JP4516506B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
このエアバッグは、略帯状に裁断された中央基布と、中央基布の両側に縫い合わされた側部基布とで袋状に縫製されている。
側部基布を波形に形成するため、側部基布の形状が複雑になる。このため、波形に裁断された側部基布を中央基布に縫い合わせる作業に手間がかかり、そのことがエアバッグ製造の容易化を図る妨げになっていた。
請求項2に係る発明は、インフレータからエアバッグに高圧ガスを供給し、供給した高圧ガスでエアバッグを乗員側に展開するエアバッグ装置において、前記エアバッグは、乗員を拘束する乗員拘束面のうち、乗員の頭部に対向する部分に、頭部側に突出する頭部用突出部を備え、前記エアバッグは、略帯状に裁断された中央基布の左右に略三角形状に裁断された左側基布及び右側基布を縫製することにより形成され、前記頭部用突出部は、前記中央基布のひだ状に折り曲げた中央部の左縁及び右縁を縫い合わせることで袋状に形成されることを特徴とする。
これにより、エアバッグを手間をかけないで容易に製造することができ、生産性を高めることができる。
特に本発明では、中央基布の左右に略三角形状に裁断された左側基布、右側基布を簡単に縫い合わせ、エアバッグを手間をかけないで容易に製造することができる。
ここで、頭部用突出部や乗員拘束面の拘束力は、頭部用突出部の半径や乗員拘束面の半径に比例する。
よって、エアバッグが高圧ガスで展開した際に、頭部用突出部の端面に作用する拘束力(端面の拘束力)を、乗員拘束面の全体に作用する拘束力(乗員拘束面全体の拘束力)より小さく抑えることができる。
これにより、エアバッグで乗員を拘束する際に、乗員の頭部を軟らかく拘束することができる。
加えて、頭部用突出部を突出することで、頭部用突出部に頭部が当たって押込み(拘束)を開始する位置から、頭部による頭部用突出部の押込みが完了する位置までの拘束ストローク(移動距離)を大きく確保できる。
ここで、頭部による頭部用突出部の押込みが完了する位置とは、衝撃エネルギーが吸収されて頭部が頭部用突出部で拘束された位置をいう。
このように、頭部を迅速に保護するとともに、頭部の拘束ストロークを大きく確保することで、頭部をより一層好適に保護することができる。
これにより、エアバッグを手間をかけないで容易に製造することができ、生産性を高めることができる。
特に本発明では、中央基布の左右に略三角形状に裁断された左側基布、右側基布を簡単に縫い合わせ、且つ頭部用突出部を、中央基布のひだ状に折り曲げた中央部の左縁及び右縁を縫い合わせることで袋状に形成したので、エアバッグを手間をかけないで容易に製造することができ、中央基布に立体織りで頭部用突出部を形成する必要がなく、エアバッグの中央基布を一層簡単に織ることができる。
図1は本発明に係るエアバッグ装置(第1実施の形態)を展開した状態を示す斜視図、図2は第1実施の形態に係るエアバッグ装置を展開した状態を示す平面図である。
車両10は、フロント窓ガラス12の後方にインストルメントパネル14を備え、インストルメントパネル14のうち、助手席用シート16に臨む部位18にエアバッグ装置20を内蔵する。
発生した高圧ガスをインフレータ24からエアバッグ26に供給し、供給した高圧ガスでエアバッグ26が展開を開始する。
展開を開始したエアバッグ26の内圧で蓋体28を開放し、バッグ収納ケース22の開口部22aからエアバッグ26を助手席用シート16の乗員30側に展開する。
そして、展開したエアバッグ26で乗員30を拘束することにより保護する。
このため、エアバッグ装置20に排気機構(図示せず)を備え、この排気機構から高圧ガスを逃がして拘束力を調整する。
具体的には、乗員拘束面32は、緩やかな凸状湾曲に形成された湾曲拘束面36と、この湾曲拘束面36から突出した頭部用突出部34とを備える。
この頭部用突出部34は、湾曲拘束面36から端面34bまでの高さがHとなるように、湾曲拘束面36から頭部31に向けて突出されている。
このエアバッグ26は、略帯状に裁断された中央基布38と、中央基布38の左右側に縫い合わされた左右の側部基布42,44とで袋状に縫製されている。
また、頭部用突出部34や乗員拘束面32の拘束力は、それぞれの半径R1,R2に比例する。
よって、エアバッグ26が高圧ガスで展開した際に、頭部用突出部34(端面34b)の拘束力を、乗員拘束面32全体の拘束力より小さく抑えることができる。
以下、端面34bの拘束力を「端面拘束力」と称する。
また、乗員拘束面32全体の拘束力を「全面拘束力」と称する。
具体的には、端面拘束力をP1、頭部用突出部34の半径をR1、ガス圧力をpとすると、端面拘束力P1は、
P1∝=p×R1 ………(1)
である。
具体的には、全面拘束力をP2、乗員拘束面32の半径をR2、ガス圧力をpとすると、全面拘束力P2は、
P2∝=p×R2 ………(2)
である。
R1<R2
である。
よって、式(1)および式(2)から、端面拘束力P1と全面拘束力P2との関係は、
P1<P2
となる。
中央基布38は、一定の幅で略帯状に裁断され、両端部38a,38bが先端に向けて徐々に幅狭になるように形成されている。この中央基布38は、中央に頭部用突出部34が立体織りで形成されている。
ここで、立体織りとは、中央基布38を織る際に、中央に頭部用突出部34が突出された状態に織ることをいう。
よって、左側部基布42を簡素な形状にすることができる。
