JP2014165331A - アライメント装置およびアライメント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2枚の板状体を高精度に位置合わせすることが可能な技術を提供する。
【解決手段】第1アライメントマークAM1が形成された第1板状体SBと、第2アライメントマークAM2が形成された光透過性を有する第2板状体BLとを、互いに平行に、かつ所定のギャップを隔てて近接対向配置させる。第2板状体BLに対して第1板状体SBとは反対側に、光軸が第2板状体BLの主面に直交するように主撮像手段27を配置する。第2板状体BLに対して第1板状体SBとは反対側から、主撮像手段27の撮像範囲よりも広い撮像範囲を有する副撮像手段25により第1アライメントマークAM1と第2アライメントマークAM2とを同一視野で撮像し、その撮像結果に基づき、第1アライメントマークAM1と第2アライメントマークAM2とが主撮像手段27の撮像範囲に入る位置に第1板状体SBと第2板状体BLとを位置決めする。
【選択図】図19

Description

この発明は、対向配置した2つの板状体の位置合わせを行うアライメント技術に関するものである。
例えば半導体装置や表示装置等の電子デバイスを製造するための要素技術として、ガラス基板や半導体基板などの基板にパターンを担持する担持体を基板に密着させてパターンを転写するものや、所定の機能層を挟んで2枚の基板を貼り合わせるものがある。このように平板状の板状体を対向配置する技術においては、2枚の板状体の相対的な位置合わせが重要となる。この目的のために、2枚の板状体のそれぞれに予めアライメントマークを形成しておき、これらのアライメントマークをカメラ等に撮像手段で撮像することで2枚の板状体の相対位置を検出し位置合わせを行う技術が用いられる。このような目的に適用可能な技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載の技術では、近接対向配置させたウエハとマスクとの位置合わせを行うのに際して、ウエハおよびマスクのそれぞれに形成されたアライメントマークを斜め方向から、つまり撮像光学系の光軸をウエハ主面の法線方向とは異なる方向に設定した状態で撮像する。こうすることで、所定のギャップを隔てて対向するウエハおよびマスクの双方に形成されたアライメントマークのそれぞれを共に合焦範囲に含めて撮像を行うことが可能となり、これによりウエハとマスクとの位置検出精度が高められている。またこの従来技術では、像検出装置(撮像手段)での撮像結果に基づいてウエハおよびマスクの粗い位置合わせを行った後、同じ撮像手段を用いてより高精度の位置合わせが行われる。
特開2004−342642号公報
近年ではデバイスのさらなる薄型化および大型化が求められるとともに、パターンの高精細化も求められている。そのため、基板等の板状体の位置合わせについてもより高い精度を求められるようになってきている。しかしながら、上記従来技術ではそのような要求に応えることが困難な場合がある。すなわち、高精度な位置合わせを可能とするためには撮像手段の分解能を高くする必要があるが、そのようにすると必然的に撮像範囲が狭くなる。一方、撮像手段を粗い位置合わせに用いるためにはより広い撮像範囲が必要であるが、高分解能と広い撮像範囲とを両立させることが難しい。また高分解能で撮像範囲の広い撮像手段を構成するには高コストとなる。
このように相反する要求を満たすためには例えば撮像手段の撮像倍率を可変とすることも考えられるが、これに伴う光軸のずれや画像の歪み等により、位置合わせ精度は必ずしも向上しない。
また、斜め方向から撮像を行う方法では、2枚の板状体のギャップ変動がアライメントマークの相対位置の変動となって現れるため、ギャップ調整の精度が位置合わせの精度に影響を及ぼす。この問題は、特に板状体が薄型、大型になるにつれて顕著となる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、2枚の板状体を高精度に位置合わせすることが可能な技術を提供することを目的とする。
この発明にかかるアライメント装置は、上記目的を達成するため、第1アライメントマークが形成された第1板状体を保持し、前記第1板状体をその主面と平行な方向に移動可能な第1保持手段と、第2アライメントマークが形成された光透過性を有する第2板状体を保持し、前記第1板状体に対して平行に、かつ所定のギャップを隔てて近接対向配置させるとともに、前記第2板状体をその主面と平行な方向に移動可能な第2保持手段と、前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に、光軸が前記第2板状体の主面に直交するように設けられて、前記第1板状体および前記第2板状体を撮像する主撮像手段と、前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に設けられて、前記第1撮像手段の撮像範囲よりも広い撮像範囲で前記第1板状体および前記第2板状体を撮像する副撮像手段とを備え、前記副撮像手段の撮像結果に基づき、前記第1保持手段が、前記第1アライメントマークが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第1板状体を移動位置決めする一方、前記副撮像手段の撮像結果に基づき、前記第2保持手段が、前記第2アライメントマークが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第2板状体を移動位置決めし、さらに、前記主撮像手段の撮像結果に基づき、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方が、前記第1アライメントマークに対する前記第2アライメントマークの相対位置が予め定められた目標位置となるように前記第1板状体と前記第2板状体との相対位置を変化させる。
また、この発明にかかるアライメント方法は、上記目的を達成するため、第1アライメントマークが形成された第1板状体と、第2アライメントマークが形成された光透過性を有する第2板状体とを、互いに平行に、かつ所定のギャップを隔てて近接対向配置させるとともに、前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に、光軸が前記第2板状体の主面に直交するように主撮像手段を配置する配置工程と、前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側から、前記主撮像手段の撮像範囲よりも広い撮像範囲を有する副撮像手段により前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを同一視野で撮像し、その撮像結果に基づき、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第1板状体と前記第2板状体とを位置決めする予備アライメント工程と、前記主撮像手段により前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを同一視野で撮像し、その撮像結果に基づき、前記第1アライメントマークに対する前記第2アライメントマークの相対位置が予め定められた目標位置となるように前記第1板状体と前記第2板状体とを相対移動させる精密アライメント工程とを備えている。
これらの発明では、撮像範囲の広い副撮像手段により撮像された結果に基づき第1板状態および第2板状体が移動されることで、第1および第2アライメントマークが主撮像手段の撮像範囲に位置決めされる。したがって、比較的撮像範囲の狭い主撮像手段でも第1および第2アライメントマークを確実に同一視野で撮像することができる。そして、主撮像手段により撮像された結果に基づき、第1板状体と第2板状体との位置合わせが行われる。主撮像手段はその光軸が第2板状体の主面と直交する方向に設定されているため、ギャップ変動の影響を受けない高精度な位置合わせが可能である。また、主撮像手段の撮像範囲を広くする必要がないので、例えば撮像時の拡大倍率を大きくすることで、第1板状体と第2板状体との間の位置検出精度を向上させることができる。
また、主撮像手段については広い撮像範囲を必要とされない一方、副撮像手段については高い分解能を必要とされず、さらにこれらに撮像範囲や拡大倍率を可変とする構成が必要とされないので、低コストで装置を構成することが可能である。
これらの発明においては、副撮像手段が、その光軸が第2板状体の主面に斜交するように設けられることが好ましい。このようにすると、副撮像手段により見込まれる第2板状体の表面積が、光軸を第2板状体の主面に直交させた場合よりも広くなる。すなわち、副撮像手段の撮像範囲を拡大することが可能である。また、主撮像手段の光軸方向とは異なる方向に光軸を設定することで、主撮像手段と副撮像手段とが互いに干渉することなく撮像を行うことができる。
また、副撮像手段の撮像範囲が、主撮像手段の撮像範囲の少なくとも一部を含むようにしてもよい。主撮像手段の撮像範囲と重複するように副撮像手段の撮像範囲を設定することで、副撮像手段の撮像結果に基づく第1板状体および第2板状体の移動は第1および第2アライメントマークを副撮像手段の撮像範囲内に収めた状態のまま行われることとなるので、移動後の第1板状体および第2板状体の位置の確認が容易となる。
また例えば、主撮像手段が、倍率が固定された拡大光学系を有するものであってもよい。主撮像手段には広い撮像範囲が必要とされないので、拡大光学系を用いて撮像範囲は限定されるが高倍率での撮像を行うことで、第1板状体と第2板状体との相対位置の検出精度を高めて位置合わせ精度を向上させることができる。倍率が固定されることにより、倍率可変の場合に問題となる光軸のずれ等を生じることなく高倍率での撮像が可能である。
また例えば、主撮像手段が、副撮像手段よりも高い分解能を有するものであってもよい。主撮像手段を高分解能とすることで、位置検出精度を高めることができる。一方、副撮像手段には、第1および第2アライメントマークの概略位置を検出可能な程度の分解能があればよく、比較的低分解能の撮像手段を用いて装置コストを低減することができる。
また例えば、副撮像手段の被写界深度が主撮像手段の被写界深度よりも深くして、副撮像手段が第1アライメントマークと第2アライメントマークとをともに合焦範囲に入れて撮像するようにしてもよい。副撮像手段には高い拡大倍率が必要とされないので、比較的深い被写界深度を有する撮像光学系を有するものを用いることができる。したがって、第1板状体と第2板状体とがギャップを隔てて配置されている場合でも、第1アライメントマークと第2アライメントマークとを共に合焦範囲に収めた状態で撮像を行うことが可能となる。そして、このようにすることで、副撮像手段の撮像結果に基づく第1板状体および第2板状体の位置検出精度を向上させることができ、第1および第2アライメントマークをより確実に主撮像手段の撮像範囲に収めることができる。
また例えば、互いに撮像範囲の異なる複数の主撮像手段と、互いに撮像範囲の異なる複数の副撮像手段とが設けられてもよい。このような構成によれば、第1板状体および第2板状体の複数箇所にそれぞれ第1および第2アライメントマークを設けて位置合わせに供することができるので、位置合わせの精度をより向上させることができる。
また例えば、第1板状体および第2板状体の少なくとも一方について、予備アライメント工程と精密アライメント工程との間で移動方向を略同じとしてもよい。第1板状体および第2板状体を移動させるための機構としては種々のものを使用可能であるが、予備アライメント工程において移動対象板状体をある方向に移動させた後、精密アライメント工程においても略同じ方向に移動させることにより、移動機構のバックラッシュに起因する位置決め精度の低下を抑制して、高精度の位置合わせを実現することが可能である。
この発明によれば、第1板状体に形成された第1アライメントマークと第2板状体に形成された第2アライメントマークとを比較的撮像範囲の広い副撮像手段で撮像してこれらをより狭い主撮像手段の撮像範囲に位置決めした上で、光軸を第2板状体の主面と直交させた主撮像手段により第1および第2アライメントマークを撮像することができる。このため、主撮像手段の撮像結果に基づく第1板状体と第2板状体との位置合わせを高精度に行うことが可能である。
