JP2009241642A - エアバッグ及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】助手席乗員用のエアバッグ装置において、インストルメントパネルに近接した障害物への影響を抑制する。エアバッグの製造コストを低減する。
【解決手段】エアバッグ11の外殻部20の下面部22に受入用開口部34を設け、別体のタック面部35で覆う。タック面部35は、タック用基布を2カ所で折り返して第1及び第2の折返部61,62を形成するともとに、両側の側部54を含めて縫合線で受入用開口部34の周囲に縫い付ける。タック面部35は、通常は平面状をなし、インストルメントパネル2に近接した障害物Dが当接した場合には、外殻部20の内側に向かって容易に変形して衝撃を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車両のインストルメントパネルに備えられる助手席乗員用のエアバッグ及びエアバッグ装置に関する。
従来、自動車の助手席の乗員を保護する助手席乗員用のエアバッグ装置が用いられている。このエアバッグ装置は、助手席の乗員に対向するインストルメントパネルに備えられ、箱状のベース体と、このベース体の下側部に収納されたインフレータと、このインフレータの上側に折り畳まれて収納された袋状のエアバッグと、折り畳んだエアバッグを覆うカバー体となどを備えている。そして、このエアバッグ装置は、制御装置が自動車の衝突を検出した状態で、インフレータを起動してエアバッグの内部にガスを導入し、カバー体を押し開きつつエアバッグを助手席に座った乗員の前方に膨張展開させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
一方、今日、インストルメントパネルの近くに幼児用のシートなどの障害物が存在する場合について、エアバッグの展開時にエアバッグからこの障害物に加わる衝撃を抑制する構成が求められている。
この点、例えば、エアバッグの扁平な袋状をなすエアバッグ本体の下面を構成する基布に、別体の烏帽子状のポケット部を縫い付け、このポケット部をエアバッグ本体の内側に突出するように配置した構成が知られている。そして、この構成では、エアバッグの展開時には、インストルメントパネルの近くに存在する障害物をこのポケット部に収納することにより、障害物への衝撃を抑制している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−160600号公報(第2−3頁、図1−図8)
上記従来のように、エアバッグ本体の内側に突出するポケット部を備える構成では、障害物をポケット部に収納することにより衝撃を軽減することが可能になる。しかしながら、エアバッグの展開時に、ポケット部をエアバッグ本体の内側に突出する好ましい位置に安定して展開させるためには、エアバッグ本体の内側でポケット部を所定の形状に折り畳む煩雑な作業が必要となる。さらに、エアバッグの展開時にエアバッグ本体の内側に突出するポケット部には、インフレータから高温高圧のガスが吹き当てられるため、ポケット部に耐熱性を向上するシリコンコートを施すことなどが必要になり、製造コストが上昇する問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、近接した障害物に対して衝撃を軽減できるとともに製造コストを低減できるエアバッグ及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグは、ガスが導入されて膨張展開する袋状をなすとともに障害物の存在が予想される位置に対向して受入用開口部が設けられた外殻部と、前記受入用開口部を覆い、基布を所定方向に偶数回折り返した折返部を備えるとともに、これら折返部の前記所定方向に沿った両側部を前記受入用開口部の縁部に沿って縫着したタック面部とを具備したものである。