よって、右側部基布44を、左側部基布42と同様に、簡素な形状にすることができる。
これにより、中央基布38、左側部基布42および右側部基布44でエアバッグ26(図1、図2参照)が縫製される。
よって、中央基布38の左縁38cに左側部基布42の周縁42aを簡単に縫い合わせることができる。さらに、中央基布38の右縁38dに右側部基布44の周縁44aを簡単に縫い合わせることができる。
これにより、エアバッグ26を手間をかけないで容易に製造することができる。
図4(a),(b)は第1実施の形態に係るエアバッグ装置の頭部用突出部で乗員の頭部を拘束する例を説明する図である。
(a)において、衝突時の衝撃で、インフレータ24からエアバッグ26に高圧ガスを供給し、供給した高圧ガスでエアバッグ26を展開する。
この状態で、頭部用突出部34が湾曲拘束面36から高さHだけ突出し、頭部用突出部34の端面34bがP1に位置する。
乗員30に慣性力が働き、乗員30が車両10の前方に向けて矢印Aの如く移動する。
ここで、頭部用突出部34の端部34aに作用する端面拘束力は、乗員拘束面32の全体に作用する全面拘束力より小さい。
よって、端面34bに当たった頭部31を、頭部用突出部34で軟らかく拘束することができる。
このように、頭部用突出部34を頭部31に近づけることで、頭部用突出部34で頭部31を迅速に保護することができる。
(a)において、頭部31で端面34bを押圧することで、頭部用突出部34が湾曲拘束面36の内側まで押し込まれる。
頭部用突出部34が湾曲拘束面36の内側まで押し込まれ、乗員30の上体46が湾曲拘束面36に当たる。
ここで、図4(a)に示すように、エアバッグ26を展開した際に、頭部用突出部34が湾曲拘束面36から高さHだけ突出し、頭部用突出部34の端面34bがP1に位置する。
このように、拘束ストロークLを大きく確保することで、頭部31を一層好適に保護することができる。
図6は本発明に係るエアバッグ装置(第2実施の形態)を展開した状態を示す斜視図である。
第2実施の形態のエアバッグ装置50は、第1実施の形態のエアバッグ26に代えてエアバッグ52を備えたもので、その他の構成は第1実施の形態のエアバッグ装置20と同様である。
具体的には、乗員拘束面54は、緩やかな凸状湾曲に形成された湾曲拘束面58と、この湾曲拘束面58から突出した頭部用突出部56を備える。
頭部用突出部56は、湾曲拘束面58から端面56bまでの高さがHとなるように、湾曲拘束面58から頭部31(図1参照)に向けて突出されている。
中央基布62は、一定の幅で略帯状に裁断され、両端部62a,62bが先端に向けて徐々に幅狭になるように形成されている。この中央基布62は、中央部62cがひだ(タック)状に折り曲げられている。
この中央基布62の左縁62dに左側部基布42の周縁42aを縫い合わせるとともに、ひだ状に折り曲げた中央部62cの左縁62eを縫い合わせる(図6参照)。
これにより、中央基布62および左右の側部基布42,44でエアバッグ52が縫製される。
このエアバッグ52は、ひだ状に折り曲げた中央部62cの左縁62eを縫い合わせるとともに、中央部62cの右縁62gを縫い合わせることで、中央基布62の中央部62cが袋状に形成される。
これにより、中央基布62の左縁62dに左側部基布42の周縁42aを簡単に縫い合わせることができる。さらに、中央基布62の右縁62fに右側部基布44の周縁44aを簡単に縫い合わせることができる。
加えて、ひだ状に折り曲げた中央部62cの左右の縁62e,62gも簡単に縫い合わせることができる。
これにより、エアバッグ52を手間をかけないで容易に製造することができる。
これにより、袋状の中央部62cが膨張展開して、図6に示す頭部用突出部56が形成される。
加えて、第2実施の形態のエアバッグ装置50によれば、立体織りで頭部用突出部56を形成する必要がない。これにより、エアバッグ52の中央基布62を一層簡単に織ることができる。
Claims (2)
- インフレータからエアバッグに高圧ガスを供給し、供給した高圧ガスでエアバッグを乗員側に展開するエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、乗員を拘束する乗員拘束面のうち、乗員の頭部に対向する部分に、頭部側に突出する頭部用突出部を備え、
前記エアバッグは、略帯状に裁断された中央基布の左右に略三角形状に裁断された左側基布及び右側基布を縫製することにより形成され、
前記頭部用突出部は、突出された状態に織られる立体織りで前記中央基布の中央に形成される、
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - インフレータからエアバッグに高圧ガスを供給し、供給した高圧ガスでエアバッグを乗員側に展開するエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、乗員を拘束する乗員拘束面のうち、乗員の頭部に対向する部分に、頭部側に突出する頭部用突出部を備え、
前記エアバッグは、略帯状に裁断された中央基布の左右に略三角形状に裁断された左側基布及び右側基布を縫製することにより形成され、
前記頭部用突出部は、前記中央基布のひだ状に折り曲げた中央部の左縁及び右縁を縫い合わせることで袋状に形成される、
ことを特徴とするエアバッグ装置。
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