この発明にかかるアライメント装置としての機能を有するパターン形成装置の第1実施形態を示す斜視図である。 このパターン形成装置の制御系を示すブロック図である。 下ステージブロックの構造を示す斜視図である。 昇降ハンドユニットの構造を示す図である。 転写ローラユニットの構造を示す図である。 上ステージアセンブリの構造を示す図である。 パターン形成処理を示すフローチャートである。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第1の図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第2の図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第3の図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第4の図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第5の図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第6の図である。 版または基板とブランケットとの位置関係を示す図である。 処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す第7の図である。 アライメント処理の原理を説明するための図である。 第1実施形態におけるプリアライメントの原理を説明する第1の図である。 第1実施形態におけるプリアライメントの原理を説明する第2の図である。 第2実施形態の装置におけるプリアライメント処理を説明する図である。 プリアライメントカメラおよびアライメントカメラの合焦範囲を示す図である。 第2実施形態におけるアライメント処理を示すフローチャートである。 アライメント処理に伴うアライメントマークの移動の態様を例示する図である。
<第1実施形態>
図1はこの発明にかかるアライメント装置としての機能を有するパターン形成装置の第1実施形態を示す斜視図である。また、図2はこのパターン形成装置の制御系を示すブロック図である。なお、図1では、装置の内部構成を示すために外部カバーを除いた状態を示している。各図における方向を統一的に示すために、図1右下に示すようにXYZ直交座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面、Z軸が鉛直軸を表す。より詳しくは、(+Z)方向が鉛直上向き方向を表している。装置から見たときの正面方向は(−Y)方向であり、物品の搬入出を含む外部からの装置へのアクセスはY軸方向に沿ってなされる。
このパターン形成装置1は、メインフレーム2に上ステージブロック4および下ステージブロック6が取り付けられた構造を有している。図1では、各ブロックの区別を明示するために、上ステージブロック4には粗いピッチのドットを、また下ステージブロック6にはより細かいピッチのドットを付している。パターン形成装置1は上記以外に、予め記憶された処理プログラムに従い装置各部を制御して所定の動作を実行する制御ユニット8(図2)を有している。上ステージブロック4および下ステージブロック6の詳細な構成については後に説明することとし、まず装置1の全体構成を説明する。
パターン形成装置1は、下ステージブロック6により保持されたブランケットBLと、上ステージブロック4により保持された版PPまたは基板SBとを互いに当接させることでパターン形成を行う装置である。この装置1によるパターン形成プロセスは、より具体的には以下の通りである。まず、パターン形成材料が一様に塗布されたブランケットBLに対して、形成すべきパターンに対応して作成された版PPを当接させることにより、ブランケットBLに担持された塗布層をパターニングする(パターニング処理)。そして、こうしてパターニングされたブランケットBLと基板SBとを当接させることで、ブランケットBLに担持されたパターンを基板SBに転写する(転写処理)。これにより、基板SBに所望のパターンが形成される。
このように、このパターン形成装置1は基板SBに所定のパターンを形成するパターン形成プロセスにおけるパターニング処理および転写処理の両方に使用することが可能であるが、これらの処理の一方のみを受け持つ態様で用いられてもよい。
パターン形成装置1の下ステージブロック6は、メインフレーム2のベースフレーム21により支持されている。一方、上ステージブロック4は、下ステージブロック6をX方向から挟むようにベースフレーム21から立設されY方向に延びる1対の上ステージ支持フレーム22,23に取り付けられている。
また、メインフレーム2には、装置に搬入される基板SBとブランケットBLとの位置検出を行うためのプリアライメントカメラが取り付けられている。具体的には、Y軸方向に沿って装置に搬入される基板SBのエッジを異なる3か所で検出するための3基の基板用プリアライメントカメラ241,242,243が、上ステージ支持フレーム22,23から立設されたブームにそれぞれ取り付けられている。同様に、Y軸方向に沿って装置に搬入されるブランケットBLのエッジを異なる3か所で検出するための3基のブランケット用プリアライメントカメラ244,245,246が上ステージ支持フレーム22,23から立設されたブームにそれぞれ取り付けられている。なお図1では、上ステージブロック4の背後に位置する1基のブランケット用プリアライメントカメラ246が現れていない。また、図2では基板用プリアライメントカメラを「基板用PAカメラ」と、ブランケット用プリアライメントカメラを「ブランケット用PAカメラ」と、それぞれ略記している。
図3は下ステージブロックの構造を示す斜視図である。下ステージブロック6では、中央部が開口するプレート状のアライメントステージ601の四隅にそれぞれ支柱602が鉛直方向(Z方向)に立設されており、これらの支柱602により、ステージ支持プレート603が支持されている。図示を省略しているが、アライメントステージ601の下部には、鉛直方向Zに延びる回転軸を回転中心とする回転方向(以下、「θ方向」と称する)、X方向およびY方向の3自由度を有する例えばクロスローラベアリング等のアライメントステージ支持機構605(図2)が設けられており、該アライメントステージ支持機構605を介してアライメントステージ601はベースフレーム21に取り付けられている。したがって、アライメントステージ支持機構605の作動によって、アライメントステージ601はベースフレーム21に対してX方向、Y方向およびθ方向に所定の範囲で移動可能である。
ステージ支持プレート603の上部に、上面が略水平面と一致する平面となり中央部に開口窓611が形成された環状矩形の下ステージ61が配置されている。下ステージ61の上面にブランケットBLが載置され、下ステージ61がこれを保持する。
開口窓611の開口サイズについては、ブランケットBLの表面領域のうち、パターン形成領域として有効に機能する中央部の有効領域(図示せず)の平面サイズよりは大きいことが必要である。つまり、ブランケットBLが下ステージ61に載置されたとき、ブランケットBL下面のうち有効領域に対応する領域の全体が開口窓611に臨み、有効領域の下方が完全に開放された状態である必要がある。またパターン形成材料による塗布層は、少なくとも有効領域の全体を覆うように形成される。
下ステージ61の上面61aには、開口窓611の周縁各辺にそれぞれ沿うように複数の溝612が設けられており、各溝612は図示しない制御バルブを介して制御ユニット8の負圧供給部804に接続されている。各溝612は、ブランケットBLの平面サイズよりも小さい平面サイズの領域内に配置されている。そして、図において一点鎖線で示すように、ブランケットBLは、これらの溝612を全て覆うようにして下ステージ61に載置される。またこれを可能とするために、下ステージ上面61aにブランケットBLの位置規制用のストッパ部材613が適宜配置される。
各溝612に負圧が供給されることにより各溝612は真空吸着溝として機能し、こうしてブランケットBLの周縁部の四辺が下ステージ61の上面61aに吸着保持される。真空吸着溝を互いに独立した複数の溝612で構成することにより、何らかの原因で一部の溝において真空破壊が生じても他の溝によるブランケットBLの吸着が維持されるので、ブランケットBLを確実に保持することができる。また、単独の溝を設けた場合よりも強い吸着力でブランケットBLを吸着することができる。
下ステージ61の開口窓611の下方には、ブランケットBLをZ軸方向に上下動させるための昇降ハンドユニット62,63と、ブランケットBLに下方から当接して押し上げる転写ローラユニット64とが設けられている。
図4は昇降ハンドユニットの構造を示す図である。2つの昇降ハンドユニット62,63の構造は同一であるので、ここでは一方の昇降ハンドユニット62の構造について説明する。昇降ハンドユニット62は、ベースフレーム21からZ方向に立設された2本の支柱621,622を有しており、これらの支柱621,622に対してプレート状のスライドベース623が上下動可能に取り付けられている。より具体的には、2本の支柱621,622にはそれぞれ鉛直方向(Z方向)に延びるガイドレール6211,6221が取り付けられており、スライドベース623の背面、つまり(+Y)側主面に取り付けられた図示しないスライダがガイドレール6211,6221に摺動自在に取り付けられる。そして、例えばモータおよびボールねじ機構などの適宜の駆動機構を備える昇降機構624が、制御ユニット8からの制御指令に応じてスライドベース623を上下動させる。
スライドベース623には複数(この例では4本)のハンド625が上下動自在に取り付けられている。各ハンド625の構造は、配設位置に応じてベース部分の形状が異なる点を除いて基本的に同一である。各ハンド625は、スライドベース623の正面、つまり(−Y)側主面に鉛直方向(Z方向)に沿って取り付けられたガイドレール626に対して摺動自在に係合されたスライダ627に固定されている。スライダ627はスライドベース623の背面に取り付けられた例えばロッドレスシリンダなどの適宜の駆動機構を備える昇降機構628に連結されており、該昇降機構628の作動によりスライドベース623に対して上下方向に移動する。各ハンド625にはそれぞれ独立の昇降機構628が設けられており、各ハンド625を個別に上下動させることができる。
つまり、昇降ハンドユニット62では、昇降機構624がスライドベース623を上下動させることで各ハンド625を一体的に昇降させることができるとともに、各昇降機構628が独立して作動することで各ハンド625を個別に昇降させることが可能となっている。
ハンド625の上面625aはY方向を長手方向とする細長い平面状に仕上げられており、該上面625aをブランケットBLの下面に当接させてブランケットBLを支持することができる。また上面625aには、図示しない配管および制御バルブを介して制御ユニット8に設けられた負圧供給部804と連通する吸着孔625bが設けられている。これにより、吸着孔625bには必要に応じて負圧供給部804からの負圧が供給されて、ハンド625の上面625aにブランケットBLを吸着保持することができる。そのため、ハンド625でブランケットBLを支持する際の滑りを防止することができる。
また、吸着孔625bに対しては、図示しない配管および制御バルブを介して制御ユニット8のガス供給部806から適宜の気体、例えば乾燥空気や不活性ガスなどが必要に応じて供給される。すなわち、制御ユニット8により制御される各制御バルブの開閉によって、吸着孔625bには、負圧供給部804からの負圧およびガス供給部806からの気体が選択的に供給される。
ガス供給部806からの気体が吸着孔625bに供給されるとき、吸着孔625bからは少量の気体が吐出される。これによりブランケットBLの下面とハンド上面625aとの間に微小な隙間が形成され、ハンド625はブランケットBLを下方から支持しつつ、ブランケットBL下面からは離間した状態となる。そのため、各ハンド625によりブランケットBLを支持しながら、ブランケットBLを各ハンド625に対して摺擦させることなく水平方向に移動させることができる。なお、気体吐出孔を吸着孔625bとは別にハンド上面625aに設けてもよい。
図3に戻って、下ステージブロック6では、上記のような構成を有する昇降ハンドユニット62,63がハンド625を内向きにしてY方向に向かい合うように対向配置されている。各ハンド625が最も下降した状態では、ハンド上面625aは下ステージ上面61aよりも下方、つまり(−Z)方向に大きく後退した位置にある。一方、各ハンド625が最も上昇した状態では、各ハンド625の先端は下ステージ61の開口窓611から上方へ突き出した状態となり、ハンド上面625aは下ステージ上面61aよりも上方、つまり(+Z)方向に突出した位置まで到達する。
また、上方から見たとき、両昇降ハンドユニット62,63の互いに向かい合うハンド625の先端同士の間には一定の間隔が設けられており、これらが接触することはない。また次に述べるように、この隙間を利用して、転写ローラユニット64がX方向に移動する。
図5は転写ローラユニットの構造を示す図である。転写ローラユニット64は、Y方向に延びる円筒状のローラ部材である転写ローラ641と、該転写ローラ641の下方に沿ってY方向に延びその両端部で転写ローラ641を回転自在に支持する支持フレーム642と、適宜の駆動機構を有し支持フレーム642をZ方向に上下動させる昇降機構644とを有している。転写ローラ641は回転駆動機構と接続されておらず、自由回転する。また、支持フレーム642には、転写ローラ641の表面に下方から当接して転写ローラ641の撓みを防止するバックアップローラ643が設けられている。