そして、この構成では、外殻部にガスが導入されて膨張展開する際に、障害物が存在してタック面部に当接すると、基布を所定方向に複数回折り返した折返部を備えたタック面部が外殻部の内側に向かって容易に変形して受入用開口部から外殻部の内側に受け入れ、障害物に対する衝撃を緩和する。タック面部は両側部が受入用開口部の縁部に沿って縫着されているため、外部から力が加わらない状態では、外殻部の面と連続的な面形状を保持する。そこで、エアバッグの折り畳み作業時などの取り扱いが容易になり、製造コストが低減される。また、タック面部は、障害物がない通常の展開時には、外殻部の内側に突出しないため、外殻部の内側に導入されるガス流に影響を与えず、エアバッグの円滑な展開が容易に可能になるとともに、このガス流により影響を受けることがなく、ガス流に耐える構成を簡略化して製造コストが低減される。
請求項2記載のエアバッグ装置は、車両の座席前方に位置する設置面部内に折り畳んで収納され、ガスが導入されて前記設置面部から座席に着席した乗員側に展開するとともに、基布にて構成された下面部を有し、この下面部に受入用開口部が形成された請求項1記載のエアバッグと、このエアバッグにガスを供給するインフレータとを具備したものである。
そして、この構成では、インフレータからエアバッグにガスを供給すると、外殻部が座席に着席した乗員に対向して膨張展開し、乗員を保護する。設置面部に近接した障害物がある場合には、エアバッグはこの障害物を上側から覆うように展開するが、この状態で、障害物がタック面部に当接して外殻部の内側に受け入れられ、障害物に対する衝撃を緩和する。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項2記載のエアバッグ装置において、前後2カ所に折返部を備え、これら折返部は、前後に対称形状に形成されたものである。
そして、この構成では、タック面部を比較的大きく変形させることが容易になり、障害物に対する衝撃を効果的に緩和する。
請求項4記載のエアバッグ装置は、請求項2記載のエアバッグ装置において、前後に並ぶ複数の折返部を備え、これら折返部は、同じ方向に折り返して形成されたものである。
そして、この構成では、外部から力が加わらない状態で、外殻部の面と連続的な面形状が容易に安定して保持される。
本発明によれば、外殻部にガスが導入されて膨張展開する際に、障害物が存在してタック面部に当接すると、基布を所定方向に偶数回折り返した折返部を備えたタック面部が外殻部の内側に向かって容易に変形して受入用開口部から外殻部の内側に受け入れ、障害物に対する衝撃を緩和できる。タック面部は両側部が受入用開口部の縁部に沿って縫着されているため、外部から力が加わらない状態では、外殻部の面と連続的な面形状を保持できる。そこで、エアバッグの折り畳み作業時などの取り扱いが容易になり、製造コストを低減できる。また、タック面部は、障害物がない通常の展開時には、外殻部の内側に突出しないため、外殻部の内側に導入されるガス流に影響を与えず、エアバッグの円滑な展開を容易できるとともに、このガス流により影響を受けることがなく、ガス流に耐える構成を簡略化して製造コストを低減できる。
以下、本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、車両である自動車の設置面部としてのインストルメントパネル2の内側に配置され、すなわち、被保護物である乗員が着席した助手席の座席3の前方に配置されて、助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成している。なお、以下、前方(図1に示す矢印F方向)、両側方向、及び上下方向などの方向は、それぞれエアバッグ装置1を自動車に取り付けた状態における自動車の直進方向に合わせて説明する。
そして、インストルメントパネル2は、上側から後側すなわち助手席側に向かう滑らかな曲面状などに形成され、このインストルメントパネル2の内側に配置された被取付部材としてのステアリングメンバに、正面側を上方から後方に向けて傾斜した状態でねじ止めなどしてエアバッグ装置1が固定されている。また、このインストルメントパネル2の上方には、前側下方から上側後方に向かって傾斜したウインドシールドとしてのフロントガラス4が位置している。
そして、このエアバッグ装置1は、袋状のエアバッグ11と、ベース体としてのケース体12と、このケース体12に組み合わされる図示しないリテーナ、インフレータ15、及びリッドとも呼ばれるカバー体16などを備えている。
そして、ケース体12は、リアクションカンあるいはリテーナなどとも呼ばれるもので、金属板を折曲しあるいは溶接などして、上側を開口部である突出口とした略箱状に形成されている。そして、このケース体12の内側に、折り畳んだエアバッグ11が収納されている。
