻部をいわゆる3ピースの構成とする場合がある。3ピースのエアバッグの外殻部は、図9に示すように、中央基布91とタック面部92とにより筒状の外殻中央部が構成され、この外殻中央部の両サイドから、外殻右側面部となる右側基布93と、外殻左側面部となる左側基布94とが縫合される。
こうした構成で、タック面部92におけるひだ形状を形成するための折返し線は通常、車幅方向Bと平行に設けられるため、この折返し線の長さM2は筒状の外殻中央部における車幅方向Bの長さと容積の関係によって、設計上の制約を受ける。
すなわち、エアバッグ装置が設置される車両の車室内形状などにより、エアバッグの外殻部を車幅方向から見たサイズを大きく設計しようとすると、右側基布93、左側基布94の面積を大きくすることとなる。ここで、仮にエアバッグの外殻部が膨張展開した際の容積を一定にして、右側基布93、左側基布94の面積を大きくしようとすると、筒状の外殻中央部における車幅方向Bの長さを短く設計する必要が生じる。筒状の外殻中央部における車幅方向Bの長さを短く設計すると、タック面部92における折返し線の長さM2も短くなる。
また、エアバッグの外殻部を車幅方向から見たサイズを大きく設計しつつ、タック面部92における折返し線の長さM2を所要の長さまで確保するために、外殻中央部における車幅方向Bの長さを長く設計すると、展開状態の外殻部の容積が大きくなってしまう。容積を大きく設計しようとすると、エアバッグにガスを供給するインフレータに求められる性能が高くなるため、製造コストが高くなってしまう。
また、こうした設計上の制約を回避するため、タック面部92に替えて烏帽子型の袋を用いる構成にした場合、外殻部を立体的に形成する必要があるため、縫製工程が煩雑になり、製造コストが高くなってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、エアバッグの外殻部が、外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とを備えた構成でありながら、過大な製造コストを発生させることもなく、設計の自由度を高めることができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係るエアバッグ装置は、ガスが導入されて膨張展開する袋状をなす外殻部を備え、外殻部は、外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とを備え、外殻中央部と外殻右側面部とが結合され、外殻中央部と外殻左側面部とが結合されて構成され、外殻中央部は、外殻部の膨張展開による展開方向を該外殻中央部の基布面に沿って投影した方向と略平行な折返し線で所定回数折り返されることにより形成されたひだ形状の部分を含むことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、エアバッグの外殻部が、外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とを備えた構成でありながら、過大な製造コストを発生させることもなく、設計の自由度を高めることができる。
本発明の実施形態としてのエアバッグ装置100周りの展開状態における構成例を示す図である。 本実施形態のエアバッグ10の外殻部11の展開状態を示す斜視図である。 該外殻部11の分解状態を模式的に示す図である。 該外殻部11におけるタック面部30を含む横断面を模式的に示す図である。 該外殻部11を構成する外殻中央部の縫合された状態、および右側基布40を平面に広げた状態を示す図である。 タック面部30の折返しをほどいて平面に広げた状態を示す図である。 タック面部30における他の折返し例を示す図である。 従来の2ピース構成のエアバッグにおける外殻部の分解状態を模式的に示す図である。 従来の3ピース構成のエアバッグにおける外殻部の分解状態を模式的に示す図である。