Y方向における転写ローラ641の長さは、下ステージ61の開口窓611の四辺のうちY方向に沿った辺の長さ、つまり開口窓611のY方向における開口寸法よりは短く、かつ、後述する上ステージに保持されたときの版PPまたは基板SBのY方向に沿った長さよりは長い。ブランケットBLのうちパターン形成領域として有効な有効領域の長さは当然に版PPまたは基板SBの長さ以下であるから、Y方向において転写ローラ641は有効領域よりも長い。
昇降機構644は、ベース部644aと、該ベース部644aから上方に延びて支持フレーム642のY方向における中央付近に連結された支持脚644bを有している。支持脚644bはモータまたはシリンダ等の適宜の駆動機構によりベース部644aに対して上下動可能となっている。ベース部644aは、X方向に延設されたガイドレール646に対して摺動自在に取り付けられており、さらに例えばモータおよびボールねじ機構などの適宜の駆動機構を備える移動機構647に連結されている。そして、X方向に延設されてベースフレーム21に固定された下部フレーム645の上面に、ガイドレール646が取り付けられている。移動機構647が作動することにより、転写ローラ641、支持フレーム642および昇降機構644が一体的にX方向に走行する。
詳しくは後述するが、このパターン形成装置1では、下ステージ61に保持されたブランケットBLに転写ローラ641を当接させてブランケットBLを部分的に押し上げることにより、上ステージに保持されてブランケットBLに近接対向配置された版PPまたは基板SBにブランケットBLを当接させる。
昇降機構644は、昇降ハンドユニット62,63の互いに向かい合うハンド625が作る隙間を通って走行する。また各ハンド625は、その上面625aが転写ローラユニット64の支持フレーム642の下面より下方まで(−Z)方向に後退可能となっている。したがってこの状態で昇降機構644が走行することで、転写ローラユニット64の支持フレーム642が各ハンド625の上面625aの上方を通過し、転写ローラユニット64とハンド625とが衝突することが回避される。
次に上ステージブロック4の構造について説明する。図1に示すように、上ステージブロック4は、X方向に延びる構造体である上ステージアセンブリ40と、上ステージ支持フレーム22,23からそれぞれ立設されて上ステージアセンブリ40のX方向両端部をそれぞれ支持する1対の支持柱45,46と、例えばモータおよびボールねじ機構などの適宜の駆動機構を備え上ステージアセンブリ40全体をZ方向に昇降移動させる昇降機構47とを備えている。
図6は上ステージアセンブリの構造を示す図である。上ステージアセンブリ40は、下面に版PPまたは基板SBを保持する上ステージ41と、上ステージ41の上部に設けられた補強フレーム42と、補強フレーム42に結合されてX方向に沿って水平に延びる梁状構造体43と、上ステージ41に装着される上部吸着ユニット44とを備えている。図6に示すように、上ステージアセンブリ40はその外形上の中心を含むXZ平面およびYZ平面に対してそれぞれ概ね対称な形状を有している。
上ステージ41は、保持すべき版PPまたは基板SBの平面サイズより少し小さい平板状部材であり、水平姿勢に保持されたその下面41aが版PPまたは基板SBを当接させて保持する保持平面となっている。保持平面は高い平面度が要求されるので、その材料としては石英ガラスまたはステンレス板が好適である。また保持平面には後述する上部吸着ユニット44の吸着パッドを装着するための貫通孔が設けられている。
補強フレーム42は、上ステージ41の上面にZ方向に延設された補強リブの組み合わせからなっており、図に示すように、上ステージ41の撓みを防止してその下面(保持平面)41aの平面度を維持するために、YZ平面と平行な補強リブ421と、XZ平面と平行な補強リブ422とがそれぞれ複数適宜組み合わされている。補強リブ421,422は例えば金属板により構成することができる。
また、梁状構造体43は、複数の金属板を組み合わせて形成されたX方向を長手方向とする構造体であり、その両端部が支持柱45,46に支持されて上下動可能となっている。具体的には、支持柱45,46にはZ方向に延びるガイドレール451,461がそれぞれ設けられる一方、これと対向する梁状構造体43の(+Y)側主面に図示しないスライダが取り付けられており、これらが摺動自在に係合されている。そして、図1に示すように、梁状構造体43と支持柱46とは昇降機構47によって連結されており、昇降機構47が作動することにより、梁状構造体43が水平姿勢を維持したまま鉛直方向(Z方向)に移動する。上ステージ41は補強フレーム42を介して梁状構造体43と一体的に結合されているので、昇降機構47の作動により、上ステージ41が保持平面41aを水平に保ったまま上下動する。
なお、補強フレーム42および梁状構造体43の構造は図示したものに限定されない。ここではYZ平面と平行な板状部材とXZ平面と平行な板状部材とを組み合わせて必要な強度を得ているが、これ以外の形状に板金やアングル部材等を適宜組み合わせてもよい。このような構造とするのは上ステージアセンブリ40を軽量に構成するためである。各部の撓みを低減させるために、上ステージ41の厚みを増したり梁状構造体43を中実体とすることも考えられるが、そのようにすると上ステージアセンブリ40全体の質量が大きくなってしまう。
装置の上部に配置される構造物の重量が大きくなることは、これを支持したり移動させたりするための機構にさらなる強度および耐久性が必要となり、装置全体も非常に大きく重くなってしまう。板材等の組み合わせにより必要な強度を得つつ、構造物全体の軽量化を図ることがより現実的である。
また、補強フレーム42により囲まれた上ステージ41の上部には、1対の上部吸着ユニット44が装着される。一方の上部吸着ユニット44が上方へ取り出された状態が図6上部に示されている。上部吸着ユニット44では、支持フレーム441から下方へ延びる複数のパイプ442の下端に例えばゴム製の吸着パッド443がそれぞれ装着されている。各パイプ442の上端側は図示しない配管および制御バルブを介して制御ユニット8の負圧供給部804に接続されている。支持フレーム441は、補強フレーム42を構成するリブ421,422と干渉しない形状とされる。
支持フレーム441は、1対のスライダ444とこれに係合する1対のガイドレール445を介して、ベースプレート446に対し鉛直方向に移動自在に支持されている。また、ベースプレート446と支持フレーム441とは、例えばモータおよびボールねじ機構などの適宜の駆動機構を有する昇降機構447により結合されている。昇降機構447の作動により、ベースプレート446に対して支持フレーム441が昇降し、これと一体的にパイプ442および吸着パッド443が昇降する。
ベースプレート446が梁状構造体43の側面に固定されることで、上部吸着ユニット44が上ステージ41と一体化される。この状態では、各パイプ442の下端および吸着パッド443は、上ステージ41に設けられた図示しない貫通孔に挿通されている。そして、昇降機構447の作動により、吸着パッド443は、その下面が上ステージ41の下面(保持平面)41aよりも下方まで吐出した吸着位置と、下面が上ステージ41の貫通孔の内部(上方)に退避した退避位置との間で昇降移動する。また吸着パッド443の下面が上ステージ41の保持平面41aとほぼ同一高さに位置決めされたとき、上ステージ41と吸着パッド443とが協働して、版PPまたは基板SBを保持平面41aに保持することができる。
図1に戻って、上記のように構成された上ステージアセンブリ40はベースプレート481上に設けられている。より詳しくは、支持柱45,46がそれぞれベースプレート481に立設されており、該支持柱45,46に対して上ステージアセンブリ40が昇降可能に取り付けられている。ベースプレート481は、上ステージ支持フレーム22,23に取り付けられ例えばクロスローラベアリング等の適宜の可動機構を備える上ステージブロック支持機構482により支持されている。
このため、上ステージアセンブリ40全体が、メインフレーム2に対して水平移動可能となっている。具体的には、ベースプレート481が上ステージブロック支持機構482の作動により水平面、すなわちXY平面内で水平移動する。支持柱45,46のそれぞれに対応して設けられた1対のベースプレート481は互いに独立して移動可能となっており、これらの移動に伴って、上ステージアセンブリ40はメインフレーム2に対してX方向、Y方向およびθ方向に所定の範囲で移動可能である。
上記のように構成されたパターン形成装置1の各部は、制御ユニット8により制御される。図2に示すように、制御ユニット8は、装置全体の動作を司るCPU801と、各部に設けられたモータを制御するモータ制御部802と、各部に設けられた制御バルブ類を制御するバルブ制御部803と、各部に供給する負圧を発生する負圧供給部804とを備えている。なお、外部から供給される負圧を利用可能である場合には制御ユニット8が負圧供給部を備えていなくてもよい。
モータ制御部802は、各機能ブロックに設けられたモータ群を制御することで、装置各部の位置決めや移動を司る。また、バルブ制御部803は、負圧供給部804から各機能ブロックに接続される負圧の配管経路上およびガス供給部806からハンド625に接続される配管経路上に設けられたバルブ群を制御することで、負圧供給による真空吸着の実行およびその解除と、ハンド上面625aからのガス吐出とを司る。
また、この制御ユニット8は、カメラにより撮像された画像に対し画像処理を施す画像処理部805を備えている。画像処理部805は、メインフレーム2に取り付けられた基板用プリアライメントカメラ241〜243およびブランケット用プリアライメントカメラ244〜246により撮像された画像に対して所定の画像処理を行うことで、基板SBおよびブランケットBLの概略位置を検出する。また、後述する精密アライメント用のアライメントカメラ27により撮像された画像に対して所定の画像処理を行うことで、基板SBとブランケットBLとの位置関係をより精密に検出する。CPU801は、これらの位置検出結果に基づいて上ステージブロック支持機構482およびアライメント支持機構605を制御し、上ステージ41に保持された版PPまたは基板SBと下ステージ61に保持されたブランケットBLとの位置合わせ(プリアライメント処理および精密アライメント処理)を行う。
次に、上記のように構成されたパターン形成装置1におけるパターン形成処理について説明する。このパターン形成処理では、上ステージ41に保持された版PPまたは基板SBと、下ステージ61に保持されたブランケットBLとが微小なギャップを隔てて近接対向配置される。そして、転写ローラ641がブランケットBLの下面に当接してブランケットBLを局所的に上方へ押し上げながらブランケットBL下面に沿って移動する。押し上げられたブランケットBLは版PPまたは基板SBとまず局所的に当接し、ローラ移動に伴って当接部分が次第に拡大して最終的には版PPまたは基板SBの全体と当接する。これにより、版PPからブランケットBLへのパターニング、またはブランケットBLから基板SBへのパターン転写が行われる。
図7はパターン形成処理を示すフローチャートである。また、図8ないし図15は処理の各段階における装置各部の位置関係を模式的に示す図である。以下、パターン形成処理における各部の動作を図8ないし図15を参照しつつ説明する。なお、処理の各段階における各部の関係をわかりやすく示すために、当該段階の処理に直接に関係しない構成またはそれに付すべき符号の図示を省略することがある。また、上ステージ41に保持される処理対象物が版PPであるときと基板SBであるときとの間では一部を除いて動作が同じであるため、図を共通として版PPと基板SBとを適宜読み替えることとする。
このパターン形成処理では、初期化されたパターン形成装置1に対して、まず形成すべきパターンに対応する版PPを搬入して上ステージ41にセットし(ステップS101)、次いで、パターン形成材料による一様な塗布層が形成されたブランケットBLを搬入して下ステージ61にセットする(ステップS102)。版PPはパターンに対応する有効面を下向きにして、またブランケットBLは塗布層を上向きにして搬入される。
図8は、版PPまたは基板SBが装置に搬入され上ステージ41にセットされるまでの過程を示している。図8(a)に示すように、初期状態では、上ステージ41が上方に退避して下ステージ61との間隔が大きくなっており、両ステージの間に広い処理空間SPが形成されている。また、各ハンド625は下ステージ61の上面よりも下方に退避している。転写ローラ641は下ステージ61の開口窓611に臨む位置のうち最も(−X)方向に寄った位置で、かつ鉛直方向(Z方向)には下ステージ61の上面よりも下方に退避した位置にある。負圧供給部804に接続される各制御バルブは閉じられている。
この状態で、装置の正面側から、つまり(−Y)方向から(+Y)方向に向かって、外部の版用ハンドHPに載置された版PPが、予めその厚みが計測された上で処理空間SPに搬入される。版用ハンドHPは、オペレータにより手動操作される操作治具であってもよく、また外部の搬送ロボットのハンドであってもよい。このときハンド625および転写ローラ641が下方に退避していることで、搬入作業を容易にすることができる。版PPが所定の位置に位置決めされると、矢印で示すように上ステージ41が降下してくる。