また、インフレータ15は、略円柱状あるいは円盤状などをなし、本実施の形態では、点火器及び薬剤を収納した円盤状のインフレータ本体部、このインフレータ本体部の外周部の上部に設けられたガス噴射口、及びコネクタなどを備えた2個のインフレータ15が用いられている。そして、これら2個のインフレータ15がエアバッグ11の内側に上部を挿入した状態で配置され、リテーナを用いてエアバッグ11とともにケース体12の底部に固定されている。
そして、カバー体16は、合成樹脂により、インストルメントパネル2と一体あるいは別体に形成され、ケース体12の突出口12aを覆うようになっている。また、このカバー体16には、他の部分より薄肉で容易に破断する溝状の破断予定部(テアライン)が平面略H字状あるいは略C字状などに形成されている。
また、エアバッグ11は、図1及び図2に示すように、単数あるいは複数の基布を縫い合わせてエアバッグ本体である袋状の外殻部20が構成され、この外殻部20は、基端B側から正面A側に向かう所定方向Cに向かい幅寸法及び厚さ寸法が拡大する。すなわち、このエアバッグ11の外殻部20は、上面部21と、この上面部21の下方に対向する下面部22と、これら上面部21と下面部22との両側部同士を連結する両側一対の側面部24,24と、これら上面部21と下面部22との正面A側を連結する正面部26とを備えている。さらに、基端B側においては、これら上面部21と下面部22とが直接的に接続され、これら上面部21、下面部22、側面部24,24、及び正面部26に囲まれて、外殻部20が構成されている。
そして、このエアバッグ11の外殻部20には、基端Bの近傍の下面部22に位置し、ガス導入部30が設けられ、このガス導入部30には、ガス導入口31と、このガス導入口31を囲む複数の取付孔32が形成されている。なお、このガス導入口31は、2個のインフレータのインフレータ本体部が挿入される2カ所の円孔を連結した形状となっている。さらに、エアバッグ11には、単数あるいは複数の排気口33が形成され、本実施の形態では、各側面部24の上側の基端B寄りの部分にそれぞれ円孔状の排気口33が形成されている。
さらに、このエアバッグ11の外殻部20の下面部22には、ガス導入口31の正面A側に位置し、四角孔状の受入用開口部34が形成され、この受入用開口部34を覆うようにして、タック面部35が設けられている。このタック面部35は、後述するように、基布を複数カ所で折り返した状態で外周部を受入用開口部34の縁部に縫い合わせて形状を保持したもので、外部から力が加わっていない状態では平板状をなすとともに、外部から力が加わった状態では平面の基布よりも容易に変形するようになっている。
次に、このエアバッグ11の構成を説明する。このエアバッグ11は、図1ないし図4に示すように、主として2枚の基布(パネル)を縫い合わせたいわゆる2ピースバッグであり、下側基布36と上側基布37との外周部同士を縫い合わせて袋状に形成されている。
そして、下側基布36は、平面上に広げた状態で、図3に示すように、左右対称形状で、下面部22を構成する下パネル部42と、この下パネル部42の両側に連続し、側面部24の下側部を構成する略三角状の側下パネル部43,43と、下パネル部42の後側に連続し、正面部26の下側部を構成する正面下パネル部44とが1枚の基布で形成されている。そして、この下側基布36の下パネル部42の基端Bの近傍に、ガス導入口31を開口したガス導入部30が形成されているとともに、このガス導入部30の後側に位置して、正面A側に位置し四角孔状の受入用開口部34が形成されている。
また、上側基布37は、平面上に広げた状態で外形形状は下側基布36と同じかほぼ同じ左右対称形状で、上面部21を構成する上パネル部46と、この上パネル部46の両側に連続し、側面部24の上側部を構成する略三角状の側上パネル部47,47と、上パネル部46の後側に連続し、正面部26の上側部を構成する正面上パネル部48とが1枚の基布で形成されている。そして、この上側基布37の側上パネル部47に位置し、排気口33が形成されている。
また、下側基布36及び上側基布37には、必要に応じて、例えば高温のガスに曝される内面に、耐熱性や気密性を向上するコーディングがなされている。さらに、下側基布36及び上側基布37には、例えばガス導入部30の両面に、強度や耐熱性を向上する補助的な基布として、防炎布あるいは補強布などとも呼ばれるアシストパネル49a,49b,49cが重ねて縫い合わされている。