次に、本発明に係るエアバッグ装置を適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、本発明に係るエアバッグ装置の構成としては、以下に説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を本願発明のエアバッグ装置として採用することができる。このため、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1に、本発明の実施形態としてのエアバッグ装置100の展開状態を示す。図1に示すように、本実施形態のエアバッグ装置100は、車両である自動車におけるインストルメントパネル71の内側における所定の設置位置に設置される。このエアバッグ装置100の設置位置となるインストルメントパネル71は、助手席の座席73の前方に配置される。インストルメントパネル71の上方には、前側下方から上側後方に向かって傾斜したウインドシールドとしてのフロントガラス72が配置される。
なお、以下の説明では、自動車の直進状態を基準として前後方向、上下方向及び車幅方向を説明する。
エアバッグ装置100は、袋状のエアバッグ10と、インフレータ61と、ベース体としてのケース体62と、リッドとも呼ばれるカバー体63と、ケース体62にインフレータ61やエアバッグ10を固定する不図示のリテーナなどを備えて構成される。そして、インストルメントパネル71の内側に配置された所定の被取付部材にネジ止め等で固定される。
インフレータ61は、エアバッグ10の内側に上部を挿入された状態で配置され、不図示のリテーナを用いてエアバッグ10とともにケース体62の底部に固定される。このインフレータ61は、略円柱状あるいは円盤状など各種形状のものを用いることができ、点火器及び薬剤を収納した円盤状のインフレータ本体部とコネクタなどを備える。インフレータ本体部における外周上部のエアバッグ10の内側に挿入される部分には、ガス噴射口が設けられ、このガス噴射口から袋状のエアバッグ10の内部にガスを導入するようになっている。
ケース体62は、リアクションカンなどとも呼ばれるもので、金属板を折曲しあるいは溶接などして、上側を開口部である突出口とした略箱状に形成されている。そして、このケース体62の内側に、折り畳んだ状態のエアバッグ10が収納される。このため、このケース体62がインストルメントパネル71の内側における所定の設置位置に溶接等で固定されることにより、開口部である突出口の向きが決定され、エアバッグ10の展開方向が決定される。
カバー体63は、合成樹脂等により、インストルメントパネル71と一体あるいは別体に形成され、ケース体62の上側の突出口を覆うようになっている。また、このカバー体63には、他の部分より薄肉で容易に破断する溝状の破断予定部(テアライン)が平面略H字状あるいは略C字状などに形成されている。
次に、エアバッグ10の外殻部11について、図1〜図6を参照して説明する。
エアバッグ10は、図2〜図4に示すように、複数の基布を縫い合わせて袋状の外殻部11が構成され、この外殻部11の内部にインフレータ61からガスが導入されることで膨張展開する。
外殻部11の基布(パネル)は、図2〜図4に示すように、筒状の外殻中央部を構成する中央基布20およびタック面部30の右側に、外殻右側面部となる右側基布40が設けられ、左側に外殻左側面部となる左側基布50が設けられ、いわゆる3ピースの構成となっている。
このため、図2、図3、図5に示すように、中央基布20とタック面部30とは縫製線部21,22により縫合されて筒状の外殻中央部を構成する。また、図2〜図5に示すように、この筒状の外殻中央部の右側から縫製線部41により右側基布40が縫合され、左側から縫製線部51により左側基布50が縫合される。こうして、外殻中央部の下面側にタック面部30が設けられ、さらにそのタック面としてのひだ形状が形成されていない一般部である中央基布20と、右側基布40と、左側基布50とに囲まれて袋状の外殻部11が立体的に構成されている。なお、本実施形態ではエアバッグ10の外殻部11を構成する各部の結合手段として縫製を用いているが、本実施形態における縫製の過程を接着剤などによる結合に置き換えることも可能である。
図5(b)に右側基布40の形状を示すが、左側基布50も同様の形状となる。このように、同様の形状である右側基布40と、左側基布50とが、中央基布20およびタック面部30による筒状の外殻中央部の両側から対向するように配置される。
また、図2、図3、図5に示すように、外殻部11における底部には、インフレータ61を取り付けるためのガス導入口25が設けられる。このため、外殻中央部における中央基布20には、ガス導入口25が設けられ、このガス導入口25を囲むように不図示の取付孔が複数形成されている。ガス導入口25の近傍の両面には、図5に示すように、強度や耐熱性を向上する補助的な基布として、防炎布あるいは補強布などとも呼ばれる複数のアシストパネル23が重ねて縫い合わされている。