上ステージ41が版PPに近接した所定の位置まで降下すると、図8(b)に示すように、上ステージ41に設けられた吸着パッド443が上ステージ41の下面、つまり保持平面41aよりも下方までせり出してきて、版PPの上面に当接する。吸着パッド443につながる制御バルブが開かれることで、吸着パッド443により版PPの上面が吸着されて版PPが保持される。そして、吸着を継続したまま吸着パッド443を上昇させることで、版PPは版用ハンドHPから持ち上げられる。この時点で版用ハンドHPは装置外へ移動する。
最終的には、図8(c)に示すように、吸着パッド443の下面が保持平面41aと同一高さあるいはそれより僅かに高い位置まで上昇し、これにより版PPの上面が上ステージ41の保持平面41aに密着した状態で保持される。上ステージ41の下面に吸着溝もしくは吸着孔を設け、これらにより、吸着パッド443から受け渡される版PPを吸着保持する構成であってもよい。このようにして版PPの保持が完了する。同様の手順により、基板用ハンドHSにより基板SBを搬入することができる。
図9および図10は、版PPの搬入後、ブランケットBLが搬入されて下ステージ61に保持されるまでの過程を示している。上ステージ41による版PPの保持が完了すると、図9(a)に示すように、上ステージ41を上昇させて再び広い処理空間SPを形成するとともに、各ハンド625を下ステージ61の上面61aよりも上方まで上昇させる。このとき、各ハンド625の上面625aが全て同一高さとなるようにする。
この状態で、図9(b)に示すように、上面にパターニング形成材料による塗布層PTが形成されたブランケットBLが外部のブランケット用ハンドHBに載置されて処理空間SPに搬入されるのを受け付ける。ブランケットBLは搬入に先立ってその厚みが計測される。ブランケット用ハンドHBは、ハンド625と干渉することなくそれらの隙間を通って進入することができるように、Y方向に延びるフィンガーを有するフォーク型のものであることが望ましい。
ブランケット用ハンドHBが進入後降下する、またはハンド625が上昇することによって、ハンド625の上面625aはブランケットBLの下面に当接し、図9(c)に示すように、それ以降ブランケットBLはハンド625により支持される。ハンド625に設けた吸着孔625b(図4)に負圧を供給することで、支持をより確実なものとすることができる。こうしてブランケットBLはブランケット用ハンドHBからハンド625に受け渡され、ブランケット用ハンドHBについては装置外へ排出することができる。
その後、図10(a)に示すように、各ハンド625の上面625aの高さを揃えたままハンド625を降下させ、最終的にはハンド上面625aを下ステージ61の上面61aと同じ高さとする。これにより、ブランケットBL四辺の周縁部が下ステージ61の上面61aに当接する。
このとき、図10(b)に示すように、下ステージ上面61aに設けた真空吸着溝612に負圧を供給して、ブランケットBLを吸着保持する。これに伴い、ハンド625での吸着は解除する。これにより、ブランケットBLは、その四辺の周縁部を下ステージ61により吸着保持された状態となる。図10(b)では、ハンド625による吸着保持を解除したことを明示するためにブランケットBLとハンド625とが離間しているが、実際にはブランケットBLの下面がハンド上面625aに当接した状態が維持される。
仮にこの状態でハンド625を離間させたとすると、ブランケットBLは自重によって中央部が下方へ撓み、全体として下に凸の形状になると考えられる。ハンド625を下ステージ上面61aと同じ高さに維持することによって、このような撓みを抑えてブランケットBLを平面状態に維持することができる。こうして、ブランケットBLはその周縁部が下ステージ61により吸着保持されつつ、中央部についてはハンド625により補助的に支持された状態となって、ブランケットBLの保持が完了する。
版PPとブランケットBLとの搬入順序は上記と逆であっても構わない。ただし、ブランケットBLを搬入した後に版PPを搬入する場合、版PPの搬入時にブランケットBL上に異物が落下してパターン形成材料による塗布層PTを汚染したり欠陥を発生させるおそれがある。上記のように版PPを上ステージ41にセットした後に下ステージ61にブランケットBLをセットすることで、そのような問題を未然に回避することが可能である。
図7に戻って、こうして上下ステージに版PPおよびブランケットBLがそれぞれセットされると、続いて版PPおよびブランケットBLのプリアライメント処理が行われる(ステップS103)。さらに、両者が予め設定されたギャップを隔てて対向するように、ギャップ調整が行われる(ステップS104)。
図11はギャップ調整処理およびアライメント処理の過程を示す図である。このうち図11(c)に示す精密アライメント処理は後述する転写処理のみにおいて必要な処理であるので、これについては後の転写処理の説明において述べる。上記のように版PP、基板SBまたはブランケットBLが外部から搬入されるが、その受け渡しの際に位置ずれが起こり得る。プリアライメント処理は、上ステージ41に保持された版PPまたは基板SBと、下ステージ61に保持されたブランケットBLとのそれぞれを、以後の処理に適した位置に概略位置決めするための処理である。
図11(a)はプリアライメントを実行するための構成の配置を模式的に示す側面図である。前述したように、この実施形態では、装置上部に全部で6基のプリアライメントカメラ241〜246が設けられている。このうち3基のカメラ241〜243は、上ステージ41に保持された版PP(または基板SB)の外縁を検出するための基板用プリアライメントカメラである。また、他の3基のカメラ244〜246は、ブランケットBLの外縁を検出するためのブランケット用プリアライメントカメラである。なお、ここではプリアライメントカメラ241〜243を便宜的に「基板用プリアライメントカメラ」と称しているが、これらは版PPの位置合わせおよび基板SBの位置合わせのいずれにも使用可能なものであり、またその処理内容も同じである。
図1および図11(a)に示すように、基板用プリアライメントカメラ241,242はX方向には略同位置でY方向に互いに位置を異ならせて設置されており、版PPまたは基板SBの(−X)側外縁部を上方からそれぞれ撮像する。上ステージ41は基板SBより少し小さい平面サイズに形成されているため、上ステージ41の端部よりも外側まで延びた版PP(または基板SB)の(−X)側外縁部を上方から撮像することができる。また、図には現れないが、図11(a)紙面の手前側にはもう1基の基板用プリアライメントカメラ243が設けられており、該カメラ243は版PP(または基板SB)の(−Y)側外縁部を上方から撮像する。
一方、ブランケット用プリアライメントカメラ244,246はX方向には略同位置でY方向に互いに位置を異ならせて設置されており、下ステージ61に載置されるブランケットBLの(+X)側外縁部を上方からそれぞれ撮像する。また、図11(a)紙面の手前側にもう1基のブランケット用プリアライメントカメラ245が設けられており、該カメラ245はブランケットBLの(−Y)側外縁部を上方から撮像する。
これらのプリアライメントカメラ241〜246による撮像結果から版PP(または基板SB)およびブランケットBLの位置がそれぞれ把握される。そして、必要に応じて上ステージブロック支持機構482およびアライメントステージ支持機構605が作動することにより、版PP(または基板SB)およびブランケットBLがそれぞれ予め設定された目標位置に位置決めされる。
なお、下ステージ61とともにブランケットBLを水平移動させるとき、図11(a)に示すように、各ハンド625の上面625aとブランケットBLの下面とは僅かに離間させておくことが好ましい。この目的のために、ガス供給部806から供給されるガスをハンド625の吸着孔625bから吐出させておくことができる。これは後述する精密アライメント処理においても同様である。
また、薄型あるいは大型で撓みが生じやすい基板SBについては、取り扱いを容易にするために例えば背面に板状の支持部材を当接させた状態で基板SBが処理に供する場合がある。このような場合、たとえ支持部材が基板SBよりも大型のものであっても、例えば支持部材を透明材料で構成したり、支持部材に部分的に透明な窓または貫通孔を設けるなど、基板SBの外縁部の位置を検出容易な構成としておけば、上記と同様のプリアライメント処理が可能である。
次いで、図11(b)に示すように、ブランケットBLを保持する下ステージ61に対して、版PPを保持する上ステージ41を降下させて、版PPとブランケットBLとの間隔Gを予め定められた設定値に合わせる。このとき、事前に計測された版PPおよびブランケットBLの厚みが考慮される。すなわち、版PPおよびブランケットBLの厚みを加味した上で両者のギャップが所定値になるように、上ステージ41と下ステージ61との間隔が調整される。ここでのギャップ値Gとしては、例えば300μm程度とすることができる。
版PPおよびブランケットBLの厚みについては、製造上の寸法ばらつきによる個体差があるほか、同一部品であっても例えば膨潤による厚みの変化が考えられるので、使用の都度計測されることが望ましい。また、ギャップGについては、版PPの下面とブランケットBLの上面との間で定義されてもよく、また版PPの下面と、ブランケットBLに担持されたパターン形成材料の塗布層PTの上面との間で定義されてもよい。塗布層PTの厚みが塗布段階で厳密に管理されている限り、技術的には等価である。
図7に戻って、こうして版PPとブランケットBLとがギャップGを隔てて対向配置されると、続いて転写ローラ641をブランケットBLの下面に当接させつつX方向に走行させることで、版PPとブランケットBLとを当接させる。これによりブランケットBL上のパターン形成材料の塗布層PTを版PPによりパターニングする(パターニング処理;ステップS105)。
図12はパターニング処理の過程を示している。具体的には、図12(a)に示すように、転写ローラ641をブランケットBLの直下位置まで上昇させるとともに、X方向には転写ローラ641の中心線が版PPの端部と略同じ位置、またはこれよりも(−X)方向に僅かに外れた位置に、転写ローラ641を配置する。この状態で、図12(b)に示すように、転写ローラ641をさらに上昇させてブランケットBLの下面に当接させ、該当接された位置のブランケットBLを局所的に上方に押し上げる。これにより、ブランケットBL(より厳密にはブランケットBLに担持されたパターン形成材料の塗布層PT)が所定の押圧力で版PPの下面に押圧される。転写ローラ641はY方向において版PP(および有効領域)より長いので、版PPの下面のうちY方向における一方端から他方端に至るY方向に沿った細長い領域がブランケットBLと当接する。
こうして転写ローラ641がブランケットBLを押圧した状態のまま昇降機構644が(+X)方向に向けて走行することで、ブランケットBLの押し上げ位置を(+X)方向に移動させる。このときハンド625が転写ローラ641と接触するのを防止するため、図12(c)に示すように、転写ローラ641とのX方向距離が所定値以下となったハンド625については少なくとも当該ハンド625の上面625aが支持フレーム642の下面より低い位置となるまで下方に退避させる。
ハンド625による吸着は既に解除されているので、ハンド625の降下とともにブランケットBLが下方へ引き下げられることはない。また、降下を開始するタイミングを転写ローラ641の走行に同期して適宜に管理することで、ハンド625による支持を失ったブランケットBLが自重で下方へ垂れ下がることも防止することが可能である。
図13は転写ローラ641の走行過程を示している。いったん当接した版PPとブランケットBLとはパターン形成材料の塗布層PTを介して密着した状態が維持されるので、図13(a)に示すように、転写ローラ641の走行に伴って版PPとブランケットBLとが密着した領域が次第に(+X)方向に拡大してゆく。この際、同図に示すように、転写ローラ641が接近するにつれてハンド625を順次降下させる。
こうして最終的には、図13(b)に示すように、全てのハンド625が降下し、転写ローラ641が下ステージ61下方の(+X)側端部近傍まで到達する。この時点で転写ローラ641は版PPの(+X)側端部の略直下またはこれより僅かに(+X)側の位置に到達しており、版PPの下面全てがブランケットBL上の塗布層PTに当接される。
転写ローラ641が一定の高さを維持して走行する間、ブランケットBL下面のうち転写ローラ641により押圧される領域の面積は一定である。したがって、昇降機構644が一定の荷重を与えながら転写ローラ641をブランケットBLに押し付けることによって、版PPとブランケットBLとは間にパターン形成材料の塗布層PTを挟みながら一定の押圧力で互いに押圧されることになる。これにより、版PPからブランケットBLへのパターニングを良好に行うことができる。