そして、このエアバッグ11の外殻部20は、下側基布36について、各側下パネル部43の正面A側の縁部43aを、正面下パネル部44の両側部を折り返した縁部44aに重ねて糸で縫い合わせ、縫合線50で連結して腕形とする。同様に、上側基布37について、各側上パネル部46の正面A側の縁部を、正面上パネル部48の両側部を折り返した縁部に重ねて糸で縫い合わせ、縫合線50で連結して腕形とする。そして、これら腕形とした下側基布36と上側基布37とについて、対応する外周部、すなわち、下パネル部42の基端Bと上パネル部46の基端B、各側下パネル部43の両側縁43bと各側上パネル部47の両側縁、及び正面下パネル部44の正面A側の折り返した縁部44bと正面上パネル部48の折り返した縁部をそれぞれ糸で縫い合わせ、縫合線51で連結して袋状とする。さらに、適宜ガス導入口31から各基布36,37を引き出して表面と裏面とを反転させることにより、立体形状の外殻部20が構成される。
また、タック面部35は、図5に示すタック用基布52を、所定の形状に折って形状を保持し、受入用開口部34より縦横とも寸法の大きい四角状に形成されている。そして、このタック面部35は、下側基布36の内面側から受入用開口部34を略気密に覆い、両側の側部54を含む外周部を受入用開口部34の縁部を糸で縫い合わせた縫合線55で下側基布36に連結されている。そして、タック用基布52は、平面上に広げた状態で、所定方向Cに沿った方向を長手方向とする略四角状で、所定方向Cの中心線CLを中心として対称に、かつ、この中心線CLと平行に、第1の折り線61a,62a、第2の折り線61b,62b、及び基準線61c,62cが設定され、この実施の形態では、各第1の折り線61a,62aを山折りとし、各第2の折り線61b,62bを谷折りとすることにより、中心線CLを挟んで、第1の折返部61と第2の折返部62とが形成されている。なお、基準線61c,62cは、第1の折り線61a,62aが重ねられる位置であり、各基準線61c,62cより端の側は、耳部64となっている。さらに、タック用基布52の両側の縁部からは、第1の折り線61a,62a、第2の折り線61b,62b、及び基準線61c,62cの位置を示す突片部65が小さく突設されている。
そして、このように折られたタック面部35は、例えば仮縫いなどして形状が保持され、受入用開口部34を覆うように下側基布36の内面側から重ねられたうえ、両側の側部54と前後の耳部64とが二重の環状の縫合線55で下側基布36に略気密に縫い付けられている。すなわち、第1の折返部61と第2の折返部62とは、前後の部分では下側基布36に縫い合わされていないが、所定方向Cに沿った両側の側部54では、下側基布36に縫い合わされており、外部から力が加わっていない状態では、タック面部35は、下側基布36の下パネル部42とほぼ同一面上に位置し、外殻部20の下面部22と滑らかに連続している。一方、エアバッグ11の外殻部20の外部から力が加わった際には、タック面部35は、特に中央部分が内側に凹設されるように容易に変形し、いわばポケット部を形成するようになっている。
そして、エアバッグ装置1の組立については、エアバッグ11の内側にリテーナを挿入した状態で、エアバッグ11を所定の形状に折り畳み、必要に応じてラッピング部材などを用いて折り畳み形状を保持する。そして、リテーナに設けたボルトを取付孔に挿入するなどして、エアバッグ11とインフレータ15とをケース体12に固定するとともに、エアバッグ11をケース体12に収納する。そして、このケース体12をインストルメントパネル2に取り付けるとともに、突出口をカバー体16で覆い、さらに、インフレータ15と制御装置と接続などする必要な配線を行うことにより、自動車にエアバッグ装置1が設置される。
そして、このように構成されたエアバッグ装置1は、自動車の衝突などの際には、図示しない制御装置の衝突検出センサからの信号によりインフレータ15を起動させ、このインフレータ15からガスを噴射させる。すると、このガスは、ガス導入口31の部分からエアバッグ11の内部に導入され、基端B側から正面A側に向かい、すなわち、所定方向Cに沿って供給され、エアバッグ11の外殻部20を膨張展開させる。すると、このエアバッグ11は、カバー体16を内側から押圧し、このカバー体16を破断予定部に沿って破断して扉状に開き、エアバッグ11の突出口を形成する。続いて、エアバッグ11は、この突出口から突出し、膨張展開して、助手席に着席した乗員を拘束し、乗員に加わる衝撃を緩和して保護する。