また、エアバッグ10の外殻部11には、単数あるいは複数のベントホールが設けられる。本実施形態では、右側基布40にベントホール45が、左側基布50にベントホール55が、それぞれ所定位置に円孔状として設けられる。また、図示しないが、排気具合を調整するための所定の部材が設けられてもよい。
外殻部11の展開状態における外殻中央部の下面側には、上述のようにタック面部30が設けられている。このタック面部30は、図6に示すような1枚の基布が所定数の折返し線で折り返されることで形成されたひだ形状が、縫製線部21,22により中央基布20に縫合されることで保持されて構成される。
このため、外部から力が加わっていない状態では平板状をなすとともに、外部から力が加わった状態では平面の基布よりも容易に変形し、凹状部を構成できるようになっている。
図5(a)に、縫合されてひだ形状が保持された状態のタック面部30および中央基布20を平面上に広げた状態を示し、図6に、縫合をほどいて折返し線による折返しを広げた状態のタック面部30を示す。
また、図5(a)、図6中、エアバッグ10の外殻部11が膨張展開することによる展開方向を基布面に投影した方向を矢印Aで示す。矢印Aにより示される方向は、車種によるインストルメントパネル71の設計等にもよるが、多くの場合、矢印Bで示す車幅方向Bと垂直な方向となる。このため、図5(a)、図6中、矢印方向A,Bを直交させて示す。
図1に示すようなエアバッグ10の例では、エアバッグ10の膨張展開の際、外殻部11は展開初期として斜め上方に向かい、それからフロントガラス4に沿って後方に展開し、後方すなわち正面側にのびきった後、下降する挙動を示す。
こうした展開挙動は一般にケース体62の平面方向の中心から放射方向の平面に沿ったものとなり、車幅方向における展開挙動の向きは大きくは変化しないため、矢印方向Aは展開初期の展開方向を基準とし、その展開方向をタック面部30に投影したものとして示し、実質的に一定方向として説明する。
タック面部30は、平面上に広げた状態では図6に示すような略台形状の1枚の基布であり、矢印方向Aと略平行な複数組の折返し線31,32に沿って折り返され、複数の折り重ね部33が形成される。本実施形態では、矢印方向Aと垂直な方向におけるタック面部30の中央を含む面中央部34から、その垂直な方向における一端側と他端側とにそれぞれ2組ずつの折返し線31,32が配置された例を示す。図4、図6中、矢印方向Aと垂直な方向におけるタック面部30の中央をセンターラインCLで示す。
図4、図6に示すように、折り重ね部33が形成される各組について、第1の折返し線31、第2の折返し線32が設けられ、各第1の折返し線31を所定方向に折返し、各第2の折返し線32を反対方向に折り返すことにより、4個の折り重ね部33が形成される。こうして、面中央部34から矢印方向Aと垂直な方向における一端側と他端側とにそれぞれ2つずつの折り重ね部33が、その一端側と他端側とで折り方向が逆になるよう形成され、外殻部11におけるひだ形状の部分を構成する。
各組の折返し線31,32における折り方向としては、面中央部34から、その面中央部34を外殻部11における外側となるよう折返し線31で折返し、さらにその折返し線31から所定長さ離れた位置の折返し線32でその逆方向に折り返す。こうして面中央部34から矢印方向Aと垂直な方向における一端側と他端側とにそれぞれ折り返していくことにより、面中央部34の全体が外殻部11における外側に露出し、その面中央部34から一端側と他端側とに折り重ね部33がそれぞれ2つずつ、折り方向を逆として配置されることになる。
そして、このように折られたタック面部30は、例えば仮縫いなどして形状が保持され、中央基布20に対して外殻部11の内面側から重ねられたうえ、縫製線部21,22で略気密に縫い付けられ、筒状の外殻中央部を構成する。この状態で、各折返し線31,32は、縫製線部21,22と交差するように配置される。図5、図6の例では、各折返し線31,32が縫製線部21,22と垂直に交差する場合について示す。