なお、パターニングに際しては、版PPの表面領域の全体が有効に利用できることが理想的であるが、版PPの周縁部には傷や搬送時のハンドとの接触等により有効利用できない領域が不可避的に生じる。図13(b)に示すように、版PPの端部領域を除外した中央部分を版として有効に機能する有効領域ARとしたとき、少なくとも有効領域AR内では転写ローラ641の押圧力および走行速度が一定であることが望ましい。このためには、転写ローラ641のY方向長さが同方向における有効領域ARの長さよりも長い必要がある。またX方向においては、(−X)方向における有効領域ARの端部よりも(−X)側位置から転写ローラ641の走行を開始し、少なくとも(+X)方向における有効領域ARの端部に到達するまでは一定速度を維持することが望ましい。版PPの有効領域ARと対向するブランケットBLの表面領域が、ブランケットBL側の有効領域となる。
図14は版または基板とブランケットとの位置関係を示している。より具体的には、この図は版PPまたは基板SBがブランケットBLに当接するときの位置関係を上方から見た平面図である。図に示すように、ブランケットBLは版PPまたは基板SBよりも大きな平面サイズを有している。ブランケットBLのうち図においてドットを付した周縁部に近い領域R1は、下ステージ61に保持されるときに下ステージ上面61aに当接する領域である。これより内側の領域については下面が開放された状態で、ブランケットBLは下ステージ61に保持される。
版PPと基板SBとはほぼ同じサイズであり、これらは下ステージ61の開口窓サイズよりも小さい。また、実際のパターン形成に有効に使用される有効領域ARは、版PPまたは基板SBのサイズよりも小さい。したがって、ブランケットBLのうち有効領域ARに対応する領域は下面が開放されて下ステージ61の開口窓611に臨んだ状態である。
ハッチングを付した領域R2は、ブランケットBL下面のうち転写ローラ641によって同時に押圧を受ける領域(押圧領域)を示している。押圧領域R2は、ローラ延設方向、つまりY方向に延びる細長い領域であり、そのY方向における両端部は版PPまたは基板SBの端部よりも外側までそれぞれ延びている。したがって、ブランケットBL下面と平行な状態で転写ローラ641がブランケットBLを押圧するとき、その押圧力は、Y方向における有効領域ARの一方端部から他方端部までの間でY方向に一様である。
こうしてY方向に一様な押圧力を有効領域ARに与えながら転写ローラ641がX方向に移動することで、有効領域AR内の全体で、版PPまたは基板SBとブランケットBLとが一様な押圧力で互いに押圧されることになる。これにより、不均一な押圧に起因するパターン損傷を防止して良質なパターンを形成することが可能となる。
こうして転写ローラ641が(+X)側端部まで到達すると、転写ローラ641の走行を停止するとともに、図13(c)に示すように転写ローラ641を下方へ退避させる。これにより、転写ローラ641はブランケットBL下面から離間してパターニング処理が終了する。
図7に戻って、こうしてパターニング処理が終了すると版PPおよびブランケットBLの搬出が行われる(ステップS106)。図15は版およびブランケットの搬出の過程を示している。まず、図15(a)に示すように、パターニング処理時に降下していた各ハンド625を再び上昇させて、上面625aが下ステージ61の上面61aと同一高さとなる位置に位置決めする。この状態で、上ステージ41の吸着パッド443による版PPの吸着(吸着溝または吸着孔による吸着保持の場合は、それらによる吸着)を解除する。これにより上ステージ41による版PPの保持が解除され、版PPとブランケットBLとがパターン形成材料の塗布層PTを介して一体化された積層体が下ステージ61上に残される。積層体の中央部についてはハンド625により支持される。
続いて、図15(b)に示すように、上ステージ41を上昇させて広い処理空間SPを形成し、下ステージ61の溝612による吸着を解除するとともに、ハンド625をさらに上昇させて下ステージ61よりも上方へ移動させる。このときハンド625により積層体を吸着保持することが好ましい。
こうすることで外部からのアクセスが可能となる。そこで、図15(c)に示すように、ブランケット用ハンドHBを外部から受け入れて、搬入時とは逆の動作をすることで、版PPを密着させた状態のブランケットBLが外部へ搬出される。こうして密着した版PPをブランケットBLから適宜の剥離手段によって剥離すれば、ブランケットBL上に所定のパターンが形成される。
次に、ブランケットBLに形成されたパターンをその最終的な目的物である基板SBに転写する場合について説明する。その工程は基本的にパターニング処理の場合と同じである。すなわち、図7に示すように、まず基板SBを上ステージ41にセットし(ステップS107)、次いでパターン形成済みのブランケットBLを下ステージ61にセットする(ステップS108)。そして、基板SBとブランケットBLとのプリアライメント処理およびギャップ調整を行った後(ステップS109、S110)、ブランケットBL下部で転写ローラ641を走行させることで、ブランケットBL上のパターンを基板SBに転写する(転写処理;ステップS112)。転写終了後は、一体化されたブランケットBLと基板SBとを搬出して処理は終了する(ステップS113)。これら一連の動作も、図8ないし図15に示したものと同じである。なお、これらの図において版PPを基板SBと読み替えるとき、符号PTはパターニング処理後のパターンを意味するものとする。
ただし、転写処理においては、基板SBの所定位置にパターンを適正に転写するために、基板SBとブランケットBLとを当接させる前に両者のより精密な位置合わせ(精密アライメント処理)を実行する(ステップS111)。図11(c)がその過程を示している。
図1では記載を省略したが、このパターン形成装置1には、ベースフレーム21から(+Z)方向に立設された支持柱に支持された精密アライメントカメラ27が設けられている。精密アライメントカメラ27は、下ステージ61の開口窓611を通して基板SBの四隅をそれぞれ撮像するように、その光軸を鉛直上向きにして計4基設けられている。
基板SBの四隅には予め位置基準となるアライメントマーク(基板側アライメントマーク)が形成される一方、ブランケットBLのこれと対応する位置には、版PPによりパターニングされるパターンの一部としてブランケット側アライメントマークが形成されている。これらを精密アライメントカメラ27の同一視野で撮像し、それらの位置関係を検出することで両者の位置ずれ量を求め、これを補正するようなブランケットBLの移動量を求める。アライメントステージ支持機構605により、求められた移動量だけアライメントステージ601を移動させることで、下ステージ61が水平面内で移動し、基板SBとブランケットBLとの位置ずれが補正される。
基板SBとブランケットBLとを微小なギャップGを隔てて対向させた状態で、かつそれぞれに形成されたアライメントマークを同一カメラで撮像することで、基板SBとブランケットBLとの高精度な位置合わせを行うことができる。この意味において、上記アライメント処理は、基板SBおよびブランケットBLを個別に撮像して位置調整を行う場合に比べてより高精度な精密アライメント処理ということができる。その状態から両者を当接させることで、この実施形態では、基板SBの所定位置に高精度に位置合わせされたパターンを形成することが可能である。そして、基板SBおよびブランケットBLのプリアライメント処理を予め行っておくことにより、基板SBおよびブランケットBLにそれぞれ形成されたアライメントマークを精密アライメントカメラ27の視野内に位置決めすることができる。
なお、版PPによるブランケットBLへのパターン形成の際には、必ずしもそのように精密なアライメント処理を要しない。というのは、ブランケット側アライメントマークがパターンと一緒に予め版PPに作り込まれることで、ブランケットBL上に形成されるパターンとブランケット側アライメントマークとの間での位置ずれが生じることはなく、ブランケット側アライメントマークと基板側アライメントマークとで精密アライメントがなされる限り、版PPとブランケットBLとの多少の位置ずれはパターン形成に影響しないからである。この点から、パターニング処理においてはプリアライメント処理のみが実行される。
アライメント処理についてより詳しく説明する。上記したように、この実施形態では、基板SBとブランケットBLとを微小なギャップG(例えば、G=300μm)を隔てて対向させた状態で、両者間のアライメント調整、つまり相対的な位置合わせを行うことが可能である。このため、基板SBとブランケットBLとを極めて高い位置精度(例えば、±3μm程度)で位置合わせすることが可能である。
図16はアライメント処理の原理を説明するための図である。図16(a)に示すように、上ステージ41に保持された基板SBの下面、すなわちパターンの被転写面の四隅に近い位置には、位置基準となる適宜の形状のアライメントマーク(基板側アライメントマーク)AM1が予め形成されている。一方、下ステージ61に保持されたブランケットBLの上面、すなわちパターン担持面には、パターン形成材料により適宜の形状のアライメントマーク(ブランケット側アライメントマーク)AM2が形成されている。より詳しくは、予め版PPに、形成すべきパターンとともにアライメントマークAM2が作り込まれており、ブランケットBL上のパターン形成材料による塗布層PTを版PPによりパターニングした際に、パターンとともにアライメントマークAM2がブランケットBL上に形成される。
したがって、パターニング後のブランケットBL上では、基板SBに転写すべきパターンとアライメントマークAM2とが形成され、それらの間の位置関係は固定されている。そのため、基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2との位置合わせを行うことで、間接的に基板SBとこれに転写すべきパターンとの相対位置が正しく規定されることになる。
具体的には、図16(a)に示すように、下ステージ61の開口部611の内側でブランケットBLの下方に配置したアライメントカメラ27により、ブランケットBLの上面に形成されたブランケット側アライメントマークAM2と、基板SBの下面に形成された基板側アライメントマークAM1とをブランケットBLを介して撮像する。ブランケットBLは例えば石英ガラスを主材料とするものであり光透過性を有する。このとき、図16(b)に示すように、同一の視野FV内に両アライメントマークAM1,AM2が含まれるようにする。
撮像された画像は制御ユニット8の画像処理部805で画像処理されて、両アライメントマークAM1,AM2の相対位置が検出される。図16(b)に示すように、両アライメントマークAM1,AM2の形状を互いに異なるものとしておくことでそれらの識別が容易となる。また両アライメントマークAM1,AM2を同一視野FVに収めた画像内で位置検出を行うことで、両アライメントマークAM1,AM2間の相対位置を高精度に求めることが可能となる。基板SBの四隅にそれぞれ設けられたアライメントマークについてこのような撮像および位置検出が行われることにより、基板SBとブランケットBLとの間の位置ずれ量が求められる。なお、原理的には基板SBおよびブランケットBLそれぞれ1箇所ずつのアライメントマークを用いて位置合わせは可能であるが、少なくともそれぞれ2箇所以上にアライメントマークを形成しそれを撮像して位置合わせを行うことで、より高精度な位置合わせが可能となる。
求められた位置ずれ量をキャンセルするように、アライメントステージ支持機構605がアライメントステージ601(図3)を水平面内で移動させる。これにより、下ステージ61がXYθ方向に必要量だけ水平移動し、基板SBとブランケットBL(より正確にはブランケットBL上のパターン)との精密な位置合わせが実現される。
このような精密アライメントを高精度に行うためにはアライメントマークの位置検出における分解能を高くする必要があり、そのためには比較的高倍率での撮像を行う必要がある。高倍率の撮像では視野FVが狭くなるので、基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2とを同一視野内に収めるためには、精密アライメントに先立って基板SBとブランケットBLとの相対位置をある程度(例えば数十μm程度の位置精度で)合わせておく必要が生じる。
しかしながら、装置外部からの基板SBおよびブランケットBLの受け渡し時点でそのような位置精度を実現することは容易ではなく、たとえ図3に示したようにストッパ部材613を設けて位置規制したとしても、例えば各部材の寸法ばらつきに起因して、必要な位置精度には達しないことがある。特に基板SBやブランケットBLが大型になるとこれらが撓みやすくなり寸法ばらつきも大きくなる一方で重量が増加するため、機械的な突き当てによる位置規制には精度の面で限界がある。