このエアバッグ11の膨張展開の際、外殻部20は、一端上方に向かい、フロントガラス4に沿って展開し、正面A側にのびきった後、下降する挙動を示す。
そこで、図1(a)に示すように、インストルメントパネル2に近接し、さらには上部がインストルメントパネル2に接触した障害物D、例えば後ろ向きに固定されたチャイルドシートが存在する場合には、エアバッグ11は、この障害物Dを上方から下方に向かって押さえるような挙動となる。
この状態で、エアバッグ11の下面部22には、外殻部20の受入用開口部34を覆ってタック面部35が設けられているため、障害物Dがタック面部35に当接すると、図1(b)及び図2に模式的に示すように、タック面部35が外殻部20の内側に向かって凹設されるように容易に変形し、いわばポケット部を形成し、このポケット部に障害物Dの一部を受け入れ、障害物Dに対する衝撃を抑制し、また、インストルメントパネル2とエアバッグ11との間に障害物Dが挟まれることもなく、障害値を小さくして保護できる。なお、タック面部35は、両側部54が縫合線55で縫い合わされているため、図2に示すように両側にいわゆるまちを有して展開するものではない。
このように、本実施の形態によれば、車両の座席3の前方のインストルメントパネル2に設けられる助手席乗員用のエアバッグ装置1について、エアバッグ11は、障害物Dの存在が予想される位置に対向する外殻部20の下面部22に、受入用開口部34を設けるとともに、この受入用開口部34を覆ってタック面部35を設け、このタック面部35は、タック用基布52を2カ所で2回ずつ折り返して第1及び第2の折返部61,62を形成するとともに、両側の側部54を含めて縫合線55で受入用開口部34の縁部に沿って縫い付けている。
そこで、外殻部20にガスが導入されてエアバッグ11が膨張展開する際に、インストルメントパネル2に近接した障害物Dが存在してタック面部35に当接すると、このタック面部35が外殻部20の内側に向かって容易に変形して障害物Dを受入用開口部34から外殻部20の内側に受け入れ、障害物Dに対する衝撃を緩和できる。
また、タック面部35は、折り返した両側部54が受入用開口部34の縁部に沿って縫着されているため、外部から力が加わらない状態では、平板状の形状が保持され、外殻部20の下面部22と連続的な面形状を保持し、外殻部20の内側に突出しない。そこで、外殻部20の内側に常時突出する袋状の部分を設ける構成に比べ、エアバッグ11の折り畳み作業時などの取り扱いが容易になり、安定した特性を実現しつつ製造コストを低減できる。さらに、このタック面部35は、障害物Dがない通常の展開時には、外殻部20の内側に突出しないため、外殻部20の内側に導入されるガス流に影響を与えず、エアバッグ11の円滑な展開を容易にして本来の乗員拘束性能を維持できるとともに、このガス流により影響を受けることがなく、ガス流に耐えるコーティングなどの構成を簡略化して製造コストを低減できる。
また、タック面部35は、前後2カ所に折返部61,62を対称に設けたため、障害物Dが当接した際に、タック面部35を容易に比較的大きく変形させ、深いポケット部を形成でき、障害物Dに対する衝撃を効果的に緩和できる。また、図4に示すように、各折返部61,62の第2の折り線61b,62b同士が対向するように配置されるため、タック面部35の中央部分に位置する障害物Dを引っ掛けるようにしてタック面部35すなわち受入用開口部34の内側に受け入れ、衝撃を効果的に緩和できる。
さらに、タック面部35は、外殻部20とは別体のタック用基布52で形成され、外殻部20に形成した受入用開口部34を覆うようにして取り付ければ良いため、従来用いていた形状の外殻部20を利用できるともに、折り畳み方法も変更する必要がなく、製造コストを抑制できる。
なお、上記の実施の形態では、タック面部35は、中心線CLに対して2個の折返部61,62を対称に形成したが、この構成に限られず、折返部を構成する折り線の向き、すなわち山折りか谷折りかの設定、折り線同士の間隔、折返部の数などを適宜設定することもできる。