このため、上述のように面中央部34の全体が外殻部11における外側に露出し、その面中央部34から一端側と他端側とに折り重ね部33がそれぞれ2つずつ、折り方向を逆として配置されるよう形成されたひだ形状が保持される。
各折返し線31,32が矢印方向Aと略平行というのは、平行であることが最も好ましく、車幅方向Bにおけるタック面部30と中央基布20との縫製線部21,22で縫合できる範囲内に各折返し線31,32が収まればよい。図5(a)、図6の例では、各折返し線31,32が矢印方向Aと平行である場合の例について示す。
このため、外部から力が加わっていない状態では、タック面部30は、中央基布20と滑らかに連続した連続面で筒状の外殻中央部を構成する。また、外殻部11の外部から力が加えられた場合、タック面部30は、その加えられた力に応じて押圧された部分が内側に陥没するように容易に変形し、いわば凹状部を形成するようになっている。
次に、エアバッグ装置100の組み立て方法について説明する。
まず、上述のように構成されたエアバッグ10の内側に不図示のリテーナを挿入した状態で、エアバッグ10を所定の形状に折り畳み、必要に応じてラッピング部材などを用いて折り畳み形状を保持する。そして、リテーナに設けたボルトを取付孔に挿入するなどして、エアバッグ10とインフレータ61とをケース体62に固定するとともに、エアバッグ10をケース体62に収納する。そして、このケース体62をインストルメントパネル71に取り付けるとともに、ケース体62上部の突出口をカバー体63で覆い、さらに、インフレータ61と制御装置と接続するなどの必要な配線を行うことにより、自動車にエアバッグ装置100が設置される。
そして、このように構成されたエアバッグ装置100では、自動車に衝突などが発生した場合、図示しない制御装置の衝突検出センサからの信号によりインフレータ61が起動され、このインフレータ61からガスを噴射させる。このガスは、ガス導入口25の部分からエアバッグ10の内部に導入され、外殻部11を膨張展開させる。このことにより、膨張展開した外殻部11がカバー体63を内側から押圧し、このカバー体63を破断予定部に沿って破断して扉状に開き、エアバッグ10の突出口を形成する。続いて、エアバッグ10の外殻部11は、この突出口から突出し、膨張展開する。
そして、外殻部11は膨張展開により、一旦上方に向かい、フロントガラス4に沿って後方に展開し、後方にのびきった後、下降する挙動を示す。
このため、図1に示すように、インストルメントパネル71に極めて近接した位置に配置された保護対象物Dが存在する場合、外殻部11が膨張展開することで、保護対象物Dを上方から下方に向かって押さえるような挙動となる。この場合の保護対象物Dは、例えばチャイルドシートや鉢植えの植物など、助手席に置かれる可能性のある種々のものであってよい。
ここで、外殻部11の外殻中央部における下面側に、ひだ形状が形成されたタック面部30が配置されているため、保護対象物Dはタック面部30に当接する。そして、保護対象物Dがタック面部30における面中央部34に当接すると、タック面部30のひだ形状として形成された折り重ね部33が面中央部34から左右両側にスライドして逃げるように移動してひだ形状が開かれ、面中央部34が外殻部11の内側に移動していく。こうして、タック面部30が内側に容易に陥没し、保護対象物Dの一部を受け入れる凹状部を形成する。
このため、インストルメントパネル71に近接した位置に保護対象物Dが存在する場合であっても、その保護対象物Dに対する衝撃を抑制して保護することができる。
以上のように、上述した本発明の実施形態は、エアバッグ10の外殻部が、筒状の外殻中央部を構成する中央基布20およびタック面部30と、その左右両側に配置された右側基布40、左側基布50で構成された、いわゆる3ピースのエアバッグ構成となっている。このため、比較的自由な立体形状が構成でき、膨張展開における挙動を容易に設計できるようになっている。
また、こうした外殻部11の外殻中央部における下面側にタック面部30によるひだ形状の部分が配置され、内面側から略気密に覆うように他の部分に縫合される。そして、タック面部30におけるひだ形状を形成する各折返し線31,32は、上述した矢印方向Aと略平行な偶数個の折返し線として設けられる。こうして、これらの折返し線31,32で所定回数折り返されることによりひだ形状の部分が形成される。