このような比較的粗い位置合わせに使用する目的でアライメントカメラ27の倍率および視野FVを可変とすることは、精密アライメント用の撮像時の撮像位置精度を却って低下させる原因となり得るため好ましくない。というのは、倍率可変とすることで、光学系の光軸ずれ、高倍率時の光量不足および画像歪み等が生じやすくなるからである。そこでこの実施形態では、精密アライメントに先立ってプリアライメントを実行することで、両アライメントマークAM1,AM2がアライメントカメラ27の同一視野に収まる程度まで基板SBとブランケットBLとの相対位置を合わせている。アライメントカメラ27の撮像光学系については、倍率および視野FVが一定とされる。
図17および図18はこの実施形態におけるプリアライメントの原理を説明するための図である。より詳しくは、図17はプリアライメントカメラによるブランケットBLの撮像範囲を示す図であり、図18はプリアライメントカメラにより撮像された画像に基づく位置合わせの原理を説明する図である。
前述したように、この実施形態では、装置上部に全部で6基のプリアライメントカメラ241〜246が設けられている。このうち3基のカメラ241〜243は、基板SBの外縁を検出するための基板用プリアライメントカメラである。また、他の3基のカメラ244〜246は、ブランケットBLの外縁を検出するためのブランケット用プリアライメントカメラである。これらのカメラは精密アライメント用のアライメントカメラ27よりも低倍率のものであってよく、こうすることで広い視野を確保することができる。また分解能についてもより低いものであってよく、これにより装置コストの上昇を抑えることができる。
基板用プリアライメントカメラ241〜243による基板SBの位置検出およびそれに基づく位置合わせと、ブランケット用プリアライメントカメラ244〜246によるブランケットBLの位置検出およびそれに基づく位置合わせとは原理的には同じである。以下では、ブランケット用プリアライメントカメラ244〜246の撮像結果に基づくブランケットBLの位置合わせを例に取ってその原理を説明する。
図17に示すように、ブランケット用プリアライメントカメラ244〜246は、ブランケットBLの四辺のうち(+X)側の外縁の2箇所と、(+Y)側の外縁の1箇所とをそれぞれ撮像する。図において、領域IR1、IR2およびIR3はそれぞれ、カメラ246、244および245による撮像範囲を示している。ブランケットBLの角部に近い外縁をそれぞれ撮像することで、位置合わせ精度を高めることが可能である。
ブランケットBLの外縁をなす四辺のうち、互いに平行でない2つの辺の一部をそれぞれ撮像することで、X方向およびY方向の2次元におけるブランケットBLの位置ずれ量を独立に求めることが可能である。また、同一辺または互いに平行な辺において2箇所以上を撮像することにより、θ方向におけるブランケットBLの傾き量を求めることができる。
図18(a)においては撮像範囲IR1,IR2のX方向位置が僅かに異なっている。これは部品の寸法精度等に起因して各カメラの取り付け位置ずれが生じる可能性があることを想定したものであり、このようなカメラ間の若干の位置ずれを含んだ状態でもブランケットの位置合わせが可能であることを示すために、このような図示としている。
撮像結果に基づく位置合わせの原理について、図18を参照して説明する。まず、位置ずれのない設計上の理想位置(目標位置)にあるブランケットBLiを仮定し、図18(a)に示すように、このようなブランケットBLiを各カメラ244〜246で撮像した場合のブランケット端部の位置を基準値として登録しておく。具体的には、カメラ246による撮像範囲IR1の端からブランケットBLiの(+X)側端部までのX方向距離X10と、カメラ244による撮像範囲IR2における該撮像範囲IR2の端からブランケットBLiの(+X)側端部までのX方向距離X20と、カメラ245による撮像範囲IR3の端からブランケットBLiの(+Y)側端部までのY方向距離Y30とを基準値として登録しておく。基準値の登録は、各カメラの位置が変更されない限り更新する必要はない。
次に、実際にブランケットBLが搬入された状態でブランケット用プリアライメントカメラ244〜246によりブランケットBLの端部をそれぞれ撮像する。図18(b)はその一例を示しており、一般的にはこのように理想位置からずれた状態でブランケットBLが下ステージ61に載置される。このときの、カメラ246による撮像範囲IR1の端からブランケットBLの(+X)側端部までのX方向距離X11と、カメラ244による撮像範囲IR2における該撮像範囲IR2の端からブランケットBLの(+X)側端部までのX方向距離X21と、カメラ245による撮像範囲IR3の端からブランケットBLの(+Y)側端部までのY方向距離Y31とを求めておく。
ブランケットBLに位置ずれがなければ、これらの値X11,X21,Y31はそれぞれ基準値X10,X20,Y30と一致するが、一般的には異なる値となる。その値の基準値からの差が、ブランケットBLのずれ量の大きさを表す。すなわち、値Y31と値Y30との差はブランケットBLのY方向における位置ずれ量に対応する。また値X11と値X10との差、および値X21と値X20との差はいずれもブランケットBLのX方向における位置ずれ量に対応する。さらに、値(X20−X10)と値(X21−X11)との差は、Z軸周り、すなわちθ方向におけるブランケットBLの位置ずれ量(傾き)に対応する。このように理想状態におけるブランケット外縁位置を基準値として登録しておきそこからの相対的な位置ずれ量を求めることで、各カメラの絶対的な位置については精度が必要とされない。すなわち、カメラの取り付け位置が厳しく管理される必要はなく、搬入の都度位置がばらつくブランケットBLの外縁を安定的に視野に収めることができる程度の位置精度があればよい。
これらの値から、ブランケットBLの理想位置からの位置ずれ量がX方向、Y方向およびθ方向のそれぞれで求められ、この位置ずれを解消するようなブランケットBLの水平移動量を求めてブランケットBLを移動させることで、ブランケットBLの位置合わせを行うことができる。ブランケットBLが理想位置に位置決めされるまで、位置検出および移動を繰り返し行ってもよい。上ステージ41に保持される基板SBまたは版PPについても、同様にして位置決めを行うことができる。
プリアライメントカメラにより撮像される低倍率の画像に基づく位置合わせでは最終的に必要な位置精度を得ることはできないとしても、少なくとも基板側、ブランケット側両アライメントマークをアライメントカメラ27の同一視野FV内に収める程度の位置合わせは上記方法により十分実現可能である。言い換えれば、少なくとも基板側、ブランケット側両アライメントマークをアライメントカメラ27の同一視野FV内に収まるようにブランケットBLおよび基板SBの理想位置(目標位置)が予め設定された上で、上記したプリアライメント処理が行われる。
なお、プリアライメントカメラの撮像結果に基づく基板SBまたはブランケットBLの移動については、版PP(または基板SB)およびブランケットBLの搬入後で精密アライメントよりも前であれば任意のタイミングで実行することが可能である。この実施形態では、版PP(または基板SB)とブランケットBLとが搬入された後、ギャップ調整が行われる前にプリアライメント処理が実行される。これは、基板用プリアライメントカメラ241〜243により版PPまたは基板SBの端部を検出する際に、背後の近接位置にブランケットBLが存在することで外乱となることを防止するためである。一方、版PP(または基板SB)とブランケットBLとの間のギャップ調整を実行した後にプリアライメント処理を行うと、ギャップを変化させる際に生じ得る水平方向の位置ずれをより確実に防止することが可能である。
プリアライメントのための基板SBの移動については、上ステージブロック支持機構482が上ステージアセンブリ40を移動させて、基板SBを保持する上ステージ41を水平移動させることにより行う。一方、ブランケットBLの移動については、アライメントステージ支持機構605がアライメントステージ601を移動させて、ブランケットBLを保持する下ステージ61を水平移動させることにより行う。このとき、図11(a)に示したように、各ハンド625の上面625aがブランケットBLの下面から離間していることが好ましい。この実施形態では昇降ハンドユニット62,63がベースフレーム21に固定されており、アライメントステージ支持機構605の作動によりアライメントステージ601が水平移動する際、各ハンド625はこれと連動しないからである。
ただし、この目的のために各ハンド625を下降させると、ブランケットBLもこれに伴って下方へ撓んでしまうことがある。各ハンド625の鉛直方向位置を維持したままハンド上面625aの吸着孔625bから気体を吐出させるようにすれば、ブランケットBLの水平姿勢を維持しつつ、ブランケットBLとハンド上面625aとの間に微小な隙間を作ることができる。これにより、ブランケットBLの移動時にハンド625と摺擦することが回避される。ブランケットBLを下ステージ61に吸着保持した状態を維持することで、下ステージ61に対するブランケットBLの変位は防止される。図11(c)に示したように、精密アライメントにおけるブランケットBLの移動時にも同様にすることができる。
基板SBまたはブランケットBLを単体で移動させるのではなく、これらを上ステージ41または下ステージ61に保持した状態でステージとともに移動させることにより、これらの姿勢を維持したまま移動させることができ、撓みによる位置合わせ精度の低下を防止することが可能である。
ところで、上記実施形態では、基板用プリアライメントカメラ241〜243およびブランケット用プリアライメントカメラ244〜246によりそれぞれ基板SB(または版PP)およびブランケットBLの外縁部をそれぞれ撮像し、その撮像結果に基づいて上ステージ41および下ステージ61を移動させることによりプリアライメント処理を行っている。この場合、基板SBとブランケットBLとの平面サイズが異なることから、基板SBの外縁部とブランケットBLの外縁部とはそれぞれ異なるカメラで撮像する必要があり、カメラの数が多くなっている。これに代えて、例えば以下のようにして、より少ない数のカメラによりプリアライメント処理を実行することも可能である。
<第2実施形態>
この発明にかかるアライメント装置としての機能を有するパターン形成装置の第2実施形態について、以下に説明する。第2実施形態の装置は、プリアライメントカメラの配置およびその撮像結果に基づくプリアライメント処理の原理が第1実施形態と相違する一方、その他の点については第1実施形態と同一構成とすることができる。そこで、ここでは第1実施形態と同一構成については同一の符号を付して説明を省略し、第2実施形態に特有の構成および動作について主に説明する。ただし、アライメントカメラ27の撮像範囲FVについては、プリアライメントカメラの撮像範囲FV2と区別するために符号FV1により表すこととする。
この実施形態のプリアライメント処理では、第1実施形態において行われる基板SBやブランケットBLの外縁部の撮像に代えて、基板SBおよびブランケットBLに形成されたアライメントマーク、より具体的には基板SBに形成された基板側アライメントマークAM1およびブランケットBLに形成されたブランケット側アライメントマークAM2をプリアライメントカメラにより撮像する。そして、その撮像結果に基づいて基板SBおよびブランケットBLを水平移動させて、それぞれに設けられたアライメントマークをアライメントカメラ27の撮像範囲FV1内に移動させる。精密アライメント処理の内容は第1実施形態と同じである。
図19は第2実施形態の装置におけるプリアライメント処理を説明する図である。より具体的には、図19(a)は第2実施形態のパターン形成装置におけるプリアライメントカメラの配置を模式的に示す図であり、図19(b)はプリアライメントカメラおよびアライメントカメラの撮像範囲を示す図である。なお図19(b)にはブランケットBLを下方から見上げた状態に対応する座標軸を示している。
この実施形態では、下ステージ61に保持されるブランケットBLの下方にプリアライメントカメラ25が設けられ、プリアライメントカメラ25はその光軸AX2を斜め上向きにして配置される。より詳しくは、ブランケットBLの下面の法線に対して光軸が角度αの傾きを有するように、プリアライメントカメラ25が設置される。この例では光軸AX2が(+X)方向に角度αだけ傾けられている。この角度αとしては30度ないし60度程度が適当である。
一方、アライメントカメラ27はその光軸AX1がブランケットBLの下面に直交するように設けられている。アライメントカメラ27は撮像光学系として機能するレンズユニットLU1と、例えばCCDセンサやCMOSセンサなどからなる撮像素子IM1とを有する。レンズユニットLU1は拡大光学系であり、その倍率は予め定められた一定値である。また、プリアライメントカメラ25も、レンズユニットLU2と撮像素子IM2とを有している。