例えば、図6に示すように、前後に並ぶ複数、ここでは2個の折返部61,62を備え、上記の実施の形態とは第2の折返部62の第1の折り線62a及び第2の折り線62bの折りの方向を反対にすることにより、これら折返部61,62を、同じ方向に折り返し、いわば波状としてタック面部35を形成することもできる。
そして、この構成では、外部から力が加わらない状態で、タック面部35の外殻部20の面と連続的な面形状を容易に安定して保持できる。また、3個以上の折返部を並べて配置する場合に、これら折返部を容易にバランス良く配置できる。さらに、エアバッグ11の下面部22と障害物Dとの相対的な移動について、所定方向Cあるいはこの所定方向Cと反対方向のいずれかとなる場合には、折返部の下面の山折りの部分を障害物Dに対向して配置することにより、障害物Dを引っ掛けるようにしてタック面部35すなわち受入用開口部34の内側に受け入れ、衝撃を効果的に緩和できる。
また、たとえば、各折返部について、2回ではなく4回折り返すこともできる。さらに、折返部は、1カ所、あるいは3カ所以上に設けることもできる。
また、エアバッグ11のパネル構成や、インフレータ15の構成は、上記の実施の形態に限られず、他の構成を採ることもできる。
さらに、エアバッグ11は、インストルメントパネル2に設置される助手席乗員用のエアバッグ装置1に限られず、その他の位置に配置されるエアバッグ装置1についても、所定方向に展開して所定の位置の被保護物である乗員を保護するとともに、所定の位置からずれた位置に乗員などの保護すべき障害物が存在する可能性がある場合に、障害物の存在が予想される位置に対向して受入用開口部34及びタック面部35を設けることにより、この障害物を保護することができる。
本発明は、助手席乗員用のインストルメントパネルに備えるエアバッグ装置に適用できる。
本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の一実施の形態を示すエアバッグの展開状態の説明図であり、(a)は障害物がある場合の側方から見た説明図、(b)は下側からみたエアバッグの模式的な斜視図である。 同上エアバッグ装置の前側から見たエアバッグの展開状態の説明図である。 同上エアバッグの下側基布の平面上に広げた状態の平面図である。 同上エアバッグのタック面部の断面図である。 同上エアバッグのタック用基布の平面上に広げた状態の平面図である。 本発明のエアバッグ及びエアバッグ装置の他の実施の形態を示すタック面部の断面図である。
符号の説明
1 エアバッグ装置
2 設置面部としてのインストルメントパネル
3 座席
11 エアバッグ
15 インフレータ
20 外殻部
22 下面部
34 受入用開口部
35 タック面部
54 側部
61 第1の折返部
62 第2の折返部
C 所定方向
D 障害物

Claims (4)

  1. ガスが導入されて膨張展開する袋状をなすとともに障害物の存在が予想される位置に対向して受入用開口部が設けられた外殻部と、
    前記受入用開口部を覆い、基布を所定方向に偶数回折り返した折返部を備えるとともに、これら折返部の前記所定方向に沿った両側部を前記受入用開口部の縁部に沿って縫着したタック面部と
    を具備したことを特徴とするエアバッグ。
  2. 車両の座席前方に位置する設置面部内に折り畳んで収納され、ガスが導入されて前記設置面部から座席に着席した乗員側に展開するとともに、基布にて構成された下面部を有し、この下面部に受入用開口部が形成された請求項1記載のエアバッグと、
    このエアバッグにガスを供給するインフレータと
    を具備したことを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 前後2カ所に折返部を備え、これら折返部は、前後に対称形状に形成された
    ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
  4. 前後に並ぶ複数の折返部を備え、これら折返部は、同じ方向に折り返して形成された
    ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
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