このため、車幅方向Bにおける外殻中央部の幅に関わらず、タック面部30におけるひだ形状を構成する折返し線の長さMを所望の長さに設計することができる。なお、このひだ形状を構成する折返し線の長さMは、図5に示すように、各折返し線31,32における縫製線部21,22との交点間の距離である。
このように、タック面部30のひだ形状として、ひだ形状を保持する縫製線部21,22間の折返し線の長さMを容易に所望の長さに設計できるため、保護対象物Dの当接などによる外側からの力によりタック面部30が内側に陥没して凹状部を形成した際の凹状部の深さも、容易に設計できることとなる。
すなわち、縫製線部21,22間の折返し線の長さMにより、この折返し線31,32による折り重ね部33が開いてタック面部30が内側に陥没することによる変形深さが定まる。このタック面部30の内側への陥没による凹状部の深さを、車幅方向Bにおける外殻中央部の幅に関わらず設計することができる。上述したいわゆる3ピースのエアバッグ構成では、車幅方向Bにおける外殻中央部の幅は外殻部11の容積に影響しやすいが、本実施形態によれば、この外殻部11の容積に関わらず凹状部の深さを設計することができる。
このため、本実施形態によれば、保護対象物Dが車両の助手席前方のインストルメントパネル71近くに存在するいわゆるアウトオブポジションの場合についても十分な保護性能を確保しつつ、エアバッグ10における設計の自由度を高めることができる。
また、基布を折返し線で折り返して縫い合わせるだけでタック面部30におけるひだ形状を保持して製造できるため、製造コストも抑えることができる。
さらに、折り重ね部33が互いに重ならないように折返し線31,32を配置しているため、縫製線部21,22により縫合する基布の枚数を、多くとも折り重ね部33による2枚と中央基布20の合計3枚とすることができる。このため、縫製作業を容易にすることができる。このため、例えば縫製作業を外注する場合であっても、より低コストな発注先を選択することができ、製造コストをさらに低減することができる。
また、折返し線が車幅方向に形成される従来の構成と比較して、より少ない基布でタック面部30による凹状部の深さを設計できるため、より低コストに製造できる。
また、烏帽子型の袋を立体形成する必要もなく、平面状の基布を折り返しただけのタック面部30により、上述のように設計上の制約を回避できるため、立体的な外殻部を製造するための過大な製造コストを発生させることもなく、設計の自由度を高めることができる。
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、タック面部30におけるひだ形状を形成するための折返し線による折り方は、各折返し線が上述した矢印方向Aと略平行であれば上述した実施形態のものに限定されず、各種のものであってよい。
この折り方としては、例えば図7(a)に示すように、面中央部34を外殻部11における内側に入れるように折返し線31で折返し、その面中央部34から矢印方向Aと垂直な方向における一端側と他端側とにそれぞれ折り返していくことで各折り重ね部33を形成するようにしてもよい。折返し線での折り方向をこのように形成した場合であっても、タック面部30が内側に陥没することによる凹状部の深さを同様に確保することができ、上述した実施形態による各効果を同様に得ることができる。
また、例えば図7(b)に示すように、上述した矢印方向Aと略平行な折返し線31,32による複数の折り重ね部33を、各折返し線31,32での折り方向が同一であるように形成してもよい。折返し線での折り方向をこのように形成した場合であっても、タック面部30が内側に陥没することによる凹状部の深さを同様に確保することができ、上述した実施形態による各効果を同様に得ることができる。
また、各折返し線での折返しにより形成する折り重ね部についても、上述した実施形態の形状に限定されず、例えば折り重ね部の先端部をロール状に形成したり、折り重ね部33の先端部をさらに折り返した補助折り重ね部をさらに形成したりしてもよい。こうした構成であっても、各種形状の折り重ね部を形成する偶数本の折返し線それぞれが上述した矢印方向Aと略平行であれば、上述した実施形態による各効果を同様に得ることができる。
特に、折り重ね部33の先端部をロール状に形成した構成や、折り重ね部の先端部をさらに折り返した補助折り重ね部をさらに形成した構成によれば、折り重ね部の縫製部分の強度をさらに向上できるとともに、タック面部30の内側への陥没による凹状部の深さをより深くすることが容易となる。