アライメントカメラ27のレンズユニットLU1は例えば10倍程度の倍率を有する拡大光学系であり、図19(b)に示すように、アライメントカメラ27は比較的狭い撮像範囲FV1を高倍率で撮像する。一方、プリアライメントカメラ25のレンズユニットLU2は0.5倍ないし1倍程度の倍率を有し、アライメントカメラ27よりも広い撮像範囲FV2を低倍率で撮像する。したがって、撮像素子IM1,IM2の分解能が同程度であったとしても、アライメントカメラ27の方が高分解能での撮像が可能である。
アライメントカメラ27の撮像範囲FV1とプリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2との相対的な位置関係は予め規定されている。図19(b)に示すように、プリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2がアライメントカメラ27の撮像範囲FV1を包含するように、両カメラの位置が設定されることが好ましい。なお、アライメントカメラ27の撮像範囲FV1の大部分がプリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2に含まれることが望ましいが、一部が外れるような位置関係でもよい。
これにより、プリアライメント処理における基板側アライメントマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2の移動はプリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2内で行われることとなる。そのため、プリアライメント処理後にアライメントマークが所定の位置へ移動したことをプリアライメントカメラ25により検証することができる。また、最終的な目標位置に近い位置に基板SBとブランケットBLとを配置した状態でプリアライメント処理を行うことができる。さらに、プリアライメントカメラ25で撮像されたアライメントマークとアライメントカメラ27で撮像されたアライメントマークとの対比から、アライメントカメラ27の撮像範囲FV1とプリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2との位置関係を検証することができる。これらはいずれもアライメントマークの位置検出精度の向上に寄与する。
プリアライメントカメラ25の光軸AX2がブランケットBLの下面に対して斜め方向に設定されることで、プリアライメントカメラ25とアライメントカメラ27とが互いに干渉することなく撮像を行うことができる。すなわち、一方カメラの構成部品が他方カメラの視野を遮ることが回避される。
また、プリアライメントカメラ25がブランケットBLおよび基板SBに対して斜め向きに配置された状態で撮像が行われることで、垂直方向から撮像する場合に比べてプリアライメントカメラ25が見込むブランケットBLおよび基板SBの表面積が増大し、結果として撮像範囲FV2がX方向において引き延ばされる。このようにすることはアライメントマークの位置検出精度の点からは不利であるが、基板SBおよびブランケットBLの概略位置を合わせるプリアライメント処理においては問題とならない。むしろ、撮像範囲が広がることで基板側およびブランケット側アライメントマークの概略位置を検出することが容易となり、基板SBおよびブランケットBLの搬入時の位置ばらつきに対する許容範囲が広くなるので好都合である。
図20はプリアライメントカメラおよびアライメントカメラの合焦範囲を示す図である。図20(a)はアライメントカメラ27の合焦範囲FR1を示す。アライメントカメラ27は比較的高倍率のレンズユニットLU1を有しており、その被写界深度は比較的浅い。そのため、鉛直方向(Z方向)における合焦範囲FR1も比較的狭く、ギャップGを隔てて対向配置された基板SBとブランケットBLとの両方を合焦範囲に収めることは難しい。したがって、基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2とに同時にピントを合わせることができない場合がある。この実施形態では、図20(a)に示すように、ブランケットBLの上面を合焦範囲FR1に収めてブランケット側アライメントマークAM2にピントが合うように、アライメントカメラ27のZ方向位置が設定される。
その結果として基板側アライメントマークAM1にピントが合わなくなれば、撮像結果においては特に高い空間周波数成分が失われる。基板側アライメントマークAM1として比較的低い空間周波数成分を多く含む図形を用いれば、ピントが合っていない画像からでも少なくとも基板側アライメントマークAM1の重心位置については高精度に検出することが可能であり、アライメントマーク間の位置合わせには支障が生じない。これを可能とするためには、図16(b)に示したように、例えば基板側アライメントマークAM1を中実図形、ブランケット側アライメントマークAM2を中空図形とすることができる。
一方、プリアライメントカメラ25については、レンズユニットLU2が低倍率であることからより深い被写界深度のものを用いることができ、図20(b)に示すように、光軸方向に沿った合焦範囲FR2をより広くすることができる。このため、ギャップGを隔てて対向配置された基板SBとブランケットBLとのそれぞれに設けられた基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2とを共に合焦範囲に収めた状態で撮像を行うことが可能である。つまり、基板側およびブランケット側アライメントマークの両方にピントが合った状態で、これらを同一視野で撮像することが可能である。したがって、分解能がそれほど高くないカメラであっても使用可能であり、また斜め方向からの撮像によっても実用上十分な位置検出精度が得られる。
アライメントカメラ27として、例えば倍率10倍、ワーキングディスタンス16mmのレンズユニットLU1および2/3インチ角サイズの撮像素子IM1を有するものを用いたとき、その撮像範囲FV1は1辺が1mm弱、より具体的には0.7mmないし0.8mm程度となる。一方、プリアライメントカメラ25として、例えば倍率0.5倍、被写界深度6mmのレンズユニットLU2および1/3インチ角サイズの撮像素子IM2を有するものを用い、光軸の傾き角αを60度としたとき、撮像範囲FV2は長辺方向(X方向)において16mm程度、短辺方向(Y方向)において12mm程度となる。また、ギャップGを300μm程度とすれば、基板SB、ブランケットBLとも合焦範囲FR2内に入るのは7mm角程度となる。外部より搬入される基板SBおよびブランケットBLから基板側およびブランケット側アライメントマークを検出するには十分な精度であると言える。
図21は第2実施形態におけるアライメント処理を示すフローチャートである。第1実施形態の処理においては、装置に搬入された基板SBとブランケットBLとのギャップ調整を行う前にプリアライメント処理を行うが、第2実施形態では基板SBとブランケットBLとが近接対向している必要があるため、ギャップ調整後にプリアライメント処理および精密アライメント処理を順次実行する。図において、ステップS202〜S205の各処理ステップがプリアライメント処理に相当し、ステップS206〜S211の各処理ステップが精密アライメント処理に相当する。
すなわち、ギャップ調整により基板SBとブランケットBLとが所定のギャップGを隔てて対向配置されると(ステップS201)、プリアライメントカメラ25による撮像が行われ(ステップS202)、基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2とが同一視野で撮像される。このときいずれかのアライメントマークが撮像範囲FV2から外れているケースも想定されるが、上ステージブロック支持機構482やアライメントステージ支持機構605による基板SBおよびブランケットBLの可動範囲に限りがあることから、このように大きな位置ずれがある場合にはエラーとして処理してもよい。
撮像結果から基板側アライメントマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2の位置がそれぞれ検出される(ステップS203)。このとき、基板SBとブランケットBLとがギャップGを隔てて離隔しており、また斜め方向から撮像が行われることから、撮像画像において基板側アライメントマークAM1の位置は本来の水平方向位置とは異なる位置に投影されている。この点を補正した位置検出が行われる。この場合の位置ずれは単にX方向への一定量の変位として現れるだけであるから、その分を差し引くことで容易に補正可能である。ギャップのばらつきに起因する多少の位置検出誤差が生じ得るが、後に精密アライメント処理を行うため問題とはならない。
基板側アライメントマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2の位置が検出されると、これらをアライメントカメラ27の撮像範囲FV1内に収めるために必要な基板SBおよびブランケットBLの移動量がそれぞれ算出され(ステップS204)、求められた移動量に応じて、上ステージ41および下ステージ61が移動される(ステップS205)。いずれかのアライメントマークが既に撮像範囲FV1内にある場合には移動は不要である。これにより、基板側アライメントマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2はいずれもアライメントカメラ27の撮像範囲FV1内に現れる。
アライメントカメラ27は基板側アライメントマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2を同一視野で撮像し(ステップS206)、その撮像画像から各アライメントマークの位置検出が行われる(ステップS207)。アライメントマークの位置関係から基板SBとブランケットBLとの相対位置が把握され、これらの位置関係を予め定められたものとするために必要なブランケットBLの移動量が算出される(ステップS208)。ここで必要なのは基板SBとブランケットBLとの相対的な位置関係を調整することであり、移動は基板SBまたはブランケットBLのいずれかでよい。本実施形態では、求められた必要移動量に応じて下ステージ61が移動することによりブランケットBLを移動させる(ステップS209)。
移動後、改めてアライメントカメラ27による撮像が行われ、基板側アライメントマークAM1とブランケット側アライメントマークAM2との相対位置が検証される(ステップS210)。両者の相対位置の誤差が予め定められた適正範囲内にあるかどうかが判断され(ステップS211)、適正範囲内にあれば処理は終了する一方、そうでない場合にはステップS208に戻る。こうして位置の誤差が適正範囲に収まるまで、ループ処理が繰り返される。1回の移動でアライメントマークを適正範囲へ移動させることができる程度の位置決め精度をアライメントステージ支持機構605が有する場合には、移動後の検証およびループ処理を省くことができる。
光軸AX1がブランケットBLの下面に直交するように配置されたアライメントカメラ27の撮像結果に基づく精密アライメント処理では、ギャップGのばらつきがアライメントマークの位置検出に影響を及ぼさないため、高精度での位置合わせが可能である。このとき、予備アライメント処理によって基板側およびブランケット側アライメントマークAM1,AM2が予め撮像範囲FV1内に位置決めされるので、撮像範囲FV1が狭い高倍率の撮像を行うことが可能である。また、撮像範囲を可変とする必要がないので、倍率が固定された撮像光学系を適用することができる。そのため、倍率を変更する際に生じる光軸ずれや画像の歪み等の影響を受けることなく高分解能の撮像が可能であり、これらにより高精度の位置合わせが可能となっている。
この実施形態では、プリアライメント処理において上ステージ41および下ステージ61をそれぞれ必要量移動させることによって基板SBおよびブランケットBLそれぞれの概略位置合わせを行い、その後精密アライメント処理によって下ステージ61を必要量移動させることでブランケットBLのみを移動させ、基板SBとの相対位置合わせをより精密に行う。すなわち、基板SBの移動に伴う基板側アライメントマークAM1の移動はプリアライメント処理においてのみ、またブランケットBLの移動に伴うブランケット側アライメントマークAM2の移動はプリアライメント処理および精密アライメント処理の両方において行われる。
図22はアライメント処理に伴うアライメントマークの移動の態様を例示する図である。図22(a)に示すように、プリアライメントカメラ25の撮像範囲FV2内で撮像された基板側アライメントマークAM1は、プリアライメント処理によってアライメントカメラ27の撮像範囲FV1内の位置P1へ移動する。一方、ブランケット側アライメントマークAM2はプリアライメント処理によってアライメントカメラ27の撮像範囲FV1内の位置P2へ移動し、さらに精密アライメント処理によって最終的な目標位置P3へ移動する。この位置P3において、基板側アライメントマークAM1との相対位置が予め規定されたものとなる。