また、上述した実施形態では、折り重ね部33を4つ形成した場合の構成例について説明したが、この構成に限定されず、エアバッグ10の外殻部11の大きさなどに応じて、折り重ね部の数は1つ〜3つ、あるいは5つ以上であってもよい。
また、上述した実施形態では、タック面部30が中央基布20とは別布であり、このタック面部30が中央基布20に縫合されて外殻中央部を構成することとして説明したが、この構成に限定されず、タック面部30と中央基布20とによる外殻中央部を1枚の基布で構成してもよい。すなわち、1枚の基布における所定部分をたわませて上述のように折返し線で折り返すことでひだ形状の部分を形成し、縫合によりひだ形状を保持することで、上述したタック面部30としてのひだ形状の部分を含む外殻中央部を構成してもよい。
また、上述した実施形態における外殻部11を構成する外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部は、それぞれさらに分割された構成であってもよい。例えば、中央基布20が複数に分割された構成であってもよく、外殻右側面部が複数の基布から構成されてもよく、外殻左側面部が複数の基布から構成されてもよい。
また、上述した実施形態における外殻部11を備えた構成であれば、エアバッグ10としてさらにテザーベルトや内袋などの構成を備えた場合であっても、本発明は同様に適用することができる。
本発明は、車両の助手席用のインストルメントパネルに備えるエアバッグ装置に適用することができる。
100 エアバッグ装置
10 エアバッグ
11 外殻部
20 中央基布
23 アシストパネル
25 ガス導入口
30 タック面部
31 第1の折返し線
32 第2の折返し線
33 折り重ね部
34 面中央部
40 右側基布
50 左側基布
45,55 ベントホール
21,22,41,51 縫製線部
61 インフレータ
62 ケース体
63 カバー体
71 インストルメントパネル

Claims (5)

  1. ガスが導入されて膨張展開する袋状をなす外殻部を備え、
    前記外殻部は、外殻中央部と、外殻右側面部と、外殻左側面部とを備え、前記外殻中央部と前記外殻右側面部とが結合され、前記外殻中央部と前記外殻左側面部とが結合されて構成され、
    前記外殻中央部は、前記外殻部の膨張展開による展開方向を該外殻中央部の基布面に沿って投影した方向と略平行な折返し線で所定回数折り返されることにより形成されたひだ形状の部分を含むことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記外殻中央部は、中央基布と、前記ひだ形状が形成されたタック面部とを備え、
    前記タック面部は、折返し線で折り返された状態で該折返し線と交差する結合部により前記中央基布に結合され、前記ひだ形状が保持されたことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
  3. 前記タック面部は、前記投影した方向と略平行な偶数個の折返し線により形成される折り重ね部を複数備え、
    該複数の折り重ね部は、前記投影した方向と垂直な方向における前記タック面部の中央を含む面中央部から該垂直な方向における一端側と他端側とにそれぞれ配置され、該一端側と該他端側とで、折返し線による折り方向が逆となるよう形成されたことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
  4. 前記ひだ形状の部分は、前記投影した方向と略平行な偶数個の折返し線により形成される折り重ね部を複数備え、
    該複数の折り重ね部は、各折り重ね部における折返し線での折り方向が同一であるよう形成されたことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグ装置は、車両の助手席前方における所定の設置位置に設置されるよう構成され、
    前記ひだ形状の部分は、前記外殻中央部における下面側に配置されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のエアバッグ装置。
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