このとき、ブランケット側アライメントマークAM2の位置P2への移動と位置P3への移動とにおいて、その移動方向が略同一であることが望ましい。すなわち、プリアライメント処理では、目標位置である位置P3に至る経路の途中位置またはその近傍位置へ向けてブランケット側アライメントマークAM2が移動するように、ブランケットBLを移動させることが望ましい。なお、これらの移動において移動方向が完全に同一である必要は必ずしもなく、移動をX方向およびY方向成分に分解したとき、それぞれの成分において、2回の移動の方向が同じであればよい。図22(a)の例では、プリアライメント処理における位置P2への移動のX方向成分が(−X)方向である。この場合、精密アライメント処理における位置P3への移動のX方向成分も(−X)方向となるようにするのが好ましい。Y方向成分についても同様である。その理由は以下の通りである。
比較例として示す図22(b)は、ブランケット側アライメントマークAM2がプリアライメント処理において(−X)方向および(−Y)方向に移動して位置P4に移動した後、精密アライメント処理において(−X)方向および(+Y)方向に移動して目標位置P3に移動した例を示している。このように、X方向およびY方向の少なくとも一方において、プリアライメント処理と精密アライメント処理との間で移動方向が反対となる場合、移動機構のバックラッシュに起因して位置決め誤差が大きくなるおそれがある。
図22(a)に示すように、X方向、Y方向それぞれの移動方向をプリアライメント処理と精密アライメント処理との間で同じとすることにより、このようなバックラッシュに起因する誤差を抑えて、より高精度な位置合わせを行うことが可能となる。特に精密アライメント処理においてループ処理を省いている場合には、このようにすることが精度を向上させる上で有効である。
なお、ここでは1組のプリアライメントカメラ25とアライメントカメラ27とを用いたプリアライメント処理および精密アライメント処理の原理について説明したが、より高い位置合わせ精度を得るためにはこれらがそれぞれ複数設けられて、互いに異なる複数箇所で撮像が行われることがより好ましい。この実施形態のパターン形成装置では矩形の四隅にそれぞれアライメントマークが設けられた基板SBを処理対象物としており、これらに対応して4基のアライメントカメラ27が設けられる。精密アライメント処理については、4箇所のアライメントマークのうち3箇所以上の位置検出結果が用いられることが好ましい。
一方、プリアライメントカメラ25は、概略位置合わせという目的からは全てのアライメントマークに対応させる必要は必ずしもなく、例えば2基程度で十分な精度を得ることが可能である。例えば基板SBの対角近傍に配置された2つのアライメントマークに対応して2基のプリアライメントカメラ25を設けてプリアライメント処理を行うようにすれば、4基のアライメントカメラ27それぞれの撮像範囲にアライメントマークを位置決めする程度の位置精度を得ることが可能である。
これらの場合、アライメントマークの撮像結果に基づく基板SBおよびブランケットBLの必要移動量は、複数箇所での位置検出結果からそれぞれ求められる必要移動量を平均して算出するのが望ましい。
以上のように、この実施形態では、微小なギャップGを隔てて対向配置された基板SBとブランケットBLとの間でプリアライメント処理および精密アライメント処理を順次行うことで、両者の高精度な位置合わせが可能となる。そして、こうして高精度に位置合わせされた状態から基板SBとブランケットBLとが密着することで、ブランケットBLに担持されたパターンを基板SBの規定位置に精度よく転写することが可能である。
なお、版PPからブランケットBLへのパターニング処理の工程においては、上記した第2実施形態のプリアライメント処理を適用することができない。この時点のブランケットBLには位置合わせの基準となるアライメントマークが形成されていないからである。したがってパターニング処理時に版PPとブランケットBLとの位置合わせができないことになるが、この点は問題とならない。というのは、基板SBとブランケットBLとのプリアライメント処理の段階でそれぞれに形成されたアライメントマークの位置が参照されるため、ブランケットBL上に担持されるパターンの位置に関わらず、ブランケットBL上のパターンと基板SBとの位置関係は適正に保たれるからである。
<その他>
以上説明したように、上記実施形態では、基板SBおよびブランケットBLがそれぞれ本発明の「第1板状体」および「第2板状体」に相当しており、基板側ブランケットマークAM1およびブランケット側アライメントマークAM2がそれぞれ本発明の「第1アライメントマーク」および「第2アライメントマーク」に相当している。
また、上記実施形態では、上ステージ41が本発明の「第1保持手段」として機能する一方、下ステージ61が本発明の「第2保持手段」として機能している。また、上記実施形態では、アライメントカメラ27が本発明の「主撮像手段」として機能する一方、プリアライメントカメラ25が本発明の「副撮像手段」として機能している。
また、図21に示すステップS201が本発明の「配置工程」に相当する一方、ステップS202〜S205が本発明の「予備アライメント工程」に、またステップS206〜S211が本発明の「精密アライメント工程」にそれぞれ相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では基板SBおよびブランケットBLを水平姿勢に保持して対向させているが、本発明にかかるアライメント技術は、これらの姿勢に関係なく適用可能である。
また、上記実施形態の精密アライメント処理では上ステージ61を移動させることでブランケットBLを基板SBに対して移動させているが、これに代えて上ステージ41の移動により基板SBを移動させるようにしてもよく、また基板SBおよびブランケットBLの両方を移動させる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、ブランケットBL上にパターンとともにパターニングされた基板側アライメントマークAM1を用いて精密アライメント処理を行っているが、予めブランケットBLに予め固定的に形成されたアライメントマークを用いてもよい。ただしこの場合、基板SBの適正位置にパターン形成を行うためには、版PPからブランケットBLへのパターニングの際にも精密アライメントが必要となる。
また、上記実施形態は、内部が開口する額縁状に形成された下ステージ61によりブランケットBLの周縁部を保持する構成を有するものであるが、本発明の思想に基づくアライメント技術は、これに限定されず、例えば平板状のステージにブランケットを載置する構成を有するパターン形成装置に対しても適用可能である。
また、上記実施形態は本発明にかかるアライメント技術を適用したパターン形成装置であるが、本発明の適用対象はこのような基板にパターンを転写する装置のみに限定されず、対向配置した2枚の板状体の精密な位置合わせを必要とする種々の用途に適用可能である。例えば、前述の特許文献1に記載された基板とマスクとを対向配置させる場合や、例えばEL表示装置のように所定の機能層を挟んで2枚の基板を貼り合わせる場合の位置合わせにおいて、本発明の技術思想を適用することが可能である。
この発明は、2枚の板状体を高精度に位置合わせして対向させることが求められる種々の技術分野に好適に適用可能である。
25 プリアライメントカメラ(副撮像手段)
27 アライメントカメラ(主撮像手段)
41 上ステージ(第1保持手段)
61 下ステージ(第2保持手段)
AM1 基板側ブランケットマーク(第1アライメントマーク)
AM2 ブランケット側アライメントマーク(第2アライメントマーク)
BL ブランケット(第2板状体)
SB 基板(第1板状体)
S201 配置工程
S202〜S205 予備アライメント工程
S206〜S211 精密アライメント工程

Claims (12)

  1. 第1アライメントマークが形成された第1板状体を保持し、前記第1板状体をその主面と平行な方向に移動可能な第1保持手段と、
    第2アライメントマークが形成された光透過性を有する第2板状体を保持し、前記第1板状体に対して平行に、かつ所定のギャップを隔てて近接対向配置させるとともに、前記第2板状体をその主面と平行な方向に移動可能な第2保持手段と、
    前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に、光軸が前記第2板状体の主面に直交するように設けられて、前記第1板状体および前記第2板状体を撮像する主撮像手段と、
    前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に設けられて、前記第1撮像手段の撮像範囲よりも広い撮像範囲で前記第1板状体および前記第2板状体を撮像する副撮像手段と
    を備え、
    前記副撮像手段の撮像結果に基づき、前記第1保持手段が、前記第1アライメントマークが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第1板状体を移動位置決めする一方、前記副撮像手段の撮像結果に基づき、前記第2保持手段が、前記第2アライメントマークが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第2板状体を移動位置決めし、さらに、
    前記主撮像手段の撮像結果に基づき、前記第1保持手段および前記第2保持手段の少なくとも一方が、前記第1アライメントマークに対する前記第2アライメントマークの相対位置が予め定められた目標位置となるように前記第1板状体と前記第2板状体との相対位置を変化させる
    ことを特徴とするアライメント装置。
  2. 前記副撮像手段の光軸が前記第2板状体の主面に斜交する請求項1に記載のアライメント装置。
  3. 前記副撮像手段の撮像範囲が、前記主撮像手段の撮像範囲の少なくとも一部を含む請求項1または2に記載のアライメント装置。
  4. 前記主撮像手段が、倍率が固定された拡大光学系を有する請求項1ないし3のいずれかに記載のアライメント装置。
  5. 前記主撮像手段が、前記副撮像手段よりも高い分解能を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のアライメント装置。
  6. 前記副撮像手段の被写界深度が前記主撮像手段の被写界深度よりも深く、前記副撮像手段が前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとをともに合焦範囲に入れて撮像する請求項1ないし5のいずれかに記載のアライメント装置。
  7. 互いに撮像範囲の異なる複数の前記主撮像手段と、互いに撮像範囲の異なる複数の前記副撮像手段とを備える請求項1ないし6のいずれかに記載のアライメント装置。
  8. 第1アライメントマークが形成された第1板状体と、第2アライメントマークが形成された光透過性を有する第2板状体とを、互いに平行に、かつ所定のギャップを隔てて近接対向配置させるとともに、前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側に、光軸が前記第2板状体の主面に直交するように主撮像手段を配置する配置工程と、
    前記第2板状体に対して前記第1板状体とは反対側から、前記主撮像手段の撮像範囲よりも広い撮像範囲を有する副撮像手段により前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを同一視野で撮像し、その撮像結果に基づき、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとが前記主撮像手段の撮像範囲に入る位置に前記第1板状体と前記第2板状体とを位置決めする予備アライメント工程と、
    前記主撮像手段により前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとを同一視野で撮像し、その撮像結果に基づき、前記第1アライメントマークに対する前記第2アライメントマークの相対位置が予め定められた目標位置となるように前記第1板状体と前記第2板状体とを相対移動させる精密アライメント工程と
    を備えるアライメント方法。
  9. 前記副撮像手段の光軸を前記第2板状体の主面に斜交させる請求項8に記載のアライメント方法。
  10. 前記副撮像手段の撮像範囲を、前記主撮像手段の撮像範囲の少なくとも一部を含むように設定する請求項8または9に記載のアライメント方法。
  11. 前記予備アライメント工程では、前記主撮像手段の被写界深度よりも深い被写界深度を有する前記副撮像手段により、前記第1アライメントマークと前記第2アライメントマークとをともに合焦範囲に入れて撮像を行う請求項8ないし10のいずれかに記載のアライメント方法。
  12. 前記第1板状体および前記第2板状体の少なくとも一方について、前記予備アライメント工程と前記精密アライメント工程との間で移動方向を略同じとする請求項8ないし11のいずれかに記載のアライメント方法。
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